実の親なんだから娘の財産管理者になれないはずがない
だから、エリカは家出するしかないのですっ
安奈さんは叫ぶ
家出してお父様と別のところで、別の生活をしないとエリカがいただいた遺産が取られてしまいますからっ
あ判ったやっと繋がった
安奈さんがお父さんとの間に、大きな問題があって一緒に生活できないっていう既成事実が欲しいんだな
はいいっ遺産を守るためには、そうするしかないんですうっむむむむぅっ
この子は、エキセントリック過ぎてなかなかよく判らない子だけれど
本人としては、明確な意志と目的をもって行動しているんだ
でも、セックスや調教に、人一倍興味があるっていうのも本当ですからねっ
っていうか、1倍じゃないだろ2000倍くらいだ
桃子姉ちゃんちょっと聞いていい
何を知りたいのよ公
いやさっき、桃子姉ちゃんたちは安奈さんのことを中等部のスターだって言ってたろ
ええ、言ったわよ
それってどういう意味で、スターなんだ
オレはそれを確かめておきたい
見ての通りよこの子って、明るくて、楽しくて、表裏がなくてとっても、可愛いでしょ上級生は、みんなこの子のことを可愛がっているわ
そう安奈さんの立ち振る舞いは、とっても子供っぽくて可愛い
ありす下の学年から見て、どうだったんだ
ありすは中1だから、安奈さんの1つ下の学年に居た
幼稚部、初等部もずっと同じ学校に居たはずだ
わたくしたち下級生にとってはやっぱり、明るくて、いつも朗らかででも、もっと年長の先輩方たちとも仲の良い、ちょっと大人っぽい綺麗なお姉様だと感じています
可憐は
初等部の子たちも、みんなお元気でカッコ良いお姉様だと思っていますわ
同じ学校の小6に在籍している可憐もそう言う
そうだ安奈さんは、見た目はとっても大人っぽいだから、年上の女の子の中に入っても馴染む変じゃない
なるほど年上にとっては、子供っぽくて、可愛い後輩で年下から見れば、大人っぽくて、カッコイいい先輩なんだ
そして問題は
そういう見せ方を、意図的にやっている子なのかっていうことだけれど
この子は演技はしていないと思う
言動が、もの凄く反射的で、直情的で
性格を偽っているようには見えない
この子の表情や言葉には、邪悪さは微塵も感じられないのだから
ある意味純粋無垢なイメージを強く感じる
お兄様安奈さんは、学年で一番の学力の持ち主ですわ
そして運動神経も、とても良い方です
頭が良くてスポーツもできる
完璧超人じゃないか
そうか判った安奈さんは、出来すぎる子なんだな
オレは、そう結論付けた
頭が良すぎて、反射神経も良すぎるから思考も、行動も、もの凄い勢いでビュンビュン飛んでってしまうんだな
どんどん自分の中だけで分析して、理解してその結果に基づいた言動に突っ走る
年上には子供っぽく、年下には大人っぽくというのも反射的に、そうしているんだ
頭が良すぎるから特にに意識しなくても、どんどん最適な行動に出てしまう
お父さんが今後するであろう行動に対して最適だと感じたのが家出なんだそして、そう思い付いた瞬間にはもう家出を実行している考えないで、そうしているわけじゃなくって光速の思考に、身体がちゃんと付いていっているんだ
行き当たりばったりじゃないこの子の言動は
だから、邪悪にはならないし純粋さを感じるんだと思う
子供の無邪気な真っ直ぐさと
自分で決めて行動していく大人らしさが、この子の中で共存している
はいっ、エリカはそういう子ですけれどっ
安奈さんは、ニコッとオレに微笑む
うんオレは普通の人よりも頭が悪いからさ、理解するのに時間が掛かるんだ
やっと見えてきたよ安奈さんが、どんな子なのか
エリカはエリカですよっ最初っから、見た目のまんまですっあたし人に隠し事するの、大っ嫌いですからっ
安奈さんお兄様の素晴らしさが判らないなんて、あなたもまだまだ子供ですね
えー、判ってますよっ第一印象だけで、相手のことを決めつけないでじっくりと理解して下さる方なんですよねっでもこれで、エリカのことちゃんと判っていただけましたからっ
安奈さんは、そう言うが
いいえ、判っていないわ安奈さんわたくしたちのお兄様は、あなたのことを自分は、まだ、ほんの10パーセントも理解していないと思っていらっしゃるわよ
瑠璃子の言葉に安奈さんは眼を丸くして
どうしてですっあたしもう何も無いですよ見たままのエリかですっ
まだ、安奈さんが、自分自身で気付いていない安奈さんが残っているよ
ここが、この子の底なはずがない
人間の心は、もっと深くて複雑なんだから
父を大学病院へ連れて行ったのですが
2年半前の大動脈瘤破裂はおかげさまで、無事に完治したそうです
手術時には、生存確率50パーセントで
術後も、普通の生活は困難だろうと言われていたのですが
幸い、車椅子生活にもならず自分の足で歩いて暮らしています
医師からも、よくここまで治りましたねと言っていただけました
問題は呆けの方が
1日1回は、何かしら深刻な呆けをかましてくれます
笑えないレベルのを
父今年って何年だ
私平成27年だよ
父(メモする)別のは
私2015年だよ
父(メモする)もう1つのは
私もう一つ
父もう一つなんか年の数え方があったろう
私ないよ
父そうだったかうーん
そこまで聞いて、ハッとして父のメモ帳を見ると
西暦2015年、平成27年とあちこちに書いていました
何度もメモしてメモしたことさえ、忘れてしまっているようです
私これどういう目的でメモしたの
父うーん、覚えていない
そのページには大きく
めい・じぇい 外人とメモされていました
1135.日暮れ前 / 天気晴朗なれど、意識が高し
あら、もう何も無いなんてことはないわよね
翔姉ちゃんが安奈さんに微笑む
香月セキュリティ・サービスの調査能力侮ってもらっては困るんですけれど
瑠璃子から、安奈さんについての指示があってから何日も経っているのだから
翔姉ちゃんは、安奈さんの身辺調査を徹底的にしてきている
安奈さんが今日、家出をして来られた理由はお祖父様の遺産の問題だけではありませんよね
言葉に詰まる安奈さん
お父様との間に、もう一つ、大きな確執があるからですよね
安奈さんは瑠璃子を見る
どんなに恥ずかしくても、皆さんの前で全て話しなさい
学校の先輩らしく瑠璃子は、優しい笑顔で安奈さん言う
正直に話さないとここに揃っていらっしゃる方たちに、協力を求めるのは無理ですみんな、迂闊に物事を判断するような方たちではありませんから
うん、まだ何か秘密があるのなら最後まで話してくれないと、何もしてあげようがないよ
わたくしや香月家の力を借りたいのなら、全てを話なさい
歌晏桃子姉ちゃんもきっぱりと、そう言う
はぁぁ、ふぅぅ
大きく溜息を吐いて
うーっ、そのお話はエリカだけでなく、お父様の恥にもなることなのでできれば話したくなかったんですけれど
じゃあ、わたくしからお話致しましょうか
翔姉ちゃんが、ニャッと微笑む
うええーっ、そ、それはいいです、結構ですあううううーっ、あたしがエリカが自分で話しますからぁぁ
慌てて、そう叫ぶと
エリカのお父様がご自分の監査法人と、他の監査法人を合併させようとなさっているということは、もうお話しましたよね
うん、それは聞いた
それでそのついでに相手側の監査法人の役員さんの息子とエリカを婚約させるっていう話が出て来たんです
婚約政略結婚か
その方が将来的に、2つの法人の関係が良くなるからって
安奈さんは、暗い表情で言う
よくある話だわわたくしたちの学校に通っている子の多くは親族によって決められた許婚者《いいなづけ》がいますもの
桃子姉ちゃんがムスッとして、そう言う
確かに、格式の高い良家の子女しかいない超お嬢様校だから
みすずにだって、前はイイナヅケがいたし
でもエリカの場合相手が相手なんですぅぅッッッ
安奈さんが、潤んだ眼で桃子姉ちゃんに言う
言いづらそうな安奈さん
マドホリ・タダシさんよね
桃子姉ちゃんが、ズバリと言った
この間のパーティで安奈様のお父様と親しそうに話している姿を見たわわたくしに気付いて近寄って来ようとしたから、慌てて逃げたけれど
桃子姉ちゃんは、そのマドホリという人を心底嫌っているようだった
あ、そうですよねわたくしも、マドホリさんだと思いました
なるほどね安奈家は、今は公認会計士の元締めだけれどご先祖は明治政府の要職にいらしたし、名家ほどではないけれど血筋は良いし資産家でもあるマドホリさんが、眼を付けて狙ってくるのも判るわ
桃子姉ちゃんは、ふんふんと納得している
でも、マドホリさんじゃあ、名家の女の子と縁づいて、名家の世界に潜り込むのは無理ですよねぇあんな人、まともな名家は相手にしないでしょうし
そう言う、桃子姉ちゃんにまり子は
いえいえどっかっていうと、あの人の方もマドホリさんの野望を実現するためには、名家を相手にするんじゃダメなんですよあの人反保守派ですから
そうねあの人は名家とか既存の勢力を叩きのめしたいんでしょうね
名家と対抗したい野望がある
ていうか安奈さん、桃子姉ちゃんの答えであってるのか本当に何だ、マド
あってますマドホリ・タダシさんです
オレの問いに、安奈さんはムスっとして答える
公ちゃん、マドホリさんって、本当に変な人なのよわたくしは、大嫌いまり子は
わたくしも、大っ嫌いですっ
うわ、桃子姉ちゃんもまり子も相当、嫌っている
みすずたちは、どう
桃子姉ちゃんに言われて
あたしもお話を聞いている限りでは、良くない人物だと感じています
あのわたくしたちには接触しないように、翔お姉様たちがいつも監視して下さっているんですですから、パーティの席で遠くにいらっしゃるのを見掛けたことしかありません
みすずと瑠璃子は、そう答える
はい香月セキュリティ・サービスでは、パーティなどでの要注意人物に指定しています
翔姉ちゃんは、苦笑してそう言う
あら、いいわねわたくしも、これからはそうしていただこうかしら
歌晏桃子様のおよろしいように手配致しますわ
桃子姉ちゃんは、翔姉ちゃんにそう言う
あのみんなが、その人を嫌っていることは判ったけどさ
結局何がどういう風に嫌われている人なんだ
そうねえ公ちゃんに判るように、説明するとまず名前からして変な人のよ
名前ってマドホリ・タダシだろ
そうよ、マドホリ・タダシ上の名前はまだマトモよお部屋の窓の窓に、お堀端の堀って書くだけだから
うん窓堀か
でも、下の名前がねぇ革命って書くのよ
カクメイ
あの、ほらフランス革命とかの革命よそれで革命って書いてタダシって読ませるのよ
桃子姉ちゃんの代わりに、まり子がオレに教えてくれた
つまり窓堀革命《マドホリ・タダシ》
何で、革命がタダシなんだ
お父様が、そういう方だからよ
とても優秀な公認会計士でいらっしゃるんだけれど政治運動にも傾倒なさっているのよ今の日本には革命が必要だっていうのが信念の人なのよね
革命を起こすことが正義だと思っている
そのお父様の思想を、そのまま受け継いでいるのが窓堀革命さんなのよ
苦虫を噛み潰したよう顔で、桃子姉ちゃんがオレに言う
わたくしたちは、マッド・ホリって呼んでるけれどねわたくしのお友達でも、親しくなろうと近寄って来られて迷惑している女の子がたくさんいるから
わたくしも話し掛けられたことがあるわあの人、いっつもヘラヘラ笑っててまず、笑顔が気持ち悪いのよねそれで、一々、あったり前のことを小難しくこんなこと、頭の悪い君は今まで気付かなかったろうっていう態度で話してくるのよ本人は自分の頭の良さをアピールしているつもりなんでしょうけれどもう、バカでバカで話の相手をするのが苦痛なのよっ
まり子に、ここまで言われるような人なんだ
基本的に人を見下した態度なのよねそういうのが、女の子には、よーく伝わって来るのにあのマッド・ホリは根本的に女のことを馬鹿にしているからさわたくしたちが嫌っていることに、全然気付いていないのよっむしろ、自分は女の子に人気があるとか勘違いしているんだと思うわパーティの席とかでも、ガンガン話し掛けて来るからっ
鳥居様も、次回のパーティからは保護致しますわ
お願いしますっっていうか、マッド・ホリは、どこのパーティでも出入り禁止にして欲しいですっ
その人って何をしている人なの
オレには全然想像がつかない
すると、翔姉ちゃんは
まだ、大学院生なんだけれどNPO法人の代表をしていて、社会学者を名乗って、幾つかの雑誌に社会批評を書いているわ本も2冊出版しているし
あんなの評論じゃないですっただの学生のご意見エッセイよ
まり子は、また怒る
本人は言論だなんてって自慢しているみたいだけれどねマッド・ホリの書いてることは、まともに調べていないことを、ただ自分の印象と思いつきだけで、当てずっぽうに適当なことをダラダラ書いているだけだから酷いものばかりよ
そうですわねわたくしも、今回の調査で幾つか読んでみましたけれど批評のベースとなる下調べが不十分なので窓堀さんの脳内世界での、架空の世界に架空の条件を当てはめた考察にしかなっていないから無意味な空論でしかないと思いました
そんな人が、どうして幾つもの雑誌に
公ちゃん、それがね最近では、現代日本の若者の問題を考える会とかに呼ばれたり、若者代表としてテレビや新聞にコメントを発表したりしているのよ
え桃子姉ちゃん
そうなのよ、公あの人、大人に取り入るのが、とっても上手いのよお父様のコネで、元から知り合いも多いんだけれど自分でNPO法人をやっているでしょだから、自分でイベントとかを組んで雑誌の編集長とか、大学の教授とか、有名な弁護士とか、野党の政治家をゲストに呼ぶのよそうやって、業界のツテを広げていくわけ
わたくしたちには、どうしょもないバカな人にしか見えないんだけれどどういうわけだか、50歳以上の男性に取り入るのが上手いのよあれも才能なんだろうけれど
まり子の言う通りよ一部の業界の年輩の人には、なぜか評価が高いのよあんな人のどこを期待するのか、全く理解できないんだけれど
桃子姉ちゃんも、呆れている
そんな人が安奈さんの許婚者になるかもしれないのか
オレの言葉で全員の眼が、安奈さんに集まる
そういうことなんです
安奈さんは、力なくそう呟いた
えっと大学院生っていうことは
今年、23歳よ
翔姉ちゃんが教えてくれた
14歳の安奈さんの許婚者が23歳
それは、ほら親の会社同士の都合だから、仕方なかったって言い訳できるでしょ合法的に中学生をゲットできるんだから上手い手を考えたたわよね
窓堀さんの本にも書いてあるし、NPO法人のホームページにも載っているんだけれど窓堀さんの最終的な人生目標は、政治家になることなんだそうなのよ
それも自分で新党を立ち上げて、政権交代を勝ち取って日本初の大統領になるのが夢なんですって
ね、ホンモノのバカでしょ日本も、アメリカ、フランス、韓国、ウガンダを見習って大統領制になるべきだっていうのが持論なんだってさ
だから、今後は財界の人たちにも食い込んで、政党を起ち上げるためのスポーンサーを探そうとしているんだと思うわそういう意味では、アンナ&ヤマモト監査法人の方が優良な顧客をたくさん抱えているし安奈さんを通じて、わたくしたちの学校の関係者にも触手を伸ばすつもりなのねきっと
翔姉ちゃんは、そう推理する
で、安奈さんはそんな人と婚約させられるのが嫌で、家出して来たんだ
オレは彼女に問う
は、はいまあ、そのそういうことなんですけれどあんな人と結婚したら、お祖父様が遺して下さった財産も、全部、バカげたことに使われてしまいそうですし
そして安奈さんは、クッと大きな瞳でオレを見上げて
でもっ、あたしっセックスとか、レイプとか、調教に興味があるっていうのも本当なんですっお祖父様の遺産をお父様に取り上げられてしまうのが嫌だっていうのも本当ですっだからっ
大きく眼を見開いて真剣な表情で、オレに言う
黒森様の奴隷にしていただきたいっていうのも、本当に心の底からのお願いなんですっエリカは、黒森様にお仕えしたいんですっ
オレは1つの確信を得た
うん、安奈さんの頭の中の理屈は、良く判った
この子は、もの凄く良く回る頭で物事を分析して答えを出し光の速さで、実行に移す
だから、外から見ると危なっかしくて、理解しにくいけれど
安奈さんの中では筋の通った理屈が、いつも明瞭に存在している
オレには安奈さんが、凄く頭が良い子でこうと決めたことを、即座に実行する勇気もあってそして、何より自分に厳しい子だって判ったよ
オレは言葉を選びながら、彼女に話す
キョトンとして、オレを見ている安奈さん
つまり、安奈さんは人に何かを頼むためには、それに見合った代償が要るっていうことを、ちゃんと理解しているんだだから、そうなっちゃうんだな
この子はとてもプライドが高い本当は
安奈さんが、お父さんに逆らってお祖父さんの遺産を護ったり、変な人との婚約を阻止するためには香月家に保護してもらうしかないそう判断したんだろそれしか、現状を打破する手が無いって
幾ら頭の良い子でもまだ14歳のお嬢さんだ
自分1人では、父親に対抗ではないことはよく判っている
だけど、だからといって無償で、香月家に護ってもらうわけにはいかないから安奈さんの理屈では、そうだから
今の彼女が、差し出せるものそれは
だから、護られる代償として、安奈さんは自分自身の肉体と人生を、オレに捧げるつまり、オレの奴隷になる決心をしたんだよね
みすずのパートナーであるオレの奴隷となれば
香月家の保護下に入れる
その結果、一生奴隷としてオレに奉仕することになっても構わないと安奈さんは、覚悟を決めてきた
この子は、それしか方法が無いと考えたら全く躊躇せずに実行してしまう少女だから
そして、そうまでしてまで安奈さんが、お父さんに対抗しないといけない理由はさ
これは、オレの想像だけど安奈さんのお祖父さんが、わざわざ安奈さんを養女にして、お父さんとは別に遺産を遺したっていうのはさ
安奈さんの手が、ビクッと震える
そうやっぱり、おかしいんだ
こんな遺産の遺し方は
自分の資産の半分を孫娘で養女の安奈さんに遺すという名目で本当は、たくさんの資産の中の何かを安奈さんのお父さんに気付かれずに、遺したかったんじゃないのかな
安奈さんに遺した遺産の大部分のお金とか株とか土地とかは、本当に遺したいモノの安奈さんに渡すためのカムフラージュなんだろ
安奈さんは、ガクガクッと肌を振るわせる
どういうこと公
いや、だって変だろオレの奴隷になっても構わないからそんな覚悟をしてまで、ここに来たのに安奈さんは、オレに3億円分の資産もあげますって言ってたろ
あ確かに、そう言ってたわね
だからさ安奈さんが、何がなんでもお父さんに奪われたくないお祖父さんの遺産っていうのは3億円分の預貯金とか株とか土地とかじゃないんだよそういうモノとは別にお祖父さんから受け継いだものがあるんだだから3億円の資産の方は、オレたちにあげてしまっても良いって思っているそれもこれから先も、安奈さんがオレたちに護ってもらうための代償にしてもいいって
自分の命や人生や、3億円の資産よりも大切なものが、この子にはあるんだ
変な人と結婚させられたら困るっていうのもそれが原因なんだと思うオレたちに保護されれば守れるけれど結婚したら、取り上げられてしまう可能性が高いと判断したんだよね
だからマッド・ホリという人との婚約より
オレの奴隷になることを望む
オレの奴隷になったらそのまま安奈さんが持っていても、見逃してもらえるモノなんだと思うお金や株や土地とかじゃなくってもっと個人的に持っててるような物品なんだよ
オレやみすずたちが安奈さんの個人所有物について、とやかく言うはずがないから
でも、その個人所有物には、何か大きな意味があってそれに、安奈さんのお父さんやマッド・ホリが気付くと大変なことになるんだと思うだから、安奈さんのお祖父さんはわざわざ、安奈さんに遺す遺産の中に、それを紛れ込ませた
安奈さんは、おでこに汗をかいてジッとオレを見ている
何なの、それは安奈さん、わたくしたちに話なさい
歌晏桃子姉ちゃんが、安奈さんに命令するが
桃子姉ちゃんそれを今、尋ねるのは止めておこうよ
でも公
急ぐことはないよ安奈さんが、話してもいいって思うまで待とうまだ、オレたちは、そこまで安奈さんに信用されてはいないからさ
安奈さんは、オレを睨んだままだ
でも知りたいじゃないっ秘密の遺産が何なのか
桃子姉ちゃんは、好奇心の塊だからな
ヒントはきっと安奈さんの家の離れのお祖父さんが遺した、地下の秘密図書館にあるんだと思うよ
な、何でっ
安奈さんが呟く
何でそう思うのっ
安奈さんのお祖父さんが亡くなった時に安奈さんは4歳だったんだろ遺言するにしたって、大きな秘密を伝えるのは難しいよまだ小さい安奈さんが、お父さんたちにあっさり話してしまうかもしれないし
多分、安奈さんのお祖父さんは離れに秘密の図書室があることだけを、こっそり安奈さんに言い残したんだそして、離れそのものを安奈さんへの遺産の一つにして、安奈さんしか立ち入りできないようにしておいた
安奈さんが、驚愕の眼でオレを見ている
それで安奈さんが大きくなってお祖父さんの想像より、ずっと早いんだと思うけれど秘密図書館に辿り着いて、中の蔵書を読むようになった
本棚に並べられた古い洋書を順番に
その蔵書のどこからにお祖父さんからのメッセージが、挟み込んであったんじゃないかなそこには、お祖父さんが安奈さんに本当に遺したいモノのことがその物品の意味と、使い方について、詳しく書いてあったんだと思うよ
どうして、そう思うの公
すっかり硬直している安奈さんの代わりに
桃子姉ちゃんが、オレに尋ねる
頭の良い子はさ何か隠し事をする時には、ちょっとだけ本当のコトを混ぜておくんだよその方が、誤魔化せるからそれに安奈さんみたいな子だと、頭の中に出て来てしまったことは、ついつい話に織り込んでしまうだろうから
この子はさずっとお祖父さんの本当の遺産についてばかり考えているだろだからオレの奴隷になりたいなんて、無茶な主張をする時にもさお祖父さんのメッセージを見つけた、秘密図書館の光景が、ついつい頭の中にフラッシュバックして出て来てしまったんだと思うよそしたら、安奈さんは思考と言動がダイレクトに直結している人だから、そのまま図書館のことを話してしまうと思うんだ
すると安奈さんは
どうしてっどうして、そんなにエリカのことが判るのっ
震えながらオレに尋ねる
そんなこと判らないのですか
お兄様は先程から、ずーっと今、この時間だけは、真剣に安奈さんのことだけを見て、安奈さんのことだけを考えていらっしゃったからです
エリカのことを
ええ今もなお、安奈さんのことを理解しようと、一生懸命頑張っていらっしゃいますわ
お茶が温くなってしまいましたわね今、新しいのを差し上げます皆さん、お待ち下さい
そう言って瑠璃子はお茶を入れ直しに行く
オレは今瑠璃子の手の上に居る
ここまでは、瑠璃子の計画通りなんだな
そうねちょっと、ブレイクしましょうわたくしも、冷静になって状況を分析したいわ
歌晏桃子姉ちゃんもそう言う
そうですねあ瑠璃子様、お茶でしたらわたくしも手伝いますわ
まり子も、席を立つ
おいコラ、ポンコツ姉ちゃん
エリが呆然としてる、安奈さんに言う
ぽ、ポンコツエリカが
そうです今のまんまなら、ポンコツですわ
リエも、冷たい眼で安奈さんに言う
ホンマにお兄さんの奴隷にして欲しいんなら
お茶を入れるのぐらい、手伝ったらどうなんですか
そのまま双子も立ち上がって瑠璃子の方へ向かった
安奈さんも、立とうとするが
いいわよそんなに人は要らないから安奈さんは座ってて
瑠璃子に、そう言われてしまう
だいたい人に言われてからじゃないと、身体が動かない奴隷なんて奴隷やないわ
そうやなそんなん奴隷やのうてポンコツや
双子は、ティーカップと皿の準備をしながらブツブツ呟いている
また外部警報が鳴る
ああ皆さん、お帰りみたいですわね
瑠璃子の言う通りモニターには、克子姉の車が映っていた
学校から克子姉、寧、マナ、愛、イーディ、キヌカが帰って来たらしい
あかんです
病院で風邪のウイルスを貰ってきてしまったらしく
家族全員、せきと熱にやられています
すごいツラいです
皆様も、ご自愛下さい
1136.日暮れ前 / あきらかに
あら、これ美味しいわね
愛が学校で作ってきた試作品のパンを摘まみながら歌晏桃子姉ちゃんは言う
そうなのよこの子、パンだけは上手なのよねぇ
さっきまでの真面目な話の間は、ずっと他の子の背後に隠れていた雪乃がブレイクのティー・タイムになった途端、前に出て来る
ターバンにヒゲの謎のインド人の格好で
うううーっ吉田くんに食べてもらいたくて焼いてきたのにぃ
泣きそうな声で、愛はそう言うがモシャモシャとパンを頬張る2人には声が小さすぎて聞こえていないようだった
そういえば、あなたとは初めましてなのよねついで、こっちの風変わりな子も
桃子姉ちゃんは、愛と雪乃を見て、そう言う
あら、あたしは全然風変わりなんかじゃないわよ至って普通のつもりだけれど
いや、雪乃その格好では、何を言っても虚しいだけだぞ
まあ、いいわ公ちゃんが、このお屋敷に色んな女の子を囲っているっていう話は、わたくしも報告を受けているし今、ここに居るのが全部じゃないんでしょ
桃子姉ちゃんが、オレに尋ねる
ああ、そうだけどさ
オレは部屋の中を見廻す
ああメグお姉ちゃんならスーパー名家のお嬢様の歌晏さんには会いたくないって自分の部屋に籠もっちゃったよ
マナが台所から、他にもお菓子を運んで来ながら言った
克子姉は台所から出て来ない
翔姉ちゃんも、何か調べることがあると別室へ行った
ったく恵美は、そういうところがヘタレなんだから
雪乃が、文句を言う
そんなの関係ないじゃないここはあたしたちの家なんだからホームで堂々としていなかったら、アウェイでも勝てないわよっ
何に勝つつもりなのかはよく判らない
でも、本当にこのパンは美味しいわねあなたは、公ちゃんと一緒にパン屋さんのビジネスを始めるんだっけあなたになら、わたくしも出資してあげてもいいと思うわ
えっとあああ、あの
桃子姉ちゃんが、そう言うが愛は困惑するばかりで、オレを見る
桃子姉ちゃんの申し出は有り難いけれど出資金には困っていないから
あら、わたくしを公ちゃんのビジネスに参加させないつもり
桃子姉ちゃんは、不満そうだった
はいパン屋さんは、あたしたちの夢ですからあたしたちだけではじめます
愛が小さな声で言う
あら、あなたちゃんと自分の意見が言える子なのねじゃあ仕方ないわ出資は諦めます
そうですよ桃子お姉様には、わたくしが始めるビジネスに出資していただきますからっ
ハン、なるほどネ
食堂の片隅では寧とイーディが、2人が不在の間のこの部屋での会話記録をモニターに映し出して観ていた
複数の監視カメラからの映像を次々と切り替えて誰のどの発言の時に、それぞれの人物がどんなリアクションをしているのかも確かめている
ホントここには女の子ばっかり、たくさん居るわよね
改めて、桃子姉ちゃんは部屋全体を見渡して言う
今、この食堂でパンとお茶でのブレイク・タイムを楽しんでいるのは
まず、こっちのテーブルにオレ、桃子姉ちゃん、みすず、瑠璃子、雪乃、まり子、美智
向こうのテーブルには、ありす、可憐、エリ&リエ、ミタマとキヌカ桃子姉ちゃんの連れて来たセバスティアヌス(山田梅子)さんも居る
そして、端っこのテーブルに寧とイーディが居る
今は、まだ帰って来ていない子も居るし奥にもまだ何人か居るけれどさ
ああ例の他人の心を操作する一族の子たちは、連れて来なくていいわよ挨拶とかは結構よわたくしは、絶対に会わないから
桃子姉ちゃんは、鷹倉神社の巫女の力を持つ少女たちを恐れている
そんなあの子たちは、桃子姉ちゃんの心を勝手に操作したりしないよ
はい、鷹倉さんたちは旦那様のご命令がなければ、あの力を使いませんわ
オレとみすずが、そう言うけれど
あらあらあーらあなたたちも、まだまだ甘いわね
わたしのレベルの立場になると下の人が、わたくしに気を遣うつもりで、勝手に余計なことをしているということが多々あるのよホントよくあるのよわたくしは何も指示していないのに訪問したレストランの内装が変わっていたり、メイドや使用人が叱責されていたり酷い時は、勝手に解雇されていたり
そんなことがあるんだ
あるのよっ例えば、お食事なんかでもたまたま考え事をしていて、出された料理について何のコメントもしなかったりすると桃子お嬢様のご不興を買ったなんて言い出して、料理をしたコックさんがわたくしの知らないところで交代させられていたりするの
だから、わたくしは何か食べたら、ちゃんと美味しいとか気に入ったとかコメントしないといけないのよ口に合わないときにも次回に期待するわとか機会を与えてあげないと、可哀相なことになっちゃうのよ
桃子姉ちゃんは悲しげに、そう言う
そういうことだからその不思議な能力を持つ姉妹たちだって、公ちゃんが指示しなくても他の人や、その子たち自身の判断で、わたくしに力を使うかもしれないわだって、わたくし歌晏桃子よわたくしの心を自由に操ってみたいって思っている人は、たくさんいると思うのよ
歌晏家は香月家と同じくらい、政財界に対して強い影響力を持つ名家だ
みすずや瑠璃子もその姉妹たちには、もっと気を付けるべきだと思うわ
しかしみすずは
ご忠告には感謝致しますけれどこのお屋敷の中では、そういう心配はありませんわ
はい鷹倉さんたちとわたくしたちは家族ですから
もし、わたくしたちや他の家族に特異な力を振るえばお兄様に叱られます
このお屋敷の中では旦那様を悲しませるようなことをするのは厳禁ですから
でもその子らが、思い切って公ちゃんを、自分たちの言うことを何でも聞くように改造してしまうかもしれないじゃない
桃子姉ちゃんは、反論する
そんなこと、あるわけないじゃないのっバッカらしい
雪乃が、桃子姉ちゃんに言う
変な力でさ自分の好きな人を、自分だけのモノにしようと縛り付けたりするのって虚しいでしょバカらしいでしょそんなの、やってられないわよ
そうかしら、わたくしだったら
桃子姉ちゃんの声をイーディが遮る
違うネあの子たちは、アナタではないのヨ
褐色の肌の武闘少女が、ニッと微笑む
今、すでにあの子たちとDarlingの間に、信頼関係が築けているノニそれが心地よいと感じているノニワザワザ力を使って、信頼関係を破壊したりはしないヨあの力で作った関係は、一方的スギテ面白味のあるモノではナイカラネ
ああ、そう一つの意見としては、聞いておくわ
桃子姉ちゃんは、ニヤッと微笑む
でも今のわたくしは、その姉妹たちを信用できないわだからわたくしの前には連れて来ないでいいわね
ああ判ったわよ
そう言えばそこの子だけでなく、みすずたちも面白い格好をしているのねいきなり安奈さんの家出の話があったから、すっかり話題にするキッカケをなくしていたけれど
桃子姉ちゃんは、話題を変えようとみすずたちのアラビア風のハーレム衣装のことを言う
はいこのお屋敷は旦那様のハーレムですから
ハーレムの中に居る女に上下関係はありませんからみんな、同じような姿をしているんですわ
みすずと瑠璃子は、そんなことを答えた
いや嘘なんだけれど
この屋敷の女たちがいつもハーレム風な衣装を着ていたりはしないし
ふーん、そうなのねぇそのコスチューム、まだ余分はある
桃子姉ちゃん
あるわよね今、学校から帰ってきた子たちがこれから着替えるんでしょうから
学校からの帰宅組寧とイーディは制服姿だし、マナとキヌカは私服の外出着だ
はい、この衣装はまだありますけれど
瑠璃子が、答えると
じゃあ安奈エリカさんとセバスティアヌスも、この衣装に着替えて来なさいよ
桃子姉ちゃんは、2人に言う
安奈さんは公ちゃんの奴隷になりたいんでしょだったら姿形から奴隷っぽくした方がいいんじゃないセバスティアヌスは判っているわよね
桃子姉ちゃんは、今日自分の警護役のセバスティアヌス(山田梅子)さんを
公の場で、イーディに敗北したペナルティとしてオレにレイプさせるために連れて来た
それならさいっそのこと、桃子姉ちゃんもこれを着たら
何を言っているのよわたくしは、公ちゃんのハーレムには入らないんだから
いやミナホ姉さんの分析が正しければ
今の桃子姉ちゃんは内面では、セックスを体験したがっている
セバスティアヌス(山田梅子)さんにセックスさせたがっているのは自分の性衝動を抑え込むための代償行為でしかない
そんなことは判っているけれどさシャレだよ、シャレ
他の女の子が全員、アラビアン・ナイトな格好をしているのにさ桃子姉ちゃんだけ私服のままっていうのは、ちょっと興醒めだと思わない
あ乗って来た
そうだよそれにオレ、桃子姉ちゃんが、こういうセクシーな格好をしているところ見てみたいなあ
桃子姉ちゃんの虚栄心を刺激する
もう、しょうがない子ね公ちゃんが、どうしても見たいって言うんならわたくしも着替えて来てあげるわ
見たいよっ見たい、見たい、見たいって
桃子姉ちゃんの性欲が高ぶっているのなら男の眼に、エッチな姿を見せつけたいという願望もあるはずだ
判ったわ公ちゃんが、そこまで言うんだから着替えてあげるっ
よし乗った
では、わたくしがお部屋にご案内致しますわ
瑠璃子が言うが
ああ、いいよマナが連れてってあげるマナもみんなと同じ格好をしないといけないんでしょ
わたくしも行くわさあ、セバスティアヌスさん一緒に行きましょう
まり子が、セバスティアヌス(山田梅子)さんに笑顔で言う
セバスティアヌスさんは、着替えに行くことを躊躇している
あら、セバスティアヌスわたくとし同じ格好をするのは嫌なの
桃子姉ちゃんが、自分の警護役に声を掛ける
いえ、あの桃子お嬢様と同じ姿になるからこそわたくと致しましてはその
ああ臣下として許されないことなんじゃないかと、感じているのか
いいのよこれは命令よ、セバスティアヌス
桃子姉ちゃんは、強くそう言う
は、はいでは、ご一緒に
主からの勅命となればセバスティアヌスさんは、着替えることを受け入れるしかない
わたしも付いていくわ
ほら、お姉さんも行きましょうや
キリキリ歩いて行きましょうな
双子は安奈さんに向かって、そう言う
安奈さんは困っているようだ
そこへ、マナが
あのさあなた、14歳なんだってマナも14歳中学2年生だよ
明るく、ニコッと微笑んで声を掛ける
だから、ほーら行こうっ
あえ
安奈さんはまだ納得していない
安奈さん何が心配なんだ
オレが尋ねてみる
それは、あのいいのかなぁって思って
安奈さん
いや、そのこんな風に、皆さんとマッタリお茶をしたり一緒に仮装したりしててもあたし、いいのかなぁってそう思っているんです
あの黒森様としては、結局、エリカのことをどうなさるおつもりなんですかあたし、このままここに居ていいんですかえっと、あの家には書き置きを残して来ましたから、あたしの家は今頃、大騒ぎになっていると思うんですよもし、こちらに置いていただけないのならあたし、ご迷惑をお掛けする前にここから出て行かないといけないって思うんです
フン言葉は丁寧だけれど、つまり
焦らさないで、自分をどうするのか早く決めて欲しいっていうコトみたいネ
寧とイーディがそう言う
ふむふむ大体判ったよっ
よーく判ったネ
寧とイーディは、今まで見ていて過去映像を止めて改めて、安奈さんを見る
安奈エリカさんあなたは、とっても頭が良すぎる子なんだねっ
思考のスピードが早過ぎるノヨダカラ、すぐに答えを求めるノネ
あなたの思考スピードだと先に、解答を想定しちゃうからさっ
今ならDarlingが、あなたを受け入れるか拒絶するか最終的な答えは2つだけネ
だから、とっとと答え出しをして欲しいんでしょ
は、はいこんな風に、解答を保留したままお茶の時間とか、皆さんと仮装とか、あたしには意味が判りませんっ早く、あたしの処遇を決めていただけないとあの次に何をするかが決まりませんしじ、時間をムダにしていると思うんです
ネイこの子って、ほらアレみたいネ日本の映画の
アレヨ、アレホラ、アキラの
アキラ
えっ、まさか金田ぁっさんを付けろよデコ助野郎っ
寧が、笑って物真似する
違うヨカネダじゃないヨ、アキラの話ネ
って、イーディアニメの話じゃないの
違うネアニメじゃないヨ
アニメじゃないってことはホントのこと
そうよ、普通の映画のアキラヨ
ってことは、イーディダイナマイトが150トンのアキラ
銀座旋風児、マイトガイのコバヤシさんのことっ
ダカラ、アキラだって言ってるノネ
あの外国のかたが話しているんですから、映画ならクロサワ・アキラなんじゃありませんか
安奈さんが言う
ソウソウソウ、ソノアキラヨクロサワヨ椿三十郎ヨ
アンタ観たことあるカ
えっと無いです
安奈さんが、答える
ジャア、観るとイイネこのお屋敷のLIBRARYにあるヨ
ああ、判ったこの子は、鞘の無い抜き身の刀ってことなんだねっ
ソウヨ鋭いだけで、触りようがナイカラ周りの人たちを傷付けてシマウのネ
安奈さんが反論しようとするとイーディは
ネイ、今、アタシがアキラじゃなくって、アラキって返してたら、どう反応してたね
えーっ、アラキの方がアキラより返し方が多いよアラキ・マタエモンにアラキ・ドウフンにアラキ・ヒロヒコ写真家のアラーキーやアラキ・イチロウも居るし
ちなみに、今日現在で荒木で検索をかけるとトップに出て来るのは、アラキ・マサヒコネッ
誰それっ
BASEBALLのPLAYERらしいネ
あのっ真面目に話して下さいっ
安奈さんが、2人に怒る
アタシたちは、すこぶる真面目ヨ
うんうんとーっても真面目だよねっ
2人は笑顔で、安奈さんに言う
それからイーディはもの凄いスピードで、英語で何か言う
オレには、絶対にヒアリングできない早さだ
ギョっとなる安奈さん
続いて寧も、もの凄い早口で英語で何か言った
ドゥ、ユー、アンダスタァンアーハン
そのイーディの最後の言葉だけはオレにも判った
い、YES
安奈さんは、うつむいて答える
じゃあ、行こうか安奈エリカちゃんっむふふっ
行こうネ
寧とイーディが、安奈さんを左右から捕まえて連行していく
ふーん、ホント公ちゃんのところは人材が豊富ねっ
桃子姉ちゃんは、笑ってそう言うと
じゃあ、公ちゃんわたくしたちも、行って来るわよ
マナを先頭に歌晏桃子姉ちゃん、セバスティアヌス(山田梅子)さん、まり子
安奈さんと寧とイーディ
最後にエリとリエとキヌカが、ゾロゾロと並んで食堂から退室していく
何だったんだ今のイーディたち、安奈さんに何を言ったんだ
あたしたちにも早過ぎて判りませんでしたわでも
イーディさんは、安奈さんという天才児に世の中には、もっと凄い天才児が居ることを示したんだと思います
普段はふざけていてもイーディさんの方が、さらに天才ですから
小学生から、ヨーロッパの古い本を言語で読んでいた安奈さんにとっては初めて見る、自分の同族しかも、自分より能力の高い人だったんだと思いますわ
寧お姉様も普段は才を隠していらっしゃいますけれど、あの方もホンモノの天才ですし
あんな早口の英語の言葉だけで安奈さんの鼻っ柱をへし折ったのか、2人とも
詳しいことは、後でお二人から聞いてみて下さいませ
わたくしたちにも、今は推察しかできませんわ
さて、これで安奈さんのことは寧お姉様とイーディさんにお任せできますわわたくしはお台所で克子お姉様の夕ご飯の支度をお手伝いして参ります
そう言って瑠璃子は
ありすさんと可憐さんもお手伝いして下さいます
はいただ今
瑠璃子、ありす、可憐の3人はそのまま、台所の中へ入っていく
みすずは3人の後ろ姿を見送ると
今回は何もかも、瑠璃子に完敗ですわ
あたしは自分の支配欲だけを満足させようとして、可憐を家族に引き込もうとしましたけれど
悲しそうに言う
瑠璃子は、家族にするべき人材しかも、旦那様でないとダメな子をわざわざ探し出して連れて来たのですわ
安奈エリカさんは瑠璃子が、探してきた人材
あたしちょっとだけ悔しいです
みすずは、小さな声でそう言った
風邪が治らないですつらい
1136.日暮れ前 / 交渉1
着替えにも、台所にも行かなかった愛がオレに話し掛けて来る
愛明日のパンの支度しておくね
今日は日曜日明日はまた、学校でパンを売らないといけない
吉田くん今日もまた、大変そうだから
うんごめん、頼む
歌晏桃子姉ちゃんだけでも大変なのに安奈さんまで襲来してきちゃったからな
恵美にも手伝わせなさいよっあの子もさ、部屋で1人でヘタレてるよれは少しは、建設的なことをさせた方がいいんだからさっ
ターバンにヒゲのインド人の格好をした、雪乃が言う
愛が声を掛けようか
愛が、そう言ってくれたが
いや、オレが内線電話でメグに頼むよ
こういうことは、ちゃんとオレから依頼しないとメグのプライドを傷付ける
愛ちゃん、慌てなくていいわよ晩ご飯が済んだら、あたしやマナちゃんも手が空くから他の子たちも
克子姉が、台所から顔を出してそう言った
アニエスたちもお勉強ばかりで気が滅入っているでしょうから、パン作りで2時間ぐらい気分転換させるわあなたは、歌晏様と安奈さんのことに集中してちょうだい
心配ないよ、お兄ちゃんちゃんとマナたちがフォローしておくからっ
マナも顔を出した
愛みんなが、そう言ってくれているからチームワークで乗り切ってくれ
愛は、オレにニッコリと笑う
ねぇ、ねぇ、ねぇ、公ちゃんどう、わたくし
歌晏桃子姉ちゃんが他の子たちと同じ、アラビア風のハーレムの女の衣装に着替えて戻って来た
ビキニの上下の上に透け透けの薄い生地のズボン
そして、首や腕にはジャラジャラとネックレスや腕輪をしている
足はサンダル
髪の毛は後ろで大きくまとめて薄布のベールを垂らしている
ネズミーの映画にあったわよねアラジンだっけジャスミン姫にトラスト・ミーって言うのよ
桃子姉ちゃんは、すっかり上機嫌だった
仮装とか意外と好きらしい
桃子お姉様がトラスト・ミーとおっしゃるとアラジンでなく、ハトヤマを思い出しますわ
まり子が、笑いながらやって来る
あーら、わたくし、そんなに政治的無能じゃないわよ
桃子姉ちゃんは、笑顔でまり子に言う
そんなことよりどう公ちゃん、わたくし綺麗
ああ、すっごく綺麗だよ桃子姉ちゃんプロポーションが良いっていうか、背筋がシャキッと伸びているっていうかえーと
桃子姉ちゃんの美しい姿態を評するのはどんな言葉を使うべきか
ゴージャスだすっごく、ゴージャスな感じがする
身に付けているものが少ないのに豪華な雰囲気がある
このトンデモない華やかさが、桃子姉ちゃんの魅力だ
うふふ、ありがとう公ちゃん
嬉しそうに、桃子姉ちゃんは微笑む
ほら、セバスティアヌスあなたも、公ちゃんに見てもらいなさいっ
主人にそう言われてセバスティアヌス(山田梅子)さんも恥ずかしそうに前に出て来る
ほらっ、手で隠さないのっ
胸と股間を手で隠しているのを、桃子姉ちゃんに叱られる
は、はいも、申し訳ありません
普段、男装している人がセクシー衣装に着替えて、羞じらっているというのも、なかなか良いな
さすが、名家・歌晏家の警護役らしく鍛え上げられた肉体をしているけれど
胸やお尻にも、しっかりとボリュームがある
山田梅子さんも、とっても綺麗ですよ
あら、公ちゃんこの子の名前は、セバスティアヌスよわたくしが、そう名付けたんだから
桃子姉ちゃんが、すぐに突っ込んで来る
でもさ、桃子姉ちゃんこの姿でセバスティアヌスは無いと思うよ
肌も露わで女の魅力、丸出しなんだから
それも、そうねじゃ、今だけは山田梅子でいいわ
桃子姉ちゃんは、納得してくれた
今のこの子は警護役として身体でも負けたって感じているみたいだから
桃子姉ちゃんが振り向くと同じくアラビア風の格好をしたイーディが居る
やっぱりビキニ+透け透けの服
しかし、格闘技の大会に出る予定のイーディは、今、肉体の方も見栄えが良いように鍛えている
見ただけで、底知れない強さを感じる身体だ
そういう桃子お姉様だってあの身体には、敵わないと思われているんでしょ
まり子が笑いながら振り向いた先には寧が居た
寧の美しさは規格外だ
顔だけでも、破格の美少女になのにそれにスーパー・グラマラスなボディが付くともう表現しきれない程の美しさとなる
完璧な美だ
ああいう人とは、争わないことにしているわ公ちゃんが綺麗だって言ってくれたらわたくしは、それで満足なのっ
ああ寧が現れる前に、オレに先に褒めて欲しくて
それで真っ先に、この食堂へ戻って来たんだ
何してるんだあの3人
その寧とイーディは安奈エリカさんと、何やら言い合いをしていた
3人とも、もの凄い早口の英語で
あれ生意気な子を潰しているんですわ
エリがやって来て、そう言う
よくあることです何かのグループに新加入した頭でっかちな子をセンパイたちが論破して、鼻を折ってあげることは
リエも、そう言って笑った
寧とイーディは、笑顔で余裕たっぷりに、安奈さんと話している
それなのに、安奈さんの方はかなりエキサイトしていて、表情も険しい
もおっ、わけがわからないですっ
ついに、話が決裂したらしい
安奈さんは、オレたちの方へズカズカとやって来る
うん、14歳にしてはなかなかのプロポーションだ
足も長いし、腰もくびれ始めている
体付きは、大人っぽいんだよなぁ安奈さんは
みすず様、瑠璃子様、歌晏様、黒森様っ
安奈さんが、オレたちに言う
あのこんなことを申し上げるのは、大変失礼かもしれませんけれどっ
うん、何
オレも、余裕を持って受け入れる
あたしっ、すっごく覚悟してここに来たんですっ決心して来たんですっ
うん、知っているよ
だからっこんなことをして時間をムダにしているのは、耐えられないんですっ
今、こうしている間にもお父様は、あたしのことを探していると思いますし
ですからっこんな、皆さんで仮装大会とかをしているのはあたしは
オレたちが何もしていないってどうして思うんだ
安奈さんの言葉を遮る
だ、だって何もなさっていないじゃないですか誰かに指示なさったり、ご自分で何かなされたり全くしていないじゃないですか
ああ安奈さんには、そういう風に見えるのか
一々、オレが指示しなくてもちゃんと、みんなやるべきことをやっててくれるんだよ
翔姉ちゃん、どうなってる
オレは天井に向かって、尋ねる
安奈さんのお父様安奈圭一郎の現在地を把握致しました窓堀革命さんのことも監視員を配置していますその他安奈家の財務事情など、詳細な調査を進めています
天井のスピーカーから、翔姉ちゃんの声が聞こえてくる
ほらね香月セキュリティ・サービスのトップである翔姉ちゃんが、何もしていないはずがないんだよ
オレは笑顔で、安奈さんに言う
それで翔姉ちゃん今までに判ったことは
先ほどの安奈さんがなさったお話については、全て裏付けが取れたわ
あたしのこと疑っていたんですかっ
驚く、安奈さん
いいや、オレたちは別に、安奈さんを疑ってはいないよ安奈さんは、自分の気持ちを正直に話してくれたと感じているでも
オレは、安奈さんを見る
安奈さんの認識が現実とズレている可能性もあるだろお祖父さんやお父さんの意志を安奈さんが勘違いして受け取ってしまっているのかもしれないだから、一応事実関係は、オレたちの方でも再度検証して確認しておかないといけない
ダカラさっきから何度も言ってるノネ
イーディが背後から、安奈さんに言う
アナタは段取りというコトを知らなすぎネアナタの頭の中に浮かんだ考えは、タッタカタッタカ、実行ハできないヨ
そうだよ迂闊に動いたら、落とし穴に落ちるかもしれないからねっ
寧も、ニヤッと笑って安奈さんに言う
で、翔姉ちゃんもうそろそろ良い感じ
オレの問いにスピーカーからの声は
そうね安奈圭一郎さんが、安奈さんの残した書き置きに気付いたのが約3時間前娘の家出を知って、色々と知り合いのところに連絡したりしてみて手掛かりは無しそろそろ焦れてくる頃だと思うわ
ということはこっちからコンタクトを取った方がいいね
オレはそう判断する
ええ、焦った安奈圭一郎さんが警察に家出人の捜索願を出さないうちに、連絡した方がいいと思うわ
ま、待って下さいっ
安奈さんが、叫ぶ
あ、あたしがここに居ることを、お父様に言うんですかっあたしをお父様に引き渡すのっそんなの困りますっ
相変わらず思考が先走ってる
そんなことはしないよ
でしたら、お父様に連絡するのは
ちょっと静かになさいっ安奈さんっ
っっ
歌晏桃子姉ちゃんが、強い口調で安奈さんを静める
公ちゃんも、みすずや瑠璃子も、もちろんわたくしもあなたが困るようなことはしないわ
でしたらっ
話は最後まで聞きなさいっ
桃子姉ちゃんは、キツク言う
でもねあなたのお父さんが、警察に捜索願を出してしまってその後で、あなたがここに居ることが判ったらこのお屋敷の中に警察官がやって来ることになるかもしれないでしょ
口籠もる、安奈さん
あなたの家のことで黒森家や香月家や歌晏家が、警察沙汰に巻き込まれるのは困るのよ非常に迷惑だわ
桃子姉ちゃんは、優しくそう言う
アナタは、頭が良いケレド世間知らずネダカラ、さつきからアナタがアタシたちに話しているシミュレートには、幾つもの穴があるノヨ
そうそう、基本的にさっ状況を自分の都合の良い方向に考え過ぎなんだよねっ詰めが甘いっていうのかな
寧も、そう言って笑う
ていうかさ安奈さん
安奈さんはさオレたちを頼って、ここに逃げ込んで来たんだろ
そ、そうですけれど
小さな声で、そう答える安奈さん
だったら、オレたちに任せろこれ以上、グダグダ文句を言うのなら叩き出すぞ
オレは、そのまま安奈さんを無視して
翔姉ちゃん、こっちの部屋に来てくれ安奈さんのお父さんとのコンタクトにはオレたちも立ち合いたいから
翔姉ちゃんが食堂に戻って来る
すぐに、電話機を取って安奈さんのお父さんに電話を掛ける準備をする
アナタは勝手に喋っちゃダメヨ良いというマデは、口を閉じているノネ
イーディが、安奈さんに言う
ナンカ喋ろうとしたらアタシが口を封じるカラネ
安奈さんは、寧とイーディにぴったりと挟まれている
ホラ、アンタもこの子が暴れないように、監視するノネ
イーディは、山田梅子さんにもそう言った
あ、はいかしこまりましたっ
山田さんも、安奈さんの監視者に加わる
あちらの声を皆様も聞けるようにスピーカーから流します
では参ります
翔姉ちゃんが、受話器を取り電話機のスイッチの1つを押すと、事前に打ち込んであったナンバーが
ピピププパピパポッ
ツーツーツー
プルルルルル、プルルルルルル、プルルル
電話が繋がる
安奈圭一郎様ですかわたくし香月セキュリティ・サービス、関と申します
あ、安奈です
スピーカーから、うろたえている男性の声がした
先ほど、わたくしの会社のものからご連絡させていただきましたが
エリカはエリカは、そちらに居るのですか
娘を心配する父親の声がスピーカーから響く
はいこの場にいらっしゃいます
安奈さんは父親の声を聞いて、うつむいている
すぐに迎えに参りますそちらは何処なんでしょうか香月様のご本宅ですか
安奈さんの父親は、そう言うが
いいえお迎えに来ていただく必要はございませんわ
で、では娘をこちらへわたくしたちの自宅の方へ届けて下さるのですか
そういうことではございません現在、お宅のお嬢様はお父様の元には帰りたくないとおっしゃっていますので
ちょっと待って下さいこれは、わたくしたちの家の中のことです家庭内の家族のことですから
おっしゃる通りでございますがわたくしたちには、今すぐお嬢様を安奈様のお宅にお戻しすることはできません
それはど、どういうことですか
安奈さんの父親の声が緊張する
端的に申し上げますお嬢様が頼られたのは香月瑠璃子様です現在のわたくしは、香月瑠璃子様の差配で動いています
安奈様のお嬢様の家出に関することは今はまだ、香月閣下の耳にはお伝えしていません
安奈さんのお父さんは慌てた口調で
いや、あのこれはあくまでもわたくしとエリカのその家庭内の問題ですからいや、あの閣下にお伝えいただくようなことではありませんのでええ
大手監査法人の代表としては香月家の当主に、自分の家の問題を知られたくはないのだろう
それは瑠璃子お嬢様が、判断することですわ瑠璃子様では解決できないことだと判断なさった場合には閣下にご相談せざるを得なくなると思います
翔姉ちゃんは、冷たく突き放す
いや、関さんそ、それはこ、困ります
翔お姉様電話を代わって下さいませ
瑠璃子が、翔姉ちゃんに言う
はい安奈様、香月瑠璃子様に代わります
瑠璃子は、受話器を受け取ると
ご無沙汰しております香月瑠璃子でございます
は、はいあ、安奈です
電話の向こうの声は、さらに緊張していた
安奈エリカさんは、わたくしを香月家を頼って、こちらへいらっしゃいましたわ
つまり、エリカさんは香月家の保護下にあります
いや、そ、それは
安奈様にお尋ね致しますが安奈様は、本当にエリカさんが亡くなられたお祖父様から正当な形で遺していただいた資産を、お取り上げになろうとなさいましたか
それと、もう一つエリカさんの意に反する結婚を強いようとなさってはおられませんか
え、エリカはそんなことまで、瑠璃子様に申し上げたのですか
質問しているのはわたくしですわ安奈様
瑠璃子、わたくしに電話を代わって
歌晏桃子姉ちゃんが瑠璃子に手を差し出す
安奈様今、歌晏桃子様に代わります
か、歌晏様
はい歌晏桃子ですわご無沙汰しています今日は、たまたまわたくしも居合わせておりましたからエリカさんのお話を聞いてしまいました
桃子姉ちゃんも、強い口調で言う
安奈様のご返答次第ではわたくしも、お祖父様とお父様に絵里香さんの件について、ご報告しなくてはならなくなりますわ
そんな香月閣下だけでなく、歌晏様にまでっそんなことになったら、わたくしはわたくしの法人は
破滅なさるでしょうね監査法人は、信用第一でしょうから
桃子姉ちゃんは、クククと笑う
済みません、まだ風邪が治らなくて
頭が痛くて、ツラいです
1137.日暮れ前 / 交渉2
いずれに致しましても安奈エリカさんの家出の件については、警察沙汰にはなさりたくないのではございませんか
歌晏桃子姉ちゃんが、電話の向こうの安奈さんの父親に話す
わたくしを脅迫なさるおつもりですか
スピーカーから流れる、安奈さんの父親の声はそう言うが
あら、そういう表現は非常に不適切だと思いますわお宅のお嬢様が、わたくしたちのところに保護を求めて来たからこそこのような事態になったんですものむしろ、わたくしたちは迷惑を被っているのですわ
ご迷惑でしたら、すぐに娘を引き取ります
安奈さんの父親は言葉の中に怒りを含んでいた
とにかく、これはわたくしどもの家庭内の問題です娘のことをご心配下さるのは有り難いですが、まだ学生の身分であらせられる歌晏桃子様や香月瑠璃子様にご相談するようなことではありません
歌晏桃子姉ちゃんは、受話器を抑えて
ですって、どうしたらいいかしら
翔姉ちゃんに電話を戻して大人の話は、大人を通した方がいい
桃子姉ちゃんは、電話を翔姉ちゃんに手渡す
お電話、代わりました香月セキュリティ・サービス、関です
わたくしからの要望は一つです娘を返していただきたい大至急です
強い口調で、安奈さんの父親は言う
それはできかねます
何故ですわたくしはエリカの父親ですあの子は、まだ未成年なのですから親権者であるわたくしに元に返していただかなければ
しかしながら現在、安奈圭一郎様とお嬢様のエリカ様には利益が相反する関係が生じていますわ
き、君は何を言っているのかね
慌てる安奈父
エリカ様のお話によれば安奈圭一郎様は、エリカ様が亡くなられたお祖父様からいただいた遺産をお取り上げなさろうとしているのでは
そ、それはそれこそ、家庭内の問題だっ
いえ、同じ家庭内のことだとしてもこれはゆゆしき問題だと思います現在未成年でいらっしゃるエリカ様の資産は、指定された後見人である弁護士が管理なさっているのですよねエリカ様が成人になるまではそれが亡くなられたお祖父様の遺言だったと聞いておりますが
それはそうだが、しかし
にも関わらず父親である安奈様が、まだ14歳でいらっしゃるお嬢様の資産を奪われようとするのは、強要行為ではないのですか
わたくしとエリカは親娘なんだぞっ
それは法廷で主張なさって下さい大事なことはお嬢様のエリカ様が強要されたと感じているかどうかだけです
翔姉ちゃんは断言する
安奈様が、どういうおつもりでそのようなお話をなさったとしてもお嬢様が強要だと感じていれば、それは強要です実の親であっても、許されることではありません
流石ねぇ、関さん
桃子姉ちゃんは、翔姉ちゃんに感心している
ちょっと待ちたまえとにかくエリカとエリカと話させてくれ
翔姉ちゃんは、わざと電話の向こうに聞こえるように
お父様がお話しなさいそうですがどうしますか
安奈さんに言う
あ、あたしは話したくないですっ
拒絶する安奈さん
お嬢様は、お話ししたくないそうですわ
いや、ちょっとおい、君ぃ
それと、もう一つ婚約の強要というのも、裁判官にとっては心証の悪いことになると思いますわ
さっきから、法廷とか裁判とか言っているが
この件が閣下のお耳に入れば法廷闘争は確実ですわ閣下はこういう不誠実な事柄はお嫌いですし、大切な孫娘でいらっしゃる瑠璃子様の後輩のためなら、支援は惜しまれないと思いますわ
香月家の法務担当は相当、手強いですよまあ、それ以前に安奈様のところに監査をお願いする企業が激減することになると思いますが
ジッちゃんと裁判で争うことになれば香月家に近い企業は、全て、安奈さんの会社に財務監査を頼むのを止めるだろう
しかも、その原因が実の娘との遺産争いだということが知られたら、安奈さんのお父さんの個人的な信用も失墜する
君それは脅迫だぞ
安奈様が脅迫だと思われるのでしたら、どうぞお訴えになられて下さいそれも法廷で決着を付けましょう
翔姉ちゃんは、一歩も退かない
判ったこちらの負けだわたしはどうしたらいいんだ
安奈父は、口では負けを認めた
もちろん、これは本心では無い
逆転の手が無いか、まだ探っているはずだ
翔お姉様わたくしが
瑠璃子が、翔姉ちゃんから電話を受け取る
香月瑠璃子ですわたくしからの要望は3つです1つめはエリカさんのお祖父さんの遺産に関しては、お父様に譲渡するのではなくきちんと話し合う場を設けることこのことにつきましては、エリカさんの様子を見ている限り話し合う余地は残っていると思います
うん安奈さんはお祖父さんから譲られた、預金や株なんかにはそんなに興味を持っていないように見える
問題なのはお祖父さんが、安奈さんだけに判るようにして遺した何かだ
それはまだ、何なのか判っていないけれど
この話し合いには、現在のエリカさんの後見人である弁護士さんも同席していただくようにして下さい香月家の法務担当者も同席させます双方の弁護士によってで、今回の話し合いの結果について、法的な拘束力のある書類を作成致しますそれで、今後、また同じ様なことが起こらないための歯止めに致しますこれが2つめの要望です
オレたちの前でだけ良い顔をしてまた、すぐに安奈さんから資産を奪い獲ろうとしないように
法的に有効な書類でガチガチに縛っておく
3つめはエリカさんは、婚約に関しては全く納得なさっていませんですから、今回の婚約話は完全に無かったことに破棄して下さい以上、3点です
ずいぶんと厳しい条件ですね
安奈父は呟く
そうでしょうかわたくしには安奈様がエリカさんに望まれていることの方が理不尽だと思いますわ
瑠璃子は、穏やかにそう言う
とにかく、今の3つの条件を受け入れればエリカを返していただけるのですね
あら、人聞きの悪いことをおっしゃらないで下さいそれでは、まるでわたくしたちがエリカさんを誘拐しているみたいに聞こえます
そうでしたねエリカは、自分の意志で家出をしているのですね
暗い声で、安奈父はそう言った
はい今の3つの要望が果たされない限りはエリカさんは、ご自宅に戻られないんですわ
判りましたでは、3つの条件を呑みましょう
ありがとうございますエリカさんとの話し合いは今夜会場は、香月グループのホテルを用意させます場所が決まり次第、連絡させますわ
オレたちはもちろん、安奈さんの父親を完全に信用してはいない
だから、会場は香月セキュリティ・サービスが自由に動ける香月家のホテルを選ぶ
今夜、ですか
驚く、安奈父
あら、エリカさんの家出が長引くのはよろしくないことだと思いますが
いえ、瑠璃子様のおっしゃる通りです
弁護士の先生来ていただけそうですか
それはわたしの方で来ていただけるように、お願い致します
安奈父が、そう答える
あ、ちょっと待って瑠璃子わたくしに電話を代わって
桃子姉ちゃんが、慌ててそう言う
瑠璃子から電話機を受け取ると
歌晏桃子です安奈様に、もう一つだけ、どうしても聞いておきたいことがございますのっ
安奈父に聞きたいこと
ですからっどうして、エリカさんの許嫁者が、あの方なんですか
興味津々で、桃子姉ちゃんは尋ねる
どういう審査基準でご自分の14歳のお嬢様の許婚者に、窓堀革命《マドホリ・タダシ》さんを選ばれたんですっ
桃子姉ちゃんが、そこまで言うんだからマッド・ホリと呼ばれるその青年は、本当に変な人なんだろうな
安奈父は
わたしには、もう娘のことがよく判りません
落ち込んだ声で、そう言う
エリカが何を考えているのか、何をしたいのか父親のわたしには、もう全然理解できないんです
そんな父親の声を安奈さんは、静かに聞いている
だから窓堀くんならあの青年なら、若いし頭も良いしエリカのことを理解してくれるんじゃないかと考えたんです
ああ、なるほど判りました、ありがとうございますっ
桃子姉ちゃんは、そう言うと電話機を翔姉ちゃんに返す
関ですでは会場が決まり次第お知らせ致します
判りましたでは、ご連絡をお待ち致します
そして、電話が切れた
はぁ、びっくりしちゃうわよねっ安奈さんの世代の男性にはマッド・ホリが頭の良い青年に見えるのね
呆れちゃいますよねぇさすがオジサマにだけ受ける意識高い系
桃子姉ちゃんとまり子が安奈さんの許婚者である窓堀革命のことで盛り上がる
翔姉ちゃん安奈さんのお父さんのバックには、裏社会の関係は
口ではオレたちとの交渉を受け入れたが裏社会の人間を使って、強引に安奈さんを奪回しようとする可能性もある
監査法人なんてお仕事をなさっているから知り合いが1人もいないことはないでしょうけれど、でも、積極的には使えないわよ裏社会の人に借りを作ってしまったら、ビジネスに影響が出るもの
一応、チェックはするけれど香月セキュリティ・サービスと正面対決する度胸は無いと思うわ今の感じだと
ああ、大企業専門の監査法人だもんな
香月家や、香月セキュリティ・サービスの怖ろしさはよく知っているはずだ
そうだね今の感じだととにかく、オレたちを何とか誤魔化して、安奈さんを取り返せば何とかなるぐらいの考えだと思うよ
あたしっ、帰りたくないですっ
あたし会いたくないですっお父様には
電話が切れたことで、緊張の糸も切れたのか大きな声で喚く
何をどうするにしても、安奈さん次第だよオレたちは安奈さんの望む通りにしてやるから
で、でも今、あたしのことをお父様に引き渡すって
それは、会うための方便だよとにかく、会ってみないと判らないコトがいっぱいあるからね
とにかく真っ正面から、ゲンジツに向き合わないとそうしないと、いつまでたっても判らないままになるよ
わ、判らないコトは判らないままでいいです
安奈さんはそう言う
そんなことはない絶対に、そうじゃないから判らないままより、判った方がいいよ安奈さんの家族のことなんだから
そうよエリカさんのお父様のことも亡くなったお祖父様のことも、あなたはまだちゃんと判っていないわ
そうねあなたのお父様の自分にはもう娘が理解できないって投げ出してしまっているのも、どうかと思うけれど安奈さんも、お父様のことを理解していないかもしれないわね
桃子姉ちゃんが、安奈さんに言った
落ち込む、安奈さん
大丈夫だオレたちに任せておけよこんなのいつものことだもんな
ホーント、ヨッちゃんは、毎回毎回、大変だよねぇ
寧が、クククっと笑う
あら、公ちゃんたちはいつもこんな、面白いことしているの
桃子姉ちゃんが、笑ってそう言う
面白くはないよ人の人生が掛かってることなんだから、真面目にやんなきゃね
じゃあ、わたくしはホテルなどの手配をして来るわ安奈さんとの会談は
翔姉ちゃんは、食堂の時計を見る
今は夕方の6時前だ
午後8時30分か9時ね向こうの弁護士さんに来て貰うのなら、それぐらいの時間になるわ
うんそれでスケジュールを組んでよ翔姉ちゃん
判ったわ瑠璃子様会場は、香月グランドホテルでよろしいですか
翔お姉様にお任せ致します
警護しやすいホテルなのが一番だから翔姉ちゃんに決めてもらった方がいい
やっぱり都心のホテル
オレが翔姉ちゃんに尋ねると
都心よりは、湾岸よりねここからだと、車で45分くらいよ
ということは少し時間が、空くんだな
っていうか、晩ご飯を食べてからの出発になりそうだ
克子姉ご飯には、もう少し時間が掛かるよね
オレは台所に向かって叫ぶ
克子姉はさっき帰って来たばかりだうちは家族が多いから、食事の支度には時間がかかる
ええ急いで作っても、あと40分ぐらいはかかるわ
みんなが手伝ってくれたら、もう少し早くできると思うけれど
克子姉とマナが、台所から顔を出してそう言う
急がなくていいよゆっくりでいいから
オレは、そう言うと
じゃあ、安奈さん食事前に、少し始めておこうか
ニコッと笑って告げる
キョトンとする、安奈さん
調教だよ調教っ
そうだ今から、安奈さんは
安奈さんは調教されることに、とっても興味があるんだろさっき、そう言ってたじゃないか
それはそうなんですけれど
戸惑う安奈さん
い、今何ですか
ああ、時間があるうちに少しずつ進めておこうよ調教なんて、するのもされるのも時間が掛かるものなんだから
あれセックスやレイプや調教に興味があるって話嘘だったのか?
オレはわざと意地悪く言う
う、嘘じゃありません嘘じゃないですけれど
安奈さんは
そ、そんなことしててい、いいんですか
いいに決まってるだろいや、オレがいいって言うんだからいいんだ
本当は父親との会談の前に
安奈さんのお祖父さんが遺した本当の遺産について聞き出さないといけない
だけど、この子は正攻法では答えないだろうから
ほらほら、セバスティアヌスあなたも、エリカさんと一緒に調教してもらいなさいっ
桃子姉ちゃんが山田梅子さんに言う
は、はいあの、できましたらわたくしもお願い致します
山田梅子さんもオレに犯される覚悟だけは、決めてきたらしい
では、お兄様上のお部屋に参りましょうか
ああ、SMルームか
わざと大きな声で、答えた
安奈さんたちをビビらせるために
まあ、面白そうもちろん、わたくしは観させていただくわよっ
わたくしも観に行くわっ
桃子姉ちゃんとまり子は、付いて来るつもりらしい
あたしも参ります旦那様
みすずも瑠璃子と一緒に来るのか
みんな超お嬢様校の安奈さんの先輩ばかりだな
となれば、武士の情けだせめて、同じ学校の下級生には見せないようにしてやろう
ありすと可憐はそのまま克子姉を手伝っててくれご飯の用意を頼むぞ
はーい、かしこまりました
2人が台所から顔を出す
エリとリエも克子姉のお手伝いだ
しゃあないよエリちゃん
しゃあないか
よっこらせと立ち上がり、双子は台所へ向かう
ついでに
ミタマとキヌカは、お屋敷の警備を固めろマルゴさんのところに言って、この機会に警戒装置の使い方を全部教えてもらっておけ
あたしは、2階に観に行くよっヨッちゃん
アタシも行くネッ
寧とイーディは付いて来るらしい
うん、安奈さんの精神状態のチェックにはこの2人に居てもらった方がいいな
美智はどうする
みすずの警護役だもんな歌晏桃子姉ちゃんの手前、みすずから離れるわけにはいかないか
あたしも行くわよ面白そうだもんっ
雪乃がニカッと微笑む
体調が何とかならないのかと
風邪で、ずっと鼻が詰まっているので夜中に息が詰まって、眼が醒めます
窒息の恐怖はぁ
1138.日暮れ前 / 閉ざされた部屋・1
+みすず、瑠璃子、美智
イーディ、寧
その部屋はSMルームと呼ばれてはいるけれど
今のお屋敷には、女性の身体をただ痛めつけるだけの道具はほとんど無い
白坂創介の処理と同時に過去の悪い時代を思い出させるモノは、全て処分してしまったからだ
遺されたモノは、男女ともに遊びとして楽しめる器具だけだしかも、そういうプレイ用の器具は元が娼館のこのお屋敷には、ほとんどどの部屋にもあるし
そして、このSMルームにはSMプレイをするための特別な責め具のようなものは置かれていない
にもかかわらず、この部屋をSMルームと名付られたのはマナのせいだ
マナや瑠璃子が、克子姉を手伝ってお屋敷の家事をするようになって
今まで使われていなかった、お屋敷内の各部屋を、一部屋ずつ掃除していった時にここの部屋は、発見された
わたくしは、これだけ立派な洋室なのですからそれこそ侯爵の寝室とでも名付けるべきだと思ったのですけれど
でも、マナさんがこんなのただのSMルームだよとおっしゃったので
確かに、瑠璃子が証言する通り
この部屋自体は西洋の貴族の部屋を模した、とてつもなくゴージャスでクラシカルな造りになっている
天井は高いし、シャンデリアだし
黒光りする立派な太い木の梁と、赤を基調とした美しい壁紙で飾られた洋室
壁には、一番目立つところに大きな油絵が掛けられている
これはゼウスとレダネ白鳥に化けたゼウスが、レダをレイプしているところヨ
他にも、この部屋にはセックスをテーマにした、油絵や銅版画やデッサンなんかもたくさん飾られていた
ダフニスとクロエ、ゼウスとダナエー、アモールとプシュケーみんな、ギリシャ古典のエロティックな題材の絵ばかりネ
イーディが、一つ一つ指差して教えてくれた
それから、この部屋には分厚い木の板で作られた大きな本棚と、文机、椅子といった豪奢な調度品もある
これらも全て、ヨーロッパから輸入されたアンティークなんだそうだ
大きなベッドにはこのベッド自体も、もちろんアンティークだレースの天蓋が付いているし
この部屋は、ここが黒森楼娼館だった時代には、特別室だったって聞いたよ特別な客専用の個室だったんだ
オレはミナホ姉さんから教えてもらったことをみんなに話す
確かに重要文化財に指定したいぐらい立派なお部屋ね
歌晏桃子姉ちゃんが、そう言った
でも、無理ですわ桃子お姉様
まり子が梁を見上げて、言った
ここまで徹底して、西洋の城館の領主の部屋みたいに作られているのに
部屋の梁や壁には明らかに、女を縛り付けるための鉄の輪や滑車が幾つも取り付けられている
こういうモノが飾り付けられているのはちょっと
革の鞭や羽根や首輪などの道具も壁に飾られているから
そうね、まり子この部屋は少しセックスの匂いが強いのね
そう、桃子姉ちゃんの言う通り
部屋が豪奢だからこそより、エロティクなモノが目立つ
SMっぽいですよねぇどうしょもなく
まり子の言うとおり淫靡な雰囲気が強すぎる
だからSMっぽいイメージを強く感じる部屋なんだ
これこそザ・娼館っていう感じの部屋よね
でも、こちらのお部屋は15年以上、ずっと閉ざされたままだったそうですわ
うーんと最近は、こういう部屋を好むお客さんがいなかったみたいだよ
オレは適当に説明する
実際は去年まで黒い森の娼館を支配していた白坂創介が、こういうクラッシックな雰囲気が好きでなかっただけらしい
幸いなことに、あの変態のオッサンは、金持ちのボンボンだったからこの部屋のインテリアや装飾品を売り飛ばして、小金を稼ごうという気にもならなかったらしくだから、ずっとこの部屋は閉鎖されたままの開かずの間になっていたのだそうだ
はぁああ
安奈さんが、キョロキョロして部屋の中を見廻している
安奈さんはこういう雰囲気が、好きなんだろ
オレは安奈さんに言う
安奈さんは、お祖父さんの秘密図書館で西欧の古いポルノグラフティを原文で読んでいたと言っていた
だから、セックスやレイプや調教にとても興味があると
その話が、本当なら
え、えっとあの
安奈さんは、戸惑っている
そこの本棚にアナタの言ってた本もアルヨ
イーディが本棚のガラス戸を開ける
サド侯爵のジュスティーヌとジュリエットにソドム百二十日ジョン・クレランドのファニー・ヒル作者不詳の我が秘密の生涯閉ざされた部屋、快楽の生け贄たち、背徳の仮面、ジャックと7人の艶婦の4部作ラ・ローズ・ダムール、好色なトルコ人、我が愛しの妖精フランク、恋愛ごっこ、O嬢の物語、トゥルー・ラブ、少女ビクトリア、アポリネールの若きドン・ジュアンの冒険と一万一千本の鞭
イーディは順番に分厚い洋書の背表紙を指し示していく
アナタが言っていた本は全て、ココにもアルヨ
ニコッと安奈さんに微笑む
チナミに、アタシは全部読んだヨ身近にある本は、全部読む主義ダカラ
イーディは、この半年でお屋敷内にある蔵書は全て一通り眼を通している
歴代の娼婦たちが残していった古い時代の流行小説やマンガから
この部屋にあるような原書のポルノグラフティまで
例エバ、コレラ・ローズ・ダムールは、お父さんの遺産を受け継いだ貴族のお坊ちゃんが自分のハーレムを作る話ネ最初は、メイドの女の子に手を付けていたのに、そのうち貴族のお嬢さんを誘拐して来たりトルコまで船で行って、女奴隷を買って来たり、最後はアメリカ大陸まで行って植民地のお金持ちのお嬢さんたちを誘拐して来たりするノヨ当時のオトコのロマンよネ
へえそんな話なんだ
好色なトルコ人はトルコ人って言うけれど、アルジェリアの太守の話ヨその人が色んな国の女の子を自分のハーレムに入れてるノネその1人にイギリス人の女の子がいて、その子が故郷の友達の子に書いた手紙という形式になっているのよ最初は、無理矢理レイプされてハーレムの女にさせられて戸惑ってたのがだんだん、そういう生活に慣れてくるノヨその様子を手紙に書いたら友達から汚らわしい、あなたは堕落したという返事が来るのネそのことを知ったご主人様の太守がわざわざイギリスから友達の女の子も誘拐して来て、自分のハーレムに加えるノヨなかなか手が込んだ仕掛けをしてダマしてネそういうところが面白カッタネ
閉ざされた部屋は、主人公が自分を振った25歳の処女の令嬢を犯す話ネ先にお尻を犯してから、処女を破るヨ快楽の生け贄たちは、その続編前に犯した令嬢のメイドや、友達や、知り合いの母娘をレイプするノネ処女なのは最後の娘だけダケドそのさらに続編が背徳の仮面今度は1作目の令嬢のお姉さんを犯すネ最後はジャックと7人の艶婦たち最初の令嬢と、そのメイドと、友達と、姉と、母娘レイプの娘に加えて娘の従姉妹の処女とたまたま見つけた男装で給仕係をしている孤児の女の子を加えて7人のハーレムが完成するのネ
はぁそういう4部作なんだ
デアナタは、どれが一番好きだったノカ
イーディは安奈さんに尋ねる
そうか、本当に愛読していたのならどれが好きなのか答えられるはずだ
あたしはフランクです
安奈さんは、答える
アア我が愛しの妖精フランクネ
それどんな話
主人公の青年が、フランクという男の子に会うノネそれでいろいろあって青年がフランクにお仕置きすることになって裸のお尻を鞭打ちしようとするノネところがズボンを脱がすとフランクは女の子だったことが判るのヨ
フランクは理由があって本当は女の子だっていうことを隠しているノネそして、主人公はわざと気付いていないフリをして、フランクのホントはフランシーよ彼女の裸のお尻を鞭で叩くノヨそういうお話ヨ
イーディはそう説明してくれた
で、安奈さんはどっちなんだ
オレは彼女の顔を見る
問いの意味が判らないという顔をする安奈さん
だからさその話が気に入っているのは判ったけれど
オレは安奈さんの表情の変化を見逃さないように、注意する
裸のお尻を鞭打つ主人公の青年と叩かれるフランク、どっちに感情移入しているんだ
安奈さんはSなのか、Mなのか
ええっとりょ、両方なんだと思います
彼女は答えた
あたしは叩かれたいし、叩きたいとも思っています
このコは自分は罪深いから罰されないといけないとも思っているし自分が誰かを罰したいとも思っているノヨ
多分このコのお祖父さんが遺した秘密に原因があるんだと思うネ
精神的な不安を、性的な興奮で覆い隠そうとしているのも本当ネでも、子のコはホンモノのセックスについては、何も知らないデショダカラDarlingの方からアプローチして欲しい調教されたいという言葉になっているんだと思うノネ
言葉としては受け身だけれどこの子の本質には、攻撃的なところも強いと思うよっそれを読み間違えると、ヨッちゃん嚙み付かれちゃうよっ
寧が笑ってそう言った
あ、あたし嚙み付いたりしませんっ
慌てて、安奈さんはそう言うが
モノの例えヨ本当に、アナタがDarlingに嚙み付くとは思ってないネトイウカDarlingに嚙み付こうとしたら、アタシたちが止めるヨさせないネ
で、どうするの公ちゃんこの部屋で、この子を
ワクワク顔で、桃子姉ちゃんはそう言う
しかし丁寧に仕掛けていかないと、安奈さんはどう反応するか判らないんだよなぁ
いきなり本人にアプローチしないよこういう場合は周りから攻めるべきだと思うんだ
それに、元々晩ご飯までの小一時間だけしか無いんだ
今すぐには、大したことができない
瑠璃子安奈さんを連れて来たのは、お前なんだからお前が責任を取れ
わたくしがエリカさんに調教していただくということの意味を、お教え致しますわ
いつもより短めでごめんなさい
マジで体調が治りません頭が痛くて
作中に出した昔のポルノグラフティは、全て、富士見ロマン文庫で出版されていました
今は絶版ですけれど、古本ならまだ読めるはずです
20年くらい前までは、古典のポルノが大きめの本屋さんにいけば、どこでも普通に買えたんですよねえ
1139.日暮れ前 / 指導教育
だって、エリカさんセックスも、レイプも、調教も、ご本の中に書いてあったこととしてしか、ご存知ないのでしょう
瑠璃子が、安奈さんに微笑む
そう言えば、そうねセバスティアヌスあなたもついでに教えていただきなさいっ
歌晏桃子ちゃんの命令に、山田梅子さんが慌てて返事をする
あら、桃子お姉様だってセックスについて、そんなにお詳しいとは思えませんけれど
な、何よまり子
わたくしは、すでに公によって調教済みですから可愛いペットですのよわたくしっ
いや、まり子だってまだ数回しか、オレとセックスしていないんだけれど
でも、まあ経験者は、処女に対して強気になるらしい
お兄様裸になっても、構いませんでしょうか
ああ、安奈さんによく見えるように脱げ
はぁい、お兄様
と、言ってもビキニの上に薄物のズボンを着けただけのアラビア風ハーレム衣装だ
脱ぐと言っても何枚も無い
エリカさん、よーく見ていて下さいね
瑠璃子はまず透け透けのズボンから脱いでいく
ゆっくりと、踊る様に
瑠璃子は日本舞踊をやっているからストリップも優雅だ
瑠璃子こんなにたくさんの人に見られていて、恥ずかしくないの
もちろんとっても恥ずかしいですわ
瑠璃子は、ビキニ・トップの背中の金具を外しながら答えた
でも、瑠璃子はお兄様の忠実なるセックス奴隷でございますからお兄様のお求めなら、いついかなる場所でも裸になりますし、どんな恥ずかしいことでも致しますいえ、愛していただけるのなら、どんなことでも歓んでご奉仕致しますわ
金具がパツンと外れ瑠璃子の15歳の可愛いおっぱいが、零れ落ちる
桜色の小さな乳首は、すでに尖っていた
それが、わたくしのセックス奴隷・瑠璃子の幸せでございますから
そのまま、腰をくねらせてビキニの下も脱いでいく
白いお尻と無毛の恥部が露わになる
安奈さんが、艶やかすぎる1つ年上の先輩の裸身に息を呑む
はい脱ぎましたぁっ
いや、瑠璃子はまだ真珠のネックレスや、金色に輝く腕輪などの装飾品を付けたままだ
だけど、15歳の健康的な肉体に輝くアクセサリーは瑠璃子のセクシーさをさらに強調していた
エリカさんよーく、わたくしの身体を見て下さいね
瑠璃子は、安奈さんの前で中腰になる
まず、自分の顔を唇を両手で触って
これが瑠璃子の唇お兄様にキスするためにある唇ですわお兄様の身体の全てにキスする唇です瑠璃子は、お口でのご奉仕が大好きですからうふふ
艶やかに微笑む
次に、両手で自分の首筋に触れて
これが瑠璃子の首です瑠璃子は、ここをお兄様に舐めていただくのが好きなんです性感帯です感じやすいんですとっても、気持ちがいいの背中がゾクゾクしちゃうんです
ゴクッっと唾を呑み込む音がした
歌晏桃子姉ちゃんだ
桃子姉ちゃんは、自分が首筋を愛撫されることを想像している
それからこれが瑠璃子のおっぱいですお兄様と、いずれ瑠璃子が産むお兄様の赤ちゃんに吸っていただくためにあるんですお兄様は、わたくしたちのおっぱいを吸われるのがお好きですけれど瑠璃子も好きなんです乳首弱いんです
瑠璃子は、両手で自分の乳房を持ち上げてそう言う
ここが瑠璃子のお腹瑠璃子のおへそここをお兄様に優しく撫でていただくのも大好きお兄様の手は、とっても優しいから
そして瑠璃子は安奈さんに向かって、大きくM字開脚する
恥ずかしい部分がハッキリ見えるように
そして、ここがお兄様に犯していただくための瑠璃子の穴ですお兄様だけを受け入れる場所ですうふふもっと近寄って、覗き込んでもいいんですよ瑠璃子のここには、もう処女膜がありません半年ほど前にお兄様に破っていただきましたから
瑠璃子は、両手を使ってグイッと割れ目を開く
ツツツーッと、愛液が内側から滴って垂れた
あら、ごめんなさいお兄様のことを考えると瑠璃子、すぐに濡れてしまうんです瑠璃子は、とっても淫らな奴隷ですから
呆然としている安奈さんに、瑠璃子はククッと微笑む
この半年お兄様がお望みなら、いつでも使っていただいていますわ瑠璃子をお好きなだけ犯していただいて瑠璃子の子宮に精を注いでいただいていますだから、瑠璃子はどんどん淫らに、なっていますお兄様とのセックスが大好きですレイプしていただくのも好きっお兄様に犯していただきたくて、わざとお兄様の近くに行くこともあるんですわたくし
オレは洗濯物を干している瑠璃子の姿に、ムラムラしてしまって
後ろから犯したことが何度かある
あれは、瑠璃子もオレに犯されたくて、わざと隙を作っていたのか
お兄様瑠璃子は
瑠璃子はもう我慢できませんお願いでございます瑠璃子にお情けを下さいませ
オレは部屋のベッドの端に腰を下ろし
うん奉仕しろ、瑠璃子
瑠璃子がオレの方へやって来る
オレは何もしない
瑠璃子が、細くて白い手でオレのベルトを器用に外し
ズボンの前を開きオレのペニスを露出させる
初めて実物を見るのだろう安奈さんが、小さく声を上げた
しかし、その眼は興味深そうに、オレの勃起を見つめている
桃子姉ちゃんとセバスティアヌス(山田梅子)さんも同じだ
うふふお兄様の可愛い大好きですっ
瑠璃子の柔らかな唇がオレの亀頭にキスをする
お口でご奉仕させていただきますね
そしてペロペロッと、オレのペニスに舌を這わす
オレは手を伸ばして瑠璃子のプニプニとした感触のおっぱいを揉む
あんっ気持ち良いです
瑠璃子は、ニコッとオレに微笑むと
こういうのもお好きですよね
自分の乳首にオレの亀頭を擦り付ける
瑠璃子も好きなんだろ
はい大好きですお兄様っ
幸せそうな笑顔でそう言った
舐めるのも大好きになりましたお兄様のオチンチンとっても美味しいんですもの精液を飲むのも好きですわ
瑠璃子は、オレのペニスを捧げ持ってちゅぱちゅぱと、口で奉仕する
オレは、そんな瑠璃子の髪を優しく撫でてやる
瑠璃子ばっかり、ズルいわ
みすずが、見ていられなくなったらしい
みすずだって旦那様にご奉仕したいです
そのまま四つん這いになってオレの股間にやって来る
はい、みすずちゃんどうぞ
瑠璃子は笑顔で、みすずの場所を開けてやった
わたくしは、下の方を舐めさせていただきますから
そう言ってオレの玉袋の方に、舌を這わす
ああーんっ、旦那様ぁっ
みすずは、オレのペニスに舌を這わせながら服を脱いでいく
オレは、物欲しそうな顔をしている美智の表情を見落とさなかった
美智も、ほら来いよ
はいっ、ご主人様ぁっ
やって来た美智の身体をオレは、右腕で抱き締める
美智とキスをした舌と舌を絡め合う
えっと、あの公
まり子が、潤んだ眼でオレを見ている
ほら左腕が空いているぞ
まり子も、オレに飛び込んで来た
公っうふふっ
オレの胸に自分の胸を押し付けオレの首筋に鼻を擦り付ける
まあ、まり子まで
だってまり子も、公に可愛がって欲しくなっちゃったんですものっあんっ
オレは左手でまり子のおっぱいを揉みしだいた
これで股間は、みすずと瑠璃子の口での奉仕
右腕の中の美智がキス奉仕左腕の中のまり子の胸を揉んでいる
なるほどみんな公ちゃんの性奴隷なのね
桃子姉ちゃんが呟く
寧とイーディに、そう尋ねるが
混んでる時には行かないノネDarlingの空いている時を狙うノヨ
あたしたちは、ほらっちゃんとガッツリ愛されたいタイプだからさっ
2人は、余裕たっぷりにそう言う
なるほど、あなたたちの方がより高度に調教されているってこと躾が行き届いているってことかしら
桃子姉ちゃんは、2人にそう言うが
違うよあたしたちはミィちゃんたちほどMっ気が強くないからさ
Darlingは、女の子のセックスの嗜好に合わせてくれるノネウチの子は、みんながみんな奴隷願望が強いわけじゃナイカラ
寧とイーディは、そう答える
結局、ヨッちゃんが一番お行儀が良いんだよね自分の欲求だけを強引に押し付けてきたりしないから
その代わりルリコみたいにホントに奴隷になりたがってい子には、徹底的に奉仕させるネ
瑠璃子は、奴隷になりたがっているんじゃありませんわ瑠璃子は奴隷ですお兄様に一生ご奉仕するセックス奴隷なんです
瑠璃子が不満そうに、そう言う
もう、また瑠璃子ったらあたしだって、みすずだって旦那様のペットですわ一生可愛がっていただくんですからっ
みすずが、オレの亀頭に頬擦りする
みすずが、どれくらい旦那様に調教していただいているか証明するために皆様の前で、オシッコ致しましょうか旦那様みすずが、放尿披露を致しましょうか
いや、みすずそれは、お前がしたいだけだろ
あらあら、公ちゃんたらホントに、香月家のお嬢様を2人も支配してしまっているのね
違うよ桃子姉ちゃんこれは支配とかじゃないんだ
奴隷とか調教とか奉仕とかそういう言葉が飛び交っているけれど、そういう上辺だけの言葉では表現できない関係なんだ
そうなのまり子
桃子姉ちゃんは、オレの左腕に抱かれているまり子に問う
そうですわわたくしも、公の奴隷というか、一生、公としかセックスしない誓いをしていますけれどでも、一方的に公に支配されているわけではありません何て言うかわたくしたちには、強い信頼関係があるんです
公は絶対に、わたくしたちを裏切らないわたくしたちが、公の家族を裏切らない限りはそれが判っているからなんだと思いますわたくし、今、一緒に公に奉仕している他の3人に嫉妬とか感じないですものむしろ仲間とか一緒に公のことを愛している姉妹という意識の方が強いですわ
ふーんわたくしにはそういう感覚は、理解できないわ
それは当然です桃子お姉様は、まだ公に愛してもらっていらっしゃらないんですから
公に抱かれて処女を捧げてあの熱い精を子宮にピュピュッて流し込まれないとこの気持ちは判りませんわ
アタシたちは判っているノネ
ヨッちゃんと、毎日のようにセックスしてるもんねぇ
イーディと寧が、桃子姉ちゃんを煽る
体験したことのない方には絶対に判らないことですからっ
まり子は勝ち誇るように、桃子姉ちゃんに言った
まあ、性体験があるくらいのことでわたくしにそこまで大口を叩くの
ムッとする桃子姉ちゃん
あら、桃子お姉様本当に判ってらっしゃらないんですのね
セックスの経験が問題なんじゃないですわ公に愛されているか愛のあるセックスを公にしてもらえているかが大切なんです
そうですわお兄様でなければ
旦那様だからあたしたちは、こんなに幸せなんです
瑠璃子とみすずも桃子姉ちゃんに、そう言った
瑠璃子、そろそろ
瑠璃子は、オレの前に立ち上がる
お兄様エリカさんに、見えるように致しますわ
うん任せる
まり子さん、ミッチーちょっとだけ、ごめんなさい
そのまま瑠璃子はベッドの端に座っているオレの上に乗っかって来る
エリカさん見える
すっかり呆然となっていた安奈さんが、ハッとなる
今からお兄様がわたくしの中に入って来るわ
瑠璃子は対面座位でオレと結合しようとする
あ、待ってあたしが角度を合わせてあげるわ
みすずが、オレのペニスを瑠璃子の割れ目に当ててくれた
はい、いいわよっ
じゃあ、エリカさんよく見ていて下さいねっ
瑠璃子が、ふんっと腰を落とす
オレの亀頭がヌポッと瑠璃子の膣口を押し広げていく
エリカさんは生々しい男女の交わりを見せつけられる
あああっ、お兄様が入って来ますわとっても大きくて気持ちいいですぅ
丸く拡がった狭い穴にオレの勃起が潜り込んで行く
嘘、嘘、嘘あんなに大きいものが瑠璃子様の中に
14歳の本による性知識だけの少女がホンモノのセックスを見て、震えている
うん何回見ても、凄いわよね
桃子姉ちゃんとセバスティアヌス(山田梅子)さん2人の処女も、オレと瑠璃子の結合部を凝視していた
はーい、もうすぐはぅぅ全部入りまーすくぅぅっ
瑠璃子が、自ら根元まで挿入した
る、瑠璃子様痛くないのですか
安奈さんが尋ねるが
今はもう気持ちいいだけですわくぅぅっ
瑠璃子は、ゆっくりとリズミカルに腰を動かし始める
安奈さん、桃子姉ちゃん、セバスティアヌス(山田梅子)さん
3人の処女が、なるべくセックスに恐怖を抱かないように
女性上位の対面座位で腰を振るのも、瑠璃子が主導的に行う
瑠璃子の胎内に、オレの勃起が水音を立てて出入りしていく様子を安奈さんは見つめていた
お兄様ぁ、気持ち良い気持ちいいですわ
腰を振りながら切ない表情で、瑠璃子はオレを見る
ああ、瑠璃子オレも気持ち良いよ
オレは、ぷるぷる眼の前で揺れている瑠璃子の乳首を、チュパッと吸った
ああんっくぅぅんっ
ビクッと震える瑠璃子
瑠璃子ってまだ中学生なのよね
うちでは関係ありませんわ旦那様に愛していただける身体さえあれば年齢に関係無く、愛していただいています
何でもアリなんだよ、ヨッちゃんのハーレムなんだから
ルールは、アタシたちが自分で決めているノネ
寧とイーディが、そう言った
お兄様そろそろ
他の皆様とこの歓びを分かち合いたいんです
瑠璃子が腰の動きを止め自分の胎内から、ペニスを引き抜く
みすずちゃん、どうぞ
ありがとうルリたんっ
みすずは瑠璃子とは逆の背面座位を望んだ
こうすると旦那様のお顔が見れないですけれど旦那様に抱っこしていただきながら、セックスできるんです
オレの膝の上に座り込むように腰を落としてくる
また入っていく
安奈さんは、今度はみすずの胎内に潜り込んで行くオレのペニスを凝視する
ああっ旦那様の熱いのが奥まで来ますっ
オレは背中から、みすずの裸身を抱き締める
みすずのおっぱいを、両手で揉む
ああんっ気持ちいいですっセックス気持ち良いっ
みすずは、柔らかなお尻をオレの膝にグリグリ押し付けてベッドのスプリングの弾力も使って、ユッサユサと身体を揺すっていく
ジュッポッジュッポッジュッポッとオレのペニスが、みすずの膣にピストンされていく
あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あつ、あっ、あっ、あーっ
背筋を振るわせながらみすずは喘いでいった
あんなに乱れて凄いわね、みすずさん
桃子姉ちゃんは、オレたちのセックスに眼が釘付けとなっている
だ、旦那様ぁぁそろそろ美智に
美智と代わっていいのかみすず
代わりたくないですけれど旦那様には、いつでも愛していただけますから
今は、オレの女たちの連帯を見せる時か
みすずが踏ん張って、腰を浮かす
オレの亀頭が、みすずの胎内からヌポッと顔を出す
美智お前の番だぞ
すでに準備できております
美智はすでに全裸になって四つん這いになって、オレを待っていた
美智にはどうぞ後ろから犯して下さいませっ
オレは美智の小さな腰を掴みバックから
3人目だ、そろそろ男が主導する荒々しいセックスも見せていいだろう
行くぞ、美智
すっかり潤っている美智の胎内へ、力強く突き込むっ
ひっ、ひっ、ひぃーっ
ガシガシと、オレは美智の内側を犯していく
工藤先輩苦しそう
激しいセックスに、安奈さんが思わずそう呟いた
だから、美智は
気持ち良いっ気持ち良いですっご主人様ぁぁもっと、美智の中をエグッてエグッて下さいませっ
Mっ子少女の本領を発揮していく
お尻叩いて美智のお尻を叩いて下さいませーっ
オレは、美智の小さなお尻をパシンッと叩く
美智の膣が、キュキュッと締まるッ
気持ち良いですっもっともっと美智をイジメて下さいませぇぇっ
わたくしもいいの
美智が一通り満足した頃を見計らってまり子を呼ぶ
当たり前だろまり子もオレの女だ
まり子は、嬉しそうにオレに微笑むと
まり子は普通のがいいわ
自分で裸になるとベッドの上に、ゴロンと横たわって、大きく開脚する
まり子とは正常位で繋がった
公ギュッと抱き締めて、まり子も抱き締めてあげるから
まり子が、下からオレの背中に手を伸ばす
まり子あなた、もう痛くないの
桃子姉ちゃんは、一週間前のオレとまり子の初体験を見ているが
その後のオレたちのセックスを知らない
はい、もう気持ち良くなってますわ公に抱かれていると心が温かくなってきますの
まり子は、挿入されたまま桃子姉ちゃんに答える
こんな幸せな体験をなさらないなんて桃子お姉様が、可哀相に感じられてきますわ
クククッと、まり子は微笑む
公キスして
オレは、ゆっくりと腰を動かしながらまり子にキスする
まり子は、オレの舌を求めた
ああんっ、あたし公とダンスしているみたい気持ち良いですこれ大好きっ
ほら、まり子さんもとっても、気持ち良さそうねエリカさん
瑠璃子が裸のまま、安奈さんに言った
みんなお兄様に可愛がっていただいてセックスが大好きになったのよお兄様とだけのセックスが
安奈さんは、オレとまり子のセックスを見つめている
どうこれがセックスよエリカさんか想像していたセックスとは違う驚いた
安奈さんは震えている
大丈夫よエリカさんもすぐに、アレをするのお兄様のセックス奴隷にしていただくんですからね
瑠璃子は、震えているエリカさんの手を握ってそう言った
あらエリカさんも、もう濡れているのね
瑠璃子の指摘にビクッと震える、安奈さん
なるほど薄い透け透けの生地のズボンの下のビキニのパンツに大きく染みができていた
あっ、あたし
顔を赤くする安奈さん
恥ずかしがることはないわよわたくしやセバスティアヌスだって、濡らしているもの
桃子姉ちゃんが、恥ずかしそうに言う
というかこの部屋の中の女は、今、みんな濡れているからさっ
見ると寧とイーディの股間にも、愛液の染みができていた
ヤッちゃんとイーディもする
あたしはいいよ、今はっ
アタシもいいネっ
2人は、セックスは我慢してくれるらしい
それよりヨッちゃん射精は誰にするのっ
どうせなら、セックスだけでなく
もっと衝撃的な射精の瞬間を、安奈さんたちに見せてやりたい
瑠璃子の顔に出す
某オカダ師のこと
結局、いい歳をしてセックス中毒の色情狂だと自白したわけで
新しい家族の形を模索していたとかセックス・ボランティアをしていたとか
55歳のオッサンが平然と話すのは、もうマヌケとしか言いようがないと思う
まともな友人がいれば、こんなアホなことになる前に忠告してくれたはずなんだけれど
まともな友人は、とっくに居なくなった後なんだろうなぁ
そういう人物を盲目的に信じている人たちがまだいることが恐ろしいと思う
オカダ氏が人に対して嘘を付くことに全く抵抗がないヤバイ人だということは、もう随分前に判ってたことなのに
何よりも、本人が今回のことが致命傷だと気付いていないことが恐ろしい
1140.日暮れ前 / 精の味
ううっ、行くぞ瑠璃子っ
一番手コキの上手い美智にシゴかせて
瑠璃子の顔に向けて、勃起ペニスを突き出す
はいっ、どうぞっ瑠璃子の顔にかけてっお兄様っ
15歳の令嬢の整った顔に、白い肌に向かって放出するっ
びゅるるっびゅるっびゅるるるぅっ
ひゃあっっ
安奈さんと、桃子姉ちゃんと、セバスティアヌス(山田梅子)さん
3人の処女が、男性器から噴き出す白濁液の勢いに驚愕している
ホントに白いんだ
こんなに出るものなの
本で読んだ知識だけの安奈さんは、精液の色だけは知っていたらしい
ラ・ローズ・ダムールには真珠色の液って書いてありましたけれど
瑠璃子の顔を汚している精液を見て、呆然としている
ルリちゃん、ちょっと貰うねーっ
寧が瑠璃子の頬に貼り付いた精液を人差し指で掬い取りペロっと舐める
うん美味しいっ
アタシは、こっちを貰うネ
イーディは、オレの亀頭に吸い付き尿道に残った精子を吸い取った
あん、お二人ともズルイですわ
瑠璃子は、自分の鼻の先に付いた精子を指先に付けて舐める
ルリルリわたくしにも下さい
美智が、子犬のように瑠璃子の頬をペロペロ舐め出す
あたしもっ
みすずも、美智の反対側から瑠璃子の顔を舐めた
まり子ちゃんも、味見してごらんよ
寧に言われて、まり子が
あ、はい瑠璃子様、少々いただきますわ
精液を指に取りペロっと舐める
うん、ちょっと苦い
クスッと笑うまり子
まり子そんなの舐めて平気なの
桃子姉ちゃんが、思わず尋ねる
平気も何も公の赤ちゃんの素ですから
まり子は、笑顔で答える
公の女としては舐めるのが当然ですわ
毎日、味を見ているとDarlingの体調が判るノネ
今日はちょっと疲れてるネいつもより味が薄いヨ
それは今日、何回目の射精だと思ってるんだ
そ、そうなのじゃあ、セバスティアヌスも少し舐めてみなさい
も、桃子お嬢様
だって、あなたも後で公ちゃんに犯してもらうんだから、今の内に精液の味だけでも確かめておきなさい
相変わらず、自分の臣下にはムチャクチャなことを言う
桃子お姉様もお試しになれたらいかがですか
桃子姉ちゃんは、口籠もる
舐めてみたらいいのネアタシたちみんな、舐めてるノニ恐いノカ
イーディが、挑発する
そ、そんなことないわよっセバスティアヌスっわたくしも舐めますから、あなたも舐めなさいっ
えあは、はい
瑠璃子が顔の精液を指に掬い取り桃子姉ちゃんの顔に差し出す
アンタも舐めるネ
山田梅子さんにはイーディが
セバスティアヌス1、2の、3で舐めるわよっ
セバスティアヌス(山田梅子)さんも、覚悟を決めたらしい
いくわよ1、2の3
桃子姉ちゃんと山田さんが同時に差し出された指先をペロリと舐める
これが公ちゃんの味なのね
2人とも、あんまり美味しくはなかったらしく顔をしかめる
オレは、瑠璃子の顔に残っていた精液を指に取り安奈さんに
舐めろよ
オレの奴隷になりたいんじゃないのか
うつむく安奈さん
本で知った性知識と、今、見せられたホンモノのセックスとの差に戸惑っていることは判っている
いいから、舐めろ
これは命令だ
安奈さんは周囲の少女たちの視線が、自分に集まっていることに気付く
そしてまだオレの精腋を舐めていないのは、自分だけだということも
安奈さんは14歳の処女は、恐る恐る
オレの指を舐めた
全部、綺麗に舐め取れ
小さなピンク色の舌がオレの太い指先を舐めていく
精液どころか、男の指を舐めさせられたこともこの子にとっては初めての経験だろう
どうどんな味がする
瑠璃子の問いに安奈さんは
しょっぱくて苦いです
涙目で、そう答えた
よし、もうすぐご飯の時間だろうから軽く身体を洗い流そう
オレは、そう言って立ち上がった
シャワールームに移って
みんな、激しいセックスはしていないからそんなに汗はかいていない
愛液で汚れた下半身だけを、シャワーの湯で流せばいい
ほら、瑠璃子から来い
オレは、瑠璃子、みすず、美智、まり子と順番に股間を洗ってやる
あたしたちも濡れちゃったからヨッちゃん、洗って
寧とイーディも、下半身だけ裸になって来たので洗う
ひゃうお湯が温かいネ
桃子お姉様たちも、お股の辺りが湿っていて気持ち悪いのではありませんか
公に洗ってもらった方がよろしいと思いますけれど
セバスティアヌスは、洗ってもらいなさいわたくしは
桃子姉ちゃんは、腰をモジモジさせ
じ、自分で洗いますわそ、そっちの奥で
オレから見えない場所で、秘部を洗おうとしているらしい
桃子お姉様さんざん、公のオチンチンを凝視しておいて、ご自分のは隠されるおつもりなんですの
まり子が、ニヤッと微笑む
ぎょ、凝視なんてし、してないわよっ
ブンブンっと、首を振る桃子姉ちゃん
してたよネ
うん、してたよねぇっ
イーディと寧が笑う
もう、今ではヨッちゃんのオチンチンのホクロの位置まで、クッキリと記憶しているはずだよーっそうだよねーっ
顔を赤らめる、桃子姉ちゃん
桃子お姉様公は別に、お姉様の裸身を見たからといって、襲い掛かったりはしませんわこれだけたくさんの魅力的な女の子の相手をしているんですから
そ、それはそうね
あたしたちのセックスもご覧になったんですから桃子お姉様も、裸を晒されるべきだと思います
香月家の代表としてみすずが言う
判ったわよそうねわたくしだけ特別扱いにしてもらうのは、良くないわよねっ
桃子姉ちゃんはえいっとばかりに、薄物のズボンとビキニの下を一気に脱ぎ捨てる
長身に長くて細い足桃子姉ちゃんの下半身は、かなりグラマラスだ
はい、これでいいさあ、公ちゃん洗って
うんほら、洗うよ
オレは丁寧に、桃子姉ちゃんの股間を洗ってやった
あら、公ちゃん洗うの上手ね
毎日、何人も洗ってるんだから上手くなるよ
まあ、公ちゃんがご主人様のハーレムなのに大変ね
ご主人様だからこそ、絶対に手が抜けないんだよ信頼関係って、こういう日常的なことから積み重ねていくしかないんだからさ
ふーん、そうなの
男と女の関係だから特にそうだと思うよオレに手を抜かれたって感じたら、みんな悲しいと思うだろうしさ
なるほどでも、ホント上手よわたくしのメイドに欲しいくらい
その言葉で、1つ判った
桃子姉ちゃんも洗われ慣れているみたいだね
ええ、家での入浴の時にはメイドが3人付いてくれているから
そういうお嬢様なんだ
よし、オッケー
オレは、桃子姉ちゃんを洗い終わる
ありがとセバスティアヌス、あなたも洗っていただきなさい
仕方なさそうに、セバスティアヌス(山田梅子)さんが前に出て来る
彼女も下半身だけ裸になった
モジモジとして、山田さんは確実に、他人に身体を洗われることには慣れていない
オレは、彼女の股間に湯を掛けながら
ああイーディや美智とは、随分、筋肉の付き方が違うんですね
山田さんの太ももを見てオレは感じる
ミタマやキヌカハイジとも違うこれが流派の違いっていうことなんですね
山田さんは、オレに間近から裸身を見られて羞じらっていた
ウメコは、瞬発力に特化し過ぎた身体になっているノネ
ご主人様に何か危険が迫った時に、瞬時に対応できるようにだろうけれどだからこそ、初手のタイミングをズラされると弱いノネ今なら、アタシは100回対戦したら100回とも勝てるヨ
なぜ、わたくしの弱点をご教授して下さるのです
不思議そうに、山田さんが尋ねる
ヒントをいただいた以上、明日より弱点を克服する鍛錬を始めますそうすれば次も確実にわたくしに勝てるとは限らなくなります
Darlingに身体を洗ってもらったのダカラウメコも、もうアタシの仲間ネ身内なんだカラアドバイスぐらいするネ
そうよセバスティアヌスは、これから公ちゃんに犯されるんだからこの子たちの身内になるのよね
専門用語で竿姉妹と言うネ
だそうよセバスティアヌス
セバスティアヌス(山田梅子)さんは
何か、こうやって当たり前のように、黒森様に身体を洗っていただくとそれも仕方のないことなのかという気になってきました
そうでしょ、そうでしょ
桃子姉ちゃんは自分も、そうなってきていることに気付いていない
さあ、最後はエリカさんよ
瑠璃子に押されるようにして、安奈さんが前に出る
さあ、脱いでしまいましょうね
もう、覚悟はできているらしい
それでも自分で脱ぐのは恥ずかしいらしく瑠璃子に脱がされている
瑠璃子は、それをいいことに下半身だけでなく、上半身のビキニトップも外してしまった
い、いやんっ
股間を隠さずに胸を両手で隠す、安奈さん
14歳の処女らしい振る舞いだ
隠さないでわたくしと同じ姿になっただけよ
オレとセックスした瑠璃子、みすず、美智、まり子は全裸のままだ
はい、お兄様洗ってあげて
震える安奈さんを、瑠璃子が前に押し出す
この少女も他人に洗ってもらうことには慣れていないようだ
ああ、お湯を掛けるよ
両手でおっぱいを覆って、乳首を隠している安奈さんの無毛の股間に湯を掛ける
うん、ナイフでスッと切れ込みを入れたような美しい割れ目だ
白い肌産毛も生えていない
公ちゃん、指で開いて見て処女膜とか確認してみないの
桃子姉ちゃんが、面白がって言う
それは後で安奈さんとセックスする前にするよ
オレの答えに、ビクッと震えた安奈さんは
あ、あの黒森様、あたしっ
立て膝になって湯を掛けているオレは、怯えている安奈さんの顔を見上げて
恐くなったホンモノのセックスを見て
困り顔でオレを見下ろす安奈さん
でも、もうダメだ安奈エリカさん人間として、自分の言った言葉には責任を持て
ジッと彼女の大きな瞳を見る
オレのセックス奴隷になりたいって言ってきたのは安奈さんの方なんだそうだったろ
奴隷になりたいとか恐いから、やっぱり止めるとかオレの意志を無視して、好き放題するのは失礼だと思わないか
オレは確かに素晴らしい女の子たちを集めて、ハーレムを作っているみんな、オレが選んだ女たちだし女たちだって、オレのところに来ることを覚悟してくれたから一緒にいるお互いにお互いを信頼し合えることを確認してみんなで暮らしているんだ
オレのハーレムは、希望者なら誰でも受け入れたりするような、いい加減な集団じゃない入れて下さいって言ったらはい、どうぞになるって考えるのはオレたちの集団に対して、失礼だと思わないか
安奈さんの顔が変わる
はいそ、そうですねあたしの考えが甘かったと思います
安奈さんの眼に涙が溜まっていった
セックスとか奴隷とかホントは、こんなに大変そうなことだなんて全然、想像していませんでしたごめんなさい
ポロッと大粒の涙が安奈さんの眼から、零れる
謝っても、もうダメだよ
安奈さんが自分でみんなの前で言ったことなんだからオレのセックス奴隷になりたいレイプや調教に興味があるってだからもう遅いよ
オレは、安奈さんの小さな腰をグッと抱き締めるッ
男の腕に抱かれて硬直する14歳の裸身
それにオレは、結構、気に入っているんだ安奈さんのこと
オレは、震える彼女にニコッと微笑む
安奈さんには、素質があると思うよ
あたしに素質
濡れた大きな瞳が、オレを見る
ああオレのセックス奴隷になる素質がね
良かったわね、エリカさんお兄様が、あなたのことを受け入れて下さるそうよ
瑠璃子が、明るく微笑む
瑠璃子と一緒に、生涯、お兄様に可愛がっていただきましょうね
ああ、ゆっくりとでも、確実に調教してやるから、楽しみにしていろよ
オレの言葉に、安奈さんはまた震える
良かったじゃないあなたの希望通りになったんだから
歌晏桃子姉ちゃんも、そう言って笑った
そうね、あなたのちょっと生意気なところを調教してもらったらあなたは素地は良さそうだから、公ちゃんの素敵な奴隷になれると思うわ
キリスト教というのは、当時のユダヤ教の主流派に対するカウンターとして産まれたので
逆説的な主張をします
一番有名なのが頭の中で悪いことを想像しただけで、もう罪になるという考え方です
これは、当時のユダヤ教の主流派が上辺だけを取り繕って、自分たちを清らかだとしていたことに対して
じゃあ、心の中はどうなんだよと対抗してみたということなのですが
現実には考えたことと実際にしたことは違います
人の思考は自由です
心の中では、どんなに犯罪的な酷いコトを考えても考えただけなら、それは罪ではないはずなんです
実際にその思想を行動に移さない限りは
ところがキリスト教の考え方では悪しきことは、考えただけでも罪なんですよね
フランスは革命以来、政教分離が徹底されているので
どれだけ特定の宗教を馬鹿にした出版物を発行しても
直接の暴力で、その宗教の人たちに危害を加えていないのなら
思想の自由、表現の自由ということらしいです
でも、アメリカはキリスト教的な思想が社会のベースになっているので
あの風刺新聞の誹謗中傷は社会的に許されないんだそうです
だからアメリカの大統領はデモに参加しなかったんだろうなあと思いました
1141.夜を迎える / いただきますっ
シャワールームから出て
オレは元の服を着て女の子たちは、汚れたビキニだけを交換して元のアラビア風ハーレム衣装に戻る
はーい、ご飯ですよーっ食堂に集まってっ
タイミング良く克子姉の声が、スピーカーから響いた
良かったわちょうどお腹が減ってきたところだから
歌晏桃子姉ちゃんが、そう言うが
あ、多分歌晏さんたちは、別の部屋でご飯を食べてもらうことになると思うよっ
別の部屋
桃子姉ちゃんが、怪訝そうに振り向くが
だって鷹倉姉妹と一緒の部屋は嫌なんでしょうちのモットーは、ご飯は家族みんなでだから悪いけれど、歌晏さんの方が違う部屋で食べてもらうことになると思うよっ
桃子姉ちゃんは巫女の力で、自分の記憶を変えられたり、心を操作されることを怖がっている
何度も言ってるけれどあいつらは、桃子姉ちゃんに力を使ったりしないよ勝手なことは絶対にさせないから
わたくしも何回も言っているけれど臣下が良かれと思って、勝手なことをするのは良くあることなのよしかも、臣下が有能であればあるほどそういう傾向は強くなるわだから、公ちゃんの意志に反してあの姉妹が、わたくしを支配しようとすることは充分に考えられるのよ
わたくしたちの家でも鷹倉家の血筋について調査しているわあの力を持っている女たちはそのせいで、精神がとても不安定な場合が多いでしょ
前の巫女だった月子たちの母親もその妹であるコヨミちゃんの母親も
結局、自分の中の強大な力に呑み込まれて心を壊して死んだ
そういう危険な人たちに近付くのは嫌だわ
歌晏さんの調査には、不備があると思うよっ
あら、どういうこと
その調査はこれまでの鷹倉神社の巫女の傾向でしょ現在のここで暮らしているあの子たちのことは、調査できていないよねっ
月子たちは京都から逃げて来て以来、ほとんどの時間をこのお屋敷の中で過ごしているのだから
桃子姉ちゃんの歌晏家では、調査しようが無い
今のあの子たちはさヨッちゃんというご主人様を得たことで、とっても安定ししているんだよねっ精神崩壊の危険性は、ほぼ無いと思うよ
アタシもそう判断するネ
イーデイも、うなずく
タカクラのミコが心を壊してしまう大きな要因は強大すぎる力を持ってしまったからではないネ力のせいジャナイのヨ周りの人間との環境の問題ネ
周りの人たちの心が読めてしまうから相手が自分に嘘を吐いていたり、自分に対してネガティヴな考えを持っていたりするのが判るから心が壊れちゃうんだよ
問題は巫女の力じゃない周囲との人間関係
トコロガここでは、Darlingはツキコたちに絶対に嘘は吐かないしネガティヴな意識は全然持ってないネ
ヨッちゃん自身があたしたちの前では、全くプライバシーが無いからいつどこで何をしているか、みんな知っているしいつも一生懸命一つ一つ必死に考えて、自分で何をどうするか決めていることも知っているから
2人は、そう言ってくれるけれど
いや、オレは頭が良くないからさ人よりも、いっぱい時間を掛けて考えないとダメなんだよ
ヨッちゃんは判りやすいんだよ明確なヨッちゃんなりのルールに則って生きているし本質的には、とても善良だしさ
えオレは悪人だよ
驚いてオレは言った
オレは、絶対に善良な人間じゃないってオレは反社会的な組織に属している悪い人間で正しい人たちによって、いつでも抹殺される可能性があるっていうことを自覚しているよ
オレは雪乃を犯した性犯罪者だし
シザーリオ・ヴァイオラを殺害した殺人犯だ
他にも日本の法に触れるようなことを幾つも犯している
しかも、だからといって自分から自首する気は全くない
犯罪者のまま、罪を償うこともなくのうのうと普通の生活をして生きていこうとしている極悪人だ
ダカラ、善良なのヨ
犯罪者の大半は自分は、本当は善良だと思っているノネダカラ、言動がブレるノヨ
ほら、ブラック企業の経営者の方が社会問題について提言したりして、政治家に成りたがるケースが多かったりするみたいなことだよっ
自分が自分の会社で働いている人たちを圧迫していて、そのせいで顧客に対するサービスも酷いことになっていたりするのにそれ自体が間違いなく反社会的な行為なのになぜか、公共の福祉について大きなことを言い出したり、政治に乗り出そうとする
ヨッちゃんは自分が悪だと判っているから、ブレないんだよ安定しているだから、そんなヨッちゃんに自分自身を委ねている月子さんたちも精神が不安定にならないんだよ
アタシたちが何故Familyとして結束できているかとイウトDarlingが、そう信じているカラなのネ圧倒的な熱い思いでアタシたちは1つのFamilyで、Familyの中では裏切りは無く、みんな仲良くで生き抜いていくんだっていう強い意志が有るノネ
そのヨッちゃんの意志にみんな縋っているんだよ委ねているんだよ護られているんだよあたしたちも、月子さんたちも
ダカラツキコたちの心も壊れたりはしないノネ
オレがブッ倒れたら月子たちもヤバくなるってことか
そういうことヨツキコたちだけじゃないけれど
あたしやイーディとかだってヨッちゃんがいなくなっちゃったら、どうなるか判らないもの
あたしたちも、そうですわ
みすずが横から、オレに言う
瑠璃子と美智もこっちを見ている
デモ、大丈夫よDarlingが一番、精神がズ太いカラ
そうだよね雪乃ちゃんレベルで、ブッ太いよねっ
え、オレさすがに雪乃みたいにはいかないよ
白坂雪乃は登山ロープ並みの強度と太さのある神経を持つと言われている
そんなことないよ普通の男の人は、鷹倉神社の巫女を1人相手にするだけでも心がパンクしちゃうもの
月子さんたちのお母さんが心を壊してしまったのは、巫女の力だけの問題じゃないんだよパートナーが、巫女の力を持つ女を受けとめられなかったっていう面も大きいんだから
ああ自分の妻が、人の心を読めたり、精神操作することができると知ったまま生活を続けていけば
夫の方も心が壊れる
ヨッちゃんみたいにのほほーんと受けとめられる、強大な鈍さが大事なんだよねっ
旦那様はあたしや香月家のことまで、のほほんと受けとめて下さってますから
Darlingの鈍さは、素晴らしい才能ヨダカラ、ハーレムを作っても平然としているし、Darlingがドッシリと構えているから
ホント中でケンカとかしないんだよねヨッちゃんのハーレムはさっ
普通のハーレムなら、もっと女同士の嫉妬とか、憎しみ合いとかで殺伐なるはずなんだけど
いやいや、ヤッちゃんハーレムそのものが、普通じゃないだろ
それはDarlingの認識が甘いネ今でも、一夫多妻の国はアルし歴史を紐解けば、あちこちの王族の後宮で女同士の争いで悲惨な事件があったことが幾らでも記録されているノネ
そうですよねうちはホントみんな仲が良いですものね
ソレモコレモDarlingがどっしりと安定しててくれているからナノネ
そういうわけだから安奈さんも安心して、うちに来ていいからねっ
突然、名前を呼ばれて安奈さんが驚く
安奈さんが抱えている問題が、どれだけ大変なことなのかは知らないけれど
コウヅキ家やタカクラ家よりはマシなハズネネイだって、相当、ココロがこんがらがっているコだし
否定はしないヨアタシたちはミンナ、何か重いモノを抱えているノネデモ、そういう重さをDarlingは平然と受けとめてくれるノネ
偉大なる鈍さでねっ
寧とイーディが、オレを見て微笑む
その通りよねだから、わたくしも公のことが好きになっちゃったんだろうなあ
わたくしなんて今思えば、ウジウジしていただけの面倒臭い女だったのに、公は平気な顔して受け入れてくれたもの
そう言って、まり子は桃子姉ちゃんに
だから、桃子お姉様も思いきって、公に身体を委ねてしまっても平気ですわ
ま、まり子あ、あなた、何を言っているのよ
慌てる桃子姉ちゃん
わ、わたくしは歌晏家の娘よいずれは家のためにどこかの名家に嫁がなくてはならないのだから
それは、わたくしもそうでしたけれどまあ、何とかなるはずですから
母親が名家・狩野家の出身であるまり子は本来は、家の格を上げるために、どこかの名家に縁づくはずだった
名家にも当主が同性愛者の家とかもありますから
まり子、あなた、そういう家の方と結婚してお世継ぎだけ産むつもり
まさかちゃんと公の赤ちゃんを産みますわわたくしの法律上の夫になる方には、手も触れさせませんから
わたくしも公と同じで極悪人ですから
はぁぁ、そんなことを画策しているのね
桃子姉ちゃんは、呆れた顔でそう言う
でも、わたくしには、まり子みたいな真似はできないわよ歌晏の家は特別ですからわたくしは、わたくしの宿命と責を果たさないといけないわ
寂しそうに、そう言った
桃子姉ちゃんは自分がすでに、オレの食す皿の上に乗っていることに気付いていない
はーい、歌晏様はこちらのお部屋へどうぞ
食堂前の廊下で、マナが待っててくれた
桃子姉ちゃんは食堂から、少し離れた個室で食事してもらうことになるようだ
ありがとうセバスティアヌスは、他の皆さんと一緒にお食事してもいいわよ
桃子姉ちゃんは、自分の警護役に言う
いえわたくしは、桃子お嬢様のお側におります
セバスティアヌス(山田梅子)さんは、そう答える
あ、そそれならいいけれど
歌晏様わたくしが同席させていただきますわ
食堂の方から翔姉ちゃんがやって来る
みすず様も、ご同席下さい歌晏様は、香月家の賓客でございますから
そうね判りました
では、わたくしもお供致します
美智も、みすずと一緒に桃子姉ちゃんの別室に行くらしい
あなたも後でいいから、少しだけ顔を出してくれないかしら
えなら最初から、オレもそっちの部屋でご飯を食べようか
それじゃあ、他の子たちが悲しむわ安奈さんもいるしみんなと食堂に行ってわたくしたちの方には、後から合流してくれればいいわ
ああ安奈さんを放っておくわけにはいかないもんな
それに翔姉ちゃんが、安奈さんを桃子姉ちゃんの個室に招かないということは
安奈さんの居ない場所で、何か大事な話があるんだろう
うん、判ったじゃあまた後で、桃子姉ちゃん
はい、またね公ちゃん
桃子姉ちゃんは笑って指定された個室に、セバスティアヌス(山田梅子)さんと入って行く
みすずと美智と翔姉ちゃんも、後に続いた
えっと、結局5人分かあっちの部屋は、マナがお給仕するから食堂の方は、克子お姉ちゃんとメグおねえちゃんがやってくれてる
あごめんなさい、わたくし今日は何もしていなくて
家事仲間のマナに、瑠璃子は謝る
いいから、いいからたまには、こんな日もあるよっじゃあねっ
マナは人数分の食事を取りに、台所へ向かった
マナちゃんもだよねぇヨッちゃんのお陰で安定できてるんだよ
寧が、そんなことを言った
さあ、オレたちはあっちだ
オレたちも食堂に向かう
あっ、パパだっ
パパですのっ
真緒ちゃんとアニエスが、走って来てオレに飛び付く
ああ、アニエスたちもビキニの上下に透け透けズボンのハーレム風衣装に着替えている
着替えていないのは、謎のインド人のままの雪乃と、克子姉とマルゴさんとメグだけだ
もっとも克子姉とメグはいつものメイド服を着ている
うんもう、家に居る子は、みんな、揃っているんだな
今日は、アラビアン・ナイトですのっ
ニカッと、アニエスが笑った
あれれまた新しい子
真緒ちゃんが、安奈さんに気付く
パパ、パパもう、したですの
真緒ちゃんの前ではセックスという単語は禁止にしている
まだだでも、今日中に確実にするから
何の話をしているのかに気付いて、安奈さんがピクッと緊張する
じゃあ、アニエスの仲間でいいですのねっ
嬉しいそうにニカッとアニエスは微笑む
えっとこの子も真緒の家族になるの
なりますですのっだから今は暫定的に仲間ですのっ
おお、アニエス暫定的なんて言葉も覚えたんだ
覚えましたのっ一生懸命、勉強してますからっ
あたし真緒、4歳お姉さんは何歳
真緒ちゃんも明るく微笑んで、安奈さんを見上げて尋ねる
あたしは安奈エリカです14歳よ
えーと14歳だと
マナちゃんとヨミちゃんと同い年ですのっ
ありすちゃん、ミタマちゃんたちの1つ上
そうですのっ瑠璃子ちゃん、美智ちゃんの1つ下ですのっ
真緒ちゃんとアニエスが、そんな話をする
じゃあ、こっちのテーブルですのっ
パパ、連れてってあげてもいい
最近は年の近い子同士で、何となくテーブルを囲む様になっている
まあ、事情の分かっているありすや可憐も居るし
ルナやヨミも気を遣ってくれるだろう
年の近い年少組のテーブルの方が、安奈さんも気が楽か
ああ、安奈さんと一緒にご飯を食べてくれ
ええっとアンナちゃんエリカちゃんどっちが名前ですの
エリカです
じゃあ、エリカちゃんこっちですの
アニエスが、安奈さんの手を引っ張る
安奈さんは心配そうに、オレの顔を見るが
大丈夫だよみんな、オレの家族だ良い子ばっかりだから
ええ、大丈夫よエリカさん
アニエスが、みんなに紹介してあげますのっさあ、エリカちゃんっ
安奈さんは、アニエスに連れられて年少組のテーブルに向かう
うーん、大分調教されてきたねっ
あの子今、ちょっと心配になってヨッちゃんの顔を見たよっ
今までなら瑠璃子を頼って、この屋敷に来たのだから
何か心配な時は、瑠璃子の顔を見ていたはずだ
渚が、まだお店の仕事が残っているらしいのだから、渚とハイジちゃんは後でご飯を食べるそうよ
ミナホ姉さんも、今日も駅前ホテルの地下施設から帰って来られないだろう
あ、わたくしもお手伝い致しますわ
台所からワゴンで料理を運び始めたメグを見て瑠璃子が慌てて、ハーレム衣装の上からメイド・エプロンを付ける
もっとも今日は、ミタマやキヌカも当番らしくエプロンを付けて、給仕の手伝いをしていた
今日は、せっかくだからアラビア風料理にしてみましたっ
アラビア風鳥の蒸し焼きと、アラビア風肉団子と餃子、それとアラビア風サラダですっ
わーっと、みんなが拍手する
その様子を、安奈さんはポカンとして見ている
えーっと、ホントのアラビア料理じゃないからねっあくまでもアラビア風だからそこを間違えないで何でそんなことになっているかというとえー、一部に豚肉を混入していますっそのことは内緒にしてっ
克子姉は、大きな声でそう言った
お皿を配ります
配ります
ミタマとキヌカが、テキパキとテーブルに皿を配していく
オレたちも、年長組の方のテーブルに座る
すぐに月子が
わたくしたちの力が必要なのでございますね
すぐに、オレに言った
オレの心を読んでいるのだろう
うん安奈さんの家の問題は、巫女の力を使わないとすぐには解決できないと思う
今日、突然、この屋敷にやって来た安奈さんは
最初からテンションが高かったし、ヤケクソに見えた
14歳の美少女が突然家出して来て
しかも、オレみたいな初対面の男にいきなりセックス奴隷にしてくれなんて言ってくるのは、どう考えても異常だ
安奈さんのセックスやレイプや調教に興味があるという言葉を鵜呑みにするほど、オレは愚かではない
何か、トンデモナイことが裏で起きているんだと思う
まだオレが聞かされていない事情が
桃子姉ちゃんが、面白がって観ているからゆっくり時間は、掛けられないと思うできるだけ早急になるべく今夜のうちに解決してしまいたいんだ
この件は、長引かせると悪くなるばかりだと思う
今夜の安奈さんのお父さんとの会談で、全て終わらせたい
かしこまりましたではルナをお連れ下さい
ヨミだと攻撃性が強すぎますしコヨミちゃんは、安定した力を持っていませんその点、ルナなら安奈さんの学校のお友達に見せ掛けることもできますから
実際、ルナも超お嬢様校の編入試験を受けるんだから
もうすぐ、安奈さんの後輩になるんだけれど
いや、月子が来てくれ
オレの中でそう閃いた
ああ相手は大人だから、一番、精神の安定している月子の方が良いと思う
わたくし、そんなに安定してはいませんわ
でも、公様のお側なら安定します安定させますわ
頼むルナには、今夜もアニエスの勉強に付き合ってもらわないといけないしさ
同じ12歳で一緒に、小学校6年生の編入試験を受けるんだから
ルナとコヨミちゃんには試験まで、アニエスを引っ張ってって欲しい
そうですわね判りましたわ
月子は優しく微笑んだ
何々、何の話をしているのっ
寧が、オレたちの話に割り込んで来る
ヤッちゃんもこの後の安奈さんのお父さんとの話し合い、参加してよ
あたしでいいのっ
寧は口ではそう言うが顔は笑っている
理知的な交渉は、翔姉ちゃんが仕切ってくれるだろうからかき混ぜ役が必要なんだよ
アタシじゃダメナノカ
イーディが、そう言ってくるが
イーディじゃ、かき混ぜ過ぎになるって多分、家庭内のデリケートな問題になるだろうから
ソウネアタシじゃ、向こうが面食らってシマウネ
変な日本語を使う、金髪碧眼に褐色の肌のアメリカ人武闘少女というのは
ちょっと個性が強すぎるだろう
ソレニコウヅキ家が相手だと思わせるタメには、顔の知れているミチの方がガードに適していると思うネ
そうだな香月家のお嬢様の護衛役は美智だ
美智にも来て貰うか
旦那様瑠璃子は、安奈さんをここに招いた張本人ですから、交渉に行かなくてはならないと思いますけれどみすずちゃんはどうしたらよろしいですか
みすずちゃんは、きっとと現場に立ち合って事実を知りたいんだと思いますけれど
みすずが、そう考えているのなら連れて行くべきなんだろうか
ちょっと事実なら、ここで待ってたって、後から教えてもらえるでしょ
まだ謎のインド人の格好をしている雪乃がみすずに言う
香月家の娘が、2人並んで行ったら相手がビビっちゃうんじゃないのだからさ、みぃちゃんはここでお留守番してた方がいいのよっ
テーブルの向こうから、香月家の3人の孫娘の1人美子さんが言う
ああ、みんな事件の概要は、何となく見聞きしているんだ
ホントにこの家にはプライバシーは無い
ま、香月家のホテルが会場なんだから話し合いの状況は、ここにリアルタイムに中継できるだろうしねっ
うん、14歳の安奈さんの相談を1つ年上で学校の先輩の瑠璃子が受けて、この家に家出してきたっていう設定になっているんだからみすずまでが顔を見せるべきじゃないと思うよ安奈さんのお父さんは、内々に済ませたいことだと思っているはずだし
香月家のトップであるジッちゃんに知られることを恐れていたもんな
判りましたみすずちゃんには残っていただきましょう
瑠璃子は納得してくれた
うんオレに任せてくれ
ところで、ヨツちゃん
桃子ちゃんも行きたがると思うけれど何とかできそう
桃子姉ちゃんも話し合いの場に同席したがるだろうなあ
でも本来なら安奈さんに全然関係の無い、歌晏家の桃子姉ちゃんが姿を見せるのは
間違いなく、場が混乱する
判った後で、桃子姉ちゃんたちの部屋に行った時に説得するよ
食事が全員の前に並ぶ
今夜のいただきますは誰
コヨミちゃんですのっ
アニエスに言われて、コヨミちゃんが立ち上がる
そして、大きな声で
それでは皆さんいただきますっ
うん、コヨミちゃんもすっかり家族に馴染んで明るくなった
さあさあ、エリカちゃんも食べましょうですのっ
アニエスが、積極的に安奈さんに話し掛けてくれる
克子姉さんのご飯は美味しいからな
お代わりしてもいいんですよ
双子のエリとリエも安奈さんに笑顔で、そう言う
寒い日が続くので体調がなかなか回復しません
一番酷い時からは、抜けられましたが
1月2日辺りから、記憶が結構飛び飛びになってます
1142.夜を迎える / 秘密アリ
安奈さんの食事の様子を観察する
アニエスとありすとルナが積極的に笑顔で安奈さんに話し掛けて、上手に気遣いをしてくれている
同い年のヨミは、一歩退いて大人しくしてくれているし
これは鷹倉姉妹の連携なんだと思う
安奈先輩アニエスさんたちは、もうすぐわたくしたちの学校の編入試験を受けますの
可憐もそんな風に話題を提供してくれる
ですからアニエスさんたちに、色々と学校のことを教えてあげて下さいませ
知りたいですのっ学校って、どういうところですの
アニエスが、笑顔で尋ねる
アニエスちゃんは、日本の学校は初めてなのですわ
せやから判らないコトがいっぱいあると思うんですわ
リエとエリがそう言った
本当はアニエスは学校そのものが初めてなんだけれど
見た目が金髪に青い眼のアニエスだから安奈さんは帰国子女なんだと勘違いしてくれるだろう
ああ、そうなのそれだったらそうね日本の学校の特色は
戸惑いながらも、アニエスたちに話し始める安奈さん
基本的には、面倒見の良い子なんだろう
瑠璃子桃子姉ちゃんが、最初に安奈さんのことを中等部のスターって言ってたけれど
オレは、小声で瑠璃子に話し掛ける
その通りですわ明るくて、元気で、頭脳明晰、スポーツ万能それでいて、とっても愛らしい子ですから、上級生には可愛がられ、下級生には慕われていますわ
中学3年生の瑠璃子は1つ下の学年の安奈さんのことは、よく知っているはずだ
それにしてはこの屋敷に来てからの安奈さんは、エキセントリック過ぎるよな
興奮しすぎていたり、逆に落ち込んだり躁鬱が激しい
やっぱり今まで、エリカさんが話していたこと以外に、もっと大きな問題があると思うんだけれど
彼女を家出に追い込んだもっと重い理由があるはずだ
瑠璃子は多分全部、知っているんだろ
だから今日、ここに安奈エリカさんを招いた
ですがここではお話できませんエリカさんが、時々、こちらを見ていますから
ああ、瑠璃子がオレに話さないか気になっているんだ
それにもう翔お姉様の方で調査が完了している頃だと思いますわ
瑠璃子は前から、翔姉ちゃんに何かを指示していた
香月セキュリティ・サービスの調査員は優秀な方ばかりでございますから
翔姉ちゃんは、今、桃子姉ちゃんたちと別室で食事している
後で顔を出してくれとオレに言っていたのは何か報告してくれることがあるんだろう
オレは、もう一度年少組のテーブルを見る
それは楽しみですのっ
ええ、学校に来たらあたしが案内してあげるわっ
うん安奈さんのことは、このまま年少組に任せておいて平気だろう
ちょっと、向こうの部屋に行ってくるよ
オレは、こっそりと席を立ったつもりだったが
あー、パパどこへ行くのぉ
真緒ちゃんが、大きな声でオレに言う
ああ、向こうの部屋のお客さんの様子を見てくるよ
オレは、自然な感じでそう言った
エリカちゃんは、アニエスたちがお相手していますから、大丈夫ですのっ絶対に寂しい思いはさせませんからっ、安心して下さいですのっ
そうオレに言うアニエスに、安奈さんは驚いている
ここの家のルールなんですわ寂しい子がいたらアカン
みんな仲良くが、鉄の掟なんですわ
双子が、ウンウンうなずいてそう言う
みんな、安奈先輩も、この家の家族になる人だって判っていますから
ええ、そうですわわたくしたち、判っていますから
ありすも、安奈さんにそう言う
あっちのお部屋の人はお客様だけどエリカちゃんは、そうじゃないもんねっ
そうですのっエリカちゃんも、すぐに今晩中に、真緒ちゃんやアニエスのお姉さんになってくれますのっ
うわぁ、真緒、嬉しいなぁっ
そんな会話を、安奈さんは困惑した表情で聞いている
みんな、心からあなたを歓迎しているのよエリカさん判るわよね
先輩である瑠璃子が、優しくそう言った
安奈さんは、小さな声でそう答えた
そんなに怖がらないで下さいボクたちはただエリカさんと仲良くなりたいだけなんですから
安奈さんの心を読んでルナが言う
そうですのっアニエスはエリカちゃんと仲良くなりたいんですのっ
アニエスがダメ押しで、そう伝えた
オレは1人食堂を出て桃子姉ちゃんたちの居る個室へと向かう
ドアをコンコンとノックして
桃子姉ちゃんの声がする
あオレだけど
どうぞ待ってたわよ
中に入ると
翔姉ちゃん、セバスティアヌス(山田梅子)さん、翔姉ちゃん、みすず、美智がテーブルを囲んで、食事していた
マナは給仕係に徹して、立っている
マナ、ここはもういいから食堂に行って、みんなとご飯にしろ
でも、お代わりとか、食後のお茶とかが
それぐらいは、あたしたちでするわありがとうマナちゃん
歌晏家と香月家には名家としての関係があるとはいえマナを使用人みたいに扱うのは、本当はいけないことだ
ええ、ありがとうもういいわ
賓客である桃子姉ちゃんが、マナに微笑む
はい、では失礼します
マナは礼儀正しく頭を下げて部屋から退室していった
ものすごい綺麗な子よね例の寧っていう人も桁違いの美人だけれど
桃子姉ちゃんが、オレに言う
公ちゃんの家の女の子は、美少女揃いだけれどあの2人は別格よね
マナの美しくなるプログラムは順調に進んでいる
この半年で背も、どんどん伸びている
14歳という成長期のド真ん中からスタートさせたのが、良かったらしい
今のマナっていう子も公ちゃんの奴隷なの
ああ、マナがオレの奴隷の第1号だよ
雪乃やメグは奴隷じゃないし
そうじゃあ、安奈エリカさんが最新号になるのね
関さんまり子をここに呼ばなかったってことは、安奈さんについて今ここに居るメンバー以外には知らせたくない情報があるのね
桃子姉ちゃんは、翔姉ちゃんに言う
つまりわたくしと公ちゃんとみすずにしか、知らせられない秘密が
この個室には、美智とセバスティアヌス(山田梅子)さんも居るけれど
名家・歌晏家の令嬢は警護役を人数に含まない
職務中に知ってしまったことについて、プロの警護役は絶対に他言しないことと判っているからだ
美智も山田さんも名家中の名家と言われている香月家・歌晏家に仕えている筋金入りの警護役だし
翔姉ちゃんは、あっさりとそう言った
美智旦那様にお茶を差し上げて
退室したマナの代わりに、美智がお茶を入れてくれる
翔姉ちゃん、どういうこと何だ瑠璃子だけは、色々知っているみたいだけれど
そうねちょっと複雑なのよ
翔姉ちゃんが、話し始める
まず安奈さんが勘違いしていることもあるのよ例の安奈さんのお父様が、安奈さんの亡くなったお祖父様から安奈さんがいただいた遺産を取り上げようとしている件だけれど
ああ何故か、安奈さんのお祖父さんが、孫娘を自分の養女にして
息子である安奈さんのお父さんと遺産を半分ずつ分けるように遺言を残したっていう
今、安奈さんのお父様が代表を勤めている監査法人が別の監査法人と合併することになっていてそれは事実なんだけれど
何か安奈さんのお祖父さんが、孫娘を養女にしてまで遺産を息子に渡したくなかったということが、親に信頼されていなかったっていうことになって、お父さんの仕事に影響するんだっけ
そんな話だったと思う
親に信頼されていなかった人間に大企業の監査なんかを任せていいのかという
信頼の問題だと
そうよそういう問題があるのは確かなんだけれどどうも、安奈圭一郎氏が気にしているのは、そこじゃないみたいなのよ
安奈圭一郎さんにはもっと、急いで解決しなくちゃいけない、大変なことがあるのよ
翔姉ちゃんの話を、オレたちは真顔で聞く
いわゆる監査法人ていうのは、公認会計士さんたちが5人以上集まっている会社を指すんだけれどねだから、もちろん代表である安奈さんのお父様も当然、公認会計士なのよ亡くなったお祖父様もそうだったそれで公認会計士には、特別な決まりがあるのよ
決まり
今の日本では公認会計士は、色んな企業の株を所有することは許されているんだけれど自分が直接監査に関わっているような会社の株は持っちゃいけないのよ
持ってはいけない株がある
自分が、そこの会社の株主だと会社に不利な監査結果は出さないでしょ株の価値が下がっちゃうから
で個人経営の公認会計士さんでも、そういうことは厳しく制限されているんだけれどこれが監査法人に所属している公認会計士の場合となると、さらにもっと厳しくなるのよ
監査法人に所属している場合は自分が直接担当している企業の株だけでなく同じ監査法人に勤めている同僚の担当している全ての会社の株も、所有してはダメだという決まりになっているのよそれこそ支社が違っていて一緒の場所で働いていない、ほとんど顔を見たことも無ければ、会話したことがないような同僚だろうと同じ監査法人に所属していたら、監査を請け負っている会社の株は全部ダメなの
ああ、法人の内部でこっそりあの会社の業績が上がっているとか秘密のプロジェクトが立ち上がるから、そのうち株の値が上がるとか、情報を聞いてしまうかもしれないからですね
つまりインサイダー取引の温床にもなるっていうことよね
桃子姉ちゃんも、そう言った
翔姉ちゃんは、先を続ける
すでに亡くなっている安奈さんのお祖父様も公認会計士だったから所有していた株は、全て、自分の監査法人とは関係の無い会社のものだったのよそれを、安奈エリカさんは遺産として引き継いでいるの現状は、弁護士さんがそれらを管理しているけれど
安奈さんが成人するまでは、弁護士さんを後見人として遺産を預かってもらう
それが、安奈さんのお祖父さんの遺言だった
しかも、確か全部、優良株だったんだよねお祖父さんが亡くなってからのこの10年で、どの株ももの凄く高くなっているんだっけ
そうよ安奈さんが自分で言ってた通り今のあの子の個人資産は、3億円を越えているわ
14歳ではぁぁ
でも、今まではそれで何も問題は無かったけれど本当に、安奈エリカさんの名義になっている株の会社は、安奈圭一郎氏の監査法人が担当している会社とは重なっていなかったから
でも今度、お父様の監査法人が他の法人と合併するでしょ
その瞬間、桃子姉ちゃんが
ああ、なるほどそういうことなのね
うんうんとうなずく
はい今度、合併する方の監査法人が、安奈さんが株を持っている企業の監査を担当しているんですわ
翔姉ちゃんは苦笑する
合併してしまったら、同じ法人でしょそうなったら、例え娘の名義でも自分の法人で担当している会社の株を保有しているのは問題になっちゃうのよ
そうか公認会計士のルールに違反してしまうのか
だから、安奈さんのお父さんは安奈さんの保有している株の中で、これから合併する法人が監査を担当している会社の株だけを約7000万円ぐらいの額よそれだけを、できるだけ早く売却しなくちゃいけないと思っていらっしゃるのよ
なるほど、安奈さんは、まだ14歳の未成年だものねしかも、普通は未成年に遺された資産は、親権者である親が自由に管理するはずだから法人同士の合併が完了するまでに、疑われそうな株は全て売却するのが通例なはずよね
桃子姉ちゃんが、言う
はい14歳の娘の名義になっているなんてルール違反逃れのために、そうしていると疑われても仕方ないですから本当に安奈エリカさんの所有株は、優良株ばかりですから
このまま株を持ち続けていたら安奈さんのお父さんは、公認会計士の世界から追放されてしまう可能性だってあるわね
そうなんですところが、安奈さんの場合は故人であるお祖父様がご自分の弁護士さんに未成年者後見人として資産管理をするように遺言で指示していますから
安奈さんが弁護士さんの後見人を解除しないとお父様は、問題の株を処分できない
翔姉ちゃんがうなずく
それには、やっぱり安奈さん自身の同意が必要だよね
当たり前よ安奈さんがお祖父様からいただいた遺産は、安奈さんの個人資産なんだから
桃子姉ちゃんが、オレに答える
でも安奈さんのお父様、安奈圭一郎氏としてはこれはもう、大至急、解決しないといけないような深刻な問題なのよご自身の信用問題なんかより遙かに重大なだって2つの監査法人に所属している何百人もの公認会計士さんたちに迷惑を掛けてしまうんだから
そうよね他の会計士さんたちもルールに合わせて、合併する法人が担当している会社の株は全員、決められた期限までに手放すんでしょうし
片方の監査法人の代表である安奈圭一郎さんだけが期限までに株が売れなかったなんてことになったら、合併そのものがストップしてしまいますし
新法人そのものの信用問題に発展してしまうわよ
桃子姉ちゃんとみすずも口々に言う
はいおそらく、安奈圭一郎氏としては娘さんの安奈さんが祖父から貰った遺産を全部そのまま、丸まる奪い獲るようなことは考えていないと思いますただ
とにかく、一旦、未成年後見人の弁護士さんによる管理を解除して安奈さんのお父さん自身が、安奈さんの資産を自由に処分できるようにならないといけないってことなんだね
その通りよ今のままならお祖父さんの遺言では、安奈さんが成人するまでは後見人の弁護士さんは遺産を預かっているだけでそれ以外のことは何もしてはいけないことになっているし
お父さんが、弁護士さんに頼んで安奈さんの許可を取らずに、勝手に株を売るわけにもいかないんだな
このまま安奈さんの資産の中に問題の株が保有されているままでは困るのよ本当に法人の合併が迫っているから
切羽詰まった問題なんだ
じゃあ安奈さんがお父さんに遺産を全部巻き上げられると思っているのは
多分あの子の勘違いなんだと思うわ
桃子姉ちゃんが、そう言い切った
さっきの電話でも
安奈圭一郎氏は頭の固そうなオッサンだったけむれど
それでも娘に対して、何らかの悪意があるようには思えなかった
でも安奈さんは、とてもお父様のことを恐れているわ
そうだな父親が自分の資産を奪おうとしていると、強く思い込んでるみたいだもんなだから家出までしてきたんだし
にも関わらず自分はオレの奴隷になって、3億円もの資産は全てオレにくれるみたいなことも言っていたつまり、資産そのものには安奈さんは、そんなに興味を持っていない
何か、まだオレたちが知らない秘密があるんだと思うけれど
それがねさっき、ようやく最後の調査が完了したのよこのご飯の時間になるギリギリ前にね
翔姉ちゃんがそう言って苦笑する
結局15年前のことを調べないといけなかったから、色々と手間が掛かったのよわたくし自身が調査に当たったし
15年前
安奈エリカさんは14歳
これは安奈エリカさんの出生に関わる時点からの問題なのよね
翔姉ちゃんは今回の問題の原点について、淡々と話し始める
翔姉ちゃんの報告を聞いて桃子姉ちゃんが納得する
そして、ハァと大きく溜息を吐いて
それは確かに自分のお父様を信頼できなくなるのも当然だわ
そうですわねそんな事実が隠されているとは、あたしも想像していませんでした
みすずも、驚いている
安奈さんが、気持ちが高ぶって自暴自棄な感じになっていたのもそれが原因なんだな
オレも翔姉ちゃんの報告に、すっかり驚いていた
そりゃ、家出もするわな
セックス奴隷志願もする
ヤケクソになるのも、仕方がない
瑠璃子が詳しいことを話してくれない理由もこれで判った
衝撃的な事実過ぎて安奈さんの前では、うかつに話せない
安奈さんの精神状態が、さらにヒートアップしてしまうだろうから
だから瑠璃子は食堂の方に残ったんだ
香月セキュリティ・サービスが、自分の調査をしていることは想像しているだろうけれど
少なくとも、瑠璃子自身は安奈さんの秘密を誰にも暴露していない
ええ、瑠璃子が隠れてこそこそ、わたくしたちに告げ口したりすればあの子は、瑠璃子のことも信用しなくなってしまうものね
だから瑠璃子はずっと安奈さんの側に居た彼女から見える位置に
あ、ちょっと待ってあの、関さん安奈さんのお父様安奈圭一郎さんは、この事実をどこまで知っているの
それが安奈エリカさんは、おそらくお祖父様の遺された秘密図書館の中の日記から、事実を知ったと思われます
その図書館には安奈さんしか入れないお父さんは、亡くなった先代の使っていた離れに、そんな秘密の部屋が隠されているということすら知らないはずだ
ですから安奈圭一郎氏は、ご存知ないのだと思います
さっきの電話でもお父さんは本気で安奈さんを心配しているように感じられた
じゃあ、余計大変じゃないの事実を知ったらお父様の方も引っ繰り返ってしまうわよ
桃子姉ちゃんの言う通りだと思う
現在の安奈家そのものが崩壊してしまうかもしれない
想像していた以上に、デリケートな問題ですわね旦那様
みすずも、困惑していた
安奈エリカという女の子のアイデンティティに関わる問題だものね
翔姉ちゃんはそう、まとめた
で公ちゃん、どうするつもり
桃子姉ちゃんがオレに尋ねる
巫女を使うよ安奈さんのお父さんとの会見には月子に来てもらうそこまでは、もう決めていたんだ
急いで何とかしないといけない問題だし大手術になるのなら、使える人材は全て使うよ
そうねそれしかないかもしれないわね
桃子姉ちゃんも、同意してくれた
心を操るぐらいじゃないとどうすることもできないと思うわん
桃子姉ちゃんは、翔姉ちゃんを見る
ところで関さん
あなたはどこを調査して、真実を探り当ててきたの
安奈さんしか読んでいない亡くなったお祖父様の日記の内容とか15年前のこととか安奈さんのお父様も知らないことを、どうやって
ええですから、生前の安奈さんのお祖父様をご存知な方に当たりました
翔姉ちゃんは笑顔で言う
具体的には黒森御名穂さんですけど
ミナホ姉さんが、黒い森に誘拐されて来たのは16年前
15年前なら、もう裏の世界に居た
安奈エリカさんが、こちらのお屋敷を訪問なされたのは必然だったんですわ
うーむ、一眠りしたら朝になっていた大慌て
何かスイスフランが大暴落して、1千万円規模で溶かした人がいるらしい
どうなる世界経済
1143.夜を迎える / 出立
・関 翔 /香月セキュリティ・サービス統括現場責任者翔姉ちゃん
・鷹倉月子/18歳人の心を操作できる巫女姉妹の長姉
+美智、瑠璃子
亡くなった安奈さんのお祖父様は確か、昔の黒森家の娼館に来ていた人なんだよね
白坂創介に乗っ取られる以前の黒森楼時代のこの屋敷に
ええ、黒森御名穂さんがこのお屋敷にいらっしゃった時には、もう通われなくなっていらしたそうですが
ああ、白坂創介によって娼館の内部が荒れるようになったから
創業以来の優良な顧客の多くが、ここに来るのを止めてしまったんだっけ
安奈さんのお祖父さんも、そういう人の1人だったんだろう
でも、ここの娼館には創業以来ずっと勤めていらっしゃる番頭さんがいらしてのよね
ああ、森下さんのこと
森下さんは一度、白坂創介によって、この娼館から追放された
その後、白坂創介による放漫経営と娼婦の酷使が余りにも酷すぎるので
前からここに居た娼婦のお姉さんたちが、ジッちゃんに泣きついて
それで、香月家が黒い森に介入することになった
その介入の3本柱が1.ミナホ姉さんを経営陣に加えること2.番頭の森下さんの復権3.監査役として、キョーコさんを送り込む
そして、黒い森はミナホ姉さんが経営を立て直しながら、少しずつ白坂創介のシンパを排除していった
半年前の白坂創介の処刑までミナホ姉さんは、ゆっくりと時間を掛けて、この娼館を取り戻していったんだ
森下さんは、今はここのお屋敷に隣接している家に住んでいるよ時々、ミナホ姉さんや克子姉たちの顔を見に来てくれるんだ
森下さんは駅前ホテルの地下の今新しい娼館には、参加しない
白坂創介の死をもって娼館の仕事から、引退したいそうだ
もう高齢だしここの屋敷を離れて、駅前ホテルの方で働くのは嫌なんだと思う
その番頭さんの森下さんが安奈さんのお祖父様のご事情を、全てご存知だったそうよさすがよねかつての顧客についての情報は、ご来場なさらないようになった後でも引き続き集めていらしたそうだからいつ、お客様が戻っていらっしゃっても対応できるように
だから森下さんは15年前の安奈家の内側の事情を知っていた
そして、そういう裏の情報を御名穂さんだけに、随時伝えたいらしたそうなのよ娼館の主になるためにはお客様たちの情報は、リアルタイムで知っていないといけないからだから御名穂さんも、詳細を知っていたのよ覚えていたっていう方が正解かしら
で御名穂さんから聞いた情報を元に、香月セキュリティ・サービスの調査員に裏付けを取らせたわ全て、事実だったということで今、安奈家の秘密について、一番詳しいのは、わたくしたちよ現当主の安奈圭一郎氏は、何も聞かされていないでしょうし亡くなられたお祖父様の日記を読んだ安奈エリカさんも、全ての情報は持っていないはずだから
そうね安奈さんのお祖父様が亡くなられたのは、10年前だから秘密図書館で発見したお祖父様の日記が、あの子の情報ソースだとしたら、お祖父様が亡くなられた後のことは知らないはずよね
そうかこの10年の分は、自分の周囲のことしか判らないんだ
まだ中学生の安奈さんが自分で調べるのには、限界がある
その10年分の情報もわたくしたちは、手に入れているわよ
手にするべきカードは、全て揃えたわ後は、勝負に行くだけね
この後、オレたちは安奈さんの父親と面談しなくてはいけない
オーケイ判った話し合いの席に行くのは、安奈さん本人とオレと瑠璃子と
安奈さんは、香月家の瑠璃子を頼って、このお屋敷に家出して来たのだから
瑠璃子とオレが、家を代表して会いに行く
オブザーバーとして翔姉ちゃん
オレたちは未成年だからでも、だからといって、香月家の代表であるジッちゃんに出席してもらうわけにはいかない
それは安奈さんのお父さんも望んでいない
香月家の当主が出ると周囲の注目を浴びて、今回の問題が世間に知れてしまうから
だから、香月家側の大人としては香月セキュリティ・サービスの現場統括責任者である翔姉ちゃんに来て貰う
それから月子とヤッちゃんも連れて行く
月子の巫女の力と、寧の観察力+分析力があった方が良い
みすずは、ここに残ってくれあんまり多人数で行くと、安奈さんのお父さんが警戒するからああ、美智は連れて行くよ警護役は多い方がいいと思うし
オレはさっき食堂で決めたことを話す
そうですわねあたしまで行くのは、先方に悪い印象を持たれる可能性がありますものね
美智旦那様たちの警護を頼みます
美智がいつもの無表情で返事する
うん会見場のホテルには、今言った6人で行くよ
あら、わたくしとセバスティアヌスも行くわよ
こんな面白そうなこと直接、自分の眼で顛末を見届けたいものっ
この人はまり子の姉貴分だけあって、好奇心の塊だ
ていうか野次馬根性というべきなのかもしれないけれど
それにさっきの電話で安奈圭一郎さんには、わたくしもこの件に関わっていることは伝えてありますし
そう言えば安奈さんのお父さんとの電話にも、桃子姉ちゃんは出ていたっけ
でもダメだよ月子を連れて行くんだからさ桃子姉ちゃんは鷹倉神社の巫女が近寄って来るのは嫌なんだろ
自分の心を操作されることを極端に恐れている
そうよだから、巫女を連れて行くのは止めなさい公ちゃん
桃子姉ちゃんは月子をメンバーから外せというけれど
それは受け入れられないよ月子の力は、あった方が良いと思うからサイアクの事態になった場合には、かなり思い切った処置をしなくちゃならなくなるはずだし
安奈さんのお父さんと安奈さん自身も
ザックリと記憶の操作をしないと問題が解決できないかもしれない
会場は香月家のホテルなんだから現場の中継映像は、ここのお屋敷に居たって見られるようにするからさ翔姉ちゃんできるよね
ええ、できますわ
翔姉ちゃんは、即答する
桃子姉ちゃんはみすずと、この屋敷で中継を観ていてくれよ