オレは犯罪組織黒い森のリーダー、黒森御名穂の弟でオレ自身も黒い森のメンバーだオレも組織の人間だ

そして希美、モモカ、白旗さんお前たちも、もう黒い森の組織の一員なんだメンバーなんだそういう自覚を持ってくれ

 オレは3人の眼を見て意識の変格を促す

悪いけれど、オレたちの組織は足抜けできない一度、入ってしまったら一生仲間だ組織の仲間は、他のメンバーが面倒を見るそれがルールだ

だから、オレがお前たちの面倒を見るのは当たり前のことなんだオレは組織の先輩だからなお前たちのことは、オレが生きている限り面倒を見るそれが、オレたちの組織のルールで流儀だからオレに何か返すとか、考えなくていいんだ

 希美がオレに反論しようとするが

何かオレに返すとしてもすぐに何とするとか考えるなゆっくり時間をかけていいんだぞ考えようよオレたちは、これからずっと一緒に生きていくんだからな20年、30年かけて答えを出してもいいことなんだ

 オレは希美の髪を撫でながらモモカと白旗さんを見る

今のお前たちが組織の新入りだけどいつまでも、そうとは限らないからなお前たちだって、後輩ができたら面倒を見ないといけないんだぞ

でも、あたしたちは5年間だけの契約だから

それは娼婦としての話だろ黒い森っていう組織がやっているのは、娼館のビジネスだけじゃないからなオレと克子姉がやっているパン屋のプロジェクトとか、あと、そうだここの高校の経営だって、黒い森のビジネスなんだ

お前たちが娼婦を引退した後に何かビジネスを始めるんなら、組織が全面的にサポートするお前たちが嫌がっても、絶対にサポートしてやるからな何が何でも、一生面倒見るからな覚悟しておけよ

 資金的なことだけでなく、経営ノウハウや様々な調査活動裏社会との調整まで、必要なコトは何でもする

仲間なんだから希美は、オレにトコトン甘えていいんだ

黒森くん

 オレのペニスを包んでいる希美の膣が、キュッと締まる  温かい愛液が、ジワーッと分泌されていくのを感じた

そういうことだから、甘えさせてもらいましょうよ

あたしも、甘えさせていただきます

 白旗さんとモモカも、笑ってそう言う

うん、甘える甘えさせてもらうから黒森くん

 希美が、切ない眼でオレを見上げる

抱いて、犯して、あたしの身体で気持ち良くなって

あっ、ああっ気持ちいい希美の身体気持ちいい、吉田くん

ああ、熱くてよく締まって気持ちいいよ、希美

 オレたちの結合点から、エッチな音が鳴る

嬉しいもっとして痛くしてもいいから、希美の身体で楽しんで

 これが希美の甘え方なんだ  希美は今、オレに心と身体を開いている

ほら、啼けよ可愛い声をオレに聞かせろよ

 オレは腰を振りながら、希美の乳房を揉んでそう言う

うんあっ、ああん、ああっ、ああっ

 希美は可愛く喘ぐ

そうだ、それでいいんだ思いっきり感じろよ希美も気持ち良くなれ

ああっ、ああん、あああ、あああっ気持ちいい気持ちいいよ、黒森くぅぅん

 希美は、どんどん素直になる

ああ、あたしこっちの方が好きあたしが下で、黒森くんに抑え付けられて犯される方が気持ちいいのぁぁっ

1人エッチの時もいつも妄想してたのっ黒森くんにこんな風に犯されるのを

1人でしないで、したくなったらいつでも言えオレのチンコにブチ込まれたいんだろ

うん、うんっブチ込まれたい黒森くんのオチンチンに犯されたいのっ

 希美は、大きな声で叫ぶ

こんな風にか

 オレはガシガシと、強めに腰を送り込むッ

そ、そうもっと酷くしてもいいからっううん、酷くして

 オレは腰を振りながら、希美のおっぱいを鷲掴みにするっ  右の乳首に思いっきり吸い付く

ああんっ、いいっ気持ち良いっ

 希美が快感にブルルッと身体を震わせる

ああっ、ああーっ、黒森くぅぅん犯してぇっ、もっとメチャクチャにしてぇぇ

あらあら、希美さんずいぶん、溜め込んでいたのね

 白旗さんが、苦笑する

希美さん変な方向にガマンしちゃうタイプですから

でも、これで希美さん、黒森公様とエッチする時だけは、全部解放できるようになると思います

そうね良かったわ

 2人の仲間たちが、オレと希美のセックスを優しい微笑みで見守ってくれている

あっ、ああっ、あああ、ああーぅっ

 希美は自分が上になって腰を振っていた時よりも、体温を上昇させていた  肌が火照って赤く上気する

16歳の若々しい肌がほんのりと汗をかいていく

ああ、黒森くんあたしあたしねエッチなの本当はエッチな子なのだから

 潤んだ瞳で、希美がオレを見上げている

黒森くんに犯されながらオナニーしたい触りたいの

どこを触りたいんだ

 オレは、わざと尋ねる

乳首とお豆っ

 希美は叫ぶ

触りたいの犯されながら、自分で触りたいのねえ、いいでしょいいって言ってお願い

 切ない表情で、オレに懇願する

よしやってみろよ

 オレは快諾した  希美は右手をオレと繋がっているポイントのすぐ上に持っていく  クリトリスを指で上から、グググッと振動を与えて刺激する  左手は、自分のおっぱいを揉んでいく乳首を捏ねていく

あああー、気持ち良いっ気持ち良いよぉっ、黒森くーんっ

 オレに犯されながら、自慰する希美の裸身はもの凄くセクシーだ

あーん、黒森くんに見られてる希美の恥ずかしい姿、黒森くんに見られちゃってるぅぅ

 希美の快感の導火線に、ボワッと火が点く

いやぁん、ああっ、はぁぁ、はぁぁ

 一気に、身体に灯った炎が燃え広がっていく

ああああっ、黒森くんあたしあたしぃぃぃぃ

 イキそうなんだな

オレも合わせるよ

 オレは、ペニスの突き込みのストロークを強く速くしていく

くああっ、あっ、あっ、あっ、あっ、ああああっ

 リズミカルに揺れる希美の裸身  希美の膣奥をオレの亀頭の先が突く度に、あんあんっと可愛く啼く

くっ、黒森くぅぅんあっ、あああっ、あああーっ

 オレも絶頂を合わせるためにラストスパートに入る  ぱんぱんぱんぱんぱぱぱんっ  オレの下腹と希美の下腹がぶつかり合って、小気味の良い音を立てる

ひぎぃぃ、ひゃぁぁあああっ、あああーっ、くぁぁ

 うん、昇って行ってるな判る判るぞ、希美

あああっ、黒森くぅぅんあっ、あああーっ、ああーっ

 自分のクリトリスを刺激する希美の指がクククッと小刻みに早く動く

あああ、イッちゃいそうイッちゃいそうだよ、黒森くぅぅんっ

オレも出そうだ、希美ぃッ

 オレたちは、見つめ合ったまま男と女の動物的な行為を続ける  希美の裸身は、全身の汗でキラキラと輝いていた

出してぇ中で中に出してぇッ希美の中で気持ち良くなってぇぇぇぇッッ

 ぷるぷる揺れるおっぱいが、汗の滴を周囲に飛ばしている

あああっ、あああーっ、あああああーっ黒森くん、黒森くぅぅんっ

 希美が、身体を弓なりにググッと反らす

くああああっイクッイクイクイクイクゥゥッッッイッちゃってるぅぅ

 ビクビクビクッと希美の裸身が震えるッ  狭い膣が、キュキュキュキュキュキュウウウッとオレのペニスを締め上げた

オレもイクぞ、希美ぃぃぃッ

 ウウウウッ  オレはまたビュクビュクと膣内射精をキメるっっ  希美は大きく眼を見開いてオレの白濁液の噴流を膣奥で受けとめていた  2射目、3射目の精を噴き上がる

これで3人とも、子宮に黒森公様の精をいただきました

 モモカが、自分の下腹を撫でながらそう言う

そうね仲間なんだから、しょうがないわよね

 白旗さんも、自分の下腹部を触ってそう言う

ぁぁ、ぁぁッ

 希美は、まだエクスタシーの波の中に居る

ぁぁ、くぅっあふぅ

 時々、ビクビクッと身体を痙攣させる  その度に、希美の膣がオレのペニスを締め付けてチンコの中に残った精をキュウキュウと絞り出す

ぁぁん死んじゃう気持ち良くて死んじゃうわよ

 夢と現実の間で希美は、そんなことを呟いていた

セックス大会はとりあえず、これで終了

昨日、100円ショップに行ったら

小学1年生くらいの男の子を連れていた母親がいたのですが

店内で息子を見失うと

坊や、坊やはどこ

ここだよママ

あら、そこに居たの坊や

自分の息子を坊やと呼ぶ母親がまだ居たんだ

私は巨人の星の原作で見たきりでしたが

というか、自分の息子でない相手を坊やと呼ぶのも

ガンダムのシャアかハモンさん以来かも

1304.ネガティブ潰し / あなた次第よ

ぁぁ、んんっ気持ち良かったよおっ

 希美がオレのペニスを受け入れたまま、ギュッと抱きついて来る  オレたちはキスをする舌を絡め合った

ああ、ああんっうんっ

 希美の身体が、ビクビクッと痙攣している  さすがに連続射精で勃起が衰えたオレのチンコは、ヌルリッと希美の膣口から外に押し出される

いやんっ、まだ離れたくないっ

 希美がそう言った時には、もうオレのペニスは抜け落ちていた

またすればいいんだから

 オレは、希美のおっぱいを撫でながらそう言う

はぁ、はぁ、はぁちょっと暑いな汗だくだよ、オレ

 オレは裸のまま、ゴロンとベッドに横たわる  愛にミタマにアーニャにモモカに白旗さんに希美  6人連続は、なかなかハードだ  腰が重い  身体が鉛のように感じられる

でも、さすがよねあたしたち3人とも、キッチリ気持ち良くしてもらっちゃったし

3人とも膣内射精していただきました

 白旗さんとモモカが恥ずかしそうに言う  みんな、オレに犯されたままの胸と股間を露出させた淫らな姿のままでいる

さてと研修で習った通りにやるなら、この後はお掃除フェラよね

エッチしていただいた順番通りに、あたしからします

いいわよあたしがするわよあたしの中に出したばかりなんだから

 3人の娼婦候補生が、そんなことでモメ始める

いや、まってくれまだ終わりじゃないから

え黒森くんまだ、あたしたちとエッチするの

あたしは構わないわけど

あ、モモカももちろんOKですですけど

 心配そうに、3人はオレを見る

いやいやいやそうじゃなくって部屋の外に居る美里を呼んでくれよ

 美里はこの休憩室の隣のパン工房で愛やミタマと一緒に片付けをしてくれているはずだ

美里もお前たちと同じ娼婦候補生なんだから美里も、この場に呼んでやりたいんだ

 オレとのセックスを通して、この3人がこんなに仲良くなっていっているのだから  美里も、ここに参加させたい  美里が、この子たちに気を遣って席を外してくれたことは判っているけれど  ここまできたら、美里とこの3人がさらに親睦を深めるところまで持っていきたい

でも、黒森くん大丈夫

うん、かなりくたびれているみたいに見えるわ

少し休んでからの方がよくないですか

 オレの様子を見て、3人の美少女たちは言う

いや、今じゃないとお前たちの身体に、オレとのセックスの余韻が残っているうちに

この3人の前で、美里ともセックスすることで仲間意識をさらに強めることができるはずだ

だから、美里を呼んで来てくれオレ、ちょっと今、ここから動けないから

 オレの言葉に、希美たちは困惑している

ご無理をしてはいけませんわ

 暗闇の中から声がした

機会はこれからも巡ってまいります先ほどの公様がおっしゃっていた通りまたの機会にすればいいんですわ

 今の今まで、ぼんやりとした闇としか認識できなかった空間に  月子がスーッと浮かんでくる

あれ、いつからそこに

 希美が驚く

いえ、違うわよ希美さんこの人、ずっと居たはずよ

あ、そうですよねそう言えば、この部屋の中にいらっしゃいましたよね

 白旗さんとモモカの言う通りだ  月子はずっと、この休憩室に居たんだ  いつの間にか、存在を全く感知できなくなっていたけれど

はい、わたくしたちはずっと、こちらで皆様が愛し合われる様子を拝見させていただいておりました

 そうだわたしたち

皆様大変、可愛らしかったですわ

 月子の周囲の闇がシュワワワッと溶けていく  月子だけじゃない  ドリィ・ルゥとアナ・ルゥキョーコさんが東南アジアから連れて来た少女暗殺者の姉妹と  アーニャも、この部屋に居た  オレたちは、いつからこの子たちの存在を忘れてしまっていたんだ

全て、わたくしがいたしましたことですわ

 月子の巫女の力  オレと希美、白旗さん、モモカがセックスに集中できるように  オレたちの感覚から、自分たちの気配を消していたのか

公様は、ご自分のお身体をもっと大切になさるべきですこの状況でお声をかけられば美里様がお困りになられますわ

 オレにセックスしようと命じられれば、美里は断れない  疲れ切っているオレを何とか奮い立たせようと、美里に無理をさせることになるか

そうです今という機会に全てを達成する必要はないのですまた次の機会だって構わないはずですわ

 月子はオレの心を読んで、言う

公様は、時々、無理をなさってでも先に進まれようとなさる傾向がありますそれはそろそろ、ご自重なさって下さいませ

 ああ、オレは確かに、結果を出すのを急ぎすぎているかもしれない

そうだなオレが間違っていたよゴメン

 オレは月子に謝る

ご理解いただけて嬉しいですわ少々お待ち下さい

 月子は、休憩室のドアをガチャリと開け  パン工房の中の克子姉を呼ぶ

あら、終わったの

 克子姉が、笑顔で休憩室に戻って来る

あはい、あたしたち1回ずつ

エッチしていただきました

い、イカせてもらったわ中出しもされたけれど

 希美、モモカ、白旗さんは克子姉にそう答える

それで気持ち良かったの

 克子姉は、3人の娼婦候補生たちに尋ねる

そ、それはもう

とっても良かったです

口惜しいけれど

 3人の即答に、克子姉は  優しく微笑んだ

あんまり、研修で習ったことは活かせなかったんですけれど

黒森公様にしていただくばかりで

 白旗さん、モモカ、希美は正直に言う

しょうがないわよまだ慣れていないんだから気にしなくて良いわ

娼館のオープンは、もうすぐですし

早く、エッチにも慣れないといけないですよね

 心配そうな表情の3人に、克子姉は

いいのよあなたたちが新人だっていうことは、お客様たちもご存知なんだからむしろ、最初から完璧な娼婦なんて、初々しさがなくてお客様に避けられてしまうわ

今まで研修で色々とセックスの技術的なことを教えてきたけれどそれだけをマスターしてもダメなのよ打算的な仕事として割り切ったセックスしかできない娼婦にしかならないからそういう子は高く売れないのよ判る

あたしの娼館は高級娼館なのよそれも、この国で一番の上流階級の方々を顧客にしているの皆様、地位もお金も権力も充分以上にお持ちになられているのよセックスの相手をしてくれるだけの若くて綺麗な娘には不自由なさっていないわお金さえ貰えたら、どんなことでもする女の子は幾らでもいるんだから

むしろお金目当てで、打算的に近付いて来る子にあの方たちは飽きていらっしゃるのよそういう子たちは、もういらないのよだから、あたしたちは普通の娼婦とは違うサービスができないといけないのよ

普通とは違うって、どういうことですか

 3人を代表して希美が尋ねる

さあ、それはあなたたち1人1人が、自分で考えて身に付けることだと思うわただセックスが上手いだけの娼婦じゃ、ダメなんだっていうことだけ判っていて高級娼婦は、まず何よりも魅力的な女の子でなければならないのよブッちゃけるとセックスの技巧なんて、そんなに重要ではないのよそんなことより、あの子と一緒に居ると自分も元気になるとか青春時代を思い出せて楽しいとか感じていただくことの方が大事よそういう能力のある子でないと、あたしたちのお客様に大金を支払っていただくことは不可能なのよ

 克子姉は、そう言うとオレを見て

この子はセックスの技術は、そんなに上手くないのよホントのことを言うと

え、黒森くん上手ですよ

ええ、あたしもイカせていただきましたし

あたしも、気持ち良かったわよ

 3人の娼婦候補生たちは、驚いて言う

それは技術とは別の話よこの子にはナンパ師が女に使うセックスの技みたいにものは全然教えてないのホントは色々あるのよ、アダルトビデオ男優が使っているセックスの妙技とか女を悦ばせるテクニックがね

でも、そういうテクニックばかりを身に付けるとセックスの質が悪くなるのよ相手のことをちゃんと感じないで手癖で、テキトーに技術を駆使するようになっちゃうから気持ち良いけれど、満足感の足りないセックスになっちゃうの肉体的には性欲が満たされるけれどそれ以外の気持ちは、何も満たされないっていうか心の充足の無いセックスになっちゃうのよね

 技工に走れば心を見落とす

そんなセックスをするようになったら幾らセックスしても、心が満たされないわけだからどんどん刺激的で過激なセックスを求めて、最終的にはセックス中毒になってしまうわ三流の娼婦が、よくそういう状態に陥るのよ本人は自分にはテクニックがあって、セックスが上手いって思い込んでいるんだけれど実際には、お客様からの評価は高くないのよ独りよがりな、上辺だけで流しているセックスになっちゃうから

ああ、そういうのは嫌ですよね

うん、お客様に好かれないと思います

リピーターにはならないわよね

 希美、モモカ、白旗さんはそう言う

さて、あなたたちは今、この子とセックスしたわけだけれどどうだったもう一回言うけれど、この子はセックス・テクニックには優れていないわよ専門技術は何も教えてないから

 克子姉の言う通りオレのセックスは、大したことないと思う  自分で試行錯誤しながら、色々と試しているだけだもんな

それでも、あなたたちはこの子とまたセックスしたいと思うどう感じているの

 克子姉の問いに、モモカが

あたしは、とっても気持ち良かったですしまたエッチしていただきたいです

あたしもていうか、またしてくれないと困るわ

 希美が、オレを見てそう言う

あら、この子とセックスできないと何が困るの

 克子姉が、即座に希美に尋ねる  希美は、しばらくオレの顔を見て

黒森くんとエッチすると色んなことがリセットされるんですリセットっていうかあたしの中に溜まってた色んな思いが溶けていくっていうかとにかく、また頑張ろうって思えるんです元気になるんです元気が貰えるんです

あたしも、希美さんと同じですこの人はずっと、まっすぐにあたしたちを見ていてくれるからエッチの前も、エッチの最中も、エッチの後も変わらずにだから信じられるんですいつも、真っ直ぐな眼で見てくれているから

 白旗さんが、そう言った

黒森公様はあたしたちを、本当に仲間だって、思っていてくれているんですよねさっきも、あたしたちを組織のメンバーだって言って下さいました

それは、この子の言う通りよあなたたちは黒い森という組織の一員よあたしたちは、あなたたちを一方的に支配するつもりはないし、搾取するつもりもないわ

でも、黒森公様はお立場上あたしたちに一方的に命令することができたはずですあたしたちのことを、ご自分の性欲を処理するための道具として好きに使うこともできたのに黒森公様は、そうしなかった最初から最後まで仲間として接して下さいました

 モモカが、オレを見てそう言う

そうねそういうことが平然とできちゃうことがこの人の魅力なんだと思うわそして、あなたたちもこの人に仲間として扱ってもらえたから、安心してセックスができたし気持ち良くなれたんでしょ

はいあたし、お客様とは黒森公様とみたいな親密なセックスはできないと思います

 克子姉にモモカが答える

それは、あなた次第よあなたがこの子みたいに、お客様を最初から最後まで仲間として応対することができたらこの子がしたみたいな親密なセックスをお客様とすることもできるんじゃない

もっとも、それはこの子のやり方でこの子の魅力よあなたたちは、自分自身の流儀を見つけていかないといけないし、突き詰めれば魅力に昇華するわ結局全ては、あなたたち自身の問題なのよあなたたちが、お客様に対してどうアプローチしていくかっていうことなのよ

研修のこの段階でもう一度、この子とセックスしてもらったのは、それを理解して欲しかったからよ研修が進んであなたたちに娼婦の仕事や技術について、大分勉強してもらったけれどそれだけじゃダメなのよ今、あなたたちの頭の中にある娼婦とは、こういうものだというイメージを捨てなさいあなたたちは、若さと性だけを売り物にする安物の娼婦ではないんだからそんな娼婦たちよりも、ずっと崇高な高級娼婦にならなくちゃいけないのよ

 希美たちは普通の娼婦を越えなくてはいけない  高級娼婦にならなければ、希美たちの親の借財は返済できない

黒森くんが、あたしたちに元気をくれたみたいにあたしたちも、お客様に元気をあげられる娼婦にならなくちゃいけないってことですか

元気、活力、バイタリティ何でもいいんだけれど、人間にとってプラスになるものよねあなたたちと接することで、何かプラスになるモノがあるとお客様に感じていただけるようにしないとね

 克子姉は、笑顔で答えた

美里ちゃんは、そのことがもう判っていると思うのよだから、今の研修には入れなかったのあなたたち3人だけでじっくりと感じて欲しかったから

ああ、確かに美里さんには、すでに他の子とは違う魅力がありますよね

 モモカが、大きくうなずく

あたしたちよりも、ずっと大きな名門の家のお嬢様だからお話させていただくだけでお得感がありますよね雰囲気がゴージャスなんですよ

そうね、確かに美里さんには、最初から付加価値があるし本人も、そのことを理解しているわよね

 白旗さんも、納得する

なるほどとってもよく判りましたあたしたちが意識を変えなきゃいけないってことがだから、黒森くんとのした今のエッチが、とっても大事な研修だったってでも、克子さん

 希美が、不思議そうに尋ねる

どうして、この研修に園子さんと直子さんを参加させなかったんですか

 ここに居ない娼婦候補生德大寺園子さんと、黒沢直子さんのことか

とっても大事なことなんですからあの人たちも、この人とエッチさせてみるべきだと思うんですけれど

そうよねセックスの知識や技術だけじゃなく、お客様に対してどうしたら魅力的になれるかを考えろっていうのが、今の研修のテーマなら

あたしたちだけでなくあの子たちも教えてあげた方が良かったですよね

 希美、白旗さん、モモカが言う  美里を研修から外した理由は判ったけれど  德大寺さんと黒沢さんはなぜ

今のあの子たちには届かないのよこの研修は

 克子姉は、悲しそうに言う

残念だけれど、あの子たちは高級娼婦にはなれないと思うわ

フジコA先生のまんが道を読むとイシモリ先生は若い頃から売れっ子だったみたいだけれど

イシモリ先生のときわ荘時代について描いたマンガを読むと貧乏で苦しかったということになっている

そりぞれの視点で見えるモノが違ってて面白い

1305.ネガティブ潰し / 信じる力

どうして、園子さんと直子さんは高級娼婦になれないんですか

心を閉ざしているからよ他人を全く信じていないでしょあの子たちは

 克子姉は、即答する

閉じたままの子ではダメなのよ低級な娼婦にはなれるでしょうけれど伸びないのよ

 そして、克子姉は改めて、希美たちに

逆に質問するけれどあなたたちも、最初はあたしたちに心を閉ざしていたでしょそれこそ、園子ちゃんや直子ちゃん以上にあたしたちのことを警戒していたじゃないいつから、あたしたちのことを信じるようになったの

 希美とモモカと白旗さんは、お互いの顔を見合わせる

今だって、あなたたちセックスしたばかりの裸のままの格好で、リラックスしてあたしと話をしているでしょ隣には、この子が裸の男の子がオチンチン丸出しのままベッドに寝転がっているけれどあなたたち、全く平気じゃない

 希美たちはオレを見て

だって黒森くんだし

うん、もういっぱいエッチなことをしちゃってますしあたしの恥ずかしいところとんも、全部見られちゃってますから

そうよ改めて、ジロジロ見られたら恥ずかしいけれどこの人と一緒に居るのは全然平気なのよ

 そして、モモカがオレのヘタったペニスを触って

あ、そうだお掃除フェラしてないですよねまだ

そうね克子さん、おしゃぶりしながらお話を聞いててもいいですか

ちょっと待って今、大切な話をしているところだから

ね、あなたたちどうして、そんなにその子のことが平気になっちゃったの自然に4人で楽しくセックスできていることが、変だとは思わない

うんとそう言われたら、確かにそうかもしれないけれど

でも、黒森公様ですから怖くないです

 モモカは、指でちょんちょんとオレのペニスを突っつく

黒森公様は、あたしたちに酷いことをしない人ですし

うん、黒森くんあんまり頭の良い人には思えないけれど、悪い人じゃないもの黒森くんなりに、一生懸命、あたしたちのことを考えてくれているが、よく判るし

 希美もモモカと一緒に、オレのチンコを触り始める

おい、モモカ、希美

あ、触ってるだけですから

そうよ、ちょっと触ってるだけよ黒森くんも触りたかったら、触っていいわよ

 希美が、オレの眼の前に小振りなおっぱいを差し出す

じゃあ、ちょっとだけ

あ、モモカのもどうぞ

 オレは両手を伸ばして、希美とモモカの胸を触り比べる

あ、そうだわそうなのね

 白旗さんが突然、大きな声を出す

どうしたのせつなさん

 驚いて尋ねる希美

この人よこの人とセックスしてからよあたしたちが黒い森の人たちを信用するようになったのは

 モモカも、大きくうなずく

最初は確かにあたしたち、御名穂さんや克子さんのことも信用していませんでしたし

あたしたち同士も、全然仲良くなかったわよね黒森くんとエッチする前は心を閉ざして、警戒しまくっていたわ

そうなのよあたしたち、ハリネズミみたいにピリピリしてたわすっかり忘れてたけれど

 3人は言う

そういうことよ1人信用できる人ができれば他の人も信じられるようになるわ

あなたたちは、この子に処女を捧げて変わったのよ

そうですねあたし、そんなに側に居てリラックスできる人、初めてです

 モモカが、ついにオレの亀頭にチュッとキスをする

あたしだって、そうようちは躾が厳しかったから裸になって一緒に居て、気楽で居られる相手なんて家族にもいないわ

 希美がオレの手に、自分の胸を押し当ててそう言う

あたしもよ17年生きてきてこんな人、初めてだわ

 白旗さんも、オレを見てそう言う

別にこの人に恋しているってことではないのよドキドキはしないからでも、この人の前ではすごく自然体でいられるの

判りますありのままの自分でいられるんですよね

とにかく、楽なのよホントの家族とか兄弟よりも親密でいられるのよ

 3人は、オレのことをそう言った

この子とセックスして娼婦にならなきゃいけないっていう運命について、何か考えが変わった

 克子姉が、また質問する

うん変わりましたとりあえず娼婦になるのは怖いし、辛い運命ですけれどメチャクチャ酷いことはされないっていうか、何か困ったことが起きたら黒森公様に相談すれば、解決してもらえそうだなって思いました

そうよね、愚痴とかも黒森くん、聞いてくれそうだし直接、御名穂さんに言うのはちょっと怖いようなことも黒森くんを通して話してもらえば、何とかなりそうだなぁとか

あたしたちを娼婦という商品でなくちゃんと人間として扱ってくれるんだなって思いましただから、5年間の契約期間で磨り潰されて、使い捨てにされるんじゃなくって本当に、あたしたちが娼婦を引退した後のことまで面倒見てくれるんだって信じられるようになりました

 モモカ、希美、白旗さん

さっきも、あたしたちのことを黒い森の組織の仲間だって言ってくれたし

嬉しかったです

親の借金のために身売りしてきたあたしたちを身内だって感じてくれているのよね

 白旗さんまで、オレのチンコを触り出す

黒森くんがいるからこれからの5年、どんな辛いことも頑張れると思うわ

黒森公様が信じさせて下さったんですよねだから、あたしたちお互いのことも信じられるようになりましたし、克子さんや御名穂さんたちのことも信じられるようになりました

その代わり、ちゃんと面倒見てよね5年間ううん、5年後以降も

 3人が笑顔でそう言った瞬間克子姉がパンと手を打ち鳴らす

はい、そこまであたしに注目っ

この子があなたたちの閉ざしていた心を開いて人を信じられるようにしてくれたそういうことでいいのよね

いいでーす

はい克子さん

そういうことなんだと思います

 希美、モモカ、白旗さんも、笑顔で返答する

結局ね人が信じられるかどうかっていうのは、大きいのよ誰かを信用している人でないと、人から信用されないからそう、つまりお客様たちからも

最高の娼婦は、お客様に信用されないといけないのよ今、あなたたちが、この子の前で平気で裸でいられるようにお客様が、あなたたちの前では奥様や家族以上にリラックスできるようにして差し上げないといけないのよ

政財界の重要な地位にいらっしゃる方たちは家族の前でも威厳ある振る舞いをなさらないといけなかったりするから特に名家だと、奥様やお子様の前でもリラックスできない人が多いのよ

 ああ、ジッちゃんもみすずや瑠璃子たちの前だと、カッコつけてるもんなぁ  服装とかも、いつもビシッとキメてるし  リラックスはしていないな

あなたたちだけに教えるけれど本物の高級娼婦は、毎回、お客様とセックスしないのよ上流階級のお客様は、あたしたちに心からリラックスできる時間を望まれているのよ覚えておいて黒い森が提供するのは、穏やかで優しい時間よお客様は、それに大金を支払って下さるの濃厚なセックスなんて、どこにでもあるモノは、高い値段では売れないのよ

レベルの低い娼婦は、毎回毎回、全身を使って、必死にセックス奉仕だけをしてそれで微々たるお金を得るわあたしたちの感覚からしたら、安すぎる賃金ということよでも、黒い森の娼婦はセックスだけでは稼がないのよ

 オレはそれが嘘だということを知っている  白坂創介が支配していた時期の黒い森は変態的なセックスを売り物にしていた  克子姉の話しているのは大昔の黒森楼時代の理想だ  でも、その頃の理想が当時の娼婦から、ミナホ姉さんに伝わって  ミナホ姉さんが、白坂創介の支配する娼館の中で必死になって黒森楼の理想を守り続けて来たというのも事実だ  新しい娼館は、白坂創介の影を一切廃してミナホ姉さんの理想に沿ったものにしたんだろう  だから、希美たちには理想の娼婦の姿のみを語っている

お客様はあなたたちの提供する時間に、充分リラックスなさったらそれだけで満足なさるわ必ずしも、毎回、セックスする必要は無いのよ

 それは理想だ

あ、判りますあたしたちが、黒森公様に感じているような安らかな気持ちをあたしたちがお客様に提供できるようになればいいんですね

 モモカが、素直にそう言う

うんなるほどね

高級娼婦って、そういう仕事なのね

 希美と白旗さんも、納得したようだ

そうよあなたたちならあなたたちと、さらに美里ちゃんも足した4人は、きっとそういうレベルにまで到達できると思うわでも、園子ちゃんと直子ちゃんは

 克子姉は、寂しそうに言う

今の状態ではそこまではいかれないと思うわごく普通のお客様にセックスを提供するだけの娼婦にしかなれないと思うわ

心を閉ざしていて誰も信じていないからですか

 白旗さんが、尋ねる

そういうことよ今のままでは、2人とも先には進めないわよ

 克子姉は断言する

まあ、娼館としてはセックスだけの2流の娼婦も居たって構わないけれど高くは売れないけれど単純に性欲を満たしたいだけのお客様もいらっしゃるでしょうからそれに

 克子姉は、改めて3人の娼婦候補生たちを見る

あなたたちの引き立て役という役目もあるし

 引き立て役

娼館は、全員、可愛くて綺麗な子ばかりっていうのでもダメなのよ少しは良くない子も混じっていないと、良い子が映えないのよだから、園子ちゃんたちも、居てもらわないと困るのよただ

あの子たちには、大切なお客様はお相手させられないわ真面目にセックスはするでしょうけれど、それ以外のことが期待できないから

 バッサリと断言する  希美が、オレを見る

どうして、園子さんたちを黒森くんとエッチさせないんですか

そうですよ黒森公様なら、園子さんたちのことも変えられると思います

そうね、閉ざしている心を開ければあの子たちだって

 そう言う3人に、克子姉は首を振る

変わらないわあの子たちは、この子じゃダメなのよむしろ、あの子たちの相手をしたらこの子の方が、あの子たちの暗さに呑まれてしまうわ

何が違うんですかあたしたちと園子さんたちは

あなたたちは形としては、親に娼館に売られたことになるわけだけどそのことをどう思っている

 3人に問う

それは仕方ないことだって判ってますし

お父さんに言われたからでなく自分で決心して、受け入れたことですから

家族のためですから納得していますわ

 希美、モモカ、白旗さんはそう答える

今でもご両親のことを信じてる好き

 さらに克子姉は質問する

はい信じてますし大好きです

あたしもお父さんや家族を愛しています

憎めないわよ親なんだから

 3人は寂しそうに、そう答えた

あなたたちと園子ちゃんたちの違いはそこなのよあなたたちはご両親を愛しているし、信じているでも、園子ちゃんたちは

 そうだ德大寺園子さんは、父親の見ている前で父親の仲間たちに輪姦された  黒沢直子さんは自分の親が園子さんを犯す様子を見続けていた

親を信じることができなかったのよ本当なら、何があっても子供を護ってくれるはずの親があの子たちを傷付け続けたから

 子供にとって、親だけは絶対に信じられる存在のはずだ  その親が信じられるような人間ではなかったのだから

親を信じられないということは、生まれてから一度も誰かを信じたことがないということよそういう人間の持つ暗さは、底知れないわ

 オレはどうなんだ  オレも生まれてから一度も、親を信じたことはない  いや、オレにはバァちゃんが居た  真実はどうかは判らないけれど  少なくてもオレは、バァちゃんはオレのことを愛してくれていると信じていた  つまり、オレは人を信じるということを経験できていた  だから、迷わずに狂わないでいられたんだと思う

園子さんたちのご両親は今は

白旗さんが尋ねる

詳しいことは教えられないけれど杣庫ちゃんの両親も、直子ちゃんの両親も、もう亡くなっているわ

天涯孤独なのよもう帰る場所が無いのだったら、切羽詰まって必死になるかというとそうもならないのよねあの子たち自身、自分の行くべき未来がよく判っていないから

ああ、夢が無いんですね

 モモカがそう言う

だからいつも、何をしたらいいのか判らない顔をしているんだ園子さんと直子さんは

 戻るべき家も故郷ももう無いのだから黒い森の娼館に居るしかない  だけど、だからといって必死になって、一生懸命に娼婦になるための勉強をするわけでもない  これから先の未来が見えないから

あの子たちが研修に積極的じゃない理由が、やっと判ったわ

うん、つまり黒森くんの出番じゃないのねあの人たちにアプローチするのはあたしたちなのね

そうですねまずはあたしたちが、友達になってあげるところから始めるしかないですね

そうね最高の高級娼婦を目指すあたしたちとしては園子さんと直子さんの心を開いて、リラックスされることもできないといけないわよね

 白旗さんも、真顔でそう言った

ホント、あなたたちは賢いから助かるわ

園子ちゃんと直子ちゃんは、この子じゃダメなのよあの子たちの心を開くとしたら、同じ娼婦候補生の立場のあなたたちだけよ

そういうことなんですね

 白旗さんがうなずく

あたしたちが、黒森くんにしてもらった心の解放を今度は、あたしたちが園子さんたちに

園子さんと直子さんをリラックスさせられないようじゃお客様のお相手は無理ですものね

 希美とモモカがそう言った

やり方は任せるわあなたたち3人で、相談してやってみていいわね

 克子姉は、笑顔で3人にそう言った  3人は、元気に返事をする

それじゃあそこのドアがシャワー室だから、順番にシャワーを浴びてあなたたち3人は、研修に戻るわよ

判りましたじゃ、希美さんからどうぞ

あ、黒森くんも連れて行っていい黒森くんも身体を綺麗にしないといけないでしょ

そうねあたしたちとエッチして、汚れちゃったんですものね頼むわ、希美さん

あたしも洗ってあげたいけれど今日は、希美さんに譲ります

 オレも希美とシャワーか

じゃ、今回はあたしが次の時は、せつなさんとモモカさんにお願いするわ行きましょ、黒森くん

いいのよ、急いで洗ってもらいなさい

そうしないともうすぐ、イーディとグレースさんの対決が始まっちゃうわよ

 イーディはグレースさんと闘うって柔道場へ連れて行ったんだっけ

せっかくだから、全校中継にするって寧ちゃんがスク水柔道対決にするそうよ

スクール水着の上に、柔道着の上だけ着て闘う、新格闘技だそうよ寧ちゃんが、さっき思い付いたんだって

というわけで次話から格闘編えー、すぐに終わらせます

また他の子の気配が消えていますが、月子のせいということで

1306.ネガティブ潰し / レディ・FIGHT

あたしが洗ってあげたかったのに

 希美と一緒にパン工房に付いているシャワー室に入っている

いや、モモカや白旗さんもシャワーが空くのを待っているし

 オレは、手際よくセッケンを塗したスポンジで、希美の裸身を洗っていく

黒森くん女の子の身体を洗うのも上手いんだもん

 それは、まあ毎日やっていることだから  アニエスやらみすずやらうちには甘えん坊な子が多い  シャワーのお湯で、希美の身体を洗い流す  16歳の健康的な裸希美の水を弾く艶々な肌に、温かな水が流れていく

ねキスして

 赤く上気した顔で、希美がオレにねだる  希美の細い肉体を、ギュッと抱き締める

ホントは、ずっとこうしていたいわ

でも、あたしだけが黒森くんを独占するのは良くないから

 希美は潤んだ眼で言う

ううん、違うわね黒森くんを独占できる子はいないのよね黒森くんは、みんなの黒森くんだから

 そう言って希美は、オレを強く抱き締める

いつでも、オレの助けが必要な時は駆けつけるからさ

これからは毎日、同じ高校に通うんだし希美たちが暮らしているホテルの地下施設だって、ここからなら遠くはないから

 駅前ホテルの地下の新しい娼館までは、車で15分の距離だ

うん、よろしくねあなたのこと信じているわ黒森くん

 希美は、笑顔を作ってオレに言う

あたしたち仲間だもんね

ああ、オレたちは黒い森の仲間だもう一生、ずーっとそうだから

うん5年間、一生懸命娼婦を頑張るわあたしそして、苦しい時間が終わったら

オレたちが、どこまでも面倒を見るよ新しい生活を始めたいのなら、それでもいいし希美たちがいいなら、オレたちと一緒に暮らしてくれても構わない

 黒い森は、希美たちの家となる

ホントにいいのよね

でも、あたしたち今は黒森くんだけしか知らないけれど、もうすぐ娼婦として色んな人たちに身体を売ることになるのよ

 希美の眼に、不安の色が見えた

あたしたち、変わっちゃうかもしれないわお金持ちのオジサンたちの相手をしているうちに、自堕落でダメな女になっちゃうかもしれない

そんなことはないよ希美たちなら

5年間、大変で苦しくて辛くて、嫌な思いをするだろうけれど5年の契約期間が終わったら、絶対に幸せにするから

 まっすぐに、希美の眼を見て言う

オレが、どんな手を使ってでも希美たちを幸せにするいや、希美たちも幸せにするから

オレが幸せにしないといけない子は、たくさんいるからな希美たちだって、オレを信じて付いてきてくれ

あたしと、せつなさんと、モモカさんと美里さんも

ああ、そうだ4人丸ごと受け入れるよ

 美里は妹のありすや、警護役だったミタマとキヌカたちもオレの女になっている  いずれは彼女たちの実家鞍馬家の再興を果たすそこまで、オレは全面的に

バックアップしなくてはいけない

園子さんと直子さんは

 関西のハミ出しヤクザたちの遺児である德大寺園子さんと黒沢直子さんは

オレは押しつけはしないんだよ德大寺さんたちが望まないのなら、オレから何かアプローチするつもりはない

 あの子たちが心を開かないのならオレの方から、寄っていくべきでないと思う  おれたちは、あの子たちを問題のある親から助け出したのだけれど  同時に、あの子たちの親を死地に送り込み抹殺している  そういう複雑な事情を、德大寺さんたちがどう受けとめているのか判らない

どっちにしても、彼女たち自身が身の振り方を自分で決めるべきだ

さっきの克子さんのお話だと状況は厳しそうよね

 克子姉は、今のままの德大寺さんたちでは高級娼婦としては売り出せないと言っていた

そうみたいだねでも、それならなおさら德大寺さんたちのことには、オレがタッチするべきじゃないと思うんだ

 オレは希美たちの実地研修は担当したけれど新しい娼館にベタで関わっているわけではない

判ったわ園子さんたちには、さっきの話通りあたしたちが話してみるわ

そうねそこまで黒森くんに甘えちゃいけないもんね

 というより、ミナホ姉さんと克子姉は娼館の内部のことについて、希美たちに自分たちで問題を解決していく力を身に付けさせたいのだと思う  ただミナホ姉さんや克子姉の言うことをはいはいと聞くだけでなく自分たち自身で、積極的に問題に対処できるようになっていくように  状況を分析し、問題点を話し合い、打開策を提案し合って確実に実行していく  そういう能力は、希美たちが娼婦を引退した後でも役に立つはずだ

あたしと、せつなさんと、モモカさん、それに美里さん園子さんと直子さんこのメンバーで、これから5年間一緒に頑張っていくしかないんだもの

 希美はオレに微笑む

はい、交代行くわよ、モモカさん

あ、はいせつなさん

 オレと希美がシャワールームから出て休憩室に戻ると

入れ違いで、白旗さんとモモカがシャワーに向かう

希美ちやんは、ここでせつなちゃんたちを待ってて2人のシャワーが済んだら、あたしと一緒になでしこ科の教室に戻るわよ

 克子姉が昼休みのパンの売り上げの打ち込みをしながら、希美に言う

なでしこ科の教室というのは、校長室の下の隠し部屋のことだろう

 希美が克子姉に返事をする

あなたは、パン工房へ戻ってそろそろバトンタッチしてあげないと、あっちの子がヤキモキしだす頃だと思うのよ

 ああ愛たちのことか  元々、愛たちと午後のセックスをしていたのに娼婦候補生たちが来たことで、席を外してもらった

愛たちにパン工房の片付けと掃除を頼んでしまっている

そう言えば

 オレは休憩室の中をグルっと見る  克子姉が帳簿用のノートパソコンから顔を上げて、オレを見る

アーニャたちは

 不思議な暗闇は存在していない  だから、さっきみたいに月子が巫女の力でアーニャやドリル槍姉妹の気配を消しているわけではない

あの子たちもパン工房の方に居るわ

愛たちとアーニャやドリル槍姉妹たちで上手くやっているだろうか

 まあ月子が居るから、険悪な状況にはなっていないだろうけれど

じゃあ、オレもそっちに行くよ

ええ、そうしてちょうだい

 克子姉に見送られて、オレはパン工房に通じるドアを開ける  愛が、困り顔でオレを見た  ああ、アーニャとドリル槍姉妹に月子と美里もいるな  みんなで座って、お茶を飲んでいる  工房の片付けと掃除は終わったようだ

ミタマはどこへ行った

 ミタマの姿が見えないぞ

ミタマさんは寧さんから電話があって

柔道場の方へ向かわれましたわ

 愛と美里が答える

柔道場ってことはイーディとグレースさんの対戦か

解説役が必要なんだって

 愛が答える

それはいいけれど、ミタマもここの学校は今日が初めてだろ1人で柔道場に行けたのかな

それは大丈夫ですわミタマは警護役ですからこちらの学校の敷地の中の地図は、事前に暗記しているはずです

 ミタマの元主人の美里がそう言う  そうか、初めて行く場所でも完璧に警護できないといけないから  あらかじめ建物の配置なんかを下調べする習慣があるのか  それなら大丈夫か  今は午後の授業時間中だからここから柔道場へ向かうルートで、生徒たちに見つかって騒ぎになるようなこともないだろうし

アーニャたちは、どうしてそんなに落ち込んでいるんだ

 アーニャとドリィ&アナ姉妹は椅子に深く腰掛けて、どすーんと沈んだ顔をしている

それはあなたのセックスを観たからに決まっているじゃない

あなたよくもまあ、あそこまで自分を抑えて、次々にセックスできるわね感心するのを通り越して、気が遠くなったわよ

いやオレにとってはいつものことなんだけれど

 オレは、アーニャが何に驚いているのかよく判らない

まあいいわとにかくあたしも、あなたの家族になるわいいえ、家族になりたいです家族にして下さいううん、家族に入れて下さい、お願いします

時々やってきてセックスするカンケイは、もう終わりにしたいのよわたくしもあなたにとっての特別な存在になりたいわ

 そう言うと、アーニャはドリル槍姉妹たちの言葉でドリィ&アナに何か尋ねる  姉妹がオレを見る  そして、姉のドリィが何か言う

観ていて、初めは何て変なことをしているんだろうと不思議に思っていたがどの女もとても気持ち良さそうに、あの行為を受け入れているのでもっと驚いたですって

 アーニャが通訳してくれる  孤児だったこの姉妹は、東南アジアの裏の組織の女ボスに拾われ少女暗殺者に育てられた  人殺しの技以外のことは、何も知らない

セックスというものが、どういう行為なのかはあたしが伝えておいたわ

 アーニャが話し終わるとまたドリィが、何か話す

ええと自分たちも、あの行為をすればあなたの身内になれるのかって言っているわ

 オレと愛、アーニャ、ミタマそれからモモカ、白旗さん、希美  次から次へと連続してセックスする姿を見せたことで  ドリル槍姉妹の心を動かすことができたようだ

そうだと伝えてくれオレとだけとセックスしてオレの子を産み、他のオレの女と姉妹の契りを交わして、仲良く暮らしていくのなら一生、お前たちの面倒を見るお前たちが、暗殺なんてしなくても生きていける場所をオレが用意する

 オレの言葉を、アーニャが姉妹に伝える

お前たち姉妹だけでなくお前たちの少女暗殺者の仲間たちも全員、オレが引き受けるから

 少女暗殺者の生き残りは、全部で13人だっけ  キョーコさんは、全員、オレに引き渡すと言っていた  オレの提案を知って、ドリィとアナは眼を丸くしていた

もちろん、全員、人殺しはしなくていい何か別のことをしてもらうオレたちとパンを作って売ったりとかだ

 ドリル槍姉妹には、パン作りも選れたちが昼休みに学校の生徒たちにパンを売る様子も、全て見せた

ああやって地道に金を稼いでいけば暗殺なんてしなくても、みんなで幸せに生きていくことができるんだ

 アーニャから、オレの言葉を聞くと  ドリィとアナは姉妹で議論し始める

まだ信用してはもらえないのかな

 オレが尋ねると、アーニャが

そんなことないわあなたは、どっしりと構えているしあなたの女たちが、心からあなたのことを信頼しているのも見て、判っているわ

 ドリル姉妹を見て、そう言う

ただ、あなたが平然と全員受け入れるなんて言うから戸惑っているだけよ

 苦笑するアーニャ

それも少女暗殺者を集めて殺人部隊を作るとかじゃなくって人殺しはしなくていいパンでも売ろうなんて言うから

自分たちの身に付けている暗殺能力を否定されたみたいで気分を害したのかな

 オレも、複雑な表情のドリル槍姉妹を見る

そういうことでもないと思うわとにかく、ビックリしちゃってるだけよ生々しいセックスを生まれて初めて見たんだし

 ああ、気持ちを整理する時間が少し要るんだな  突然、パン工房の壁のスピーカーから大音量でオーケストラのマーチが流れる  この曲って  テレビのスポーツの中継番組とかの最初によく流されているスポーツ行進曲か  このパン工房だけでなく、この高校の全ての教室に今、この音楽が流れているはずだ

と壁のモニター画面が自動で点く

授業中ですが、ここで緊急特別番組、を放送致しますっ

 ああ寧の声だ  モニターに柔道場の様子が映し出される  これも、各教室に設置されているテレビモニターで全校一斉放送されているんだろう

題してスクール水着柔道頂上決戦・イーディ16歳、グレース・マリンカに負けたら即引退スペシャルゥゥッ

まずは、赤コーナーイーディ・セクストン16歳アメリカ・ニューオリンズ出身黒森部屋所属

 ああ、ホントに紺のスクール水着に柔道着の上と帯だけを着けたイーディが画面に向かってニャッと微笑む

青コーナーグレース・マリンカ21歳神奈川県横須賀市出身一昨日まで、ダイナミック・プロレスリング所属

 グレース・マリンカさんもスクール水着に柔道着で現れた  しかし、グレースさんは大人だし体格が良いから  スクール水着が、パッツンパッツンだぞ

実況中継は、私、奈島寧解説は、安城流拳法師範、安城ミタマさんでお送り致します

安城ミタマだ

 ああ、例の白い学ラン姿のミタマも画面に映る

本日の試合はスクール水着柔道の国際ルールに基づき、ノー・レフリー60分1本勝負どっちかが泣くまで続ける泣いたら負けよルールで完全決着するまで闘いますッッ

 な、何だそりゃ

それじゃあ、早速スク水FIGHTレディGO

 いきなり、2人の対戦がスタートする

うー、本当に寝落ちしました

ちょっとハードな日々が続いています

昨日は、ゆえあって池袋まで打ち合わせに行ったのですがうーん

持ち上げられているようで実際は、散々、小馬鹿にされただけなんだな

違和感の原因をよくよく考えてみればそういうことなんだと思います

1307.ネガティブ潰し / 泣かないノカ

ああ、これって災害放送の回線を使っているのね

 アーニャが、パン工房の壁のモニターに映し出されている柔道場からの放送を観ながら言う

だから、強制的にここの学校の全ての教室に生放送されているのよ教室の端末の方からは、放送を止めることはできないんだわ

 つまり、全校生徒と全教員がこの時間、イーディとグレース・マリンカさんのスク水柔道対決を観せられている

本当にいいのだな

 スクール水着に、上道着の上だけを着ているグレースさん  21歳の現役女子プロレスラーで一昨日の女子格闘技大会では、無制限クラスの本戦に出場していた人だから高校生用のスクール水着では、パッツンパッツンだ  ただ、普段からコスチューム1枚でリングに上がって、お客さんたちの前で試合をしている人だから全然、恥ずかしがっていない堂々としている

イイヨ、ジュン打撃技無しのプロレス・ルールネ

 一方、イーディは一昨日の大会も、1番体重が軽いクラスに出場していた  そのクラスでは優勝したけれどグレースさんとの体格差は明らかだった

解説のミタマさん今、2人が言っているのは、どういうことなんでしょうか

 実況係の寧が、ミタマに尋ねる

うむ、これだけ体格に差があったとしても自分の体重を乗せた打撃技を使えば、イーディにも充分勝機はあったしかし、グレース・マリンカ氏し、プロレスが本来の技であるからイーディは、プロレスでは禁止されている打撃技は使わないと約束したのだ

ということは、プロレス式の身体と身体を組み合わせる闘いになるということですか

そういうことだこれはいささか、イーディに不利になると言わざるを得ない

ソウデモナイネ上だけデモ道着を着ているカラネ

 イーディは、そう言うと早速、仕掛ける  スススッとグレースさんに近付く  グレースさんが、イーディを捕まえようと手を伸ばした瞬間  イーディはシュバッと超加速して、グレースさんの腕を掴むとブワンッと全身を使って

なんとぉぉイーディ選手、一本背負いだぁぁッッ

 グレースさんの長身が、くるんと宙に跳ね上げられるッ  そのままドスンッと、柔道場のマットの上に投げ落とされた

ぐぅぅッ

 イーディは、倒れたグレースさんからスッと距離を取り

どう普通の柔道なら、これで1本勝ちネデモ、これは寧が考案したスク水柔道ダカラジュンが泣くまで決着が着かないノネ

ジュンは頑丈だから、ダメージは無いデショさっさと立つネ続きをするヨ

 グレースさんは、ムックリと立ち上がり

そういうアンタこそ何で、倒れている私に攻撃してこない私を舐めているのか

 ギッとイーディを睨む

そういうコトでも無いノネ下手に仕掛けたらアタシが不利ヨ寝技は、ジュンの方が得意のはずネアタシが持ち味を生かすためには、ヒット・アンド・ウェーの方が正解ネ

 イーディは、軽くマットの上を飛び跳ねて華麗なフットワークを披露する

それならこっちからいくよ

 今度はグレースさんの方から、イーディに突進していく  イーディはグレースさんの突進力を利用して、再び、クルンッと投げ飛ばす  グレースさんの大きな身体が、また綺麗に空中で一回転して床に投げ落とされる

ハイハイ、早く起きるネ

 イーディは倒れたグレースさんから距離を取り手をパンパンと叩いて、挑発した

先程から、イーディ選手の技が綺麗にキマっていますがミタマさん、イーディ選手は柔道の技も堪能なんでしょうか

いや、あれは柔道以前の技だ

イーディは、タイミングを計って投げ飛ばしているだけだからな彼女は、相手との間合いを詰めるのが天才的に巧い

というか、イーディ選手は天才だという噂もありますが

 全校放送で、寧はそんなことを言い出す

ああ、それは否定しない彼女は、半年前に来日するまで柔道のような投げ技は、見たことが無かったらしい日本に来てからも、正式に習ったことは無いはずだそれが見様見真似で、あそこまでできている

 ミタマは、そう解説する

アレアレ、アタシ、天才らしいヨ

 クスクスと笑う、イーディ

このぉっ

 立ち上がったグレースさんが、再びイーディに突進するが  イーディに掴み掛かろうとした瞬間に、また投げ倒される  ドシンッ

プロレス・ルールでやるって言ったケレドプロレスをするとは言ってないネ

 イーディはまた距離を取って微笑む

組み合っタラ、アブナイからネ

 体格と体重の差が大きいからか

だぁぁっ

 それならばとグレースさんは突進するように見せ掛けて、途中で攻撃のスピードを変化させる

フェイントをかけることで、イーディのタイミングを狂わせようと

ソレデ

 イーディは、完全にグレースさんの行動を読み切っていた  フェイントの動きに合わせて、コロンとグレースさんの身体を床に転がす

ソンナのはアタシには通じないネ

 イーディの暗殺術は、工藤流古武術と同じで相手の気を読むことができる

ジュンは、素材は良いけれど判りやす過ぎるノネソレジャア、ダメなのヨ

フェイントなら、もっと素早く、鋭くネこうヨッ

 シュパパッと起き上がろうとするグレースさんの前に行き、眼の前でパンと手を叩く  驚いて上体を反らしたグレースさんを、イーディはポンと軽く押す  そのままバランスを崩して、グレースさんはまた床に崩れ落ちる

正しい攻撃のタイミングを掴んでさえいれば、強い力を使うことなく相手を倒すことができるというそのお手本を示しているのだな

 ミタマが、イーディの行動をそう評する

ジュンは身体が大きいししなやかで、頑丈で、力強い肉体なのネそれは天賦の才というヤツネ生まれつき、素材がイイノヨ

女子プロレスの世界なら、その素材の良さだけで周りの選手たちを圧倒していられたと思うヨデモそれはプロレスが、お互いに技を身体で受けて観客に見せるっていうシステムだからの話なのネこうやって、受けずに流すをすればジュンは怖い相手ではないのヨ

ふ、ふざけるなお前みたいな素早い相手でなければ、私は負けない

そんなことないネジュンは一昨日はマルゴに負けたネ今朝はキョーコに負けてたヨ

 そうだ女子格闘技大会ではマルゴさんに、今朝はキョーコさんに破れていた

あ、あいつらは化け物だ

 グレースさんは、苦々しい顔でそう言う

あんな恐ろしいヤツラに勝てるわけがない

 マルゴさんは、無制限クラスの本戦出場者を全員ブッ倒した  キョーコさんとグレースさんの対戦は大人と幼児ぐらいの差があった

じゃ、アタシも化け物ナノカ化け物ダカラ負けるのは仕方ないノカ

 イーディは、笑顔で言う

アタシは、まだ16ダカラジュンより、5歳も年下ヨ身体だってずっと小さいヨこんなアタシに、ジュンは勝てないノカ化け物ダカラ、負けるのは仕方ないと諦めるノカ

 同じ無制限クラスのマルゴさんになら、負けることを受け入れられるかもしれない  伝説的な存在であるキョーコさんなら、なおさらそうだ  しかしイーディは  それもプロの女子レスラーとして活躍していたグレースさんが、高校1年生の少女に負けを認めるのは辛いだろう

わっ、わたしは

文句があるなら、アタシを倒すネグダクダ言っているのは、みっともないヨ

 イーディは、強くそう言う

このぉぉぉぉぉぉッッ

 イーディに突進するグレースさん

何度やってもムダネッ

 掴み掛かってくるグレースさんの腕を取り、イーディは抱きつくように飛び付く

おおっ飛びつき腕ひしぎ十字固め

 実況の寧が叫んだ  体勢を崩して倒れたグレースさんの右腕をイーディは全身を使って、グイッとキメる  がイーディは、完全に間接がキマる前に手を離す

コレでキマりじゃつまらないネ

 驚いているグレースさん

寝技はできないんじゃなかったのか

寝技は得意ジャナイと言ったダケネデキナイとは言ってないヨ

嘘吐いたワケジャナイからブラフでさえないヨジュンは、ちょっと注意力が足りてないノネ

 さっきまでのように、すぐにグレースさんから離れずに  すぐ隣で、ケラケラ笑っているイーディ  グレースさんは、そのまま、すぐ隣に居るイーディを捕まえて、本格的な寝技に持ち込もうとするが

チョチョイのチョイヨ

 逆にイーディの方が、スルルっとグレースそんの背後に廻り込み

ほう送り衿絞めか

 ミタマの言う通りに、グレースさんに寝技を仕掛ける

確か、こんな感じだったネ

むぐぅぅ

 イーディは、グレースさんを絞めるっ

はい、オッケー次に行こうネ

 イーディは、すぐに絞めていた手を離し

アタシ、寝技ってよく知らないケレドジュンになら、寝技でも勝てそうネもう、メンド臭いから、アタシは寝技だけに絞って闘おうカ

ソレトモ、ジュンだけ柔道着を脱ぐカソンナノ着ているから、技が掛けやすいノネアタシでも、スクール水着だけになられたら掛けられる技が減るネ

ふ、ふざけるなっふざれるなっぶざけるなぁっ

 グレースさんは、叫ぶ

わたしは、グレース・マリンカだぞお前みたいな小娘に負けるものかぁっ

ふざけているのは、お前の方だ

 解説役のミタマが言う

イーディに負けたくないのなら、さっさと柔道着を脱げ負けないためには、どんなことでもするという強さがお前には無いのかジタバタしろ今のお前は、圧倒的に不利なのだぞ

 グレースさんの表情が変わる

イーディは天才だだが天才だからといって、努力していないわけではない柔道技もプロレス技も、ちゃんと研究しているその上、グレース・マリンカお前のことも、イーディは事前に全て調べ上げている

 ミタマは、そう言う

当たり前ネアタシは実力があると思った相手のことは、きちんとチェックするヨいつ闘うことになるか判らないし強い人の技は、自分の技を磨くための参考になるネ

ジュンの試合も映像化されていて観ることができるモノは、全部観たネダカラ、技を仕掛ける時のクセもよく知っているノヨ

 イーディが、グレースさんに完璧なタイミングで技を仕掛けられるのは天才的な戦闘センスや、相手の気を読む能力だけではない

ポロンやミミたちの試合も観たけれどジュンの試合は、なかなか面白かったネそしてジュンが、プロレスの世界では満足できないこともよーく判ったネ

 グレースさんは、そのスバ抜けた身体能力で所属していたプロレス団体では圧倒的な強さを誇っていた  圧倒的すぎて、女子プロレスに物足りなさを感じて一昨日の格闘技大会に強行出場したのだプロレス団体を飛び出して

でも、アタシたちと一緒に闘いたいのナラもう少し、本気になってくれないと困るノネ負けたら、本気で口惜しがらないとダメヨそして、負けないためには、なりふり構わず、できるこちは何でもするっていう覚悟が必要なのネ

 イーディは、笑顔でそう言うと

ま、余計な話はこれくらいにするネとにかく、今日はジュンが泣くまでやるヨ負けることに、口惜しくなって涙が出るまで、アタシが負かせ続けてあげるネ

 グレースさんは、立ち上がり着ていた柔道着の上を脱いで、床のマットに叩き付ける

ば、バカにしてっこ、このぉぉぉぉ

ほら、攻撃を仕掛ける時に、右肩が上がるダカラ、フェイントがバレバレなのよ

 イーディが、またスデンとグレースさんを引っ繰り返す

素材はいいけれど、努力が足りないのヨジュンは

 頑健で、体力が有り余っているグレースさんだから

倒されても、倒されても何度でも起き上がって、イーディに突進していく

そんなグレースさんを、イーディは最低限の力だけでパタンパタンと投げ倒す何度も何度も

 そんな様子を、カメラが全校に放送し続けている

あたし、思うんだけれどさ

 寧が、感慨深そうに言った

ほら、マンガとかにもさよく天才は出て来るんだけれどさ生まれついての才能よりもより悲しい体験を乗り越えてきた人の方が最終的には強いっていうパターンの作品が多いんだよね

 よくあるよな  悲しみを乗り越えた人間の方が、強いっていう展開

でも、それって嘘なんだよね個人的にどんなに辛い体験をしてきたとしても、それが強さや能力を引き立たせるなんてことは無いんだよ個人的な体験なんて、みんなそれぞれ違うんだからさ

 画面の中では、イーディとグレースさん天才児少女と恵まれすぎの肉体を持つ女性の闘いが続いている  2人とも普通の人よりは、ずっと格闘の才能を持っている

才能がある人だって、ちゃんと努力しなければ能力が開花しないしどれだけ努力しても、もっと才能がある人に負けちゃったりするんだよね純粋に能力の問題で能力を磨くこと以外にどんな体験をしてきたかは関係無いんだよ

メンタル面を鍛えるということはあるが、個人的に悲しい体験を重ねたことでメンタルが強くなったということは無いものな

そうだよ、辛くて悲しいことを何度も経験したら心がどんどん麻痺していくだけだよ悲しいことに反応しにくくなるだけでそれは心が強くなったってことじゃない感覚がニブっているだけなんだ

今のグレース・マリンカがその状態なのだろうな

うん心が麻痺して、鈍っているんだよだから、イーディがああして心を呼び起こしているんだよ

 また、スバーンッと、派手にグレースさんが投げ飛ばされる

ほらほら、こんなモノなのカネジュンの力は

くっそぉゃぉぉぉ、このぉぉぉぉ

 飛び起きて、イーディに突進するグレースさん

遅い、鈍い、弱いノネ

 イーディが、ススッとグレースさんの懐に入り込み投げ飛ばす

泣かないノカこれだけ負けて、ジュンはまだ泣かないノカ

泣くものかぁぁ

 突進とマットへの投げ落としが、何度も繰り返される

グレース・マリンカさんは、体力お化けだけどイーディも、スタミナのあるタイプなんだよね

耐久力も持久力もある上に頭も良いだから、体力の消耗が極めて少ない

 ミタマが、そう言った

うん、この2人がこうやって闘い続けてるけれど最後まで立っているのは、イーディだよね絶対に

 5分後寧の言うとおりになった  柔道場のマットの上に、汗だくでへたり込んで居るのはグレースさんで  イーディは、汗1つかかずに、ヘラヘラと笑ったままマットの上に立っている  21歳の長身の女子プロレスラーが、スクール水着でマットの上にグッタリと横たわったまま起き上がれないでいる

ジュン、まだ泣かないノカ

 イーディが、笑顔で尋ねる

はぁ、はぁ、はぁわ、わたしが泣くわけがないだろう

 グレースさんは、息も絶え絶えにそう言う

ソウカじゃあ、今日は引き分けネ

 イーディは笑って、そう言う

このスク水柔道は、どっちかが泣くまで決着は着かないノネダカラ、アタシとジュンノ闘いは、これからもずーっと続くノネ10年でも20年でも

 イーディはそうやって、グレースさんと友達になるのか  闘い続けるということが仲間でいつづけるということを意味する

そう考えるとこれからのことが楽しみなのネジュン

 イーディの明るい声にグレースさんは

くぅちくしょおっ

 グレース・マリンカの眼には涙が溢れていた

シミズクニオ先生の70年代の戯曲に泣かないのか1973年のためにというのがあるんですけれど

当時のアングラ演劇のタイトルは、格好いいものが多いんですよね

鴉よ、オレたちは弾を込めるとか火のようにさみしい姉がいてとか

誰の作品か忘れましたが夜の夜の夜というのも好きでした

1308.ネガティブ潰し / 5人目の戦士

アレ、どうしたのネジュン、顔が濡れているネ

 イーディは、グレース・マリンカさんが泣いていることを認めない

ぐぅぅ、うぐぅぅ

 グレースさんは、顔を手で覆って本格的に泣き始める

アレアレ、ジュンはちょっとお腹が痛くなってしまったみたいネしょうがないネミタマ、ちょっと手合わせしようネ

いいだろう

 解説役だったミタマが柔道場の中央に出る

済まない、イーディとやるのならこれを脱ぐ

 ミタマは、そう言って純白の学帽と学ランの上を脱ぐ  白いズボンに白のYシャツ胸元のボタンも、2つほど開けて動きやすくした

ブラジャーが見えるギリギリくらいまでにそれで、ミタマの胸の大きさが強調される

今のわたくしでは、イーディに勝てないことは判っている

 ミタマは足の筋肉を伸ばして、準備運動を始める

しかし、勝てないとしても、常に本気で立ち向かわねば稽古にならぬからな

 肩と両腕も大きく回して、闘いに備える

安城流拳法、安城ミタマ参るッッ

 イーディも構えて、ニコッと微笑む

といやっ

 ミタマが、素早くイーディに拳を打ち込んでいく  いや、正拳突きから回し蹴りに続く連続技だ  イーディは、ふわりとミタマの攻撃を躱していく

ウン前より、攻撃が正確になったネ軸がブレなくなったヨデモ

 今度はイーディの方から、攻撃を仕掛ける  一撃目の蹴りをミタマは避けたが、二撃目の突きは

ホラネっ

 イーディは打ち込む寸前に拳を開き、ミタマの胸をポンッと突き飛ばす

グッ相変わらす、死角から攻撃してくる

 ああこれは、視界の死角ということじゃない  心の死角まさか、そんなころからという角度からイーディの拳が打ち込まれたことを意味する  オレも工藤流古武術6級だから、良く判る

相変わらず、ミタマは自分の攻撃のイメージが強すぎるのネ自分がこう攻撃して、相手がこう反応するっていう脳内のイメージがハッキリし過ぎていて、そのイメージのままに攻撃してくるから想定外の攻撃を受けると、弱いのよ

 イーデイは、そう言う

戦闘は、自分の思い通りに進むと思うのは大間違いネだから、心の隙ほ衝かれるノヨ

ご教授、かたじけないっ

 と、言いながらミタマは次の連続蹴りを放つ  イーディは、それも軽く躱して

今のは良かったけれどリズムが単調ネ

 ミタマが今放った蹴りをイーディは、完璧にコピーして返す

ほら2発の蹴りが、タントンタン、タントンタンてどっちも3拍子のリズムになっているネ

 オレの眼から見ても、コピーしたイーディの連続蹴りの方が素早く、正確で、鋭かった

アタシなら、2つの蹴りのリズムを変えるネこんな風にタントンタン、タントンタタタンッッ

 改めてイーディが放った連続蹴りミタマは、2発目のキックが予想できずに軽く肩を蹴られる

ぐっな、なるほど

 ミタマは肩を抑えながら、そう言った

ずっと同じリズムにするのはダメよ攻撃ごとに、どんどんリズムがランダムに変わっていくようにしないとネこんなの実戦の時にはイチイチ考えてられないコトネダカラ、稽古の時からクセを付けておくのヨ

 そう言ってイーディは、ミタマのやった連続蹴りを色々なリズムで何度も再現してみせる

こうしたら、敵に攻撃を予想されづらくなるネ思考の死角を衝かれることの減るヨ

 今度はミタマが、イーディに言われた通りに

異なるリズムでの連続蹴りをイーディに向かって何度も放つ

イーディは、5発目の連続蹴りを避けた後に

ほら、ダメネ

 パンッと、ミタマの軸足を払って体勢を崩す  ガクッと尻餅を付く、ミタマ

リズムがランダム化できてないヨタントン・タカタカトッタン、タタカン・タントントン、トッテカ、トントン、タカトン・タカトントントンの次が、まタントン・タカタカトッタンになっていたネ

あれが天才児のトンデモなさなんだよね

 寧が、マットに倒れたままだったグレースさんに言う  グレースさんも、武の世界に生きている人だから  イーディとミタマの公開稽古が始まったら、泣くのを止めて2人の組み合いを呆然と見ていた

眼の前で起きていることを全て記憶しているし、瞬時に分析して適確な対応ができるんだよイーディは、身体能力がスバ抜けているけれど頭脳も飛び抜けているから

 肉体も頭脳を常人を越えている

でも、それだけじゃ足りないノヨ記憶力と分析力と対応力だけじゃ初めて見たモノには負けるノネ

イーディは稽古をしながら、言う

大事なのは想像力と、洞察力なのネ可能性を見通す能力ヨこの2つを身に付けるためには、色々なモノを見知ってデーターを蓄えておく必要があるノネ

 そう語るイーディの頬に、ミタマの蹴りが当たりそうになるが  イーディは、大きく頭を反らしてギリギリ避ける

今のは面白かったネ安城流の技なのカ

 ミタマに尋ねる

安城流というより、伝統派の空手にある技だ蹴りの前に放った正拳突きで、相手の視界を封じて横から蹴り込む

ツマリ、こういうコトネ

 イーディは、瞬時に技をコピーして返す  自分が仕掛けた技をミタマは食らう  ただし、イーディはミタマの頬を蹴り込まずピタッと空中で足を止めた

なるほど、勉強させてもらったネ

 イーディは、スッと上げていた足を下ろした

こんな風に、アタシも色々と教えてもらっているノネ

 床に倒れたままのグレースさんに、笑顔でイーディは言う

当然だこちらにも差し出せるものがあるからこそこうして、稽古ををしている

 ミタマも構えを解いて、グレースさんにそう言う

お互いに学び合っているノネアタシは、ミタマから安城流拳法をそして、その裏にある日本の武術の考え方を学んでいるノネ

 ニッと微笑む、イーディ

武術にはそれぞれ、その根底に思想があるノネそういうモノも、実戦で対応する時の貴重なデーターになるノネ

 全ては闘いのために

そうまでして強くなりたいのか

 グレースさんが、笑顔のイーディを眩しそうに見上げて言う

強くなりたいわけじゃないノネアタシは護らないといけないからナノネ

護る

ソウヨただ強くなりたいっていうだけナラアタシ個人の問題ネ突っ張り通して、誰かに負けて死んでもあたし1人だけのことで済むノネ

  イーディは言う

アタシには、アタシが護らないといけない家族が居るノネアタシが負けて、アタシが死んだら家族が酷い目に遭わされるかもしれないノネダカラ、アタシは絶対に負けられないし死ねないノヨ格闘技の試合では使わないけれど、家族を護るためにはどんな汚い手も使うネ勝って生き残らないと、意味が無いのよ

わたくしも、そうだ勝たねば主を護れない引き分けではダメなのだ確実に、敵を打ち払う力を持たなければだから、学べる機会があれば、こうして年下のイーディにも教えを乞う

ジュンはとっても素晴らしい身体を持っているヨ身体能力に優れているネプロレスの世界じゃ、能力を持て余していたのもよく判るヨもっと思いっきり、持てる力の全てを使って闘ってみたかったノカ

 笑顔で尋ねるイーディに

わたしは強くなりたいんだ世界中の誰よりも

 グレースさんは、そう答えた

気持ちは判るケレドそれじゃあコドモなのネジュンは、ジュンの内面に溜まっていたフラストレーションを暴れることで解消したいダケなのネそんな感情任せの闘い方じゃ、本当に強くなんてナレナイヨ

 そしてイーディは

強くなりたい理由を自分の外に見つけるコトネ自分のためにでなく、誰かのために闘うノヨそうでないとジュンは、先に進めなくなるヨ

プロレスラーのグレース・マリンカは、もう辞めるんデショただの尾上ジュンに戻って考え直してみるべきなのネ

 どこまでも優しくグレースさんにそう言った

なぜ、わたしにこんな話をする

 グレースさんが、イーディに尋ねる

5歳も年下の女の子に説教されて頭にくるノカ

 イーディは、笑ったままそう言う

そうではないそういうことではなくてなぜ、わたしの様な女のために、こんな機会をわざわざ設けてまで

そんなことも判らないのか

 ミタマがグレースさんに言う

イーディが、わたくしに稽古を付けてくれるのと同じ理由だイーディは、あなたという存在に価値を見出しているのだろう

ソウヨジュンはちょっと意識を変えるだけで、大きく成長スルネソレニ

さっきの対戦だってアタシが一方的に攻めていたようにしか見えなかったダロウケド、ちゃんと意味はあったのネアタシにとっては、ジュンみたいな長身でレスリング系の選手と闘うことも、大切なデータ収集ダカラ

わたしとの闘いに価値があったと言うのか

 驚く、グレースさん  グレースさんからすれば、イーディに一方的に負けたというイメージしか残っていないのだろう

もちろんヨ勉強させてもらったネそして、これからもどんどん強くなるジュンと闘って、学んでいきたいネ

 イーディは、真っ直ぐにグレースさんの眼を見て言う

アタシはジュンにプロレス以外の技も覚えて欲しいと思っているネその方が今よりもずっと強くなるヨ

ていうかさっ尾上ジュンさんプロレス団体を辞めちゃったんだからさ、正式にチーム・クロモリに入らないっ

 寧が笑顔で尋ねる

うちのチームの5人目の選手としてさっ一緒に世界を目指してみないっ

 マルゴさん、イーディ、工藤遙花、剣道マリアに続く5人目か

良い考えだと思うぞイーディたちと一緒なら、あなたも本当の闘わなくてはいけない理由を見つけることができるだろう

 グレースさんは

判った世話になろう

 はっきりした声でそう言った

正直、お前たちの話してくれたことは正直、わたしには、よく判らないでも、お前たちが、今のあたしよりも強いということは認めるあたしが弱いということもだから、今よりも強くなれるのなら、あたしはお前たちの全ての提案を受け入れる

ゴタクはイイノネ黙って、アタシに付いて来ればイイノネ

 イーディは、自分の胸をポンと叩いてそう言う

ああ、そうだな判った

 ようやく、グレースさんの顔に笑みが浮かんだ

はーい、それでは緊急報道特別番組グレース・マリンカ、イーディの舎弟になるはこれにて終了ですっみんな、訳が判らないと思うけれど3年後には、この放送の価値が判るからねっ期待しててーっ

 寧が、カメラに向かってそう言う

バイバーイ、まったねっー

 寧とイーディが手を振っている映像を最後に中継は切れた

あら、上手くいったみたいね

 休憩室のドアから、手提げ金庫を持った克子姉がやって来る  白旗さんとモモカも、シャワーから上がったらしい  白旗さんは、破れた制服のブラウスの代わりに休憩室に置いてあった、オレのジャージの上着を着ていた

これ、借りるわよ

 オレがブラウスをビリビリに破いたんだから文句は言えない

しかし、面白い学校ねこれから毎日通うのが楽しみになってきたわ

さ、あなたたち授業時間が終わるまでに、なでしこ科に戻るわよ

 克子姉が、希美、モモカ、白旗さんと美里に言う

わたくしも、戻りますか

 月子も、今日、なでしこ科に編入して来たばかりだ  ていうか、ミタマもそうなんだけれど

あなた、月子ちゃんはこっちに残った方がいい

 克子姉が、オレにそう尋ねるのはドリィとアナのドリル槍姉妹が居るからだろう  この子たちが暴走しないように、月子の巫女の力で監視していた方が良いのではないかということだ

いや大丈夫だよな、月子

はい今は安定していますわ

 月子が、オレの心を読んでそう答えてくれた

毎年恒例駅前に七夕の笹が飾られました

短冊に書かれた願い事を今年も一つ一つ見てみたのですが

子供の字で

お母さんのご飯がずっと食べられますように

 離婚調停中とかなのか

1309.ネガティブ潰し / 槍の行方

わたくしがここに残らなくても、この子たちは大丈夫ですわ

 月子はドリィとアナのドリル槍姉妹を見て言う

もう緊張していませんし、わたくしたちのことを警戒してもいませんから

 そう言えば、ここに来たときは2人とも自分のドリル槍を握りしめていてげど  今では槍を壁に立てかけたまま手放している

公様が自分たちに危害を加えるつもりはないということは理解しているようですから

攻撃の意志は全く見せなかったし必要以上の干渉は一切していないものね

 うん、オレと色んな女の子とのセックスを見せたりしたけれど  オレは、この子たちをずっと放置していたからな

公様が皆さんと仲良くなさっている様子と公様に抱いていただくことで、一人一人の心が解放されていく過程を見ましたから

吉田くんは怖くないんだよ

 月子の言葉に、愛が続く

男の子って、みんな怖いけれど吉田くんは、そうじゃないから

あ、判る黒森くんて、安心な感じがするんだよね実際には、エッチとかすっごいことをしちゃってるんだけれど

 希美が、そう言った

でも、それが当たり前な感じがするんですよね黒森公様にエッチしていただくのが

そうねこれがあたしの運命でこうなるって決まってたんだから、仕方ないかって思うのよねあ、別にあなたとエッチしたことを後悔しているわけじゃないわよむしろあなたで良かったって、思っているわ

 モモカと白旗さんも、そう言う

そういう、公様と皆様がお互いにお互いを受け入れ合っていることを、この子たちも感じているんですわ

ですから、わたくしはなでしこ科の方へ戻ります今は、あちらに残っているお二人の方が心配ですから

 娼婦候補生の残り2名德大寺園子さんと黒沢直子さんのことか  娼婦候補生の希美とモモカと白旗さんの他に、美里もこの部屋に来ている  他のなでしこ科の生徒、月子はここに居るけれどミタマは、まだ柔道場か

て、ことは向こうで德大寺さんたちの相手をしているのは、ミナホ姉さんと雪乃だけか

 昼休みの終わりに雪乃はなでしこ科、つまり校長室の下の隠し部屋の方へ行った

雪乃さんは誰に対しても、同じ態度でお話なさいますからご自分のペースを絶対に崩しませんからだから、あのお二人とも普通に話し掛けられていると思いますけれど

でも、雪乃ちゃんに園子ちゃんや直子ちゃんが、心を開いてくれるとは思えないわね

そうかな德大寺さんたちだって、雪乃の身の上は知っているわけだろ

 白坂創介の娘で父親のせいで、悲惨な目に遭ったことは全国民が知っている  5月の連休の事件の時に、雪乃に関するあらゆる情報がネット上に流出したのだから

悪い親のせいで、大変な思いをしてきたっていうことでは共通点があるけれどそもそもの育ちの違いがあるのよ

雪乃ちゃん一応、白坂家のお嬢様だったんだから白坂家の当主の令嬢とかじゃないけれど一流広告代理店の部長の娘で、ずっと良い暮らしをしてきたわけでしょ

 雪乃は名家の令嬢たちのレベルには届かないけれど、確かにお嬢様ではあったんだよな

雪乃さん今日、初めて会いましたけれど雪乃さんは違うなぁやっぱり、垢抜けているなあって感じました

そうよねずっと、テレビにも出ているしあたしでも、あの華やかな雰囲気には勝てないって思ったわ

東京の子なのよねあたしたちとは育ちが違うっていうのは、会った瞬間に判ったわ

 希美もそう言う  ああ、希美、モモカ、白旗さんの3人は地方都市の会社の社長令嬢だった

園子ちゃんたちは戸惑っていると思うわよ雪乃ちゃんに話し掛けられても話題が噛み合わないだろうから

 德大寺園子さんたちは、関西のヤクザのそれも最下層のハミ出し者の娘だもんなぁ  雪乃が話すことなんて、どうせファッションか化粧品のことだから話が合わないか

克子さん、早く戻りましょうあたしたちは、ここ数週間園子さんたちと生活してきていますから、あの子たちとの対応に慣れてきていますから

 德大寺さんたちに対する仲間意識が育って来ている

あの関西出身の2人が娼婦候補生から脱落しないようにフォローしてくれる約束もした

じゃあ、戻りましょうあなた、こっちをよろしくね

 克子姉が、オレにパン工房の前に停めてある商用バンの鍵を渡してくれる

空のパッドだけ積んで置いて車は、後であたしがお屋敷に戻すから

それじゃあ、黒森くんまたねっ

ええ、また明日も学校へ来るんだから、会えるのよね

 希美、モモカ、白旗さんが、オレに言う

ああ、2時間目が終わってから5時間目までは、基本的にはオレはここに居るから

 今日は結局1、2時間目も、6時間目も教室に行ってないけど

では、わたくしも失礼致します

 月子と美里も、オレに頭を下げた

えっと月子はお屋敷に戻ってから、可愛がることができるから

美里今日はできなかったけれど、明日はセックスしような

それと、ありすとミタマも明後日から、新しい中学に通うことになったから

はい、克子様から伺っておりますありがとうございます2人によろしくお伝え下さいませ

 美里は実の妹とかつての警護役の現状を喜んだ

ミタマとはこれから、こちらの学校で毎日会えることになりましたから

うん、ありすたちもその内、また会わせるよ

楽しみにしています

 美里は、ニコッと微笑む

じゃ、行きましょう校内だから大丈夫だと思うけれど月子ちゃん、一応、警戒しててね

 何か起きても、巫女の力で対応できるか  校内なら、鷹倉神社の巫女の弱点である力の及ばない距離からの銃撃とかは無いだろうし  白い学ラン姿のミタマが外から、戻って来る

ちょうど良かったなでしこ科の子たちが戻るから、ミタマは警護に付いてくれ

 オレは、即、命じる  それでも、警護役が1人は付いていた方が良い  ということで克子姉、希美、モモカ、白旗さん、月子、美里、ミタマが  オレのパン工房から、出発する  残ったのは愛とアーニャとドリル槍姉妹だけだ

はぁぁ、少しは静かになったね

 愛が、オレにもたれてそう言う

あたし初めての人がたくさんいるのは、ちょっと苦手

それは悪かったわね

 アーニャが、苦笑して言う

いえ、そういう意味じゃなくって

 愛が慌てて、そう言うと

たっだいまーっ

 克子姉たちと入れ違いで寧たちが帰って来た  寧とイーディとグレース・マリンカさん  さすがにグレースさんは、落ち込んだ顔をしている

あ、お茶入れるねあたし

 愛が、みんなのためにお茶の準備を始める

あ、あたしも手伝うよっ

 寧も愛の方へ行く

ほら、ジュンはここに座るネDarling、観ててクレタアタシたちの闘い

 イーディは笑顔で、オレに尋ねる

ああ、観てたよここで、みんなとでも

何で、全校に生中継で放送したんだ

 グレースさんとの対戦なら、こっそり他の生徒たちの眼に触れないようにしたって良かったんじゃ

ああ、それはねやっかみ対策だよっ

 イーディの代わりに、寧が答える

イーディが一昨日女子格闘技の大会でクラス優勝したっていう話は、もう学校中に広まっているけどさみんながみんな、格闘技に興味があるわけじゃないし一応、深夜枠で一昨日の大会は放送してもらえることになっているけれど、それだって生徒全員が観てくれるわけがないじゃんか

 うんそりゃ、そうだな

でもさとにかく、イーディが優勝したってことと、それでおめでとうってイーディに声を掛ける子が居るのを見たりしたらさそれだけで、何かやっかみっていうか、あいつはちょっと調子に乗っているって、悪く受け取る連中が居るんだよ

Darling今朝の事件を覚えているカ

今朝ってメグのことか

 朝練が終わって校舎に入るメグを捕まえて、たくさんの生徒たちの前で好きです、付き合って下さいと告白した3年生男子が居た  でも、それは高一で学校公認で婚約していて、学食の脇でパンを売っているオレたちのことが気にくわない連中の  嫌がらせの嘘のパフォーマンスだった

ああいうコトは、2度と起こしてはいけないネダカラ、アタシがどれだけ強いのか全校生徒に、はっきり示したノヨ

 イーディが本物の女子プロレスラーのグレースさんを圧倒する姿を  手抜き無しの実力、底抜けの強さを見せつけた  今までもイーディは、不良生徒を叩きのめしたりしてきたけれどそういうのは、一般生徒たちは知らなかっただろうし  たまたま、そういう場面を目撃した生徒たちでもイーディが、どれほど強いのかは判らなかったはずだ  女子プロレスラー、グレース・マリンカさんは判りやすい指標となる  イーディより身長が高くて、遙かに体格も良い見た目からして、実力派の大人の女子レスラー

そんなグレースさんを高1のイーディが、圧勝したのだから

アタシは普段から理屈が通じなくてすぐに手が出る直情的なキャラのイメージが付くようにしているネダカラ、わざとこんな喋り方もしているヨ

 そう、イーディは本当は完璧に日本語が喋れる

アタシを怒らせたら、マジでヤバイってみんなに伝えたのよ

それとミタマちゃんとの親しいカンケイも、よーくアピールしておいたんだよねっみんな、雪乃ちゃんのテレビ放送は観ているんだからっ

 ミタマはお腹が目立ってきた雪乃の代わりに、極小ビキニを着てエリとリエの双子と一緒にテレビに出演している  とんでもなくスタイルの良い美少女なのに凛とした雰囲気で、毎週、テレビ局の色んな人たちを成敗するミタマは、かなりファンも増えて来ているらしい

Darlingとメグミの側にはアタシが居るノネアタシに敵対するのは損だって思わせることができればDarlingやメグミに手を出す生徒もいなくなるヨ

 だから、わざとミタマと仲良くしている様子も放送したのか

アタシたち側の理由は以上ネジュンの側の理由としては

 イーディは、グレースさんを見る

ジュンはちゃんと負けることができないといけなかったノネダカラ全校生徒が観ている前で、負けてもらったノヨ

ああ、完敗した負けた上にあんな醜態を晒して、たくさんの人たちに生中継で目撃されてしまった

 グレースさんは、苦しげに呟く

わたしはプロ格闘家としては、もう終わりだ

負けることが恥なのではない再び立ち上がらないことが恥なのだっ

負けたところを観られたのなら立ち上がらないとねっ負けっ放しのまんまじゃダメだよ次は、勝たなきゃさっ

しかしわたしは

 うつむくグレースさん

何度も言っているけれどジュンは素材が良いねジュンの肉体で、アタシの技術を身に付けたらスゴイことになると思わないカ

アタシが格闘技の世界に居るのは1年だけヨ来年の今頃には、もう止めているネ

どうしてそんなに強いのに

 グレースさんは驚く

アタシはホントは人前で、闘いを観せることに興味は無いノヨソレでもアタシは、どうしても格闘技のリングに立たないといけない理由があるノネ

 イーディは、そう言うとアーニャに

アタシがこれから話すことをそのコたちに通訳してネ

 ドリル槍姉妹に話すのか  アーニャが、快諾する

アタシはニューオリンズに本拠がある暗殺教団の出身ネアタシの技は、人を殺すことを目的にした暗殺術ネそんな技を子供の頃から、徹底的に仕込まれたネジュンが想像しているよりも、遙かに苛酷な鍛錬をアタシはしてきているヨ

幸いにしてアタシは暗殺教団から抜けて、日本に来ることができたネDarlingに会えたし、新しい家族も手に入れたネダケド今のままでは、アタシはまだ自由ではナイネ暗殺教団は、アタシの能力を知っているから教団のトップが変われば、アタシを取り戻そうとするカモシレナイあるいは、他の裏の組織がアタシを仲間に引き込もうと画策するかもしれないノネ

ジュンは日本人だからピンと来ないのかもしれないけれど世界には、そういうコトがアルノヨダカラ、アタシは暗殺者として使われないようにしないとイケナイノヨ

だから格闘技なんだよねっ

ソウヨたった1年でも、アタシは全世界に顔が知られるぐらい有名な女子格闘家になるネたくさんの人に顔と名前が知られている人間は暗殺者にはなれないネソウヤッテ、暗殺教団と裏組織の人たちにアタシのコトを諦めてもらうノネ

ついでに、アタシの経歴もロンダリングするネ格闘家として有名になれば暗殺教団で育ったのではなく、子供の頃から格闘技を習っていたという公式設定を広めることができるネアタシが強いのも、格闘技をやっていたからということになるヨ

 イーディの話をアーニャが通訳している  その話をドリィとアナは真剣に聞いている

サテ、ここからにはアタシのDarlingに変わって、アタシが話すヨ

 イーディは、改めてドリル槍姉妹を見る

アンタたちが感じている最後の懸念をアタシが解決するネ

 え何のことだ

Darlingが、アンタたちに話した通りアンタたちは、もう人殺しはしなくていいこの日本には少女暗殺者の仕事は無いネ

 キッパリと、イーディは言う

ダカラ、アンタたちは槍での人殺し以外に、これから先を生きていくための技術を身に付けないといけないネそれは、まあ心配しなくてイイヨDarlingとアタシたちで、一生懸命探してあげるカラ

 オレも、ドリィ&アナを見てそう言う

ここまでは、もう判っているヨネアンタたちが心配しているのはこの先の話だと思うヨ

結論を先に言うとアンタたちは、槍を捨てなくていいのネ

 壁に立てかけられた2本のドリル槍

人殺しは、もうしなくていいしアンタたちは少女暗殺者ではなくなるデモ槍はそのまま持ってて良いし、鍛錬も続けてイイノヨ

 姉妹が、大きく息を呑む

せっかく身に付けた技術ダモノ捨てるのはモッタイナイネアンタたちだって、槍が使えなくなるのは怖いダロウ

 ああ、ドリル槍による殺人術がこの姉妹の誇りであり

少女暗殺者であることが、そのまま存在意義だったんだ

 ずっと、そうだったものを簡単に捨て去ることはできない

ただ、アンタたちの持つ槍の意味が変わるヨ今日からは殺せと命じられた人間を処理するための槍じゃないネドリィ、アナアンタたちの家族を護るための槍になるノネ

あたしの技と一緒ヨ今のあたしの技は人を暗殺するための技術じゃないノネ家族を護るための技ヨ

 アーニャによって訳された言葉を姉妹はジッと聞いていた

アンタたちの槍も護るための槍なら良いノネ槍を捨てないで、これからもどんどん稽古してイイノネ

この章もそろそろ終わりです

次は少しブッ飛びたい

寧のセリフは、覚悟のススメでなくエルガイムの企画書です

1310.ネガティブ潰し / ネガティブ潰しとは

はぁぁやっと、2人きり

 静かになったパン工房の中で愛がオレに言った  克子姉が娼婦候補生たちをなでしこ科に連れて行って  放課後になる前にイーディと寧が、アーニャとドリル槍姉妹とグレース・マリンカさんをお屋敷まで送って行った  だから、今はここにはオレと愛しかいない

今日は1日、授業をサボッちゃったな

 いつもは1、2時間目と5時間目の途中から6時間目は教室で授業を受けている  もちろん、それでは出席日数が足りなくなるから後からレポートとか補習授業とかを受けるんだけれど  ホントのことを言うと、オレは高校の卒業証書を手にしなくても良いと思っている  中退でもいいんだパン屋になるんだから  ただ高校生で居る間は、なるべく他の生徒たちと一緒に生活していたいと思う  今日はもう、6時間目が終わる20分前だから今から教室に行っても仕方がない  愛が、オレに抱きついて来る

休憩室行こっ

 今日は何連続でセックスしたんだったっけ

エッチしたいんじゃないよ吉田くん、疲れているの知っているから

20分だけでも休んだ方がいいよ愛が抱き枕になってあげるから

 オレたちは、休憩室へ入る  うん、換気扇を全開にしているけれどまだ、さっきのセックスの匂いが残っているな  ベッドのシーツも、汗で湿っている

待ってシーツ変えるから

 愛が替えのシーツを出して、交換してくれた  昔は、どんなことも母親にやってもらっていた子なのにお屋敷で暮らすようになってから、こうやって自分でベッドメイクできるようになった

はいあ、ちょっと待って

 愛が制服のスカートを脱ぐ

皺になっちゃうの嫌だから

 愛の細くて白い生足愛は先に、ベッドに横になった

おいで、吉田くん

 オレも、ズボンだけ脱いで愛の横に寝転ぶ  愛が、オレにしがみついてくる

あれ、愛がオレの抱き枕になるんじゃなかったのか

 これじゃあ、オレの方が愛の抱き枕だ

いいの、吉田くんの方が大きいんだから

 愛が頬を赤らめてそう言う  オレは愛が可愛くなってチュッと唇にキスする

あんそれ以上はダメ濡れちゃうから

 恥ずかしそうに、愛はそう言った

そうだな寝るか

 20分だけでも睡眠を取れるのは助かる  ビビビビビ  休憩室の中に警報が鳴る  誰かが、オレのパン工房の外に居て無理矢理、ドアをこじ開けようとしている  外からパン工房に通じるドアは基本的に、指紋認証と暗証番号でチェックされている  イーディの居る時はロックを解除していることも多いけれど  そうでないと、昼休みに焼きたてのパンを売り場に出す時とか一々、暗証番号なんて打ち込んでいられないし  でも今はイーディが外に出た時にロックしていったはずだ  オレは、慌てて休憩室のモニターにドアの外の監視カメラの映像を出す

おーい、ここを開けろー

 ドアノブをガチャガチャやっているのはキョーコさんだった

お茶を入れます

 愛が、キョーコさんに言う

突然押し掛けて、悪かったねぇ

 不機嫌そうな愛に、椅子に座ったキョーコさんはニコリと微笑む  オレも椅子に腰掛けてキョーコさんに尋ねる

いやね、都心へ出てコーデリアたちとこの国の警察の連中を思いっきりからかってやったからね、連中を巻くためにバラバラになって逃げて来たんだよ

 ああ、また何か騒ぎを起こしたんだな

それで、ほらあんたに預けたドリルっ子たちが、どうなったか見に来たんだよ

 今朝、ドリィとアナのドリル槍姉妹をオレに預けたのはキョーコさんだった

あの子たちなら、イーディがお屋敷に連れて行きました放課後になると、連れ出しにくくなりますから

そうなんだ入れ違いになっちゃったんだね

 キョーコさんは、平然と笑いながらオレに言う

それで、あの子たちどうなったどうなるの

ああ、キョーコさんが言ってた通りオレが引き取りますみんなも協力してくれたから、ドリィとアナも大分、心を開いてくれるようになったしあの子たちも、今夜にはオレたちの家族になるって決めてくれると思います

ですからえーっと、残りの11人の少女暗殺者の受け入れですけれど、今週末ぐらいで良いですかドリィとアナが、うちに慣れた後の方が他の子たちを受け入れ易いんでそれに、水曜日にはマナたちの初登校があるんで、その後の方が助かるんですよ家の中が落ち着くと思うんで

はあ、スゴいね、あんた

あたしが今朝、言ったことホントに全部、実現しちゃうんだ

だって、キョーコさんがそうしろって言ったんじゃないですか

 ドリィとアナを含めて東南アジアの裏組織に居た少女暗殺者を13人まとめて引き取れって

あたしに命じられたって、普通の人間はやらないよドリィとアナあんなヤバい子たち、2人だけでもどうしたらいいか持て余すささらに、あれと同じレベルの子が追加で11人も来るなんて言われたら、お手上げ状態でギブアップするさ

 キョーコさんは、そう言うけれど

え、良い子ですよドリィもアナも素直で真っ直ぐな子たちだし

でも、人殺しの技しか知らない子たちだよそれが突然13人も、あんたたちと一緒に暮らしていけるのかい

 ああ、それなら

残りの11人が来たら、お屋敷の周囲の空いている家に共同生活させますよそれでアーニャがうちの家族になりましたから、しばらくは一緒に生活してもらいますアーニャ、しばらくは日本に滞在で良いんですよね

ああ、やっぱりあの子も、あんたに取られちゃったか

そういう言い方ないでしょキョーコさんだって、オレの家族じゃないですか

アーニャは、キョーコさんとミス・コーデリアのペットから妹に昇格したってだけのことです

ふんまあ、そうだね

それで少女暗殺者が13人、あんたのモノになるんだけれど、どうする香月セキュリティ・サービスの中に暗殺専門部隊でも作るかい

あの子たちには、もう人殺しはさせません

じゃあ、何をさせるんだい香月セキュリティ・サービスで警護人にするのは無理だよあの子たちはブレーキが効かないからね、警護の現場で過剰防衛で人を殺すことになるよ

ブレーキぐらい簡単に作れますようちには、月子たちがいるんですから

 巫女の力で、どんな場合でも人を殺さないように心に制約を掛けることはできる

そんなことをしたら、あの子たちの心が壊れるよ

壊れないですよドリィとアナの様子をずっと見ていたけれど、そこまでのトラウマは無いですから

 オレは、即座に返す

東南アジアの組織に支配されていた時みたいに、暗殺を成功させないと、自分や姉妹が殺されるみたいな縛りは、もう無いんですからあの子たちは、自分たちの技術には誇りを持っていますけれど何が何でも人を殺したいと思っているような殺人鬼じゃないです

 殺さなくていいのなら、その方が良いと彼女ら自身が、思っている

ドリィとアナは、あんたの言う通りかもしれないけれど他の11人の中には、殺人鬼が混じっているかもしれないよ

そんなわけないですよキョーコさんともあろう人が、何のチェックもせずにお屋敷に連れ来るはずがないですからみんな問題のない子だって判っているから日本に連れて来ることにしたんですよね

うーんなかなか鋭いね

別にオレはドリィたちを香月セキュリティ・サービスで使うつもりはありませんあれだけ可愛い姉妹なんだし、身体能力に優れていて、頭も良さそうだからどんな仕事をしたって成功しますよ

そうだろうねあたしもそう思うよ

 キョーコさんは、クスッと微笑んで

ホント、ミナホの言う通りだあんたは、何もかも呑み込んで受け入れてしまうとんでもない子だね

はい、お茶です

 愛が、日本茶を入れてくれた

ああ、ありがとう愛も座れよ

 パン工房のテーブルにオレと愛とキョーコさんが並んで腰掛ける

ね病気の治療には、大きく分けて2種類あるのを知っているかい

 キョーコさんが、オレに尋ねる

いえ、知りません

対処療法と根本治療判るかい

対処療法って言うのは、熱が出たら熱冷ましの薬を飲むとか、お腹が下ったら下痢止めの薬を飲むとかその時の症状に合わせて対処することだよ

 キョーコさんは、笑顔で話し続ける

根本治療の方はどうして、そういう症状が出るのか、病気の根本的な原因を見つけて対応する治療のことだよ

そうやって2つ並べて聞くと対処療法の方が、その場しのぎのダメな治療法に見えるだろ根本治療で病気の原因そのものを何とかしないと身体が良くならないって

うん、そう思う

原因をどうにかしないと熱冷ましや、下痢止めを飲んでもまた症状が出て来る

うん、理屈はそうだよねでもゲンジツは、そう上手くはいかない

病気の原因なんて、そう簡単に判るものでもないし根本的な病気の原因を、すぐに治療できないこともある体調的な問題とか、手術が必要だとかねでも、高熱や下痢みたいな症状が出てしまっているのなら、取りあえずはできることを見つけてどんどん対処していくしかない苦しいままで放置していたら、それこそ体力が低下して取り返しが付かないことになるからね

 ああ根本治療をする前に、死んでしまっては元も子もない  とにかく、今でている症状に対処することも大切なんだ

これは人間の病気だけでなく世の中の色々なことについても同じさ

国家でも企業でも社会でも問題が発生したら、とにかくまず対処するべきなのさもちろん、問題の原因はもっと根が深くて、国や会社や社会のシステムそのものに起因するのかもしれないでも、根幹部に変更を施すのは時間が掛かるからね改革は必要だよでも、問題が起きたらすぐにできることから対処していかないと、システム全てが根腐れするからね

でも、バカなコメンテイターや、頭の悪い政治家は根本治療の話しかしないそれはシステムに問題がある大きく思いきった改革をしなくちゃいけないみたいな話ばかりしてすでに起きている問題に対処することを甘く見るそんな場当たり的なことに、人とカネのリソースをブチ込むことはムダだって言い張るんだよ眼の前に困っていたり、苦しんでいる人がいるのに取りあえず、できることをして状況を改善するということを認めないんだよ

判ります自分のことを頭が良いと思っている人はすぐにそもそも**が悪いってその場では、すぐにどうすることもできないことの話を延々とするから

ああ、確かにさっさと進めないといけない話をしている時に、一人だけ原則論を持ち出すやつっているよな

 オレも思い出す

中学の時に修学旅行の自由行動で、どこに行くかの話し合いをしている時にそもそも修学旅行に自由行動は必要かの話を持ち出してくる変な子が居たわ

 ああいるなあ、そういうやつ  話し合いとして成立しないことを、一人だけ延々と主張する  本人はオレは他のやつらより賢いと思っているんだろうけれどバカ丸出しなんだよなああいうのは

あんたは、判っているんだよね対処療法の大切さが

あんたの良いところはとにかく、自分たちでできることがあったら、全部、面倒臭がらずにやってみるってことだよねだから、短時間でどんどん結果が出る

根本的に変格しなくちゃダメだとか喚いている連中はどんどん時間だけが経っちゃって、眼の前の問題は何も改善されないんだよ問題が起きたら、考えるより前にできることから対処する大事なことだよね

これをネガティブ潰しって言う人もいるんだよね

次に何をしたらいいのか判らなくなったら取りあえず眼の前にあるネガティブなこと問題点を一つ一つ潰していけってさできること、やれること、やらなきゃいけないことは幾らでもあるのさグダグダ考えて、何もしないで立ち止まっているよりは1つでもネガティブを消していくことを考えるべきなんだよ

 今日、起きたこと  ドリル槍姉妹とアーニャのこと  メグに起きた事件  グレース・マリンカさんのこと  娼婦候補生たちのこと  オレは全て一つ一つ、対処してっただけだ  他人には、場当たり的にその場しのぎをしているだけにしか見えないかもしれない   でもやれることをすぐ対処することで、ネガティブは潰せた  アーニャとドリィ&アナはオレたちの家族になる  メグに嫌がらせを仕掛けて来た連中は、全員、排除したからオレたちに不利になるような悪い噂も流れない  グレースさんは、きちんと負けることができた  希美たちは自分たちから、德大寺さんたちと仲良くなると約束してくれた

世界は、前向きに進んでいると思うかい良い方向に向かっていると感じているかい

ええ、今日はそう思います

 オレはすぐにそう答えた

それでいい後悔しないで生きていきたいなら、毎日、そう感じていないとね

 ああいいんだ、これで

人は自分の手が届く範囲のことだけを、精一杯やってれば良いっていう人がいるけれど手を伸ばしてみると、以外と遠くまで伸びるんだよこれが

 オレもキョーコさんに微笑む

さてと、美味しいお茶をいただいたからあたしは退散するよ今夜、ちょっと手を伸ばしたいことがあるからね

 キョーコさんは椅子から立ち上がる

何があるんですか

ん、ちょっと宝石を盗みに行って来る大粒のサファイヤで気に入ったのがあるんだよね

 ああ、この人は国際重犯罪人だった

そんじゃ、ま行って来るよごちそうさん

 6時間目の終わりのチャイムが鳴る前にキョーコさんは、パン工房から去って行った

次話から新章の予定

まあいつも予定は未定だけれど

お屋敷に戻って、アニエスたちの話なるはず

それから学園祭編か修学旅行編かな

大分、伏線は消化できたので終わりは見えてきたはず

1311.誰そ彼(たそがれ) / クール・ダウン

 放課後になると  パン工房に、メグと可奈センパイが戻って来た

メグ、教室の方はどうだった

 朝の騒ぎがあったから尋ねる  嫌がらせでメグに告白してきた3年生のバンド男のファンが  オレたちの教室まで押し掛けて来たりしたから

大丈夫あの後は、何も無いわ

MGファイブだっけあのバンドのファンの人たちは、みんな意気消沈しちゃってるわよバンド・メンバーが全員、自主退学しちゃったんだから

 月子が巫女の力で、やつらの心を書き換えた

ヨシくんが怒鳴り込みに言ってくれたからあたしたちのことを誤解する人はいないわみんな、あの人たちのイタズラだったんだって判ってくれたから

 間髪置かずにアクションを起こして正解だったな  あのまま放置していたら、あいつらが吹聴する変な噂が一人歩きしていたと思う

お昼に通常通りにパンの販売をしたのも大きかったわノブと恵美ちゃんの仲を疑う人はどこにもいないわよ

 可奈センパイが、そう言ってくれた  寧とイーディがパン工房に入って来る

アーニャさんとドリルっ子たちとグレースさんお屋敷に連れてって、戻って来たよっ

え、置いて来ちゃって大丈夫なのか

あのコたちは、アタシたちと離れて少し考える時間が必要ネ

マルゴお姉ちゃんもお屋敷に居たから監視しててもらうように頼んで来たからっ

 マルゴさんの観察力と制止力があればトラブルは事前に回避できるか

お屋敷に着いたらあのコたち槍を置いて、マナの入れたお茶を飲んでたヨ

エリちゃんリエちゃんも、相手してくれてたあの子たちが、明るい雰囲気を作ってくれてたから、問題ないよ

 みんな、自分の役割を判って動いてくれている

キヌカちゃんは、あの子の戦闘力がドリルっ子たちを変に刺激するとよくないから、ありすちゃんと奥に隠れてもらっている

 ああ、その方がいいな

ま、大丈夫ネこことお屋敷は近いヨアタシたちが居ないのは、ほんの数十分だけのことネ

そうそう、ヨッちゃん今日は早く帰らなきゃ急がないと、アニエスたちが帰って来ちゃうよっ

 アニエス、ルナ、コヨミちゃん、ヨミたちの初登校はどうだったんだろう

そうだな、アニエスたちを出迎えてやらないといけないよな

 帰宅した時に、オレが居ないと寂しがるかもしれない

そうだよだから、あたしたちヨッちゃんを迎えに戻って来ただけなんだよっ

さあ、帰りましょ

 克子姉と雪乃と月子とミタマが、やって来る

あれ、克子姉なでしこ科は

今日は初日だから、もう新しい娼館の方へ帰らせるそうよ御名穂お嬢様が

 克子姉は、笑顔で答える

新しい娼館で、落ち着いてあの子たちだけで、話し合いをさせるらしいわ

 ああ德大寺さんと黒沢さんのことか  希美たち、うまく話してくれればいいけれど

同世代同士でしか、打ち解けられないことって、どうしてもあるからあたしや御名穂お嬢様がタッチできないこともあるのよあの子たち同士でしか、解決できないことが

 今のままの態度では德大寺さんと黒沢さんは黒い森の娼婦にはなれない  考え方を改めないと  でも、そのことをミナホ姉さんや克子姉が言ったってあの2人の心には響かない  だから、同じ立場の希美たちに話してもらうしかない

しっかしミタマさんに来てもらって、助かったわ

ミタマさんだと、あたしと一緒に歩いていても誰も変に思わないから

 ミタマは、雪乃と一緒にテレビに出演しているからな  しかも、白い学ランに学帽というコスプレ的な格好だし

そうだよねっ、ミタマちゃんと並んで歩くと雪乃ちゃんも美少女だったんだって思い出すよねっ

どういう意味よっ

いつも凛としているミタマの隣だと、表情豊かなユキノの可愛らしさがよく判るって話ネ

 イーディが苦笑して、そう答えた

じゃあ、帰るか

ノブ、あたしは今日は自分の家に帰らないといけないから

 昨夜はお屋敷に泊まったけれど可奈センパイは、自宅に帰る

ヨシくん、あたし今日は、部活を休むわ

今日色々あったしお屋敷の中のこと、マナちゃんだけに任せるわけにはいかないから竹芝キャプテンにも許していただいたわ

竹芝先輩には、いつも気を遣ってもらっちゃってて申し訳ないよな

イイノヨ、タケシバ香月セキュリティ・サービスの推薦で、体育大学への入学が決まったラシイカラ

 ああ、前に竹芝さんがレイちゃんに話していたな

ソンデ将来的にはタケシバにそれだけの実力がアレバだけど、香月グループの関連で陸上部のある企業に推薦することも考えているソウヨ

ヨッちゃんがお世話になっている人のことはちゃんとお姉ちゃんたちがフォローしているって

香月セキュリティ・サービスに陸上部を作ってもいいんだよ香月セキュリティ・サービスは、もうヨッちゃんの会社なんだから

いや、それは歴史と実績のある会社のクラブを紹介してあげた方が良いと思うよ

それより、行きは全員車に乗りきれないからオレたち、歩いて来たよな帰りはどうしようか

 オレと克子姉と、寧と、イーディと、愛と、ミタマと月子にメグと雪乃

9人だと荷室に乗ってもらっても、キツキツよねパンのパッドも積んでるし

ま、お屋敷までだから10分も掛からないんだけれどお屋敷の入り口から坂を登る時がツラいかもしれないけれど

あたしは当然、車で帰るわよっ

 雪乃が宣言する  まあ、妊娠中だからしょうがない

じゃあ、オレは歩くよ

 オレはイーディと寧が戻って来た理由が判った  わざと車を定員オーバーさせることでオレが車で、すぐにお屋敷に戻れないようにしたんだ  お屋敷に着いたらまた、色々と問題に対処しないといけなくなる  その前に  オレにも、頭をクールダウンさせる時間が必要だ

ミタマは車に乗って、警護をしてくれ月子も、先に戻っていてくれ

 巫女がお屋敷に居てくれる方が安心だ  2人が、オレに頭を下げる

あたしも車で帰る

今日はあたしずっと吉田くんと一緒に居たから恵美さんと一緒に帰って

 と、メグを見た

うん、じゃあ、そうしようか

 オレも少し、メグと過ごしたい  克子姉は車の運転をしてもらわないと困るから

アタシはDarlingの警護に着くネ

じゃ、あたしは車で帰ろうかなっ

 イーディと寧は、別の選択をした  オレたちは、パン工房を出る

それじゃあ、後でね

 人通りの少ない、パン工房の裏の入り口  克子姉が商用バンの運転席からオレに言う  助手席は愛  校内を走って行くのだから寧はともかく、ミタマや月子や雪乃は隠れていないと変に思われる

ああ、すぐに追いつくから

 商用バンのエンジンが唸りを上げて走り出す  オレはメグと手を繋いで歩き出す  すぐ横を、イーディも並んで歩く  お屋敷に帰るには、学校の裏の方が近い  オレたちは、放課後の校内をてくてくと歩いて行く

おう、放送観たぞお前、すげぇなあ

 イーディに男子生徒が声を掛けて来た

お前、柔道部入れよ金メダル取れるぞ

バカ、こいつは一昨日、総合格闘技の大会で優勝したんだよ

ネットの女子総合スレ見たけど評判良かったぞ

お前のことを叩く書き込みしたヤツが、他のヤツからフルボッコにされてたわ

 ああ、イーディの凄さは、格闘技ファンにちゃんと伝わっているんだ

ありがとナノネっ

 イーディは、嬉しそうに手を振る

あの、オレ、グレース・マリンカのファンなんだけどホントに、この学校に来てたのか

来てたヨ

そうだよなあれ、どう見てもうちの学校の柔道場だったもんな

それで、今どこに

もう帰ったヨニキータ・ゴルバチョフと一緒にネ

えー、ニキータちゃんももう帰っちゃったのかよ

 アーニャのファンも来ていたらしい

2人とも、また遊びに来るネ特に、ジュンはグレースのことヨあのコには、アタシがこの学校に作る総合格闘部のコーチになってもらうカラ

 イーディは、そんなことを言い出す

コーチってお前の方が勝ってたじゃないか

 驚く男子生徒たち

仕方ないネ、年齢はジュンの方が上だカラコーチになったら、アタシが毎日、あのコをビシバシ鍛えるヨ

 高校1年生が21歳のコーチをシゴくんだ

え、グレース・マリンカプロレスの試合があるだろ

ジュンは、もうプロレスは辞めたのねアタシたちと一緒に、アメリカの格闘技界に殴り込みに行くことになったノネ

今年の年末に、アメリカで試合をするネ地上波でゴールデンタイムに放送する予定だから、楽しみにしててネ

マジかよっ

その前に、アタシは空手のオープン・トーナメントに出るケド機械道空手館の

え、あれって男子だけの大会だろ

知らないネ誰でも出場できるオープン・トーナメントなんだからアタシが出たって構わないネ文句言われたら、会場に居る選手を全員ブッ倒してくるヨ

 イーディは、美智の心月も使えるから  冗談でなく本気だ

12月のアメリカ行きの前に、もうちょっと売名しないといけないカラなあに、大丈夫よタッパーいっぱいのおじやの炭酸抜きコーラは用意して行くカラ

 イーディは、ケラケラと笑う

よくわかんないけど頑張ってくれ

同じ学校の生徒だからな応援しているぜ

ありがとうネ

 オレたちは、男子生徒たちと分かれていく

みんな、イーディのことを認めてくれているんだな

やっぱり実績よそれが大きいネ

 女子格闘技の大会でクラス優勝したこと  その結果はネットで広まる  それから、女子プロレスラーのグレースさんを投げ飛ばしている中継映像  イーディの強さが、明確に判る

Darlingと同じよ実績が大切なのネ

Darlingは、2学期になってから月曜日から土曜まで、1日も休まずにパンを作って売っているネしかも、どんどん美味しいパンになっていってる最初は、メグミしか手伝いが居なかったのに今では、学校中の可愛い子が、みんなDarlingのパン屋の売り子をしているネ

 1年生で一番の美少女と言われている愛  2年生で一番人気のある可奈センパイ  ホントは3年生のはずの寧  メグだって、美少女だしイーディも、そうだ  そして、克子姉が飛びきりの爆乳美女と来ている

それだって実績のうちネダカラ、ヤッカまれて嫌がらせをされたノヨ

 メグに嘘の告白をした3年男子たちは  オレたちのことが目障りでメグを陥れて、オレたちの悪い噂を広めようとしていた

リア充はヤッカまれるのネこれからは先に対抗策を考えておくべきネ

そうやって、Darlingとメグが仲良さそうに手を繋いで歩いているところを他の生徒たち、見せておくのも有効ネアタシが、2人の近くに居るのモ

 ああ遠くから、たくさんの生徒たちがオレたちをチロチロと見ている  オレとメグが普段から仲睦まじくしている姿を見せていれば今日みたいな嫌がらせを仕掛けられても、跳ね返せる  そして、イーディがオレとメグの側に居ることが知られていればさらに安心だ

パフォーマンスは大切だし、必要なのネDarling

 メグがキュッとオレの手を強く握る

あたしがもっと、ヨシくんのことを好きで好きでたまらないってアピールしていないといけないのね

そういうコトヨメグがベタ惚れなんだって伝わったらみんな、チョッカイを出して来ないネ

周りが呆れるくらい、ベタベタしててイイノヨすでに婚約していて一緒に住んでるって、みんな知ってるんだカラ根性の悪い連中に付けいる隙を見せてはダメネ

 あの変な3年生に嫌がらせの告白をされたのは  オレの方がメグにベタ惚れで  メグの方は、それほどでもないと思われたからか  メグはオレに飽きてきていて、浮気願望もあるかもしれないって考えたから  公衆の面前で、愛を告白するなんていうパフォーマンスを仕掛けて来たんだ

うん、気を付ける

 メグは、小さくうなずいた

あたしが隙を見せることでみんなに迷惑を掛けるわけにはいかないもの

オレはどうしたらいい

 オレも、何か直さないといけないことが、あるんだろうか

ヨシくんは、今のままでいいわよ

Darlingハ、そのままでいいネ

 2人が、同時に言う

今でもヨシくんは、色んなコトを精一杯してくれているもの

Darlingは、Darlingの思うようにしてくれていいのネ

あたしたちがヨシくんに合わせるわ

Darlingは家族の中心で要なのヨドッシリしてていいのネ

 メグとイーディはオレに微笑む

伝説巨神イデオンが好きという人に会ったので

どこが好きなんですか

と尋ねたら

巨大なイデオンに小型メカのジョングがまとわりついているところの対比

と答えられた

人それぞれの意見だから、別にいいけれど

それってまどかのどこが好きって聞かれて

ティロ・フィナーレにマスケット銃がたくさん出て来るところの作画って答えるようなもんだぞ

ちなみに私は、イデオンのカララとシェリルがビンタを張り合う場面が大好きです

あと、サブングルの敵に廻ったラグをジロンがボコボコにブチのめす場面

トミノ演出は、あの2つが秀逸だと思う

1312.誰そ彼(たそがれ) / 無邪気な帰還

 何の問題も無くお屋敷の敷地の外周にある、オレとメグが暮らしていることになっている家に到着する  そこから地下通路を通って黒森家の屋敷へ

お帰り、お兄ちゃん何か食べる

 すっかりお屋敷の主婦となっているマナが出迎えてくれた

お茶だけくれるかみんなは

 先に到着しているはずのアーニャやドリル槍姉妹、グレースさんたち  それから、克子姉の車ももう着いているだろう

お客さんたちは、2階の奥の部屋に行ってもらったエリちゃんリエちやんに相手してもらってるよ月子さんも、もう、そっちへ行ったからほら下の食堂は、そろそろ空けておかないといけないから

さっき、翔お姉ちゃんから連絡があってね後、10分ぐらいで第1陣が帰って来るって

第1陣

朝は、みんな一緒に車列を作って出発してったけれど帰りの時間は、小学部と高等部は一緒じゃないんだよ

 小学生の方が、先に授業が終わるのか

アニエスちゃんたちを待機させて、みんなで一緒に帰って来ることもできるけれど今日は、初登校だからさっさと戻って来るってさ

 つまり、小学部に通うアニエス、ルナ、コヨミちゃん、可憐だけ、みすずたちより先に帰って来るってことか

送迎車や警護車輌の調整は、翔お姉ちゃんがしてくれたってただ、本隊はみすずお姉ちゃんやルリお姉ちゃんたち用に残しておかないといけないから、アニエスちゃんたちの警護は少ないんだけれどその代わり、麗華お姉ちゃんが送迎車の運転をしてくれてるってさ

 香月家の本家の令嬢であるみすずたちが警護の本丸であるのは当然のことだ

運転するのが家族でないとアニエスちゃんが、ダメらしいんだよね

ああやっぱり、相当緊張してるんだな

 今まで、一度も学校に通ったことの無いアニエスの初登校だ  みすずたちの通う超お嬢様校は、こんな中途半端な時期に編入生を受け入れるのは、異例中の異例だろうし

アニエスたちは、可愛い子ばかりだからたくさんの生徒たちの注目を浴びたに違いない

そしたら、オレ玄関で待っているよ

 できる限り速やかにアニエスたちを出迎えてあげたい

うん、玄関に一番近い応接室に着替えとかティッシュしか、用意しておいたから

すぐにエッチするでしょエッチが終わったら、みんなで入れるようにお風呂も準備してあるよ

 さすが主婦だ  よく判っている

ありがとうマナ

じゃあ、アタシは2階のジュンたちの方に行くネ

あたしは着替えて、マナとお夕飯の準備をするわ

 メグも笑顔で、そう言ってくれた

アニエスちゃんは、あたしやマナの大切な妹だからヨシくん、頼むわね

 メグとマナ、それに雪乃はアニエスの異母姉妹だ  父親が同じで、血縁関係がある

ああ、任せておいてくれ

 オレはメグたちに約束する  お屋敷の玄関ホールまで行って  ああ、一番近い応接室っていうのは、半年前に雪乃を監禁した部屋だな  ソファしかないけれど、小柄な小学生とのセックスだから丁度良いだろう  中を覗いて見ると、お茶のセットやテイッシュ・ボックスなんかがテーブルに用意されていた  オレは玄関ホールから、大きな木のドアを開けて外に出る  午後の遅い時間だけれど、まだ空は暗くなってはいない  庭の緑の匂いが爽やかだ  ゴゴゴゴゴッ  お屋敷の前の道の急な坂を下った先にある正門の巨大な鉄の扉が開く  門の前に泊まっていた3台の車のうち真ん中の黒塗りのベンツだけが、敷地の中へ入って来た  レイちゃんが運転するアニエスたちの乗った車だろう  他の2台の警護車輌はそのままお屋敷の外に待機するか、再び、みすずたちを迎えに行くはずだ  ああ、エンジンを唸らせながら坂道を上がって来るベンツの運転席にレイちゃんが座っている  助手席はルナか  ルナとコヨミちゃんは、アニエスのお付きということになっているから仕方ない  可憐も名家のお嬢様だから、安全な後部座席にしか座らせられないし  オレに気付いて、ルナがフロントガラス越しに笑顔で手を振る  後部座席の子たちにも、教えたようだ  なぜか、ベンツは坂の途中で、ブオオンッと停止した  ガチャッと、後部座席のドアが開く  超お嬢様校の気品のある伝統的なセーラ服を身に付けたアニエスが、車内から飛び出して来た

パパっパパ、パパ、パパッ

 全力で坂を駆け上がって、オレに向かって走って来る  オレも、アニエスに向かって坂を駆け下りる  オレは、ギュッとアニエスの小さな身体を抱きしめてやる  うん、いつもより体温が高くて身体が強張っている  かなりのプレッシャーに堪えてきたんだな

パパぁぁ、ぁぁっ

 今朝から10時間ぐらい離れていただけなのに  アニエスは、まるで10年ぶりにオレに会ったかのような感激ぶりだった

ああーん、パパの匂いですのっパパ、パパ、パパぁぁ

 アニエスがキスを求めて来るから唇を重ねる  12歳の金髪美少女は、オレの舌を激しく求めた  チューッと強く吸って

んんっ、ぷはぁぁ

 唇を離す

どうだって、学校は

 オレが笑顔で尋ねると

とっても怖かったですのぉぉぉぉぉ

 アニエスは、ヒシッとオレに抱きついたままそう答えた  そのまま、アニエスを抱きかかえてお屋敷への坂道を登っていく  いつの間ににか、車はオレたちを追い越して玄関前に停車していた

ホント、甘えん坊だよねアニエスちゃんは

 レイちゃんが、運転席から降りて来てオレたちに言う

レイちゃん、運転、ご苦労様ありがとう

 オレが礼を言うと

これから、もう一度、学校に戻ります今日はまり子さんとエリカさんをご実家にお連れしないといけませんから

 ああ、まり子やエリカは週の半分ぐらいしかお屋敷に居ない  桜子や可憐は、家に戻らないでほとんどの時間を、オレたちと一緒に過ごしているけれど

うん、よろしく頼むよ

かしこまりましたオーナー

 そうだ今のオレは、香月セキュリティ・サービスのオーナーなんだ  可憐が、深々とオレに頭を下げる  ルナとコヨミちゃんたちも、それぞれの通学カバンを抱えて車から降りてくる  みんなもちろん、お揃いのセーラー服姿だ  ああ、アニエスのカバンは、ルナが持ってくれている

どうだって、新しい学校は

可憐ちゃんが全部、案内してくれました

それに、みすずお姉ちゃんたちがわざわざ、小学部の校舎まで来てくれたんだよ

 ルナが笑顔で答える

香月みすず様、瑠璃子様、美子様に狩野桜子様に鳥居まり子様、そして

まり子様が、ご連絡して下さいまして歌晏桃子様も、お出で下さりました

 桃子姉ちゃんまで

3大名家のご令嬢たちが揃ってアニエスさんたちをよろしくと、クラスの子たちにお願いして下さったんです

うん、みんなビックリしてたよね担任の先生が、一番驚いてたけれど

 確かに香月家、歌晏家、狩野家の血を引く美少女たちがズラッと並ぶのは壮観だろう

それに、教室まで翔お姉様と麗華お姉様も、同行して下さいましたから

 コヨミちゃんが、恥ずかしそうに言った  ああ、みんなお金持ちのお嬢様たちばかりだから香月セキュリティ・サービスの現場責任者の翔姉ちゃんと、一番顔と名前が知られているトップ・エリートのレイちゃんの登場にはビビるよな

怖い大人も顔を出しておかないといけないって翔お姉様が

 レイちゃんが、苦笑する  ああ、小学6年生ぐらいらなればみすずたちと親しいということで、逆にアニエスたちに反発する子もいるだろう  イジメとかまではいかなくても、イタズラぐらいは仕掛けられるかもしれない

ですから、ちょっとだけプレッシャーを掛けておきました

 アニエスたちに何かあったら、香月セキュリティ・サービスが動くと知れば  トラブルが起きる可能性も減る

それでアニエスは、どうだったんだ教室では

 アニエスは、オレに強くしがみつく

それが兄さんアニエスちゃんたら

 ルナが笑って言う

ボクとコヨミちゃんと可憐ちゃん以外の子とは一言も喋らないんだよ話し掛けられても、恥ずかしそうにうつむいてて眼も合わせないんだもの

ううっ、言わないで下さいですの

お屋敷の中では、いつもあんなにお喋りなのにボクたちに話す時だって、耳元にボソボソって小さな声で囁くだけなんだもん

 アニエスは、この半年で大きく変わった  今は、年少組の女大将みたいにいつも元気に、表情豊かにお喋りばかりしているけれど  半年前は、誰ともコミュニケーションが取れなくて全く喋らない子だった  新しい環境で昔に戻ってしまったか

話し掛けているのに、返事をしないんじゃクラスのみんなは、アニエスに良い印象を持たなかったんじゃないか

それは無いよアニエスちゃんは見た目が日本の子じゃないから、まだ日本語が良く判っていないって思ってくれたみたいていうか、兄さん香月家のガーデンパーティの時に、そういう設定で名家のお嬢様たちに紹介したでしょ

 香月家の遠縁で、中東辺りの王族の娘プリンセス・アニエスとして紹介したんだっけ

あの日のパーティに臨席していた松島家のご令嬢がわたくしたちのクラスに、お一人いらっしゃいますからその方が、皆様にお話しして下さいました

可憐ちゃんもだよ兄さん、可憐ちゃんて学校の子たちにすっごい人望があるんだよ可憐ちゃんが、たくさんのお友達をボクたちに紹介してくれたんだ

ですから、アニエスちゃんが学校に慣れるまでの間にわたしたちが、クラスの子たちと先に仲良くなっておきます

 ルナとコヨミちゃんが、そう言ってくれた  とりあえずは問題無しかな  今の内は日本語に慣れていない、恥ずかしがり屋の子だと思われていた方がアニエスにとっては、良いのかもしれない

ボクもそう思うよ

 ルナとコヨミちゃん゛、オレの心を読んでそう答えた

では、わたくしは任務に戻ります

 レイちゃんがそう言って、笑顔でオレに敬礼すると車に乗り込む

レイちゃんお仕事、頑張って下さいですの

 アニエスが、オレにしがみついたままレイちゃんに言う  半年前からの流れでアニエスとレイちゃんは、実は仲良しだ  アニエスが最初に心を開いた家族がレイちゃんだったし  レイちゃんは、運転席から笑顔でオレたちに手を振ると  すぐにベンツをUターンさせて、正門の方へ下りて行った

さて、中へ入ろう

 日暮れにはなっていないけれど、大分、太陽が傾いてきて気温が下がってきた  オレに抱きかかえられたまま、アニエスが言う

判っているよ約束だろ

 オレは今朝学校から帰って来たらセックスすると、アニエスに約束した

そうなんですけれどアニエスは、今日は、みんなにいっぱい、いっぱい助けてもらいましたのだから

 アニエスが、オレを上目遣いで見る

アニエスは後でいいですから先にルナや、コヨミちゃんや、可憐ちゃんにセックスしてあげて下さいですの

 アニエスは恥ずかしがり野お姫様になってしまったことに、コンプレックスを感じているんだな

そうだよ、アニエスちゃん先に兄さんにしてもらえばいいよ

わたしもそれでいいと思います

 可憐、ルナ、コヨミちゃんが言う

それなら、みんなでしようよ

みんな仲良くがうちの家訓なんだからさ

はいですのっそれがいいですのっ

 元気に、アニエスが言う

マナが、そこの部屋を使って良いってお茶とかの準備もしてくれたんだよ

 オレは、眼で示す

早く、行きましょうですの

ああ、行こう

 オレはアニエスを抱えたままお屋敷の中へ向かう

あ、待ってドアを開けるから

 ルナと可憐が、玄関の大きな扉を開けてくれた  そのまま、アニエスと玄関ホールへ  さらに、例の応接室へ向かう  可憐とルナとコヨミちゃんもそのまま、オレたちの後ろを付いて来る

あ、パパ学校のアニエスたちのクラスに、すっごい綺麗な子がいましたの

 オレに抱かれたまま、アニエスが言う

あの子は良いですのお勧めですのパパは、あの子とセックスするべきですの

あの子は、身体も充分発育していましたからセックス大丈夫ですのアニエスが保証します小学生のうちに、セックスしちゃった方が良いですの

アニエスちゃん、その子のことがとっても気に入ったみたいなんです

 コヨミちゃんが、笑って言う

一応、ボクがその子の心を覗いて見たけれど悪い子じゃないかったよ正確の良い子だと思う邪念とか悪意とか、心の中に無かったしあ、もちろん処女だったよ

 ルナもすでにチェック済みなのか

慶良間レオナさんのことですよねわたくしたちのクラスで一番目立つ子なら

そうそう、その子だよアニエスちゃんが注目してたのは

とっても明るくて優しい方ですわ名家の一員ではございませんがケラマ酒造の会長のお孫さんです

 ああ日本酒で有名なもっとも、今はウイスキーやワインやビールなんかも作っているはずだ  超お嬢様校の生徒なら由緒正しい良家の令嬢なのは当然だ  ほとんどの子は幼稚部から持ち上がりだから可憐がクラスメイトのことに詳しいのは当然だ

パパ、あの子は良いですの

 そんなに気に入ったんだ

じゃあ、まずアニエスが、その女の子と友達にならないといけないな

 オレはアニエスに、そう告げる

それでアニエスが、オレに紹介してくれよ

 その子が、アニエスの友達第1号になってくれれば有りがたい

えー、どうしてですの

 アニエスは、不思議そうにオレに尋ねる

アニエスがお友達にならなくてもパパとセックスしたら、あの子もアニエスの家族になりますのに

先週の水曜日にとある人に会って以来、体調が良くない

理由が判った

あの人は、とても人当たりが良さそうでフレンドリーに話していたけれど

内面からは私に向かってかなりの量の悪意を放出していた

長時間悪意を受けとめるとそりゃ体調も悪くなる

1313.誰そ彼(たそがれ) / 無邪気な帰還 (続)

 アニエスは、無邪気な笑顔でオレに言う

でも、アニエスちゃん公お兄様は、とてもお忙しい方ですからアニエスちゃんがまず、慶良間さんとお友達になって、こちらのお屋敷にお招きしてさしあげるべきですわ

 可憐が助け船を出してくれた

うー、でも慶良間さんはもう可憐ちゃんとは、お友達ですのですから、可憐ちゃんがお招きすれば良いと思いますの

確かにわたくしは、慶良間さんとは幼稚部からずっと一緒ですけれどそんなに親しくはありませんわそれに今のわたくしは香月家に預けられていることになっていますから、わたくしがこちらのお屋敷にどなたかをお招きすることはできませんわ

 公式には可憐は、香月家の本家の邸宅に行儀見習いという身分で、みすずたちと暮らしていることになっている  可憐が客を招くとしたら、香月家の邸宅に招待するということになってしまうから、招かれた方も困惑するだろう

うー、じゃあ、ルナかコヨミちゃんがお友達になってきて下さいですの

 アニエスは、そう言うが

それはダメだよボクとコヨミちゃんはアニエスちゃんのお付きということになっているんだから慶良間さんは、大きな会社のお嬢様なんだからアニエスちゃんがお友達にならないと、ここに招待なんてできないよ

うん、わたしたちは3人で1つのチームなんだよアニエスちゃん

そうだよアニエスちゃんがご主人様役でボクたち2人がお付き役なんだよそれで、今日、何とか学校へ行けたんじゃないか

はいですのルナとコヨミちゃんがいなかったらアニエスは、気絶しちゃってたと思いますの

 アニエスは、2人に言う

うん、アニエスちゃんのサポートはボクたちがするそれは、明日からもずっとだから安心してていいよでも、アニエスちゃんもチームの一員として、ちゃんと自分の仕事をしてくれないと困るよ

 ルナが優しくそう告げる

アニエスの仕事ですの

そうだよチームの代表はアニエスちゃんなんだからアニエスちゃんが慶良間レオナさんと友達にならないといけないしここへ招待するんなら、アニエスちゃんが声を掛けないといけないんだよ

うんそれは、アニエスちゃんのお仕事だよ

 ルナとコヨミちゃんがアニエスに微笑む

うー、でもアニエスは

 アニエスは家族以外の人たちと人間関係を作ることに怯えている

大丈夫、ボクとコヨミちゃんが付いているから

アニエスちゃんと慶良間さんとお友達になれるように、わたしたちも頑張ります

 ルナたちだけでなく、可憐もアニエスに協力を約束した

アニエスほんのちょっとの勇気だよ

アニエスはさそもそも、その慶良間レオナさんていう子を、オレとセックスさせたいんじゃなくってアニエス自身が、慶良間さんと仲良くなりたいんだよ

 今のアニエスにとって親しい間柄になるのは、家族だけだ  だから、慶良間さんもオレとセックスして自分の家族になって欲しいと願っている

でも、ホントに可愛い子なんですのパパはきっと気に入りますの

そうかもしれないけれどオレのところに連れて来る前に、まずアニエスがお友達になって来いオレが会うのは、それからだ

 うつむくアニエス  自信が無いらしい

ルナその慶良間さんていう子は、本当に良い子なんだな

 改めて、尋ねる

うん、大丈夫意地悪な子は、ボクとコヨミちゃんがアニエスちゃんから遠ざけるから

 巫女の力を持つ2人がオレに約束してくれた  アニエスが学校で友達を作ることは大切だけれど  いきなり悪い子に当たって友達作りがトラウマになったらマズい  最初の何人かの友人は厳選して、良い子を探さないと

わたくしが見聞きしている限りではとても良い方だと聞いております

でも、何で可憐は昔からずっと同じ学校なのに、慶良間さんとは親しくないんだ

 超お嬢様校は、家柄の高い資産家の令嬢しか入学できないから生徒数が限られている

1つの学年の生徒数も少ない

 幼稚部から一緒ならもう8年ぐらいは、毎日校内で顔を合わせているはずなのに

慶良間さんのおうちのケラマ酒造はわたくしの父が親しくしております飲料メーカーのライバル企業でございますから

 お嬢様同士だとそういう問題もあるのか

幼稚部ですと子供たち同士で仲が良いだけでなく、お母様同士の関係で何となくグループになりますので

 母親たちが夫の仕事などの関係をグループ分けに持ち込む

それにわたくしの水島家は香月様に近い名家の一員でございますから、名家ではない慶良間さんの家とは、元から交流がありませんしたし

 幼稚部の段階で、親の都合で違うグループになってしまってそのまま、現在まで疎遠なままになっているんだ

特に、慶良間さんと敵対しているわけではないのですが今は、親しくお話するような間柄ではありません

もちろん、公お兄様がお命じになられるのでしたら明日から親しくしていただけるように努力致します

いや、その努力はアニエスがしなくちゃなアニエスが言い出しっぺなんだから可憐は、アニエスのサポートだけに徹してくれ

 可憐は、ニコッとオレに微笑む

ただ慶良間家のことは、翔姉ちゃんに頼んで、詳細に調べてもらわないといけないな

あの慶良間さんのお家は、ケラマ酒造の経営をなさっているわけですから

 話し出す可憐をオレは制する

それは聞いたけれど可憐が知っていることが全てじゃないだろ

ルナが慶良間さんの心をチェックしてくれて悪い子じゃないってことも判っているけれど慶良間家の中で、子供には教えていないような問題が起きているかもしれないし

 そうだ、可憐やルナが見てきたのはごく一部の情報だ

オレたちは香月家と深く結びついているんだから慶良間さんとコンタクトした結果、香月家に何か迷惑が掛かるようなことになってはマズイだろ

パパ、どういうことですの

ほら、さっき可憐が水島家は、慶良間家のライバル企業と仲が良いって話をしていたろそういう家同士とか、企業同士の細かい関係もあると思うんだよもし、慶良間レオナさんがオレたちの家族になったとしたらケラマ酒造ごと、香月グループの仲間にしなくちゃいけなくなるかもしれないそうなったら水島家と親しいライバル企業はどう思う

お嫌でしょうねその企業は、水島家を通じて香月グループと親しくなりたいとお考えのはずですから

 可憐が答える  慶良間レオナさん1人の動向で飲料メーカー同士の抗争に発展してしまうかもしれない

しかも、香月グループとケラマ酒造を引き合わせたのが、水島家の可憐だって知ったらそこの会社と水島家の関係だって悪くなるかもしれないだろ

確かに公お兄様のおっしゃる通りですわ

申し訳ございませんわたくし、浅はかでございました

 オレに謝る

パパそれって、アニエスは慶良間さんとお友達になってはいけないってことですの

 アニエスは、青ざめた表情でオレに言う

そうじゃないよそういうことじゃないアニエスが、慶良間レオナさんと友達になることは何の問題もないそれは大丈夫だからルナたちに協力してもらって、仲良くなれよ

でも、慶良間レオナさんをオレの女にするとか、オレたちの家族にできるかどうかは色んなことを調べてからじゃないとダメなんだそうしないと、後で色んな問題が起きてくるかもしれないから

うー、でも

アニエスはあの可愛い子と家族になりたいですの

 そんなに気に入っているんだ

アニエスの気持ちは判ったでもこればっかりは、ちゃんと調べてみないと判らないんだオレたちは、家族だけで生きているわけじゃないからな家族の外のたくさんの人たちに、助けてもらっているんだだから、周りに影響が出るかもしれないようなことは、慎重に進めていかないといけないんだ

 オレは優しく言う

もちろん、何も問題がなければできる限り、アニエスの望む通りにしたいと思っているよでも、そうならないかもしれないって可能性も、頭の中に残して置いてくれよ

 ケラマ酒造の経営状態、周りの企業との関係、当主の交友関係  香月セキュリティ・サービスなら、すぐに調査できるだろう

うー、判りましたの

 アニエスは、何とか納得してくれた

わたし、お茶を入れますね

 応接室に入るとコヨミちゃんが、そう言った  机の上には、マナが用意してくれたポットとティーカップ紅茶を入れるセットがある  ああ、色んなクッキーの入った缶も

そうだなちょっとお茶でも飲んで落ち着こうよ

 オレたちはソファーに座ってまずはお茶の時間にする

このクッキー美味しいんだよねアニエスちゃん、どれ食べる

 ルナが缶を開けてアニエスに勧める  缶の中には、色んな種類のクッキーが詰められていた

ありがとうですのじゃ、これとこれをいただきますの

 アニエスは、2つのクッキーを缶から取った

オレは1個でいいやアニエスの右のと同じやつをくれよ

はい、これですのね

そうそう、それだ

可憐ちゃんはどれにしますの

わたくしはこれをいただきます

 その間に、コヨミちゃんが入れてくれた紅茶のカップをルナが配っていく

えん、ありがとう

 オレは、コヨミちゃんとルナに礼を言った

じゃみんなの初登校が無事に終わったことを祝して、乾杯だ

熱い紅茶の入ったカップだから気を付けてね

 コヨミちゃんが心配そうに、オレたちに言う

ああ、口で乾杯って言うだけだからな高く掲げたり、カップとカップを合わせたりするのはナシだぞ

 一応、そう言っておく

みんな準備はいいな

それじゃ乾杯っ

 アニエスは、嬉しそうだった  とにかく、学校のことは大丈夫そうだな  ルナもコヨミちゃんも可憐もみんな賢くて、しっかり者で、優しい子たちだから

ところでアニエスは、慶良間レオナさんのどこが気に入ったんだ

 オレは紅茶を飲みながら、ふと浮かんだ疑問を尋ねてみる  これからアニエスの友達候補を探していくのに良い目安になるかもしれない  アニエスは、恥ずかしそうに答える

あの子がパパの赤ちゃんを産んでくれたら、きっと生まれてくる赤ちゃんは可愛い子だろうなって思ったんですの

あ、もちろん、今すぐの話じゃないですのセックスは、身体ができていれば小学校6年生からしてもいいですけれど赤ちゃんを産むのは、高校生になってからだっていうこと、アニエスはちゃんと判ってますから

アニエスも高校生になったら、雪乃ちゃんみたいにすぐにパパの赤ちゃんを妊娠しますのっ

いやいやいや、アニエス確かに、雪乃は高校1年生でもう妊娠しているけれど

 オレがレイプして孕ませた

でも、それはうちの家族の中のことで世間一般の常識とは、違うからな

判ってますの絶対に高校生になったら妊娠しなくちゃいけないんじゃなくって希望する人だけですのメグちゃんは、足が速くなりたいから卒業まで妊娠しないみたいですし愛ちゃんも、パン作りの勉強中は赤ちゃんはまだ産まないって言ってましたの

でも、アニエスは待ちきれませんからまだ4年も先ですの高校生になったら、すぐにパパの赤ちゃんが欲しいですのそして、その時に今日、見たあの子も、アニエスと一緒にパパの赤ちゃんを産んでくれたらいいなって思いましたの

ほら、雪乃ちゃんは渚さんと一緒に、赤ちゃんを産みますのそれだと、産まれ行く来る赤ちゃんが寂しくないですの一緒に産まれてくる子がいるんですからだから、アニエスはあの子とパパの赤ちゃんを妊娠したいなぁって思ったんですの

 するとルナが

そんなの慶良間さんじゃなくてもボクが、一緒に妊娠してあげるよ

わたしもアニエスちゃんと一緒に産みます

まだエッチできないわたしが言うのは変かもしれませんけれど4年先なら、きっと赤ちゃんができる身体になってますから

それでしたらわたくしも、お約束致します

 可憐もそんなことを言い出した

わたくしが公お兄様のお子様を出産することは、すでに決まっているわけですからせっかくですから、皆様と出産時期を合わせますわ

みんなありがとうですの

 アニエスは、感激していた

うん、ボクたちは約束するでもできる限り、慶良間レオナさんも一緒に兄さんの赤ちゃんを産んでくれるように、みんなで働き掛けるよ

調査の結果が出て、公お兄様のお許しが出ればですけれど

わたしたちも、慶良間さんに頼んでみますから

 3人の小6少女たちは、アニエスに約束する

はいですの、はいですの、はいですのっ

 アニエスは本当に嬉しそうだった  ああ、こうやってこの子たちは  親友よりも、血を分けた姉妹よりも濃い関係に  家族になっていくのか

さあて、お茶飲んだし、クッキーも食べたしアニエスちゃんも、気持ちが落ち着いたよね

ということだから兄さん、大変長らくお待たせ致しました

パパセックスしましょうですの

 元気が100倍になって、アニエスは笑っている

あの公お兄様、わたくしたち、制服を着たままの方が良いですか

 可憐がそんなことを尋ねて来る

あのアニエスちゃんのせっかくの初登校の制服ですから、汚さない方が良いと思うんです

 ああ、セーラー服の予備はあるって聞いているけれど  今日の制服は、大切にしたいよな

そうだなアニエス先に制服を脱げ

だったら、みんなで一緒に裸になりましょうですの

パパも、アニエスたちもみんなで裸になって、楽しくセックスしましょうですのっ

中国のバブル崩壊がとんでもないことになっているのに

マスコミでの報道は、ギリシャ危機より下の扱い

日本に影響が大きいのは、隣の国の方なのに

ホント、マスコミはどうなってんだか

ていうか1週間で420兆円ブッ飛んだらしいですね

それでもテレビの話題は外国人観光客の爆買いって

1314.誰そ彼(たそがれ) / メタモルフォーゼ

 アニエス、ルナ、コヨミちゃん、可憐小学6年生の美少女たちが、お揃いのセーラー服を脱いでいく

パパ、コヨミちゃん大分、大人っぽい身体になってきましたの

 12歳なのに、小学校中学年ぐらいだった体格が年相応に発育してきたつていうレベルの話だ

おっぱいも大きく膨らんできてますの

 そうは言ってもジュニア用のブラジャーを付けないで済む程度だ

もうちょっとだな急ぐことはないからいっぱい食べて、いっぱい寝れば、もっともっと大きくなるから

 オレは、コヨミちゃんにそう言う

済みませんお待たせしてしまっていて

 コヨミちゃんは、恥ずかしそうに自分の胸を見る

身体の成長なんて、人それぞれなんだから気にすることはないよ

でも、パパコヨミちゃんは、せっかく小学生の時にパパに出会えたんですから、小学生のうちにセックスできた方が良いですの

こんなに楽しくて気持ち良いこと早く経験しないと損ですの

そんなことないよ、アニエス

パンだってさ、イースト菌で発酵させて生地を寝かせる時間が必要だろ慌てて、発酵しきってないのに焼いたって、美味しいパンにはならないよ

 アニエスの可愛いジュニア・ブラに包まれた胸にオレは触れる  日仏ハーフのアニエスは、本当に発育が良い  プニプニと弾力のある良いおっぱいだ

アニエスは、もうセックスできる身体になってたコヨミちゃんは、まだもうちょっと、待ってあげようよ

 アニエスは、コヨミちゃんに振り向き

ごめんなさいですの、コヨミちゃんでも、アニエスは早く、コヨミちゃんと一緒にパパとセックスしたいんですの

 白坂創介による長年の歪んだ教育でアニエスの心の中では、セックスが人間関係において一番重要なものになっている

コヨミちゃんは、アニエスの大切な家族ですけれどもっともっと仲良くなりたいんですの

大丈夫だよコヨミちゃんも、ボクたちと一緒にこうやって裸になって、兄さんにご奉仕するんだから兄さんのオチンチンを身体に受け入れるのは無理でも舐めたり、コスったりはできるんだし

 ルナが笑顔でそう言う

はい、わたしも一生懸命、ご奉仕します

 コヨミちゃんは、オレにそう言ってくれた  下着姿の可憐が不意に口を開く

今日、学校のお友達に最近、大人っぽくなったって言われました

はいですの可憐ちゃんは、パパとセックスするようになって、とっても大人っぽくなりましたの

そうだよね雰囲気からして、グッと大人な感じになったよね

 アニエスとルナが言う  確かに、数週前に処女を失ってから何度もセックスを重ねて

可憐には、不思議な色気が漂うようになってきている

可憐ちゃんは、マナちゃんに似てますのマナお姉ちゃんもどんどん大人っぽくなっていますから

うん、マナお姉さんは14歳には見えないもんねいや、顔とかお肌とかをよーく見ると間違いなく中学2年生なんだけれど時々、ゾワッとするくらい色っぽい時があるよ

克子さんの雰囲気に似ているんですよね

 アニエスとルナの言葉にコヨミちゃんが付け足す

ああ、そうかもマナお姉さん、克子お姉さんの直弟子だから雰囲気まで似て来ちゃったんだよね

でも、変わらない子もいますの

 ルナに、アニエスが言う

ミタマちゃんとかキヌカちゃんとかはそんなに変化は無いですの

 安城姉妹は最初っから自分の世界を持っているからな

ボクだって、そうだよ昔とそんなに変わってないと思う全然、大人っぽくならないしおっぱいの大きさも、そんなに変わってないから

 ルナが、自分の胸をブラの上から持ち上げて微笑む

いや、ルナも変わったよ

よく喋るようになったし、よく笑うようになった

 京都の鷹倉神社から、東京に逃げて来たばかりの頃はこんなに表情が豊かでは無かった

それはうん、そうかもしれない

 ルナも微笑む

ボクとコヨミちゃんは、本当の従姉妹だけどちゃんと色んなことが話せるようになったのは、ここに来てからだもん前のボクは、もっと内気だったと思うボクも変化しているんだコヨミちやんもだけど

そうですねわたしもここへ来て良かったと思います

ここは、皆さんわたしに優しくしてくれますしホントに家族なんですよね

当たり前ですのアニエスは、コヨミちゃんも、ルナも、可憐ちゃんも、みんなみんな大好きですのっ家族なんですから

 アニエスが、大きな声で叫ぶ

もちろんパパが一番大好きですの家族はみんな大好きとってもとっても大切なんですの

わたし本当のお父さんとお母さんは、もういないですけれどあの人たちより、今の家族の方が身近に感じるんです大切な人たちなんです

 コヨミちゃんの両親は鷹倉神社の巫女にまつわる事件の時に、亡くなった

ボクもそうだな京都に居た頃は、両親とはそんなに親しくしている余裕は無かったし

 ルナの母親は、鷹倉神社の巫女ですでに、巫女特有の神経衰弱を発症していた  父親は母親に付きっきりでルナたち姉妹の面倒を見ている余裕は無かった

今はとっても幸せだよ家族の中に悪い人がいないんだものみんな、本当にボクたちを自分の家族だと思ってくれてるボクは、それが判るから

 ルナは人の心が読める

京都の頃はいつも緊張してて、恐る恐るしか人と接触できなかったけれど両親だけじゃなく、月子お姉様や夜見子お姉様にも壁を作ってたと思うあの頃はでも、今はこのお屋敷の中に居る限り、ボクたちを騙そうとする人たちは居ないから

 鷹倉神社には巫女を利用しようとするヤクザたちが出入りしていたもんな

うん、みんな嘘がないから、大好きです

 同じ力を持つコヨミちゃんも、そう言う

兄さんのおかげだよね兄さんが、嘘吐かない人だから巫女の力がなくても、思っていることが丸見えでしかも、真っ直ぐな人だからそれで家族の人たちも、兄さんには嫌われたくないからみんなお屋敷の中では正直なんだよね

 可憐が

こちらでの生活が、こんなに素晴らしいとは思っておりませんでした

わたくしは名家の一員ですが名家というものは、明確に序列が決まっています

 3大名家のうち、名前だけの狩野家を覗いて  権力と財力を誇る香月家と歌晏家が他の名家の人たちを支配している

ですから、わたくしたちの学校の中でも家の序列によって立場が変わりますそもそも、名家とそれ以外の家との間に、すでに溝がございますし

生徒が派閥ごとにグループに分かれてそのケンカしたり、イジメとかもあるのか

 オレは、思い切って聞いてみる

イジメと言えるほど明確なものはございませんが色々とございます香月様、歌晏様には敵いませんが一般生徒でも、並みの名家よりも裕福な家がございますし

 ああ、まり子の家の鳥居家みたいに名家じゃないけれど、大企業のオーナーみたいなところもある

わたくしの家のように、名家の一員ではございますが資産的には大したことのない家ですと目上の名家の方たちには逆らえませんし、一般生徒の中にはわざとわたくしのことを無視する方もおりました

 可憐の水島家ような、下の方の位置の名家だと

他の名家だけでなく、豊かな一般家庭の生徒にもナメられるのか

あからさまに酷いことをされたりはいたしませんが、それでもわたくしの存在を無視されることは辛かったです

うー、どの子がそんなことをしたんですのっアニエスが明日、その子に文句を言ってあげますのっ

アニエスちゃんが行かなくてもボクとコヨミちゃんが、何とかするよ

わたしたちの力可憐ちゃんのためにも使って構いませんよね

 ルナの宣言を聞いて、コヨミちやんがオレに尋ねる

もちろんだ可憐のために頼む

いえ、あ、あの公お兄様、今はもう、そんなことはなくなったんです

 慌てて、可憐が言う

さっき、お話ししたわたくしに大人っぽくなったと声を掛けて下さった人が、ずっとわたくしのことを無視していたクラスメイトなんです

わたくしの雰囲気が変わったからお話してみたくなったんだそうです

 ほんの数週間で、12歳とは思えないほど大人びていった可憐を見て  今まで可憐を無視していた女生徒が可憐に興味を持ったんだ

ああ、判る自分よりも、少しぐらい可愛かったり、成績が良かったり、良い家の子だったりすると反発して無視してやれって思うけれど自分よりも圧倒的に優れている子だと、反発心とか吹き飛んじゃうよね

はい、ですからこれは、わたくしがこちらのお屋敷に置いていただいて皆様の影響を受けることで、良い方向に変化しているということと

 そこまで言って、可憐は恥ずかしそうに、オレを見上げる

公お兄様に、ベッドの上で優しくしていただいているからだと思います

わたくしは、もう子供ではございませんから公お兄様に女にしていただきましたから

わたくしのような女でも、公お兄様に悦んでいただけるということが自信に繋がっているのだと思います

そうですのパパを気持ち良くしてあげることができれば女の子として一人前なんですのあっ

 慌てて、アニエスはコヨミちゃんを見る

ああああ、あのコヨミちゃんのことを悪く言ったわけではないですの

判ってますアニエスちゃん

 コヨミちゃんが、ニコッと微笑む

でもアニエスちゃんの言う通りですわたしはまだ半人前です

いや、ですからあの

早く一人前になれるように頑張りますだから、アニエスちゃんもうちょっとだけ、待ってて下さいね

 アニエスは、コヨミちゃんに抱きつく

アニエスはコヨミちゃんのこと、大好きですのだから、待ってますの

わたしも、アニエスちゃんのことが大好きです

 下着姿で抱き合う2人の美少女

ボクもみんな大好きだよ科研ちゃんのことも大好きだよ

わたくしも、皆さんのことが大好きですわ

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