その言葉に、反射的にアランはウィキアを見上げた。その表情には確かに、他の二人と違って拒否を示すものが浮かんでいる。いつも沈着冷静で表情に乏しい彼女があそこまで嫌悪の表情を浮かべるのなら、心からかなりの嫌悪を感じている証拠だ。
唯一の光明を見出した気がして、アランの身体に活力が戻り、心に火がともった。恐らく彼女は魔術を封じられ、力で押し込められているのだろう。他の二人がどうしてああなったのかはわからないが、邪悪な魔術の結果には間違いない。
しかし、ウィキアには通じなかったのだ。自身も稀代の魔術師である、ウィキアにだけは。
アランは大急ぎで思考を巡らせた。策さえ思いつけば、頭のいいウィキアはすぐに合図で気づき、実行してくれるだろう。後は、この窮地を抜け出す策を思いつくだけだ。手枷を何とかして外し、ウィキアの魔術を封じている呪具を破壊し、Olを殺す。
たったそれだけの事を成せば、アラン達は元に戻れる。少なくとも、アランとウィキアは。汚されてしまった他の二人は、もう仕方ない。最悪、見捨ててもいい。だが、ウィキアだけは。まだ純潔を守っているウィキアだけは、何としてでも守らなければならない。アランはそう心に誓った。
俺が何とかする、任せてくれ。そう意思を込めて、アランはウィキアに視線を送った。数々の冒険を共にしてきた彼女は、それをすぐに察する。
ごめんなさい、アラン
そして、返した言葉は、やはり謝罪だった。
さあ、ウィキア。奴に教えてやれ。お前は、誰の物なのかを
Olはベッドに腰を下ろし、あぐらをかく。ウィキアはその前に立つと、服を胸まで捲り上げた。
ごめんなさい、アラン私は、もう、心以外、全部Olのものなの
その白い滑らかな腹には、Olの名が彫られていた。普段は見えないが、Olの魔力を当てると浮き上がる魔術の刻印。所有される物の証だった。
そんなウィキア嘘だろう? 大丈夫だ、すぐに、すぐに俺が、何とかする作戦を考えるからいつだって、危機を切り抜けてきたじゃないか。ほら俺達の、絆があれば
アランの言葉に、Olはピクリと眉を上げて反応した。
所詮、絆などこの程度のものだ。確かに、お前たちは本当の意味で、絆を結んでいたのだろう。しかしそれもこうして簡単に崩れ去る物でしかない
嘲るように、Olは言った。
しかし、その瞳はどこまでも暗くそしてどこか、悲しげな光をたたえている。その場で正気を保っているウィキアだけが、それに気づいた。
さあ。こい、ウィキア
それについて深く考える間も無く命令され、ウィキアはゆっくりと腰を下ろしてその秘裂にOlのペニスをあてがう。
やめろやめろ、ウィキアァァッ! やめろ、やめろ! やめてくれ!殺す! 絶対に殺す、殺してやる! その汚らわしい物をちょっとでも彼女の中に入れてみろ、粗末なそれを一寸刻みに切り刻んでやる!やめろ、やめるんだ、ウィキアーーーーッ!!!
魂の奥から叫ぶかのように、腕が千切れんばかりに身を乗り出して慟哭するアラン。しかし、Olはウィキアの両肩に手を置くと、一気に引き寄せ、奥まで貫いた。
あああああああっ!! 殺す、殺す、殺してやる! 呪われろ、腐り果ててしまえ!あああああ! 絶対に許さない! お前らもだ! Shal、ナジャ!この売女ども、そんな男に色目使いやがって、この、クソったれの、あばずれが!
アランに見せ付けるように、彼の前で貫かれたウィキアの秘裂からは鮮血が流れ出た。今まで守ってきた彼女の純潔が、まさに今、奪われた証だ。
アランは口汚く罵倒し、呪いの言葉を吐いた。優しく、正しく、勇敢だった彼の変わり果てたその姿を見て、ウィキアの心の最後の砦が、粉々に砕け散った。
肉体全ての権利を取り上げられ、排泄行為さえもOlの許可が無ければままならない。人間としての尊厳全てを失った彼女の最後の拠り所が、アランだったのだ。しかし、それも今、失望と幻滅と共に失ってしまった。
その様子を冷静に見極め、Olは彼女の耳元でささやく。
さあ、ウィキア。あの下品で野蛮な男に教えてやれ。真名と共に、お前の主が誰であるかを
私の、主はこの、ウィクトル・クィア・ウィクティマの主は、Ol様、あなたです!
それは、若く才能ある魔術師が、老いた邪悪な魔術師に魂を売り渡した瞬間だった。
強烈な快感がウィキアの身体を貫き、一瞬にして彼女は絶頂に至る。魂を直接捕まれる感触は心の底から凍えるほどに恐ろしく、身体の底から痺れるほどに甘美だった。
真っ白だった自分の魂が、黒く染まっていくのをウィキアは感じた。それは途方も無い快感だ。その快感を知ってしまっては、もう元に戻ることなど出来ない。
Shalがあれほどまでに乱れ、求める様をウィキアは内心蔑んでいたが、今なら誰よりも彼女の気持ちがわかる。この快感をOlに抱かれれば何度でも味わえるというなら、何度でも魂を売り渡そう。
殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す!殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す!
まるでそれしか言えなくなったかのように、アランは狂ったようにいや、実際もう狂っているのかもしれない。とにかく、そう叫び続けた。
殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す!絶対に
しかし、その言葉はいつまでも続くことは無かった。
ナジャが振るった剣によって、首と胴とが分かたれたからだ。その場の誰もが気づかない事だったが、それはアランが手に入れ、切り裂きの剣と名をつけたものだった。
四人が力を合わせ、アランの手からナジャの手へと宙を舞ってミノタウロスの首を刎ねた剣が今、アランの首を刎ねた。
憎悪と呪いをたっぷりとその身に抱え、首を刎ねられた死体はOlの魔術によってすぐさま魔物へと変化させられる。あらゆるものを呪い、あらゆるものを憎む、不死の狂戦士デュラハンの誕生だ。
折角高い金を払って食事をまかない、武具を用意したミノタウロスがあっさり殺されたが、こいつならその代わりを補って余りあるだろう。第二階層の守護室に配置しておけ。後、ドヴェルグどもに言って防具も一式用意させろ。ああ、盾はいらんぞ。左手には自分の首を持たせるからな
今しがた本人の首を刎ねた剣を持たせ、部屋の外のリルに声をかけ、デュラハンの処置を任せる。憎悪というのは魔の根源となるものだ。ただのリビングデッドとはわけが違う。
はーい。ご主人様はどうするの?
ウィキアは今が初めてで、三人揃うのも初めてだからな。もう少し楽しませて貰うとしよう
Olは背面座位の姿勢でウィキアを貫きながら、ナジャとShalを呼び寄せ左右にはべらせる。しばらくかかりっきりになっていた大仕事がようやく終わったのだ。今晩は仕事の成果を楽しみつつ、ゆっくり休むつもりだった。
これの処理して戻ってきたら、ついでに私も相手してくれる?
少し考え、リルはそう尋ねた。以前なら文句を言っていただろうが、最近のリルは何か思うところがあるのか、こうして甘えるようにねだってくるようになっていた。
まあいいだろう。ついでにスピナと見かけたらでいいから、エレンも連れて来い
人手が少ないからと、下女のような仕事をさせてしまった二人の名を告げる。本人達は特に気にした風も無く快く承諾してはいたが、何もフォローなしでは後が怖い相手でもある。
了解! じゃ、急いでいってくるね!
リルはデュラハンを従え、文字通り飛んでいった。
果てしない憎悪を抱いた首なし騎士は、生前同様の剣の冴えと魔術を操って、これからより多くの冒険者達を血祭りにあげてくれる事だろう。
これからの事を考えながら、Olは一度目の精をウィキアの中に放った。
欲にまみれた冒険者どもに絶望を与えましょうex
さて。まずは三人でこれに奉仕して貰おうか
ナジャ、Shal、ウィキア。落としたばかりの美しき女冒険者たち三人の前に、Olはいきりたった怒張を突き出した。
あはっ♥
羞恥、歓喜、嫌悪。三者三様の反応を見せつつも、しかし三人とも食い入るようにそれを見つめる。
舐めろ
口で奉仕させるのは、Shal以外はこれが初めてだ。Shalが真っ先に先端に口づけて、次にウィキアが全てを諦めた瞳で舌を伸ばし、最後にナジャがおずおずと顔を近づける。
ふむ
それぞれ性質の全く異なる三人の美女に奉仕させる光景は、男であれば誰でも奮い立つような、征服欲と加虐欲を満たすものだ。しかしそれはあくまで精神的なもので、純粋な快楽というと今一つと言わざるを得なかった。
Shal。手本を見せてみろ
はいっ!
元気よく返事をする白アールヴの少女に、残りの二人は驚きの表情で顔を引く。いつも大人しく控えめなこの少女が、こんなに自信満々に振る舞うのを初めて見たからだ。
まずお口でご奉仕する時は、あたしたちを気持ちよくしてくれるおちんぽ様にご挨拶しなければなりません
そして続く言葉に、その驚愕は更に色濃く刻まれた。
おちんぽ様、Shalが今からご奉仕させて頂きます。よろしくお願いいたします
Shalはそう言ってうやうやしくOlの怒張を掲げ持つように両手を添えると、先端にちゅっと音を立てて口づけた。それはまるで彼女が信じる神に祈りを捧げるときのような、神聖で厳かな雰囲気とともに行われ、ナジャとウィキアを更に困惑させる。
さ。お二人も、きちんとご挨拶して下さい
Shalはそのまま二度、三度とOlの亀頭に唇を落とし、そしてくるりと振り返ると、にっこりと笑顔を浮かべて朗らかにそう言った。
オOl様、よろしく
違います
折り目正しくOlの目を見つめて頭を下げようとするナジャに、Shalはピシャリと言う。
Ol様ご自身なんて、烏滸がましい。まずはOl様のおちんぽ様にご挨拶するんです。あたし達は、この太くて逞しいおちんぽ様に気持ちよくして頂くだけの雌犬なんですから。さ、ウィキアさんも
わかったお、おちんぽ様よろしくお願いいたします
よろしく、お願いします
ナジャは卑猥な単語を言わされて恥ずかしそうに、ウィキアは苦痛に耐えるようにしながらも、Shalに倣って肉槍の先端にキスを落とす。
それは別にOlがShalに仕込んだ作法というわけではない。彼女自身が自ら考え出し、Olを喜ばせるために行っていることだ。そう誘導したのは確かなこととは言え、妙な出来に仕上がったものだ、とOlは思う。
だが確かに、そうしてグロテスクな肉塊に口づけを落とされていく感触は悪くはなかった。
次に、舌で全体をお慰めします
言いながら、Shalはその愛らしい顔に似合わぬ舌を目一杯伸ばした下品な表情で、Olの男根を根本から先端へとゆっくりと舐っていく。
お種があるこのお大事な袋も、しっかりと綺麗にしてくださいね
肉槍にしなやかな指を絡ませ、ぷにぷにとした頬を擦り付けながら、Shalは睾丸の入った袋の皺を一本一本なぞるように舌を這わせる。
肉茎から裏筋、雁首につるりとした亀頭、鈴口に至るまでを丁寧に丁寧に舐めしゃぶると、Shalはほうと息をついて両手でペニスを掲げ持つ。
そして最後にお口全体でご奉仕します
言うやいなや、巨大な男根はShalの口の中に根本まですっぽりと咥え込まれた。
んっじゅぷっちゅぷ、じゅるるっ
子供の頭程もあろうかという長大なペニスが、その小さな口内に収まりきるはずがない。Shalは喉奥まで肉槍を咥え込みながら、じゅるじゅると音を立てて激しくそれを愛撫する。
くっ出すぞ!
彼女の巧みなディープスロートには流石のOlも堪えきれず、彼はShalの頭を両手で掴みながらその喉奥に精を放った。
んぶっん、ぐっ!
Shalは幾分苦しそうにしながらも、それを喉の奥で受け止める。断続的に吐き出される白濁の液を全てShalの口内に出し切ると、ずるりと粘液の橋をかけながら、男根がShalの口の中から引きずり出された。
いたらきます
Shalは溜まった白濁をOlに確認させるように大きく口を開いて見せると、噛み締めながらその味をじっくり舌で味わい、ごくりと飲み干す。
ごちそう様でした♥
そして幸せそうなうっとりした表情でそう告げると、唇を指でなぞった。
と、このように咥えさせて頂くのは三人だと出来ませんので、その前の段階舌でのご奉仕を、三人でしましょうね
あああ
ん
Shalの痴態に当てられて、ナジャとウィキアはごくりと唾を飲み込む。そして、一斉にOlのペニスへと舌を伸ばした。
むいいぞ
今度の奉仕は、先程とは段違いであった。熟練の冒険者として最も重要なのは、何より観察眼だ。Shalの変貌した様子に驚き惑いながらも、口奉仕のコツはナジャもウィキアもしっかりと学び取っていた。
Shalが亀頭をねっとりとしゃぶり、ナジャが肉茎を唇で食むようにして、ウィキアは下に潜り込み肉袋を舐める。Olの快楽が途切れぬように場所を徐々に入れ替わりながらも、三つの舌と唇とが一体の生き物のように男に奉仕していく。
時にナジャやウィキアが道を外れれば、Shalは目配せをするだけでそれを指摘し正しい位置に戻す。それは奇しくも、全体を見回しShalがフォローするという、彼女達が冒険者として戦うときと同じ構図であった。
いくぞっ!
はい、来て下さいっ!
絶妙なコンビネーションで襲い来る舌奉仕にはさしもの魔王も敵わず、苦悶の声を上げる。先端を口に含んでいたShalはさっと唇を外して後退ると、とどめを刺すかのようにその男根を手で扱き立てた。
く、うっ!
吐き出される精液が雨のように降り注ぎ、三人の顔を汚していく。
はぁ♥
それを浴びながら、Shalはぶるりと身体を震わせた。絶頂に至ったのだ。
ありがとうございました
髪や顔にべっとりと張り付いた精子は拭おうともせず、Shalは吐精しきったOlのペニスに口をつける。そして肉茎を扱き立てて尿道の中に残った最後の一滴まで吸い出し、次いで男根の全体を舐め清めた。
なるほど口での奉仕の技、よくよく感じ入った
己の顔についた精をぺろりと舐め取りながら、ナジャは素直に感嘆する。Shalの見せた工夫の数々は、今までただOlに抱かれていた自分では考えも及ばぬようなものであった。
だがOl様を愛する女として、精を受けるべきはやはり口よりも、ここだろう
ナジャは寝台に横たわり脚を開いて己の秘部を晒す。
Ol様。次はこちらでご奉仕させて下さい
確かに、ナジャさんの言う通りですね。Ol様ぁ、Shalのおまんこに、ご褒美欲しいですぅ
したいならすれば、いいじゃない
まるでカエルのように両足を開き、自ら花弁を押し広げて男をねだる、あさましく滑稽な姿が三つ横に並ぶ。それは酷く滑稽でありながらも、同時にどこまでも淫靡で美しい姿であった。
よかろう
Olはナジャに覆いかぶさるように組み敷くと、一気にその秘裂の中に怒張を押し入れる。口奉仕によって興奮し濡れそぼったそこは何の抵抗もなく男を受け入れると、嬉しそうにわななきながらきゅうきゅうと締め付けた。
あはぁんっ♥
普段の凛々しい様からは考えることも出来ない甘く媚びた雌の声色が、押し出されるように喉から漏れる。
Olさまぁ
ぎゅっとOlの背にナジャの腕が回され、むっちりとした肉付きのいい脚がその腰に絡みつく。張りのある大きな乳房がOlの胸に潰されて、ぐにゅりとその形を歪めた。
Olはそのままナジャをぐいと抱き寄せ、その唇を奪う。
んふ、ぁ♥
舌と舌とが絡み合い、ちゅぷちゅぷと音を立てながら唾液が混ざり合う。
きしゅしゅきぃ♥
つうと銀の糸を引いて唇が離れる頃にはナジャの表情は蕩けきって、もはや精悍な女剣士の面影はどこにもなくなっていた。
Ol、しゃまぁっ!すき、ですぅっ!しゅきぃっ!
一突きされる度に悦びの声を上げ、全身でOlの抽送を受け入れるナジャ。溢れ出た愛液が泡を立て、Olの男根を濡らしててらてらと光る。
いくぞ!
はいっください、Olさまの、おくにっ!あぁっ!
鍛え上げられた戦士の筋力を持って膣がぎゅっとペニスを締め付け、一滴も逃すまいというかのように絡みつく。背に回された腕が、腰に回された脚が、吸い付いてくる唇と舌が。ナジャの身体の全てがOlの射精を待ち望み、乞い願っていた。
それに導かれるままに、Olはナジャの身体の奥底、子宮の中へと吐精する。入り込んできた子種にナジャの胎内は悦びに震え、更に絞り出そうときゅうきゅうと蠢いた。全身で種付けを求める美女の肉体の快楽に抗えず、Olは一度射精を終えた後もなおも貪るように腰を打ち付け、二度、三度と精を放ち、ナジャの膣内を埋め尽くしていく。
ふぁはぁん♥
長い長い射精を終えると、ナジャはようやくぐったりと身体を弛緩させ、唇を離して甘く吐息を漏らした。腰を引き抜けば湯気が立ちそうなほどに熱く火照った愛液が、大量の精液とともにどろりと股間から溢れ出てくる。
Olさまぁつぎは、つぎはShalのおまんこぉ♥Shalのおまんこに、中出し種付けセックスしてくださいぃ♥
その光景を目にしたShalが我慢しきれずそう懇願し、Olもまた堪える意味もなく、ナジャから引き抜いた怒張をShalの秘所へと突き入れる。
はあぁぁんっ!これぇ、これですぅっ♥大好きぃっ♥Olさまのおちんぽ、気持ちいいですぅっ♥
狭く小さな穴は既にトロトロに濡れていて、するりと男の欲望を奥の奥まで受け入れる。しかし小柄な彼女の膣口は酷くキツく、猛りきったOlの男根はそれだけで精を吐き出した。
出てるぅ♥Olさまのせーえき、びゅーびゅーでてますぅ♥もっとぉ♥もっとたくさんくださいぃ♥Shalのおまんこの中、Olさまの精子でいっぱいにしてぇ♥
膣壁に叩きつけられる精液の奔流に何度も何度も気をやりながらも、Shalはただただ身体を開いて懇願する。Olはそれに応えるようにShalの両足を掴んで持ち上げると、全身で彼女に伸し掛かるようにしながら激しく突き入れ、その度に精を注ぎ込む。
あぁっ♥おちんぽぉっ♥おちんぽいいよぉっ♥おちんぽ♥おちんぽ♥おちんぽぉっ♥♥♥
身動きも出来ぬほどにがっちりと組み伏せられ、潮と愛液と精液を溢れかえらせながら、Shalはただただ卑猥な言葉を連呼しながらイキ狂った。
ああっ♥ああぁぁっ♥ひぐぅっ♥ぃぁぁあぁぁっ♥♥♥
そしてとうとう言葉も発せないほどに深く達し、小刻みに身体を震わせながら背を反らす彼女の奥の奥に、Olは思い切り白濁を吐き出す。今まで放った精を子宮の中に閉じ込めるかのように、ゼリーのような濃くドロドロとした精液で蓋をして、更にそれをそのまま子宮口に塗り込めるかのように二度、三度と擦り上げる。
ひっ♥ぐ♥ぅ♥♥♥
Shalはまるで糸の切れた操り人形のようにぐったりとしながら、されるがままにそれを受け入れた。
さて、待たせたな
Shalの中から引き抜かれた肉槍は、大量の愛液と精液にまみれててらてらと光りながら、しかし萎えるどころか凶悪なまでに硬くそそり立ちながら、残る一人──ウィキアへと向けられる。
ひっ
その威容に、ウィキアは思わず悲鳴を漏らした。
ナジャは、幻術に惑わされて心を落とされ、Olを愛しているのだと思い込んだ。
Shalは、快楽に狂わされて体を落とされ、ペニスに逆らうことができなくなった。
しかしウィキアはそのどちらでもない。
意識も記憶もはっきりしているし、肉体もまだ性交に慣れてはいない。
彼女が落とされたのは心でも体でもなく、魂だ。
故に恐れを抱き、拒みながらも、けしてOlに逆らうことが出来ない。
故に彼女は正確に状況を理解していた。
あれほど強力な快楽を覚えさせられて、落ちないわけがない。
あれほど濃厚な精を仕込まれて、孕まないわけがない。
今犯されればどうしようもなく、心も体も変質してしまう。
それはある意味で、今のウィキアが存在しなくなるということ。
消えてしまうのと同じことであった。
──だから。
おお願いOlお願い、だから
涙を流し、首を横に振りながら、ウィキアは懇願した。
早く私を、壊して滅茶苦茶に犯して!
両脚をはしたなく開き、秘所を両手で割り広げながら、自ら壊される事を望んだ。
己が消滅する恐怖を感じ続ける事に、耐えられなかったから。
案ずるな
そんな彼女に、Olはまるで恋人にかけるような甘く優しい声で語りかける。
言われずとも、すぐに全てが、どうでも良くなる
ひぐぅっ♥♥♥
言葉と同時に打ち込まれた肉の棒はまるで灼けた鉄杭のように熱く、ウィキアの身体の中から彼女の全身を焼き焦がした。痛い、などという次元の話ではない。それは魂そのものに押された焼印。苦痛さえをも快楽に転化し、彼女のこれまでとこれからを全てバラバラにして作り変えるような、超絶の衝撃であった。
あっ♥ひ、ぐぅっ♥
一突きされる度に全身が吹き飛ぶような衝撃が走り抜け、一瞬の後にそれは快楽の津波となって返ってくる。男根が膣内を一往復する度にウィキアは寄せては返す快感の大波に巻き込まれ、しかもその波は次第に高く大きく膨れ上がっていく。
いっ♥ぎぃぃっ♥ひぐ、ひぐぅぅっ♥♥♥
無意識にウィキアはOlの背にしがみつき、爪を立て、肩に噛み付く。それはあるいは、消えゆく彼女の自我の最後の抵抗だったかも知れないが、Olは気にすることもなく彼女の膣奥に己の槍を打ち込んだ。
いくぞ
らめぇぇっ♥中はっ♥中は、らめぇっ♥
膣の中でOlのペニスが膨れ上がり、射精の準備をしているのが手にとるようにわかる。無駄なことと知りつつも、ウィキアは必死に叫んだ。
駄目と言われても
Olはそんな彼女の耳元で、意地悪く言う。
しっかりと抱えているのはお前ではないか
言われて初めて、ウィキアは己がナジャと同じように、がっしりと両脚でOlの腰を固定している事に気がついた。それどころか更に奥へ奥へと誘うように腰を揺らして押し付けながら、Olの腰を引き寄せている。
そら──注ぐぞ
らめぇぇっ♥今っ♥出されたらっ孕んじゃうっ♥赤ちゃん、出来ちゃうぅぅっ♥
お前も魔術師だ。避妊の魔術くらい心得はあるだろう?
そんなのっ!
Olの言う通り、魔術で妊娠を避けるのはさほど難しいことではない。成功率百パーセントうまくいくというわけではないが、ウィキアほどの熟練の魔術師がかければ失敗する可能性は現実的な数値にはならない。
こんなっ♥おちんぽにっ♥敵うわけぇっ♥ないでしょぉっ♥
あのドロドロのOlの精液であれば、ウィキアの魔術でさえ貫通して孕ませてくる。そんな確信があった。そして何よりも──ウィキアの雌としての本能が、孕みたがってしまっている。
イくぞっ!孕めっ!
イぐっ♥イっちゃうぅぅぅっっ♥♥
ずん、と貫かれたその瞬間、ウィキアに出来たことは、高く叫びながらその快楽を受け入れることだけだった。彼女の意志とは無関係に、子宮がその口をぱっくりと開いてOlの流し込む精液を受け入れ、奥へと運び込むように蠢く。
避妊の術など使う余地もなく彼女は今度こそ、心も体も、堕ちきった。
***
べ、別に、この程度で身も心も堕ちたと思ったら大間違いなんだからね
そんな事を言って白濁の液が伝い落ちる太ももを擦り合わせつつ、ウィキアはOlの両頬に手を当てて彼と濃厚な口づけを交わす。その軽口はむしろ、彼女が完全にOlの手に堕ちた証左であった。
Ol様、どうでしょうか?気持ちよくなって頂けていますか?
ナジャはOlの前にひざまずき、その豊かな胸で男根を挟み込んで擦り上げながら、なおはみだした先端を舌先でぺろぺろと刺激する。
OlさまぁOlさまのここも、すっごく美味しいですぅ
ShalはOlにぴっとりと抱きつきながら、彼の胸元をぺろぺろと舐めて奉仕していた。
だいぶこなれてきたようだな。次はどの穴に入れて欲しい?
ウィキアの胸とShalの尻を鷲掴みしながら、Olは問う。
どうぞそのまま、私の胸の中にお射精ください
その次は、Shalのおまんこにまた中出し種付け射精して欲しいですぅ
好きな穴に好きなだけ出せばいいじゃないべ、別に、したいならお尻とかに出したっていいのよ
口々に答える三人に、Olはふむと考える。
好きな穴に、か。それは悪くないな
そして、三人にある指示を下した。
これでよろしいでしょうか、Ol様
まったく本当に、変態なんだから
えへなんだかドキドキしますねっ
最も体格が良いナジャが、脚を畳んだうずくまるような姿勢でベッドの端で尻を向け。その上にウィキアが乗って、更にその背に一番小柄なShalが乗る。
Olの眼前には、まるで塔のように三人の娘の尻が積み重なって、あらわになった秘部が縦に並んでいた。
Olさまぁ♥早くShalのおまんこにハメハメしてくださいぃ♥
私もっ。Ol様、私にもどうかお情けを!
もう。好きに、して
Shalが甘い声をあげながら腰を振って誘い、それに触発されたナジャが懇願し、ウィキアも気のない風を装いながら心持ち腰を突き出す。
どれでは、まずはこれから楽しむとしようか
Olは三人の反応を一通り楽しんだ後、腰を纏めて抱えると、最初にその中心ウィキアの膣内へと挿入した。
ひぁんっ♥
まさか一番つれない発言をしていた自分から来るとは思ってなかったのか、不意を突かれたウィキアは一転、蕩けた甘い声を上げる。
あああぁっ!ウィキアさん、ずるいですぅっ!Olさまぁ、Shalに、Shalに挿れてくださいぃっ!
あ、あ、凄いウィキアに伝わる振動が伝わってきてっ!
あぁぁっ♥ひあぁぁっ♥♥すごいっ♥もうっ♥イってっ♥イってるからぁっ♥
Shalとナジャをよそに、高く鳴き声を上げるウィキア。その膣内が絶頂にわななくのを堪能し、引き抜いてすぐにナジャの膣へと突き入れる。
ああああっ♥Olさまぁっ♥これっ凄い、凄いっ♥はぁぁんっ♥
期待に蕩けきった膣口は溢れんばかりの愛液でするりと奥までOlの剛直を受け入れ、それでいて引きちぎらんばかりの強さで締め付けてくる。ぷりぷりとした尻肉に打ち付けるようにして抉り、ナジャの気をやらせた後、Olは引き抜いた怒張を再びウィキアの中に収めた。
あああああっ!?なんで!?なんでですかぁっ!?Shalは、Shalの番じゃないんですか!?
てっきり次は自分だと思いこんでいたShalは、ボロボロと涙を流しながら訴えた。
ごめんっ♥Shalにっ♥代わって、あげたい、けどぉっ♥これ、気持ちよすぎて、無理ぃっ♥♥
その一方で、再びOlを咥えこんだウィキアは強く強くOlの男根を締め付けて離さない。
Olさまぁぁぁ!ごめんなさいぃぃ!Shal、Shal、なおしまずがらぁぁ!わるい、とこ、全部なおしまずがらぁぁあ!ごめんなさい、お願いですぅぅ!Shalの、Shalのおまんこに、Olさまのおちんぽ、ハメてっ!
号泣しながら謝り懇願するShalの言葉の途中で、Olはウィキアの中から引き抜き、Shalの膣内に挿入する。
あああぁぁぁっ♥♥♥おちんぽっ♥Olさまのおちんぽきたぁっ♥ありがとうございますっ♥ハメて下さってありがとうございますっ♥Shalのダメダメおまんこにおちんぽ様挿れて下さってありがとうございますぅぅっ♥
今度は感涙に咽び泣きながら、Shalは感謝の言葉とともに絶頂する。
ちゃんと待てた褒美だ。イくぞ!
絶頂にわななく膣奥に深くまで突き込み、Olはそう宣言して欲望を解放した。
あああぁぁぁっっ♥♥来てるぅっ♥Olさまの子種来てるぅぅっ♥中出し♥種付け♥してもらっちゃってるよぉぉっ♥奥にせーえき♥びゅーびゅー出して貰えてりゅぅっ♥お孕みさせてもらえてるぅぅっ♥
長く舌を突き出し白目を剥くほどに感じながら、Shalは絶叫する。
お前たちもだ!
Olは射精を止めぬまま、Shalの中から引き抜き、すぐさまウィキア、ナジャの膣内を犯し、征服していく。それどころか一周では勢いは止まらず、更にShalに戻って順にその胎内に種をつけ。
イくっ、イっちゃいますぅっ♥Olさまのおちんぽでイっちゃうぅっ♥♥
全部、全部覚え込まされちゃったぁっ♥♥だめにされちゃったのぉっっ♥♥
しゅき、しゅきぃっ♥♥もっと私の身体使って、気持ちよくなってぇっ♥♥
同時に絶頂する三人の尻に、仕上げとばかりに精を放った。縦に並んだ三つの尻と秘部とが、どろどろとした愛水と白濁の混合液でべっとりと汚される。
そのさまを満足気に眺めながらも、Olは流石に一息ついてベッドに腰を下ろした。龍脈を通じた無限の魔力で尽きぬ精力と体力とを持ち合わせていても、落としたばかりの女を相手にすれば気疲れもする。ましてやそれが三人纏めてとなれば、精神的な疲労は避けられない。
三人それぞれ違う魅力を持った美女とのセックスに満足したという事もあって、性的には満腹というような状態だ。そう考えて、ふとOlは何かを忘れているような気がした。
ご主人様、おまたせー!
忘れていたそれを思い出させるかのような音を立てて、リルが扉を開く。そう言えば、スピナとエレンを呼んでこいと言ったのだった。
とは言えこちらは慣れた相手である。同じ三人でもそう苦労はすまい。と考えて、Olは己の思い違いに気づいた。なぜならその後ろには、エレンの四人の部下たちやユニス、マリー、ミオまでもが立ち並んでいたからである。
その数、総勢十人。
三倍以上の人数に、魔王は思わず天を仰いだ。
閑話たまには部下を労いましょう-1
どうしてこうなったんだ
部屋に溢れた娘達を見渡し、Olは呟いた。
あはは、なんか皆に見つかっちゃって。まあ、たまにはいいんじゃない?
特に悪びれた様子も無く、リルはそういった。
元々部屋で睦みあっていたナジャ、Shal、ウィキアの三人に、呼んでくるように命じたスピナ、エレン、リルまでは良い。エレンの部下がついてくるのも、常に集団行動を旨とする黒アールヴだから仕方ないのかもしれない。
しかし、ユニスにマリー、ミオまでもがやってきているのは一体どういうことなのか。というか、Olが肌を交わした娘が部屋の中に勢揃いしている。
そうだよ。仲間外れはなしだよ! 最近あんまり相手にしてもらってないしさあ
ユニスが頬を膨らませた。お前は殆ど毎晩寝床に忍び込んでくるだろうが、とOlは思うが口にはしない程度の分別は持ち合わせていた。
あ、あの、私もいてもいいんでしょうか
唯一気後れしたように所在無さげにしているのはミオだ。Olの寵愛を受け、彼女の姿は大分垢抜けてきていた。化粧気がないのは相変わらずだが、その髪はしっとりと艶を帯び、肌は木目細かく、所作や見た目にも何処となく色気が漂ってきている。そんな事を言いながらも、自分からは部屋を出て行こうとしない辺り、彼女も彼女なりに乗り気なのだろう。
まあ、良かろう。全員纏めて可愛がってやる
複数人纏めた情事はOlの好むところでもある。リルに何か思惑もあるようだし、Olはそれに乗ってやることにした。
やった! じゃあ、とりあえずはOlに会った順ね。私一番っ!
勝手にそういい、リルはOlの胸に抱きついた。
それならあたしがにーばんっ
ユニスが嬉しそうにOlの右腕に抱きつく。
では私は三番
スピナがOlの左腕につこうとするが、そこには既にマリーがしがみ付く様にしていた。
スピナの表情が凍り付き、僅かに唇の端が引きつる。
わたしが、さんばん。そふぃは、よんばん
のみならず、マリーは高らかに宣言した。Olは睨みあうスピナとマリーの背後に、鎌首をもたげる毒蛇と両手を振り上げ威嚇するハムスターを幻視する。どう考えてもハムスターが負ける、というか餌だ。
出会った順という事であればそうなる。諦めろ
Olがとりなすと、渋々といった感じでスピナはOlの背中に抱きついた。
どう? 色んな美女に囲まれてたって、淫魔の端くれとしてこれだけは負けるつもりは無いんだけど
己の秘裂にOlの物を咥え込み、リルは妖しく笑った。彼女の中は別の生き物のように縦横無尽に動き、Olの物をぎゅっと絞り上げた。ありとあらゆる名器を兼ね備えたかのような、最高の肉壺だ。
ああ、単純な快楽という意味ではお前の物が随一だろうな
Olもそれは認めざるを得ない。そもそも身体の構造自体がまるで違うのだ。人の身で淫魔に適う訳も無い。
だが、俺は自身が善がるより、相手を善がらせるほうが好きでな。そういう意味でも、お前の体は気に入っているぞ
魔力を操り、ずんと突く。幾度もの情交を通じ、もはや射精すら必要とせず、Olはリルの身体を自由に造り変えることが出来た。
ああああああああああああぁぁっ!!
それだけでリルは舌を出しながら身体を反らし、気をやった。彼女が今感じている快感は、通常人間が感じるそれの数十倍だ。いかに淫魔といえども、魂に直接響くような快楽に耐えうるべくもない。
ふああぁぁっ! Olぅっ! だ、めぇっ! おか、しくっ! なっ、ちゃぁぁああ!あぁぁぁんっ! あんっ! あぁんっ! やぁぁっ! やんっ! はぁぁっ!!
一度突くたびにリルは絶頂にいたり、高い声をあげて鳴いた。間断なく攻め寄せる激しい快楽の波に、失神もせず善がり声を上げるのは流石といったところだ。並の人間ならば、これほどの快楽を浴び続ければまず失神し、そうでなければ正気を永遠に失うだろう。
しかし、淫魔であるリルはその快楽を全て飲み干し、乾いたスポンジのように吸い上げていた。人知を超えた快楽に翻弄はされながらも、その膣内は器用にうねり、Olの一物を撫でさすり、締め上げていた。
く出すぞ、リル!
その動きにOlも堪え切れず、奥に欲望を吐き出す。
あああああああああああっ!!
魔力を大量に含むOlの精は、リルにとっては強烈な媚薬であり、同時に最上級の食事でもある。快楽そのものを流し込まれているようなもので、彼女は最大級のオーガズムにいたった。
次あたしーっ
ぐったりとして息をつくリルをひょいと持ち上げ、ユニスはぺいっと後ろに投げ捨てた。ひゃぁぁと情けない悲鳴を上げる淫魔をよそに、ユニスはOlに抱きついてキスをせがむ。
えへへOl、あたしで沢山気持ちよくなってね?
ユニスはOlの首に抱きついたまま、彼の剛直を飲み込んだ。
ん、ふはぁぁ気持ち良いOlとこうしてる時が一番幸せだな
ふ・ざ・け・る・な
引きつりまくった笑顔で、リルが幸せに緩んだユニスの頭をわしづかみにした。
人が折角余韻に浸ってたって言うのにそっちがそう来るなら、私にも考えがあるんだからね
ふわりとリルは身体を宙に浮かべると、ユニスとOlの間に割って入ってOlの顔をその豊かな乳房で包み込んだ。
あーっ! ちょっと、リル、邪魔だよ!
知らない。ね、ご主人様、こんなユニスのちっちゃい胸より、私の大きなおっぱいの方が気持ちいいでしょ?
言い争う二人だが、その表情に険悪なものはない。仲が良い二人でじゃれあっているようなものらしいと見て、Olは適当に答えた。
大きさで優劣などない。それぞれに良いものだ。そのまま二人で俺を楽しませろ
言って、ずんと腰を跳ね上げユニスを突いてやる。それだけで、彼女の表情は快楽に溶けた。リルがくるりと身体を反転させ、Olの顔を胸で挟み込みながら、彼の胸に舌を這わせる。Olもリルの乳房の先端を吸いながら、ユニスの腰を両手で掴むと本格的に抽送をはじめた。
ああっいいいいよぉ、Ol、そこイイっ!もっと、もっと突いて、んっああ、いいよぅ気持ちいいよぉ!
熱に浮かされるようにユニスは言葉を繰り返す。
あぁーっ! イイっ、イく、イくよぉっ! イっちゃうOl、Olぅ!
切なげな声でOlの名を呼ぶユニスの声に、リルはひょいと場所を譲った。蝙蝠の翼に隠されていた愛する男の顔を見て、ユニスはその唇にむしゃぶりつく。
んんんんーっ! んっ、ふぁん、むぅっ! んっ、んんっ!
遠慮なく舌を絡め、唾液を交わし、唇を貪りながらユニスは身体をビクビクと震わせてイった。両腕をOlの首に回し、両脚は彼の腰をがっしりと固定し、全身で抱きつきながらその膣内は彼の精を求めてきゅぅっと窄まる。普段の愛情表現と同じように、全力で求めてくる彼女の望むとおり、Olはその中に白濁の液をたっぷりと放ってやった。
ふあぁOl、愛してる
私にもしてー
とろんとした表情でついばむようにユニスがOlの唇を奪い、交互にリルも彼に唇を寄せた。たっぷりと余韻を楽しみ、ユニスがOlの上から身体をどける。すると、すぐさまOlの股間にマリーが顔を埋めた。
まだ小さなその口にはOlの凶悪な大きさを持つそれは収まりきらず、短い舌で懸命に舐め上げるだけ。技術も他の娘に比べればお粗末なもので殆ど快感にはならなかったが、小さな身体で一生懸命Olに奉仕する姿は性欲ではない、何か別のものを満たす快楽があった。
そのような舌使いではお師匠様は満足しません。見てなさい
その横にスピナが割って入り、横からOlの物をぱくりと咥える。初めて彼女が口淫を行ったのはつい最近だったのに、既にその技量は並みの娼婦のそれを遥かに超えていた。口内深く、喉までペニスを飲み込みながら舌を絡めるその技は、リルを除けば女達で一番の物だ。
うー。そふぃ、わたしも! わたしも!
横から肉棒を奪ったスピナに抗議の声をあげ、マリーは強引にスピナの顔を手で押しのけた。実力はともかく、この迷宮にすむ者で限りなくOlに近い性根を持つと目される彼女にそんな事が出来るのはマリーだけだ。ある意味最強と言える。
仕方ないですね。では、あなたは下の方を舐めなさい。私は上の方をお慰めします
闇夜の様に黒い髪を持つ少女と、太陽の様な金の髪を持つ少女が、まるで実の姉妹の様に仲良く顔を並べてOlの肉棒に奉仕する。
じゃあ、あたしはこっち
横から、ユニスが胸をOlの肩に押し付けるようにして彼の両頬に手を沿え、唇を奪う。
あ、取られたっ。仕方ないなあじゃあ私はこっち
リルは横になってふわりと浮くと、Olの胸元に唇を落とす。Olはユニスの唇を吸いながら左手を彼女の尻に、右手をリルの股間に沿わせた。
あぁんっ
思わぬ奇襲に、リルとユニスは仲良く声をあげる。その声にスピナはむ、と眉をひそめて、対抗するようにOlの一物を握り、深く咥え込む。口には出さないが、自分を忘れるな、という抗議だろう。
んむっ!? んんん、ん、むぐっ
わかっている、と言わんばかりにOlは腰を突き出した。喉の奥を突かれて苦痛を感じながらも、スピナは嬉しそうに目を細める。例えそれが苦しみであれ、Olから与えられるものであれば嬉しいのだ。
出すぞ、飲め
んーっ! んんんっ!!
喉の奥に迸る白濁の感触に、スピナは軽く気をやった。まるで小便の様にたっぷりと吐き出される濃厚な液をごくごくと嚥下するが、その余りの量に飲みきれず、口を外してごほごほと咳き込む。
すっすみま、せ
良い。マリー、舐めてやれ
己の不覚に涙を滲ませながら謝るスピナ。その口元から滴る汁を、マリーがペロペロと舐めとった。
申し訳ございません、お師匠様愚かな私めに罰をお与えくださって構いません
スピナは平伏し、哀れみを乞うかのような口調でそう言った。
良いと言っただろう。それより
愚かな私めに罰をお与えくださって構いません
同じ文句を繰り返すスピナに、Olは嘆息した。哀れな口調で述べてはいるが、要するにこれは命令だ。懇願と言った方が正確かもしれないが、Olは命令だと感じた。
弟子の身でこの俺に命令するとは、いい度胸だ内心そう呟くと、Olは早口で呪文を唱えながら、指先で印を描いた。
瞬く間に魔力の縄がスピナの身体を絡めとり、空中に吊るし上げた。魔力の縄はスピナの乳房を強調するかのように押し上げ、脚を大きく開かせて陰部をOlの目の前に露出させた。腕はしっかりと後ろでに縛られ、スピナは身動き一つ取れない。
ああっ
自らの重みで縄が身体に食い込み、鈍い痛みと無理やりに淫猥な格好を取らされる羞恥にスピナは思わず声をあげた。
罰を与えられて悦ぶとは、お前はとんだ変態だな
Olはスピナの胸を掴むと、ぐっと力を込めて捻りあげた。快楽を与える為の触り方ではなく、痛みしか与えない無造作な掴み方だ。
しかし、それもOlから与えられるものであれば、スピナにとっては快楽以外の何物でもない。侮蔑するような視線も、蔑んだ言葉も彼女の背筋をゾクゾクと奮わせた。
申しわけありません、お師匠様私は、お師匠様のお情けを切望する浅ましい豚でございます
ふん、とOlは鼻を鳴らす。そう思い通りにしてやる義理はない。
罰を与えよ、と、貴様はそう言ったな
はい! どうか、どうかこの浅ましい私めに罰を
期待に、スピナの瞳が潤み、頬が紅く染まる。Olはニヤリと笑うと、彼女に言い放った。
では、お前はそこで、俺が他の女とまぐわう様を見ていろ
そんな!
悲鳴の様に声をあげるスピナを尻目に、Olはエレン達を手招いた。
閑話たまには部下を労いましょう-2
あのいいんですか?
エレンと共に呼び寄せられたミオは、ちらちらと後ろを伺いながらOlに問うた。
気にするな。アレが自分で言い出した事だ
気にするなと言われてもと、ミオは内心呟き、もう一度後ろに目をやった。その視線の先では、全身を魔力で出来た縄で縛られ、あられもない姿をさらしながらも射殺すような視線でこちらを睨んでいるスピナの姿があった。
と言いますか、あの、この中に私が入っていいのかも疑問なんですが
ミオは横目でエレン達を見ながら呟く。
何を言うか、ミオ殿とは同じ時同じ湯殿で共に純潔を失った身。それに普段より親しくしているではないか。何を臆する事がある?
エレンがそういうと、配下のアールヴ達も頷いて同意を示した。このミオという娘、何故か人外には異様に好かれる。牛や豚と言った家畜たちはもとより、地獄の猟犬ですら彼女には腹を見せ、Olの迷宮に棲み付いた魔獣達も本来は餌でしかないはずの彼女には良く懐いた。
人外と言う点では同じなのか、それとも単に部屋が近いが故の交流の多さか、黒アールヴ達との関係も良好で、何かと気が合い行動を共にすることも多いようだった。
エレンの言う通りだ。さあ、順番に相手をしてやるからそこに並べ
エレン以下黒アールヴ達とミオはベッドに肘をつき、背筋を反らせて尻を上げ、Olに突き出すような姿勢を取った。Olの目の前に、6つの瑞々しい尻肉が並ぶ。
Olの更に背後では蜘蛛に捕えられた蝶の様な姿勢で、地上のいかなる毒蜘蛛よりも禍々しい視線を送る娘がいたが、これならとりあえずはミオ達がそれを目の当たりにする事はない。
これから訪れる狂乱に媚肉をひくつかせ、愛液を滴らせるエレンのそこに、Olは一気に剛直を突き入れた。
あはぁっ!
己の身体を貫かれる快感にエレンが声をあげ、隣で尻を並べるミオがびくりと身体を震わせる。Olはすぐにエレンの中からペニスを抜き去ると、隣のミオに突き入れた。
ふあぁぁぁっ!
まるで楽器のようだな、と思いながら、Olは娘達に次々に突き入れた。奥を突かれる度に娘達は快楽に声を上げ、他の娘は懸命に尻を振ってOlの物をねだる。それぞれ異なる味わいを持つ6つの膣内を、Olは存分に堪能した。
行くぞ、まずはお前からだ!
Olは左端の娘の腰を掴むと、全身に魔力を漲らせた。そしてそのまま娘の中に突き入れ3,4度抽送を繰り返すと、大量の魔力と共に一気に奥に精を解き放つ。
ああああああっ!
悲鳴の様な喘ぎ声を上げ、娘は白目を剥きながら涎をたらし、気をやった。Olは勢いそのままに、アールヴの娘の中から一物を引き抜くと、右隣で尻を掲げる娘の中に突き入れ、再び精を放った。
ひゃぁぁぁぁ! ひ、ひっひゃふぅぅぅぅぅ!
魔力漲るOlの精は一度目と遜色ない勢いで娘の中を穢し、蹂躙した。呂律の回らない舌で叫びながら、二人目の娘も絶頂に至る。
次だ!
Olは中間のミオとエレンを抜かし、右から二番目の娘に突き入れる。
いいいいいいっ! いっ、ちゃぁぁあ、うぅぅぅぅっ!!
猫の様に背中を丸め、ベッドのシーツを握り締めながら気をやった娘の中から抜き、右端の娘。
駄目ぇ、駄目、駄目、駄目ぇぇぇぇぇっ!! 気持ちよすぎるのぉぉォォっ!!
声を裏返らせて叫ぶ娘の中にたっぷりと精を吐き出し、Olは二人分戻ってエレンの腰を掴んだ。
ああ主殿、私の中にたっぷりあぁっ、だ、出して、く、れぇぇっ!!あぁぁぁぁぁぁっ、あーーっ! ~~~~~~~~~~っ!
快楽に声にならない声をあげながら、エレンは吼える獣の様に身体をそらした。どくどくとその膣奥に絶え間なく精が注ぎ込まれ、その熱さにエレンは更なる絶頂へと導かれる。
最後だ。いくぞ、ミオ
名を呼ばれ、それだけで軽く絶頂に達したところにOlの太いものに身体を貫かれ、ミオはビクビクと身体を震わせた。全身が性器になったかのような感覚に包まれ、彼女は一心不乱に腰を振りたくった。
ふぁぁっ、あぁっ、あぁぁっ、でてる、でてうよぉ!Ol様の、たくさん、出してもらってるぅぅぅっ!
意識を失いかねない絶頂に身を震わせ、胎内にどくどくと精液を注ぎこまれながらも、ミオはひたすらに腰を振り、膣内を締め付けOlの物を楽しませた。自身の快楽の為ではなく、Olの快楽の為の行動だ。
ん良かったぞ、ミオ
その献身的な姿勢に、Olは彼女の頭をぽんと撫でる。それで更に彼女は達し、ついに意識を失ってベッドのシーツの海の中に没した。
股間から白濁の液を滴らせ、ベッドに突っ伏す六つの尻を満足げに眺めると、Olはゆっくりと後ろを振り返った。
お師匠様、酷いです
そこには身動きの取れない姿勢のままとうとうと涙を流し、同じくらいの量の液体を股間から滴らせているスピナの姿があった。
このような仕打ち、あんまりですこんな姿勢のまま放置して、一瞥もくれさえもせず、他の女達とまぐわうのをひたすらに見せ付けるなんて
だが、お前はその様を見て、自身のままならぬさまを味わって、興奮したのだろう?
Olはスピナの股間から滴る液を指で掬い上げた。そこから流れ出る液はぬめりを帯びながらもそれこそ涙の様に溢れ、地面に小さな水溜りを作っていた。
浅ましい、はしたない女だ。そんなに俺に犯して欲しいか
師の命とあらば、従うのが弟子の務めでありますれば
おかしな事を言う。俺はお前に命じてなどおらん。それに、女などほれ、多種多様な美姫がそろいに揃っておる。わざわざお前の手を煩わせるまでもない
未だに素直に求めようとしないスピナに、Olは意地悪くそう言った。
そういう時は、ちゃんとこうやっておねだりしないと駄目ですよ。Ol様、あたしを後ろから獣の様に犯して、胎の中にたっぷり子種を注ぎこんで孕ませて下さいませ
縛られているスピナの隣で尻を掲げ、Shalが蕩けた瞳でそう言った。
その次でいいから、私の事も抱いてくれ、Ol様
ナジャが率直な言葉で誘いをかける。
抱きたければ抱けば。どうせ私はあなたに逆らえないんだし
不服そうに言うものの、今までの痴態に中てられたのかウィキアの目は潤み、股間はぬれていた。
お前たちは素直だな。どれ
お師匠様、お願いします! お情けを私に、お情けを下さいませ
Shalの元へといこうとするOlに、スピナは泣き声でそう述べた。まあ、罰はこの程度でいいだろう。
最初からそう言え
Olは縄を外さないまま、スピナの秘裂に突き入れた。
ああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!
待望の感触に、空中で全身を震わせてスピナは気をやった。焦らされなくても、彼女の感度は随一だ。燻り続けた情欲はOlの肉棒を受け入れて一気に燃え上がり、彼女の肉体の限界を超えた。
しろしろと音を立て、愛液とは別の液体が股間から垂れて床に落ちる。
ああああああ
屈辱と恥辱に、若き魔術師は身を震わせた。しかしそれさえも彼女の劣情をあおり、快感となって身を貫く。
失禁するほど良かったか。相変わらず浅ましくはしたない身体だな
じゅぷじゅぷと水音を立てながらOlは抽送を繰り返し、スピナの乳房を握りこんだ。
ひあぁ、あぁっ、ひあぁぁっ、ひあっ
その動作一つ一つにスピナは気をやって震え、綱に吊るされ揺られながら、白痴の様にただ喘ぎ声を出す事しかできない。
中に出すぞ。しっかり受け止めろよ
あああ、あああああっ! ああああ、ひぃあぁぁあぁぁぁぁああああっ!!
どくどくと胎内を満たしていく感触に、スピナは盛大に気をやった。舌を突き出し、白目を剥き、ぷしゅぷしゅと潮を吹きながらぷるぷると痙攣する。Olは魔術を解くと、完全に意識を失った彼女を横抱きに抱きかかえてベッドに横たえた。
さて、次は
Shalの方に目を向けると、リルが横から抱きついてくる。
さっきまで、って言うか昨日までずっとその子達は抱いてたんだからいいじゃない。それより、一回じゃ全然足らないよ?
あたしももっとして欲しいなねぇ、駄目?
逆側の腕に抱きつき、ユニスがOlを上目遣いで見上げる。
お前達はいいだろう、それでなくとも毎夜の如く主殿に寵愛いただいているのだ。我々など常に六人一組扱い。もう少し丁寧に抱いて頂く権利があると思うのだが
エレンがその豊かな乳房を見せ付けるかのように胸を張って主張し、その背の後ろでそ、そーだそーだーとミオが腕を振り上げた。
何を言ってるんですかっ! Ol様のおちんぽ様は、次はあたしのおなかの中に入れてもらうんですからね!
Shalが声を張り上げ、
うむ。順番から言えばその次が私だな
ナジャが抜け目なくその横に位置取り、
べ、別に私はどうでもしたければすればいいじゃない、命令には逆らえないんだから
顔を赤く染めながら、ウィキアがちらちらとOlに視線を飛ばす。
だ、駄目ですお師匠様の、寵愛は私の
緊縛と激しい絶頂で体力を奪われながらも、スピナがよろよろとOlの足に手を伸ばす。
その手の先で、マリーがご機嫌でOlのペニスを両手で抱え、先端をちゅうちゅうと吸っていた。
ああーっ!?
娘達が一斉にマリーの存在に気付き、叫び声をあげる。
こ、この子なんて抜け目ないっ!
ちょっと離れなよ! こらっ、って力強!? 何でこの子こんなに強いの!?
はっはっは! 人間の娘よ、この私の目を盗むとは天晴れ!
いや笑ってる場合じゃないんじゃないかなーエレンさん
Ol様の貴重な子種がぁぁぁね、ちょっとでいいから、ちょっとでいいから分けて? お願い
Shal、流石にそれはどうかと思うぞ
っていうか何かその子凄い強力な呪いかかってない?一応種別としては祝福だけど呪いとしか思えない強さなんだけど
マリーあなたは何度、私の前に立ち塞がれば気が済むというのです!
口々に声を上げる娘達に、Olはため息をついて覚悟を決めた。
ええい、全員まとめて抱いてやるから、そう騒ぐな
部屋の中に、一斉に嬌声が響き渡った。
その、部屋の外。部屋であると同時に一切の魔の立ち入りを禁じる結界である、その外で、彼は四本の腕で膝を抱えていた。部屋の中からはやがて、多数の娘達の喘ぎ声が上がり始める。
俺、憎しみで人が殺せるとしたら、一個師団くらい全滅させられる自信あるわ
ローガンのその呟きは、娘達の嬌声によってかき消され、迷宮の地下に融け、消えた。
第10.5話 ダンジョン解説
第10話終了時点でのダンジョン。
階層数:4階層
瘴気:10
悪名:20
貯蓄魔力:30(単位:万/日)
消費魔力:10(単位:万/日)
会議室
侵攻等の作戦を会議するための部屋。それなりの大きさと、四角形の巨大な卓、椅子、黒板と白墨などが用意されている。
ダンジョンコアLV3
部屋の大きさ程度にまで巨大化させたダンジョンコア。1000万程度までの魔力を貯蓄する事が出来る。
ボスの間
侵入者の行く手を遮る為につくられた、階層と階層の間に位置する部屋。この部屋を守る魔物を倒し、鍵を手に入れなければ次の階層へと進む事は出来ない。
独房
特に有望な侵入者を捕らえた際に入れておくための独房。簡素なベッドと排泄のための壷、食事の差し入れ口がある。
寝室LV2
巨大なベッドを用意したOlのための部屋。一度に数人の女を相手に出来るくらいに大きい。
キッチンLV2
専門の職人に作らせた使いやすいキッチン。主にOlの下へと生贄として送られた娘達が腕を振るう。
ミノタウロス
戦力:7
牛の頭と巨大な人の体躯を持つ魔獣。人より少し劣る程度の知能と人をはるかに超える身体能力を持ち、武器を自在に操って戦う。膂力は凄まじく、大斧による一撃は驚異的な破壊力を誇る。
ナジャ
戦力:6最大貯蓄魔力:0.5
Shal
戦力:6最大貯蓄魔力:2
ウィキア
戦力:6最大貯蓄魔力:3.5
冒険者三人娘。一流と呼んでいい腕前ではあるものの、超一流であるエレンやそれを更に越えるユニスと比べると見劣りする。とは言え、彼女達の真価はその連携にあり、互いに協力する事によって格上相手に勝利する事も可能となる。
デュラハン
戦力:8
怨念と憎悪によって戦い続ける不死の騎士。剣技と魔術を縦横に操り、己の損害を気にもせず全力を出せるので、戦力は生前よりも一回り高くなっている。瘴気の溢れる迷宮内では一度倒してもしばらくすると復活するという厄介極まりない魔物でもある。
街を攻めたことにより悪名が広まり、耳聡いものや付近の冒険者がその存在を知ることとなった。訪れる冒険者達や、それを迎撃する魔物達の血が流れた事により瘴気は強まり、簡単な魔術で亡霊を呼び出し、使役できる状況になっている。侵入者が増えた事により防衛形態自体も見直され、ますます侵入は困難なものとなった。
第11話魔王を始めましょう-1
アラン遊撃隊、地下8階を探索中に消息を絶つ、か
報告書に眼を通し、キャスは執務机の上で頬杖をついてため息をついた。そして、その報告書を処理済の山にぽいと捨てる。処理済の山も、処理前の山も、まさしく山の様に彼女の目の前に積みあがっていた。
それらは全て、Olの魔窟に挑み、散っていった冒険者の報告書だ。勿論、全員が全滅した訳ではなく、恐れをなして途中で逃げ帰ったもの、仲間を失って這う這うの体で戻ってきたもの、罠に引っかかって強制的に迷宮の外に排出されたものなど、様々だ。
消息不明はその中で、二割程度を占めていた。これは、迷宮に恐れをなしてひっそりと逃げ出したか迷宮の中で全滅したか。そのどちらかだろう。逃げ出したものについては調査をしていないので割合はわからないが、後者も決して少なくないはずだ。
動く死体となった変わり果てた知り合いに遭遇したという話も聞いている。そして、アラン遊撃隊は恐らく全滅した方だろう、とキャスは殆ど確信に近いものを抱いていた。
魔王Ol本当に厄介ね
次の報告書を取り、手の中で弄びながらキャスは考えた。
邪悪なる魔術師Olが、辺境の町アカニに宣戦布告したのが、3ヶ月ほど前の事。
身の程も知らぬ愚か者が増長した結果だ、あんな田舎町など捨て置けばよい。訓練を積んだ騎士団の常駐するような街に戦いを挑み自滅するだろう。
当時の王国首脳部の見解は概ねそのようなものだった。
キャスは王軍を派遣しすぐにでも討伐すべきだと進言したが、受け入れられなかった。それどころか、稀代の軍師と持て囃されようと所詮は女、惰弱で臆病な事よと面と向かって嘲りさえした。
それから三ヶ月。Olの侵攻は目覚しいものだった。大臣自慢の騎士団は常軌を逸した威力の超長距離魔術によって槍を振るう間もなく木っ端微塵に吹き飛ばされた。
そもそも、辺境の田舎町といえども町を丸々一つ占拠して殆ど無傷と言っていい程度の損害しか出さなかったのだ。それは相手が変わろうと、殆ど変わらなかった。
Olは瞬く間に、七つの町を占拠した。その活動が特異なのは、街を完全に攻め滅ぼすのではなく、自分の領地として奪っていく事だった。
魔物にしろ、山賊にしろ、それらを従えた魔術師にしろ、そんな事はしない。一方的に略奪し、去っていくのみだ。勿論街に居座って街の人間を奴隷の様に扱う事もあるが、その場合は他の街へと侵攻する事など稀だ。
Olのやり方はそれとは全く違う。最低限の監視として魔物を配し、自分に税を納めさせ、領地に問題があればそれを解決さえする。商人は関税を免除され、破壊された街の復興も相まって占拠される前より活気を持つ街さえあると言う。
これはまるで、他国の侵略を受けたのと殆ど同じだ。事実、街の人間の中にはそう感じるものも多く、治める王が変わっただけさと嘯くものさえ少なくない。
魔物を従え、
魔術を操り、
魔窟にすむ。
魔の国の王。すなわち魔王。
誰がそう呼び始めたかは知らないが、いつしかOlはそう呼ばれるようになっていた。
街が四つ占領されるに至って、ようやく元老院が騒ぎ出した。元老院とは、最上位の貴族達で構成される機関で、実質このフィグリア王国を動かしている集団と言っていい。
飽くまで最終的な決定権や実権は王にあるが、実際に政策を考えたりするのは元老院で、王はそれに許可を与えるのみ。勿論、王が許可を下さずとも元老院だけで判断できる事も無数にあり、要するに天才と持て囃されようが一介の軍師であるキャスにとっては最も逆らってはならない相手だ。
軽んじ、鼻で笑っていたOlの侵攻に慌てふためく様はそれなりに痛快な光景ではあったが、その皺寄せが全てキャスに押し付けられるので他人事ではない。お陰で、キャスはこうして報告書の山に囲まれる事となった。
よせと止める間もなく元老院の独断で最初に送られた王軍の一個大隊は、殆ど成果を出せずに帰って来た。しかも、3割超の犠牲を伴って、だ。
Olの住む魔窟の場所はすぐに判明したが、そこは難攻不落の大迷宮だった。狭く暗い地下の迷宮で、騎士達はものの役にも立たない。
彼らが行っている訓練は広い戦場で陣を敷いたり、馬に乗って駆けて人間と戦う為のものであり、4人並んで槍を構えれば一杯になってしまう通路で、膝ほどの大きさの小人や炎を吹く羽虫、見上げるような巨人達と戦う為のものではない。
騎士を戦わせるなら、Olが街を攻めている時にしなければならない。しかし、転移の術をもって陣を敷く魔王軍は神出鬼没で、とても常備軍では対応できない。相手は付近に大軍がいないのを確認してから移動できるのだから当たり前だ。察知されない程度の寡兵ではとても対応できない。
ならば、と相手の転移を逆手に取り、魔王配下の村から貢物と共に兵士を送り込んだ事もある。返ってきたのは、送った兵士と同じ数だけの首だった。
生贄の娘として、暗殺者を送った事もある。その性技で男を自分の虜にし、ベッドの上で文字通りの意味で天国に送るように訓練された娘だ。こちらは死体は帰ってこなかった。
が、特に美しいものを選んで今まで三人ほど送り込んだが、Olが死んだという話はついぞ聞かない。篭絡されたか、悪魔に捧げられたか。どの道、碌な目にはあっていないだろう。
他にも食料に毒を混ぜて送ってみたり、何とか転移先を割り出そうと魔術を解析してみたり、大量の水を流し込んでみたりしたが、すべて徒労に終わった。それどころか最近では、王軍が村に近づくだけで村人達から猛反発を受ける始末だ。
そしてそう言った失敗への批判は全てキャスに降り注いだ。先の大戦では英雄だの名軍師だの耳障りのいい言葉ばかり送ったくせに、今ではごく潰しだの無駄に人材を死に向かわせる人非人だのと好き勝手言ってくれる。
結局一番上手くいっているのは、冒険者達を使った迷宮の調査だった。未開拓地を旅し、神代の遺跡を荒らし、時には魔物退治や用心棒の真似事も務める彼らは魔物相手の戦い方と言うものを良く心得ていた。
魔王Olを倒したものには望みのままの報酬を与える
そんな触れを出すと、冒険者達はこぞって魔窟へと潜っていった。やがて魔窟の中で魔術のかかった武具や金貨が手に入る事が判明すると、冒険者達の流入は一気に加速した。
勿論被害も相当に出てはいるが、元々定住し税を払っているわけでもない流れ者達だ。幾ら死のうと元老院は気にしないようだった。彼らの犠牲によって、少なくともOlの魔窟は8階、ニ階層以上の深さがあることがわかっていた。しかし、まだ最下層ではないらしい。
アラン遊撃隊は、並み居る冒険者の中でもキャスが特に期待を寄せているパーティだった。僅か4人の手勢ではあるが各々が一流の冒険者であり、それ以上に優れた連携で実力以上の敵をも倒すつわもの達だった。しかし、どうやら彼らでさえOlを討つには足らないらしい。
キャスはため息をつき、思考を転換させる。
狡猾で冷酷だが、無駄に殺戮を好むような隙もない。
徹底した合理主義者で、臆病だが大胆不敵。
恐ろしいほど慎重で計算高く、絶対に他人を信頼しない。
空間魔術、とりわけ召喚術に長じ、魔力付与、魔物支配の術に長けているが、攻撃魔術はそれほど得意ではない。が、人間としては在り得ないほどの魔力量を持ち、力技で長距離から魔術強化された門を粉々に吹き飛ばす程の魔術を使う
今までの結果や、Ol配下の村で聞いた情報からわかる魔王Olの像は、大体そんなようなものだ。
在り得ない程の魔力、か
アカニの門を破壊した魔術は、調査の結果爆裂(エクスプロージョン)系統の魔術であると判明している。これは魔力を空間に注ぎこみ、許容量をわざと越えさせる事で周囲に衝撃を破裂させるものだ。
威力が使用する魔力に比例し、魔力さえ用意すれば天井知らずに破壊力を増大させられるという特徴があるものの、対魔力効率はあまり良くない。並みの魔術師ではゴブリンの一団を半壊させるのが関の山。矢も届かぬほどの長距離にかけるとなれば、そもそも発動さえしないだろう。
普通攻城にはもっと適した魔術例えば、隕石落下(メテオスウォーム)だとか火砲(カノン)だとかが使われる。これらはずっと少ない魔力でOlがやったのとほぼ同等の威力を得られるが、その分制御が遥かに難しい。これを使えるなら間違いなく導師級、国にそう何人もいるレベルではない。
が、Olの魔力量はその導師級魔術師に更に数倍して余りある。勿論、魔力量が多ければ魔術が上手い、などと言うことにはならないが、それにしてもそれだけの魔力を持ち、問題なく制御しながら、攻撃魔術は並みの魔術師程度の腕と言うのは不自然だ。
あれだけの力を持つなら、それこそ伝承に残る魔道王の様に、あらゆる魔術を縦横無尽に使ってくれた方がまだ理解しやすい。
或いは、そこに付け入る隙があるのかも知れんな
キャスは机の上の報告書を纏めて床に払いのけると、手元のベルを鳴らして部下を呼んだ。
第11話魔王を始めましょう-2
おかしい
ダンジョンコアの中、たぷたぷと波打つ魔力の結晶を見てOlは呟いた。
どしたの?
たまたまOlに新しく来た魔物の報告に来ていたリルが、後ろから一緒にひょいと覗き込んだ。
コアの魔力が減ってきている
えっ、今月ちょっと魔力使いすぎちゃったかな?
ダンジョンコアの魔力が維持しているものは多岐にわたる。リルやローガンをはじめとする悪魔達の身体を維持するのはもとより、湯殿の湯を沸かしたり、居住区の灯り、炊事や洗濯といった家事全般にも魔力を利用した施設を使用している。
いやこれは消費が多いと言うより、吸い込む魔力量そのものが落ちているな
じゃあどこかが崩落しちゃったのかな? 昨日見回ったときは大丈夫だったけど
比例とまではいかないが、魔力の流入量は迷宮の規模によって増減する。コボルトやドヴェルグを雇い入れてからは殆どなくなったが、大規模な崩落が起きれば魔力の流入量が大きく下がる事もある。
しかし、Olは首を横に振った。
いや、現在の量を見るに、数日前から徐々に減っているようだ。魔力の流れ方からして、どこかで崩落が起きているという様子もない。龍脈自体の流れが変わったのかも知れんな
Olは顔をしかめた。もしそうだとしたら少し厄介な事になる。
龍脈ってあれでしょ? 大地の中を流れてる、川みたいな魔力の大きな流れ。そんなのが簡単に変わったりするの?
いや、普通は変わらん。だが、全く変わらないわけでもない
長い時の中で河が徐々に流れを変えるように、龍脈も徐々にその流れを変えていく。しかし、それは数百年単位の話で、数日や数ヶ月でどうこうなる話ではない。
どこかで地盤沈下でもあったのかも知れんな
思い当たる理由はそれくらいだった。龍脈は大地を流れているのだから、大地の構造自体が変われば流れも変わる。
まあ、流れが変わろうと変わった方向に迷宮を広げれば良いだけの話だ。だが、どういう方向に変わったのか調べなければならん。調査に行くぞ
ユニスとかスピナ呼ぶ?
リルに問われ、Olは少し考える。
いや、いい。空中から調査する事になるし、あまり多い人数で動いてフィグリアの連中に勘付かれても困る
っし
リルは小声で呟き、腰の辺りでぐっと拳を握った。
じゃあ、準備してくるね!
準備? 特に必要なものはおい!
Olの言葉を無視し、リルはいそいそと自室に戻る。
参ったな
リルの消えた廊下をぼんやりと見つめ、Olはため息と共に呟いた。
久方振りに二人で出かけた空の上で、リルは不満に頬を膨らませながら空を飛んでいた。
その腕の中にはOlが収まり、空の上からじっと地面に視線を注いでいる。
リル、進路を変えろ。ここから2時の方角だ
Olの指示に、リルは無言で方向を変えた。外に出るまで上々だったリルの機嫌が急降下しているのは、準備と称して着替えてきた白いワンピースと、手に持った弁当を置いてくるように言ったからだった。
そんな目立つ格好で飛べば見つけてくださいと言うようなものだし、ピクニックに行くわけでもない。そう怒鳴りつけると、リルは柳眉を逆立てながらも普段の服装に戻り、弁当を投げ捨てた。
一体何なんだ、とOlは内心嘆息する。ここの所、リルが露骨に好意を表しているのはわかる。が、その理由となるとサッパリわからない。悪魔にとって人間など、家畜か精々ペット程度の存在に過ぎない。
多少情が沸く事はあろうが、本気で惚れる事などあろうハズもない。ましてやリルは性愛を操り男を手玉に取る淫魔。尚更ありそうもない話だ。かといって、Olを篭絡して操ろうと言う腹でもないらしい。そもそもOlにそんな手が通用しないのはわかりきってるはずだ。
最初は、大っぴらに好意を示すユニスに対抗しているだけかと思ったが、最近ではむしろ彼女やスピナと共謀してOlを誘惑してくる。全く訳がわからない。
さっきから指示通り飛んでるけど、龍脈が流れてるかどうかなんて見てわかるの?
いや、わからん
多少機嫌が直ってきたのか、間を繋ぐ様に尋ねるリルにOlはきっぱりと答えた。
今は以前調べた龍脈を逆に辿っているところだ。龍脈が数日でずれるほどの変化があれば、必ず目で見てわかる程の何かがあるはずだ
Olの言葉にリルも地上にじっと眼を凝らしたが、特に不自然な光景は広がっていない。草原、森、山、村そんなものを飛び越えながら、二人は会話を続ける。
龍脈の流れってどうやって調べるの? 大地の中を流れてるんなら、魔術や魔力の瞳とかでも無理だよね。あたしにだってわかんないくらいなんだし
Olは頷く。
深く穴を掘って、土に含まれている魔力量を調べるんだ。大体、3チェーンほどの深さの土に通常の100倍魔力が含有されていれば、そこは龍脈の上と言っていい。1マイルごとにそうして掘って、龍脈点が2箇所あれば、そこを線で繋いだものが龍脈だと予想できる
3チェーンはおよそ60m。1マイルは約1.6kmだ。
それって結構大変じゃない?
結構どころの話じゃない。俺は龍脈の調査をしている間、ずっと狂人、もしくは変人扱いされていたくらいだ。今迷宮を広げている場所は三本の龍脈が交差している地点だが、ここを割り出すのに20年かかった。そこまでして場所を特定しても、ダンジョンコアがなければ何の意味もないからな
変人なのは間違ってないじゃない、という言葉をリルは辛うじて飲み込んだ。
代わりに彼女は鼻をひくりと鳴らし、大気に混じる魔力の匂いをかぎつけた。
ご主人様、何かかすかに魔力の匂いがする
何だと? どこだ?
んんあっちの方かな
リルはパサリと翼をはためかせると、まばらに木の生える森へ向かって高度を下げた。大気に混じる魔力の匂いはどんどん強くなり、地表に近づくとOlもはっきりと気付いた。
何これ?
そこには、何本もの鉄柱が埋め込まれていた。上から覗き込むと、それは柱ではなく中空の筒であることがわかる。どうやら、その筒を通じて地面から魔力が漏れ出しているようだった。
これは! しまったッ!
Olは咄嗟に、リルを突き飛ばす。同時に、彼の足元が真っ白に光った。
突き飛ばされたリルの目の前で、光の柱が立ち上ってOlの姿が包み込まれる。
Olッ!!
駄目だ、来るな! リルシャーナ、逃げろ!
Olに向かって手を伸ばすリルに、彼は呪力を込めた命令を叫んだ。契約に突き動かされ、リルの身体が意思とは関係なくOlから全力で離れていく。
Olーーーーーーーーーーー!!
叫び声をあげるリルの目の前で、Olの姿は掻き消えた。
第11話魔王を始めましょう-3
ほう、思ったよりいい男じゃないか
Olが部屋に入るなり、女はそう言った。ゆったりとした肘掛付きの椅子に脚を組んで座っているその女は、年の頃で言うと22,3と言った所だろうか。
白銀の髪をキッチリ肩で揃え、皺一つない軍服に身を包むその姿はいかにも隙がない。眼鏡の奥からOlを観察する瞳には、豊かな知性の光が見て取れる。一目にして、今回の作戦はこの女の手によるものだとOlは確信した。
はじめまして、魔王Ol。私はフィグリア王国軍、軍師のキャスだ
尊大にキャスは名乗った。
軍師?
聞き覚えのない単語に、殆ど反射的にOlは問い返す。
ああ、この辺りではまだ一般的ではないだろうな。主に軍の戦略指揮補佐、作戦の立案等を専門に扱う職業の事だ
ふむ。ところで、客に対し椅子くらい出ないのか?
キャスの説明に対して興味もなさそうに、Olは後ろに手を縛られたままそう尋ねた。
自分の立場がわかってないようだな
わかっているから言っておるのだ
言外に相手を馬鹿にするような視線を含ませながら、Olは答えた。
フン、と鼻を鳴らし、キャスは兵に椅子を持ってくるよう命じた。
流石は魔王、と誉めておく。こちらの要求を理解しているなら話は早い
それは、計略で上を行った自分の事を間接的に誉めているのか?
出口はあちらで間違いないようだ、とOlは椅子が運ばれてきた扉を視線は動かさずに確認する。そして椅子に腰を下ろしながら、キャスを揶揄するように尋ねた。
まさか龍脈の位置を把握しているものが、俺以外にいるとは思わなかった。どんな魔法を使ったら、僅か数ヶ月でそんな事が出来るんだ?
そんな安い挑発で口を滑らせるような女と侮らないで欲しい。が、二度と同じ手は通じないだろうし、逃がす気もないから教えてやろう
キャスはニヤリと笑みを浮かべた。
簡単なことさ。龍脈の魔力を使っていることはわかったが、どこを龍脈が流れているかなんて全くわからなかった。だから、魔窟の周囲全体に同じ罠を無数に作ったのさ
してやられた。Olは内心顔をしかめる。表情は変えなかったはずだが、その空気は伝わったのかキャスは愉快げに笑った。
どうだ、悔しいか。綿密な計算をただの力技で破られた気分は如何?
力技とキャスは言うが、そもそもOlの魔力の源が龍脈である事を突き止める辺りから、凡人の発想ではない。
お前の弱点は、他人を信じない事だ。迷宮の骨子となる龍脈の魔力が乏しくなれば、必ず自分自身で調べに来ると思っていたよ
魔力を弾く鉄の管で無数に穴を掘って、魔力を地中から吸い上げる。理屈としては、比較にならないほど乱暴で無茶苦茶な手だが、Olの迷宮と同じものだ。
ここ数ヶ月、私はずっとお前の事を調べ上げていた。お陰で初対面だと言うのに気の知れた友人に会う気分だよ
キャスは椅子から立ち上がると、そっとOlに顔を寄せて彼の顎をなでた。
出来れば名実共に友人になりたい。お前はそうは思わないか?
キャスは話の核心に触れた。Olは鼻で笑う。
友人だと? 部下か、奴隷の間違いじゃないのか
キャスはヒールを履いた足でOlの椅子をどかっと踏みつけた。
勿論、お前がそれを望むならそういう関係でも私は一向に構わん
要するに、キャスの言い分はこういう事だった。
迷宮全てと、それを作った技術を全て差し出せ
Olが未だに殺されないのは、それ以外に理由がない。それを察し、Olは椅子を要求したのだ。いう事を聞いて欲しければ多少の機嫌取り位しろと、こういう事である。
しかしそれも度を越せば、それほど躊躇うことなくキャスはOlの首を刎ねるだろう。首を刎ねられた程度で死にはしないが、そのまま全身バラバラにされたり、火葬されたりすると少々不味い事になる。
さて、どうしたものか、とOlは考えた。状況はかなり悪い。まず、Ol自身に打てる手が殆どない。両腕を縛っているのはかなり強力な魔封じの呪具だ。指輪なら指ごと噛み千切ればいいだけの話だが、腕輪となるとそういうわけにもいかない。
となれば舌先三寸で敵を騙すか丸め込むしかないが、目の前の女は恐らくOlより頭が切れる。成功する確率はかなり低いだろう。
悪いが俺は踏まれるより踏む方が好きな性質でな。お前が俺の靴を舐めるんなら考えないでもないぞ
まあ予想はしていたが、協力する気は無しか
Olの軽口に表情を変えることすらなく、キャスはOlの椅子から脚をどかすと、元いた椅子に座りなおしてぽつりと呟く。
ラディクス・フルーメン
そのたった一言で、Olの表情は激変した。
余裕を湛えていたそれが、矢の様に鋭い視線でキャスを射抜く。リルやユニス、スピナといった、彼を知る者たちがそれを見れば、驚いたかもしれない。
それは紛れもない、怒りの表情だった。
何故貴様がその名を知っている
苦労したぞ
キャスは机の上から報告書を取り上げ、薄く笑った。
琥珀色の髪に茶の瞳。まあ、大して特徴もないよくいる色だが、それはここ数十年の話だ。およそ70年前、我がフィグリア王国が隣国プラエティを滅ぼし植民地にするまでは、瞳の色はともかく琥珀色の髪の者など殆どいなかった。お前が街に送った手紙も見たぞ。Olの綴りのOの文字にほんの僅かだが、違和感があった。まるで、そこだけ書きなれていないかのようにな。お前の名前はAから始まるんだろう。プラエティ読みではOlはAurだ
否定も肯定もせず、Olはキャスをじっと睨んだ。
目撃証言は20代程の男とあったが、これほどの魔力を持つ大魔術師がそんなに若いわけがあるまい。魔術で若返っていると考え、私は調べる範囲を数十年以上前に伸ばした。そうしたら、いたんだ。アイン・ソフ・Olと名乗る魔術師がな。まあ、そちらでは主にアインと呼ばれていたようだが
大した名推理だな。だが、それがどうかしたのか
Olは既に平静を取り戻し、表情を戻していた。しかし、それが逆に付け入る隙であることをキャスに知らしめる。
アイン少年はそう、70年前のこの頃は、お前は間違いなく少年だった。彼は、プラエティ王国に住む魔女ラディクス・フルーメン通称ラズに拾われた。これが、資料にあるアイン少年の最も古い記録だ
Olは面白くもなさそうに、ふんと鼻を鳴らした。キャスは気にした様子もなく続ける。
彼女はお前と同じ琥珀色の髪をしていたらしいな。それで同情でもしたのか、とにかくラズはアインを自分の弟子にした。彼女の専門は魔術付与だった。と言っても、剣や槍に魔術を込めるようなありがちなものじゃない。城や投石器の様な、建築物や大型兵器に魔力を込める専門家だったらしい。国家魔術師でもない一介の魔術師であった彼女の名が残っているのもその為だな。彼女の作った砦や兵器は戦争に多大な功績を残し、小国ながら我がフィグリア王国に長い事抵抗を見せた
やめろ
Olの言葉を無視して、キャスは全部暗記している報告書をぺらぺらと読み上げる。
しかし、アイン少年を拾った辺りから、ラズは国への協力を減らし始め、ついには己の作った塔に篭って出てこなくなってしまう。プラエティ王国はこれを反乱と見て、兵を持って彼女を包囲し殲滅に当たった。その結果は
やめろといっている!
キャスはOlの怒声を振り切り、告げる。
自らの師を裏切り、その首を差し出す弟子によって、終結しひっ!
キャスのその宣告の最後は、恐怖によって震わされた。
軍師などと言う仕事をしていれば、敵からも味方からも恨まれる。今まで幾人もの人間達が彼女に怒りをぶつけ、憎しみのこもった視線を投げかけた。
しかし、Olの今の表情に比べればそれはいかばかりのものだっただろう。今Olの首を刎ねれば、首だけで宙を舞いキャスの喉笛を食い千切る。そう確信するだけの激しい怒りが彼の顔の形を変えかねない程歪めていた。
交渉が決裂した事は明らかだった。キャスが有効なカードだと思って賢しげに切ったそれは、Olの逆鱗そのものだった。
こ殺せ! 八つ裂きにしろ!
キャスの命に、待機していた兵達が槍を構え、一斉にOlに突き刺す。四方八方から槍で刺され、常人なら間違いなく死ぬほどの大量の血を溢れさせながらもOlは苦悶の声一つ漏らさずにキャスを睨み続ける。
ば化け物め
キャスは剣を引き抜き、振りかぶった。
煮え滾る怒りの中、どこか冷静な頭の一部分で、Olは己の死を覚悟した。
相手を挑発し、怒らせて剣を抜かせれば彼の勝ちのはずだった。肩を脱臼させてでも腕を回し、両腕を切り飛ばせば魔術が使えるようになる。勿論、そうした所で印も組めぬ身体だ。王宮の奥であろうここから、単身逃れるのは不可能に近い。しかし、可能性はゼロではない。
それを、己の怒りでゼロにしたのだから救えない。体中に刺さった槍は、Olの骨にガッチリと食い込んで全く身体を動かす事が出来ない。脱臼しようが、骨を砕こうが、腕を動かす事は物理的に出来ない。
キャスの剣がOlに迫る。軍師とやらは、自身で剣を握った事などないのだろう。握りも下手だし剣速も遅い。これではOlの首をはねることなどできない。
だが、頚動脈は断ち切られ、大量の血が吹き出す。Olの身体から絶対的な血が足りなくなり、肉体は活動を停滞させる。死にはしない、元より命などこの身体には入っていないのだから。
だが、永遠の停滞は死と変わりない。彼の身体は千々に引き裂かれ、焼き尽くされて灰となる。Olは何も見る事も出来ず、感じる事もできぬ冷たいガラスの瓶の中で、永遠に闇の中を彷徨う事となった。
正確には、なる、はずだった。
Ol!
耳元で、聞き覚えのある声が響いた。
それは運命を覆す力。
計算も策謀も蹴り飛ばし、道理も常識も踏み越えて。
助けに来たよ!
顔を上げたOlの目の先で、燃える炎の様な髪を持つ英雄の少女がニカリと笑みを見せた。
第11話魔王を始めましょう-4
なば
何故だ、という言葉と、馬鹿な、と言う言葉がキャスの頭をぐるぐる回り、彼女は池の鯉の様にパクパクと口を開いた。
大丈夫? だよね? 首刎ねられても生きてたくらいだし
ユニスは剣を閃かせ、Olに突き刺さる槍を全て斬り払い、腕を縛っている呪具も彼の皮膚に傷一つつけず両断した。周りを囲んでいた兵士達は全員、一瞬にして一撃で倒されている。
ああ、問題ない。助かった。しかし、何故ここがわかったんだ?
魔術で自身の傷を癒しつつ、Olは尋ねた。
そもそもOl自身が、ここがどこなのかわからない。恐らく救出を防ぐ為に、誰がOlを浚ったかとか、どこへ転送したかわからないよう偽装くらいはしていたはずだ。
勘! あ、違うかな、アレだよ。愛!
びしっ! とユニスは人差し指と中指を立てて見せた。Olは笑うべきか呆れるべきか悩む。
どうだ、悔しいか
Olは半ば自棄になって言った。
綿密な計算を、何と無くで破られた気分はどうだ?
はははははははは!
キャスは気がふれたように笑い始めた。正直、Olも笑い出したい気分だ。
ふざけるな対処が無いとでも思ったのか!?
キャスの言葉と共に、突然壁が開き、隠し扉から四人の精兵たちが飛び出す。完全に不意を打ち、特別な呪力の篭った槍は、英雄の反射神経を持ってしてもかわす事も受ける事もできない。完璧なタイミングだった。
そっちこそ
が、その槍は、一本たりとてユニスに届く事はなかった。無防備な彼女の背中から、太い腕が四本突き出し、兵士達の槍を掴んでいる。
何の備えもなしに、一人で突っ込んできたって思ったの?あたしのOlを助けに来たのにさ
よぉ旦那。中々愉快な格好になってるじゃねぇか。少し溜飲が降りたぜ
兵士達の足元から凄まじい炎が吹き上がり、彼らは一瞬にしてこの世から影も形も失った。
ユニスの影から這い出しながら、ローガンはゴキゴキと身体を慣らす。
ふーッ! ッたく、ババアの影の中は肩が凝るったらねぇや。特別手当でも出してもらわねぇと割にあわねぇな、こりゃ
だ! だから、あたしはまだ17だって言ってるでしょ!? ババアって言うな!
うるせえ、俺が認めるのは13歳以下(アンダーサーティーン)だけだ!それ以外は全員ババアなんだよォ!
英雄と悪魔の低レベルな争いに、Olは顔を手で覆い、はあっとため息をついた。
ついた、が。
それでも、その唇の端が緩むのを止める事は出来なかった。
Olっ
そのOlの顔を両手で挟み込み、ユニスは強引に彼の唇を奪った。
いきなり何だ?
何か変な顔してた気がしたから
ユニスの言葉に、Olはくく、と喉を鳴らす。あれほどあった怒りも、諦観も、いつの間にかどこかへ吹き飛んでいた。
ではそろそろお暇するとしようか
ユニスが無理やり突入してきたのだろう。矢庭に騒がしくなってきた部屋の外を見据え、Olは言った。
無理だ。ここは王都の最深部だぞ?王直属の近衛兵団が包囲している。精鋭中の精鋭だ。逃げられるわけがない
吐き捨てるようにキャスが言った。
だが、私を連れて行けば可能性はあるいや、絶対に逃げられる。兵の配置を知り尽くした私の知識と頭脳があれば逃げ切れる。だから私を連れて行ってくれ。お前のダンジョンで軍師として使ってくれればそれでいい。何なら私を抱いてもいいぞ
キャスの言葉に、Olは悩む素振りを見せた。
お前は、国に黙って俺をここに連れてきたな?己の地位を高める為だ。俺を殺すより、利用した方がより良いと。事と次第によっては、俺の力を持ってこの国を牛耳ろうと。だが、ユニスが来た今、近衛兵が俺を殺せてもお前は処分される。ならば、俺についた方が得策だと
そうだ。その通りだ。女だからと私を侮り、実権も与えぬこの国の老害共にはうんざりしているんだ! だから、お前なら裏切ったりしない。お前は、女だからって私を軽んじたりはしないだろう?
ああ、そうだな
Olは頷いた。この女の頭脳は役に立つだろう。それにかなりの美女だ。この女に奉仕させ、整った顔を穢してやるのはさぞ愉快なことだろう。
弱火だな
Olの言葉の意味がわからず、キャスは首を傾げる。しかし、すぐにその意味を察した。
なっ、何だこれは!? なああああっ!?
こんなもんか?
ああ、ちょうどいい
キャスは突然燃え上がった衣服を叩き、地面に転がった。しかし、燃え移った火は消えるどころか、徐々にその勢いを増すばかりだ。
助けてっ! 助けてくれっ!!
キャスは服を脱ぎ捨て、Olに向かって縋り、助けを請う。しかし服を脱いでもローガンの放った魔界の炎は彼女に纏わりつき、その身体は結界によってOlに触れることは出来ない。
美しかった肌は見る間に炎で焼け爛れ、悪臭を放ちながら崩れていく。
助げダズ
やがてキャスは炎の中に沈み、黒い灰だけがその場に残った。
ハン。やっぱりババアは駄目だな、魂が濁りきってやがる
鈍く光る白い球を灰の中から取り出し、ローガンはつまらなさそうに吐き捨てた。
ま、でも野郎のよかマシか
先ほど燃やし尽くした兵士達の魂がひとりでにふわりと浮き、ローガンはそれを口の中に詰め込んでもぐもぐやった。
はぁ、こんなんじゃ腹も膨れやしねえ
言いながら、キャスの魂をぎゅっと握って魔界へと送り込んだ。
さて、奴はここから脱出するのは無理だと言っていたが、どうだ? ユニス
無理って言葉は無視する為にあるんだよ
事も無げに言って、ユニスは扉を開く。瞬間、無数の矢が飛んで扉を蝶番ごと吹っ飛ばした。
わお。皆さんお揃いだね
緊張感なく言って、ユニスはノブだけになった扉をぽいと投げ捨てた。扉の向こうには、武装した近衛兵団が勢ぞろいしていた。
前面には楯を構えた兵が並び、その後ろには中腰で槍を構えた兵が槍衾を作り、更にその後ろには弓を構えた兵が立っている。この狭い廊下の中で矢を扉に命中させることからも、一人一人が相当の手だれであろうことが伺える。
しゃあねぇな、のりな
四本のうち一本の腕を振り、ローガンがユニスに背中を見せる。ユニスはぽんと馬に乗るようにその肩に腰を下ろした。そして、剣を構えるとキリリと眉を引き締める。
行くぜ
ローガンが、廊下を滑るように飛ぶ。彼は翼を持たない種類だが、悪魔にとって重力のくびきなどないも同然だ。真っ直ぐ矢の様に向かう彼の巨体に、こちらは本物の無数の矢がまるで動く壁の様に飛ぶ。
吹っ飛べーーーーー!
悪魔といえどただではすまないだろうその矢の壁は、ユニスが放った暴風によって空中で止まり、地面に散らばった。
おら行けっ!
驚愕に眼を見開きながらも、弓兵を庇うように上段・中段・下段と分かれて長槍を構える槍兵達に向けて、ローガンはユニスを投げはなった。
よいしょおっ!
掛け声一発、回転して逆さになりながらもユニスは空中で剣を一閃させた。
居並ぶ槍の穂先が一瞬にしてばらりと落ちる。目の前に着地したユニスを迎え撃とうと楯兵達が剣を抜いた瞬間、彼女は高く跳躍した。
その下をすり抜けるように、ローガンが突っ込んで腕を振るう。四本の太い腕は、全身を鉄鎧でくまなく包み、重い楯を構えた兵士数人を紙くずの様に吹き飛ばし、天井にたたきつけた。赤い悪魔はそのまま竜巻の様に腕を振るう。
武器を失った兵士達はなすすべもなくローガンの手によって肉塊へと変えられた。第二射を放つ暇すらなく、恐れをなして逃げ出す弓兵達も、吹き出す業火によってすぐさま灰となる。
ちょっとローガン、投げ方雑すぎなんだけど!目、回っちゃったよ!
うるせえ、お前こそもうちょい穏やかに矢防げねぇのかよ!2,3本刺さったじゃねぇか!
一瞬で精兵達を片付け、ユニスとローガンが喧々諤々と言い争いを再開する。その二人の様子を、Olは呆れ果てながらも頼もしく見つめた。
第11話魔王を始めましょう-5
馬鹿な
杖の様に剣を突き、彼は臓腑に溜まった血と共に言葉を吐いた。
周りに広がるのは仲間たちの死体。いずれも劣らぬ一騎当千の兵、選び抜かれた精鋭中の精鋭。フィグリア王国近衛兵団の者たちだった。
彼の視線の先に立つのは、紅蓮の髪の少女と灼熱の瞳の悪魔。血と炎に彩られ、紅く輝くたった二人に、近衛兵団400人は為す術も無く全滅させられた。
大丈夫か、ユニス
Olはユニスから魔力を補給しつつ、彼女に回復魔術をかける。襲い掛かってきた近衛兵団は全滅させたが、ユニス達も無傷とは行かなかった。
ユニスは剣を支えにぜえはあと息をしながら、こくりと頷いた。魔力は既に枯渇し、剣を振るうことしか出来ない。身体はそこらじゅう傷にまみれボロボロだ。ローガンも四本の腕のうち二本が中ほどから千切れ、角も片方折れていた。
初戦を一蹴され、通常の包囲陣では勝てないと悟った近衛兵団の対応は早かった。
広い部屋や十字路などで、あえて少人数で地の利を生かして襲い掛かり、波状攻撃をかける。休む間もなくOlを守りながら戦い続けるのは、二人の力を持ってしてもかなりの困難だった。
大丈夫、もう、外に出られるよ
ユニスは何とか息を整え、最後の扉を押し開く。
あはは
そして、目の前に映った光景に力なく笑い声を上げた。
これは、ちょっと、キツいね
Ol達が開けた扉は王宮の外れ、城壁の一角のものだった。そして、目の前には完全武装した王軍が布陣していた。その数、ざっと4000。一個旅団に相当する数だ。
ユニスとローガンは強い。まさしく一騎当千と呼ぶに相応しく、彼女らに勝てる人間などこの世界に10人もいないだろう。
しかし、それでも、数にはあらがえない。圧倒的な数と言うのはそれだけで力だ。布陣する王軍は近衛兵団に比べれば一段も二段も劣る錬度しか備えてはいないだろうが、疲れ果てたユニスとローガンを撃破するには十分すぎる力を持っていた。
10の槍を一息に斬り捨て、100の矢を飛ばす風を吹かせても、1000の魔術による砲撃は防げない。
転移して逃げようにも、城全体に入るだけでなく、出て行く側の転移も防ぐ結界が張られていてそれもままならない。
ユニス、魔力を借りるぞ
Olはユニスに口付け、彼女の中に貯蓄しておいた魔力を全て振り絞った。堕ちても英雄。彼女の魔力貯蔵量はリルの更に数倍。一流の魔術師を何十人も集めたのと同程度の量を誇っていた。
その魔力で練られた攻撃魔術が、王軍の真っ只中で炸裂する。
街の壁門を一撃で消し飛ばしたOlの魔術は、しかし王軍に毛ほどの傷をつける事も出来なかった。数十人分の魔力を使った攻撃は、所詮数十人分のもの。王軍は、1000名の魔術師兵、そのうち500名が防御魔術担当。一人ひとりの魔力は一流とはとても言えない量ではあるが、文字通り数の桁が違った。
Olの一撃を防ぎ、王軍は攻撃に転ずる。たった二人の敵に対し、接敵し乱戦に持ち込むような愚は冒さない。何百人もの魔術師が型に則った呪文を同時に詠唱し、集団で魔術を練り上げ構築する。
軍式魔術。統制し、訓練された軍のみが使いうるそれは、通常個人に使用されるような規模のものではない。敵軍はOlたちを、背後の城壁ごと跡形もなく消し去るつもりだとOlは悟った。
Olは、逃げてね
ユニスが剣を鞘に納め、ぐっと身を屈める。
しゃあねえな
はあ、とため息をつきながらローガンがその横に並んだ。
Olを逃がす為に、敵軍に突っ込むつもりだ。接敵すれば大魔術は使えない。さすがに味方を巻き込んでまで攻撃はしないだろう。
待て
Olは思わず、ユニスの肩をつかんだ。ユニスが振り向き、心底不思議そうな表情を浮かべる。Ol自身、何故彼女を止めたのか理解できなかった。
なんだ、ありゃあ
ローガンが呟き、空を見上げる。最初、Olはそれを雨だと思った。弧を描いて飛んでくる、光の雨。それは地面に振り落ちると共に、凄まじい爆音を轟かせた。
雨が降ってきたのはOl達の上にではない。王軍の上にだ。
降り注いだ光の雨に、王軍は大混乱に陥った。500名の魔術師といえど、軍全体を間断なく守れている訳ではない。穴はそこら中にある。雨は、まるで狙い済ましたかのようにその穴に向かって降り注いだ。兵士に降り注いだ光はその身体を貫き血飛沫を辺りに散らし、地面に落ちた光は石畳を砕いて周囲の兵達に石礫を飛ばした。
エレンか!
Olはようやく、まるでではなく、その雨が王軍の隙を狙い済ましている事に気付いた。
あっ、ミオもいるよ! おーい!
ユニスが嬉しそうに空の彼方へと両手を振る。Olには点ほどにしか見えないが、光の雨は空を舞うニ頭の飛竜から降り注いでいた。つい最近、迷宮に迷い込んできた番いの飛竜(ワイヴァーン)だ。ミオが操り、その背からエレン達が魔力で作った矢を放っているのだろう。
5人揃ったその速射はまさに雨の如し。もはや、大魔術どころの騒ぎではない。王軍は完全に混乱に陥っていた。軍の一部からエレン達に向けて矢や魔術が飛ぶが、高高度を舞う飛竜には全く届かない。一騎当千。エレン達のその言葉は嘘ではなかった。僅かに5人で、戦況を覆したのだ。
助かった、みたいだね
ユニスがほっと息を吐き、ぺたんと腰を下ろす。王軍はエレン達の攻撃から身を守るのに必死で、Ol達を攻撃する余力は全く残っていなかった。
ああ
Olはぼんやりと自分の右手を見た。あの時、何故自分はユニスを止めようとしたのか?
エレン達に気付いたから、ではない。救援の登場でうやむやにはなったが、ユニスを止めた時、Olはそれに気付いていなかった。
戦況を考えれば、ユニスのとった策が最上だ。彼女とローガンが時間を稼いでいるうちに、何とか城を脱出する。とにかく結界から離れさえすれば、転移で逃げられる。そして改めて戦力を整え、攻め入ればいい。ユニスを失うのは手痛いが、自身を失うのには比べるまでも無い。
そんな最上の手を止めた原因はハッキリしている。くだらない、つまらない情だ。手駒に感情移入し、失いたくないと思う。そんな感情がまだ自分の中に残っている事に、Olは歯噛みした。そんな甘さは枷にこそなれ、役に立つことなど無い。捨て去らなければならない。Olは、邪悪なる魔術師なのだから。
Olはぐっと手を握りこんだ。
Olさ
そんな彼の様子に気付いているのかいないのか、ぽつりとユニスが呟くように言った。
リルのこと、怒らないであげてね
彼女に視線を向けると、ユニスは軍の方に目を向けたまま続けた。
迷宮に戻ってきたリル、凄く必死だった。あたしに
ううん。迷宮の皆に、Olを助けてって。ミオなんて、迷宮の外に出しちゃ駄目って
言われてたのにね
ミオは一応仲間として扱っているが、立場は飽くまで生贄の少女だ。迷宮内を歩ける範囲も限られているし、作戦会議にも出ることは無い。もっとも、本人は自分の部屋より家畜小屋にいる事の方が多いくらいだから、あまり気にしていないようだが。
ローガンだってそうだ。万一の為に備えて、Olはユニスかローガンのどちらかは迷宮に待機させるよう命じていた。ローガンに命令できるのはOlの他にはリルだけだから、リルが彼にOlの救出を依頼したのは間違いない。
そもそも、リルがOlを助けようとする事自体、契約には無い。強制の呪いは、特定の何かを禁じる事は容易いが、何かをさせる事は殆ど出来ない。やるとすれば、具体的で単一の行動でなければならない。命令に逆らうなという契約は出来ても、常に俺を守れは契約として成り立たない。
傍にいるだけで守ってるつもりだったという解釈も出来るからだ。
にも拘らず、リルは全力でOlを救おうとした。
何故だ。何故リルは俺を救おうとする?奴に得になることなど、無いはずだ
むしろ、Olが死ねばさっさと魔界に戻ることが出来る。その身にOlの魔力をたっぷり蓄えて。普通の悪魔なら間違いなく見捨てるはずだ。
そんなの、好きだからに決まってるでしょ
知らず漏れたOlの自問に、ユニスはあっさりと答えた。
そうだよ。あたしもOl好きだもん、わかるよ
悪魔が人を好きになるなんて事があるのか?
まあ、普通はねえな
ユニスにかわり、ローガンが答える。
マリーの事は?
マリーちゃんマジ天使!
ユニスの言葉に、ローガンは右目をバチンとウィンクし、ぐっと親指を突き出した。山羊の様な顔でやられてもひたすらに気持ち悪い。
ってのもな。正直お前らの感性で言えば、彫像だとか絵画が綺麗って誉めてるようなもんだぜ。しかも超美味い飴で出来た彫像だ。あんな人間滅多にいないから多少得にならんことでも請け負ってやるがこの前の下らんゲームみたいにな。だが、自分の身と引き換えにするかって言ったら、そりゃ絶対にNoだぜ。まあこっちの身体なんて幾らでも作れるから、これが殺されるくらいは全然かまわねえけどな
ローガンは真顔に戻り、そう答える。
彼の価値観は悪魔の中では一般的だ。むしろかなり人間よりですらある。その彼でさえ、悪魔が人間に恋することなど絶対にない、と言い切ったのだ。
っていうか本人に聞いたらいいんじゃないかな
押し黙るOlを、判断に悩んでいると取ったのかユニスはそう言った。率直な彼女らしい意見だ。彼女の視線を追って空を見上げると、王軍の相手が一息ついたのか飛竜が一頭こちらに降りてくるところだった。
ごめんなさい!
飛竜の背から降りるなり、ミオは涙目で頭を下げた。
ごめんなさい、ごめんなさい!
勝手に迷宮内を出た事についてなら良い。不問に処す
違うんです、と首を振る彼女の背から、エレンとリルも気まずそうな表情で姿を現す。
リルか。今回は俺が油断した。お前にも特に処罰は
言いかけるOlに、リルも首を横に振る。
その、それは嬉しいんだけど、そうじゃなくてねえっと、その、ごめん。私もまさか、あんなことになるなんて思わなかったんだけど
何かあったのか? 要点をはっきり言え
うむ。スピナを止められなかった。まあ、私とリル殿に限って言えば止める気も無かったのだがな
リルに変わってエレンが簡潔に述べる。が、その意味を測りかねたOlに彼女は地平線を指差した。その指先を辿ってみると、王軍の背後、はるか彼方に緑色の何かがわだかまっていた。ほんの指先ほどの大きさだが、この距離からでも見えるという事は実際はとんでもなく巨大なはずだ。
なんだ、アレは
スピナが作ったスライム
申しわけなさそうに、リルが言った。
第11話魔王を始めましょう-6
そのスライムの能力は至極簡潔なものだ。一般的なスライムと比べて、たった二つの能力しか付与されていない。
・あらゆる魔力を食べ、大きくなる
・大きくなっても分裂しない
本来ならさほど問題にもならないその特徴は、キャスが仕掛けた罠のせいで手におえないほどの凶悪さを備えるに至っていた。
Olの迷宮に流れる魔力を奪う為に、龍脈にあけた穴。人工的な龍穴とでも呼ぼうか。そこから吹き出る魔力を吸い上げ、スライムは瞬く間に巨大化した。
あの門は何だ?
飛竜の背に乗り王軍とスライムを見下ろしながら、Olは尋ねた。スライムは縦に長く伸び、半分ほどが光り輝く門の様なものに埋まっている。
ああ、あれ、あたしが開けたの。罠のとこから、Olのところに行きたい!って思ってえいやってやったら何か開いた
ユニスの答えに、Olは頭を抱えた。道理で救出が異常に早かったわけだ。これだから英雄は始末が悪い。
本来逆探知など不可能なはずの転移の門を、Olを助けにいくと言う名目はあれ、あっさりと開けてのけるのだ。配下の村にあるOlの迷宮への転移陣も対策をしなければ、とOlは心のメモに書きとめた。
つまりアイツは、門の向こうの半身で魔力を無尽蔵に吸い込んで巨大化しつつ、王軍を飲み込みにかかっているわけか
うむ、そういう事になるな
愉快そうに笑みを浮かべながらエレンが頷く。
スライムに取り込まれても、直接死ぬことは無い。普通のスライムと違って魔力しか食べないからだ。が、急激に魔力を失うと人間は失神するようになっている。眼下を見れば、スライムに取り込まれ失神した人間達が何人かたゆたっていた。
先ほどまでは王軍が攻撃魔術を何発もスライムに叩き込んでいたが、かえってスライムを巨大化させるだけとわかりそれも取りやめ、ひたすら逃げに回っている。
剣も槍も効かない、魔術も効かない、炎で殺すには大きすぎる。
圧倒的な数はそれだけで脅威だ。軍の人数だけでなく、スライムの大きさという数においても、それは適用された。
笑い事じゃないぞ
こんな戦略が誰にも利用されないのは、そこまで大量の魔力を簡単には用意できないと言うのもあるが、それ以上にスライムが制御不能だからだ。
王軍に襲い掛かっているのも別にOl達の味方をしているわけではなく、そこに魔力を保有する人間と言う餌があるゆえの事。命令を聞くほどの知能などなく、魔術で直接操ろうにもその魔力を喰ってしまう。厄介なこと極まりない。
ご心配なく
唐突に背後から不吉な声が聞こえ、Olは思わず身体をびくりと震わせた。
振り返れば、もう一頭のワイバーンの背中に、エレン配下の黒アールヴと共に黒い髪の魔女が乗っていた。
あのスライムは水に溶けます。お師匠様でしたら、天候操作の魔術などさほどの労も無いかと思いますが
自分で始末もつけられぬ物を作るな
申しわけございません
それほど反省した様子も無く、スピナは慇懃に頭を下げた。たしなめながらも、Olは内心舌を巻く。
他の分野ではわからないが、魔法生物、特にスライムの創造にかけてスピナは間違いなく天才だ。それも、数百年に一度レベルの。
今でさえこれほどの技術。長じればどれだけのものになるのか。頼もしく思う反面、Olはそれに僅かな恐れを抱いた。今のうちに殺してしまった方がいいのではないだろうか、とさえ思う。
そういった問題において、より深刻なのはユニスだ。Olは横に座る紅髪の少女に目を向けた。
仲間の危機に都合よく現れ、救う。
自分の危機に都合よく仲間が現れ、救われる。
それは、英雄の持つ気質の一つだ。Olを助け、そして軍を前にした危機にミオとエレンが現れた。これらはユニスの力が作用したものと見て間違いない。
問題は、堕ちたる英雄はこれらの運命を覆す能力を、基本的には持たないという事だ。彼女に正義の英雄の星としての力が戻りつつある。Olの見立てではまだ完全に取り戻した訳ではないだろうが、いずれ元に戻るだろう事は予測できた。
その時、ユニスはそれでもOlの味方をするのだろうか? 今、この高さから突き落とせば流石に英雄とて死ぬ。愛するものに殺される。それは十分に悲劇的だ。英雄の力を持っているからこそ、今突き落とせばユニスは死ぬ。
?
Olがじっと見つめていることに気付き、ユニスは振り向いてニッコリと笑う。
危ないぞ。もう少しこっちによれ
言って肩を抱き寄せるOlに、ユニスは嬉しそうに身を寄せた。
まだだ。まだ、利用価値はある。
Olは自分にそう言い聞かせた。
さて、諸君
脚を組んで腰を下ろすOlの前には、王国首脳部すなわち、元老院の面々が集められていた。
Olの左右にはローガンとリルが、その悪魔としての威圧感を隠しもせずに立っている。
王軍の兵は残らず消えた。まあ、まだ生きてはいるがその命が我が手の中にあるのは理解している事と思う。我に従い、我を王として頂くか。それとも、このまま地図からこの国を消し、醜いスライムとなって永遠に蠢くか。疾く決めよ、我はさほど気が長くない
Olは立て板に水とばかりに嘘を並べ立てた。スライムは人を食わないし、石壁の類も吸収できない。そもそも、この地方は降水量がさほど多い方ではないとは言え、国を丸ごと平らげる前に間違いなく雨が降る。70年かけてダンジョンを掘り当てた男が気が長くないとは、面白いジョークだ、とリルは内心で笑いを堪えた。
ふざけるな、この魔王め!
隠れていた兵が剣を抜き、Olの心臓を貫く。
Olは身じろぎもせずそれを受けると、ひょいと手を上げてローガンに命じた。瞬く間に兵の身体が燃え上がり、剣をずるりと抜くと血の跡さえ残らない。
返答は如何に?
まるで何もなかったかのように尋ねるOlに、大臣達は戦慄を隠すことも出来なかった。国中から王都に援軍は集まってきてはいたものの、巨大と言うのも馬鹿らしいほどの大きさのスライムが城門を閉ざし、兵は攻めあぐねていた。
ちょうど、自分達の城に篭城された形になっている。そんな状況で攻城級の魔術を使うことも出来ず、かといって城内に入ることも出来ず。そして何より、彼らの頂く王の姿は、今Olの尻の下にあった。呪いをかけられ、椅子にされているのだ。
その上、Olはその身が不死身である事をたっぷりと大臣達に見せ付けた。暗殺も出来ないのではどうしようもない。
本当に我々の地位は保障して頂けるのか
大臣の一人が問い、Olは頷く。
ああ。この王に代わり、我に仕えるというのならば貴様等の地位は保障しよう。仕える者が代わる、ただそれだけだ。貴様らは今まで通り、権力を手にし、存分に私腹を肥やせばよい。しっかりこの国を存続させるなら、むしろ今までの王よりも目を零そうではないか
Olの言葉に、数人があからさまに胸を撫で下ろした。
畏まりました。我ら一同、Ol様にお仕えします
大臣達が揃って膝を折り、頭を下げた。目の前にいるのはどいつもこいつも保身と利己だけを考えている腐った人間ばかりだ。そうでないものは皆、灰になっている。
しかし、そんな人間でも国を動かすのには必要だった。スピナの魔喰いスライムは雨が降れば消滅する。ユニスが開けた空間の門も、一日と持たず消え去るだろう。そうなればOlには当分、王軍を倒す術はなくなる。
予定よりはかなり早くなってしまったが、この好機にOlは一気に国の首をつかんだ。軍がどれだけ強大であろうと、動かすものがいなくてはどうしようもない。Olが王に即位することで内乱が多数勃発するだろうが、そう言った時の為にも大臣達は必要だった。
それから三日後。フィグリア国王、カルス・ルディアス・フォンシシリアス・フィグリア8世の処刑が行われ、次いでOlの即位声明が公布された。
当然、王が殺され魔に支配されたことを嘆き悲しむ国民も多かった。しかし、既にOlに占拠されている村や街の評判が良いこともあり、さほど大きな内乱は起きず、王軍と魔物の部隊によってすぐに鎮圧された。
Olは国名をフィグリアから変えることはなかったが、周辺国からは魔の国と呼ばれ、これ以後Olは正式に魔王を名乗ることとなる。
閑話王に連なるものを陵辱しましょう-1
この、けだものめッ!
部屋に入るなり、そんな声と共に王妃は短剣を手に突きかかった。
胸となく腹となく滅多刺しにし、ぜえはあと肩で息をしているところにOlは声をかける。
気は済んだか?
その姿には傷はおろか、血の跡すら残っていない。
この、化け物め
王妃は無駄を悟ったのか、からんと短剣を落としてうなだれた。彼女にとっては残念なことだが、今のはOlお得意の不死性を見せたわけではなく、魔術の初歩の初歩。魔術を齧りでもしていれば引っ掛からないような、簡単な幻術だった。
彼女の後ろには二人、姫が並んで同じようにOlに憎しみの視線をぶつけていた。元王妃オリヴィアは現在32歳。娘のパトリシアとプリシラはそれぞれ16と12だ。いずれも劣らぬ美女、美少女達だった。
三人ともそっくりな金髪碧眼で、まるで一人の女のそれぞれの年代を見ているかのようだった。まだあどけない顔のプリシラは、堅く閉じた蕾の様。手足は細く、胸の膨らみも乏しい。その代わりに、全てを魅了するような幼子独特の愛くるしさがあった。
それに対してパトリシアは、まさに今開いたばかりの可憐な花。身体は丸みを帯び、胸や腰のふくらみは控えめに、しかしはっきりと服を押し上げ、その魅力を声高に主張している。背後にプリシラを庇いながら、彼女は恐怖に顔を引きつらせながらも、その整った眉を吊り上げて気丈にOlを睨みつけていた。
プリシラが蕾、パトリシアが花とするならば、オリヴィアは熟れた大輪の花束だ。その豊満な体付きは服をしたからぐっと突き上げ、成熟した雌の色香をこれでもかと言うほど辺りにちりばめている。それでいて、その身体は子を二人も産んだと言うのにどこもたるむことなく、絶妙なプロポーションを備えていた。
まず、言っておかねばならぬことがある
三人の美女は、目の前に広がった光景に思わず息を呑んだ。
すまなかった。必要なことであったとは言え、お前達の夫、父親を殺した事、この通り謝罪する
魔王が、深々と頭を下げ謝ったのだ。
謝るくらいなら、お父様を返して!
それは出来ぬ。必要なことであったからだ
悲痛なパトリシアの叫びに、Olは毅然と答えた。
この国は腐っていた。いや、今なお腐り果てている。しかし、まだ死んではいない。国を生かすため、王を殺す必要があった
しかし、とOlは続ける。
王は王である以前に、お前達の夫であり、父親である。それ故に、謝罪に来た。殺す必要があったのは王であって、お前達の父親ではない
その言葉に、幼いプリシラがわっと泣き出した。
つまりカルスは王として不適任であったと?
適任だと思っていたのか?
逆に問い返され、オリヴィアは押し黙った。魔王が、この国を良くしようなどと考えていないことは明白だ。しかし、亡き夫が名君であったかと言えば、そうでもない事を彼女は誰よりも知っていた。
逆に問おう。カルスは良き夫であったのか?
勿論です
じっと威圧的な視線を送るOlをにらみ返し、オリヴィアは気丈に答えた。
Olは愉快げに声をあげると、無遠慮にオリヴィアの胸をつかんだ。
それを払い除けようとし、オリヴィアは自分が身体を動かす事も、声を出す事も出来なくなっている事にようやく気がついた。言うまでもなく、視線を介したOlの魔術だ。
しかし、そんなことは彼女の背を後ろから見る娘達には伝わらなかった。
お母様?
されるがままに胸を揉まれる母親に、パトリシアが不安げに声をあげた。
口では嘘をつくことが出来ても、身体はそうではないようだな
下品にならない程度に、しかし艶やかに胸元をさらすオリヴィアのドレスに指をかけ、Olは一気に引き下げた。
ぶるん、と音のしそうな勢いで、豊かに熟れた二つの果実が揺れ、まろびでる。リルのより大きいかも知れんな、とOlは感心した。オリヴィアの双丘はドンと張り出した見事な釣鐘型で、その年齢と大きさにも関わらず殆ど垂れていない。
Olは両手でそれを掴むと、ぐにぐにと思うままに揉みしだきながら言った。
これほどの見事な身体を持ちながら、カルスには殆ど相手されていなかったのだろう?最後に抱いてもらったのは何年前だ?
声を出せない状態のオリヴィアではあるが、Olの言葉に言葉を失った。確かに、カルスが彼女を床で愛したのはもう随分前、彼女がまだ20だった頃の話だ。女盛りを迎え、貞淑な彼女は娘達の前で他の男を咥え込む事も出来ず、熟れた身体をひたすらに持て余していた。
その間、本人は後宮で何人もの美女とお楽しみだ。こんなにも美しい妻を放っておいてそれで、よき夫であったといえるのか?
しかしそれは、仕方がないことであるとも言える。王であったカルスにとって最も大事なことは、世継ぎを作ることだ。二回連続で娘を産んだオリヴィアは女腹と断ぜられ、プリシラを産んでからは閨に呼ばれる事さえなくなった。
なるほど王とはそういったものかも知れぬ。王として相応しかったかどうかは、民草や後の世の歴史家にでも判断を任せればよい。だが、夫として、父としてはどうだ? カルスはお前達を慮ってくれたか?愛し、省みてはくれたか?
図星を指され、パトリシアは俯く。世継ぎの男児を熱望し、そしてついには叶わなかった父は、娘達を省みることは殆どなかった。大国グランディエラや宗教国家ラファニスに囲まれた小国であるフィグリアにとって、世継ぎはそれほど大事な物であったのだ。
しかし、それと父としての愛は別物なのではないだろうか。王と父を分けて話すOlの前に、パトリシアは初めてそう思った。
どうだ、オリヴィア?久々に男に弄ばれ、求められる感覚は
Olの巧みな指使いに、オリヴィアの頬は上気し、身体の芯は男を求めて疼いていた。
はっきり言ってやろうか。お前達の王、カルスは、王としても、夫としても、父としても
嫌ぁぁぁっ!!
パトリシアが床の短剣を取り、Olの腕に振り下ろした。細腕で振った剣は骨を断つ事が出来ずOlの腕に食い込んで止まるが、今度は幻術などではなくしっかりとOlの身体に傷をつける。
Olは内心その気の強さに感心したが、そんな事を億尾にも出さず剣を掴んでパトリシアから奪った。すぐに彼の腕の傷が癒えると共に、視線が外れてオリヴィアの身体が自由になる。
しかし、自由を取り戻した彼女が出来たのは、Olの怒りに触れた(ように見える)パトリシアを抱きしめ、庇うことだけだった。
許して許してください
目で睨まれただけで動くことも喋ることも出来なくなるという体験は、オリヴィアの心にしっかりと恐怖を植えつけていた。彼女は震えながらも、しっかりとパトリシアを抱きしめ許しを乞うた。
いいだろう。娘達二人は態度によっては見逃してやっても良い。ただし、それ相応の誠意を見せてもらおうか
我ながら、陳腐な台詞だとため息をつきつつ、Olがそういうと親子はびくりと身体を震わせた。その言葉の意味を理解したのだ。三人の中でプリシラだけが意図をつかめず、涙を浮かべながらもきょとんとしていた。
わかりました、Ol様では、私の寝室へ
その必要はない
Olはオリヴィアの腕をぐいと掴み、部屋の奥のベッドへと彼女の身体を引っ張り、押し倒した。
お前達はそこで見ていろ。動くことも喋ることも禁ずる
Olは後ろの娘達を振り返り、言葉に呪力を込めてそう命じた。王宮の中大切に育てられ、魔術など使うどころかかけられることさえなかった二人の姫君は、自らの母に視線を投げたままその一言で石の様に動けなくなった。
いやいやぁ!
さて、それは本心か?
娘の前で犯されると言う恐怖に顔を引きつらせ、暴れるオリヴィアの身体を押さえ込んでOlは彼女のスカートを捲り上げた。
お前、これは
下着に隠された秘所に指を這わせ、Olは思わず素で呆れた声をあげた。先ほどの愛撫で多少なりと湿り気を帯びていればそれをあげつらって責めようと思っていた。しかし、そんなOlの予想を裏切り、そこは既にしとどに濡れそぼり、ぐっしょりと下着に染みを作っていたのだ。
幾らなんでもこれは濡れすぎだろうまあいい。これだけ濡れておれば愛撫もいらんな
いやいやをするように首を振るオリヴィアの身体を押さえつけながら、Olは下着を剥ぎ取ると自分の一物を取り出し、一気に突き入れた。
ああぁっ
オリヴィアは高く声をあげた。その声色に多分に快楽が混じっている事を感じ取り、Olは呆れを更に強くする。最初は恐怖と畏怖を与え、徐々に快楽を感じさせて恭順させる。Shalに使ったのと同じ方法だが、いきなり快楽を感じられるのは流石に想定外だった。
オリヴィア一人ならそれでも構わないが、他にも二人堕とさねばならないのだからこれは少し都合が悪い。抽送を繰り返しながら、Olは急いで思考をめぐらせた。
どうだ、久しぶりの男の味は。お前の身体は随分喜んでいるようだが?
いやぁ、だめぇ
弱弱しく拒否しながらも、その表情は既に快楽に融け、膣口はOlのペニスを逃すまいとするようにきゅうきゅうと締め上げていた。呆れた淫乱さだが、Olはそれを利用することにした。
俺の物になるのなら何度でもこれをくれてやる。お前は美しい。このような美しい女を抱かぬなど愚か者のすることだ
一瞬、弾みで毎日と言い掛けてOlは言い換えた。本当に毎日求めて来かねないと思ったからだ。
う、うぅ駄目、駄目ですそんな私は、夫を裏切る事など
身を悶えさせ、オリヴィアはそう答えた。ここまで感じながらまだそんな事を言う辺りは大した物だが、その夫の敵に愛人になれといわれ迷う辺りはもう大分参っている証拠だ。
異な事を言う。先に裏切ったのはカルスではないのか?
Olはぐりぐりとオリヴィアの中を蹂躙しながら言った。打てば響く鐘の様に、オリヴィアは高い声をあげ、ぐにぐにと膣内を蠢かせてピットリとOlの物に吸い付いた。或いはリルのそれに匹敵するほどの淫猥な身体に、Olは思わず達しそうになるのを堪えた。
下手をするとこれはある意味、今までで一番厄介な女かも知れん。Olは背筋を這う快楽をやり過ごしながら、気を入れなおした。
これほどの素晴らしい身体を持つお前に女の喜びを与えもせず、他の女にかまけていたカルスの方が先に、お前を裏切ったのではないのか?
で、でもそれは、王としての責務で
Olが用意した逃げ道にまんまと逃げ込むオリヴィアに、
俺ならば、何人女を産もうが全く気にせぬがな
Olはこの上なく優しい口調で丁寧に止めを刺した。
この身が死を知らぬものである事はその手で確認しただろう。世継ぎを作る必要などない。お前はその美しい身を我に捧げ、女であろうが男であろうが好きなだけ孕むがいい。お前の二人の娘達にも、俺が女の喜びを教えてやろう。そして子を孕ませ、この国の姫として王子としてカルスの血を遺してやろう。さすれば、お前は夫を裏切ることにはならぬ。むしろ王家の血を絶やさず次代に繋いだものとして称えられる事になるだろう
悪魔の言葉は、今まであらゆる意味で女として認められなかったオリヴィアの心の隙間にするりと入り込み、奮わせた。
Olは言の葉に飛び切りの毒を織り交ぜ、囁く。
俺は後宮の妾が産んだカルスの子を、王宮に置いておく気はない。血を継ぐのは、お前の子だけだ
それは素晴らしく甘美な毒だった。誰もが羨む美しさを備えて生まれ、14にして王の正妻として迎えられた。謙虚に上品に振舞いつつも、その奥には常に自分の女としての価値を意識していた。
それが、ただ二度、男児を産めなかったというだけで彼女は全てを否定され、後宮に押し込められ、輝かしい筈の20代は退屈な日々に塗りつぶされた。男を産めぬ女腹と嘲られ、夫から女と見られることもない灰色の生活。彼女の自尊心は、粉々に叩き折られた。
愛する娘を恨んだ事は一度もない。彼女の憎しみは、男しか認めぬ男たちに向けられていた。そんなに男が好きならば、男同士まぐわっていればいいのだ、と思ったことも一度や二度ではない。そんな否定され続けてきた彼女の人生を、Olは全て肯定してくれた。
はいOl様。どうぞ私に、Ol様のお子をたくさん孕ませてくださいませ
涙を流し、オリヴィアは差し出された毒を呷った。
閑話王に連なるものを陵辱しましょう-2
さあパティ、いらっしゃい。一緒にOl様のご寵愛を頂きましょう
いやいやと首を振るパトリシアの気持ちとは裏腹に、その脚は一歩ずつベッドへと近づいていく。明らかに正気を失った瞳で、いつもの様に優しい声をかける母親を彼女は恐怖した。
顔一杯に恐怖を浮かべて近付く彼女を見守りながら、Olは次の手を模索する。魔術や催眠術で母親同様にセックス漬けにするのは簡単だが、それはあまりにも芸がない。
さあ、あなたのここでOl様のあの逞しいペニスを受け止めて差し上げるのよ。最初は痛いかもしれないけれど、すぐにとっても気持ちよくなれるわ
オリヴィアはパトリシアを後ろから抱きしめるようにすると、その両脚をぐっと割り開いた。シンプルな可愛らしい下着がOlの目の前に露になり、パトリシアの顔が引きつる。
その様子を見て、Olは一つ思いついた。このオリヴィアの娘であれば、出来るかもしれない。
俺に抱かれるのは嫌か
あったり前でしょ!
声が出せるようになっている事に気付き、パトリシアは怒鳴る。
ならば、賭けをしようか
Olは魔術で蝋燭を取り寄せると、パチンと指を弾いた。ポ、と火の灯った燭台をサイドテーブルに置く。
この蝋燭は四半刻(30分ほど)で燃え尽きる。俺は指以外使わぬし、お前の秘部にも一切触れん。この条件で、蝋燭が燃え尽きるまでにお前が俺に、自分から犯してくれと頼めば俺の勝ち。耐え切れば、お前の勝ちだ
いいわ。乗ってあげる
パトリシアは毅然として答えた。この男に指だけとは言え嬲られるのは虫唾が走るほど嫌だが、賭けに乗らなければ無理やり犯されるだけだ。この男は随分自分の指に自信があるようだが、どんなに快楽を与えられようと自分からそんな事を言うなんて考えられない。
ただし、条件があるわ。私が勝ったら、妹のプリシラとお母様も解放なさい。それに、二人にかけた妖しげな魔法も解くの。いいわね
よかろう。オリヴィア、お前はそこに控えておけ
鷹揚に頷き、Olは告げた。オリヴィアは渋々といった様子で、ベッドから降りる。
予言してやろう。お前は自ら、俺の物をそこに咥え込むことになる
そんなのなるわけ随分、自信があるのね? 何か秘訣でもあるの?
一方的に否定しかけ、パトリシアは会話を続けやすいように質問した。蝋燭に火は既についている。なるべく会話を引き伸ばせば、それだけOlがパトリシアを嬲る時間を減らせると気付いたのだ。
別に秘訣と言うほどの物でもない。こう見えて、俺は見た目より齢を重ねている。年の功と言う奴だ
エロ爺ってわけね
パトリシアがそういうと、爺扱いが嫌だったのか、Olは少し顔をしかめた。
実際は幾つなの?
さて、いちいち年齢を数えたりしてはいないからなだが、80は越えていた筈だ
はっ80!?
パトリシアは絶句した。爺と言ったのは嫌味で、精々30、40程度と思っていたのだ。若く見える、の限度を超えている。
なにそれ。不老不死ってわけ?
まあ、そうともいえるな。そうは言っても、無限に生きられると言う訳ではないが。時を戻しての若返りには限界がある。時間を重ねるほど、必要な魔力は指数的に増大するからな
何年くらい生きられるの?
パトリシアは僅かな希望を抱いて質問した。Olの治世が後十数年で終わるなら、この国の未来にも希望が持てる。
一流の魔術師で数十年。俺でも、もって後数百年といったところだろうな。1000年には届くまい
そして、返ってきた答えにガックリとして、パトリシアはパタパタと手で顔を扇いだ。傍で蝋燭が燃えているせいだろうか、さっきから妙に暑い。
さて、そろそろ始めるとするか
たっぷり話し込んでいるうちに、蝋燭の長さは半分ほどになっていた。これで勝ちは間違いない。パトリシアは勝利を確認した。後は、絶対に声を出さなければいいだけだ。敗北条件もそうだが、喘ぐ声も聞かせたくなどない。
Olの指がまるでナイフの様にパトリシアの服を切り裂く。それは彼女の肌には毛ほどの傷もつけず、あっという間にパトリシアを生まれたままの姿にした。
なっ
指しか使っていないぞ
Olは人差し指をピンと立て、パトリシアに見せた。そしてその指をそのまま、彼女の慎ましい膨らみの先端に押し当てる。
ひぁっ!!
服を容易く切り裂いた指先だ。傷付けられるのでは、と意識を集中したところに身体を貫いた思わぬ感覚に、パトリシアは高く声をあげた。
な、何?
未知の感覚に、パトリシアは脅え戸惑う。
もう随分興奮しているようだな。こんなに張り詰めているぞ
Olはゆっくりと彼女の乳首を摘んだ。
ふぁぁぁっ!!
それだけでパトリシアは身体を反らし、奮わせた。いつの間にか全身が熱く火照り、彼女は荒く息をする。
何を、したの
何も。お前の身体の感度がいいだけだろう。流石はオリヴィアの子だな
お母様を悪くひぁぁぁっ!!
柳眉を吊り上げ言い返そうとするも、パトリシアはOlの与える快楽に翻弄され怒りもままならない。
悪く言ってなどいない。誉めているのだ。処女でこれほど乱れられる者もそうはいまい。流石は王家に連なる血だ
ふぁっ、だ、だめぇ、両方し、ちゃぁぁあ
両手でパトリシアの胸を突き、くるくると愛撫するOlの指に彼女の理性は崩れ始めた。
どうだ? 俺の物が欲しくなってきたのではないか?
誰、がふぁぁぁぁっ!
気丈に言い返そうとしながらも、パトリシアの視線は突き出されたOlの一物に釘付けになっていた。赤黒いそれはオリヴィアの愛液を纏っててらてらと光り、どくどくと脈打つさまはこの上なく淫靡だった。
グロテスクでありながらも、逞しく力強さを感じさせるその肉槍に、パトリシアは思わずごくりと唾を飲み込む。
既に彼女の股間はしとどに濡れそぼり、受け入れる体勢を整えている。しかし、彼女は鉄の精神力で言葉を抑えていた。
試しに言ってみたらどうだ? 今なら言っても、お前の負けとはしないし、実際に犯したりもしない。練習だ。実際負けを認めたいときに、言えなかったら困るだろう?犯してくださいと言ってみろ
お!?
快楽に思考を乱され、ぼんやりとしていたパトリシアは命令されて反射的に言われた通りにしてしまった。
しかし、おから先が言えない事に気付き、驚愕する。
! っ!
何度言おうとしても、言葉が出ない。パトリシアは躍起になって言おうとした。しかし、どれだけ試しても言葉が出てこない。
ふむ中々強情な娘だな
ちらりと蝋燭に目をやり、Olは呟いた。蝋燭はもはや殆ど残っていない。このまま行けば、パトリシアの勝ちだ。それに気付き、彼女は愕然とした。
勝ち? このまま? こんな、飢えた身体のまま?
全身は熱く火照り、今すぐ犯して欲しい、と訴えていた。余りの快楽に気が狂いそうだ。Olはすっと手を引き、彼女を愛撫するのをやめた。すると、飢えは更にひどい物になる。まるで全身が痒くて仕方ないかのように、股間がうずき、我慢が出来ない。
!
それなのに、犯してという言葉はパトリシアの口からはどうしても出なかった。犯して欲しい。滅茶苦茶に突いて欲しい。出せぬ声は、彼女の欲求を弥が上にも煽った。
時間か。賭けはどうやら、お前の勝ちのようだな
蝋燭の炎は消えた。しかし、そんなものもはやどうでも良かった。情欲の炎は燃え盛り、パトリシアはもうOlに犯されることしか考えられない。なのに、相変わらず声は出ない。彼女はついに、Olに抱きつくと、その剛直を己が身に収めた。
ああっ!
歓喜の声が、彼女の喉を通り過ぎる。痒いところにようやく手が届いたかのような、素晴らしい気分だった。彼女の純潔の証は股間から流れ出ていたが、痛みよりもはるかに快楽の方が強い。
賭けに勝ったのだから、お前は犯される必要などないのだぞ?
いいっ、もう、そんなのいいどうでもっ!
パトリシアはOlの首に手を回し、ひたすらに腰を振った。一度抽送を繰り返すたびに脳髄が痺れ、甘美な快楽が稲妻の様に身体を走る。彼女は生まれて初めて味わう快楽をただただ無心で貪った。
やはりオリヴィアの娘だな。媚薬も必要なかったかも知れん
蝋燭に視線を走らせ、Olが呟く。しかしそれもパトリシアの耳には届いていなかった。
ああっ、ああああっ、駄目、駄目ぇぇぇぇーーーーっ!
パトリシアが絶頂に達し、身体を奮わせるのにあわせてOlも彼女の中に精を放つ。本人がどうでもいいと言ったのだから、当然先ほどの約束は反故だ。
さて最後の一人はどうするか、とOlが視線を移すと、そこには母に秘所を弄られ、すっかり融けた表情のプリシラの姿があった。
Ol様、準備は万事整えて置きました
妖艶に笑うオリヴィアを見て、Olは更に呆れを強くした。とんだ淫乱母娘だ。
Ol様ぁ、もっと、もっと奥にお情けを私に赤子を孕ませてくださいっ!
Ol、様! 私にも、精液頂戴っ! お母様と、同じ歳でああぁっ、赤ちゃん、孕みたいのぉぉっ!
Olさまぁ、リシィにも、たくさん赤ちゃんの素、くださいお母様やお姉様と一緒に、赤ちゃん生ませてくださいぃっ!
三人のそっくりな母娘たちが、競い合うように白い尻を振り、Olの精を求める。
ああ。存分に俺の子を孕め。娘を産んだら、その娘もまた孕ませてやろう。そうして、カルスの血は永遠にこの地を満たすのだ
ああっ素敵
オリヴィアはほうっと息をつき、うっとりして呟いた。Olは褒美に、パトリシアの中から引き抜いてオリヴィアに突き入れてやる。
ああっ、Ol様ぁ、素敵ですぅ私に、女としての悦びをあんっ、もっとぉ、教えてくださいませっ
豊かな尻と乳房をふるふると震わせ、オリヴィアが喘ぎ、
あん、Ol様、抜いちゃ駄目ぇお父様の血を残すなら、私を孕ませてくれないとお母様では、血は残らないですよ?
拗ねたようにパトリシアが振り向き、Olに肢体を絡ませ、
Olさま、リシィもぉお姉様より4つも若いから、4人は多く赤ちゃん孕んで見せますぅ。だから、もっともっと中にくださいぃ
プリシラが小さな身体をもぐりこませ、オリヴィアを貫く肉棒から精の詰まった袋を舐め上げる。
案ぜずとも、全員しっかり孕ませてやる。それ、尻を並べろ
Olの言葉に嬌声を上げ、オリヴィアの横に並んで尻を突き出す二人の娘達。Olは三人の美姫に順に精を注ぎ込むと、揃って奉仕させ、寄せ合う三人の顔を白濁の液で穢した。
恍惚とした表情を浮かべる女達を見て、Olはひとまず息を吐く。十月十日後、彼女達は元気な赤子を生むことだろう。子を孕んだとなれば、彼女らを立ててOlを斃そうとする勢力も手出しは出来ない。
カルスとOl、両方の血を引く子供が出来てしまえば、Olの王としての地位も磐石な物になる。その頃には反乱の芽も粗方摘めるだろう。
人間達を統治するのも中々面倒な物だ。ダンジョン内の魔物の方がずっと扱いが楽だ。温かく光に溢れた王宮で、冷たく暗い地下を思っていると、彼の一物が暖かい物に包まれた。
我が君、もっと中に注いでいただけませんと、赤子も出来ませんわ
見ると、オリヴィアが再び彼の物をくわえ込んでいた。
いや、魔術師の予言をなんと心得る。赤子は確かに、お前の腹に
お母様ばっかりずるいわ。私ももっと、Ol様に抱かれたい
Olの言葉を遮り、パトリシアが抱きついてくる。
やぁ、リシィも、もっとしてもらうのー!
プリシラが不満げにOlの腕をぐいぐいと引っ張る。
王宮内ではダンジョンコアの魔力は使えない。ユニスもリルもダンジョンの中だ。魔力はOlの体内のもので全て。使い切るわけにも行かない。つまり、ここからは体力勝負だ。
こいつらは、人の姿をした淫魔なのかも知れん
王家に連なる女達は、魔王を初めて戦慄させた。
第12話魔窟の住人と触れ合いましょう-1
力むと魔力を使いすぎるのは、悪い癖ね、アイン
冷静に、落ち着いて。あなたならきっと出来るから
今までしてきた努力を思い出すの。努力は、きっとあなたを裏切らない
魔術師にとって一番大切なことはね、アイン。
信じることよ
今まで努力してきた自分を
自分を生かしてくれた全てを
あなたを取り巻く皆を
信じるの
そうしたら
あなたは
私を
殺し
信じて
たのに
うらぎりもの
おきてー!
がばっと上半身を起こし、Olは額に痛みを感じた。はあはあと肩で息をしながら横を見やると、リルが頭を抑えて蹲っている。
それはこっちの台詞よ!
目に涙を浮かべ、リルは怒鳴った。
もう、何かうなされてるから起こしてあげようと思っただけなのに
うなされていた? 何か言っていたか
んその
汗を拭いながらOlが尋ねると、リルは言いよどんだ。
はっきりいえ
ラズ、って、言ってた
リルの答えに、Olはため息をついた。もう、何十年も前の話だ。そんなものを、彼は未だに引き摺っている。
師の、名前だ。俺が殺した
なんでもないことの様に言おうとする試みは、成功しなかった。
リルは何と返したら良いかわからず押し黙り、二人の間を気まずい沈黙が包み込んだ。
あー、これ何?
リルは露骨に話題を変え、Olの部屋にあった木彫りの人形を指差した。ゴーレムと言うには繊細で、大きさもOlと同じくらいしかない。おまけに服が着せられ、琥珀色のカツラまで被っている。
ああそれか。形代だ
カタシロ?
聞きなれない単語に目を瞬かせるリルに、見ていろと言ってOlは形代に手をかざす。すると、木の肌は見る間に赤みがかった人の肌の色になり、瑞々しい皮膚の感触を手に入れる。
大まかな凹凸しかなかった顔にも知性を示す瞳の輝きが生まれ、口や鼻が出来る。人形はあっという間にOlそっくりの人間になった。
何これ、全然見分けがつかない!
目の前で見ていたリルにも、どちらが本物のOlか見分けることは出来なかった。着ている服の違いで辛うじて判別できる程度だ。
この前の様に、俺が外に出るのは危険だとわかった。そこで、これを作った
原理は本物の肉体を動かしているのと大差ない。違いは、この形代はいざとなれば捨てて本来の肉体に戻れることだ
二人のOlが口々に喋る。
凄いね、これでOl二人分の仕事が出来るってこと?
純粋に感心するリルに、二人のOlは首を横に振る。
目の前でなら両方動かせるが、二人分思考したり、魔術を使ったり出来る訳でもない。あくまで偵察用だ。離れれば本来の身体は動かせなくなる
へーそうなんだ
リルは形代の方のOlを無遠慮にぺたぺたと触りながら少し残念そうに呟いた。
それより、わざわざ起こしに来たのは何か用があったのではないのか?
あ、そうだった
Olの言葉にリルは本来の目的を思い出し、彼に言った。
何か、妙なことになってるんだよねえ
Olの迷宮には、入り口が幾つもある。そのうち三分の一ほどは第二階層に直接下りる縦穴で、残りは第一階層に降りる入り口だ。
そのうち最も人里に近い入り口に、それは出来ていた。
何だ、これは
Olは思わず額に手をあて、呟いた。彼の目の前には木で出来た簡素な門。扉はなく、見張りもいないので誰でも通れる代わりに、大きな看板がついていた。そこには大きな文字でこう書かれている。
Olタウンへようこそ!
まあ、タウンって言うよりは村って規模だよね
そういう問題じゃない
ローブと帽子で角や翼を隠し、人間のふりをしたリルにOlは呻くように言った。
いつの間にこんな物出来たんだ
そう昔のことじゃないさ。つい最近だよ
Olの呟きに答えたのは、リルではなく若い男の声だった。
ようこそ、魔王の街Olタウンへ。歓迎するぜ、お二人さん。見たとこ、魔術師二人組みかい? 珍しい取り合わせだな
茶色い髪の男は人好きのする笑みを浮かべて近寄ってきながらそう言った。身のこなしからして恐らく冒険者、それも盗賊と呼ばれる類だろう。革鎧を身につけ、短剣を腰にさしている。
お前は何だ?
見るからに胡散臭いその男を睨みながら、Olは問うた。
おっと、こいつは失礼。俺はキース、あんた達みたいなこの町にはじめてくる人たちにちょっとした案内をしてるんだ。何せ、魔王のお膝元。物騒な場所だろ?これでもここじゃ、俺はちょいとばかり顔が知れてるんだ。どうだい、安くしとくよ
Olとリルはお互いに顔を見合わせた。信用できそうにはないが、かといってOl達を騙して身包みを剥ごう、などと言うほど悪辣な人間でもない。Olはそう判断した。
いいだろう。よろしく頼む
Olは懐から銀貨を一枚取り出すと、ピンと指で弾いた。放物線を描いて飛ぶそれを、キースは器用に片手でキャッチして口笛を吹く。
銀貨たぁ、気前がいいね。名前を聞いてもいいかい?
俺はテオ。こっちはラズだ
Olは偽名を名乗った。その口調に淀みはなく、リルは一瞬彼が嘘をついたことにも気付かなかったほどだったが、Olは内心舌打ちしていた。自分の偽名くらいは用意があったが、リルの分までは考えておらず咄嗟に出たのがその名だったのだ。
オーケー、テオにラズ。じゃあ、案内するからついてきな
キースは人懐っこく言うと、門を潜り町の中に入っていく。
ねぇ、ラズって
お前の名だ。ボロを出すなよ
小声で尋ねるリルに、Olはそれ以上の追求を避けるようにはっきり言った。リルはそれを察し、口を閉ざす。
Olが殺したと言う師匠。咄嗟に名前が出るような相手。それはどんな人で、Olにとってどんな相手だったのか。
そんな事を思いながら、リルはキースの背中を追いかけた。
この街は普通の街とはちょっと違ってな、一般の民家って奴は一つもないんだ
大通りを歩きながら、キースはそう説明した。
定住してる人間はそんなにいない。まあ、ざっと2,30人ってトコか?殆どが商人で、冒険者相手に何らかの商売をしてる。この街は、魔王の魔窟に挑む冒険者の為の街なのさ
道を行きかう者たちは、皆武装した冒険者達だ。そんな中、一応ローブを着て魔術師然とはしているものの、明らかに旅装ではないOl達は少し浮いていた。
入り口近くのデカい建物が宿。金の無い奴には無料で馬小屋を貸し出してる、慈悲深いマーサ婆さんの店だ。その向かいはオックスの酒場。最高の飲んだくれどもが集まる愉快な店だ。あんたも仲間が欲しけりゃ覗いてみるといい。メシもここか、後はそこらへんに出てる屋台だな
馬小屋?
リルが反復すると、キースは肩をすくめた。
ああ、食料なんかの仕入れに商隊が馬車でくるんだが、週に一度。それ以外は、冒険者で馬なんか持ってる奴は滅多にいないからな。だからケチや貧乏人たちは空いてる馬小屋の藁の中で寝てるのさ
体力は殆ど回復しないが、とりあえずは雨露は凌げる、とキースは言う。
宿の隣にあんのは娼館。ちょっと値は張るが、この街唯一の娯楽だ。ま、あんたにゃ必要ないかも知れんがね
キースはリルの、ローブを下から押し上げる豊かな双丘を横目で見て下卑た笑みを浮かべた。
そっちの通りは武器屋と防具屋、それに鍛冶屋が並んでる。ちょっとした刃こぼれや、簡単な修理なら鍛冶屋でやってくれる。完全に壊れちまったんなら、武器屋や防具屋だな
オーダーメイドの武具なんかは作ってはくれないのか?
Olの問いに、キースはおやと眉を上げた。
今んトコ、そういうのはやってないな。修理だけでも手が追いついてないんだ。テオ、あんた魔術師みたいだが、剣も使うのかい?
いや、そういうわけではない
心なしか表情を明るくしたOlに、リルは笑いを堪えた。彼はこの街を自分の迷宮と比べているのだ。Olの迷宮で働くドヴェルグたちは、オーダーメイドで武具を作ってくれる。
ふうん? まあいいや。反対側の通りは、魔術屋に教会だ。魔術が入り用な時は魔術屋に、怪我人、死人は教会に
蘇生魔術を使えるものがいるのか
Olは驚いて言った。死者の蘇生は不可能ではない。が、非常に高度な魔術だ。
あー、俺も魔術使えるわけじゃないから詳しくないんだけどよ、何でもここは魔力がすげー濃厚だから大きな魔術が使いやすいらしいぜ。それなりの僧侶が数人掛かりで儀式を行えば、心臓を一突きにされたくらいの死者なら蘇らせることもできるって話だ。もっとぐちゃぐちゃになってりゃ勿論無理だし、べらぼうに高い。その上、失敗しても金は返さないとくらぁ
なるほど、とOlは納得する。どうやら魔力が迷宮の外に多少漏れ出ているようだ。
魔術屋って何?
リルには魔術を売る、と言う概念がいまいち良くわからない。
ん、自分が魔術師だから使ったこと無いのか?剣に祝福の呪いをかけたり、簡単な魔術が篭った呪具を売ったりまあ、俺みたいに学のない冒険者がお世話になるところだ
キースは大通りの奥へと歩を進め、その先の大きな建物を指差した。
そんであれが、ノーム百貨店。この街の元締めさ
第12話魔窟の住人と触れ合いましょう-2
元締め?
百貨店?
Olとリルはそれぞれに反復した。キースはしたりといった顔で頷く。
元々、ここにはあの店だけがあったんだ。それが冒険者を相手にするうちに段々規模が大きくなって、別の店が出来て、やがて街になった。ま、俺もその様子を見てたわけじゃないから受け売りだがね
ノーム百貨店は、この街の中で最も小さな建物だった。二階建てで、入り口には激安回復薬ありマスノーム百貨店切り裂きの剣入荷!などと広告が乱れ飛んでいる。とても、元締めと言われるような人間が住んでいるようには見えなかった。
迷宮で倒した怪物共の牙だの爪だの毛皮だのは、あの百貨店に持っていくと金に換えてくれるんだ。何でも、魔法薬や武具なんかの材料になるんだとさ。その他にも、迷宮内で手に入るものは大体あそこで引き取ってくれる。しかも適正な価格で、即金だ。お陰で俺達は街に戻ったりせず、ここで暮らしていけるってわけさ
ふむ、と興味深げにOlは唸った。龍脈の魔力は迷宮中を流れ、満ち満ちている。自然、その中の空気を吸った生き物は外の生き物よりも濃い魔力を得る。そして、その濃い魔力を持つ生き物をより強い生き物が食べ、その死骸を虫やネズミが食べ、それをまた弱い生き物が食べと、魔力は蓄積していく。
そんな魔力が体中に満ちている魔物であれば、さぞ高品質な素材になるだろう。冒険者を引き入れるためにわざわざ財宝を用意したOlだったが、その必要が半ばなくなっていることに初めて気付き驚いた。
ちなみに買い取りは武器屋や防具屋じゃやってくれない。この街で迷宮内の物を売りたきゃここに売るしかない。日用品や雑貨なんかもここで買える
どうやら、この小さな店の主はこの街を経済的に取り仕切っているらしい。どうにも主体性の無い街ではあるが、それでも上手く回るのは冒険者の支援に特化しているからだろう。
では、その元締めとやらに一言挨拶してくるか
おう。じゃーな、俺はいつも酒場で飲んでるから、迷宮に潜るんなら声かけてくれよ。いい仲間を紹介するぜ
ひらひらと手を振って酒場に向かうキースを見送って、Ol達は百貨店の中に足を踏み入れた。
店内は思っていた以上に狭く、他に客はいない。
いらっしゃいませー!
所狭しと並べられた商品の奥、カウンターで笑顔を輝かせているのは赤毛を側頭部で一つに纏めた、背の低い少女だった。Shalと同じくらいの身長と幼い顔立ちに似合わぬ大きな胸をたゆんと揺らし、彼女はOlに愛想良く笑いかける。
元締めと聞いて、何と無く恰幅のいい豪商を思い浮かべていたOlは肩透かしを食らった。
店主はいるか?
傷薬に血止め、毒消しにロープ、ランタン油も切れたらどうぞ!剣、槍、鎧も扱います、何でも売ってるノーム百貨店へようこそ!あたしが店主のノーラ・ムルクディス。どうぞノームとお呼びください
ノームと名乗った少女は、嫌な顔一つせず流れるような口調で語った。
お前が、この街を作り上げたと言う元締めなのか?
あたしが作ったと言うと、語弊がありますね。あたしはここで商売をしていただけ。街を作ったのは、街のみんなの努力です
愛想良くノームは語る。
こんなところでよく店を出そうと思ったな
ここは魔王Ol様のお膝元ですからね。何の心配もしちゃいませんでしたよ
ノームは胸を張って自信満々に答えた。
冒険者さん達が魔王退治を夢見て迷宮に潜り、財宝や素材を持ち帰る。持ち帰った素材で、商品を作る。作った商品を、冒険者さんが財宝で買う。そしたらこっちは、商品を作る手間だけで財宝を手に入れられるって寸法です
なるほど。しかし、魔王が倒されたらどうする気だ?
その時は、大人しく店を畳んで他に行きますよ。でも、そんなことにはならないでしょう、魔王様?
意地悪く聞くOlに、にっこり笑ってノームは答えた。
な、何いってんの!?
おろかもの、そんな反応ではそうだと言っているようなものであろうが
わかりやすく慌てるリルに、Olは嘆息した。
まあ良い。別段、隠す気もない。それで、俺が何を言いたいかわかるか、商人よ?
Olが尋ねると、ノームは人好きのする笑みを浮かべてはいと答えた。
あたしがここで商売すれば、Ol様の邪魔になる。冒険者を助けてやるんですからね。それをOl様が黙って見逃す意味はない。だったら、黙って見逃す意味を作らなきゃあいけませんよね
じゃらりと音を立てて、ノームは金貨のつまった袋を取り出した。
売り上げの一割です。どうぞお納めください
お前の店が繁盛するほど、こちらの懐も暖まる、か。まあ当然の話だな
Olはそれを受け取り、それで?と促した。彼女の瞳に、ほんの一瞬動揺が走るのを彼は見逃さない。が、売り上げの一割で同意するほど彼は生易しくもなかった。
Ol様は美女がお好きとか
ノームはカウンターの上に身を乗せると、スカートの両端を摘んで持ち上げた。
どうぞ、この身を自由にしてくださって構いません
膝立ちになってそうすると、ちょうどOlの目の高さに彼女の下穿きが来る。ほうと感心したような声をあげ、Olはそこに指を這わせた。じゅくり、と湿った感触が指に伝わる。
準備がいいな
恐れ入ります
勿論、何もせずに濡れる訳などない。ノームはOl達が入ってきた時から、彼が魔王であることを看破し、この展開を用意して準備していたのだ。
Ol、この子処女だよ
中々気前がいいな
リルの指摘にOlが言うと、ノームは股間を弄られながらもニッコリと微笑んだ。
誠心誠意をモットーとしておりますので
魔王などと呼ばれるOlを前に、処女の身でこの対応。その度胸と頭の良さをOlは気に入った。
駄目だな
故に、Olはそう答えた。さすがにその反応は予期していなかったのか、ノームは驚いたように大きく目を見開く。
生憎とこの通り、女には困っていない。確かにお前は美人だが、その程度で対価になると思ってもらっては困る
Olはリルを抱き寄せ、見せ付けるようにその胸を掴んだ。リルの豊満な膨らみはローブの上からでもはっきりとその存在を主張し、いやらしく突きあがっている。ノームも見事な双丘を備えてはいたが、淫魔の淫らな肉体には敵うべくもなかった。
では、いかがいたしましょうか
ノームはじっとOlを見つめる。
真実の瞳だな
ノームは瞬き一つしない。Olは続けた。
お前の持つギフトだ。全ての虚偽を暴き、その持つ本質を明らかにする。なるほどその齢で商人として大成する訳だ
そんなに大したもんじゃございませんよ
ノームはため息一つつき、カウンターを降りた。
あたしのはただの鑑定眼。ある意味真実の瞳よりレアかもしれませんね。見たものの価値、値段がわかるってだけの、中途半端なギフトです。あなた様には金貨10枚の値段がついておりますよ。人は普通、無料なもんですけどね。その身体が形代だって言うなら値段が見える
まあそういう事にしておいてやろう。だが、剣の効果には気付いているのだろう?
ノームの背筋を、冷たい物が走った。いつの間にか彼女の頭をOlが掴んでいる。
返答には気をつけろ。お前以外にそれを知っている者はいるか?
Olの声が冷たく響いた。嘘を言っても気に入らない返答をしても、殺される。そうノームは直感した。
知っているのは、あたしだけ、です
何故だ?
Ol様に死なれては、あたしの商売上がったりですから
既に声を震わせることさえなく、ノームはそう答えた。
いいだろう
Olはノームの頭から手を離した。一気に緊張が抜け、今更彼女の全身からどっと汗が噴出した。
いい度胸だ、気に入った。無理やりにも我が物としたいところだが
残念ながらOl様、あたしは商人です。仮にこの魂を奪われようと、利にならないことは一切しません
ノームは真っ直ぐにOlを見返し、はっきりそう言った。
で、あろうな
利以外でいう事を聞かせるのは不可能だろう事を、Olは悟った。呪いで無理やり縛ったり、精神を壊せば操り人形には出来るかもしれないが、そんな事をすれば彼女の聡さと度胸は失われる。
ここでの商売を認めよう。それから、呪の篭った品を卸してやる。代金は要らん、そのまま売りに出せば良い
こちらの対価は如何に?
売り上げの5分を上納金とする。ただし、これは街全体での話だ。それと、お前の扱う商品を迷宮にも卸してもらおう。これは対価を支払う。それでどうだ
承りました。その条件で問題ありません
ノームは即答した。深く考えていないのではなく、一瞬で計算を済ませるだけの頭の回転を持っているのだろうと思わせる、落ち着いた対応だ。
それで
先ほど渡された金貨の袋を弄びながら、Olは尋ねた。
お前自身は金貨何枚だ?
第12話魔窟の住人と触れ合いましょう-3
ノーム百貨店は一階が店、二階がノームの居住スペースになっている。彼女は扉にCLOSEDの札をかけると、Olを二階へといざなった。
それでは、御奉仕させて頂きますね
ベッドの上で跪き、彼女は恭しくOlの物を取り出し、舌を這わせる。
結局、Olは金でノームを買うことにした。悪魔よりも強かな彼女に対しては、それが最も安定した契約方法であると判断したからだ。
彼女の値段は週金貨十枚。それなりの額だが、フィグリア王国や、直轄地からの税収を得ているOlにとってはたいした値段ではない。
それだけの金額でノームはOlに味方をし、主だった冒険者の動向を知らせたり、彼にとって不利になる情報を握りつぶしたりしてくれる。ついでに身体も好きにしていい、という事で、Olは彼女を試してみることにした。
ノームとしても、自信満々に出した商品が素気無く断られた事で傷ついたプライドをどうにか回復した形だ。
手馴れているな。処女だったのではないのか?
当店の商品は、全て一級品ですから
ノームはにこりと微笑んで、Olの物を胸で挟み込んだ。傍らから瓶を取り出し、とろりとした液体を塗りつける。
それは何だ?
ローションです。こうするとほら、いかがですか?
にゅるにゅるとぬめる胸の谷間で、ノームはOlの一物を擦り上げた。膣内とも、口内とも違う柔らかな刺激がOlのそれを更にいきり立たせる。
凄い、流石魔王様、御立派ですね
ほうっと頬を朱に染め、ノームは口で先端を咥えこむ。そのまま、胸をぎゅっと手で寄せてしごきながら、鈴口に舌を這わせ、吸い上げる。
く上手いな
腰に走る快感にOlは呻く。ノームは瞳を笑みの形に細め、じゅぽじゅぽと音を立てて口で奉仕する。同時に、そのたわわな胸でOlのペニスをぎゅうぎゅうと挟み、交互にしごく様に動かした。
く出すぞ、飲め!
ん、んんっ! んぐ、んっ
ごくりごくりと喉を鳴らし、奥に次から次へと放たれる精をノームは飲み込んでいく。
んんんんぶぅっ
しかし、その余りの量についに飲みきれず、ごほごほと咳き込んで彼女は口の端から白濁の液を垂らした。口から離されてもなおも吹き出す精液が、彼女の顔や髪にかかり、白く穢していく。
も、申しわけございませんすごい量それに、こんなに濃いなんて
顔についた精液を掬い取って口に含み、ノームは恍惚とそう呟いた。しかし、それが演技であることをOlは見抜いている。彼の目的は、その余裕を砕いてやることだ。そして、ノームの方もそれを狙っている。
では入れるぞ。足を広げろ
はい
ノームは恥かしげに、しかし惜しげもなく脚を開いた。うっすらとした繁みの奥に隠されたそこは色素の沈着も無く、綺麗な桃色の奥を覗かせていた。
処女と言うのは本当のようだな。いいのか?
リルの見立てが間違う訳もないが、態度や技巧はとてもそうとは思えない。
ええ。あたしを一番高く買って下さる方に捧げるつもりでしたから
ノームは指でそこを広げ、Olに見せ付けた。
どうぞ、奪ってください
頷き、Olは彼女の膣口に先端を当てて馴染ませると、腰を抱いて一気に半分ほど突き入れた。
っ
さすがに痛みがあるのか、ノームは顔をしかめる。
大丈夫です、どうぞあたしの身体をお楽しみください
しかし気丈に笑顔を浮かべて見せると、脚をOlの腰に回して自ら彼を奥へと誘った。
小柄な彼女の身体はぎゅうぎゅうとOlの物を締め上げ、それを千切らんばかりに狭くきつい。しかしそれが逆に、抽送を始めると凄まじい快楽を彼に与えた。
いかがですか?
しかし、そのキツさは単に処女であったことと、身体の小ささに由来する物ではなかった。ノームは腹にぐっと力を入れて中の圧力を自在に操る。処女の身でありながら、努力によって鍛えられた性技がそこにはあった。
くっ、これは!
ぐにぐにと動き、Olに精を吐かせようと締め付けるその膣内に、Olは呻いた。リルとの性交に慣れていなければ、既にイカされてしまっていたことだろう。体内の欲求が、彼女の中に精を吐き出したいと大声で訴えかけるが、Olはそれを黙殺する。
ノームを屈服させるには、魔術も媚薬も使わずに彼女を絶頂に至らしめなければならない。魔術や媚薬の様な物を使えば、すぐにノームはそれに気付く。それでは、彼女を屈服させることが出来ない。逆にノームは、Olの身体を絶頂へと導くことで、優位を確保しようと全力を尽くしていた。
これはいうなれば、情交を通じた戦いである。
ああっ、Ol様ぁ
奥を突いてやると、ノームは気持ち良さそうに首を振り、善がる。しかしこれも擬態だ。技巧はともかく、彼女の身体はついさっきまで処女だった物だ。中の性感は殆ど発達しておらず、どれだけ突いてもさほどの快楽は感じていない。
ならば、とOlは淫核を責めに転じる。彼女の膣内を擦り上げながら、愛液をローション代わりに指先に塗りこんで、包皮の上からやんわりと指を這わせる。
んぅっ
これはそれなりの効果を上げた様で、ノームは初めて素の声を漏らした。
ああ、それいいです、もっと、して、下さい
とは言えそれを億尾にも出さず、更に艶かしくOlを誘う。Olは淫核を責めながら、もう一方の手で彼女の胸を揉みしだいた。
ああん、気持ちいいです、Ol様ああ、素敵ぃ
ノームは胸を突き出し悶えた。感じていることは間違いないが、まだまだ余裕がある。その間にも彼女の膣はOlの一物をずっぷりと咥え込み、きゅうきゅうと締め上げる。
快感を堪えながら、Olは思考をめぐらせた。処女でありながらこの技巧、慣れ方はおかしい。が、リルの見立てでもOlの見た限りでも、彼女が処女である事は疑いようが無い。膣内の発達度合いでも、それは見て取れる。
しかし、一人で練習していただけにしては慣れすぎているのも確かだった。これは男を知り尽くし、何度も相手にしたことがある女の態度だ。Olはそこまで考えて、正解へとたどり着いた。
突然、ノームが高い声を上げる。演技ではありえない、突発的な嬌声だ。そして、その尻の穴にはOlの指がずっぷりと埋まっていた。
あ、あそ、そこは
直腸の掃除もしっかり済ませているとは流石一流の商人、準備がいいな。それどころか、馴らしもせずに指が二本も入ったぞ
オ、Ol様、そこは駄目です、違います
ノームの声は明らかに上ずり、余裕をなくしていた。
何が違うんだ? お前のここはこんなに喜んでいるぞ
ぐりっと指を捻りながら腰を突き入れてやると、それだけで彼女はガクガクと身体を震わせ、びゅうびゅうと潮を吹いた。随分馴らされたのだろう、尻穴はOlの指にぴったりと吸い付き、離すまいとするかのように咥えこむ。
処女のまま尻を開発されたか。どこの誰がやったか知らんが、随分趣味のいい話だな
あああ、お許しください
顔を真っ赤にし、ノームはいやいやをするように首を振った。自分の意思ではなく、誰か他人によってそう仕込まれたことは明白だった。恐らく、どこかの好きものの貴族にでも飼われ、逃げ出すか恩赦かで自由の身を手に入れ、商人として一人生きてきたのだろう。
Olは指を引き抜き、彼女の身体を抱えると四つん這いにさせた。
だが、手垢の付いた場所を攻めるのも興が削がれる。こっちの良さを俺が教え込んでやろう
ああっ、駄目っ、駄目ぇぇっ!
そのまま、後ろからOlは突き入れた。尻でするのなら、自然と体位はこの形になる。突き入れられる場所は違えど、その記憶を思い出したのかノームは快楽に震えた。
一度快楽に火がついた身体は、そう簡単には静まらない。むしろ、一度弄られた事で彼女の身体は快楽を欲し、淫らに悶えた。
ああああっ! Ol、様ぁぁぁっ!!
逃げるように離れようとするノームの腰をぐっと両手で掴み、Olは奥に精を放つ。形代の身体の中の、魔力で作った擬似精液だ。子を孕むことはないが、その分凄まじい量を出す事が出来る。
こ、こんなっ! 凄い、熱いのがっ! どくどく、入ってっ!
まだまだだっ!
Olは精を放ちながら、ずんずんと腰を突き入れる。
あーっ! あぁーーっ!! すごっ、よぉっ! でなが、ぁ、突かれっ!イっちゃ、ぁ! おまこ、で、イっちゃううううううっ!!
ノームは再びびゅうっと潮を吹き、身体をそらして気をやった。彼女が絶頂に達した後もOlの精液は噴出をやめず、彼女の腹がぽっこりと膨れ上がるほどに胎内へと注ぎ込んだ。
あはぁぁ
Olが一物を引き抜くと、涎と涙にまみれ、呆けた顔でノームはベッドにどさりと横たわった。ごぽ、と音を立て、その股間からどろりとした白濁液が滴り、シーツを穢す。
次は、膣内だけでイけるようにしてやる。金を払い続ける限り、お前は俺の物だ。いいな?
はい
掠れた声で、辛うじてノームは答える。Olはそれを見て満足げに頷いた。
この攻防に、直接的な意味はさほど無い。勝とうが負けようが取引は成立するし、お互いに情欲に溺れて相手の言いなりになるような玉でもない。
しかしお互いに、意地をかけた勝負であったと、Olは認識していた。或いはそれはどこか似た境遇で暮らしてきた相手に対する対抗心の様な物だったのかもしれない。利を求め、慎重に、狡猾に立ち回るという点においてノームとOlは良く似ていた。
では、また来る。代金等の支払いはその時だ
畏まりました
身支度を整え、背負い袋を背負ったOlを、ノームは店の入り口で見送った。
Olー、準備できたよー
そこに、大通りを同じように支度を整えたリルが駆け寄ってくる。
最後の契約もしっかり守ってくださいね
最後の契約?
きょとんとするリルと共に、Olも首を傾げる。
次は膣内だけでイけるように仕込んでくださると約束したじゃないですか
にこやかに答えるノームに、リルのこめかみが引きつる。
Ol? 次って何かしら?女には困ってないって大見得切ったのはどこの誰だったっけー?
ただの取引の一種だ
はあ。別にいいけどね。全くもう、このエロ爺
何百年も平気で生きる悪魔に爺と言われる筋合いはないな
残念でした、私は少なくともOlよりは下だからね
喧々諤々と言い合う二人を見て、ふとノームは違和感を感じた。彼女のギフト真実の瞳は既にOlの実年齢が83であることも、リルが悪魔であることも見抜いている。しかし、そこに何か一瞬、違和感を感じたのだ。
思わず目をゴシゴシと擦ると、Olに不審げに見られたのでノームはもう一つの気になっていたことを問う。
そういえば、その荷物ですが、どこかへ旅にいかれるんですか?
言われるままに用意した旅装をさして、ノームは尋ねた。
Olは頷き、杖を構えなおした。背負い袋を背に、杖を構えたその姿は冒険者の若い魔術師にしか見えない。
ちょっと、魔王を倒しに行ってくる
Olはニヤリと笑みを見せ、そう言った。
第13話魔王の迷宮を攻略しましょう-1
腕のいいシーフを紹介してもらいたい
酒場で酒を飲んでいたキースに、Olはそう切り出した。
よし来た! それなら俺だ、俺を連れてきな
嬉しそうにそう答え、キースは立ち上がろうとした。
いや、悪いが出来れば女がいい
Olがそう答えると、キースは椅子に腰を下ろしなおし、彼を不審げに見た。
女が? そりゃまた、何でだ
キースは言外に、妙なことをするんじゃないだろうな、と剣呑な雰囲気を匂わせ低い声で問う。
実はな
Olは声を潜め、背後のリルを示した。
あの女は人間じゃない。俺の召喚した淫魔だ。こうして俺が傍で制御している分にはいいが、目を離したり俺が気絶したら周囲の男を襲うかも知れん。快楽と引き換えにカラカラのミイラになってもいいなら、ついてきてもいいが
リルは帽子を軽く持ち上げ、ちらりとキースに角を見せる。
い、いや、遠慮しとく
キースは顔を引きつらせ、そう答えた。
しかしそうなるとそうだな
冒険者に女の比率はそう高くない。全くいないわけではないが、比率は1:9と言ったところだろうか。
あー、アイツがいたか。おい、Faro!
酒場の中を見回していたキースの目が、一箇所で止まる。その先には、小さな少女が口一杯に黒パンを頬張っていた。
ふぁひー?
もぐもぐとパンを咀嚼しながら、少女は行儀悪く返事を返す。ちょっと来いと手招きするキースに、彼女はテーブルの上のチーズを2,3欠け手に取りながら近寄ってきた。
コイツはFaro。ちっこいなりだが、腕は保障するぜ
近くで見ると、その少女はかなり小さかった。小柄なユニスやShalと比べてもなお小さい。マリーと同じか、少し高い程度だろうか。