まあ、いいすげぇ美人だったけれど、行っちまった人をのことをいつまでも引っ張るのは時間の無駄だ
翔お姉さんは、みすずたちを迎えに行ったからもう、この高校には戻って来ないし
田中と会うことは、二度と無いだろう
で、吉田こっちのこの子は、何なんだ
田中が指差す先にはうちの校門の門柱によじ登っている、イーディの姿があった
イーディそんなところ登るなよっ
オレは怒鳴るがイーディはニコニコして、門柱の上に立つ
だから、やめろっての降りて来いっ
今度は逆立ちを始めた
えっと田中、お前、英語得意か
うんとまあ、そこそこかな
田中は、面白そうに褐色金髪碧眼の少女を見ていた
ていうかあの子、英語通じるのか
それは保証するアメリカ人だからニューオリンズの出身だよ
すると田中は、いきなりイーディを指差し
Hey You
強い言葉で威圧する
Hey DownDown
指でそこから降りろと何度もアピールする
イーディは、するすると素直に下りて来た
英語なんてのは気合いだ知ってる単語を適当に並べりゃ、通じるんだよ
こいつできる
この子、何て名前なんだ
イーディだよ
オレが答えると、田中はイーディをジッと見て
Hallo MISS Edie.My Name Is TANAKAI am a boy
アイ・アム・ア・ボーイ
YESSure.
イーディは、大きく頷く
I am a Girl
That’s right
2人は、大きく頷き合う
何だ、こりゃ
で、吉田この子は、お前の何なわけ
改めて、田中はオレに尋ねた
転校生っていうか留学生か今度、うちの学校に入学することになっているんだよ
それは嘘じゃない
そういう話は、すでに出ている
ふーんで、何でお前がイーディさんを連れて来たんだよ
そそれは
あ何だ、これお前のバイト先の服じゃんか
田中はイーディの着ているツナギの背中のロゴを見て、言った
そうだ、こいつには前に電車の中でバッタリ出遭った時に
オレは、たまたま渚の店の名前の入ったツナギを着ていたんだっけ
ちょうど今、イーディが着ているのと同じ
確か花屋だったよな
うんそうなんだこの子、そのお花屋さんにホームステイすることになって
苦しい理由付けだが、これで押し通すしかない
それで入学前に、オレに学校を案内してくれって
田中はホントかという顔で、オレを見ている
ホントだよ今日なら、休みで人が少ないから落ち着いて見学できるかなあって
困惑しているオレの様子を見てイーディはウシシシと笑う
まあ、いいかじゃあ、行こう吉田
田中は言った
行くって何処へ
その子に学校の中を案内するんだろ
えお前も来るの
当たり前だろ吉田の英語じゃ、心許ない
いや田中の英語だって
アイ・アム・ア・ボーイじゃないか
ほら行くぞ
こいつは、親分肌でとっても面倒見が良い男だったっけ
そういえば田中は、何で学校に来たんだよもし、用があるのなら、そっちを優先してくれよ
いや、もう終わったちょうど、帰るところだったんだ
田中は、クッと微笑む
今日の部活はミーティングだけだったから
ああ、そうなんだ
オレたちの後ろをイーディは、ちゃんと着いてきている
興味深そうに学校の中をあちこち見上げている
で吉田、お前、どこへ向かっているんだよ
えああ、陸上部のグラウンドだよ
そうか山峰ちゃんかそうだよな、英語だったら山峰ちゃんの方ができそうだもんな
田中は、勝手に納得してくれた
フンフンッフンフンフンッッ
あまた、イーディが何かで興奮している
自販機か自販機が気になるのか
自動販売機の前で、へたり込んでいる
そして子犬の様な眼で、オレを見る
判ったよ何か買えよ
オレは、ポケットから小銭を取り出した
彼女は自販機が珍しいらしいアメリカには、そんなに無いらしいよ
オレが渡したコインをイーディは、投入する
イラッシャイマセゴ希望ノ商品ヲ押シテクダサイ
自販機は喋った
ウシャアアアアアアッ
イーディは、ネコの様に身震いして自販機から跳び下がる
イーディ、怖がるなって大丈夫だから
オレが叫ぶがイーディは、自販機に怯えている
田中こういう時、何て言えばいいんだ
そんなの、オレが知るわけないだろ吉田
た、頼りにならないなあまったく
Don’t worry
明るい声がオレたちに投げ掛けられる
うっふっふあたしの助けが必要ですかなっヨッちゃん
寧が来てくれた
吉田、誰だよ、このセンパイ
いや、田中だって知ってるだろ
寧はオレのクラスに乱入して来たこともあったし
いや、知らないぞこんな綺麗な人
その間に寧が綺麗な英語で、イーディに話し掛ける
イーディは、落ち着いて喋る自販機に向かって行く
いや、知ってるって奈島寧(ナトウ・ネイ) センパイだってば
オレの回答に田中は
う嘘だろ
寧が、ニコッとオレたちに振り向く
嘘なんてつかないってのあたしだよ、あたし奈島の寧ちゃんだっての
田中は
だって頭が
田中は、寧が金髪を止めたのを知らないんだっけ
奈島センパイって言えばいつも授業をサボって屋上にいるも金髪の
前の寧は不良少女のイメージを、徹底してアピールしていたから
あ、この髪ヨッちゃんが、金髪よりも黒髪の方が好きだって言うから染め直したんだよっねっ、ヨッちゃん
寧は、嬉しそうに微笑む
ヨッちゃんは、あたしを更正させてくれたのよんっ感謝しているわよんっぐっしっし
寧笑いすぎだってば
どう納得してくれたかな
寧の微笑みに田中は
いやあのまた、とんでもなくお綺麗になられて
ムカッ綺麗なのは、前からですっ
寧は、不機嫌になる
いやいや姉さんは、黒髪が似合っているから美人度が3倍増しなんだよっ
オレは、思いっきりフォローする
本当は金髪も似合っていたていうか、似合い過ぎてかえって、不良としての凄味が溢れ出していたから
綺麗だけれど冷たくて、怖い印象があった
それが、黒髪に染め直したら
温かくて、優しくて、明るい寧の心だけが真っ直ぐに伝わってくるから
あんがとヨッちゃん
オレの言葉に、寧はニコニコ顔に戻る
それじゃあ行こうか
寧は、イーディに声を掛ける
イーディは買った缶ジュースを一口飲んで、顔を顰めている
どうしたの、あれ
うんとね思っていたのと、飲み物の味が違ったみたい
寧が、解説してくれた
げっ、あれは
田中が、イーディの持っている缶を見て騒ぎ出す
田中、知っているのか
しいたけヨーグルト・ドリンク実在していたのか
しいたけヨーグルト
いや、その自販機はて書いてあって、何が出て来るのか判らないボタンがあるんだよ購買部の売れ残りの安い缶ジュースとかが、ランダムに入っているんだけどまさか、本当にしいたけヨーグルト・ドリンクの実物を見るとは
イーディ、ちょっとちょうだいっ
寧が一口、飲んでみる
どう姉さん
うーん、維力(ウイリー)みたいな味がする
寧は苦虫を噛み潰したような顔で、オレを見る
姉さん維力って何
維力より美味いのは維力だけ
寧答えになっていないよ
まあ、とにかくヨッちゃんも飲んでご覧よ
オレは缶を手渡される
確かにこれは不味い
じゃあ、オレも一口
田中が、手を差し出すが
君はダメっ
寧が、阻止する
君が飲むと間接キッスになっちゃうでしょ
いやだって、吉田は飲んでいたじゃないですか
ヨッちゃんはいいのよ君はダメ
田中がジロジロとオレと寧を見る
あの失礼ですけれど、奈島センパイと吉田って、どういう関係なんですか
ギロッとオレを睨む
何か、お前センパイのこと、姉さんて呼んでいるし
姉さんだよあたし、ヨッちゃんのお姉ちゃんだからっ
平然と寧は、答えた
だからさ姉弟なのっあたしたちっあたしがお姉ちゃんで、ヨッちゃんが弟っ
寧の言葉に田中は、オレと寧の顔を見比べる
寧はとんでもなく美人だ
一方、オレはトホホ
似てないですよね
田中の言葉に、寧は
そういう意味で、申し上げたのではないっ
いや、センパイユキオじゃないんだからっ
田中は、なおも食い下がる
これ以上は、教えてあげなーいっあたしたちの秘密だもんねぇヨッちゃーん
そこを何とか
ダメダメ余所者には、あたしたちの秘密は教えられないっそれがクリンゴンの掟なのよっ
クリンゴンて何だ
とにかくこの不味いドリンクは、イーディに責任持って飲んで貰いましょうっ買っちゃった人の責任として
寧は、缶をイーディに戻し英語で何か言う
イーディは、暗い表情で納得した
意を決して一気に飲む
んぐっ、んぐっ、んくっプッハァ
おっ、偉いぞほら、ヨッちゃん拍手
オレは、拍手する
イーディは、気道に飲み物が入ったのかクシャンと大きくくしゃみをした
ほら口直しに、何か買えよ何が飲みたい
オレは、ポケットから小銭を取り出す
ヨッちゃん、あんまり甘やかさない方がいいよっ
でもさ、姉さん口の中が気持ち悪いまんまじゃ、可哀想じゃないか
寧は、自販機の前に立ちイーディに、それぞれの飲み物の内容を説明する
イーディはミネラル・ウォーターを選んだ
ペットボトルを取り出して口を切る前に
STOP
寧が制止する
そしてイーディに、何やら言う
イーディは、オレを見て
と、礼を言った
O.K. Edie
イーディは、蓋を開けゴクゴクと水を飲む
ちゃんと躾けをしないとね失礼な子になっちゃうから
寧はイーディも、自分の妹だと感じている
オレたちの様子を見て田中は
何かよく判らないけれどとにかく、吉田とセンパイが姉弟だってのは判ったわ
すっごい自然なんだもん吉田たち
オレと寧は顔を合わせる
どんな理由があるのか判らないけれどさ家族じゃないと、こうも自然な感じにはならないっての
赤の他人だったらさ奈島センパイみたいな、美人が相手だと、緊張しちゃってガチガチになっちまうよお前みたいに、肩の力が抜き切っているなんてのは、まず無理奈島センパイだって、馴れ馴れしく喋られないだろうし
田中はそう言う
あっれぇ、嬉しいこと言ってくれるじゃないのっ君、名前は
寧は、大喜びだ
あ、田中です吉田のクラスメイトの
よしっあんたには特別に、あたしがジュースをオゴッてあげようっ
寧は田中のために、自販機にコインを入れる
ただーしその代わり何が出るかは、神様任せだよっ
そのまま、寧はと書かれたボタンをコツンと押した
ジー・ガシャン
うふふっ何が出たかなっ何が出たかなっ
歌いながら寧は缶を拾い上げる
おめでとうっしいたけヨーグルトだっ
黄色い缶を田中に差し出す
心して、飲むようにっ
た、田中
田中は、ハァと溜息を吐いて缶を開ける
そして、一気に飲むっ
グゲ、ゲゲボッ
究極の激マズ・ドリンクを必死に嚥下する
クカカカカカッ
イーディは、そんな田中を見て、笑っている
田中は、一度、缶から口を離し
げぷぅま、不味い不味い不味過ぎっスよ、これでも、奈島センパイに貰ったドリンクだから
田中お前
最後まで飲みきるのが真の男なりけり
そのまま半泣きで、最後までジュースを飲み切るぅぅ
オレは男だぜ
涙と鼻水を垂らしながら田中は、言った
私は、デューラーのサイの絵がプリントされたサイダーが好きでした
深刻なストーリー展開になる前に、ワンクッション置きました
大学の時の先輩で、いまだに劇団を主宰している人から公演のお知らせが来たのですが
いやアマチュア演劇に3500円も出せないです
というか、10年ぐらい前に大げんかした人なんですけれど忘れてしまっているのか
劇団の制作さんが代わって、昔のリストで案内を送って来たとか
ケンカした原因は
その頃の私は、芝居の裏方の仕事をしていたのでどっかの劇団の公演でたまたま再開して、大学の先輩ということで、公演の仕込みとバラシのお手伝いに行ったのですが
パッと劇場の大きさと、持って来た美術の量を見てこりゃ、4時間ぐらいで立て込みが終わると踏んだのですが
その時に、ここの劇団さんが雇っていた、舞台美術さんも舞台監督も頭のおかしい人たちで
全ての大道具をネジ釘で作るという
あのインパクトって、ドリルの機械を使って、一本一本ギュイーンとネジ釘を打ち込んでいくしかなくって
しかも、その機械が2台しか無い
普通は、演劇の舞台なんて数日の公演期間だけ保てばいいので、2寸釘とかでナグリでガンガン打ち立てていくんですが
絶対に、ネジ釘でないと嫌だと
しかも、2寸釘なんて持って来てないと
ということで徹夜しても、立て込みが終わらない
そのために劇場を1日、余分に借りていると
笑っちゃったのは、バラシの方で
普通の芝居だと公演が終わったら、箱物でも何でも釘を抜いてバラスので荷物の量が減るんです
搬入の時は、あらかじめ箱やパネルにして作ってあるものを持って来たりするのでその公演だと、トラック3台分、持ち込んでいましたが
普通のバラシなら帰りは、1台分にまとまります
箱が、ただの板きれになるわけですから
だけどどうでもいいものまで、全部、ネジ釘で留めている上にあいかわらず、機械が2台しかないので
劇場を出る時間までに、全部バラせない
なので搬出時も、車3台来ていました
はっきり言ってド素人の仕事なんです
が話を聞いたら、その先輩の劇団主宰者はそんな人たちを、3年も使っているという
どうして、君があの人たちをそんなに悪く言うのか判らない
まあそれで、ケンカして決別したのですが
10年経ってまだ劇団やっているんだ
ただ、やっぱり10年間残っている劇団員は、1人もいませんね
458.明日はどっちか
しかし奈島センパイが、こんなに明るくてニコニコしている人だとは思わなかったぜ
田中がオレに言う
うん今までの寧は金髪の最凶不良少女のイメージを押し出していたからな
あ、あたしが笑ってるからって勘違いしちゃダメだよっあたし、相変わらずアブナイ子だからさっ
寧が、笑顔で田中に言う
あたし身内以外は、絶対に信用しないからっ
寧の眼には怖さが感じられた
もちろん君のことだって、全く信用していないからね
田中を見てクククと笑う
ってことは、あの吉田のことは
田中が探る様に尋ねる
ヨッちゃんは弟だもんっ身内だってのそれから恵美もね
山峰恵美っ
ああ、山峰ちゃんのことかなるほどっ
田中は、納得する
そうか、吉田は夫婦で奈島センパイのお世話になっているってことか
そういう風に思い込んでくれるとオレとしては、助かる
あたしの怖い噂色々、聞いているよね
寧は、田中に尋ねる
も、もちろんです
あたしとヤバい人たちの関係は、生きているからヨッちゃんや、恵美に何かあったら、タダじゃ済まさないからね
あんた、クラスの他の子にも伝えておいてっこの2人をイジメたら、怖ーいお姉さんが出て来るってさ
か、かしこまりましたーっ
田中は、寧の威圧に負けてペコリと一礼する
うん、黒髪の美少女になってからの方がむしろ、威圧感が増した気がする
見た眼は、本当に究極美少女だからなあ
さてともう、まもなく女子陸上部の練習グラウンドだ
オレは、後ろを振り向く
よしよし、イーディはちゃんと付いてきている
まだ口の中が気持ち悪いのかペットボトルの水を、ちびちび飲んでいる
寧が、イーディに何か言った
イーディが返事をしてオレたちとの距離を詰める
ところで、あの英語、お上手ですね
田中が、寧に尋ねる
ああ、姉さんは帰国子女なんだよ
えっとどちらに行っておられたんです
ロサンゼルスだよっ
ああ、ロスですか
寧は、ケラケラと笑い出す
ロサンゼルスのことを、ロスって簡略化するのは日本人だけだよねっアメリカ人は、絶対にそんな風には呼ばないもんっ
そうだよっあっちの人は、L.A(エル・エー)って呼ぶんだからっ
ああ、そう言えばエル・エーって言ってますね、向こうの映画とかで
田中が、やたらとお喋りなのはやっぱり、寧が魅力的だからだろう
寧がこうやって、他人に笑ってロサンゼルスの話ができるようになったことは本当に喜ばしいと思う
ケイさんを失った悲しみや、シザーリオ・ヴァイオラへの憎悪と恐怖はやっと寧さんの過去になったんだ
んどうしたの、ヨッちゃん
寧がオレに、ニコッと微笑む
ううん別にあ、そうだ姉さん
過去で思い出した
メグの方どうだった
メグは今日の朝竹柴キャプテンと話すって言っていた
自分の過去について
黒い森の存在や、香月家との関係については、もちろん誰にも話せないが
メグ自身の秘密白坂創介との関係については、キャプテンに話すと言っていた
昨夜、色々と竹柴キャプテンに助けてもらった以上本当のことを、話しておきたいって
そのメグの援護として寧にも、一緒に言ってもらった
寧は、昨夜の騒動の中で竹柴キャプテンに会っている
あ、大丈夫上手く話しておいたからっもちろん、話せることだけだけどあの子も、納得してくれたよっ
寧は、竹柴キャプテンと同い年だからあの子と言った
まあ、今は別学年だけれど
寧が居てくれたことで、メグは心強かったろう
いいんだよ姉弟でしょ、ヨッちゃん
それに、あたしの話も少し聞いてもらっちゃった
あたし竹柴さんとは、いいお友達になれるかもしれない
竹柴キャプテンなら、真っ直ぐな人だから信頼できる
お前何の話をしてんだよ
田中が、不思議そうにオレの顔を覗き込む
いいのっ姉弟の会話なんだからっ
寧は、恥ずかしそうにそう言った
体育館の角を曲がると陸上部のグラウンドが、見えてくる
ああ、まだ練習は終わっていないんだ
トラック上をランニングしている部員もいるし
手前では、走り幅跳びを跳んでいる人も
あっ、あそこに恵美はいるねっおーいっ
寧は練習中のメグに手を振った
メグが気付く
竹柴キャプテンや、他の部員たちに頭を下げて、自分の荷物を持ってオレたちの方へ駆けてくる
一方、イーディがグラウンドの様子を興味深そうに見ている
あちこちを指差して、寧にあれは何だと尋ねている
短パン姿のメグがやって来る
長身でスレンダーなメグは、この格好が一番綺麗だ
おっ、お待たせっ
はぁはぁと、息を吐いて首元に汗の玉が浮いている
いいのかまだ、練習終わってないんだろ
いいの全体練習はもう終わりで、今は各自の自主練習の時間だから
でも1年生は、片付けがあるだろ
先輩たちが練習を終えるまでは、帰れないはずだ
そうだけれど家族が、ちょっと具合が悪くなったので早退しますって言ってきたから
本当に、そうだし
オレたちの横に田中がいるのでそう付け加える
ああ、メグもミナホ姉さんのことが、心配なんだ
他の1年の子には、謝ってきたしちゃんと、埋め合わせはするから
早く、行こうヨシくん
え、吉田山峰ちゃんと帰っちゃうの
田中が、言う
そんならさこの外人さんの学校案内は、どうするんだよ
あ、そうか田中には、イーディの学校見学に来たって言ったんだっけ
いっイーディSTOP
寧の慌てた声が響く
こらあっ
イーディはどぴゅーんと、鉄砲玉の様に飛び出すと
グラウンドのフェンスをガシャガシャとよじ登り中へ飛び込むッ
ちょっと部外者立ち入り禁止だよッ
竹柴キャプテンの怒号が轟くが
イーディは、気にも留めずに走り幅跳びのスタートラインへ
見よう見まねでダッシュする
シュババババッッ
ロケット花火の様に突進すると踏切ラインで、大地を蹴るッッ
ビュワッ
イーディが跳んだ
高く、強く遠くに向かって
女子陸上部員全員が脅威のジャンプを目撃する
ハニャニャニャニャァゥァァァ
わけの判らない雄叫びと共に褐色の肌のイーディが、金髪の髪を揺らしながら宙に舞うッッ
その空中姿勢は完全にキックの体勢だった
ニャワワワーンッッ
ズサッ
イーディは跳び蹴りのポーズのまま、片足だけで地面に降り立った
7~8メートルは跳んでいる
あれ高校記録じゃね
田中が言った
高校記録が7メートル96だから
それぐらいは跳んでるよな
いや、あの吉田7メートル96は、高校生男子の日本記録だから
あの子女子だよな
うん間違いなく女子だ
女子の高校生記録は6メートル44だぞ
おめでとう記録更新
いやそういう場合じゃ無いだろ
Edie Comeback
寧が大声で叫ぶとイーディは
再び、ビュビューンと走り出すと真っ直ぐに、オレたちの方へ戻って来る
またグラウンドの入り口を無視してフェンスを、グワッシグワッシと登って飛び降りる
そのままま、オレたちのところまで全力疾走で帰って来た
ハッ、ハッ、ハッ、ハッ
真夏のイヌの様に、荒い息を吐く
そんなイーディをグラウンドの中の人たちは、呆然と見上げていた
おいっ何なんだ、その子はっ
竹柴キャプテンがオレに叫ぶ
ええっと、あの転校生の留学生ですっ
転校生ッ
そ、そうです連休明けに、転校してくる
そうですアメリカからやって来た、イーディさんです
メグも話を合わせてくれた
イーディフルネームは
イーディのフルネームって何だったっけ
あたしも覚えていないわ
右に同じーっ
寧も、降参する
ずっと、イーディ、イーディってだけで、呼んでいたもんなあ
あんたの知り合いじゃないのかっ
グラウンド内から、キャプテンの声が響いてくる
知り合いですっ
じゃあ、知っているだろう
あー
何も、思い付かない
吉田ですっ
一か八かオレは、叫んだ
もう、うちの子でいいやっ
この子は吉田イーディーさんですっ
吉田イーディだぁ
グラウンド内の陸上部員たちがざわめく
オレのお祖父さんの息子のお父さんのお嫁さんの夫がイーディさんのお母さんなんですっ
じゃあ、何その子、ハーフなのかい
竹柴キャプテンが疑いの眼でオレを見る
ううううううううーっ
そりゃ、そうだよなあ
イーディは、肌は褐色だし頭は金髪眼はブルー
体型だってどう見たって、日本人じゃないもんな
じ、16分の1です
オレは、思い付くままに叫んだ
15分の1
はい15分の1だけ、日本人の血が入っています
本当はそんなことは無いんだけれど
本名は吉田・イーディー・花子・エービーですから
エービー
エービーイーディーなので
それを言うなら、ABCDだろ
と、ということで今日は、もう家に帰らないといけないので失礼しまぁぁす
オレは、ペコリとグラウンドに向かってお辞儀する
し、失礼しましたっ
メグも、オレに続く
おっ騒がせしましたぁぁっ
寧は、苦笑している
ほらっ、イーディあんたもお辞儀なさいっ
寧が無理矢理イーディにも、頭を下げさせる
ムキュウ
イーディは、何が何だか判っていないらしい
それでは、皆さんご機嫌麗しゅうっ
そう言って寧が、オレとメグをムフフフーンと見る
さあって逃げるよ、2人ともZ
オレたちは、呆然としている女子陸上部の皆さんを残して
全力で逃走する
おい、ちょっと待て吉田
来るな、田中お前まで、一味だと思われるぞ
また、明後日クラスで会おう
オレたちは、田中も置き去りにして走る、走る
ぎゃはははははは
寧は大笑いしながら
あーん、もうどうしよう
メグは困惑しながら
クッシッシッシシ
イーディも、変な笑い声で笑っている
そのまま、オレたちは校長室へと向かう
また、竹柴キャプテンにお話しなくちゃいけないことが増えちゃったわ
大丈夫だよまた、あたしが付いてってあげるから
カシュッ
隠しカメラでオレたちを監視しているのだろう
校長室のドアのロックが解除される
オレとメグと寧とイーディは中へ
おっ、来たねっ
校長室には恭子さんとミス・コーデリアたちが居た
みんなでストレッチをしていた
恭子さんとミス・コーデリアイーニーとムーニーに分かれて
空いている時間は、なるべく身体を動かしておかないとね
さすが武闘派の面々常に、身体の手入れを怠らないらしい
下の部屋に居るよ
恭子さんは、ニカッと笑う
待って、あたしも降りるからコーデリア
恭子さんは、イーディを指差す
この小猿を預かっててこの子が居ると、真面目な話ができないから
ミス・コーデリアが、2人の部下に指示する
イーニーとムーニーが、同時にイーディに飛び掛かる
ギュウウウウンッ
2人の手から逃げるイーディ
校長室の中で追っ掛けっこが始まる
うんこのまま遊ばせとこう行くよ
恭子さんは、下の部屋への隠し階段を開く
たっだいまぁ
寧が監視装置の前の椅子に座ったミナホ姉さんに、声を掛ける
ミナホ姉さんは見るからに、やつれていた
全身から、疲れが見える
白坂創介は、この部屋を出た通路の奥に監禁してある
すぐ近くに復讐の相手がいるのだ
昨夜は、眠れなかったんだろうな
ミナホ姉さんの隣には克子姉が居た
今、お茶を煎れるわ
あ、克姉あたしも手伝う
克子姉と寧はお茶の準備へ
今はソースケの監視に行っているよ
恭子さんが、答えてくれた
恵美は練習着のままで来たのね
ミナホ姉さんが、メグを見る
早くここに来たかったから
着替えやバッグは、いつでも持って出られる様にグラウンドに置いてあったらしい
でもそのままじゃいけないわシャワーを浴びて、着替えてらっしゃい
恵美は1番手よ
白坂創介の前で4人の娘を犯す復讐計画
メグはその1番手なんだ
綺麗にしてらっしゃいあの男が心底、悔しがる様に
白坂創介はこの連休明けに、メグを娼婦に堕とす予定だった
あいつあんたのヴァージンは自分で奪う気だったんだよ
あいつの持ってたパソコンのスケジュール管理にあんたを犯す、場所も時間も記されていたんだ
それ見せて貰えますか
恭子さんはミナホ姉さんを見る
先に、これからの段取りをしたいわ恵美、後にしてちょうだい
やっぱり、姉さんは
復讐のことしか、頭に無い状態に陥っている
これからのことだけで、いっぱいいっぱいなんだ
克子マルゴを呼んであの男の監視は、カメラだけでいいわ
恭子さんもこちらに来て下さい
ミナホ姉さんは、黒い森の行動部隊のメンバーを全員集合させてくれる
これからの復讐についての最終打ち合わせをするために
はーい、お茶だよーんっ
寧もこっちにやって来る
ミナホ姉さん今日で、終わってしまうことより明日のことも考えうよ
明日
ミナホ姉さんはうつむいたまま呟く
そうだよだって、これからずっとオレたちには、明日が来るんだから
ミナホ姉さんがスッと、真っ直ぐにオレを見た
まだまだ、ずっと終わらないよ明日は、来るんだオレ、ミナホ姉さんがいないと何もできないし
そんなことないわあなたは、強くなったわよ
ミナホ姉さんは寂しそうに微笑む
あたしがいなくなってもあなたは、他のみんなと一緒に上手くやっていってくれるって思うわ
まだ、復讐の完遂とともに死ぬことを悩んでいるのか
そんなことないよオレは
そんなことあるかもしれない、無いかもしれないくふふふっ、判んないよねっ
寧が、笑いながらオレにお茶をくれた
でもっ、あたしはあたしのことを判っているよっあたしっていう女の子は、ヨッちゃんが居ないとダメだってことっ
そしてメグと克子姉を見る
恵美も克姉も、そうだよねっ
あたしも、ヨシくんが居ないとダメになっちゃうって思います
きっとみすずや、瑠璃子や、美智や、マナ、渚さんもそうだよアニエスや、真緒ちゃんや、レイちゃんだって今じゃ、ヨッちゃんを必要としている
関さんもだよ
奥の廊下からマルゴさんが戻って来る
今は、翔お姉さんだっけ彼なしじゃダメだってあたしに送って来たメールには書いてあったよ
そうねたくさんの女の子たちが、あなたを必要としている頑張らないといけないわね
うん頑張るさ必要とされているんだもの力の限り頑張るさ
本当に強くなった嬉しいわあたし
ミナホ姉さんは、そう言ってオレの頬を撫でる
でミナホは、どうなんだい
恭子さんが尋ねる
いや、その子が、みんなから必要とされていてその子が、それに応えようと強くなった頑張っているそれは、判ったよで、ミナホはどうすんだい
この子にはもう、あたしの助力は要らないんじゃないかって思うんです
この子には香月様の庇護もあるでしょうしみすずさん、瑠璃子さんのパートナーでもあるわ香月セキュリティ・サービスの関さんまで、この子の保護をして下さるのなら黒い森なんていう犯罪組織に、身を置く必要は無いと思うの
いえ、この子だけじゃなくって寧や、恵美たちもあたしみたいな女とは、別れるべきじゃないかと思うのよ
黒い森は、あたしたちだけが残って若い子たちは、切り離すってこと
マルゴさんは尋ねる
違うわ黒い森は、あたしだけが残ればいいと思うの克子だって、渚のようにあたしの元から離れて新しい生活をすればいいしマルゴだって、これからは自由に
馬鹿なこと言わないでよ
マルゴさんは怒った
ふーんあたしはどうなんのさ
恭子さんが、苦笑している
恭子さんは最初から、自由ですわ
今までのことは、心から感謝しています
何言ってるんだ
そういうことを聞きたいんじゃないんだけどね
ダメだねえミナホ、あんたは本当にダメだわ
ええ、あたしは、ダメな女ですわ
ミナホ姉さんは恭子さんの言葉を肯定する
うんあんた、あの雪乃って子に似ているところがあるよミナホ
あんた自分が、どれくらいこの子のことを必要としているか判っていないみたいだね
恭子さんの言葉にミナホ姉さんは、ビクッと震える
確かにこの子には、もう、あんたの助けはいらないのかもしれないでも、あんたの方はこの子がいないとどうにもならなくなっているじゃないか
最初のガンダムは、各ロボットがシルエットではっきりと認識できるからどれだけ動いても、観ている人たちは判るんだよ
ところがさ、今のロボはデザインが細かすぎるから、アニメの中で動くと何が何だかよく認識できないんだよゴチャゴチャし過ぎてて
そうかもしれないな
デザイナーが拘って、複雑にしているのは判るけれど今のまんまじゃ、アニメ・マニアでないと何と何が闘っているのか判らないよ
今の子供に、マジンガーZを見せたら、ちゃんと面白いって反応するんだぜロボのどうでも良いような細かい設定よりもパッと見で、強さとかヤバさとかが伝わらないと
そういう意味で、あれとか良くないね
ドーベンウルフだよ
つまり、この会話はガンダムZZの放送中に、コミケで並んでいる時に聞こえてきた会話です
当時の私が本当に聞いた話です
ロボットアニメってあの時代から、すでに迷走しているんですね
459.木食
あたしが、白坂雪乃に似ている
ミナホ姉さんは絶句している
ああ、似ているねえ自分とこの子との関係を、勝手に決めつけてしまってるよ
恭子さんの声は厳しい
あの馬鹿娘と変わらないよあの子も、自分はこの子よりも上等な身分の女だっていう考えから抜け出せないから、ああやってるわけじゃないか
雪乃は誰にも膝を屈しないという態度だから、誰からも助けて貰えない
好かれないし、同情されない
このままだと確実に、破滅する
ミナホも同じさ上から目線で自分は、この子を導く立場だって思い込んでいる自分の方が、偉いんだってさだからその上位の立場がキープできなくなったら、自分は、この子の前からいなくなるなんていう馬鹿げた発想をするんだよ
でもあたしは自分の復讐のために、何もかも捨てた女なのよたくさんの人間を犠牲にしてもきたわ
ミナホ姉さんの復讐への道程は、平坦では無かった
メチャクチャ、色んなことがあったんだろう
あたしは、今日、復讐を遂げるわでも、復讐を完遂したあたしにはその先の人生は許されないと思う幸せになってはいけないって
あのさミナホ姉さんミナホ姉さんの、そういう気持ちは判るけれどでも
悪いんだけれど、オレたちのために幸せになってくれないか
はっきり言うけれど復讐が、終わったからってミナホ姉さんに死なれたら、オレたちが不幸になるから気落ちして、どんよりしちまうよ
ちゃんと、あなたたちから離れて、遠いところへ行くわ
そう言うことを言ってるんじゃないよっその辺の見えるところに居ろよっ
ミナホ姉さんが、一緒に居てくれないとオレたちは、寂しいんだよっ不幸のどん底なんだよっ
ミナホ姉さんは驚いている
そうですわ、お嬢様見える所に、ちゃんと居て下さらないと困ります
うん家族なんだからさっあたしたち
御名穂さんあたしは、もう大切な人を失うのは嫌です
母を亡くしているメグが言う
倫理的なこととか、何が正しいのかとか、そうあるべきだとかそういう理屈は、どうでもいいんだよミナホ姉さんも、オレたちと一緒に幸せになってくれないとオレたちが、困るんだッッ
でも、あたしは幸せには
なるんだよええいっ幸せにするよ、オレが、オレたちが
だから、黙ってオレたちに付いてきてくれよっ
ミナホ姉さんは大きく眼を見開いて、オレを見ている
ミナホ、生きるんだよ死ぬのは、逃げるのと一緒だ生きられる限りは、歯を食いしばってでも生きるそれが、まだ生きている人間の義務だよ生きたくても、生きられなかった人たちに対するね
そして生きるってことは、幸福を追い求め続けるってことさ人間は、生きている限りより幸福になりたいって願い続けるものなんだから例え、銃殺刑になる直前だとしても大金持ちになって、全ての欲望を満たすことができる様になってもそれでも人は、より幸福になりたいって思うものなんだよ
恭子さんの言葉に、マルゴさんは
そうだよ、ミナホあたしたちは、確かに手を汚してきたあいつらには、幸せになる権利は無いって言うやつらもいるだろうたくさんたくさん、いるだろうさでも、あたしたちは幸せになるよあたしたちだって、幸せになるんだそれは、もう権利とかじゃないよ生きているんだもの脅されようが、殺されそうになろうが、他の人々から疎まれ、唾棄されようがそれでも、断固としてあたしたちは幸せになるんだよ
マルゴ
そして寧が、口を開く
しょうがないよ先生これは呪いなんだよ生きている人間が、みんな掛かっている
寧は、優しく微笑む
あたしもさ自暴自棄だった頃があるから、よく判るんだケイちゃんを失ってあたしに生き続ける意味なんて無いんじゃないかって、何度も自問自答したよでも
寧の眼がオレを見る
今のあたしは、生きていたいよヨッちゃんとみんなとやりたいことや、楽しみなことがいっぱいあるんだもん
だから憎まれたって、生きてやるってのどんな困難だって、撥ね除けるよあたし幸せになりたいそれだけじゃなくって
寧の言葉をオレが引き継ぐ
幸せにしたいんだもう、1人じゃないから家族がいるんだから
ミナホ姉さんの眼がジッとオレを見ている
うん先生だって、呪われているんだよっ幸せにならないとガマンできない呪いにさっ
グダグダするんじゃないよっミナホあんただって、生きていいんだ幸せになっていいんだよっあんたが幸せになるのが許せないってヤツがいたら、全員あたしがブン殴ってやるからねっ
あたしだって闘うよ
恭子さんとマルゴさんが力強く言ってくれた
あたしも、そんなやつ引っぱたいてやりますっ
克子姉、寧、メグも
もう家族なんだよずっと一緒だミナホ姉さんが何て言ったってオレが、ミナホ姉さんを離さないよ
オレも、宣言する
だから、ミナホ姉さん今日で終わることよりも、明日のことを相談したいんだ
明日のこと
うん明日のことだよオレたち家族のこれから未来のことだよオレたちが、幸せなるためにはまだまだ、やらなきゃいけないことがたくさん残っているんだから
ああ復讐が完遂して、それで終わりじゃない
オレたち家族はこれからも、ずっと生きていくのだから
幸せになろうとあくせくしていくのだから
今日で終わらないよずっと、ずっと続くんだ家族が居る限りずっとずっと、頑張るしか無いんだよ
オレ、幸せにしないといけない人がいっぱいいるからさみんな、それぞれ問題を抱えているし解決するのには、まだまだ何年も時間が掛かりそうな子もいる真緒ちゃんみたいに、まだ本当に幼い子供もいるしそれに
来年には、新しい子供も生まれるだろうオレは父親になるんだ
雪乃も渚も妊娠するだろう
あるいは、克子姉や他の子だって
みんな幸せにするんだいいや、みんなで幸せになるんだよ10年とか、20年とかっていう時の流れじゃないよ死ぬまで、何十年だって幸せになる努力をし続けるよだって、幸せにしなくちゃいけない子は、どんどん増えていくんだから
まずはオレたちオレの子その孫
幸せだって、持続させないといけない次々に、新しい幸せを見つけていかないといけない
寧姉さんの言うとおりだねこれは、呪いだ死ぬまで、幸せになる努力を惜しまないという呪いでも、オレはその呪いを喜んで、受けとめるよミナホ姉さんだって、幸せにしてみせるさ
ミナホ、この子にここまで言わせちゃっていいわけ
恭子さんが、クスッと笑う
あんたこの子のお姉さんなんでしょ一緒に、この子と闘い続ける覚悟は、あんたには無いの
ミナホ姉さんは、戸惑っている
そんなの無くたっていいよオレは、何があったって、ミナホ姉さんを捕まえているから
あたしだって、捕まえているよ先生
あたしだって御名穂さん
寧とメグが左右から、ミナホ姉さんを抱く
あなたたち
正面からオレが、ミナホ姉さんを抱き締める
ごめんなさいあたし、あなたたちの姉なのに先生なのに
そう言えばオレも寧もメグも、ミナホ姉さんの現役の生徒だ
卒業生もここにいるよ
中退ですけれど、あたしもいますわ
ごめんなさい、ごめんなさいあたし
ミナホ姉さんは静々と涙を零す
さてじゃあ、そろそろこの後の準備に移ろうか
ミナホ姉さんの感情が穏やかになったのを確認して恭子さんが言う
オレは場の流れを止める
恭子さんが怪訝な顔をする
先に明日のことを相談したいんですけれど
あのこの明日は、比喩としての未来を表す明日じゃなくってリアルに明日って意味の明日です
あーんと今日が5月5日ですから、つまり5月6日のことです
明日、何があるって言うんだい
恭子さんを始めみんなが、オレに注目する
色んなことですいいですか
オレは話を始める
まず、第一に香月家のこと
何としてもジッちゃんを元気付けないといけない
みすず、瑠璃子、美子さんの3人が仲良くジッちゃんの側に居る姿を、公の場で見せないといけない
それに丁度良いパーティが、明日あるということ
続いて香月セキュリティ・サービスのこと
香月セキュリティ・サービスが、名誉回復のために、わざと北九州の組織をおびき寄せ一斉に壊滅させることを狙っているということ
そして最後に、雪乃のこと
この3つのことを、オレはオレなりに何とかしたいんです
何とかって具体的に、どういう風にしたいんだい
恭子さんが、オレに尋ねる
ええっとそのそオレには、漠然とこういう風になったらいいなあっていうイメージは有るんですけれど具体的に、何をどうしたらそれができるのかは判らないんですだからみんなに相談したくて
話してごらんなさい
ミナホ姉さんの眼に、光が戻っていた
オレは何とか、悪戦苦闘しつつも、自分の思いを伝える
大体判ったわ恭子さん、どう思われますか
ミナホ姉さんは、まず最年長者の恭子さんに意見を尋ねる
悪く無いと思うよ今後、香月家や香月セキュリティ・サービスとのパイプが太くなるってのも歓迎すべき事柄だしあたしたちに損は無いただ
雪乃って子のことについてはあたしには、判断できないね
やっぱり、雪乃の評価は低いのか
正直な気持ちを言うとあの娘は、あたしたちのことを知り過ぎていると思うコーデリアだったら、もう処分していると思うよ
それは雪乃を抹殺するということか
じゃ、何で恭子さんは、あの子を殺さないのっ
そりゃ、あの子は馬鹿は馬鹿でも、底抜けの馬鹿だからさあの子は全然、あたしたちのことを把握していないだろだから、情報攪乱に使えると思うのさ
恭子さんはオレを見る
だからこの子の提案した作戦は、面白いと思うよ個人的にはねただ、あの娘のことは、ソースケに対する復讐計画の一環てことになっているだろ計画の責任者はミナホなんだミナホが判断することだと思うよ
恭子さんはミナホ姉さんに、ボールを渡す
雪乃さん次第、でしょうね
オレを見る
あなたの提案は、悪く無いと思うわでも雪乃さんが、どう動くかは現状では判らないわあたしの方で、シミュレーションして3パターンぐらいの実行計画を立てるしかないわねそれでこれからの雪乃さん状態を見て臨機応変に対処するしかないと思うの
うん完全に戻った
いつものミナホ姉さんだ
どうしたの、変な顔をして
ミナホ姉さん愛してる大好きだよ
な、何を言い出すのっ
オレの言葉に、赤面するミナホ姉さん
あったしも大好きっ愛してるぅ
冗談はやめてこんな時に
冗談じゃ無いよオレ、本当にミナホ姉さんが大好きだから
うんミナホは、悪巧みしている時の顔が一番魅力的だよね
恭子さんが、笑う
あたしもそう思う
じゃ、いいねミナホ吉田くんの提案、やるんだね
ええ、マルゴこの子の提案、採用するわ
オーケイ、翔お姉さんとの打ち合わせはあたしの方で進めておくよこっちも、オールスター、総出撃で構わないよね
任せるわ
恭子さん、ミス・コーデリアたちは
マルゴさんは、改めて尋ねる
うーん、明日の作戦にあの子たちを使うのなら何かしら、報酬が必要になると思うね
ミス・コーデリアは、恭子さんの恋人だがオレたちとは別の組織の人間だ
この前の暴力団事務所襲撃とかは、恭子さんとの遊びとして出撃してくれたけれど
香月セキュリティ・サービスに絡む仕事ならそうはいかない
それも、翔お姉さんと相談してみるよ
翔お姉さんも香月セキュリティ・サービスの現場責任者に昇格するんだ
アメリカの犯罪組織のメンバーであるミス・コーデリアとの付き合いは考えないといけないだろう
よし香月セキュリティ・サービスの方が、受け入れる気があればコーデリアたちも参加覚悟が無いなら、不参加ってことにしておこう
恭子さんは、そう言う
あたしは、参加するよこの間のホテルの時は、最後の登場で思いっきり暴れられなかったからね
それならちょっと面白い趣向を思い付いたよこれも、翔お姉さんと相談だけれど
マルゴさんがニヤッと微笑む
とてつもない作戦を思い付いたらしい
いいねえマルゴの独創性は、素晴らしいからね楽しみにしているよ
恭子さんも、微笑む
ミナホこの後、10分だけ時間をちょうだいそれで基本計画を詰めよう
今日のうちから、仕込んでおかないといけないこともあるしね
マルゴさんとミナホ姉さんの黄金コンビで具体的な作戦が練り込まれる
克子さんと寧にはまた、ネットでの情報操作をお願いするよ
マルゴさんは、2人を見る
任せて下さい
了解だよっ
2人とも、やる気満々だ
あのあたしは
メグは困った顔をしている
恵美はお茶を煎れたり、肩揉んだりしてっ何かしら、やってもらうことはあるからさっ
はいっ寧お姉さん
うん暗かった空気が、一変している
今日これで白坂創介への復讐で、全て終わりということでなく
明日は、明日の仕事があるということで
終わらない終わらないんだ
明日が終わっても、また明日が来る
終わらせてはいけない
死ぬまで喘ぎながら明日を乗り越えていくんだ
じゃああなたは、みすずさんと瑠璃子さんと話し合って
ミナホ姉さんは、オレを見る
うんみすずも、もうすぐお屋敷に着くから早速、話をするよ
オレも自分のするべきことをしよう
ピピピピピ
監視装置のアラームが鳴る
眼を覚ましたみたいだね、ソースケ
明日するべきことの前に
今日するべきことが、立ち塞がる
恵美、あの人の様子見たい
メグにとっては母を殺し、自分を娼婦にしようとした、憎むべき父親だ
そう言えばヨッちゃんも、まだ見たこと無かったんだっけ
あの映像では、見ました
お屋敷に残っていた白坂創介が、女を犯す過去の映像
それからテレビの報道でも、最近の白坂創介の映像を見ている
華やかなスーツを着た、一流広告代理店の部長として姿を
背が高く、体格の良い二枚目の男
派手な車と、高級腕時計
その容貌にはとても40代とは思えないような、若々しさがあった
髪の毛も黒々とふっさふさでテレビでは、男性アイドルと同じカリスマ美容師にカットして貰っていると言っていた
じゃあ、きっと驚くと思うよっ
寧の声は暗かった
監視カメラの映像出すわよ
克子姉が監視装置を操作する
正面のモニターに姿が、映る
オレはびっくりした
天井の低い狭い監禁室に、閉じ込められている男は
昔のマンガに出て来る囚人服の様な白と黒のシマシマの服を、ダボッと着ている
この人が
パッと見た印象は60過ぎのお爺さん
背中が曲がって身体全体に覇気が無い
ダラッと力が抜けている
オレの覚えている白坂創介の面影は残っていない
身体も、一廻り小さく見えるし
あれ本当に、白坂創介さんなんですか
ああ、そうだよあたしが捕まえてから、随分経っているからねえまあ、色々あったのさ
まここしばらく、まともな物を食わせていないからね
食べてない
あいつには、オーストラリア以来、即神仏になるための木食行をさせているからここ数日は、ドングリしか食べさせていない
雪乃うまい棒は、ご馳走だったらしいぞ
白坂創介の顔は、すっかりやせこけて萎んでいる
というか歪んでいる
変にスカスカというか左右のバランスもおかしい
あ、ソースケ、今、前歯1本も無いから最初に逃亡しようとした時にあたしが全部、叩き折ったから鉄パイプで奥歯は、右だけ残っているのかな
ああ、歯が無いから顔が萎んで見えるんだ
2度目に逃亡しようとした時に、髪の毛を掴んで引っ張り廻してやったんだよそしたら随分、毛が抜けてさ
髪の毛は抜け落ちてハゲなっているところと、まだ毛があるところとでマダラになっている
しかも黒髪のほとんどは、白髪に変わっていた
染めてたんですかあの人
おそるおそるメグが尋ねる
うんにゃ色々と、恐ろしいことを体験してもらったからねある朝、見たら真っ白に変わっていたよ
な、何があったんだ
あれもしかして
オレは男の着ている囚人服のお尻が、黄色く変色していることに気付いた
いや、男の座っている床も濡れている
尻の穴にさ力が入らないんだよ、あいつ
オーストラリアで、ハードゲイに何度も犯されたからね最後には、金属バットをブチ込んだから肛門の廻り筋肉が、プチッて切れちゃったまんまなんだわ医者に診せてないから、傷も治ってないよ人工肛門に取り替えない限りもう、一生、あのまま垂れ流しだね
だから腰を、痛そうに何度も擦っているのか
日本に密入国させるのに、薬を使ったからしばらく、意識が朦朧としていたんだけれどここ2、3日で大分、取り戻したよあいつの家族とか、仕事とか、女の映像を見せたりしてね今は、あたしたちが誰だか判るし自分が誰なのかも判っている
ミナホ姉さんの憎しみの深さを改めて知る
ここまで、白坂創介という人間を
オレはさっき明日の話をしていたのに
ここに、絶対に明日の無い男がいる
むしろ、体力的な方がそろそろ限界になるねだから、意識がハッキリした今夜が復讐する最初で最後のタイミングなんだよ
ミナホ姉さんが白坂創介を殺さないようにしたいなんて、オレの甘い考えだった
白坂創介は、すでに半死半生の状態になっている
じゃあ、ミナホ今日のこの後は、プランBでいいね
恭子さんがミナホ姉さんに言った
モニターを見るミナホ姉さんの眼には、復讐の青い炎が瞬いていた
ということで復讐編に入ります
復讐編が暗くなる分、最終章は派手に明るく終わらせる予定です
昔、博物館で即神仏になった方のミイラを見たことがあります
あれはキツイです
誰だか判らない人のミイラならまだ耐えられるのですが
エジプトのミイラとかアンデスのミイラとか、人間標本みたいな感じで展示されると、まだそういうものかと思えたのですが
ご本人の前に藤原**とお名前を書かれると
生々しすぎます
カンベンしてくれって思いました
460.復讐の順番
よし、そろそろ突っついてやる時間だよね
恭子さんが何かの装置を操作する
マイクを取ると画面の中の白坂創介の監禁室の中で、着メロが鳴り出す
見ると部屋の床に、携帯電話機が一台落ちていた
白坂創介はという顔をするが
のろのろと、動きだし電話に出る
あ、もしもしっ白坂創介さんでスかっ
恭子さんが、野太い声を作って電話機に喋る
そ、そうだが
モニターの中の白坂創介は、掠れた声で返事をした
いやぁやっと繋がりましたネあっしは、ヨコスカのタニムラつーっモンでス白坂守次さンに頼まれましてねあンたさんの救出に向かってるトコロですワ
守次叔父が
白坂創介は叫ぶ
白坂創介はすでに、当主だった白坂守次氏が失脚していることを知らないからね
香月家が動いた結果、白坂の家が白坂創介を見捨てたこともだから、まだ白坂本家が、自分を救出してくれるっていう希望を持っている
白坂本家なら何かしら裏社会との付き合いはあるから
こんな風に、救援を送ってくる可能性はある
はい、そうっス白坂守次さんのご依頼で、動いておりやスやっとこさ、あンたさんの居所が判りましたンで、あっしの配下の者に、その携帯電話を運び込ませました
恭子さんはマイクに向かって、話す
は、早く助けてくれぇぇぇ
半泣きで、白坂創介は叫んだ
まあまあ、そう大きな声を出さンで下さい今は、その部屋の監視装置は、あっしらの方でラインを断ってますがあんまり大きな声を出すと、見張りの人間が様子を見に来るンじゃないですカね
白坂創介は声を落とす
うん常識的にも、論理的にメチャクチャなことを言っているのに、思いっきり引っ掛かっているねやっぱり、溺れる者は藁をも掴むかな
マルゴさんが、白坂の様子を観察してそう言う
元々自分の手を汚したりしない男だから判らないのよ監視装置のシステムとか地下の監禁室から、携帯で電話できるはずが無いってこと
自分は誰よりも幸運で、優遇されているのが当然だって思っている男だもの
だからこんな、起こりうるはずの無いことに、飛びついて来る
ええっと、でスねぇ今のこっちの感じだと、来週の月曜日ぐらいには何とか、あンたさんを助け出せると思うンですけど
来週だとふざけるなっ今すぐ、来い
白坂創介は、電話に向かって怒鳴る
そうはおっしゃいますけどねぇあっしの方でも、それなりに人を集めないといけませンから
何言ってるんだ相手は、女だぞ
女は女でもキョーコ・メッサーさンって言ったら、それなりに名前の知れた大物ですぜ
と恭子さん自身が言う
それなりに準備をしねぇとねえ
クククと笑う、恭子さん
今、こっちでは外国のルートも使って、キョーコ・メッサーさンの弱みを探しているところですワあんたサン、何か知りませんか
ロサンゼルスのエルネスト・ホークって男に連絡して見ろ
エルネストホークさンですか
評議会のエルネスト・ホークって言えば、判るやつには判るそいつは、キョーコの存在を煙たく思っているから何かしら、手を貸してくれるはずだ
恭子さんはニッと微笑む
判りました、早速連絡してみますでも、やっぱり、あんたさンの救出は遅れると思いますぜ
何でだ
いえねどうやら、キョーコ・メッサーさんは、あんたさンのご家族を狙ってらっしゃいましてねそっちの警備の方に人手を取られてまして
私の家族だと
はい奥さンとお嬢さンが2人ですねそれともう1人、隠れた娘さンがいらっしゃいますね
メグがジッと、モニターを見る
それぞれに護衛を付けるとなるとね結構な人数になりますから
恵美はいいあいつには警護はいらない
白坂創介は、即座に言い切った
となるとキョーコ・メッサーにとっ捕まって、とんでもないメに遭わされることになると思いますがネ
構わん恵美の警護は外して、私の救援を急いでくれ
いやいや、白坂さンお一方の警護を外すぐらいじゃ、大した人数にはなりませんよ
なら、妻の警護も外せあいつは、私に隠れてマネージャーと浮気をしていることは判っているんだ
白坂創介は、妻を見捨てる
それでしたら、白坂さンあんたさンのお2人のお嬢さん雪乃さンと舞夏さンでしたら、どっちの警護を厚くした方がいいですかね
いえねあっしも、警護体勢をなるべくコンパクトにして、あンたさンの救援部隊の人数を少しでも増やしたいんですよ
雪乃だ雪乃の方を厚くしてくれあいつは、守次叔父のお気に入りだ
最悪、舞夏さンの方は、キョーコ・メッサーに捕まっても構いませんね
あんたさンを少しでも早く救出するためには
わ、判った頼む早くここから助け出してくれ
白坂創介はマナも切り捨てる
はいなるべく、ご期待に応えるよう努力致しますです
努力するじゃないっ確実に私を助けろいいな、これは命令だからなっ
はいはいでは、お辛いでしょうが、もう少々、お待ち下さい
恭子さんは電話を切ろうとする
白坂創介は言った
あいつらの中の裏切り者は誰なんだ
この携帯電話を持って来てくれたり私とお前の通話を許しているってことはあいつらの中に裏切り者が居て、私の脱出に協力してくれているということだろう
ちょっとは、頭が冴えてきたようだね
恭子さんは今、部屋の中に居るメンバーをぐるっと見廻す
高梨克子さンでさぁ
克子姉がえーっと嫌そうな顔をする
克子だとあいつは御名穂のシンパだろう
白坂創介は、そう答える
高梨克子さンは、商売女ですからあの人の顧客筋から、あっしらはコンタクトしました八千万で、白坂守次さンに付くことを約束してくれましたンでさ
恭子さんの口から、ツラツラと嘘が語られる
克子の顧客って言うとヤマハナ重工のタンゲ会長あたりか
シンバシ財団のマルモトさンでさ
な、なるほどそれなら、守次叔父とも親しいものな
ええ高梨さンは、ご自分の将来をお考えになってマルモトさンや白坂守次さンにお味方なさるご決意をなさったようですぜ
そ、そうかでかしたっ
白坂創介は納得する
そうだなたかが、娼婦このまま、御名穂にくっついて行っても、未来は見えないものなっ
どんな時でも、すぐに自分の都合の良いように物事を解釈するのはさすが、雪乃の父親だ
いや、こういう父親だからこそ雪乃が、あんな女になったとも言える
ですんで何か、問題がございましたら高梨克子さンの方へお話して下さいただしあンたさんとの関係を、キョーコ・メッサーに悟られないよう、くれぐれもお願い致しますぜ
わ、判ったとにかく、急いで助けてくれ頼んだぞ
はいもうしばらくのご辛抱ですから
恭子さんは、通話を切る
すぐに、別のスイッチを押して
もしもし、コーデリア、聞こえる
上の校長室に居るミス・コーデリアと通話する
聞こえるわどうしたの
ソースケとエルネスト・ホークの繋がりが判ったわ言質を取ったから
ああやっぱり
あたしの悪口を広めていたのは確実に、エルネストだね
そうじゃあ、殺しに行かないとね
来週の後半とかにするあんたのスケジュールは
何言ってるのこれは、あたしたちの最優先事項でしょう他の予定なんか、無視するわ
オッケイ、じゃあ、ササっと行って殺してこよう
うふふキョーコとロサンゼルスを歩くのは久しぶりね
2人はデートの約束でもするかの様に、エルネスト・ホークという男の殺害を決定してしまった
航空券は、あたしの方で取っておこうか
いいえ、民間航空だとエルネストに動きがバレるから軍の飛行機に便乗させてもらいましょあたしが、連絡しておくわ
ミス・コーデリアはアメリカ軍とも、コネがあるらしい
恭子さんは、通信を切る
はぁ、あたしが係ですか
ごめん他に思い付かなかったんだわ
恭子さんが、克子に詫びる
首謀者のあたしやミナホが、裏切り者になるはずがないしマルゴや、寧ではどうやって外の人とコンタクトしたのかが怪しいだろ
娼婦としてたくさんの顧客を持っている克子姉ならそのラインを辿って、交渉することができる
渚でも良かったけれどあの子、今、ここに居ないから
うん居ない人の名前を出すのは、良くないもんな
ということだからあの臭い男の面倒、よろしくね
恭子さんは言う
ああやって少しでも、希望があるうちは、発狂したりはしないからね
ええあの男には、ちゃんと意識のある中で復讐しないといけないわ
うん頭が別の世界に行っちゃった人を責めても何もならないもんね
寧もそう言った
さてこれで、ソースケの中での家族の優先順位も判ったしね
雪乃さんが1番大事でマナさんが2番目、恵美が3番目、アニエスが4番目ね
ミナホ姉さんも、メグを見る
あたしが最下位じゃないんですか
ソースケついに自分から、アニエスのことを言い出さなかったからねあいつにとっては、アニエスはセックスのオモチャにするために飼っているだけの女の子で自分の娘だとは思っていないんだよ
だから窮地に追い込まれた今、存在を忘れている
恵美の話をしたからあの男は、電話の相手を本当に白坂守次に雇われている人だと確信したんだと思うわ恵美のことは、白坂家でも、一部の人しか知らないはずだから
でどうする、ミナホ復讐の順番は今の通りの順番にする
アニエス恵美マナ雪乃さんてこと
寧が確認する
白坂創介が大切にしている娘を最後に持って来るということか
より絶望させるために
いや、アニエスが最初は無理だよ
アニエス初めてだし
処女の子に、トップバッターをさせるのは
それに娘として大事にしているのと、どうされたら、あの人が悔しがるのかは別だと思います
どういうことかしら
ミナホ姉さんが、メグに聞く
あたしはあの人にとって、もうすでに娼婦に堕として稼がせるだけの娘でしかありませんあの人があたしの初めてだけは、自分で奪おうとしていてもそれはあくまで、娼婦にするための過程でしかありません
メグは寂しそうに言った
だけどアニエスちゃんは、あの人が自分1人で楽しむために何年も掛けて育ててきた娘ですずっと熟成するのを楽しみにして待っていたワインみたいなものですからあたしよりも、アニエスちゃんを奪われた方が、あの人は悔しがると思います
いずれにせよメグとアニエス2人の実娘を白坂創介は、性欲を満たすための人形としか考えていない
だから1番はあたしでアニエスちゃんは、2番だと思うんです
メグはそう言う
それでもまだ面白く無いわね
1番は恵美で2番はマナさんにしましょう3番がアニエスよ
あの男の心を引き裂くにはその方が良いからよ
白坂創介には雪乃さんの存在を気付かれたくないのよ
恵美や、アニエスや、マナさんが犯されても雪乃さんが無事だと思っている限りは、白坂創介は絶望しないわだからあたしたちがすでに雪乃さんまで捕らえていることを、あの人に気付かせたくないのよ
そうだね恵美さんやアニエスが先に出て、3番目がマナちゃんなら白坂創介は、最後に雪乃さんが登場するかもって可能性を想像してしまうかもしれない
あの人は御名穂が用意周到な人だってことは、判っているからね娘が予想通りの順番で出て来たら4人全部、雪乃さんまで犯されるって思い付くよ
それが、どうしていけないんですか
あらかじめ、覚悟ができてしまったら耐えられるからさ心に壁を作ってね
マルゴさんは、メグに微笑む
順番通りならマナちゃんが犯されている姿を見ながら、ああ、きっとこの後に雪乃も犯されるって思うよそしたら雪乃さんのレイプは、あの人にとって衝撃的ではなくなる逆にこれは仕方のないことだったんだって、思い込んでショックをシャットアウトするかもしれない
だから、あの人が、雪乃さんを一番大事にしているのなら雪乃さんの登場は、ギリギリまで悟らせない方がいいわ
それならあたし、マナ、アニエスちゃん、雪乃の順番ですか
そうだねマナちゃんが2番目で、次がアニエスだった段階でソースケのやつは、雪乃さんはあたしたちに捕まってないって安心するだろうからね
マナちゃんのレイプを見るのは辛いだろうけれどそれ以上の衝撃は、もう無いだろうと思わせるんだよ
雪乃だけは無事だと思い込ませたところで
最後の最後に雪乃を犯す
それでいいんじゃないの反対の人はいるかい
恭子さんの言葉にみんな首を振る
それでいいと思いますその順番ならアニエスちゃんの時に、あたしとマナがフォローできますから
その方が、アニエスには良いと思う
じゃあ決まりだミナホいいね
最終確認を恭子さんは、ミナホ姉さんに求める
この場での打ち合わせはこれで終わりの様だった
そしたらソースケは、1時間後に屋敷に移送する移送のメンバーは、あたしと克子とマルゴだ臭いけど、諦めてやるからねっ
恭子さんが、指示する
ミナホは、この子たちと先に戻って会場の準備を頼むよ
恭子さん、あたしも残ります
ダメダメ、あたしとミナホと両方が残っていたらソースケが警戒するから寧、あんたが中心になって、ミナホを連れてって
了解ヨッちゃん、恵美、いいねっ
寧が、オレたちに微笑む
克子、見張りのフリをしてソースケのところへ行ってこっそりと手紙を渡して来るんだ内容は、これからお屋敷に移動するが、救援部隊には連絡済みだから心配するなついでに、さっきの携帯電話も取り上げて来てずっと持たせておくと、あたしたちにハメられていることに気付くかもしれないから
マルゴ克子のガードをお願い
克子姉とマルゴさんは奥の通路の監禁室へと向かう
えっと恵美ちゃんこれさっき言ってたやつソースケのパソコンにあった、あんたの処女を奪うためのメモ読みたかったら、どうぞ
恭子さんはテーブルの上の画面に、文書ファイルを開く
ただし、ここで読んでってねプリントアウトとかはできないから
メグはモニター画面を読み出す
恵美のシャワーと着替えは、ここでは無理だね向こうに戻ってからにしよう
そう言えばメグは、まだ陸上部のトレーニングウェアのままだ
先生お屋敷に持っていくものとかある
特にないわ
ミナホ姉さんは、そう答えるが
ソースケの私物運んじゃってくれるこのまま、ここに残してはおけないから最終的には、まとめて処分するしかないんだしさ
恭子さんが、ミナホ姉さんに言う
恭子さん、どこにあるの
そっちの段ボールに詰めてあるよミナホが知ってる
先生どれ
ミナホ姉さんと寧が部屋の隅へ行く
オレの廻りから、みんないなくなったところで恭子さんが、スッと近付いて来た
あんたが居てくれたおかげで助かったよ
オレの耳に、そっと呟く
オレは別に
いいやあんたのおかげで、最悪の事態にはならずに済みそうだ
恭子さんが、オレにニッと微笑む
プランBだからね
それはどういう計画なんだろう
あの白坂創介は、最後にはどうなっちゃうんですか
恐る恐るオレは、尋ねた
プランAなら最後は、殺して晒すはずだった
晒す
ほら、晒し首って刑罰が昔あったろあんな風に、殺したソースケの遺体を、ソースケのところの新聞社の前に晒す予定だったこの者、少女誘拐監禁強姦殺人犯なり Zってカードを付けて
やはり殺すつもりだったんだ
プランBは
オレは心配になる
それは最後までのお楽しみってことにしておきな
恭子さんは、オレにニコッと微笑んでくれた
大丈夫あんたたちの将来にツケが残る様な落とし方はしないから
ああ、ミナホは自分の復讐心よりも、あんたたちの将来の方が大事だと思ってくれたんだ公に遺体を晒す様な殺人事件なら延々と捜査は続くだろうからね香月家の圧力があったとしても、あんたたちの今後に悪い影響が残るかもしれないだろ
だから、ソースケにはひっそり消えてもらうことにしたのさ
恭子さんは、それ以上は教えてくれなかった
行くよヨッちゃんメグも
地下通路へ通じる階段の前で寧が、オレたちを呼ぶ
あ、今行くよ
はい寧お姉さん
メグは、パソコンから顔を上げる
この通りにします
メグは言う
あの人が、あたしの処女を犯そうとした通りにあたし、ヨシくんに犯してもらいますあの人の眼の前で
メグの瞳には、怒りの色が見えた
恭子さんは、それだけ答えた
ほら、メグ行くよ
オレは寧と大きな段ボールを抱えている
結構重い
あの男のスーツケースとかも入っているのよ
ああオーストラリアを旅行中に、恭子さんに拉致されたんだっけ
メグが自分のカバンを持って、走って来る
恭子さん、お願いします
任せておきなっ
ミナホ姉さんに恭子さんは、ニッコリ微笑む
イーディのことも、頼みます
オレは、それが心配だった
それは、コーデリアに任せるよ
お屋敷で復讐を行っている間はイーディは、学校に居た方がいい
それは判っているんだけれど
あいつミス・コーデリアとは仲が悪いからなあ
最悪、こっちに美智に来てもらおう
オレとミナホ姉さん、寧、メグの4人は地下通路へと降りて行く
ありがとう心配かけて、ごめんなさいね
階段の途中で、ミナホ姉さんはオレの耳にそっと囁いた
今日の東京は、強風でした
花粉も飛んでいるらしく眼と喉が痛くて、頭もスッキリしない
また辛い季節がやって来そうです
あいかわらず、父のボケが進んでいます
昨日も、突然、大騒ぎしてパソコンのプリンターが壊れたと言い出しました
これは、もう修理するか、新しいのを買うしかないと
何が壊れたのと、私が聞くと
ワープロの文字が、大きくならない
文字
うん文字が大きく印刷できないプリンターが壊れた
あの、もしかしてそれは、プリンターのせいじゃなくってワープロ・ソフトで、フォントを大きくすればいいんじゃ
どうするんだ
いや、だからこうやって、大きくしたい文字を範囲指定して、ここのフォントを大きい数字にすれば
おお、でかくなった
こんなの知らなかったお前はよく知っているな誰に習った
父よあなただよ
20年も前に、あなたが私にワープロの使い方を教えてくれたんだ
昔、父に教わったことを、父に教えるのは辛いです
461.それぞれの心
地下通路を抜けて教職員用駐車場へ
ミナホ姉さんの車に乗り込み、高校の敷地からお屋敷へと向かう
運転席に、ミナホ姉さん
助手席に、寧
メグとオレは、後部座席だ
メグはまだ陸上部のトレーニングウェアのままだ
お屋敷に戻ったら、恵美はすぐにシャワーを浴びなさい準備して
復讐の1番手は、メグになった
だから、準備も先に済ませておかないといけない
寧は、マナさんとアニエスの方に付いてあげて
うん、先生
寧が返事をする
あなたも先にシャワーね
うんあ、でも、もうみすずたちが到着しているかもしれないから
翔お姉さんが迎えに行ったんだそろそろ戻って来ている頃合いだろう
そうね明日の打ち合わせもしないといけないのね
明日名家の人たちが一堂に集まるパーティがある
その席でジッちゃんと3人の孫娘が、仲睦まじい姿を見せないといけない
みすずと瑠璃子と腹を割って話したいんだ
その他にもあなた、あたしに話があるんじゃなくて
ルームミラーの中の瞳が、チラリとオレを見る
雪乃さんのことね
メグの身体が、ビクッと硬直する
あたしが、あの子に話をすればいいんでしょ取引を持ちかけるのね
さっきのあなたのプランを推し進めるなら当然、そうなるわねあなたが相手では、あの子は対等な立ち位置での会話はできないもの
雪乃は、いつも高い位置からオレを見下して話す
もっとも、あたしが相手ならあの子を、上から叩き潰すだけになるわよ
それでもオレが話すよりは、きちんとした交渉になる
それでいいんだミナホ姉さんに、高圧的に叩き潰されないと雪乃は、オレたちの申し出に乗ってはくれないだろうから
あいつは理屈で生きていない
自分の生死を左右するような判断も気に入らないとか頭にくるとか、自分の感情に任せてメチャクチャにする
オレが交渉相手になったらあいつは、状況を考えずに、ひたすら自分だけに都合の良いことを強要してくるだろう
それではダメだ
そうねあたしが一番適任なんでしょうね
雪乃はミナホ姉さんに対しては、恐れを抱いている
あいつは、全ての元凶は、弓槻だと言っていた
ミナホ姉さんが、オレたち黒い森の暴力と政治力を握っていることを理解している
でも恵美は、どう思う
ミナホ姉さんは、メグに話を振った
さっきの話の時も、恵美はずっと黙っていたでしょここには、あたしたちしかいないから恵美の気持ちを、はっきり教えてちょうだい
そうだメグの本心を聞いて置かないと
メグは、廻りの人に気を遣うからさっきの話し合いの時は、自分の意見を封じていたのかもしれない
メグはオレの太ももを、ギュッと掴む
泣きそうな顔でオレを見ている
どうしても雪乃を助けたいの
助けたいとかっていうんじゃなくってだって、あいつを地獄に突き堕としたのは、そもそもオレなんだし
処女だった雪乃を無理矢理レイプしたのは、オレだ
ただオレあいつを死なせたくないんだ
正直な気持ちをオレは、言った
あいつが、このまま死ぬのだけは、間違っているよ
白坂創介はこの先、抹殺されることに変わりはないと思う
もう諦めるしかない
あの老人みたいになってしまった顔抜け落ちて、ハゲだらけになった白髪を見たら、覚悟ができた
さっきの監禁室の様子を見てさオレ、ミナホ姉さんたちが、白坂創介という人のことを、どれほど憎んでいるのか判ったよ
ええ、あたしはあの男を完全に破滅させなければならないわあたし1人のことじゃないから
ミナホ姉さんは言う
妹の奈生実、あたしと妹のお腹の中にいた赤ちゃん、それにあたしたちを失ったまま孤独で亡くなった母死んでしまった人たちの恨みも、あたしはあの男に叩き付けなくてはいけないからそれにお屋敷の中で苦しんだ、たくさんの女たちの涙も
うんこの流れは、止められない
あたしもお母さんを亡くしているわ
だからね、あたしさっき、白坂さんの酷い様子を見たけれど全然、可哀想じゃなかったのむしろいい気味だって思ったわあの人だけは、簡単に死んで欲しく無ない苦しんで、苦しんでのたうち回って死ねばいいのにあたしそう思ってる
普段、優しいメグにここまで言わせる
メグの本当の父親なのに
白坂創介はそれだけのことをしたんだ
でも雪乃は雪乃は、あの男の娘ってだけで父親と一緒に、抹殺されるのは可哀想じゃないか
オレの言葉にメグは
そうかしら雪乃が破滅するのは、雪乃の自業自得なんだって、あたしは思うわ
そうね恵美には、そう言う権利があるわよね
メグは雪乃さんに子供の頃から、イジメられてきたものね綺麗な晴れ着を着ることも許されず合格していた志望校へ進むことも、辞退させられた
でも死ぬのは酷すぎると思う
だけど、雪乃ずっと自分の殻に閉じ籠もって、ヨシくんに助けろって上から目線で命令するだけで、自分からは何もしないじゃないっあんなんじゃ、助けようがないわよ
メグは激高する
そっか恵美も、本心ではあの子を助けたいんだねぇ
ずっと話を聞いていた寧が口を開いた
そんなことないですあたし雪乃なんて、ダイッ嫌いだしいなくなっちゃえばいいって思ってます
メグは低い声で、そう言う
だけどさヨッちゃんが言うとおり死ぬことはないって思ってるんでしょ
だって雪乃、馬鹿なんだもんっ今のまんまの雪乃なら、助けようがないじゃないですかっ
助けようがない
つまり本当は、助けたい
死なせたくはない
そうね雪乃さんの場合、下手に助けてあげたところで、増長して、おかしなことを言い出しかねないわね
あの子はあたしたちのことを知りすぎているもの安全性を考えたら処分しなければならないでしょうね
また話が雪乃の処分の方に向かっている
まあまあ、ちょっと待ってよ先生も恵美もさ
寧が助手席から身を乗り出し、後部座席のオレたちにニッと微笑む
多分さヨッちゃんが何か、上手い方法を考えついているんだと思うよ
そうねまずは、あなたの意見を聞きましょうかどうしたいわけ、あなたは
ミナホ姉さんに促されて
オレはオレの思い付いたことを話す
っていうプランなんだけれど、どうかな
多少、手直ししないといけないところもあるけれど大方は、それでいけると思うわ明日の作戦の中にも組み込めるしね
あたしも良いと思うよ落としどころとしては、それでいいんじゃないかな第一、とっても笑えるよっこのオチはねっ
寧は、そう言ってくれた
こういうことはさやっぱり、最後は笑えた方が良いんだってばツライだけの思い出じゃ、ダメだよ二度と思い出したくないことなら、心の中に閉じ込めてズブズブと沈殿させることしかできないじゃんかあたしたち家族の中でも、多分、話すのは永遠にタヴーってことになっちゃうよ
白坂創介については多分、そうなる
今日の後、オレたちは二度と白坂創介のことを話題にすることは無いだろう
だが、雪乃は
だけどさ、笑える終わり方ならいつか、笑って話せる日も来るって思うよあんなこともあったよねってあたしは、そっちがいいなあ
寧の笑顔は優しい
寧はそう言っているけれど恵美は、どう
ミナホ姉さんの言葉に、メグがオレを見る
雪乃とは、これっきりなのね
ああ、オレはもう雪乃とは直接交渉はしないから全部、ミナホ姉さんに任せるよ
判ったわそれなら、あたしもそれで良いと思います
メグが承諾してくれた
じゃそういうことで進めるわ
頼むよミナホ姉さん
うんまた1つ、終わりの形が見えてきた
大変だねえヨッちゃんは
これで恵美はオッケーで次は、マナそれとも、みすず
両方ですあと、多分強情なのは、美智ですから
オレはオレの女たちを全員納得させなくてはいけない
仕方無い
あの子らは、全員オレの女でオレは、あの子らに対して責任があるのだから
お帰りなさいませ、旦那様
お屋敷に着いてみると案の定、みすずたちはもう着いていた
玄関口に、みすず、美智、瑠璃子さらにマナまで出迎えてくれた
ミナホ姉さんは車をガレージに置きに行った
真緒ちゃんとお昼寝しているよっ
海までドライブしたりしたから、少しは疲れているらしい
レイちゃんは
翔お姉さんとお話中マルゴお姉さんから、連絡があったらしくて
ああこの後の警護体勢のことだな
白坂創介を、この屋敷に搬送するために表の公安警察と香月セキュリティ・サービスの監視員を誤魔化さないといけないし
白坂創介をこの屋敷から、外に出す時も
遺体になっているかどうかはオレには判らないけれど
渚お姉ちゃんは、監視装置を見てくれているよ
ああ、黒い森のメインメンバーが不在の今お屋敷の管理をできるのは、渚しかいない
じゃあ、あたし渚さんの方を手伝ってくるわまた後でねっ
寧は、スタスタと屋敷の中へ入っていく
あたし、シャワーに行ってくるわ
マナはもう身体を洗ったもし、まだだったら、一緒に行きましょう
オレが、ジッちゃんのことについて、みすずたちと話ができるように気を利かせているらしい
まだ、だけどお兄ちゃんも、これからシャワーでしょ
マナはオレを見る
あのね渚さんが、大浴場の用意をしてくれたんだよ
風呂が沸いているのか
だからさみんなで入ろうよ
はい一緒に入りませんか旦那様
お背中流します
美智はちょっと、目付きが怖い
お兄様わたくしも
瑠璃子も、顔を赤らめてそう言う
お姉ちゃんたち、お兄ちゃんとお風呂に入りたいってここで待っていたんだよ
ほら、お姉ちゃんたちは3人ともこの後の儀式には、参加できないでしょだから、今の内にお兄ちゃんとスキンシップしたいんだってさ
マナがニッと笑う
ちょっとテンションが高すぎるな
そのマナのハイテンションにみすずたちが、引きずられている感じか
あ、マナ順番、決まったわよ
あたし、何番
1番手があたしで、マナは2番目それから、アニエスとあの人
メグは雪乃の名前を口にしたくないらしい
そううん、いいんじゃない白坂創介さんにショックを与えるには
ケロッとマナは言う
しかしやはり、少し反応がおかしいと感じる
アニエスちゃんが、3番目ならマナがフォローしてあげれるからっ良かった
この儀式の果てには自分の父親の破滅が待っている
それを充分、理解している上で
マナは今必死で、白坂舞夏では無い別人になろうとしている
よしそんじゃあ、みんなで風呂に入ろうか
はーい、あたしたち着替えも準備オッケイでーす
マナは、明るく笑う
いや、みんなはいいけれどオレは
オレは、わざと大げさに言う
オレは何を着ればいいんだ
うーんと、お兄ちゃん学生服のままじゃ、おかしいよね
学生服姿でメグや、マナや、アニエスや、雪乃を次々レイプって
何か今ひとつ、迫力が出ないだろ
うんそうかも
多分さ、渚に聞いたら、丁度良さそうな衣装が出て来ると思うんだマナ、ちょっとオレの着替えを貰って来てくれよ
マナが、廊下を駆けて行く
先に風呂場に行ってるぞ
うん、お兄ちゃん先に入っててもいいよっ
いや、ちゃんと待ってるから一緒に入ろう
お兄ちゃん、大好きっ
テケテケと駆けていく、マナ
メグが、オレに話し掛ける
マナには雪乃の話は、今はしない方がいいと思うの
メグは暗い顔で、そう言った
今のあの子、自分のことで精一杯だから
自分のことって言うより自分と白坂創介さんのことで
父と娘の関係
正直、雪乃のことまでは考えている余裕は無いと思うわ
雪乃のことについて話しても今のマナなら、激しく反発するだけだろうしな
みすずと瑠璃子と美智がオレに寄って来る
うん実はさ
オレは雪乃の今後についての、計画を話した
わーいお風呂お風呂お兄ちゃんとお風呂
脱衣所でマナは、大騒ぎしている
ご機嫌ですわねマナさん
瑠璃子が、マナに微笑む
だってここのところ、アニエスちゃんにお兄ちゃんを取られちゃってたしくっふっふアニエスちゃんも、真緒ちゃんもオネンネしている今は、マナが一番年下だもんっ一番、お兄ちゃんに甘えちゃうんだからっ
マナがオレに飛びついて来る
マナ妹、それは大きな勘違いです
美智が、オレに寄って来る
年齢に関係無くご主人様の愛は、常にわたくしたちに平等に降り注いでおります
と、言いつつオレのズボンのベルトを外していく
美智何やっているんだ
ご主人様のお着物をお脱がせするのはわたくしの仕事かと
いえいえ、そんなことはお兄様の奴隷であるわたくしが致しますわ
瑠璃子がニコニコ笑ってオレのジッパーをツーっと下ろす
お待ちなさい、2人とも旦那様のパンツは、わたくしがお脱がせします
みすずまで、参戦する
じ、自分でするからさ
ダメでございますっむぅ
むぅって美智
メグお姉ちゃんはいいの
うん、あたしはここからヨシくんの身体を見ているだけでいいわ
オレは下半身に纏わり付いている3人は放って、自分でシャツを脱ぐ
ヨシくんの背中あたし好きよ
メグは、オレの裸の背中を見てそう言う
おっ、メグお姉ちゃんマニアックだねっ
ニヒヒと笑うマナ
でも、マナもお兄ちゃんの上半身も好きだよ
そう言ってオレの胸板に、チュッとキスをする
上半身
下半身に群がっていた3人が、顔を上げる
そう言えば逞しいですわ
瑠璃子が、立ち上がってオレの背中に頬擦りする
ちょっとお待ちなさいルリルリ
美智も立ち上がって、オレの胸板を抱き締めてくる
ではここは、わたくしが
みすずは初心を忘れずに、オレのパンツを脱がしていく
ん可愛い
オレの亀頭に、チュッとキスをする
みすずお姉ちゃんお兄ちゃんのオチンチン、そんなに好きなの
マナさんは、嫌いなの
好きでも、お兄ちゃんの身体なら、マナは全部好きだもんっ
マナは、オレの唇にキスしてくる
おずおずと上目遣いで、オレを見る
さっき、車で海まで出掛けていた時ルリお姉ちゃんとエッチしてないんだよね
さっきも同じことを聞いたよな
そんなに気になるのか
してないよなあ、瑠璃子
はい、しておりません
レイちゃんや、翔お姉さんやあの人とも
してないってさっきも言ったけれど、アニエスの面倒を見ないといけなかったから、そんな余裕は無かったよ
うんそうだよね
じゃあ、この後の儀式は、いっぱい出してくれるんだよねっ
4連続だからな
あたしは2番目だもんっ
それより何で今、イーディの名前は言わなかったんだ
オレがイーディとセックスする可能性は無いのか
だってイーディちゃんだったら、すぐ判るもん態度で
ああ、イーディは感情と行動がストレートだもんな
真緒ちゃんに貝殻とか、あたしたちにお土産を配るのが楽しそうだったからお兄ちゃんとエッチとか考えられないよ
はい、今度はお兄ちゃんがあたしたちを脱がしてねっ
オレは1人ずつ、脱がしていく
えっと脱がせながらだけれど、みすずと瑠璃子にちょっと相談があるんだ
オレは、もうこの場で話してしまうことにする
メグはさっき、ミナホ姉さんやマルゴさんや恭子さんたちに話した時に一緒に居たから、内容は知っているだろうけれど、もう1回聞いてくれ
メグはオレに頷く
美智とマナも家族のことだから、一緒に聞いて欲しい
オレはジッちゃんのことについての話をみすずと瑠璃子にだけ相談する予定を変更する
こうなったら、家族という括りで全員に話した方がいい
ハイテンションすぎるマナを安定させるには、この方が良いだろう
実は、ジッちゃんと美子さんのことだけど
みすずと瑠璃子が真顔になる
みすずの護衛役として美智も武人の顔に戻る
実は翔お姉さんから、さっき、こういう話を聞いたんだ
オレは明日開催される予定のパーティについて話す
そのパーティのことなら、知っていますわたくしも、出席することになっていましたから
あたしもです旦那様
みすずも、答えた
やはりほとんどの名家が集まる大パーティなんだ
ジッちゃんの孫娘として、瑠璃子もみすずも出席しないといけなかったような
じゃあ、明日は行くんだな
オレの問いに瑠璃子は
いいえわたくしは、参りませんわ
香月様にわたくしの顔をお見せするわけには参りません
わたくしは、すでに香月家を追われた女です
スッと、オレを見る
お兄様の奴隷ですから、わたくし
だけどなら、香月家の娘の重責を、美子さん1人に背負わせるつもりか
美子さんは瑠璃子の父親の葬式で、ジッちゃんの孫娘であることを公表された
明日のパーティが香月家の娘として公の席に姿を現す、最初の機会となるはずだ
ジッちゃんも絶対に、美子さんを連れて来る
瑠璃子はみすずを見る
みすずお姉様お願い致しますどうか、美子様のことを
瑠璃子が、明日のパーティを欠席するのならあたしも行かないわ
この作品の流れからするとやっぱり、1人1人、納得させていくしかないんだなあと
適当に処理できる子が、1人もいない
最近、驚いたこと
1つの時代に、剣八は一人きり
いや、卯の花さん
あんたが、初代剣八でずーっと生きてきたわけだから
2代目襲名以降ずーっと、剣八は2人だったんじゃ
お洒落先生の豪快さを見ると自分の小ささを恥ずかしく感じます
462.いい湯かな
瑠璃子、あなたは本当にダメな子ね
旦那様瑠璃子には、お仕置きが必要だと思いますわ
みすずの言葉に、美智がスッとオレの前に立つ
お尻でよろしいでしょうか
瑠璃子の尻を、叩くというのか
待ちなさい美智まだ、旦那様が何もおっしゃっていないでしょ
みすずが、美智を制する
美智もペナルティね
美智は、自らスカートをたくし上げオレに尻を向ける
白い可愛いパンティが、丸見えとなる
四つん這いになって、尻を突き出した
ご主人様、お願い致します
美智お仕置きは、きちんと素肌にいただきなさい
それは、ご主人様がして下さるものだと
勝手に決めてはいけません自分でなさい
みすずは、美智を叱る
もう、美智も瑠璃子も旦那様に甘え過ぎです
重ね重ね、申し訳ございません
美智は、自らパンティを捲り下ろす
つるんとした白いお尻
肛門のすぼまりと無毛の割れ目が、オレの前にさらけ出される
じゃあ1発叩くぞ
わたくしが、しでかしました過ちは2つでございます
美智は、自らそう申告する
判った2発だな
こうなったら、きちんと叩いてやらないと美智は納得してくれないだろう
オレは平手で、力一杯、美智の尻を叩く
ペシンッ
あううううっ
美智の白い尻に赤く、オレの手形が付く
あうありがとうございますご主人様ぁ
潤んだ眼で、美智はオレに礼を言う
股間から、ツツーと愛液の滴が垂れた
マゾっ子は本当に大変だ
次は、瑠璃子の番よ
あのみすずお姉様、わたくし
どうしたの、瑠璃子あなた、まさかどうして、旦那様にお仕置きしていただかないといけないのか、理由が判らないんじゃないでしょうね
みすずは意地悪な笑みを浮かべる
旦那様瑠璃子は、3回叩かないといけないみたいですわ
3回
旦那様のご命令に逆らった罪美智よりも先に、お仕置きを申し出なかった罪自分の罪が判っていない罪で3発ですわ
みすずは、瑠璃子を見る
瑠璃子あなたは、旦那様が優しくして下さることに甘えて、奴隷としての本分を忘れてしまっているわ
わたくしがですか
そうよ旦那様が、望まれていることならどんなツライことでも、必ずやり遂げるのが本物の奴隷でしょう瑠璃子には、奴隷根性が足りなさ過ぎますっ
奴隷根性が足りないって
旦那様は、あなたとお祖父様との和解を望んでいらっしゃるだったら、あなたはそれをしなくてはいけないなぜなら、それがあなたの存在意義だから違いますか
みすずの迫力に瑠璃子は、すっかり押されてしまう
みすずお姉様のおっしゃる通りだと思います
そして、オレに頭を下げる
瑠璃子が間違っておりましたどうぞお仕置きして下さいませお兄様
さっきの美智の様に瑠璃子も四つん這いになって、尻をオレに突き出す
自ら震える手で純白のパンティを下ろす
ゆで卵のような傷一つ無いつるつるの生尻
旦那様、どうか瑠璃子をお見捨てにならないで下さい
みすずが、大げさなことを言い出す
旦那様は、お祖父様や瑠璃子、それにあたしや美子様のことまで考えて下さってわざわざ提案して下さったというのに、瑠璃子は旦那様のお心よりも自分の意地の方を大切にしようとしました奴隷としては、許されざる罪です旦那さもきっと、瑠璃子にはほとほと愛想が尽きてしまわれたのではございませんか
お、お兄様、本当に申し訳ございませんでした
みすずの言葉に、瑠璃子はぽろぽろと涙を零している
泣いて済む問題では無いのでしょうあなたは、旦那様のお優しいお心を踏みにじったのですよこんな反抗的な奴隷は、旦那様の側にはいるべきではないわっ
ごめんなさいごめんなさいお兄様
謝って済むことではありません旦那様のご命令なら、例え相手が鬼や悪魔、宇宙人だったとしても仲良くするのが奴隷としての勤めでしょうどうなんです、瑠璃子
もう致しませんもう致しませんから生まれ変わります瑠璃子は、生まれ変わったつもりで、お兄様にご奉仕致しますからどうか、瑠璃子を見捨てないで見捨てないで下さいお兄様
瑠璃子は生まれついてのお姫様だ
だから時々、こうやって軌道修正してやらないと自分が奴隷であることを忘れてしまう
こういうことは、簡単には変わらない
人間というのは、そういうものだ
だから、オレは何度でも、何度でも、修正に付き合ってやらないといけない
多分一生
だけど面倒では無い
瑠璃子は、もうオレの家族だ
家族なら一生、付き合っていくのは当然だ
瑠璃子3発だ3発叩いたら、それでシャッキリ心を立て直せ
ここで力加減してはいけない
思いっきり、力と思いを込めて叩かないと瑠璃子に悪い
裸の尻に、クッと力が入る
ひとーつ
ふたーつ
ビシィッ
くぅぅっ
みぃーっつ
痛ぁぁっっ
瑠璃子の白い肌にもオレの手形が真っ赤に浮かび上がる
オレは、瑠璃子を抱き上げる
うん、よく耐えた頑張ったな、瑠璃子
あ美智が、オレを見ている
ほら、美智も来い
美智は、子犬の様にオレの腕に飛び込んで来る
美智もあんまり先走るなよ
2人の中学生の心が落ちつくまで抱いてやる
みすずありがとう
オレは、みすずを抱き締める
いいえ2人の姉として、当然のことをしたまでのことですわ
みすずは照れながら、オレの胸に自分の頬を擦り付ける
じゃあ、瑠璃子いいな、ジッちゃんの件は
はい、お兄様のお言いつけ通り明日のパーティに出席致します
うんこれで、この件は、一先ずオーケイだ
次は、ジッちゃんと瑠璃子が和解する方法を相談しないと
気が付くとマナが、オレの後ろで全裸土下座していた
あたしもここんとこしばらく、ナマイキな子になってたと思うのマナもルリお姉ちゃんと同じ、お兄ちゃんのセックス奴隷なのに
両手を付いて、マナは床に額を付ける
ごめんなさいマナのことも、お仕置きして
あたし、こんなんじゃお兄ちゃんに嫌われちゃうから
ああ、もうこういうレベルの関係になって来たんだ
人の振り見てじゃないけれど瑠璃子の姿から、客観的に自分の状態を見つめ直した
それでオレに修正を求めている
じゃあ、一発だけ叩くぞ
ルリお姉ちゃんみたいに、3発叩いて
いいやマナは自分で気付いて、オレに申し出てくれたんだ1発で充分だよ
マナが、オレに尻を向ける
マナは、可愛い悲鳴を上げた
あーあ、あたしもヨシくんにお尻を叩いてもらうべきなのかしら
風呂場で、オレの背中を洗いながらメグが言った
だめよ、恵美さんあそこで、あたしや恵美さんまで申し出たらさすがに興醒めだわ
オレの右腕を洗いながらみすずが言う
瑠璃子痛むのか
オレの左腕を洗っている瑠璃子は、時々、自分のお尻を擦っている
瑠璃子は、そう言って恥ずかしそうに、微笑んだ
ルリお姉ちゃんは3発だったから、今夜は赤く腫れたまんまかもしれないね
オレの右足を洗いながらマナが言った
マナと美智お姉ちゃんは、1発だけだからすぐに腫れも引くと思うけれど
うんこの後の儀式で、マナのお尻が腫れているのは困る
マナ、水で冷やした方がいいんじゃないか
大丈夫だってでも、心配してくれてありがとう、お兄ちゃん
マナは、ニコニコ笑っている
結局スキンシップの積み重ねでしか、心の憂いは取れないんだな
どんな類いの物にしろ
身体と身体を接触させると精神は安定する
美智何で、他のみんなはオレを洗ってくれているのにお前だけ、しゃぶっているんだ
美智はオレの勃起を咥えたまま、オレを見上げる
ふひはらら
好きだからって言ってるみたいだね、美智お姉ちゃん
マナが、通訳してくれる
はへふの、ふひはらら
舐めるの、好きだからかな
オレのペニスを舐めるのが好きだから
そうか好きなら仕方無い
って、ちょっと待て
いや、オレこれから大変なんだからここで消耗するわけにはいかないんだよ
これからメグ、マナ、アニエス、雪乃の4連戦が控えている
おひんひん、ほっはふへ、おひひひい
美智何だ何を言っている
オチンチン、しょっぱくて、美味しいって言ってるんですわ
今度は、みすずが通訳してくれた
でも、美智そろそろ止めなさい少しぐらいなら、おふざけとして認めますがさすがに長すぎますあなただけ、ズルいわよ
はひ
美智がちゅぽんと、亀頭から唇を離す
無念です
美智さんは、夜にしてもらったらいいのよみすずさんも、今夜も泊まっていきますよね
どうしましょう明日のことがありますから今夜は、家へ戻った方が良いんじゃないかって思うんですけれど
泊まってけよみすずも、美智も
その方が明日のジッちゃんへの牽制になるから
今夜もここに、みすずたちが泊まればジッちゃんは、みすずたちがいよいよオレに靡いてしまったと寂しく思うだろう
完全に孫娘のたちの心が、自分からオレに移ってしまったと感じて
明日のパーティを、サプライズなものにするためにはいっそ、そこまでやった方が良い
では、泊まっていきます抱いて下さいねわたくしも美智も
お兄様瑠璃子も、今日はまだ抱いていただいていません
瑠璃子も頬を染めて、そう言う
4連戦+3連戦か
これに寧や克子姉や渚が参戦しないことを祈ろう
もう、旦那様ったらそんな顔なさらないで
あたしたちの身体見て下さい全員、旦那様に女にしていただいたんですよ
オレは改めて、自分の周りの裸体を見る
美智、マナ、みすず、瑠璃子、メグ
うん、お兄ちゃんのだよいつでも、セックスしていいんだからねっ
マナが、オレの亀頭の先を指で撫でる
あっまた大きくなった
なるさそりゃ
うふふふ、うふふふ、えへへ
マナは笑い出す
やっぱり、あたしの家族はお兄ちゃんたちだけなんだなって思って
悩んでいたの、馬鹿みたいになっちゃった
やっぱり実父の前でセックスすることに、困惑していたのか
マナさ舞夏さんだった頃、家族とずっと離れて暮らしていたでしょ昔は身体が弱かったから静岡の親戚の家に居たから
うん知っている
だからさやっと身体が治って、東京の家族と一緒に暮らせるようになったけれどずっと違和感があったんだよ
違和感
白坂のパパやママやお姉ちゃんと一緒に居てもさ何か、自分の本当の家族じゃ無いような気がして判るかなあ例えばさ、家族全員でレストランとか行くでしょそうしたら、雪乃さんなんかは値段とか気にしないで、何でも食べたい物を注文するけれどあたしは、何かメニューの中の安そうな物しか頼めないの悪い気がして
あたしは、よく判るわあたしも、山峰の家の両親と食事に行くとやっぱり、ついつい一番安いものを注文しちゃうもの山峰の母に、そんなこと気にしなくていいのよって、何度も言われたけれどどうしてもね
でも、メグは養女だけれどマナは、本当の両親なわけだろ
養父母に気を遣うのとはちょっと違うだろう
でも、ずっとそうだったんだもんそれに、ウチの場合はメグお姉ちゃんのお母さんみたいに、舞夏さんに気を遣う人はいなかったからあら、それが食べたいのいいんじゃないみたいな感じで舞夏さんが、心の中でズレを感じていることに、誰も気付いてくれなかったから
白坂創介に料理評論家で、不倫中の母に雪乃
うん、みんな他人のことには興味が無いってタイプだよなあ
自分の娘妹に対してだって
だから、舞夏さんずっと、自分の家族が家族に思えなくてさ雪乃さんが、あれが食べたい、あれが欲しいって、両親に甘えまくっているのを見るのがいつもツラかったの舞夏さんには、そんなことはできないから
寂しそうにマナは言う
でも、もういいやマナには今、家族がいるもんお兄ちゃんや、お姉ちゃんたちやアニエスちゃんがいるもん
マナが悪い子だったら、ちゃんと叱ってくれてマナが寂しそうな時は、誰かが声を掛けてくれるマナもそうするよみんな大好き愛しているずっと、一緒だよずっと、ずっと、ずっと一緒に居たいよ、お兄ちゃん
マナがオレにしがみついてくる
小さなおっぱいを、オレの脇腹に擦り付ける
マナは不安なんだ
何言ってるんだよずっと一緒に決まっているだろオレたち、もう家族なんだから
オレもマナの裸身を抱き締める
だいたい、お前が嫌でもオレがマナを手放さないから
マナのこと好き
好きにきまってるだろ
マナも好きお兄ちゃんが好き
小さな身体がギュッと、オレを抱き締める
マナ妹
オレを抱き締めるマナをさらに後ろから、美智が抱き締める
わたくしたちもちゃんと居るから
マナさん美智は、あんまり自分のことを話さないけれどこの子も、あなたによく似ているのよ
美智もご両親がお忙しくて、1人だけお祖父さんの家に預けられたでしょしかも、たった1人だけ美智のお父さんも正しく継承しなかった、工藤流古武術を完全に受け継いでしまった
そうだった美智は
あの愉快なお父さんは他の家族との折り合いが悪いし、お母さん、お兄さん、お姉さんの3人は空手の人で、工藤流古武術を低く見ていらっしゃったから
美智も自分の本当の家族と確執があった
もういいんですわたくしは、ご主人様とみすず様に人生を捧げましたから父上にもご承諾いただきましたわたくしは、もう、ここにしか生きる場所がございません
美智がマナを見る
だから、マナ妹もずっとここに居ていいのですというか、いやがれ、この野郎という感じです
マナは、ぽろりと熱い涙を零す
あたしもそうよ山峰の家は、あたしにとても良くして下さったけれどあそこは、あたしの家では無かったから
山峰のお父さんもお母さんもあたしを白坂家からの預かり物だと、心の中では感じていたの判っているからとても、ありがたかったけれど本当の親娘には、なれなかったと思うのあたしたち
山峰家は経済的に、完全に白坂家に支配されていた
だから、白坂創介の隠し子である恵美を受け入れるしかなかった
もし、御名穂さんがあたしを助けに来てくれなかったら山峰の両親は、あたしを白坂創介さんに渡してたからそのことは判っていたから
娼婦にされると判っていてむざむざ、娘を引き渡す
仕方無いんだけれどね本当の娘じゃないんだし
メグは、無理に微笑んだ
だから、あたしはもう山峰の家には戻れないのここにいるわヨシくんが、嫌だって言っても側から離れないからねっ
嫌なんて言ってないだろメグ
オレは、メグの手を握る
ずっと一緒だメグ
メグはオレに微笑む
みすずも、瑠璃子も、マナもずっとオレの家族だからな
はい離れませんからっ
涙目でみすずが、答えた
かぽーん
身体を洗い終わって、浴槽の湯に身体を漬す
さすがに、女の子4人の身体を洗うのはカンベンしてもらった
オレが1人で順番に洗うのは、時間が掛かりすぎるし
この後のための体力を残しておかないといけない
だから、洗い場では今、女の子同士で身体を洗ってもらっている
こうやって、1人だけ離れてみんなの楽しそうな姿を見るのもたまにはいいな
みんな、ヌードだし
本当に美人で、美少女で、スタイルも良くて、セクシーで
みんな、オレの女だ
ああ、この距離から眺めているのはいいなあ
安心して、勃起できる
良い湯加減だ
天井から水滴が、オレの肩にぽたりと落ちる
冷たい
あはんはん
あびばのんのん
先に洗ってもらったマナが、じゃぶじゃぶと浴槽の中に入って来る
至福の時間は、終わった
さあ、タオルで勃起を隠さないと
隠さなくていいよあたしたちの裸を見て、大きくなったんでしょとっても嬉しいから
マナは、オレのすぐ横にしゃがんでオレのペニスを小さな手で包む
それに、これ可愛くて好き
可愛いか
可愛いよお兄ちゃんのだもん美智お姉ちゃんが、ペロペロしたがるのよく判るもん
マナは、オレの包皮を掴みシュッシュとしごく
おい、あんまりするなよ
あ、そうだね今、出しちゃダメなんだよね
そう言いながらマナは手コキを止めない
そうだよ特にお湯の中に射精すると後始末が大変なんだよ
どうなるの
精子が、お湯で白く固まってそれがネバネバしてて、あちこちにくっ付くんだよホント、取り除くのが大変なんだから
マナは、ニタッと微笑む
お風呂の中で出したことあるんだ
1人エッチで
みっともない話だが
親父が失踪して、1人で家に住んでいたとき
つい、風呂の中で抜いてしまった
いやはや、本当に大変でしたあの時は
もおこれからは、1人エッチなんてしないでね
マナは、オレの首筋にチュッとキスする
したくなったらみんな、お兄ちゃんの相手をするからねお兄ちゃんの精液は、あたしたちのお口かお腹の中に出すのいいわねっ
うん、良い返事っ
ニコニコ笑うマナ
マナのおっぱい、揉んでよもっと大きくなりますようにって
オレは後ろからマナの身体を抱いて可愛いおっぱいを揉む
うん、14歳の胸はぷにぷにしている
うん、弾力があって気持ちいいよ
マナもお兄ちゃんに揉まれると、気持ちいいよ
マナは顔を赤らめている
首筋に、汗の玉がツーと零れていく
あのさ、お兄ちゃん
雪乃さんのことお兄ちゃんは、どうしたいの
お兄ちゃんのことだから死なせるのだけは、避けたいって思っているんでしょ
ほら、手が止まっているよちゃんと、おっぱい揉んで
オレは柔らかい胸を揉む
マナのことは、気にしなくて良いからあたしさ、さっきので完全にフッきれたよ
だって、お兄ちゃん雪乃さんは、絶対に家族にはしないでしょ
マナの大きな瞳がオレを見る
お兄ちゃんと雪乃さんは全然、合わないもの性格も趣味も考え方も全然違うから
同じ家で暮らしていたマナの方が、オレよりもよく雪乃の性格を理解しているだろう
そのマナが言うのだ
オレと雪乃の人生は絶対に交わらないと
ていうか雪乃さんが、お高いんだよねあの人は、絶対にあたしたちの高さに下りてきたりはしないから
あのプライドの高さは死んでも変わらないだろうな
だからしょうがないよ縁が無かったと思うしかないよ
縁が無かった
あたしもそう思うから
もう二度と会えなくなる覚悟はできているよだって、あたしたち白坂創介さんを
そうだ白坂創介の処分が終われば
オレもマナも2度と雪乃には会えなくなる
あいつは、永遠にオレたちを許さないだろう
でもいいんだあたしは、もうずっと、お兄ちゃんたちと一緒なんだから
マナは雪乃を捨てる決意をした
お兄ちゃん、話してお兄ちゃんは雪乃さんをどうしたいのそしてマナは、何をすればいいの
次話で、雪乃との交渉をやって
いよいよ、復讐の本番に突入ですね
5話ぐらい、ずっとエロシーンかもしれない
463.闘魂一代
うん、勃ってるねお兄ちゃん
話が済むとマナがまた、浴槽の中のオレに抱きついて来る
オレのペニスの亀頭を、白くて長い指で撫でる
そりゃ、勃起するよ勃起しっ放しだよ
すぐ隣に、全裸の14歳美少女がいるんだし
洗い場には、他も4人の全裸美少女が
克子姉、渚、寧の巨乳一派とは違いみすず、瑠璃子、メグ、マナたちは、みんな小振りだけど形の良い美乳派だ
もっとも、みんなまだ成長期なのだから、これから大きくなる可能性は充分にある
成長期と言えば美智だけ、たった1人のつるぺた派だけれど
あれは、あれで触り心地が良いしな
つるるんとした肌の下に、これから膨らもうとする下地が感じられる
触ってみて初めて実感できるオレだけしか知らない触感だ
こんだけ素晴らしい女の子たちが揃っているのに勃起してなかったら、失礼だよ
わたくしもずっと濡れ濡れでございます
身体を洗い終わった美智が子犬の様に、オレに近寄って来る
ご主人様のお側にいる時はわたくし、ずっと発情期でございますから
いいから、入って来いよオレの隣に座れ
美智が浴槽に入ってくる
さすが、武士子湯面を静かに、ちゃぷんと入る
ああ、オレの眼の前に美智のピンク色の割れ目が見える
確かにそこは、シャワーの水滴とは違うもので濡れていた
マナがオレの右隣にいるから
美智は左隣に、ぴっちりとくっつく
美智の肌は白い
そのつるぺたの胸を、オレの腕に擦り付ける
美智ちゃんあんまり、エッチしたい光線を出し過ぎるのもよくないのよ
メグが、入って来る
昨日も、それで叱られたでしょ
メグは、優しく微笑む
美智は、恥ずかしそうにオレから離れようとする
いや、いいからここに居ろ
この後のことがあるから、セックスはできないけれど抱き締めてやるから
心が寂しくてスキンシップが欲しい時は、どうしたってあるものな
オレは、美智に微笑みギュッと美智の腰を抱き締める
美智が本当は、甘えん坊だってことオレは、よーく知っているからな
美智は、オレの頬にチュッとキスをする
それでしたら、お兄様瑠璃子も甘えん坊です
瑠璃子も、浴槽に来た
うん知ってる
マナがニコッと微笑んで、オレの隣を空ける
瑠璃子がマナに礼を言ってオレの隣に腰を下ろす
うふふお兄様お鼻の先に汗が
瑠璃子は、オレの鼻の汗玉をペロッと舐め取る
酸っぱいです
え、汗はショッパイんじゃないのか
いいえ、レモンみたいな味がしました
お兄様とキスする時と、同じ味です
そう言って、オレの唇にキスをする
ほら酸っぱいですわ
オレも酸っぱさを感じる
ああこれはちゃんと恋なんだ
オレは瑠璃子を愛しているんだなと、実感する
あらあらいいわね、瑠璃子
最後に、みすずが湯船に身体を浸す
オレの女5人との入浴
はい、みすずお姉様わたくし、とっても幸せです
瑠璃子は、お湯の中のオレの手を取り自分の手と重ねる
こんなに幸せでわたくし、良いのでしょうか
いいのよ人は幸せになるために生まれてきたんだから
その代わりこの幸せをずっとキープし続けられるのは大変よ幸せで居続けるためには、努力が必要なんだもん
はいメグお姉様
瑠璃子が、メグの言葉に頷く
そうですわねわたくしたちこの幸せがゴールではありませんものねまだまだ先に進まないといけないのですね
そうよ頑張りましょう瑠璃子
恵美さん、マナさんあたしと瑠璃子と美智は、この後のことは守って差し上げることしかできませんでも、応援していますから
儀式の出演者であるメグとマナにエールを送る
お兄様わたくし、渚お姉様より、全てが済むまでの間真緒ちゃんの相手をしている様、ご指示していただきました
うんそうだね渚も白坂創介という男に運命を狂わせられた1人だから儀式には立ち会いたいんだと思うでも、今夜のことは、真緒ちゃんには絶対に見せられないからね瑠璃子、悪いけれど、相手してあげて
本当のことを言うと瑠璃子にも、見て欲しくない
瑠璃子には復讐なんていうドロドロとした世界に触れて欲しくは無い
だから、この渚の指示は正しいと思う
湯の中で蕩けていた美智がスッと武人の顔に戻る
お前は、学校へ行って、イーディの監視をして欲しい
ご主人様のお側を離れるのでございますか
美智は、不満そうに言う
あっちでイーディが、ミス・コーデリアたちに捕まっているんだよ恭子さんやマルゴさんには、どうしてもミナホ姉さんに付いていてもらわないといけないからちょっと心配だろ
イーディはミス・コーデリアたちが苦手だから
だから、お前はあっちに行っててくれ頼むよ
この様な時に、ご主人様のお側にいられないというのは
美智またお尻を叩かれたいの
ご主人様に叩いていただけるのならわたくしは喜んで
美智は、お湯の中から可愛いお尻を浮上させオレに向ける
もおっ、お尻叩きはご褒美ではないのよ
みすずが、美智を叱る
そんなこと言ったってマゾっ子なんだから
美智オレのために行ってくれ
ご主人様のために
ああ、イーディは大事なオレたちの家族だろもしかしたら、ミス・コーデリアは、この機会にイーディを取り戻したいって思うかもしれない
美智が、ジッとオレを見る
美智なら大丈夫だ美智には、工藤流古武術の心月があるミス・コーデリアたちが、何か工作してきても、撥ね除けられるだけの力はあるそうだな
イーディは、真っ直ぐ過ぎる子だからもし、ミス・コーデリアが何か仕掛けて来たら、真っ正面から受けてしまうそれは、よくないだろだから、美智が行って監視していて欲しいんだ
判りましたご主人様のご期待に沿うよう、努力致します
わたくしも早く、イーディと一緒にご主人様に犯していただきたいですから
心月の精神リンクで繋がったまま3人でセックスすれば、とてつもない快感が味わえると思うのです
美智、お前何を考えている
えっと現状でも、美智の快感がイーディに伝播している
美智は、イーディからも快感を受け取りたいのか
それとも、オレの快感を逆流させて感じたいのか
わたくしの予想では、3人で蕩け合う様な快楽の極致へ到達するはずですまずは、わたくしとイーディの同時攻撃から実験致しましょうこれが成功致しましたら、次はみすず様にも加わっていただこうと考えております
ありがとう、美智楽しみにしているわ
みすずが、笑顔でそう言う
まいいか
とりあえず、これで美智も復讐の現場から遠ざけられる
色々話したが実際のところ、美智も瑠璃子やイーディと同じくらい、素直すぎる真っ白な女の子だ
さっき見てきた、白坂創介という男の発する邪悪な体臭に、触れさせたくない
あれは人の心を歪める
旦那様、わたくしはお側に付かせていただきますからね
みすずが、先にオレを制する
みすず見るのはいいけれど、監視カメラの映像を観るだけにして欲しい
儀式の会場には入らないで欲しいんだ
今夜の儀式は白坂創介という人間に、色んな思いを感じている女たちのためのものだ
誘拐され、娼婦に堕とされた者家族を殺された者
みすずが、復讐の現場に立ち会うべきではないと思うんだ
ですが寧お姉様や、マルゴお姉様や、恭子様は立ち会われるのですね
うんそれは仕方無いよお姉さんたちには、居てもらわないと
でしたら、みすずも
違う違うそういうことじゃないってば
オレは笑顔で、みすずに言う
さっき、ミナホ姉さんに会ってきたけどさ16年だよミナホ姉さんが、白坂創介に誘拐されて、レイプされて、娼婦にさせられて16年も経つんだよずっとずっと、白坂創介を憎んで来たんだその間に自分の妹も含めて、たくさんの女たちが白坂創介の毒牙に掛かっていったのをずっと見て来たんだよ
生半可な憎しみじゃないんだ今、ミナホ姉さんは心が爆発しちゃいそうなくらい不安定なんだでも、それは克子姉や渚だって同じでさミナホ姉さんが、一番不安定だから、自分の中の憎しみの衝動をまだ抑えられているけれど本当は、2人だって、破裂しちゃいそうな状態なんだと思う
そうだと思うわあたしもそうだから
一生懸命、部活に集中しようとしたけれど今日はダメだから、あたし早退させてもらったんだもん
メグも母を亡くしている
いや、メグはそもそもこの屋敷の中で、娼婦たちに囲まれて生まれた娘だ
白坂創介の悪行の申し子なんだ
ヨシくんが迎えに来てくれたしイーディさんが大暴れしてくれたから、心が少し落ちついてきたけれど本当は、ずっとバクバクしているの心臓が
メグは、自分のおっぱいをギュッと押さえる
あたしは今、こうやってみんなとお風呂に入って居ることでどれだけ救われているか判らない一人っきりでシャワールームだったら、きっと大泣きしてたと思うだって、やっと仇が討てるんだものあの人に、思い知らせてやれるんだもん
こっち来いよメグ
左右の瑠璃子と美智が、気を遣って空間を空けてくれた
お湯の中を膝立ちでやってきたメグの裸身をオレは、ギュッと抱き締める
ああ、ヨシくんに抱かれると安心するわ
本当にメグの心臓、ドキドキしているな
メグは、無理に微笑んでくれた
あたしだってこんな状態だからだから、会場の中には恭子さんや、マルゴさんや、寧お姉さんたちが必要なのよ御名穂さんや、克子お姉さんたちのフォローは、あの人たちでないとできないもの
長年、ミナホ姉さんたちと一緒に過ごしてきたあの3人でないと
あたしも判る
マナも口を開く
あたしも今となっては、あの人は舞夏さんの家をブッ壊した酷い人でしかないから
ていうか結局、子供を作りっぱなしにしてあの人は、何もかもやりたい放題して、家とか家族とかのことは何も考えて来なかったんだから憎んでるよ
オレは、マナを抱き寄せる
あたしお兄ちゃんの奴隷になっていて、本当に良かったそうじゃなかったらとっくに自殺しているよこんなゲンジツ
マナは、オレにギュッとしがみつく
あたしたちだって、こうなんだものだから、やっぱり御名穂さんたちにも、フォローしてくれる人が必要なのよ
メグが、みすずに言う
それでみすずさんには、本当に申し訳ないけれどフォローは、お姉さんたちだけに任せた方がいいと思うの
みすずに、人を気遣う力が無いと言っているわけではない
今日の現場の状況によっては
復讐が果たされる進行状況によっては
現場に居てしまったら、確実にみすずも、パニックに陥ると思う
白坂創介は、本物の変質者で狂っている
あんな男と同じ空気を吸うと、悪い気に引っ張られる
その上今なお、ミナホ姉さんが憎しみの余り、白坂創介を死刑にする可能性は消えていない
判りましたそうですねあたしは外から観ていますわ
みすずは納得してくれた
旦那様のお話の様子ですと外から客観的に観ている人間も、必要みたいですから
その代わりもし何か、異常事態が起きたらすぐに、儀式を中止させる権限を下さいませ
わたくしは旦那様のことが心配なんです
オレのことって
そんな憎しみのるつぼの様な場所で儀式の実践者になられる旦那様が
忘れていた
オレの精神が、一番危ういかもしれない
こんなに憎しみで燃えている人たちの中で
白坂創介の眼の前で、4人の娘を順番にレイプするなんて
発狂するかもしれない
だから、あたしが外から観ています
しかしミナホ姉さんが、許してくれるかな
あたしが平伏して、お願いしますわ旦那様のお心が壊れてしまったら、大変ですから
あたしからもミナホ姉さんにお願いしてみるわ
と、メグが言った瞬間
判りました彼の精神状態が危ういと判断した時に限り、儀式の停止を許可します
天井のスピーカーから声がする
ミナホ姉さん、やっぱりオレたちの話を聞いていたか
ただしみすずさん1人にその役目は、任せられないわ
外からのチェックは、関さんと2人でお願いします
ああ翔お姉さんが居てくれるか
あくまでも彼のチェックだけにして下さいあたしたちのことは場内に居るマルゴや恭子さんに任せることいいですね
みすずは天井に向かって、約束する
ねレイちゃんは、どうするの
藤宮さんには、瑠璃子さんと一緒に真緒ちゃんのお世話をお願いしました
ミナホ姉さんの声が答えた
うん、それがいいねレイちゃんも、真っ直ぐ過ぎる人だから
今夜は、大変だということが判っているから女たちは、いつもみたいにオレに下着を穿かせてくれと甘えてきたりはしない
それぞれが自分の服を着る
あたし、これ着るの久しぶりだなあ
マナは、中学校の制服を着る
そして多分、これを着るの、これで最後なんだろうな
お兄ちゃん、ビリビリに裂いちゃっていいからね
そうだ、マナはこれからレイプされるための服を身につけている
一方、メグは
メグも高校の制服
あたしも、これビリビリにしちゃっていいからね、ヨシくん
そういうことしたかったみたい白坂創介さん
ああ、白坂創介はメグを娼婦にする前に、処女だけは自分で奪おうと画策していた
その計画をこっそり残していたんだっけ
服を着たら、ちょっと打ち合わせしよね
うん、メグ
何か、みんなの前では言えないような狂ったシチュエーションらしい
白坂創介の望む実の娘、レイプだもんな
一方、みすずと美智もいつもの制服へ
瑠璃子は、マイクロビキニと白ツナギといういつもの格好だ
ガウン1枚なの
着替えのカゴの中には白いガウンが1枚きり
パンツさえ入っていない
うん、渚さんがそれだけでいいって
お兄ちゃんこの後は、AV男優になったつもりでいろってその方が、気分が楽になるからって
何かさガウン姿が有名なAV男優さんがいるんだってさ
でもさ、マナこのガウン、背中に何か書いてあるぞ
オレがガウンを拡げると黒マジックで、何か書いてある
闘魂
あ、それはね渚お姉ちゃんがガウンを出して来たら、寧お姉ちゃんが書いたの
こういうのは、笑えた方がいいからって
寧は正しい
復讐なんて、大真面目にやってしまったら煮詰まってしまう
下らなくても良いから、笑いを幾つか入れておかないと
さすが判っているな
ヨッちゃーん
と、その寧が不意に、脱衣場に顔を出す
うわっ、びっくりした
何よあたしの顔を見て、びっくりしないでよっ
寧が、プンスカと怒る
いや、今丁度、姉さんのことを考えていたんだよそしたら、急に現れるから
えー、あたしのこと考えてたのっそんなら許すっ
あ、先生が呼んでるんだよっだから、来て
えっとね後、恵美とみすずと美智も
あたしたちですか
寧は、ニッと笑う
そうあの子の脅しに行くから
つまり雪乃
だったら、マナも行きます
ダメ、ダメ、これが最終、最後の交渉だからマナが相手だと、あの人、つけあがるからさ
雪乃はマナを、まだ自分の妹だと思っている親族だと
だから、マナを見るといつも小馬鹿にした態度に出て、自分の心を立て直そうとする
オレは行って良いの
雪乃はオレのことも舐めているから
交渉は全部、先生がするからヨッちゃんは、黙って座ってればいいってヨッちゃんが居ても、もうどうすることもできない絶望っていうのをあの子に感じさせたいみたいだから
それならいいのか
えっと、美智
寧が、美智を見る
何でございますか
あんたさ、儀式の現場から外されてちょっとはムッとしている
寧もオレたちの風呂を観ていたな
多少は
あ、そだったら、その気持ちぜーんぶ、あの子にブツケちゃっていいからねっ
最終交渉だもの使えるカードは、全部使うから
寧は、みすずを見る
みすずは権威の象徴香月家の当主になったつもりで、発言して
うんみすずは、そろそろこういう修羅場にも慣れてもらわないとね
あのわたくしは、よろしいのですか
あんたは、みすずの逆絶対に、修羅場には立ち入らないでっ
瑠璃子は、いつまでも綺麗なまんま、お姫様でいるんだよ泥を被っちゃダメだそういう仕事は、全部、あたしたちがやるからこれって、先生のアイデアなんだけれどさっ悪くないよね、みすず
寧の眼が、みすずを見る
ああなるほど
みすずはサッと理解する
そうですねおっしゃる通りだと思います
みすずは、寧に微笑んだ
ちょっと待って下さいませわたくしだって手を汚して働きます特別扱いしていただくわけには、参りません
瑠璃子が、激しく抗議する
そうじゃないよ、瑠璃子考え方を変えなって
絶対に自分の手を汚さないっていうことも手を汚して働くことの一つなんだよちゃんと、自分の中に覚悟ができていれば
寧、お姉様
あたしと瑠璃子今、あたしたちの家族には2人の香月家の娘がいるわ
だったら、2人とも同じ様なことをして、同じ様な娘になるのは意味が無いって寧お姉様は、おっしゃっているのよ
同じでは意味が無い
あたしの方が、瑠璃子よりも実務に向いています瑠璃子よりも、2つも年上ですしだから、瑠璃子はお姫様の方をやって欲しいのそっちは、あなたの方が向いているから
わたくしがお姫様ですか
瑠璃子は不満そうに言う
判らないのあたしと瑠璃子2人がお祖父様の後を継いで、香月家のトップに付いたとするでしょうそしてあたしが実務家、瑠璃子はお姫様に徹するの
香月家の問題は分家の人たちや、重役の方々が何かと煩いということでしょう今は、お祖父様のカリスマで何とか抑えているけれどこれからは、判らないわ
みすずは解説する
だから当主の立場を2つに分けるあなたとあたしに
みすずと瑠璃子に
また、わたくしとお姉様に、皆様が勝手に派閥を作って悶着を起こしますわ
大丈夫よあたしと瑠璃子は、裏でちゃんと繋がっているのだから
心配そうな瑠璃子に、みすずは微笑む
大事なことはお姫様の瑠璃子を、実務家のあたしが支えているという形がきちんと外に見えること判るあたしたちが2人ともお姫様になってしまったら分家の皆さんと重役たちに、いいようにされてしまいますあたしたちが、2人とも実務家でもダメその場合は、本当にそれぞれの派閥ができて、内部抗争になってしまうから
一番良いのは香月グループ内の人が、勝手な意見を押しつけてこようとした時に実務家のあたしはあたしは、それでも良いと思いますけれど瑠璃子様は、どうお考えになられるかって、ウヤムヤにするし瑠璃子はお姫様として、私はよく判らないので、みすず様にお尋ね下さいって、あたしに振ってくれればいいの2人が、それぞれの立場から発言することでグループ内の人たちを調整することができるわ
そういうことでございますか
瑠璃子は大きく頷く
いや本当は、そうじゃない
瑠璃子は生まれながらにしての、お嬢様だ
ジッちゃんに徹底敵に、俗世から隔離されて育った
だからこれからは、オレたちが護る
無理に、世俗の付き合いを覚えたら瑠璃子は、萎れてしまうだろうから
温室で育った花を敢えて、寒空に出すことは無い
オレたちが瑠璃子の温室になれるのなら
美しい花は、一番美しく咲く環境に置くべきだ
まあ、それはまた今度ねっ瑠璃子は食堂へ行って、そろそろ真緒ちゃんが目覚めると思うから
しかし瑠璃子の心配をしてくれたということは
ミナホ姉さんの心は、大分、回復してきている
さあ、行くよヨッちゃん
何も思い付かないので
なぜか、バブル期前の80年代初頭の少年漫画のエロについて
少年ジャンプでは、ギャルがライバルというマンガで主人公が童貞を捨てると同時に、賢人になるというスゴイ展開がありました
それと、忘れもしない本宮先生の大飢饉という読み切りがありまして
時代劇なんですけれど少年ジャンプなのに、レイプ、寝取られ、妊娠、出産をやってしまった快作がありました
とんでもない時代でした
まあ、少年マガジンでは、永井豪先生のヒロインがガチで主人公の前で輪姦、処女喪失する凄ノ王には敵いませんが
バブル期前の少年誌は狂ってましたね
まあ、全てはホンモノのロリコン漫画を掲載した、少年チャンピオンには敵わないんですけれどあんどろとりおですね
464.長い恋の終わりに
風呂場を出て、廊下へ
雪乃の監禁されている応接室は、右
アニエスと真緒ちゃんがお昼寝している食堂は、左だ
じゃ、あたしと瑠璃子は、食堂へ行くねっ
お屋敷の主婦である克子姉は、白坂創介の搬送のために、まだ学校にいる
マルゴさん、恭子さんも学校
ミナホ姉さんは、これからオレたちと雪乃を脅す
となると、このお屋敷の管理システムを、完全に熟知しているのは寧しかいない
基本的なことなら、渚も判るのだろうが渚は、今はお屋敷から離れて暮らしているから、判らなくなっていることもあるだろうし
確か、学校側からも遠隔操作できるはずだけれどあっちも、手の空いている人はいないだろうしな
瑠璃子頼むぞ
オレは、まず瑠璃子に声を掛ける
はいお任せ下さい
大丈夫あたしがついているからっ
寧が、胸を張ってそう言ってくれた
マナも平気だよアニエスちゃんの面倒は、あたしが見るね
マナは、無理に微笑んでくれた
自分が雪乃との会談から外された理由をちゃんと理解してくれている
だからあの人のことは、しっかりやってきてね
マナは、どうとでも受け取れる風に言った
雪乃を処断するのか救うのか
うん悪いようにはしない約束するよじゃ、行くよ
オレは、マナに約束しみすず、美智、メグに振り返る
3人は、うんと頷いてオレの後ろに付いてきてくれた
遅くなって、ごめん
ミナホ姉さんはすでに応接室の前に到着していた
いいのよあなたたちが、お風呂に入っていたことは知っていたし
ミナホ姉さんは、浴室でのオレたちの会話を聞いていたんだっけ
さてあの子に会う前に、確認よあなたは、あたしが許可しない限り、絶対に雪乃さんと話しちゃダメよ
判っているよ、ミナホ姉さん
雪乃は、どうせオレを頼ろうとする
変な小芝居はしなくていいわあなたは、普通に話を聞いていてその方が、効果的だから
オレも、固い表情で雪乃にプレッシャーを掛けるべきではないのか
あなたって顔に全部、気持ちが出ちゃうでしょだから普通にしていてくれていた方がいいのよその方があの子にあたしが本気だってことが伝わるから
ミナホ姉さんの本気
あなたも気付いていると思うけれどこれは、あの子との最期の交渉よ交渉の結果次第ではあたしは、雪乃さんを殺すわためらいなくね
ミナホ姉さんが、ジッとオレを見る
オレは老人としか見えないほど、消耗しきった白坂創介を見ている
ミナホ姉さんの憎しみは深すぎる強すぎる
すでに、人を殺す覚悟はできている
これは、何年も前から練り上げられた復讐なのだから
あなたたちも、あたしが話を振らない限りは黙っていて
ミナホ姉さんはみすずたちにも、そう言う
良いわね
3人は無言で頷いた
みんな緊張している
これから始まるのは白坂雪乃という少女の生死を決める会談だから
じゃ、始めましょうか
ミナホ姉さんはロックされていたドアを、解錠する
ノックも無しにミナホ姉さんは、雪乃の居る応接室に入る
オレたちも、その後ろに続く
あら元気そうね
ミナホ姉さんは、雪乃に言った
雪乃は、うまい棒を口いっぱいに頬ばっていた
ペットボトルの水をゴクゴクと飲む
床にはうまい棒のパッケージが散乱している
こいつゴミ箱に捨てる気が無いらしい
わざと部屋を汚すのは、オレたちに対する反抗心を表現しているのだろうか
せめてさ、コーンポタージュ味は無いの
雪乃は、歯の裏に貼り付いたうまい棒の残滓を、人差し指で掘り返しながら言った
納豆味、納豆味、納豆味もう納豆味は、食べ飽きたわよっあたしは、納豆村の納豆王女かってーのっ
ああ相変わらず、自分の立場が判っていない
だいたい、これ喉が渇くしさっ何とかなんないわけ
雪乃は馬鹿なんだから
美智さん、ドアを閉めて
ミナホ姉さんは美智に
美智が、ドアをパタンと閉める
ミナホ姉さんは、ポケットから携帯ぐらいの小さな箱を取り出しスイッチを押す
ドアが、再びロックされる
電子キーになっているのよあたしじゃないと、開けられないから
ミナホ姉さんは、キーボックスを仕舞う
みすずさんと恵美は、そこへ座ってあなたはそこ美智さんは、監視のため悪いんだけれど立っていて
全員に指示をし雪乃の座っている反対側のソファに腰掛ける
オレは、ミナホ姉さんの右に
みすずと恵美は、左に座る
で何か用なわけ
雪乃は、新しいうまい棒のパッケージを開けポリポリ食いながら、ミナホ姉さんに言った
ええ、あなたの今後について相談しようと思ってね
あたしの今後
雪乃は食いながら言った
ああ、こいつ平然としているフリをして、内心は怯えているんだな
だからつい、食べ続けてしまう
緊張を、誤魔化すために
雪乃、ミナホ姉さんとの直接対決は苦手にしているもんなずっと
というよりもっと具体的な、あなたの要望が聞きたいのよ
ミナホ姉さんは最初のカードを切ろうとしている
あっそあたしの要望はね
雪乃の言葉の途中で、ミナホ姉さんは言った
死んだ後のあなたの身体はどう処理したらいいかと思って
やっぱり、白坂家のお墓に入りたいそれとも、どこかの海とかに散骨するやっぱり、こういうことは生きているうちに聞いておかないとあたしたちが困るのよ
雪乃の手から、ぽろりと食べかけのうまい棒が落ちた
ああたしを殺すつもり
あら殺されないつもりだったの
ミナホ姉さんは、ニッコリと微笑む
だってあたしに、そいつの子供を産ませるって
ああ、それは舞夏さんがやってくれるってあの子も大変ね、中学生でママになるなんて
実際はマナには、大人になるまで妊娠は禁じてある
だが、そんなことは雪乃は知らない
最初はね舞夏さんにも死んでもらうつもりだったのよでも、あの子はこの人のセックス奴隷になりますって、泣きながら土下座して頭を下げるから生かしておいてあげることにしたのよ
ああオレは、ミナホ姉さんの狙いが見えてきた
ミナホ姉さんはわざと雪乃のレベルに合わせて、話をしている
ゲンジツではなく
雪乃が考えそうなこと、信じそうなことを並べていく
そういえば雪乃さんは、この人と100回セックスするまではいかなかったのよね確か
そうだ最初はそういう話があった
舞夏さんの方は、もう100回越えたわよ昨夜も一昨日も、一睡もせずに、レイプし続けたからお口も、アソコも、お尻の穴もね今では、立派なセックス奴隷よもう、この人に奉仕すること以外は、考えられない身体になっているから
ニッとミナホ姉さんは、笑う
雪乃は、ゾクッと震える
ミナホ姉さんならやりかねないと思っているから
舞夏さんあなたと話すときは、いつもケンカ腰でしょあの子は、雪乃さんと違って頭の良い子だからほんの少しでも、あなたの肩を持つ様な言動をしたら自分もあたしたちに殺されるってこと
酷いあんたたち悪魔よ
雪乃は信じた
悪魔なのは、あなたのお父様よあたしたちは、あの男に復讐するためには、何でもするわ
そんなのあたしには関係無いじゃないっ
関係無いことはないでしょあなたは白坂創介の娘なんだから
娘なだけじゃないっあたしが、あんたたちに何か悪いことをしたってわけ
あたしも、それ何度も思ったわあなたのお父様に犯され、傷付けられながらね
そんなのあたしは知らないわよっ
知らなくて良いわとにかく雪乃さんには、死んでもらいます白坂創介の眼の前で
ミナホ姉さんは雪乃を圧倒する
さっきあなたのお父様にも、同じことを言ったんだけどねあの男が、泣いてあたしに言うのよ頼むから、雪乃だけは助けてくれ自分は、どうなってもいいからって
白坂創介は、舞夏すら見捨てた
雪乃の警護を外すなという理由だって雪乃が、叔父の白坂守次氏に気に入られているからだと言っていた
あの父親からは家族の安否を気にしている様な発言は、一切無かった
それで、あたし決めたのあなたをあの男の眼の前で殺すわそれ以上の復讐は無いでしょ
な、何でよ
雪乃は、パニック寸前だ
何でって白坂創介は、あたしの妹を殺したのよ妹とあたしのお腹の中にいた赤ちゃんもあの男にも、雪乃さんぐらい死んでもらわないとバランスが取れないわ
ミナホ姉さんは、低い声でそう言う
オレは、眼を反らした
彼に助けを求めてもダメよこの復讐は、もう止められないのだって、白坂創介を恨んでいるのは、あたし1人じゃないからあの男に殺された女だってそうよね、恵美
ミナホ姉さんが、メグに振る
メグは、雪乃を睨む
あたしを産んでくれた本当のお母さんも白坂創介さんに殺されていますから
あたしは絶対に許さないわ
今まで、許さないというのは雪乃がオレに言う言葉だった
その言葉を、メグは雪乃に叩き付ける
でも恵美、パパはあんたの父親なんでしょ
雪乃は、探る様な眼でメグに言う
だったら助けなさいよ
どうしてよ、雪乃
メグは、強い声で言った
白坂さんが、あたしに何かしてくれたのあの人があたしに
白坂家の親族として、あんたが生きてこられたのは、パパのお陰でしょ
あんたは、あたしに感謝をしろっ言うの
そうよあんたなんて、白坂の家の力が無ければ、生きてこられなかった子じゃない
メグと山峰夫妻はずっと、白坂家に支配されてきた
そんな関係もう終わったのよ
雪乃さんだって、知っているでしょ白坂家は、もう終わりよ香月様が、完全に破綻させて下さるわそうよね、みすずさん
今度はみすずに話を振る
はいあたしが、お祖父様にお願いして白坂家は、完全に潰します恵美さんのご養父は、香月家できちんとしたお仕事をお世話させていただきます
実際はもちろん、今のみすずにそんな権限は無い
待ってちょっと、待ちなさいよ
あたしは、香月みすずですあたしの言葉の重さを雪乃さんはご存じですよね
雪乃もホテルでジッちゃんと会っている
香月家の恐るべき力を見て来ている
い、今のことなんて、どうでもいいのよっでも、恵美は過去にあたしたちから受けた恩義があるでしょ恩を返しなさいよ
雪乃は、メグに食い下がる
雪乃、あなた、それ本気で言っているの
冷たい眼でメグは言った
あなたがあたしに一度でも、優しくしてくれたことがあった
あ、あったわよきっと
じゃあ、言ってみて何でもいいから雪乃が、あたしに優しくしてくれたことが一つでもあったら言ってみなさいよ卑怯者
山峰家の立場が弱いからって、さんざんメグに無理難題をフッ掛けたのが雪乃だ
一族の集まりに1人だけ晴れ着を着られなくしたり
中学の時のメグが自分よりもバスケ部で結果を出しそうだからって、無理矢理、退部させたり
合格していた第一志望の高校を辞退させたり
無茶苦茶なことばかり、してきた
あんたあたしや山峰の家に、白坂の家がどれだけ酷いことをしてきたのか判っているの
メグが、雪乃に怒りをぶつける
だって仕方ないでしょっあたし、ダイッ嫌いなのよ、あんたが恵美
雪乃は反射的に、逆ギレする
こいつは、そういうやつなんだ
その場、その瞬間の感情だけで、無責任に言動を行う
何で、あんたみたいなのがパパの隠し子なのよっ
憎悪の眼でメグを見る
自分の立場なんて、考えずに
それこそあたしのせいじゃないわよっ
吐き出すように、メグは言った
ありがとう、雪乃あなたのお陰で、あたし、心の中に引っ掛かっていたものが完全に取れたわ
あたしもあなたが大嫌いよ雪乃だから、これであなたが死んでもあたしは少しも後悔しないわ
自分で自分を、さらなる窮地に追い込んでしまったことに気付く
な何でよっ
本当に、想像力が欠落しているのね雪乃さんは
逆の立場だったらって考えてみなさいあなたが恵美だったらどうあなたは、雪乃さんを助けたいと思う
だって、人が死ぬのよあたしが、殺されそうになっているのよ
そうよ仕方無いわよね誰もあなたのことを助けたいなんて思っていないんだから
雪乃は、オレたちの顔を見る
メグは侮蔑の眼で、雪乃を見ている
美智は、無表情
みすずは、眼を反らす
最期に雪乃はオレを見る
本当にいいのあたしが死んでしまうのよ
そうよあなたは死ぬあたしに殺されるだから、何
オレが答える前にミナホ姉さんが、雪乃に言った
今の雪乃さんに、助けてあげる値打ちなんて一つも無いじゃないそんなことも判らないの
あたしの値打ち
あなた何かできるのあたしたちが、生かしておいてあげたいと思う様な価値が、あなたにあるの
雪乃は胸元をギュッと掻きむしる
あるわよあたしにだって価値ぐらい
あら、そうどんな
さらに畳み込むミナホ姉さん
雪乃はその先の言葉が見つけられない
あなたなんて人を罵ることしか能が無い、頭の悪い小娘じゃない
ち、違うわよあたしは
ミナホ姉さんの否定に雪乃は、立ち向かおうとするが
だって、あなたギャーギャー泣き喚く以外、何もしない子じゃない
ああたしは白坂家の娘よっあんたたちとは違うの
あたしには誇りがあるのよっ
雪乃を馬鹿にした嘲りの笑い
言っていて、自分で馬鹿みたいだと思わないの
白坂家の価値なんて今ではもう、暴落している
だいたい、名家中の名家、香月家のみすずがここに居るのに白坂家の優位を語るのは、マヌケ過ぎる
うっ、うるさいうるさいうるさいっ
雪乃は、口惜しさでいっぱいのようだ
眼からボロボロと涙を零す
なあに言葉で言い返せないからって、泣いてオシマイなのつまんない子ねまあいいわ、お父様の前で死ぬ時にも、そうやって泣いててちょうだい
その方があなたの死を見せられる白坂創介が、嘆き苦しむだろうから
鬼、悪魔、キチガイッ
雪乃は、心の中の混乱を怒りに変換してミナホ姉さんにぶつけようとする
いつもの雪乃だ
理性的に物事が考えられなくなると感情のコントロールが効かなくなって、泣き喚く
自分から、問題を解決するための努力へは行き着かない
騒がしいわね美智さん、この子を静かにさせて
ミナホ姉さんは、美智を見る
トオッ
雪乃の喉元に、強い気を込めた鋭い一撃を打ち込む
アガッ
泣き喚いていた雪乃がピタッと、動きを止める
工藤流古武術点牙あなたの呼吸を止めました
美智は、大した力は込めていない
なのに雪乃の顔は、みるみる赤くなって
息が続かないのだろう必死で、口をパクパクさせている
しかし全身の筋肉が強ばったまま、雪乃の呼吸は止まっている
そろそろいいわ
真っ赤になった雪乃の顔が、青くなってきたところでミナホ姉さんは、美智に言った
美智は裂帛とともに、雪乃の背中をドンと叩く
その瞬間雪乃の身体が緩和する
ドサッと雪乃は、ソファの上に倒れる
雪乃は、ダラダラと汗の玉を零しながら肩で息をしている
全身が、痙攣している
起き上がることもできない
うん、いいわね、これ雪乃さんには、この方法で窒息死してもらいましょうか
ゆっくりと緩慢に死んでいくのよ意識がなくなるまでは、時間が掛かるでしょうからとても怖いでしょうね
ソファにぐったりしたまま雪乃は、ミナホ姉さんを見る
い、嫌よ
ひどく濁った声でそう答えた
身体の自由が利かなくなるって、とっても怖いでしょあたしにも、経験があるわあなたのお父様の連れて来たキチガイ医者に、堕胎手術をされた時麻酔がなかなか切れなくて、身体が痺れたままで本当に恐ろしかったわ雪乃さんにも、そういう体験をさせてあげるわよ
ミナホ姉さんは、平然とそう言う
い、嫌だあたし
ゼーゼーと息をしながら、雪乃はソファの背を掴んで、必死で起き上がろうとする
逃げなきゃあたし逃げなきゃ
どこにも逃げ場は無いのに雪乃は、這ってでもここから逃亡しようと、必死で身体を動かす
美智さん
エイハッ
美智が、再び雪乃の喉元を吐く
はうぐぅぅ
再び息を止められ苦しむ雪乃
解除して
トゥワサッ
美智が、雪乃の背中を打つ
はぁぁ、はぁぁ、はぁぁ
すっかり、消耗しきってぐったりとした雪乃
慌てて、肺に空気を取り込む
最後にお話しできて嬉しかったわ、雪乃さんあなたの死刑執行は、1時間後だからここで、そのお菓子でも食べてなさい
ミナホ姉さんは、ソファから立ち上がる
さあ、みんな行きましょうか
オレたちも、席を立つ
恵美何か、雪乃さんに言うことはある
ミナホ姉さんに言われて、メグは
何も無いですだって、もう雪乃は死ぬんですから
冷たく、そう言い放つ
ソファに無様に転がったままの雪乃はそんなメグを見上げている
また、雪乃の眼から涙が零れる
みすずさん、何かありますか
ミナホ姉さんはみすずに振る
そうですね雪乃さん、あたしには、あなたという女の子がよく判らないんですけれど
みすずが、雪乃を見下ろす
あなた何で、助けて下さいとかお願いしないんですか
雪乃が大きく眼を見開く
あたしがもしも、雪乃さんの立場だったら雪乃さんみたいな態度は、取らないですよ最初から、頭を下げて助けて下さい何でもしますからって、必死でお願いしますわ
仕方無いですよ雪乃には、白坂家の誇りがあるらしいですから
ここは、あなたの敵の本拠地で雪乃さんを助けてくれる人なんて、1人もいないことは始めから判っていたことじゃないですかみんな、雪乃さんのお父様を憎んでいるのですから
みすずさん無駄ですよ雪乃には、何を言っても
雪乃はまだ、はぁはぁと息をしている
言葉が出ない
だって、雪乃馬鹿なんですもの死ななきゃ、治らないのよ
雪乃、お前、死にたいのか
率直に、尋ねた
ない
何だ、聞こえないぞ
雪乃の眼から、また涙の粒が零れる
死にたくない
雪乃は、声を振り絞る
そうかじゃあ、頑張れよ
助けなさいよあんた
嫌だ
それが、人に物を頼む人間の態度か
オレとお前の関係は何だ
オレたちは、仲間でもなければ友達でもねぇ
ましてや恋人でもねえ
オレはお前をレイプした犯人で、お前は被害者だ
そうよだから、あんたはあたしに尽くさないといけないのよ
雪乃が、熱い眼でオレを見る
違うオレとお前は犯し犯される関係だけで、何も繋がりは無いんだよっ
雪乃がセックスの快感の中で、勝手に思い込んだオレとの絆を
オレは否定しないといけない
オレとお前は、敵だオレには、お前を助けなくちゃいけない義理なんて無いんだ
だってあんたはあたしのこと、好きなんでしょ
この馬鹿
オレのことを嫌いな女を、オレが好きになるわけないだろっ
雪乃の眼が、大きく見開かれる
オレのこと散々、馬鹿にしやがってオレのこと、いつも馬鹿にして
今、オレの初恋が終わる
入学式以来、雪乃に抱いていた恋心にトドメを刺される
雪乃なんて、ダイッ嫌いだよっ
うーん、ここまで追い詰めないとダメなんですね
雪乃でなく吉田くんですが
恋の初めは定かでないが
恋の終わりには、理由があるか
465.絶望の果てに
雪乃が、オレを見上げて呆然としている
あんたがあたしのことを嫌いなはずないわよ
本当に判っていないわね確かに、彼は、あなたのことが好きだった頃があったのかもしれない
そうよ、だってこいついつも、あたしのこと見ていたものっ気持ち悪い眼で、ジロジロ見てきてさっ
だけど、もう好きじゃないのよ、あなたのことなんて
そんなはずがないわよっ
そうかしら嫌いになるに決まっているじゃない
メグが、雪乃に言う
だって、雪乃ヨシくんに嫌われるようなことばかりしてきたんだから
雪乃が、ブルブルッと身体を震わせる
嫌われる
ああダイッ嫌いだよ、雪乃なんて
雪乃とはこれで縁が切れてしまっても、仕方無い
雪乃がオレを舐めていて最後は、オレが助けてくれると信じ込んでいる限り
自分のプライドに執着するばかりで、生き残ることに必死になれないのなら
もう雪乃の未来は、無いのだから
ああんたは、あたしをレイプしたあたしの人生をメチャクチャにした
雪乃雪乃が、オレを見ている
ああ、その通りだ
だったらあたしに尽くすのが、筋でしょあんたは一生掛けて、あたしに償いをするべきなのよ
嫌だねオレは、そんなのまっぴらだ
雪乃の顔が、怒りに燃える
何ですってこの悪魔鬼レイプ魔ッ
うるせぇなッ静かにしろよッッ
オレは雪乃を怒鳴りつける
今度、騒いだら美智に命令して、お前を殺させるいいな
美智が雪乃の前に、拳を突き出す
一瞬では、死なせません一番、長く苦しむ酷い方法で死んでいただきます
だから、騒ぐなって言ってるんだよっ
オレは、雪乃を一喝する
雪乃オレはもう、犯罪組織黒い森(ブラック・フォレスト)のメンバーなんだよお前に償う馬鹿なことを言うなよオレはもう、お前1人の命ぐらい何とも思ってないんだからな
オレはオレの手を見る
オレはこの手で、シザーリオ・ヴァイオラを撃ち殺したんだ雪乃だって、あの場で見ていたじゃないか
そうよあんたは、人殺しよ
雪乃は怯えた眼で、オレを見ている
その人殺しに、償えとか一生尽くせとか言うのは、馬鹿げているとは思わないのか
犯罪者に、情を求めるのは間違っている
ほ、本当にあたしを殺す気なの
だって、しょうがないだろ
オレは最期のカードを切る
お前が死ななきゃ、ミナホ姉さんの復讐が終わらないんだよ
雪乃は、ガチガチと奥歯を鳴らす
死の恐怖が雪乃を包む
け、警察に捕まるわよそれでもいいの
それでも必死に、雪乃はオレに対抗しようと言葉を繰り出す
香月家が付いているのに、日本の警察を恐れてどーすんだよ
そうだな、みすず
はい香月家の力なら、どんなことでも可能ですわ
雪乃一人の遺骸なんて、どうにだって処理できるよ
で、最初の話に戻るけれどあなたの死体は、どこに捨てたらいい一応、あなたの希望を聞いておきたいのよ
ミナホ姉さんが、オレの言葉に乗っかってくる
山に埋めたら、野犬が掘り返すし海に捨てたら、浮かんでくるしね一応、マルゴが、セメントとドラム缶を用意しているわあなた、どこに埋めて欲しい
あなたが良い子だったらちゃんと荼毘に付して、白坂家のお墓に納めてあげようかとも思っていたけれど、あんまりにもあなたの態度が悪いから気が変わったわあなたみたいな子は、ドラム缶でコンクリ浸けの海中投棄で充分よ
いっそのこと、生きているまんまコンクリートに埋めてあげましょうかコンクリートって、相当重いから腰までコンクリートに埋まったら、もう抜けなくなるわよそのまま、首までコンクリートで満たしてあげるあとは、餓死するまで放っておいてあげるわ
い、嫌よそんなの嫌
雪乃は、縋るような眼でオレを見る
オレを見たって、どうにもならないよしょうがないだろ雪乃が、ずっとオレを馬鹿にしてきたのがいけないんだからオレは、助けないよ
あたしあたしあたし
雪乃は崖っぷちに追い込まれる
そんな雪乃に、美智が言う
死にたくないのですか
雪乃は、カッと眼を見開き
死にたくないわよっ当たり前でしょ
だったらなぜ、命乞いをなさらないのです
冷たい声で、美智は言う
さっき同じことを、みすずも雪乃に言った
土下座をして、何でもしますから、命だけはお助け下さいと申し出るのが、こういう場合の鉄則なのではないのですか
だって命乞いをしたって、あんたたちがあたしを助けるかどうか判らないじゃない
確実に助けて貰えないのなら命乞いなんて、したって無駄だわ
雪乃の馬鹿は、死んでも治らないと思う
そんなの、やってみなきゃ判らないじゃないか
そうじゃあ、そのプライドだけを抱えて死になさい
本当に、どうしようも無い子ね雪乃さん、あなたはもう世界中で独りぼっちなのよこの世界のどこにももう、あなたを助けてくれる人はいないわ
ミナホ姉さんの言葉が、雪乃の心に浸みていく
今までならいつも、誰かがあなたを守ってくれていたあなたの我が儘を何でも許してくれていたでも、もう世界は変わってしまったの今のあなたには、一人も味方はいないのよ
雪乃は黙ってミナホ姉さんの言葉を聞いている
あなたのお父様は、あたしたちが捕らえているもうすぐ、殺すわ確実にあなたたちをずっと庇護していた白坂守次氏は失脚した今の白坂家は白坂創介とその家族を見捨てることを表明しているわ母方のお祖父様の市川さんは、雪乃さんを一生、精神病院に閉じ込めようとしている
雪乃にはもう頼れる親族は一人もいない
あなたのお父様の悪行は、今では世間の人も全て知っているわ今の日本で、白坂創介を擁護する人間は1人もいないあなたのクラスメイトや、中学時代のお友達だってもう、あなたには近付きたくないと思っているでしょうね
それどころか世間の人間は、全て、雪乃の父親を悪の権化だと思っている
そしてあなたの裸も、処女喪失場面も、恥ずかしいセックスもたくさんの人たちに観られているあなたは、恥ずかしい人間なのよもう、誰からも相手にされないわよあの遠藤くんだってもう、雪乃さんとはセックスしたいとは思わないでしょうねもちろん、この先、恋も結婚も不可能よみんなが、あなたの生々しいセックスを知っているんだもの永遠に、世間の人たちからは白い眼で見られるのよあなたは
雪乃の人生はもう、詰んでいる
それでもまだ生きていたいのあたしがあなただったら、とっくに死んでいるわあなたって、自殺もできないくらいの恥知らずなのね
ミナホ姉さんの言葉が、じわじわと雪乃の心を浸食していく
まだ、話は終わってないわ
ミナホ姉さんが、ぴしゃりと言う
大事なのはここからよ雪乃さんあなたは感性の人よあなたは、頭が悪すぎて、普通に考えれば小学生にでも判るような理屈さえ理解できない子だからだけど、感性は鋭いわ
そう言って、ミナホ姉さんはオレに振り向く
そうよあなたの感性は、ずっと正しかったの彼はこの人は、本当にあなたのことが好きだったこの人が居たからこそ、あたしは今まで、あなたの処分を猶予してきたのこの人だけがあなたの命綱だった
なのに馬鹿なお嬢さんあなたは、自分で命綱を断ち切ってしまったあなたは、彼の好意を全て無にしてしまったから
だって仕方ないじゃないその男はあたしのタイプじゃないんだもの
その男とのセックスは肌が合うけれどでも、それだけでしょ顔がいいわけでもないし、家柄がいいわけでもないし、スポーツマンでもないあんたなんて好きになれないのよっあたしが、付き合うような男じゃないんだものっ
雪乃は、ボロボロと涙を零す
気持ち悪いのよそいつ生理的に、絶対に好きになれない
それなら、何で雪乃はここに来たのよ市川さんの家から逃げてヨシくんを頼って、ここに来たんでしょ
あたしだって嫌だったわよだけど、しょうがないでしょこいつしか、頼れそうな相手がいなかったんだからっ
涙を流しながら、雪乃は憎悪の眼でオレを見る
だから、あたしガマンすることにしたのよっこいつが、あたしのことが好きで好きでしょうがないのならこいつがあたしに仕えるのならたまには、セックスもしてあげるわそれなら、こいつの側に居るのもガマンしてあげようってだから、ここへ来たのよ
それが雪乃の理屈か
でも、お生憎様よ彼の方は、もう、そんな雪乃さんは大嫌いになったそうだから
ミナホ姉さんは冷たく言った
もうっあたし、この先、どうしたらいいのよっ
雪乃が爆発する
死ねよ
そんなのもう死ぬしかないんだよ雪乃は
雪乃が息を呑む
そうねあたしも、雪乃は死んだ方がいいと思うわ
奇遇ね、あたしもそうよ死になさい、雪乃さん
あたしも雪乃さんが亡くなっても、同情はしません
みすずも言った
では殺しますか
待て、美智最初のプラン通りだ雪乃は父親の眼の前で殺す
ええ、一番時間の掛かる方法で惨たらしく、ミジメに死んでもらうわ
ジョワワワワワ
失禁した
雪乃の座っているソファから湯気が立ち上る
あら、何人生最後のおしっこを、もう済ませてしまったの
ミナホ姉さんの言葉は、どこまでも冷たい
あ、あ、ああたしは
もういいわよ決まったことだから雪乃さんて本当に凄いわねこの5分ぐらいの会話で、あたし今までの3倍くらいあなたのことが嫌いになったわ
ミナホ姉さんの言葉に、メグも
あたしもよあなたが死んだら、清々するわ早く、この世からいなくなって欲しい
あたしもあなたにだけは、二度と会いたくないですわ
ああ、本当にオレもダイッ嫌いだよ雪乃みたいな女
オレも、そう言った
あ、あたしはあたしはあたし
オレたちによる全否定と、自分の死に直面したことでアタフタとする
もう終わりです見苦しいです
美智が、雪乃を見下ろしてそう言った
さあ、行きましょうこんな子、相手にするんじゃなかったわ時間の無駄だったわね
さよなら雪乃あなたにはお墓も無いから、お花は供えないからね
香月セキュリティ・サービスの死体処理班に来てもらいますあたしから、お祖父様に連絡しますわ
ミナホ姉さん、メグ、みすず
みんな、出口のドアに向かう
オレは、もう何も雪乃に言うことは無い
ただ、侮蔑の視線で雪乃を見る
処刑は、1時間後ですので
美智が、雪乃にそう伝えた
ま、待って待って下さい
雪乃はソファから、立ち上がり
そして、自分の小便で濡れた床に手を付く
お、お願いお願いします死にたくない死にたくないんですあたし
尿で濡れた床面に雪乃は額を擦り付ける
残念ねもう5分も前に、そうしていたら、あたしたちの気持ちも変わったかもしれないけれど手遅れだわ
そ、そんなこと言わないで言わないで下さいあたし何でもします何でもしますから殺さないであたしを殺さないで下さい
おしっこに塗れて土下座する雪乃はどうしょもなく、みっともなかった
死にたくない死にたくないんです
しかし、恥も外聞もプライドさえ、投げ捨てた雪乃は
なりふり構わず、自分の生を掴もうと必死になっている
本当に死にたくないの
はい死にたくないです死にたくないんです
本当に何でもする
しますどんなことでもしますからだから殺さないで下さい
あら、そうじゃあ、あなた、お父様を裏切れる
土下座していた雪乃が顔を上げる
あなたも知っている通りあたしたちの本当のターゲットは、白坂創介よあなたのことなんて、そのオマケでしかないわ
ミナホ姉さんは、雪乃に告げる
あたしたちは白坂創介に、より残酷な復讐が果たせればそれでいいのよ
ミナホ姉さんの微笑みは、悪魔の様だった
あの男の眼の前で、最愛の娘を殺すより最愛の娘に裏切られる方が、より残酷だとは思わない
これがミナホ姉さんが、最初から予定していた落としどころか
頑固で我が儘で自己中な雪乃をここに落とし込むのに、こんなに長い時間が掛かってしまった
どうする雪乃さん大切なパパを裏切れるそれが、できるのなら命だけは助けてあげるわ
再び、ミナホ姉さんに対して頭を下げる
う、裏切りますあたしはパパを裏切ります
床のおしっこの水溜まりに雪乃の涙がぽたりと落ちる
いいのねあなたの裏切りで、白坂創介は絶望のどん底で死ぬことになるわよお父様に憎まれることになっても構わないのね
殺されないのなら何でもします
そうでは、具体的な話をしましょう
ミナホ姉さんはソファに戻る
雪乃も、床から立ち上がろうとするが
あなたは、そのままよ雪乃さん
ミナホ姉さんは、雪乃を制した
あなたみたいな子は床で充分でしょ自分のお父様を見捨てる様な娘には、おしっこの上がお似合いだわ
雪乃はだまって、床に正座している
一応言っておきますけれど今から先は、ちょっとでも、あたしたちに逆らったら殺すわよ有無を言わさずねあたし雪乃さんのことなんて、これっぽっちも信用していないから
今夜のことだけでは無いわこれから一生、ずっとよあたしたちに逆らったら、いいえ、逆らう素振りを少しでも見せたらあなたを殺しますマルゴに、恭子さんに、美智さん、それに香月セキュリティ・サービス殺し屋は幾らでもいるからねどこに逃げようとも、草の根を分けてでも探し出して殺させるわあなたの苦しむ方法でね
雪乃は黙っている
あら、返事が無いのは反抗だと考えていいのかしら
雪乃が、慌てて返事をする
いいあなたとの約束は、今夜は殺さないであげるっていうだけのことだからあたしの気が変わったら、いつでもすぐにあなたを殺させるわあたしは、あなたのことが嫌いだし死ねばいいのにって、今でも思っているからだから、あたしの気が変わらないように、精々気を付けることね
雪乃、返事
オレは、叫ぶ
は、はい判りましたぁ
判りましたじゃない、かしこまりましただろっ
かしこまりましたぁ
ミナホ姉さんが、オレに振り向く
細かい言葉の問題なんかはいいわよ雪乃さん、お馬鹿さん過ぎて、そういう礼儀作法は何も身に付いていないんだから期待するだけ無駄よどうしょもない、クズなんだからこの子は
徹底的に雪乃をこき下ろす
大丈夫よ、どうせすぐにあたしを怒らせる様なことをしでかすわよ本物の馬鹿なんだからだから、ドラム缶とセメント袋はマルゴに取っといてもらうわいつでも、使えるようにね
これから一生雪乃は、恐怖に縛られることとなる