オレの冷たい熱を感じる

あああ、待って、待って今、舐めてあげるからおしゃぶりするわよっあたしっちゃんと、あたしが大きくしたってこと、認めてもらわないといけないんだからっ待ちなさいよっ、このバカッ

雪乃は、オレの下半身にずれて亀頭を舐める

ちゅぱちゅぱと、半勃ちのペニスを頬張る

うふふ、美味しいわあんたのオチンチン、とってもイヤらしい匂いがする味がするあたし、好きよこの味ちょっと聞いているのこのバカッ

ピンクの舌が、亀頭を舐め上げる

ああんっフェラチオしているだけで、濡れてきちゃうわあたし、濡れてきているのよどう、どう興奮するこのバカ

雪乃は、オレの足に自分の股間を擦り寄せる

くちゅっ、と水音がした

あたしセックスが好きあんたとのセックスがそれだけは嘘じゃないわセックスだけは、あんたがいいのよ何もかも解放されるのよあんたとのセックスは

雪乃は、片手を自分の股間に差し入れて自慰をする

今の内に、たっぷり濡らしておこうというのだろう

あんたとのセックスは頭の中空っぽにして、できるの何でかしらね他の男だと、あたし可愛いフリをするのに気を遣うからかしらそうよねあんたとのセックスなら、今さら、格好つけたりしなくていいものね何でも、ワーワー怒鳴り合えるしちょっと、聞いているのバカ

オレにとっての、雪乃とのセックスは何なのだろう

さっき雪乃はオレと黒い森の女たちの関係は、おかしいと言い切った

セックスで、人間関係を繋ぎ留めるのは普通じゃないと

実際にはオレと雪乃の関係の方が、セックスしか存在しない

オレたちはセックスだけで、繋がっている

何だよ、これ

オレ結局、お前っていう人間が良く判らないよ雪乃

雪乃にしゃぶられたままオレは言った

当たり前よ、あんたみたいな男にあたしの何が判るのよ

あたしたち絶対に分かり合えない、何一つ理解できないあたしとあなた、全然違うもの

そうだな生き方も、考え方も全然違う

それ以前よあんたとあたしでは、生まれが人間の種類そのものが違うのよいい加減に気付きなさいよこのバカッ

結局雪乃は、特権階級意識からは逃れられない

ああそうだなオレはどうせ、ダメな男だからな

オレも雪乃に対する劣等感から、逃れられない

さっき、お前が言ってたことだけど

もし、お前が遠藤と付き合わなかったとしてもオレとお前が付き合う可能性はゼロだったんだよなオレもそう思うよ

当たり前よ今だってそうケンジとは別れたけれどあたしは、絶対にあんたとは付き合わないわ死んでも嫌絶対に嫌そういうことだから判ったこのバカッ

オレたちの人生は絶対に重ならない

だから、オレたちは恋人にはなれない

何言ってるのよ友達になるのだって、ゴメンだわ

オレと雪乃は

いいじゃないセックスだけで

オレの股間でペニスを愛撫しながら、雪乃が言う

あたしたち、どうせセックスだけの関係なんだからッ

オレの亀頭を舌で舐め回しながら言う

ホントどうしょもないわよねサイテイよケダモノみたいね、あたしたち

話も合わない言葉も通じない気持ちが判らない何一つ重なるものがないだからこんなことしかすることがないなんてさッッ

重々しい敗北感の中で雪乃は、フェラチオを続ける

オレとセックスするために

そうだ、こいつは仕方なくこうしている

オレとセックスしないと殺されるから

ただ、それだけだ

オレたちの間に心の繋がりなんて、無い

あるのはただセックスだけ

ねぇ、もう少しだから勃たせてよお願い

雪乃はしゃぶりながら、泣いていた

もうちょっとで、入れられるくらいの固さになるから本当にあたし、死にたくないのよどうにかしなさいよ、このバカッ

ああ、オレだって雪乃を死なせたくないよ何がどうなったってやっぱり、雪乃が死ぬのだけは嫌なんだ

だったら、とっとと勃起させなさいってのもう、時間が無いんだからあたしは

くそおっ

生きてて欲しいオレのことなんか、嫌いでいいからずっと、憎んでいてくれていいから大嫌いでいいから

オレも泣いていた

それでも雪乃が死ぬのは嫌なんだ生きていて欲しいんだ死んで欲しくないんだ

雪乃がヘっという顔をして、オレを見上げる

雪乃は一度でも、好きになった女の子だから

オレは雪乃が好きだった本当に、好きだっただから

涙がこみ上げて来る

死なせたくないんだよっ

くそぉぉぉ

何よ、それっ

雪乃が、叫ぶ

お前がどう思っていてもオレは、お前と友達になりたかったんだよっ

恋人になれなくてもいい、友達になりたかったんだずっとだから

ちくしょ

雪乃ぉぉっっ

ガバッと起き上がって雪乃を捕まえる

そのまま、雪乃をベッドに転がして上にのしかかる

オレが犯してやるっ無理でもセックスするよ絶対に、殺させないからっ

オレは雪乃の裸体の上で、ペニスをしごく

自分でペニスをしごくが

挿入できるほど、勃起は強ばらない

くそっ、ちくしょうっ

オレの勃起が固くならない

何やってんのよっバカぁぁっ

下から、雪乃が跳ね上がって、オレに頭突きしたっ

ゴツンッ

額に大きな痛みを感じる瘤ができたと思う

あんたが、あたしを犯すんじゃダメなのよっあたしがするのっあたしが、身体を売っているんだからっ

雪乃はオレの勃起に取り付く

手で擦り舌で舐める

大きくなりなさいよおっ固くなりなさいよおっ

それでもオレの勃起は、強ばらない

何で、固くならないのよおっ

オレも泣いている

感想欄のご意見に、引っ張られないように

しばらく、読まないようにしていました

昨日見たら、やっぱり大変なことになっていましたので

昨夜、4ページ分くらい、返信を書きました

うんと色々、ご意見をお持ちだと思うのですが

できれば、この章が終わるまでは自由に書かせて下さい

だってまだ、雪乃や創介の結末を書ききってません

というか、書きながらまだ悩んでます

今やっているのは、雪乃との最終章ですが

これを通して、御名穂や黒い森全体についても救いを見出さないといけないので

本当に、毎日悩みながら、書いています

481. 娼婦にさえなれない

何とかして、勃起させなさいよっこのバカッバカっバカぁぁッッ

雪乃が泣きながら、オレを罵るッッ

あたしの命が掛かっているのよっどうにかなさいよっ

判っているけれど

何なのよっ役立たずっクズっ

勃たない

ペニスが強ばらない

あんたに身体を売らなけりゃ死ぬのよ、あたし、殺されちゃうのよッ何とかしなさいよっ

オレだって、何とかしたい

雪乃を殺したくない

泣いてるヒマがあったら、勃起しなさいってのっこのバカぁぁッッ

そう言う雪乃もオレのペニスをしごきながら、泣いている

オレたち泣いている

ドッガァシャアアンッッ

正面の大扉が突然、こじ開けられた

第4ラウンド、終了だよっ

そう叫んだのは寧

いやみすずと翔お姉さんもいる

寧は最初から、プロレスマスクを被っていたけれど

今は、みすずと翔お姉さんも似たようなマスクを被って現れた

ほらほら、終了だってのっヨッちゃんから離れなっ

寧は雪乃に告げる

ちょっと邪魔しないでよっまだ、途中なんだからっ

雪乃は、反論するが

そんなの、強制終了だよっほらっ2人、前に出てっ

寧に促されてみすずと、翔お姉さんが前に出る

もう、見てられないですわ

みすずがオレたちのベッドに向かって、タオルを投げた

わたくしも同意見です

翔お姉さんもタオルを投げる

ということでこのラウンドは、終了だよっ

寧がミナホ姉さんを見る

先生、それで構わないよねっ

寧は怒っていた

こんなに怒っている寧を見るのは初めてだ

一応、言っておくけれどマナは、今、アニエスの面倒を見ている美智は、真緒ちゃんとレイちゃんとイーディから眼が離せないだからっ、あたしたち3人はあの子たちの分まで抗議するからねっ黒い森の娼婦じゃない女の子たちを代表して

娼婦じゃない

寧は、キッとメグを見る

恵美っあんたは確かに娼館生まれだから、娼婦の気持ちも判るんだろうけどさっあんたは、娼婦にはならずにすんだんだろっだったら、あたしたち側でしょっ元・娼婦のお姉さんたちの考えに引っ張られてどうするのよっ

ね、寧お姉さん

寧が、何でここまで怒り狂っているのかメグには判らない

いや、ミナホ姉さんや克子姉、渚までびっくりしている

恭子さんとマルゴお姉さんもだよっ2人とも、先生に同情しすぎて、わけわかんなくなっているわよっふざけんじゃないわよっ

みんなさ娼婦に堕とされた女の苦しみや、憎しみは判るけれどだからって、これは何何てことをやっているのっあんたたち、ヨッちゃんに何てことさせているのっ

おオレ

みすず、ヨッちゃんを確保っ

は、はい寧お姉様っ

みすずと翔お姉さんがオレと雪乃の居るベッドに駆け寄り、オレたちを引き離す

二人してオレを力一杯、抱き締めた

もう、大丈夫よ

翔お姉さんが、オレに言った

はい、旦那様みすずが付いています

寧、どういうことなの

ミナホ姉さんが唖然とした顔で、尋ねた

寧は強い眼で、見る

ミナホ姉さんを恭子さんを部屋の中に居る女たちを

そしてカメラを

ヨッちゃんはあたしの大切な弟だよ

低い声で寧は言う

そ、そうよあたしにとっても弟よ

大切な弟なら、身体を売らせるなぁッッ

寧は怒りを迸らせるッッ

あんたたちの勝手な理屈でヨッちゃんまで、娼婦に堕とすつもりなのっ先生ッッ

オレが娼婦

部屋の中が、シーンと静まり返る

先生雪乃さんに、命が惜しかったら、娼婦になって、ヨッちゃんに身体を売れって言ったわよね

ええ言ったわ

そ、そうだよだから今、その子は少年に

ミナホ姉さんの言葉を受けた、恭子さんの発言を寧は遮る

あんたたちの眼は節穴かぁっ

全然、逆じゃないっ

雪乃さんの命を助けるためにヨッちゃんが、無理して、自分の身体を差し出そうとしているんだよっ自分の気持ちに反してガマンしてセックスしようとしているんだよっ

寧の眼からぽろほろと涙の粒が零れる

これじゃあヨッちゃんの方が、身体を売っているみたいじゃないかっあたしのヨッちゃんを、娼婦にしないでよっ

寧の叫びにみすずと翔お姉さんが、ギュッとオレを抱き締める

みんなさ復讐、復讐って、そればっかりに頭がいっちゃっててさ客観的に、何が起きているのか判らなくなっているんだよ

最初のラウンドからのヨッちゃんのセックスはさヨッちゃんは、全部憎しみのための行為ではなく愛のあるセックスにしてくれたんでしょそりゃ、あんたたちは、白坂創介に恨みがあるからそっちばっかりに集中しているけれどさ

恵美も、マナも、アニエスもまだ若い女の子なんだ復讐だけで燃え尽きるわけには、いかないんだだから、ヨッちゃんが女の子たちの未来を創るための愛のあるセックスに変えてくれたんでしょ

それはそうだと思いますでも

でもじゃないってのっ、恵美っあんただって、ヨッちゃんがどういう男の子か判っているでしょ

寧が叱る

そんで、ヨッちゃんはヨッちゃんは、頭が悪いのに一本気だから雪乃さんまで救おうとしたでも、それは雪乃さんのことが、前は好きだったからとかだけじゃない先生、あんたのためだってのっ

そうだよっヨッちゃん勘は良いんだよっここで雪乃さんを殺したら、先生の魂は永遠に救われないってことは判っているんだよっ

寧は真摯な眼で、ミナホ姉さんを見つめる

だって、先生は先生じゃないっ

黒森家はずっと前から、あたしたちの高校を支配していたんだよねでも、だからって先生がわざわざ教師として学園の中に入り込む必要は無いよねあたし判っているよ先生は本当に、学校の先生になりたかったんでしょ

あたしは黒森家の当主黒い森の主宰者よそして1人の娼婦でもあるわ

そんなの、どうでもいいよっゲンジツがどうかじゃなくって先生の心がどうなのかってことだよっいいの雪乃さんを殺したら、先生は二度と学校へは戻れなくなるよっ先生の心がそれを許さないじゃないっ

雪乃は今はまだ、ミナホ姉さんの受け持ちの生徒だ

ミナホ姉さんはオレたちのクラスの担任だから

覚悟はできているわあたしは娼婦よずっと、娼婦としての道を歩いているわだからこそ白坂創介という人間を許さないあの男を地獄に堕とすためなら、悪魔になるって誓ったのよ自分自身と、奈生実と、死んでしまったあたしのお腹の子に

ミナホ姉さんは、心の苦しみを吐き出すように言った

先生はそれでよくてもヨッちゃんは、嫌なんだよっそんなことで、先生の夢を諦めて欲しくないんだよ

それは寧自身の思いなんだろう

オレだけじゃない

ほんのわずかでも、可能性が残っている限りは人は絶望しないんだよっ先生が、そうあたしに教えてくれたんだよっだからっ黒森御名穂っ可能性をゼロにするなっ踏みとどまれよっ

寧はお腹の底から熱い声で、ミナホ姉さんに言った

そんでヨッちゃん

寧は今度は、オレを見る

あんたも、いい加減に気付きなよっ雪乃さんは、本当にどうしようもないんだよっその子は、娼婦になることさえできないバカ娘なんだよっどこまでも、甘やかしているんじゃないってのっ

雪乃は娼婦にすら、なれない

寧が、雪乃を見る

あんたヨッちゃんのこと、気持ち悪いって言ったねふざけんじゃないわよあんたの方が、何千倍も気持ちの悪い女じゃないっ

雪乃が、カッとして寧を見る

だって、そうでしょあんたヨッちゃんのこと、全然好きじゃないわよねっ愛していないわよねっ

あ当たり前じゃないっ誰が、こんなバカっ

バカは、あんたよっあんたさそこに居るのが、ヨッちゃんじゃなかったらもし別の男が居て、そいつに身体を売れって言われたら、悦んでセックスしちゃうでしょ

それで殺されずに済むのなら、するわよっ誰とだって、セックスするわよっイヌでも、クマでも、宇宙人とだってセックスするわよっ

雪乃は、目を血走らせて叫んだ

あんたがそんな女だから、ヨッちゃんは勃起できないのよっ

それじゃあ、あんたはただの淫乱じゃないっ誰とだって寝るんでしょあんたは、気位のプライドは高いけれど恥知らずなのよっお父さんと一緒よねっ慎みも、矜持も女としてのプライドは何一つ持って無いじゃないっ

それはだって、あたしはその男に、これまで何度もレイプされてきたから羞恥心だって失くすわよっ

雪乃は、そう言い張る

違うわマナだって、散々レイプされたけれどあの子は、女としてのプライドは捨てなかったわだから、あの子は娼婦ではなく、セックス奴隷を選択したのよ

何それ、意味が判らないわよ娼婦もセックス奴隷も変わらないじゃないっ

寧は首を振る

娼婦なら買われたら、誰とでもセックスしないといけないわ相手を拒めないのよでも、セックス奴隷ならマナにとって、ヨッちゃんは自分を愛してくれて大切にしてくれるご主人様だしマナだって、ヨッちゃんの事を愛している女として生きていけるマナの女のプライドは、愛の無いセックス関係は受け入れられないのよそれがあの子の矜持よ

何言ってるのよバカみたいバカみたいバカみたいよっ

雪乃は寧の言葉を受け付けない

舞夏はガマンしているだけよただただ、ガマンしているだけなのよっ

雪乃にはオレとマナとの心の繋がりは、見えない判らない

そういう雪乃さんは、ガマンすらできなかったじゃないのっ

あんたはヨッちゃんに身体を売れって言われて娼婦になれって言われてで、結局何よまた、ヨッちゃんに求めるだけで自分からは、何も与えないで

与えているでしょこのあたしの身体好きにさせてあげるって言ってるんだからっ

雪乃の言葉に寧は、軽蔑の眼で答える

だから、あんたは淫乱なだけの女なのよ

そして再び、ミナホ姉さんを見る

先生克姉渚さんそれから、この中継を観ている、かつてこのお屋敷の中に囚われていたお姉さんたちあなたたちがやってきた娼婦ってそんなものだったんですかっあたし違うと思うよっ

全ての娼婦たちに寧は、告げる

あたしの身体を好きにさせてあげるからなんて、甘っちょろい考えで皆さんは、身体を売って来たんですか違いますよね

静かに寧は言う

娼婦として生きるということは身体と一緒に、心も売ることですよねそうだ確か、さっき雪乃さんにもそう言ってたはずですよ娼婦は自ら、お客様に心配りして、最上のおもてなしをしないといけない自分の心を偽ってでもお客様に愛と安らぎを提供しないといけないそうだよねっ

ミナホ姉さんが寧を見る

そうよあたしたちは本物のプロフェッショナルの娼婦よあたしたちの目的は、お客様に満足していただくことそのために精一杯、心を尽くすわ

うんそれもさっき、雪乃さんに言ってたお客を満足させなければ娼婦じゃないって

そうだそういう話は、すでにされていた

その上で先生に、もう一回尋ねるよ

今さっきヨッちゃんと雪乃さんが、ベッドの上で絡んでいたけれど娼婦だったのはどっち

ごめんなさいあたしが、間違っていたわ

オレに向かって頭を下げる

確かにあたしは、自分の弟を娼婦に堕とすところだったわ

いや、ちょっと待ってミナホ姉さんあの

何て、答えて良いか判らない

ヨッちゃん、何でさっき勃起しなかったか判る

それは今まで散々、射精した後だし雪乃の命が掛かっていて、緊張しちゃったっていうか

全然違うよ

ヨッちゃん、判ってるでしょ雪乃さんが全然、ヨッちゃんのことを好きじゃないってこと

そのことは認めるしかない

正確には違います

みすずが、オレを抱き締めたまま言う

正確には雪乃さんが、旦那様を自分と対等な1人の人間だと認めていないですわ

そうだねみすずの言う通りだ

雪乃さんはヨッちゃんのことを見下しているし、舐めているし、人間扱いしていないなのに、セックスだけは普通にしようって求めてくる

寧は、ゆっくりと雪乃を見る

それって気持ち悪いことだよね人間扱いしてくれない相手と、セックスなんてできないってのっ気持ち悪くってさ

そんな状況で勃起するわけがない

何でよっあたしもそいつも裸よっ男なんでしょ裸の女が横にいたら、セックスぐらいできるでしょっ勃起しない方がおかしいのよっ

この世の中には、大切なことが3つある1つ目、人に優しく、2つ目人に優しく、3つ目やっぱり人に優しく

昔のイギリスの貴族が残した言葉だそうだけれど、含蓄があるよね

そのまま、雪乃を見る

バカだから、人に優しくできないのか他人の気持ちが判らないから、こうなのかそれとも、優しさってものがどんなモノなのか、本当に判らないのか

雪乃は、キョトンとした顔で恭子さんを見上げる

それでも他人には、自分に対して優しさを求めるんだね自分は人に何も与えないのに

雪乃は、ムッとして、

与えているわよっていうか、与えるって言っているでしょあたしの身体、自由にしていいって言ってるんだからっこのあたしが、セックスしてあげるって言ってるのよっ

雪乃の心が、そうである限り

オレは勃起できない

本当に優しくない女なんだねっ

優しいところも、あるんだよ入学式の日に落ち込んでいたオレに、声を掛けてくれたのは雪乃だったんだから

だから、さっき言ったでしょっそれは、あんたの思い違いだってあたしは、あんたなんかどうでも良かったんだからっ

吐き捨てるように雪乃は言う

でも、オレはそう思ったんだ雪乃のことを優しい子だって、思ったんだ今でも思っているさ

オレの身体をみすずと翔お姉さんが、抱き締める強く強く

そんなのあたしには、関係無いわよ

雪乃は呟いた

オーケイ、寧たちの気持ちは判った確かに、あたしたちが間違えた

ミナホたちにはソースケに対する、強い憎しみがあるからだから、この少年の中にも、同じ感情が宿っていると勘違いしていたそうだよねあんたは、復讐者じゃないんだよねごめん

ええあなたに、重い負担を掛けてしまったわごめんなさい

ミナホ姉さんも、もう一度オレに謝ってくれる

てことはさ、あたし、どうなるわけ

こいつに対して娼婦になるって話がチャラになったんならあたし、このまま生きていても構わないんでしょうね

どうしてそうなる

何で自分に都合の良い方向に行くと、思うんだ

何にせよ、あんたには娼婦はできないよ寧の言うとおりだあんたにできるのは、精々、援助交際狂いの淫乱女子高生までだ本物の娼婦は、あんたには無理だ

当たり前よあたしは、白坂の家の娘よあんたたちとは、違うんだから

ああこの刷り込みが

雪乃の原点なんだ

この特権階級意識は永遠に変わらないんだろうな

生まれてからずっとこうやって来たんだから

ふん自分を何だと思っているのかってことかい

ブラジルに居た頃に、元消防士のお爺ちゃんの知り合いが居てね飲み屋で知り合ったんだけれど元消防士ったって、現役を退いて20年以上は経っているんだよ本当にもうお爺ちゃんなんだからでも、そのお爺ちゃんは、まだ自分のことを消防士だと思っているんだよ話をするといつも我々の場合はって言うんだ引退しているのに、消防士として考えて、消防士としての意見を言うんだ

雪乃は永遠に、名家白坂家のお嬢様なんだな

雪乃自身の中では

白坂家から、父親と一緒に追放され

白坂家そのものも、没落しそうだって言うのに

あんたもそうなんだねミナホ

恭子さんはミナホ姉さんに言った

あんたは娼婦を引退して、もう10年以上になるよね

ミナホ姉さんは堕胎手術の失敗で、二度とセックスのできない身体になった

身を売ることはもうできない

でもさっきのあんたは、1人の娼婦として話をしていた

ええあたしは、娼婦ですもう、お客を取ることはできないけれど自分を娼婦だと思っています1人の娼婦として考え行動を決定しています

そのまま、寧を見る

ごめんなさい寧教師はあたしの夢だったけれど、でも、あたしは娼婦なのよ娼婦であることを、自分の行動指針にして生きているわ

恭子さんは、克子姉と渚を見る

2人はどうだい

あたしは娼婦ですどこへ行っても、誰と会っても自分が娼婦であるということは忘れません

あたしもそうですわもう、花屋さんになのに娼婦は引退することができたのに新しく知り合った人と話をしたりする時には、ふっと娼婦として対応している自分に気付いて驚くことがあります今の仕事でもこの次は、どういう手を打つかを考える時は、娼婦の思考で選択していることも多いですあたしという人間の基礎が、娼婦で出来上がってしまっているんですよねぇ

あたしはまあ、犯罪者としては手広くやっているけれど基本は、ブラジルのスラム街に居たときのチンピラのまんまなんだよねやっぱり大事な人生の選択の時に、スラム街でのルールを守ったりするその方が、例え失敗しても後悔しないんだよあのスラムの中でのコスイ暮らしが、あたしの基礎なんだから

それから、カメラを見る

あんたたちは、どうなんだいこの中継を観ている、あんたたちは去年の秋にお屋敷を出て、まだ新しい生活に慣れていない子は娼婦の心のまんまなんだろうけれど引退して、何年も経って、新しい自分の事業が上手く行っているって子は、どうなんだい新しい仕事のその世界の人間になりきれているかい心の底までそれとも心の中は、やっぱりまだ娼婦のままなのかい

恭子さんは尋ねる

娼婦としての自分はきっぱり忘れてしまって、新しい世界に溶け込むべきなのかそれとも、心の中の娼婦としての自分は、死ぬまで永遠に抜けきれないのかあたしには、よく判らないよどっちが正しいのかどうするべきなのかさえ

うん忘れたくても、忘れられないのかもしれない

忘れたと思っても何かの拍子に、思い出してしまうこともあるだろうし

わたくしたちは家族から引き離されて、最初にした仕事が娼婦でしたいえあたしたちは娼婦になったなるしかなかった

娼婦になれきれなかった子は脱落して、みんな死んでしまいましたから身体か心かどっちかを病んで生き残ったこの地獄を生き抜いたあたしたちは、自分から必死で娼婦の仕事を覚えたんですプロの本物の娼婦になったんです生きるために

そうだ元・娼婦のお姉さんたちは

生き残るために娼婦として生きることを覚悟した人たちだ

今ここに居る雪乃さんが、娼婦にはなれないということを、あたしたちは確認しましたもし、この子がわたくしたちと同じ様に拉致されて、この屋敷の中で客を取らされたら

ミナホ姉さんが、改めて雪乃を見る

この子は1年保たないと思いますこの子は、身体も丈夫だし、心もタフだけれどこの性格じゃ、お客様にも他のお姉様にも嫌われますからアブノーマルなプレイの専門に堕とされて淫乱なだけのキチガイ女になるでしょうね黒い森の娼婦としては下品すぎるから本当に、東南アジア辺りの売春窟へ転売ねそうなったら、不衛生な施設の中で病気になるか、薬物中毒で死亡そんなところでしょうね

それが雪乃という女の評価なのか

うるさいわねっそんなことより、あたしはどうなるのよっ早く決めてよっ

雪乃はただ喚くばかりだ

ちょっと待って今、決めるから

ミナホ姉さんは、改めてカメラを見る

わたくしたち娼婦であったことが、現在の自分に深く影響していますそのことについてもう一度、自分自身を見つめ直さないといけないのかもしれませんさっき、あたしの弟も言っていましたわ生き残った娼婦だから、心が強すぎるだから、こんな過剰な復讐をやってしまうんだって

でもこの復讐を果たさなければ、先に進めないというのも事実です

白坂か創介はさっきから、ずっと黙ったままだ

黙ったまま、俯いている

今の自分の現状が受け入れられないのだろう

だから眼を閉じている

ゲンジツを認めないために

そうね雪乃さんをどうするか決めたわ

全てお父さんの逆にしてあげるわ

だから殺さないであげるわ

それって無罪放免ってこと

雪乃は尋ねる

ミナホ姉さんは、暗い笑みを浮かべる

あなたは殺さないでおいてあげるけれど、一生、セックスを禁止するわ

レズ行為も禁止あなたは、この先、一生、1人でオナニーだけしていなさい

ど、どういうことよ

雪乃は困惑の表情を見せる

言葉の通りよ誰かとセックスいえ、キスもだめよあなたが、他の人間とどんな形でも性愛行為をしたら殺すわそれも、可能な限り、残酷な方法で死ぬまで、何日もいたぶって殺してあげる

雪乃からセックスを取り上げる

こんなに淫乱なのに

娼婦にさえなれなかったんですものあなたには、セックスを許さないわ

あなたはあたしの弟の優しい気持ちを踏みにじったわ絶対に許さないわ死ぬより、辛い思いをして生きていきなさい

じょ冗談でしょ

ミナホ姉さんは、笑うことすらしなかった

あたし今まで一度でも、あなたに冗談めいたことを言ったことがある

ミナホ姉さんは雪乃には、いつも本気の会話しかしていない

本気でいつも、雪乃を責め恐ろしい企みを、実行し続けてきた

あなたが死ぬまで、監視を付けるわあなたはもう、セックスは無しよ雪乃さんあたしがあなたより先に死ぬことがあったとしてもちゃんと、この指令は守られるようにしておきますからね

あ、あたし恋は、どうなるのあたし、結婚だって

雪乃は慌ておののく

諦めなさい死ななくて済んだんですものああ、そうそうあなたがちゃんと妊娠していたら、出産だけはできるじゃない良かったわねもちろん生まれた子供は、あたしが引き取りますあなたには、渡さないわあたしの赤ちゃんですもの

ミナホ姉さんは本気なんだ

ねえ、ちょっとあんた、いいのもう、あたしとセックスできなくなるのよいいの

こういう時だけ雪乃は、オレに寄って来る

ごめんなさい旦那様には、もう雪乃さんの声は聞こえなくなっていますの

オレを抱き締めたままみすずが、答えた

あたしたちの旦那様ですあなたのことは、もう心配しないわ

オレには守るべき家族がいる

大切な女たちがいる

雪乃とはここまでにしないといけない

あたし最後のセックスだって、まだしていないじゃないっ

オレたちの最後のセックスは

もうない

ごめん雪乃

お前じゃあ勃たないんだ

何よっこのバカぁッッ

雪乃は、最後までオレを罵った

エロ小説で勃起しないんで、セックスしないという展開はどうかと思うんですが

ここでセックスしたら嘘だなと思いました

男の子って、結構繊細ですから勃起しないってことはアリだと思います

お前じゃ勃起しないなんて、雪乃にとっては殺されるよりも酷い否定ですし

うん、レイプからスタートしたのにセックスしないことの方が、より残酷な否定になるとは

まあ、もちろん、ここが終着点では無いのですが

482.タイタス

何なんだよ、これはこんなの、ありえねぇだろ夢だ悪夢に決まっている

遠くで、ブツブツと白坂創介は呟いている

うつむいて、眼をギュッと閉じて今、眼の前に提示された全てのゲンジツを拒んでいる

雪乃が処女じゃないとか自分から、セックスしたいって男に迫るとかそんなこと、あるわけねぇんだこんなの、みんな嘘だ夢なんだ

自分が受け入れられないことは認めない

何でもかんでも、好き放題に振る舞いそれで許されてしまうという、甘ったれた世界で白坂創介は、ずっと生きてきたから

厳しいゲンジツに真っ正面から直面する力は無い

そろそろ限界かね

今が、ギリギリ瀬戸際だろうもう一つ、ポンと背中を叩いてやったら発狂しちなうだろうね、ソースケは

気が狂ってしまった人間を処刑したって無意味です罪を償わせることも、後悔させることもできなくなるのだから

じゃあ、意識がまだこっち側に居る間に決着を付けるしかないね

恭子さんの言葉にミナホ姉さんは

カメラを見る

この中継を観ている皆様にご説明しないといけないことがございます

ミナホ姉さんは、オレと雪乃を見た

わたくしの弟と白坂雪乃さんは同じ高校のクラスメイトなんですたまたま、偶然にそうなっていましたそして皆さんも、もうご承知の通り、弟は雪乃さんに恋心を抱いていました

ミナホ姉さんの話は実際とは、少し異なっている

ミナホ姉さんの弟であるオレが高校に入学して、雪乃に出会い雪乃に恋をしたのではない

高校に入学して雪乃に出会い恋をしたオレをミナホ姉さんが黒い森に勧誘し、弟にした

時間的な流れは間違っている

それは、本当に偶然のことで今、皆さんがご覧になられた通り、弟は真剣に雪乃さんを好きでいたそういう時期があったことは確かです

オレはオレの雪乃への思いを、正統な恋だとは思わない

オレはさっき自分自身で答えを出した

オレは一度だって、雪乃と恋人同士になれるなんて想像したことはない

そんなことは最初から、諦めていた

雪乃と友達にはなりたいと望んでいた

せめて友達には

どこで、道を踏み外してしまったんだろう

雪乃が遠藤と付き合っているのが嫌だったのか

そりゃ確かに、雪乃を何度も自慰のネタに使ってきた

だけど本当にレイプして、レイプして、レイプし尽くしたいと思っていたのか

オレは、どこかで道を間違えた気がする

わたくしは白坂創介への復讐を計画するに当たって白坂の娘たち犯し、殺すことは、どうしても必要だと思いました自分の家族から誘拐され、陵辱され、身を売らされさらに家族を殺された、わたくしは白坂創介にも、同じ苦しみを味わせたかったのですそうでないと死んだ妹と、わたくしの堕胎された子供に、申し訳が立たないと思っていました

ミナホ姉さんは正直な思いを、カメラの向こうの元・娼婦たちに言う

ですがわたくしは、男ではありません男のペニスがありませんわたくしには、白坂創介の娘たちを犯すことができませんだから

わたくしはわたくしの弟を、この計画に引きずり込んでしまいました弟のペニスをわたくしの復讐の道具にしたんです

わたくしは卑劣な人間です酷い姉だったと思いますごめんなさい本当に、ごめんなさい

オレに頭を下げる

弟はわたくしの思いに応えてくれました白坂雪乃も白坂舞夏も、計画通りに拉致しレイプすることができましたでも

でも何なんだ

弟はわたくしよりも、遥かに優しい人間でしたただ、欲望のままにそう、そこに居る白坂創介の様に、自分の快楽を満たすためだけに女を犯す様な人間ではありませんでした弟は女を犯してなお、その相手を救おうとしました

うんみんな観てたろ恵美ちゃんや、アニエスの時の様子もあんなのさただソースケに見せつけるためなら、あんな繊細なセックスをしなくたっていいんだこの子には関係の無いことなんだから

でも、この子は恵美ちゃんや、アニエスをソースケの支配から解放することを考えてくれた舞夏さんだって舞夏さんを殺さないで、しかも未来に希望を持って生きていけるようにそういう願いを込めた、セックスをしてくれた本当にミラクルだよ凄惨なだけのはずの復讐があの子らに希望を与えられる場に変わったんだから本当にミラクルだと思うよ

ええでも、ミラクルはここまでですわ

雪乃さんはあなたでも、救えないわ

雪乃は、ぽかんとした顔でオレたちを見ている

本当にごめんなさいそして、ありがとうあなたが、恵美や、アニエスや、舞夏さんに対して希望を与えてくれたことはその様子を観ていたお屋敷の元・娼婦たちにも良い影響をもたらしてくれると思うわあなたが頑張ってくれたことでみんな救われると思う

ええあたしたちの最後の妹たちを娼婦に堕とさずに済んだわあの子たちは、愛し愛されるセックスを体験できたそれって、本当に素晴らしいことなんだと思う

でもミラクルはミラクルは、ここまでよ

ミナホ姉さんは辛そうに微笑む

いえむしろ、雪乃さんを娼婦として抱かないでくれて、ありがとう

あなたが雪乃さんを娼婦と認めなかったことでわたくしたちの誇りは、守られたわそうよあなたが教えてくれたのわたくしたちは、みんな、あの地獄を生き抜くという覚悟をして娼婦になったの娼婦として生きる覚悟ができた女だけが生き残ったのよあたしたちは逞しくなった強くなった自分の意志でそうよ、あたしたちは雪乃さんとは違うあたしたちには娼婦として生き抜いたという誇りがあるわこの先何があっても生き抜く自信があるあの男に犯され続けた日々は、決して無駄にはなっていないあたしたちは胸を張って生きていっていいのよっそうでしょう、みなさんっ

ミナホ姉さんがカメラに叫ぶ

そうですとも、お姉様たちっあたしたちは、自らの強い意志で生き残ってきたのですわっ自分たちに誇りをもっていいんですわっ

ああ、あたしが保証してあげるよっあんたたちは、頑張って、頑張って、頑張り抜いて生き残ったんだすげぇ女たちなんだよっ

そうですともさっきのみっとも無い雪乃さんを観たでしょあたしたちはあんなゲスな女にはならなかった淫乱なだけの誇りの無い女にまでは堕ちなかった堕とされても、堕とされてもあたしたちは娼婦でした誇りのある娼婦に、自らなったんですお姉様

そうだ白坂創介の娘は、娼婦にさえなれなかった娼婦以下の女のクズに、勝手に成り下がっちまったんだ

恭子さんの言葉に雪乃は、ジッと自分の手を見る

ありがとう、あなた雪乃さんを抱かないでくれてこのバカな娘を娼婦とは認めないでくれて

ミナホ姉さんは、そう言うけれど

ゲンジツは

オレは勃起できなかっただけだ

オレのペニスが強ばらなかっただけだ

雪乃とセックスして雪乃を助けたかった

ここから先は、わたくしたちだけで本来の復讐の権利者たちだけで行うわあなたは下がってちょうだい

恵美も彼と一緒に退室して寧とマルゴも

いや、ちょっと待ってよ、ミナホ

マルゴさんが驚いて言う

いいえここから先は、わたくしたちは復讐の名の下に罪を犯すわそれにはもう手伝いはいらないわわたくしたち自身でやらなくてはいけないのよ

復讐者じゃない人を巻き込むことが、どれほど罪深いことなのかわたくしは弟の件で学んだわそしてマルゴあなたも、あたしの可愛い妹よ

妹だからこそ、手伝いたいんじゃないかっ

いいえわたくしたちの罪まで、一緒に負わせないわ

食い下がるマルゴさんに、恭子さんが言う

ミナホの気持ちを判ってあげな見届け係なら、あたしだけで充分だ

あたしはミナホより年長だし元々黒い森の監査役として、香月のジィさんに送り込まれて来た女だあたしが見ているのは、構わないだろ

お願いします、恭子さん

渚あなたも退室して

あなたは、もう現役を引退しているし真緒ちゃんも居るわ他のお姉様たちと同じで復讐の目撃者でいるべきよ

この部屋に残れば復讐の当事者実行犯ということになる

あなたは、もうママなんだから白坂創介の汚れた血で、手を汚すべきではないわ

でも、克子

というか彼の側に付いていて欲しいのよお嬢様には、あたしが付いているから

克子姉は、オレを見てニコッと微笑む

渚は納得した

あなた方も、ご退室下さい

ミナホ姉さんはオレを抱き締めている2人

プロレスマスクを被った、みすずと翔お姉さんに言った

このお2人の正体は、皆様にはお話しできませんもし、お知りになられたらわたくしは、その方を殺さなくてはならなくなりますから

ミナホ姉さんはカメラの向こうの元・娼婦たちを脅す

香月家の娘であるみすずと、香月セキュリティ・サービスの次期トップである翔お姉さん

その2人がこの場に居ることを、知られるわけにはいかない

皆様も記憶から抹消して下さいそういうお二人だということを、ご警告致します

寧が、オレたちを見る

ヨッちゃん、撤収するよっマルゴお姉ちゃんも、恵美も、渚さんもそっちのお2人さんも、いいねっ

判ったよ、寧

さあ、いきましょう克子、お願いね

判っているわ渚

旦那様参りましょう

しっかりとオレを抱き締めているみすずが優しく、囁く

そうよあなたは充分頑張ったわもういいのよ後は、黒森さんたちにお任せしましょう

翔お姉さんもそう言ってくれる

行っちゃうの

ダメです

みすずが、オレの眼を手で目隠しする

見てはダメです

もう、ミラクルは起こりません

ヨシくん、行くわよ

メグが、オレを引っ張る

マナが待っているわアニエスも

美智や瑠璃子も待っていますわ

さあ、行くよっ、ヨッちゃん

オレは身体に力が入らない

みすず、メグ、翔お姉さん、寧、渚、マルゴさん

6人の女たちに押され、引きずられドアの前へ

ま待ちなさいよ

雪乃の声がする

姿は見えない

あ、あんた本当に、あたしを見捨てる気なのちょっと、待ちなさいよこのバカっ

寧、ドアを開けて

了解、マルゴお姉ちゃんっ

ギィィと、ドアの開く音がする

部屋の外、廊下から冷たい空気が入ってくる肌寒い

待ちなさいよっ裏切り者っ

雪乃が叫んでる

許さないからっあんただけは絶対に許さないからっ

雪乃の声が背後に聞こえる

ギィィィバタン

ドアが閉ざされる

はい、ヨシくんこれ着て

メグが、オレのガウンを持って来てくれていた

そう言えばずっと裸体のままだったんだ

あっちの部屋の様子は、そこのモニターで見られるわ

プロレスマスクを外しながら、翔お姉さんが言った

ここは

翔お姉さんとみすずが待機していた方の控え室か

あたしは、この先のことは興味ないからマナとアニエスの方へ行くわ

あたしは映像でも、観るべきところまでは見届けないといけないから

元・娼婦の1人として、渚が言う

あたしも、結末は知っておきたいな

わたくしも立場的に知っておかないといけないと思うの

翔お姉さんが言う

あたしは旦那様のお側にいます

みすずは、まだオレを抱き締めている

抱き締めていないと心配らしい

オッケー、じゃあ、あたしは恵美とアニエスの方へ行くついでに、美智たちの様子も見てくるよ

ヨッちゃんは結末を見届けないと、落ち着けないもんねっ

オレは雪乃と白坂創介の結末を

知っておきたい

じゃあ、恵美、行くよ

はい皆さん、ヨシくんのことお願いします

寧とメグがアニエスたちの居る部屋へ向かう

さてどうなるのかしら

翔お姉さんは、モニターを見上げる

まあ、あたしと渚さんはもう知っているんだけどね

寧も判っているから、席を外したんだと思うよ

そうか復讐計画を事前に知っていた人たちは

当然、この後の展開を知っている

ちょっと酷いことになるからねミナホが現場でなく、こうして映像で観ろって指示するのも判るんだ

画面の中には裸のままの雪乃と、拘束台の上の白坂創介が映っている

白坂創介は、先程のままぐったりとしたまま、ブツブツと何かを呟いている

雪乃は思い空気に耐えきれなくなり

あたし本当に、もうセックスしちゃダメなの

そう言ったはずよセックスしたら、殺すって

雪乃はミナホ姉さんの言葉に、震えながら

でももう1回もう1度だけ許してくれないかしら本当のセックスじゃなくてもいいわ真似事でもいいから

わたくしの弟は、もう戻ってこないわよ

あ、あんなやつもう、どうでもいいわよっそうじゃないそうじゃなくって

雪乃は拘束台の上の、父親を見る

あのままじゃパパが可哀想よ

こんな状態のまま、殺されるなんてパパ、可哀想過ぎるわよっ

白坂創介は、克子姉に媚薬を飲まされている

すでに、精神錯乱寸前の様子だが

その股間のイチモツは大きく勃起していた

いや、根元をタコ糸の様なモノでギュウギュウに縛られているから

鬱血して、青黒く変色している

あらパパとセックスしたいって言うの

本当にセックスしなくてもいいわあたしが、手でも口でも使うわ

せめてパパを気持ち良くしてあげたいのよっ

雪乃の眼が父の苦しそうな勃起を見ている

あんなの可哀想だものっ

可哀想可哀想可哀想ねぇ

呆れた様に笑った

あんたのパパが、わたくしたちにしたことはこんなものじゃなかったんだけれどね

そんなの関係ないでしょっあたしのパパは、今、苦しんでいるのよっあんたたちが、昔、どうだったかなんて知ったことじゃないわよっ

雪乃はどこまでも、雪乃だ

自分や父親は特別な存在だと思っている

結局、あなたはそういう子なのね

何でもいいわよっ苦しそうなパパは、見たくないのよっあたし

画面を見上げている、みすずが言う

旦那様のおっしゃっていた通り雪乃さんは、優しさも持っている人なんです

こんなところでこんな格好であんたたちみたいな連中に殺されるなんて、あんまりじゃないっだから、せめて娘のあたしが、慰めてあげたいのよっ

ぐったりとした中年男の肉体に変色した勃起ペニスだけが、元気よく隆々としている

でも他人のことに全然興味が無い人だから自分や自分の家族のことばかり、優先する人だから

あたしがしてあげたいのよっいいでしょ娘と父親のセックスよあんたたちみたいな、ヘンタイなら見てみたいでしょ、そういうのだって見せてあげるからっ

残念だけれど興味無いわあたしも、お嬢様もその人にはレイプされた経験があるしカメラの向こうのお姉様たちだって、今さら白坂創介がセックスする姿を見たいとは思わないわよ

じゃあ、口でするわおしゃぶりするそれも、ダメなら手でパパのあそこから、白いのを出してあげたいの小さくしてあげたいのよ、あれをそうじゃないとあんなに大きくなっていて、苦しそうで可哀想なのよっ

そうね、確かに苦しそうね

射精させるのは許さないけれど根元を縛っているアレを緩めることぐらいは許してあげましょうか

いいのね

雪乃さんに緩めることができればだけれど

で、できるわよ

雪乃は、立ち上がり父親の拘束台の前へと行く

全裸の16歳の愛娘が拘束台の上にM字開脚で縛られている全裸の父の前に立つ

白坂創介が顔を上げる

ゆ、き、の

そうよ、あたしよ

父親に微笑む雪乃

可哀想にパパこんなに痛めつけられて待ってね今、楽にしてあげるから

雪乃は父親の股間に手を伸ばす

父親の勃起の根元を掴む、雪乃

な、何なのよこれ

これ糸みたいなのが、くっついちゃってて外せない

克子姉が雪乃の背中に言う

ああ、それね見た目はタコ糸みたいだけれど、特殊な繊維でできているのよそうやってグルグル巻きにすると、繊維同士で癒着して離れなくなるの

ど、どうやったら取れるのよっ、これ

雪乃が、怒りの眼で克子姉を見上げる

特殊な薬品を使わないと無理よちなみに、それ時間が経つにつれて、どんどん縮んでいく性質があるからそのままオチンチンの根元で縮まると血液の流れを止めて、大変なことになるからねっ

ど、どうなるのよ

判らない人間の身体は、どこも血液の循環が止まれば壊死するわよそのうち、ポロッと取れるんじゃないかしら

克子姉はフフッと笑った

じ、冗談じゃないわよっその特殊な薬品ていうのをちょうだいよっこんなのパパが可哀想でしょっ

でその薬品ていうのがこれよ

克子姉は塗り薬のボトルを雪乃に見せる

貸しなさいよっ

雪乃は、ボトルと引ったくると蓋を開ける

そしてクリーム状の薬品を、白坂創介のペニスの根元に擦り付ける

パパちょっとだけガマンしてねすぐだからね

ゆ、雪乃雪乃が

全裸の娘に股間を触られ白坂創介は、熱病にうなされているように囁く

雪乃がオレのを擦っている雪乃が手で

雪乃が、何をしているのか意図が判らないらしい

娘が自分の勃起に触っていることだけに興奮している

そこよりももっと上を亀頭をカリ裏をしごけよ雪乃ああ、雪乃

何よ、これ塗っても全然、取れないじゃないっ

薬品を塗っても白い繊維に変化は無い

ええ、その薬だけじゃだめよもう充分だから、これを付けて

克子姉は雪乃にボタン電池の様なものを二つ手渡した

何よこれ

それをね今、薬品を塗った繊維の上に貼り付けてオチンチンの右側と左側に、左右対称にね

雪乃は白坂創介のペニスの根元に、丸い小さな物体を2つ貼り付ける

はい、それが終わったらこっちへ来てああ、手に付いている薬品はこのティッシュで拭いて

克子姉が流れ作業の様に、雪乃を誘う

そっちに何があるのよ

スイッチよ

スイッチ

ええあの繊維を溶かすための、特殊な電波を出すための

克子姉は雪乃をミナホ姉さんの前に連れて行く

ミナホ姉さんは小さなスイッチの付いたボックスを雪乃に差し出す

そうねあなたに押してもらうのが一番よね

ミナホ姉さんは微笑む

このスイッチを押すとあの白い繊維は溶けるから

雪乃は手渡された、スイッチボックスを見る

どうしたの押さないの

ククと笑うミナホ姉さん

雪乃は迷っている

ゆ、雪乃もっと擦ってくれもっと、刺激して射精させてくれオレは、射精したいんだドクドク、いっぱい吐き出したいんだお前の顔にかけてやるかけてやるからパパの精液を受けとめてくれよな、頼むからパパ、昔から雪乃のことを可愛がってきたろだから、今度は雪乃が、パパを気持ち良くしてくれ頼むよ頼むからなあ雪乃ぉぉぉ

拘束台の白坂創介はうなされたような口調で、娘にそう囁く

血走った眼で

白坂創介の勃起は、さっきよりも硬度を増していた

眼の前の恐怖から逃げるため

白坂創介は、肉体の快感だけに集中しようとしている

この部屋の中で唯一の味方である娘に自分を慰めさせようとしている

ソースケ、さっきよりも苦しそうだねやっぱり、愛する娘に触られたせいかな

あの繊維が溶けないと根元が縛られたままだから、絶対に射精できないわよというよりあのままだと、ホントに勃起したままオチンチンが壊死しちゃうから

克子姉が、雪乃のスイッチを見る

押さないの

いいわ、じゃあ、わたくしが押します

ミナホ姉さんが、白い指を伸ばす

さ、触らないでっ押すわよっあたしが押すわよっ

カチリ

スイッチを押した

ボォワゥッスッ

爆音と炎と煙

白坂創介の股間が

爆発したッッ

ビチャリ

何かが、ベタッと壁に貼り付く

白坂創介のペニスだった

な、な、ななんだこれなんじゃこりゃああッッ

根元からペニスが吹き飛んだ白坂創介が悲鳴をあげる

雪乃はスイッチボックスを持ったまま、呆然と立っている

言っただろ特殊な電波を発すると、その繊維が溶けるってまあ、超高速で高熱を発しながら、一瞬のうちにヒビュッと縮まるから横から見ていると、まるで爆発したようにしか見えないけれどね

ちょっと待てよ何だ何でねえんだオレのチンコが、なくなってるぞおいっ

白坂創介は、拘束台の上でガタガタと震えている

ソースケチンコが切れ落ちても、そんなに痛くないだろ

その瞬間白坂創介に激痛が走る

いてぇぇぇぇぇぇぇぇぇッッ

あれれ、ソースケ、そんなはずは無いんだけどな

ふざけんなっ痛ぇよっ物凄く痛ぇよっ

恭子さんに、白坂創介は叫ぶ

痛みで朦朧としていた頭が、はっきりとなっている

バーカ、こんなの痛みのうちに入らないよこの繊維を使うと、焼き切っている状態になるからさ傷口が完全に焼けていると、そんなに血が出ないし、痛みだって小さいはずなんだ

痛ぇぇってのっオレは痛いんだよっちくしょうっ

そんな白坂に恭子さんは

やれやれまだ、最初のチンコ切断だよ

雪乃の顔がサーッと青ざめる

判るかいこの繊維を使うと、出血死を考えないで、どんどん、あんたの身体をバラバラにできるってことなんだわ

シェイクスピアの芝居にさタイタス・アンドロニカスってのがあるんだけれど知っているかい

主人公のタイタスの娘が悪い男たちにレイプされて処女を失うんだけれどねレイプの後、男たちは娘が誰に犯されたのか誰にも言えないように娘の両手と舌を、ちょん切るんだよ

両手と舌

手がなけりゃあ犯人の名前が書けない舌がなければ、犯人の名前が言えないそういうことさ

ま、まさかお前たち

ただ殺すだけじゃあつまんないだろっていうかさ、あたしたちは、あんたのことを見せしめにしないといけないんだわ

見せしめ

あなたはこの屋敷に、いっぱいヘンタイ仲間を連れて来たわそういう人たちにも2度と、わたくしたちに敵対しないようにメッセージを出さないといけないから

舌も切るし、両手も切るわ両脚もそして、裸のまま外に捨てるわマスコミをいっぱいご招待してねでも、あなたはもう、喋れないし、書けない手足を使って、あたしたちのことを伝えることもできないようにしておくわ

生きたまま地獄に堕とす

雪乃さんあなたのパパは、そういうことになるから

言ったでしょあなたには、2度とセックスさせないってどう愛するパパのオチンチンを破砕しちゃった感想はほら、パパのオチンチンあそこに落ちているわよ

い、いやぁぁっっ

絶叫して、泣き喚く

今日という夜を死ぬまで忘れないでねあなたは、お父さんのペニスを切り落とした女なのよっ2度とセックスすることなんて、許されない女なのよっ

昨日の話ですが

人は自分を何だと思っているかという

私は学校を出て、最初にした仕事が演劇の裏方スタッフだったので

今でも、行動指針は舞台スタッフのままだったりします

もう、演劇の仕事から離れて10年になるのですが

何か、仕事や人生で選択しなければならなくなった時に

舞台のスタッフとしての考えで決めます

人から舐められるのは、自分が悪いのだから仕方ないが

舐められた以上は、きちんと蹴り返さないといけない

舐められたまんまだとしゃぶり尽くされる

まあ、そのせいで人生が色々と上手くいっていないのは事実ですが

後悔は1つもありません

自分の信じる行動指針を守っているからです

483.引き戻し

パツンッ

モニターの映像が途切れる

マルゴさんが、電源スイッチを切った

マルゴさんは、部屋のドアを開ける

2人とも、もうモニターは切ったから、入っておいで

そこには別室へ言ったはずの寧とメグが立っていた

やっぱり、ヨッちゃんが心配だったから

廊下で待っていてくれたのか

2人は、マルゴさんに促されて部屋に戻る

あたしたちは、もうあの部屋の中の様子は観ないよここまでだこれ以上は、観ても意味がないよただただ陰惨な状況が続くだけだからね

この後は延々と、白坂創介が、いたぶられていくだけだろう

舌と手を切られるだけでは済まない

しょうがないよねもし、白坂創介が一度でも自分が悪かった許してくれって謝罪したらまた違った結末になったかもしれないけど

カメラの前ではさとっくの昔に、白坂創介の処罰は決定している様に話していたけれどさミナホと恭子さんは、本当は何種類もの準備をしていたんだよ

これは私刑だからね本物の法廷での、法律に則った公正な刑罰にはならないんだよ

そんな話を復讐がスタートする前にも、聞いた気がする

ぶっちゃけて言うとさ今さっき、ミナホはあたしたちには、娼婦の誇りがあるとか綺麗にまとめちゃったけれど、あんなこと本人は全然信じていないからね

マルゴさんはオレたちを見る

翔お姉さんだけは知らないと思うけれどみんなは、岩倉幸代のことは知っているでしょあの子みたいに誇りもプライドも無い、インモラルなセックスが好きだっていうだけで娼婦をやっている子もいる白坂創介寄りの娼婦だっていたしねお屋敷のお姉さんたちは、決して一枚岩じゃないんだよ

みんながみんなミナホ姉さんの考えに賛同しているわけではない

君がさっき言った生き延びる意志を持って、娼婦になる覚悟をした人間だけが生き残ったという意見は、理想的すぎるよ覚悟なんかしなくても、ただ単純に生命力が強くてしぶとく生き残った人もいる

岩倉さんなんて、確かにそうだ

ヴァイタリティと行動力だけが、有り余っている

なのに深く物事を考えてはいない

その場の感情に任せて突発的に行動する

でもさああやって娼婦の誇りがなんて話をすれば、岩倉さんみたいな子だって、何か自分が褒められている様な偉くなった様な感じがして気分がいいだろ雪乃さんは、娼婦にすら成れなかったけれどあたしたちは、自らの意志で娼婦になったのですなんて言われると

そうやって、白坂創介の愛娘である雪乃さんを見下すことができれば気分がいいだろだから、雪乃さんは生き続けることが許されることになったんだよ

永遠に元・娼婦たちから見下される対象として

あの状況で、ミナホが雪乃さんを救うにはそれしか手段は無かったと思う

マルゴさんは、そう断言する

じゃあ、ミナホ姉さんは雪乃を助けるために、わざと

もちろん、雪乃さんのためだけじゃないさああして娼婦としての誇りという概念が生まれて、それを基に雪乃さんを笑ってしまったという記憶が残れば岩倉さんたちも、今後は身勝手なことはしにくくなるからね品の無いことをしたら、ミナホから娼婦の誇りを失くしたのそれじゃあ、雪乃さんと同じじゃないって叱責されるだろうからさ

雪乃を見下すことで岩倉さんたちは、品の無い振る舞いを控えることになる

そういう風に、釘を差しておくためにミナホ姉さんは

まあ、一石二鳥っていうかどうにか、雪乃さんの首は繋がったよその代わり白坂創介に対する処刑は、より酷くなったけれど

岩倉さんたちが、絶対にミナホや恭子さんに逆らわないように圧倒的な恐怖を心に刻みつけるためにそこまで、やらなきゃいけなくなっているんだよ

オレたちは、ハッと息を呑む

ミナホの立てた最初の計画では白坂創介を殺す予定は無かったんだ恭子さんが白坂創介の面影がなくなるくらいに、顔を変形させてこれは実際に、やっていただろそれで他人の身分証を持たせて、大阪のホームレスの溜まり場に捨てに行く予定だったんだよ所持金は、300円だけしか渡さないで

他人の身分証でホームレス

マルゴさんはポケットから、免許証を取り出す

モミヤマ・モミゾウ、48歳、住所不定無職中学卒業後、パチンコ屋に勤務21歳と、29歳と、32歳と、44歳の時に婦女暴行の罪で逮捕され、4回も刑務所に入っていた血縁も1人も無しそういう架空の人間の戸籍をこっそり作ってあったんだ

白坂創介にはこのモミヤマ・モミゾウとして、残りの人生を全うさせるつもりだった

それが、罰なんですか

白坂創介は生まれてからずっと、白坂家の力を背景に好き勝手をやってきたろエリートとして、普通の人たちを見下して生きてきたお金に困った経験も無い学生時代にアルバイトをした経験も無い職歴は会社勤めだけだ

うん大手広告代理店の部長だったんだよな

そんな、良い暮らししかしてこなかった男がさいきなり、周りに誰も助けてくれる人がいない土地へ送られそれも、ホームレスの中に突き落とされたら、どうなると思う

他のホームレスの人とは合わないだろうな

住所不定・無職のまんま自分で何か仕事を見つけて働くことだってできないと思うよ肉体労働とか、まずできないだろうしね

エリート会社員の仕事しか、したこと無いんだもんな

40過ぎて、ホームレスな人でも就ける様な仕事なんて始められるわけがない

その上役所の人や、警察に身分証を調べられたら常習的な性犯罪者で刑務所帰りという過去だけが提示されるそんな人間誰も相手にされないだろう

ミナホは、白坂創介にどん底で生きる苦しみを味わせたかったんだよ汗と涙をね

そう言うマルゴさんにみすずが

でも白坂創介さんが、自分は、モミヤマ・モミゾウでは無い白坂創介だって主張したら、どうなるんですそれこそ、警察に名乗り出たら

マルゴさんはククと笑う

そうなったら白坂家が、彼を暗殺するだろうねあるいは、彼と取引のあった暴力団関係者がヒットマンを送り込むよ

白坂創介が、ホームレスとして生きていたと知ったら白坂家は、身内の恥を抹殺するだろう暴力団は、白坂創介との関わりを喋られるのを嫌がって、殺し屋を送り込んで来る

最後は確実にそうなる白坂創介みたいな男がホームレスとして身を隠すなんてことに耐えられるわけがないからどん底の生活環境に耐えられなくなって自分の正体を喚き散らすのは、時間の問題だよそしたらあたしたちが直接手を下さなくても、他の人間が確実に彼を殺してくれる

いや、ミナホとしては死ぬまでに、ほんの少しの期間でも白坂創介にどん底の地獄を生きる体験をさせたかったんだよみじめで、情けなくて空腹で、孤独なだけの生活をね

確かに、復讐としてはそっちの計画の方が、苛酷だ

でもそんなことは、もうできなくなった今は、岩倉さんたちに強い恐怖を感じさせるために血を見せないといけない

ミナホ姉さんに逆らって暴力団と手を組んで、売春活動を再開したりしないように

恐怖を刷り込む

雪乃さんにもね

雪乃さんもお父さんの血を見ることで、はじめて命だけでも助かって良かったと思うようになるよ

ああ雪乃は、喉元過ぎれば熱さを忘れる娘だ

血を見なければ自分がギリギリの状況で救われたことを、すぐに忘れてしまうだろう

結局底抜けに、優しい人なのね黒森さん

翔お姉さんが、ミナホ姉さんのことをそう言った

自分の感情を抑えて場の雰囲気を的確に感じ取って、最適な選択をしていらっしゃるのね

例えば雪乃さんも、マナさんも白坂創介の娘なのにマナさんは無罪放免で、雪乃さんは有罪って言うのよく考えたら、おかしいでしょ

ダブルスタンダードだって言われても仕方無いわよねでもこれでいいのよ不公平で私刑なんだから

私刑

その場の空気でマナさんは必死に頭を下げているし、あなたのことも本当に愛しているんだなっていうことを、元・娼婦の皆さんが感じ取って助けてあげたいなっていう空気になったから無罪放免なの黒森さん、そういう空気を作るために奮闘なさっていたでしょ緊急アンケートまで採って

確かに、そうだった

場の空気が、助けてあげてもいいになったからマナさんは、救われたのしかも、その決定は元・娼婦たち全員の投票結果だから後々で、文句を言ってくる人もいないでしょうしね

それはその通りだ

でも、雪乃さんの場合はあなたがせっかく、雪乃さん自ら、他のお姉さんたちと同等の娼婦という身分に堕ちるという形で、何とか生きることだけ許してもらうというアイデアを出したのに

あの子は娼婦になることすらできなかったわ自分の感情の方を、優先にしたあれでは元・娼婦たちの反感を買うだけだわ

翔お姉さんは、そう分析する

あんな状態だったら例え、雪乃さんとあなたがセックスできたとしても、お姉さんたちの反発の空気は消えなかったと思う今のセックスのどこが娼婦だったんだってことになるわ

お姉さんたちは雪乃を許してはくれなかったろう

結果論だけれどあなたが、あんな雪乃さんとセックスできなかったことは良かったのようまい具合に場の空気に乱れが出たから

その乱れの隙を付いてあたしたちも、あの部屋に乱入できたわああいう空気で無ければ入り込めなかった元・娼婦たちの復讐への思いは、とても根が深いものだから部外者の乱入は、本来、受け付けられないはずなのよ

翔お姉さんの言葉に、寧とみすずが頷く

そうだよねっ復讐とは関係の無い第三者のあたしたちが、あの部屋に飛び込むためにはお姉さんたちの復讐行為そのものについては、少しも否定しないでただひたすら、ヨッちゃんを守るという理由だけで押し通すしかないもんっ

ええ、寧お姉様が頑張って下さいましたわ

みすずは、真顔でそう言った

あそこで、寧さんがワーッてハイ・テンションで叫んだからいや、もちろん、中継を観ている元・娼婦のほとんどは、寧さんが何をあんなに怒っているかは判っていないわよでも、ああいう乱入で煮詰まっていた場の空気を冷ますことができたから

うん先生は、その後、娼婦にさえ成れなかった、雪乃さん理論に話をすり替えることができたんだよっ

良かったですね旦那様雪乃さん殺されずに済みました

あれ全部お芝居だったんですか御名穂さんも、寧お姉さんたちも

違うよ恵美判ってないなぁ

寧が、ハァと溜息を吐く

あんたさあ雪乃さんとヨッちゃんが、セックスしようとしてカチャカチャやり合っているのを見てどう思った

寧の質問にメグは

嫌でした見ているのが

はんっどうして

寧がさらに突っ込む

だってヨシくん、雪乃と話している時だけは2人とも遠慮が無くて、気安くとても仲良さそうにしているから

ヨシくんはあたしたちには、本当にいつも気を遣ってくれてそれは、とても嬉しいんだけれどでも、あたし、雪乃に嫉妬していました雪乃はヨシくんにだけは、本当に心を開いていてヨシくんも、そんな雪乃を受けとめているから

恵美あんたは、雪乃さんと同い年の姉妹で、いつもあの子のことを見上げていたから判らなくなっちゃっているんだよ

あれは、気安さなんかじゃないんだよっ

雪乃さんが、ヨッちゃんに無遠慮なのはただ甘えているだけなんだよヨッちゃんに、心を開いているのだってどこまでも、ヨッちゃんになら甘えられるって、思い込んでるからさ

それは判りますでも

いや、恵美は、まだ判ってないよ雪乃さんは一方的に甘えてきて、もたれ掛かってくるだけなんだその上

寧の言葉をみすずが引き継ぐ

雪乃さんは、旦那様に恋愛感情は持っていませんそう断言していましたわ

恋愛感情

恵美もう1回、頭の中を整理して、考えてご覧昔、好きだった女の子にいや、もしかしたら、ヨッちゃんはまだ好きなのかも知れないそういう女の子にさ

寧がメグを見る

あたしは、あなたには何でも甘えられるし、気安く無遠慮な態度でいられて、何でもお願いできて、とても便利けれどあたしは、あなたのことを男としては、全然好きじゃありません恋愛感情なんて、世界が引っ繰り返っても絶対に持てないと思いますそう言われたら、どう思う

雪乃さんは、無邪気に屈託無く、そういうことを平気でおっしゃっていたんですわ旦那様にずっと

そして怖い人から、あなたとセックスしないと殺すって言われてるから、さあしましょうあたしたち、セックスだけは肌が合うからできるわよねあなたのことは、全然好きじゃ無いけどって、言うんだよ雪乃さんは

その上雪乃さんは

あたしに娼婦になれっていう指示が出ているから、あなたのことが好きだって、一応、言っておいてあげるわでも、これ嘘だから本気にしないでねって余計な注釈つきで話していたっ

旦那様が、可哀想でした

そうだよそんなんでそんな女を相手に、ヨッちゃんが勃起できるわけがないよっあのバカ女っ

ヨッちゃんの心をとことん傷付けていてそれなのに、ヨッちゃんは雪乃さんのために何とか勃起させないとって、一生懸命に頑張ってて

そうですわっ

寧とみすずにはそんな風に見えていたのか

うんあのまま、無理にセックスをしたら、あなたの心が壊れることになったと思うわ雪乃さんを救うためにしているのに雪乃さんは、ひたすらあなたの心を踏みにじっているだけなんですもの

だから、乱入して来たのねあなたたち

ずっと黙っていた渚が呟く

そりゃそうだよ場の空気があるもの娼婦だった、克姉や渚さんじゃ、あの場を壊せないでしょ復讐のことに重点を置いている人たちは、ヨッちゃんの心に配慮している余裕は無いものっ

白坂雪乃、あたしブン殴ってやりたかったわよっ

ヨッちゃんに、あんな下手くそな嘘で愛しているって言うくらいならヨッちゃんが友達になりたかったって言った時に、友達ならとか答えろってのっ

そうですわ友達になるのも無理なんて言ってそれなのにセックスはしろなんて旦那様をバカにし過ぎていますわっ

だから勃起しなかったんだ

どうにも勃たなかった

雪乃が本当に、オレのことなんか好きにならないってことが判って

友達にすらなってくれないことが判って

オレは雪乃を助けたくて

一生懸命に、チンコを勃てようと必死で

あの子はあなたが、自分に尽くしてくれるのは当然だと思っていたあなたの優しい心を踏みにじっていたわ

そうだよほんの少しでも、ヨッちゃんに優しくしてあげれば良かったんだ嘘で良いから友達にくらいなるって言ったっていいじゃないかっ

あんな心の人と無理にセックスをしたら、旦那様の心は壊れちゃいますそんな苦いセックスを、旦那様が経験してはいけないんです

あははそっか、そういうことか

オレは渇いた笑いしか出なかった

寧が、オレの手をギュッと握りしめる

ヨッちゃんは、心を壊しちゃいけないんだよ判っているよねヨッちゃんには、もう守らなくちゃいけない家族がいるんだから

うんオレも、そのことは判っていた判っていたのに

しょうがないわ男の子は、昔好きだった女の子には嫌われたくないもの

翔お姉さんがそう言う

って大徳さんが言ってたわあの人の場合だから、昔好きだった男の子になっちゃうんでしょうけれどどうしても、未練が残るものだって話してくれたことがあるの

オレの未練

雪乃への

だから、あたしたちが強制的に、ヨッちゃんをあのバカ女から引き離したんだよっ

乱入してからみすずと、翔お姉さんは、ずっとオレを抱き締めてくれていた

オレの眼を手で目隠しして雪乃の姿を消してしまった

あんな子にヨッちゃんは、渡さないよヨッちゃんはあたしたちのだっ

寧が、オレの手を握りしめている強い力で

そうガマンできなかったのね、あなたたち

渚が3人に言った

あなたたち3人の気持ちが判ったから御名穂さんは、あなたたちの乱入を受け入れたのねそして

あなたの気持ちも判っているから雪乃さんの命だけは、何とか助けられるようにロジックで誤魔化したのね

ロジック

雪乃さんは娼婦にさえなれない女だから自分たち以下だ殺す価値も無い一生、セックスさせないで笑いものにするから、生かして置いてやるというロジックで、元・娼婦の皆さんの溜飲を下げたのよ

でも、それだけじゃ不足だからお姉さんたちの復讐心が不完全燃焼になるから最初の予定を変更して、白坂創介を徹底的にいたぶることにしたんだよ

マルゴさんが、使用されなかった偽造免許証を見ながら、言った

血と呻き声を見せることでお姉さんたちの復讐心を満足させるそのためには、雪乃さんの眼の前で白坂創介をいたぶって雪乃さんにも、涙を流させる

そこまでオレはミナホ姉さんに負担を掛けているのか

ハード路線で行くしか無くなったから、あたしたちは外に出されたんだだから、もう部屋の中の映像は、観なくて良いあたしたちが観る必要は無いんだ

今、あの部屋の中でミナホ姉さんと、恭子さんと、克子姉は鬼になっている

白坂創介は、生きながら地獄に堕とされ

雪乃は、そんな父親の姿を見せつけられ泣き喚いているだろう

あたしは終わるまで、ここで待っているよ

君は君のするべきことをして

オレのするべきこと

君には家族がいる

マルゴさんがオレを見つめる

オレ、真緒ちゃんとお風呂に入る約束をしていました

それならさ、アニエスたちも一緒に入浴させちゃおう

アニエスは池田先生のところへ連れて行くんですよね

それは、あたしが車を出すわ

渚が答えてくれた

でも、先にみんなでお風呂に入るっていうのは、良いアイデアだと思うわよ

そうだね、渚さんじゃあ、あたし大浴場の準備をしておくっ

ヨッちゃんは、まずアニエスの具合を看てあげてついでに、マナの様子も

そうだね姉さん

あたし、何か食べる物を作るわ

晩ご飯まだだから

そう言えば適当に、サンドイッチとか軽食を摘んだけれど

今夜は、ちゃんとしたご飯は食べていない

じゃあ、あたしとお台所へ行きましょう

あたしも、そっちへ行きましょうか

そう言うみすずに、寧が

あ、みすずは美智の方へ行ってあげて監視モニターで観たけど、イーディの相手で大分くたびれてるみたいだから

それならさみんなまとめて、お風呂に連れてきてよ

オレが言った

台所班以外は、みんなお風呂そうしようよ

翔お姉さんが

あのわたくしもお風呂

あ、嫌ならいいです

いえ嫌じゃないわ

お風呂みんなと一緒に入ってくれるんだ

よっしじゃあ、移動しようっ

寧の号令でオレたちは、外へ

マルゴさんミナホ姉さんたちを頼みます

大丈夫だよ雪乃さんも含めて、ちゃんと見ておくから

マルゴさんはそうオレに、言ってくれた

廊下に出ると寧が

オレを抱き締めキスする

ヨッちゃんあたしたちが居るんだからね大好きだよ愛しているあたしのこと、忘れないで

オレも、寧を抱き締めキスする

寧の温かい肉体

肌の臭い

全身で、五感で寧を感じる

そうだ、これが姉さんだ判るよ、オレ

愛し合った記憶が一気に蘇る

あたしもです愛しています愛しています愛しています大切なことだから、3回言いましたみすずのことも、忘れないで下さい

次にみすずが、オレにキスをする

オレが雪乃への未練に、引っ張られたから

みんな、ちょっと不安になっているんだ

オレの心を引き戻そうと抱き締めてキスしてくれる

みすずの瑞々しい肉体

鼻の先で髪の匂いを嗅ぐ

みすずは、いつもこのシャンプーだな

嫌いですか

好きだよみすずの匂いだもの

はい、みすずは旦那様のものです

次に、渚がオレの前に立つ

あたしもあなたが好きあなたが好きあなたが好きあなたの赤ちゃんが欲しいし、あなたのママにもなりたいあたしのこと、忘れないで

渚の豊満な肉体に抱き締められる

ぷっくりとした唇の感触

渚の肌は、大人の女性の匂いがする

ママの匂いが

えっとわたくしは

翔お姉さんが照れている

もういいわっわたくしも、好きッ覚えていてっ

オレを抱き締めサッとキスする

翔お姉さんもう一度

ちゃんと、翔お姉さんの温かさを感じたい

オレたちはもう一度、抱き合って

唇を重ねる

うん、覚えたこれが翔お姉さんだ

オレよりも背が高い引き締まった身体

でも、良い匂いがする

これは働いている女性の匂いだ

忘れないでね

翔お姉さんは、ニコッと笑った

最後にオレはメグを呼ぶ

メグは曇った顔をしている

その理由を、オレは理解している

メグ考えすぎだよ

オレメグには勃起するから

雪乃には勃起しなかったけれど

メグの匂いを嗅いでいるだけで勃っちゃうよ

メグが、オレの胸に飛び込んで来る

好きだから気安くなれないことだってあるんだよ

うんごめんねヨシくん、ゴメン

オレたちはキスする

長身で細身のメグ

小振りだけど形の良い胸の弾力

メグの肌はお日様の匂いがする

健康的な小麦色の

ヨシくんあたしもね

ヨシくんに抱き締められるだけで、濡れちゃうのっ

笑っているメグは、笑っている

そりゃそうさオレたち、愛し合っているんだもの

うん愛している愛しているよヨシくん

感想欄のご意見に、影響を受けないようにしばらく読まないでいたのですが

昨夜、見てみたら凄い量になっていました

いつもありがとうございます

で色々と、私の表現力、構成力不足を感じました

なので、今話は解説回になってしまいました

こういう回を挟まないといけないのは、敗北宣言以外のなにものでもありません

雪乃と吉田くんの関係は一見、気安く、心を開いて仲よさそうなのですが

それは雪乃が、吉田くんを男と見ていないからなので

辛いですねそういうのは

484.御名穂という女

復讐の部屋と、その控え室

それを後にしてオレたちは、廊下を歩く

マナとアニエスは

ああ、さっきの控え室じゃなくて食堂の隣の部屋に連れてったよストレッチャーごとっ

オレの問いに寧が答える

ずっとさ白坂創介の居る部屋の近くに置いとくのは、よくないと思って

アニエスだけでなくマナにも影響が出る

あの部屋から今は、黒いオーラが出ているからねっ

寧が、後ろを振り向く

確かに背筋がゾッとするような、冷たい雰囲気を感じる

とにかく、あたしたちもこの一画から離れようよっ

オレたちは廊下を進む

ここは、あたしの部屋だった克子は隣

廊下の途中で、不意に渚が言った

廊下の天井を見上げ並んでいるドアを観ている

ここはお姉さんたちのお部屋でしたね

メグも言う

メグは、生まれてから数年をこの屋敷で過ごしている

黒い森はね、御名穂さんが守り続けた娼館なのよ

自分の部屋だったドアを、懐かしそうに触って渚は言った

普通の娼館なら娼婦同士がもっとギスギスした関係になるのよお客様の取り合いとか誰が稼ぎ頭かとかつまらないことで、いがみ合って

そう言えば黒い森の娼婦たちに、そういう争いがあったという話は聞かない

あの岩倉さんでさえ娼婦である克子姉を標的にはしなかった

あの人が裏組織の人間に示したのはオレとマルゴさんと寧の3人だけだ

それはね大抵の場合、娼館を経営しているのは、男の人でしょ男の人がトップに立って娼婦たちを上手にコントロールするために、わざと競わせるのよ女の子同士を仲が悪くしておけばみんな、経営者の男の人に自分の功績を認めてもらおうと、一生懸命に働くし娼婦たちが団結して、反乱を起こすことも無いでしょ

なるほど、分割して、統治するですか

翔お姉さんが渚の話に頷く

でも黒い森は、そうではなかったのよ

どうしてです渚お姉様白坂創介さんだって、男性の娼館運営者ですよね

あの人は救い様の無いくらいのバカでしょお嬢様が運営者に参画する前の白坂創介が、お嬢様のお祖父様から娼館の経営権を奪い取った頃はね新しく誘拐して来て、娼婦に堕とした子にはまったく報酬を渡さなかったのよ何人、お客を取ってもね

報酬ゼロ

驚く、翔お姉さん

食事はちゃんと出ていたけれど、他は無し着るものは、お客様の好みに合いそうなセックスのための衣装だけで、娼婦には自分で選ばせたりはしなかったそうよ

うんそうだったわ

あたしのママが生きていた頃はお姉さんたちは、みんな希望が持てなかったのよ白坂さんに次々、お客を取らされても娼婦には何も与えられないんですもの

さすがに、優花さんたち白坂創介が入り込んで来る前からの娼婦には、そういうことができなかったそうよそういう古参のお姉様方はもう、それぞれ特定の有力な顧客を持っていらしたから

そうかミナホ姉さんのお祖父さんが経営していた時期は、本物の特権階級の人たちを顧客とした高級娼館だったから

優花さんたちの顧客は、みんな政財界の有力者たちばかりのはずだ

だから、白坂創介は優花さんたちには、手荒なことはできなかったし高級娼館としての黒森楼の評判は落ちていったけれど、完全に潰れてしまうことは無かったのよ

優花さんや、秀美さんたち古参のお姉さんたちが、残っていた頃は

白坂創介は、それが面白く無いでしょうだから自分たちが誘拐してきて、娼婦に堕とした女たちからは、徹底的に搾取したのよ

どれだけ売春させられても何も与えられない

はいあたしが生まれた後でも白坂さんは、ママに何もしてくれなかったそうですあたしのミルクや、洋服はみんな、古参のお姉さんたちが憐れんで買って下さったものばかりだったそうです

自分の顧客をすでに掴んでいた古参娼婦しかお金を持っていなかった

あたしがお屋敷の中で生きてこられたのはお姉さんたちが、助けて下さったからですママはいつも、お姉さんたちに感謝していました

メグも昔を思い出しているのか廊下の天井を見上げる

メグは、6歳までこの娼館の中で育ったんだっけ

そうねあたしが、このお屋敷に来る前のことだから、話でしか聞いていないんだけど御名穂さんや恵美ちゃんのお母様の時代が、一番、大変だったって聞いたわ

その頃は12歳で娼婦に堕とされたミナホ姉さんも、身体を売らされていた

その代わりみんな同じ条件でしょ白坂創介が、自分で連れて来るのはご同類のヘンタイばかりだし御名穂さんの世代の娼婦たちは、お互いを励まし合って、助け合っていたそうよだから娼婦同士のイザコザは起こらなかったそうなの

むしろ、娼婦同士でケンカなんかしたら生きていけない

地獄の環境の中で、頼りに出来るのは、仲間の娼婦しかいないのだから

それから恵美ちゃんのお母さんの事件があって

メグのお母さんの恵子さんは白坂創介の連れて来た客に、違法薬物を打たれ

意識不明になったのに、医者に連れてってもらえず死亡した

御名穂さんと妹さんのこともあって

ミナホ姉さんと妹の奈生実さんは客に妊娠させられ

白坂創介の連れて来た非合法の医者に、下手くそな堕胎手術をされて

奈生実さんは亡くなり

ミナホ姉さんは、セックスの出来ない身体になった

それで娼婦たちが結束して、サボタージュを起こして優花さんが、香月閣下にご介入して下さる様にお願いして下さったのよ

ジッちゃんは白坂創介のクーデター後の黒い森を敬遠して、すっかりお屋敷に来なくなってしまっていたという

だが、娼婦たちの嘆願を聞いて手を差し伸べてくれて

それで監査役としての恭子さんが派遣され、娼婦たちの代表として、御名穂さんが運営に参画することになったのよ白坂創介の暴走を抑えるために

ああ何で、こんなに細やかに話しているのか判った

渚は翔お姉さんに、話しているんだ

香月セキュリティ・サービスの調査資料を読んだだけでは判らない娼婦の眼から見た、黒い森の内側を

御名穂さんが参画してから娼婦たちの待遇は改善されたそうよちゃんと働いた分のお金ももらえるようになったわただし普段使えるのは、その一部だけで、ほとんどの稼ぎは引退する時にならないと貰えない仕組みだったの

翔お姉さんが尋ねる

白坂創介が1人で経営していた時期にあんまりにも、どんぶり勘定だったというかあの人、自分の仲間からはお金を取らなかったしお屋敷のお金を勝手に個人で使い込んでいたりして経営状態が良くなかったのよだから、御名穂さんが運営者になっても、最初の数年は経営の立て直しにお金が必要だったから

娼婦たちに稼いだお金を、そのまま手渡すことはできなかったのか

でも、結果的にそれが良かったのよ無報酬の奴隷生活からいきなり、大金を手渡されるようになったら、娼婦たちの生活感覚が狂っちゃうしそれこそ、お客の取り合いとか、稼ぎを競い合うとかでイザコザも起きていたでしょうし

それに力が弱まったとはいえ、白坂創介を追放することはできなかったからヘンタイ部門は残ってしまったしあたしや克子みたいに、女の子が誘拐されて娼婦に堕とされることも続いたわ

それこそどうして止められなかったのですか

翔お姉さんのの問いに渚は

御名穂さんのお父様黒森公一郎が健在だったからよ公一郎さんは、白坂創介に頭が上がらなかったから閣下のご介入があっても、黒森家の当主が黒い森の代表者であることは変わらなかったから

ジッちゃんに睨まれながらも白坂創介は、好き勝手を続けていた

御名穂さんがお屋敷の経営を立て直し、内部を完全に掌握するまでには、やっぱり、かなり長い時間が必要だったのよ

うん去年までは、学校の中まで白坂創介の配下が潜り込んでいたもんねっ

オレの学校の校長や一部の教師たちも、黒い森の関係者であり

高校の女生徒たちの中から、新しい娼婦を見つけ出す任務を負っていた

あたしも、襲われそうになってマルゴお姉ちゃんが、先生1人再起不能にしたものあたしも、剣道場を燃やしたし

寧の起こした騒ぎは金髪の不良娘としての寧の評判を作った

はっきり言って去年の秋になってからだよ先生と白坂創介の力関係が逆転したのはさ

ああ、黒森公一郎氏の不祥事の件ですね

翔お姉さんはレポートを読んでいるらしい

去年の秋ミナホ姉さんの父親が、とある暴力団の組長の娘と肉体関係を結んでその不祥事が原因で黒い森が休業に追い込まれて

御名穂さんがやっと、お父様を処分なさる決心をなさったから

黒森公一郎はミナホ姉さんによって、廃人となった

もう二度と意識が戻ることは無い

話を戻すけれどとにかく、御名穂さんは運営者になってから、物凄く娼婦たちに気を遣って下さったのよ白坂創介に誘拐されてきたばかりの子の精神的なフォローから金銭的な問題それぞれの娼婦の顧客が被らないように、調整して下さったりお行儀の良くないお客様は出入り禁止にして下さったり何から、何まで

だから黒い森の娼婦は、みんな仲が良いのよ仲違いするような要因は、全部、御名穂さんが取り除いてくれたから

それぞれの娼婦に合わせて、その娼婦がどういうタイプでどんな顧客に求められているかあるいは、顧客になっては合わない人もいるっていうことを、懇切丁寧に話して下さってあなたは、ここが優れているとか顧客の**さんは、あなたでないとダメとか言って下さるのだから娼婦としての自分のポジションに納得できるし、前向きに生きていく自信が付くのよ他の娼婦に嫉妬もしないわ自分の価値を、ちゃんと見ていてくれる人がいるんですもの

そこまでやっていたんだ

それに娼婦を引退した後の夢についても、話し合う場を作ってくれたあたしの場合はお花屋さんでお花屋さんになるためには、どういう勉強をしておかないといけないのか資金はどれくらい必要なのかそういうことを、事細かく調べて下さって通信教育の講座を受けられるようにもしてくれたわ自分の夢と夢を実現するための的確なステップを御名穂さんが示して下さったからあたしは、娼婦時代に気が狂わずに済んだんだと思っている感謝しているの

それでもこんな境遇に堕とされて、不満が溜まっている娼婦もいるでしょうだけど、御名穂さんのお父様と白坂創介が居る間は、娼婦の身分から自由に解放してあげることはできないから

その時代の娼婦を辞めることのできる条件は

妊娠・出産することだけだった

だから渚は、真緒ちゃんを産み娼婦を引退した

珠代さんも男の子がいると言っていたから多分

でも、不満を抱えた娼婦が、白坂創介に憎しみをぶつけたらその娼婦は、酷い目に合わされることは判っているでしょうだから、そういう子に対しては御名穂さんは、強い恐怖で縛ることにしたのよ白坂創介以上に、御名穂さんを畏怖するように心を鬼にして

岩倉さんの場合がそうか

と、いうより御名穂さんは、あたしたちとは違う立場だから

さっき、あなたが指摘した通りよあたしたち娼婦はいつか、このお屋敷から出て行くという夢があったけれど御名穂さんは

黒森家の人間として運営者となったミナホ姉さんは

お屋敷を出ることは許されない

それに御名穂さん自身は、もう娼婦に戻ることはできないでしょ

ミナホ姉さんの身体はセックスができなくなってしまった

あたしたちに優しくすればするほど御名穂さん自身は、辛かったろうって思うの

地獄に堕とされた娼婦たちを救うことに人生を懸けながら

でも、御名穂さん自身は黒い森から脱せない

その上娼婦にも戻れない

同じ立場の仲間が、いない

娼婦たちの庇護者として働いて下さるのに御名穂さんは、ずっと孤独だったのよどんどん孤独になっていったんだと思うわ

だからいつも感情を押し殺していた

無表情で演技としての冷笑でしか、笑わない

克子は御名穂さんの孤独が、判っていたんだと思うわだから、あの子は去年の秋に、黒い森の活動が休止になって、娼婦たちがみんな外へ解放されたのに1人だけ、お屋敷に残ったんだと思うわ

克子姉はお屋敷に残った、たった1人の娼婦だった

マルゴお姉ちゃんも、そうだよ

マルゴお姉ちゃんは本当に、先生のことが好きだから

寧ちゃんも、そうでしょ

あたしはシザーリオ・ヴァイオラのこともあったしここに居るしかなかったんら

寧は、寂しそうに言った

ああそっか

ミナホ姉さんは黒森じゃ無いんだよ

学校ではお母さんの方の姓を弓槻を名乗っているだろ

ええ、そうだけど

メグや、他の女たちがオレを見る

ミナホ姉さんは確かに、黒森公一郎の娘だけれど隠し子だったんだろお母さんと妹と一緒に、弓槻御名穂として生きていたんだろ

黒森家の娘だという自覚は無く

それが12歳で誘拐され、犯されて、娼婦にされて妹さんも、連れて来られて殺されてお母さんは、誘拐された娘たちと会うことはできないまま病死したって聞いたよ

その通りよ

家族を失ってもう、帰る場所がなくて独りぼっちで身体はもう、セックスができない恋も結婚も、諦めないといけない

セックスができないのに子供が産めないのに

ミナホ姉さんは、男性に愛してもらえるとは思わなかったんだろう

そしてミナホ姉さんは、たまたま、黒森家の血を引く娘だったから黒い森の運営に関わる正統な理由が、たまたま有ったからミナホ姉さんは、娼婦たちの庇護者という仕事を受け入れるしかなかったんだよ

ミナホ姉さんはその運命を受け入れるしかなかった

でもミナホ姉さんの心は、黒森じゃないんだよだって、ミナホ姉さんは黒森の家からは、何の恩恵も受けていないんだから

母子家庭で父親や父親の家のことを何も知らないでミナホ姉さんは、育った

ただの普通の女の子弓槻御名穂なんだよそれなのに血が繋がっているからって、黒森家が抱え込んだ問題全てを1人で背負い込まされているんだ

黒森家の罪

初代、黒森公之助が高級娼館を設立し、生業としたこと

2代目、黒森公一郎が白坂創介という極悪人に唆され、娼館をメチャクチャなものに変えてしまったこと

その、どちらも

ミナホ姉さんとは関係の無い世界だった

弓槻御名穂は、母と妹と家族3人で幸せに暮らしていたのだから

オレ勘違いしていたミナホ姉さんの復讐を

ミナホ姉さんはただ個人として、自分や妹さんの恨みを晴らすためにこんなことをやっているんじゃないんだ

翔お姉さんが口を開く

あたしもそんな風に感じていたわ黒森さんはずっと、カメラの向こうの中継を観ている元・娼婦の皆さんの方を気にしていたわ

ええ自分のことより、娼婦たちの庇護者としてあたしたち娼婦に堕とされた女たちの復讐心を満足させることに気を遣って下さっているわ

多分ミナホ姉さんはもちろん、白坂創介のことは憎いし、恨みを晴らしたいっていう気持ちは大きいんだろうけれどミナホ姉さんの復讐の目的は、白坂1人の問題じゃ無いんだよ

オレは確信する

ミナホ姉さんは黒い森そのものを滅ぼしたいんだ黒い森を完全に消滅させないと

ミナホ姉さんは、黒森御名穂の役を脱ぎ捨てて弓槻御名穂に戻れないんだよ

オレはミナホ姉さんを、抱き締めたい

今、ミナホ姉さんは

元・娼婦たちの恨みの念を晴らすために鬼と化している

鬼として白坂創介という人間を、切り刻んでいる

ミナホ姉さんが鬼となり自ら、手を白坂創介の血で汚せば

その光景を観ている元・娼婦たちは罪を犯さずに済むから

元・娼婦たちが、殺人者の重荷を背負わずに

それでいて、娼婦に堕とされた憎しみを全て解放できるように

ミナホ姉さんは鬼になっている

克子姉と恭子さんはそんなミナホ姉さんの心が判るから

一緒に鬼になってくれている

だからって、あたしたちはあの部屋には戻らないわよ

それでは御名穂さんの心を無にすることになるわ

ミナホ姉さんはわざわざ、オレやマルゴさん、渚とメグ、それに乱入者である寧、みすず、翔お姉さんの3人を退室させた

オレたちに残虐な場面に立ち会わせないために

その場にいなければ映像で観ているだけなら、罪の念は薄まる

マルゴさんはさらに、白坂創介のペニスが切断されたところまでしか、オレたちに観せなかった

自分1人で最後まで、見届けると言ってオレたちを外に行かせた

オレたちの心にトラウマを残さないように

ヨッちゃん、あたしたちはあたしたちのできることをしよう

まずはあったかいご飯とお風呂それから、真緒ちゃんやあっちの部屋の惨劇を知らない子たちに心配を掛けないことだよっ

みんなが戻って来たら、ニコニコして迎えてあげようよ家族だもんっ

そして家族として、先生に何をしてあげられるのかみんなで考えようよ

寧がオレたちの眼を見る

そうですね、寧お姉様

絶対にあるはずですわあたしたちにできることが

そうね今は、こんなにたくさんの人が家族なんですものね

翔お姉さん、期待しているよっ

寧が、ニッと笑う

ううんヨッちゃんのために、あたしたちと乱入してくれたことで判ったよ翔お姉さんも、あたしたちのお姉さんだって

結局言葉じゃないんですね言葉では、何とでも言えます言葉で誓いを立てたって、それで信じられるってことにはなりませんもの

そうだよっ、信じられるのはいつだって行動だよっ身体を張って、飛び込んでくれたんだもんっ信じてるよあたしっ

寧が翔お姉さんに、そう言って微笑む

ありがとう寧さん

寧でいいよあたしのお姉さんでしょ

判ったわ寧

翔お姉さんも微笑む

あたしはメグでいいです

あたしも、渚でいいですから

翔お姉さんは渚よりも年上か

ママである渚の方が、貫禄があるけれど

じゃあ、あたしもみすずって呼び捨てにして下さい

口籠もる翔お姉さん

ご不満ですか

うんと香月セキュリティ・サービスの責任ある立場に就く人としては

香月家の本家のお嬢さんを呼び捨てにするのは抵抗があるのだろう

努力致しますわ

翔お姉さんは、そう答えた

寧は風呂場へ

メグと渚は台所へ

みすずと翔お姉さんは瑠璃子と美智とイーディとレイちゃんの居る部屋に向かった

あそこが一番心配だ寧の話だと、美智がイーディに手を焼いているらしいし

こっちは、あたしたちが様子を見てきます旦那様は、どうぞあちらへ

うんみすず

オレはまずは、アニエスたちのいる部屋へ向かう

アニエスは、オレを見るなりニコニコと微笑んだ

マナも一緒に居る

大丈夫かアニエス

オレは、アニエスに近付く

アニエスはまだ、ストレッチャーの上に横たわっていた

まだ全裸のままタオルケットで身体を覆っていた

ちょっと、お股が痛いですの

オレは、アニエスの淡い金髪の髪を撫でる

平気ですのマナお姉ちゃんが、明日には痛くなくなるって教えて下さいましたの

マナを見上げて微笑む

そしたらまたして下さいの

アニエスの青い瞳が、オレを見た

パパ、大好きですの

天使の様な美少女がオレに微笑む

うん痛みがなくなったらな

アニエスは、まだ12歳だ

ハーフだから日本人よりも発育が良いから見た目は、14歳のマナと同じくらい成長しているけど

女性器の内側まで、そうなのかは判らない

池田先生に検診してもらわないと

今、寧お姉さんがお風呂を沸かしているから沸いたら、みんなで入ろう

うん、アニエスちゃん、そうしようっ

マナもまだバスローブ1枚で、その下は裸のままだった

オレもそうだけど

マナもありがとうな

オレはつい、そう言ってしまった

え、何のことアニエスは、マナの妹なんだからあたしが面倒を見るのは当たり前だよっ

それもあるけれど

マナはわざとトボケている

オレは元・娼婦の皆さんに向かって、土下座してくれたことを言っているんだけれど

改めて、蒸し返すべきことではないか

とにかくありがとうマナ

大好きだぞ、マナ

もう、お兄ちゃんそういう時は、ちゃんとキスしてよっ

マナは、ぷぅっとむくれる

あ、そうだよなごめん

オレはマナにキスをする

愛しているよお兄ちゃん一生、離れないからね

マナは、潤んだ瞳で言った

ああ離さないよ

セックス奴隷なんだもんっいっぱい、ご奉仕するからねっ

そりゃ楽しみだ

オレたちは、もう一度唇を重ねる

パパぁ、むぅぅ

下から、アニエスの声がする

アニエスも欲しいですの

オレは、アニエスにもキスをした

壁のスピーカーから、声がする

あー、ヨッちゃんお風呂、沸いてたっていうか、さっき入ったまんま、克姉が種火を消さないでいてくれたみたい

そうか後で、すぐに入れるように

みすずたちにも連絡しておくからアニエスとマナを連れて、お風呂場まで来てっ

判ったよ姉さん

オレはアニエスに

さあ、お風呂行くぞっ

タオルケットごとアニエスの裸身を抱きかかえる

いいなあ、お姫様だっこ

マナにも、今度してやるよマナは軽そうだし

小柄な中学生だもんな

寧姉さんならちょっと持ち上げられないかもしれないけれど

ちょっとヨッちゃん

まだ聞いていたか

えっと寧姉さんが持ち上げられるように、鍛えるよ、オレ

鍛えなくたって、持ち上がるわよっあたしは、そんなに重くないってのっ

いや、重いと言うより豊満なんだよ

寧は巨乳でナイスバディすぎるから

ということで復讐編は終わりです

次話で、久々に瑠璃子や美智やレイちゃんたちが登場します

美智たちとは、エッチの約束も残っていますし

雪乃の末路も、これで終わりでは無いです

まだストーリーは、連休の最後の1日分残っています

どうぞラストまで、お付き合い下さい

全部終わりきるまで、各キャラクターの運命は確定致しません

485.やせ我慢

さて、風呂場の脱衣所に行くと

何人かの少女たちはすでに来ていた

みすず、瑠璃子、美智の香月家組

それに翔お姉さんと寧

これに、オレとアニエスとマナの3人が加わる

メグと渚は、台所へ行った

あれ、真緒ちゃんとレイちゃんは

2人の姿が見えないんだけれど

あの真緒ちゃんが、おトイレなので

恥ずかしそうに、瑠璃子が言う

ああ、レイちゃんがトイレへ連れて行ってくれているのか

本当に、レイちゃんは真緒ちゃんの世話が好きだ

あ、あたしもおトイレですの

アニエスが言う

うん、じゃああたしと一緒に行こう

アニエスは、オレが今お姫様抱っこしている

大丈夫ですの降ろしてパパ

恥ずかしそうに、アニエスは言った

オレにトイレまで付いてこられるのは、恥ずかしいらしい

よっと、立てるか

ヨタヨタと立つアニエス

まだ腰が抜けているらしい

お兄ちゃんあたしが付いてってあげるからも安心して

マナが、アニエスの手を取る

はい、アニエスちゃん行くよっ

はい、マナお姉ちゃん

ぎこちなく歩くアニエスの様子を見ながら

マナが、トイレへと誘導してくれる

マナが、この数日で一番大人になりましたね

最初は、計算高いだけで自分から、人に進んでアプローチする様な子じゃなかったのに

今はちゃんとお姉さんをやってくれている

ヨッちゃんの教育がいいんだよ

オレは、何もしてませんよ

マナは、自分から変わっていったんだ

何も知らないお嬢様から生き抜く力を身に付けた

それよりアニエスには、変な趣味が無くて良かった

オレはポツリと呟く

いや、あのアニエスは、オレに排泄している姿を見せる趣味は無いんだなって

あたしのは、趣味ではありませんっライフワークですわっ

いいのか、みすず

オレに排尿場面を見せるのが人生の目的で

それに、あたしはお小水を見せているのではありませんっ一番、恥ずかしい時のあたしの姿を見ていただいているのですっ

なら、仕方がない

いきなり美智が、オレの方へワッシワッシと前に出てくる

何だ、この妙なテンションは

わたくし、イーディを説得致しましてもう一押しのところまで、来ておりますッ

ええっと何の話だ

とりあえず、ご主人様のセックスをして、赤ちゃんを3人産むところまでは納得させました

後はご主人様のセックス奴隷になるという誓約をさせるだけでございますっ

えっととりあえず、ヨッちゃんとセックスをすれば、美智の義姉妹になれるっていうことで、釣ったみたい今は、インセンティブというかオプションの契約に付いて詰めているらしいよ

寧が、状況を説明してくれる

イーディを見ると

金髪褐色肌の戦闘美少女はふんっ、ふっんと鼻息を荒くして、興奮していた

いや、オレは別に無理に、イーディとセックスしたいとかは無いんだけど

嫌々、してもらっても困る

いや、ヨッちゃんとセックスすることに関しては、全然オッケーみたいあたしたちが、一夫多妻制でファミリーとして結束しているってことは、理解しているんだよ

いや、ちゃんと英語で話してみたら意外と、頭の良い子なのかもしれない考えるよりも先に行動しちゃう子だから誤解していたけれどこの子、観察力や洞察力は人並み以上に優れているよ

そう言えば美智の心月を見ただけで、ミス・コーデリアたちから逃げ出して、オレたちの味方になってくれたんだっけ

イーディも、正式にわたくしたちの家族の一員になりたいという意志は、示していますわ

それにイーディさんの話をお聞きすると、イーディさんが所属していた暗殺教団は、どうも一夫多妻制だったみたいです

あの別に、暗殺教団の方たちが現在、一夫多妻制を行っているわけでは無いみたいですけれど教団の設立時は、一夫多妻制だった歴史があるそうです今でも、教義の中には、一夫多妻制を認める記述が残っているそうですわ

暗殺教団てどんな系統の教えなんだ

オレも一応イスラム教が4人まで奥さんを持っていいってことは知っている

もしかして、そっち系の宗教なのか

一応キリスト教の一派みたいですわ

瑠璃子がイーディの答えを通訳してくれた

えキリスト教で一夫多妻制なのか

何か、キリスト教徒だと、一夫一婦制を守らないといけないような気がするんだけれど

くくくっその辺はアメリカだから何でもアリなんだよっ

何たって、広い国土にビックリするぐらい多様な人たちが、わんさか住んでいるからさメチャクチャな教義で、メチャクチャな戒律を守っている新興宗教とかいっぱい有るよキリスト教系なのに、一夫多妻制だってそんなに珍しくも無いよヨッちゃんシャーロック・ホームズの緋色の研究って読んだことないっ

あったかもしれないけれど覚えていないな

確かさ、現存しているアメリカの最も古いインタビュー記事は、新聞記者が新興宗教の教祖を取材したものでその教祖は、奥さんが55人居た人だから

55人

まあ、今時は世間の眼が厳しいし、保守的なお堅いキリスト教徒の人々が非難するから大っぴらに、一夫多妻をやっている教団は少ないだろうけど西海岸の方とかは、そういう人たちを大目に見る風潮も残っているし

あ、もちろん正式に結婚しようとしたら、重婚罪で捕まるから届けは出せないし、遺産分与とかも、正妻と同じにはならないはずだけど

それでも神の教えとして、一夫多妻をやっている人がいるのか

まあ、55人には無理だろうけどヨッちゃんなら、まだまだイケるんじゃない

ニターッと微笑む、寧

いや、もちろんオレにこれ以上、女を増やせと勧めているわけではない

遠回しに、釘を刺しているんだろう

冗談として明るく、話している

オレには笑えない

いや、オレはそんなに、器の大きい人間じゃ無いから

ほんのさっき雪乃のことで、思い知っている

オレには、雪乃を受け入れることはできなかった

家族になるならちゃんと愛し続けることができるって確信が無いと

全ての女を無条件に受け入れることはできない

ミナホ姉さんが言っていた通り

ミラクルは、無いんだ

オレと寧の会話を瑠璃子が、イーディに通訳している

イーディがオレに向かって、早口で何か言った

お前は、あたしのことが嫌いかって言ってるよ

寧がすぐに通訳してくれた

さらに、イーディが興奮気味に話す

あたしは、お前のことを割りと気に入っているぞだってさ

イーディ

お前が、美智やアニエスや、他の女たちの夫ならあたしも、お前の妻になることに不服は無いって言っているけど、ヨッちゃんどうする

元々一夫多妻について、拒否反応は無い育ちをしているんだ

イーディは簡単に、受け入れてくれる

でもイーディが、本当に好きなのは美智や、真緒ちゃんや、アニエスや、瑠璃子や寧女の子たちだろうオレじゃ無いよな

気に入っていると子供を産んでもいいと思うほど、愛しているは別だろう

寧がイーディに話す

そんなのその通りだけど、ヨッちゃんのことも好きになっていくだろうから、心配するなって言っているよっ

好きになっていく

家族になるんだからどんどん、好きになっていくに決まっているってさっ好きになる方向にしか、気持ちが向かないって

寧の通訳の後ろでイーディが、ウンウン大きく頷いている

どうもさ暗殺教団の中では、結婚する相手は偉い人たちに勝手に決められちゃうんだって

自分の自由意志で恋愛して結婚出来ない

だから結婚する時は、あんまりお互いのことを知らなくてもそこから、長い時間を掛けて、ゆっくり愛し合うようになればいいっていう考えみたいだよ

寧の解説に横で、話を聞いていた翔お姉さんが

そういう方が、意外と上手くいくのかもね日本でも、お見合い結婚の方が、恋愛結婚よりも離婚率が低いって言うし

イーディが、また喋る

長い人生だからお前とゆっくり、愛し合うのも悪くないだって美智や、真緒ちゃんや、アニエスたちみたいな、愛すべき家族がいるんだから何の問題も無い

なるほど、そういう考えか

お前も他の家族と同じで必ず幸せにしてやるから、黙って、あたしに付いて来いって言ってるよっ

ドンと胸を張るイーディ

うむ、格好いいです、イーディ

いや、美智そこは感心しちゃダメだろう

ホントサッパリと竹を割ったような性格の子よねカラッとしてて、明るくて晴れやかな気持ちになれるわ

うんイーディには、心の中に暗闇が無い

いつも開けっぴろげでハッキリしている

時々はううーむと、こっちが頭を抱えるようなことをしでかすけれど

今は、彼女のシンプルさがオレの心に、潤いを与えてくれる

イーディには雪乃の独善性も、冷酷さも無いから

え、何々

さらにイーディはオレに向かって、何か言いたいらしい

寧に話し掛ける

うんとねだから、お前の妻の1人となって家族になることについては、あたしは何の問題もなく受け入れる

しかしセックス奴隷になれというのは、意味が判らない何で、あたしがお前の奴隷にならなきゃならないのだ

イーディは、眉を顰めてオレを睨む

セックス奴隷は美智の趣味で別に奴隷になる必要は無いからって、伝えて

寧がイーディに言う

いえ、ご主人様わたくしも、ルリルリもマナ妹も皆、ご主人様の奴隷なのですから、ここはやはりイーディも

そんなの、お前が勝手に決めることじゃないだろ

そうですわ、美智旦那様のご了解を得ずに、勝手な事をして

オレとみすずで美智を睨む

お、お仕置きでございますか

美智は自分でお仕置きと言いながら、期待している

美智の後ろに、可愛い子犬が尻尾を振っているイメージが見える

こいつにとってはお仕置きはご褒美だ

えっと美智とは、しばらくセックスしない

オレの言葉に美智は

ええーっご、ご主人様どうか、それだけはそれだけは、お許し下さいませぇぇぇぇ

ハラハラとへたり込み、脱衣所の床に額を擦り付ける

妥当なご処断ですわこのあとの旦那様とのセックスは美智は見学しか許しませんよ

あ、やっぱりするのか、オレ

そうだよな、約束していたものな

瑠璃子、この後はあたしたち、2人で旦那様にご奉仕致しましょうねっ

みすずはニッと微笑む

お、お許し下さいご主人様みすず様

必死に頭を下げる美智

ダメです美智は見ているだけよ自慰行為も許しませんからねっ

後生でございますっ

みすずは、そんな美智を無視して瑠璃子に

瑠璃子、旦那様はねあたしたちのために余力を残して下さったんですよ

余力

あたしと瑠璃子と美智のために、雪乃さんとのセックスを拒絶して下さったの

でも、美智は悪い子だから今夜は不参加ね

みすずの言葉に、アタフタとする美智

まあ、お兄様お気遣いいただいて、申し訳ございません

瑠璃子が恭しく、オレに頭を下げる

美智の分はあたしたち2人で、たーっぷり堪能させていただきましょうね、瑠璃子

みすずが、大きな声で言う

み、みすず様大変申し訳ございませんでしたどうか、美智をお許し下さいませっ平に平にご容赦下さいませっ

床に平伏する美智

切腹しそうな勢いだ

雪乃とセックスしなかったのは

オレが勃起しなかったからで

みすずたちとのセックスに余力を残すためじゃない

いやちょっと

オレがみすずの言葉を否定しようとすると

瑠璃子、美智そっちの戸棚から、人数分のタオルを出してっあ、イーディにもやらせて家族になるのなら、ちゃんと置き場を覚えてもらわないと

寧が、サッと命じる

かしこまりましたEdie

美智が、イーディを呼ぶ

パタパタと走って行く、2人の中学3年生と1人の少女暗殺者

イーディはオレと同い年なんだよな

3人と距離が離れたことを確認して寧は

あの子たちには、そういうことにしておくんだよヨッちゃん

寧がオレの耳に囁く

これで瑠璃子の気分が良くなったらさそれでいいじゃんか

それにヨッちゃん自身も、そう思い込んだ方がいいよ

雪乃さんとのこと、少しは気が楽になるでしょ

寧が優しく微笑む

その後ろで、みすずも

みすずは、オレの心を軽くするためにわざとそう言ってくれたのか

でもオレ

オレはそうは思い込めない

雪乃に対する重い気持ちは投げ捨てられない

ヨッちゃんの気持ちは、判るけれど頑張って、捨てて

ね、寧

そうじゃないとさあの子たちは、みんな、あの部屋でのできごとを知らないんだからさ

美智も瑠璃子も復讐の場で、何が起きていたか知らない

今、白坂創介が切り刻まれていることも

あの子たちには知って欲しくないでしょ

黒い森の一番暗い部分はあいつらには見せたくない知って欲しくない

美智と瑠璃子だけでなく

真緒ちゃんや、レイちゃんにも

ヨッちゃんは今、心に大きなダメージを負っているあたしたちは、そのことが判っている

寧が、オレの眼を見る

あたしも、みすずも翔お姉さんも、ヨッちゃんよりもお姉さんだヨッちゃんの心のケアは、あたしたちでする絶対に守るから

そう言って、寧はオレの背中を抱き締める

だけどあたしたちも、ヨッちゃんも年下の妹たちには、心配させるようなことをしてはいけないんだよ家族なんだから

そうですわ、旦那様どんなにお辛くても、美智や瑠璃子や年下の妹たちには悟られないように強い心を持って下さいあたしたちが、付いていますから

寧もみすずもオレに、家族の要としてしっかりしていろと激励してくれる

雪乃のことを引きずって年下の妹たちに心配させるようなことをしてはいけない

ヨッちゃん自身も心に荷重が掛かりすぎないように、気を付けてヨッちゃんの心が壊れちゃったら、家族のみんなが心配するんだよ自分1人で背負い込もうとするのは、もう止めて心にいつでも、余裕があるようにして

寧が言う

家族のためには自分の心を偽ることだって、必要なんだよ

心を偽る

はい雪乃さんはいつも、ご自分の心のままに言動をなさいます

自分の心に、とっても正直に思ったことを、そのままお話になります自分に正直であることが、美徳だと思っていらっしゃいますだから、雪乃さんの言動には1つも嘘がありません人に嘘を付かない、率直であるということに関しては雪乃さんは素晴らしいのかもしれませんが

自分の心に正直すぎて廻りの人の心を平気で傷付けるんだよっ

あんなんじゃさ雪乃さん自身は、自分の心に嘘偽りなく、さっぱりした気持ちになれるだろうけれどあの子のそういう振る舞いを見せられる方は、たまったもんじゃないよね

雪乃の言動には1つも嘘が無かった

オレのことを好きか知れないと言った嘘も事前にこれから言うことは、全部嘘だからと予防線を張っていた

あいつが自分の心に率直なのはすごいと思うし

おれは、そういう雪乃の真っ直ぐさを尊敬する

でも、あいつは自分の心に正直なだけで

廻りの人の気持ちは、全然考えないから

大人はさ嘘も付かなきゃいけないんだよ年下の家族たちのためには

やせ我慢してね辛くても、泣きたい気分でも笑っててあげなきゃ

だから、美智と瑠璃子にオレが、オレの意志で雪乃とセックスしなかったと、伝えたのか

2人ともオレが雪乃に、心を引っ張られるんじゃないかって心配していたから

オレがちゃんと雪乃のことを断ち切って

家族のところに、帰って来たと思わせるために

美智と瑠璃子の不安を解消してあげるために

あたしのこと、嫌いになってくれても構わないから妹たちの不安を取り除くために嘘を付いて平然としててやせ我慢するんだよっ

自分の心を偽ってでも家族のために、微笑んで下さいませ旦那様には、それがおできになります

妹たちが居ない場所ならあたしたちだけなら、幾らでも慰めてあげるからさっ

はい旦那様と寄り添って参りますから

オレの2人の姉はそう言ってくれた

ありがとうオレ、頑張る頑張るから

オレはこの家族の要

この家族の柱にならないといけないんだから

しっかり大地に足を付けて踏ん張らないといけないんだ

判ったありがとう本当にありがとう

心を立て直すんだ

やせ我慢だ

えっとあのわたくしも、もちろん、あなたのサポートはするわ

翔お姉ちゃんがオレに言う

でも、あの藤宮さんは麗華は、あなたよりも年上だけど、妹の方の枠に入れておいてあげて

あの子精神年齢は、ホント中学生のまんまだから

英国紳士の衣装に身を包んだ撲殺剣士

よく考えたら中2の発想のままだ

レイちゃん

ホントは、22歳だっけ

克子姉と渚よりも一個年上なんだよな

ホント申し訳無いと思うんだけどあの子は、わたくしが責任を持って成長させますから

でも問題児の妹ができてちょっと嬉しい気持ちもあるのよ

翔お姉さんの中では、レイちゃんはすでに手の掛かる妹になっているんだ

パパとお風呂ぉっパパとお風呂ぉっ真緒とお風呂ぉっひゃくてんまんてん、お風呂ぉっ

真緒ちゃんがレイちゃんと歌いながら、脱衣所へ入ってきた

パパっおまたせっ

真緒ちゃんが、テケテケとオレに向かって走って来る

オレは、しゃがんで真緒ちゃんを抱き締める

うん、約束だからな一緒に入ろうっ

嬉しそうな真緒ちゃん

レイちゃん真緒ちゃんの面倒を見てくれてありがとう

オレは、小さな真緒ちゃんを抱っこしてレイちゃんに言う

い、いえお兄ちゃまわたくしは、別に

あれ、どうしたんだレイちゃん、緊張している

あのわたくしも、一緒に入るんでしょうか

ああ、オレと一緒に風呂に入ることに躊躇しているのか

うん、みんなで入ろうよレイちゃん

地下のアニエスの部屋でみんなでシャワーを浴びた時は、レイちゃんも裸になったけれど

まだ、恥ずかしいのか

藤宮さんお兄様のことを意識なさっているので、前よりも恥ずかしいのだそうですわ

タオルを持って、瑠璃子が戻ってくる

オレのことを意識

ご自分もそろそろ、お兄様に抱いていただかないといけないって思っていらっしゃるんです

レイちゃんは顔を真っ赤にする

うはっ、レイちゃん、まっかっか

真緒ちゃんが、ぎゃははと笑った

もう、覚悟なさい麗華

わたくしも入るんだから

そして服を脱ぎ始める

イーディの初体験は、翌日、5月6日の章に廻します

ちゃんと、イベント化してあげないと可哀想ですから

雪乃のセックスシーンが無かった分夜は、みすずと瑠璃子の当番があります

レイちゃんは、もう1フラグ要るので初体験シーンを入れられるとしても、やっぱり最終日(5月6日)です

翔お姉さんは、前にも書きましたが番外編に廻します現在、ダイエット中ですし

486.リフレッシュ・パワー

わーお、パパ、泡だらけッ、きゃはは

洗い場で、真緒ちゃんが笑う

ほら、しっかり眼を閉じていてセッケンが入ると痛いよ

オレは、真緒ちゃんの髪を洗ってあげている

あれから、すぐ風呂場に真緒ちゃんたちも合流した

アニエスとマナも、トイレから戻ってきたし

今は、みんなで大浴場の中にいる

シャワーのお湯を真緒ちゃんに掛けながら、頭の毛をわしゃわしゃと揉む

くはははははっ

楽しそうに笑う真緒ちゃん

ほらほら、暴れないもう、ちょっとだから

オレは、全ての泡を洗い流して髪の毛を濯いでいく

真緒ちゃんを洗うのも、もう慣れてきた

はい、おしまい眼を開けて良いよ

はい、パパっ

真緒ちゃんは、オレに抱きついて来る

洗っていただいたのだから、ちゃんとありがとうって言わないとダメですよ

瑠璃子が、真緒ちゃんに言う

はーいありがとうパパ

ニッと笑う真緒ちゃん

今度は、真緒がパパを洗ってあげるっ

真緒ちゃんは、そう言うけれど

それは、また今度にしよう次は、アニエスを洗ってあげないと

アニエスが、マナと一緒に順番を待っている

うっうー

不満そうな真緒ちゃん

だったら真緒ちゃんも、一緒にアニエスを洗うのを手伝ってくれ

オレの言葉に、真緒ちゃんはニッコリと微笑む

はい、パパぁ

うん良い子だ

おいで、アニエス

恥ずかしそうに、アニエスがやって来る

オレは、アニエスに温かいシャワーを掛ける

股間の女性器がしみるらしい

やっぱり、ちょっと傷になっているのか

大丈夫か、アニエス

平気ですの

アニエスは、無理に微笑もうとしてくれた

お風呂から上がったら池田先生に診てもらいにいくからな

アニエスは、白い肌を温かい湯で上気させて答えた

とは言うものの

復讐の部屋の人たちが出て来ないと動きようが無い

池田医院までは、渚が連れてってくれるって言っていたけれど

護衛の問題とかが残っている

まだオレたちの周囲はゴタついている

護衛の人間無しに、お屋敷から出るのは危険だ

さあ、どうする

マルゴさんや恭子さんは、この後、忙しいよね

オレは、寧に尋ねる

多分処理があると思うよ

暗い顔で、寧は答えた

再起不能にした白坂創介をどこかに捨てに行くんだろう

もちろん、このお屋敷に白坂創介が居たという証拠は、全て、抹消しないといけない

この屋敷から出て来る人間には外の監視者たちが、尾行を出すから

その尾行を撒いて白坂の身体を捨てる様子を、誰にも見られないようにするとなると、中々大変な作業になるはずだ

恭子さんとマルゴさんもしかしたら、克子姉とミナホ姉さんも、そっちの作業にかかりっきりになるかもしれない

オレは、湯船の方を見る

翔お姉さんは、レイちゃんとゆったり、お湯に浸かっていた

翔お姉さん、アニエスと一緒に出られる

オレの質問に翔お姉さんは

うーんちょっと無理かもわたくしは、みすず様、瑠璃子様の護衛という名目でここにいるからお二人が、まだここに居るのに、一人だけ他の場所に行くことはできないわ

香月セキュリティ・サービスの谷沢チーフの眼もある

翔お姉さんを、オレたちがお使いに出しているみたいに取られるのはマズイ

かと言って

わたくしは、身辺警護の基礎しかできません

オレの視線に、美智が答えた

美智には、荷が重いよな

武術は、文句なしにスゴイけれど

車の運転もできないし組織的な襲撃を受けた時の、対応なんかについては、まだ教わってないだろう

いっそのこと美智のお父さん工藤さんに頼んでみる

いや、でも姉さんあの人だと、お金が掛かるだろ

腕は確かだけれど

黒い森の関係者ではない

例え、美智の父親で香月セキュリティ・サービスと繋がりのあるとしても

仕事を頼むなら、相応のお金を支払わないといけない

お金のことは何とかなるわわたくしの方から、依頼してみましょうか香月セキュリティ・サービスとは関係無く、個人としての依頼で

翔お姉さんは、そう言ってくれた

ありがたいけれどそういうのは、よくないよ工藤さんには頼めないよ

翔お姉さんは、香月セキュリティ・サービスの次期トップだ

個人としての依頼であっても人間関係が複雑に絡んでくる

後々、問題になるかもしれない

何より翔お姉さん個人に請求書が廻る様なことになったらいけない

でもどうしようか先生や恭子さんたちどれくらい時間が掛かるか判らないしそんなに長くはならないと思うけれど

寧が、複雑な顔をしてそう言う

でもアニエスの方は、なるべくお風呂から出たら、すぐに診てもらいに行った方がいいよねっ

一応、池田先生には予約の電話を入れてあるって言っていたけれど

オレは、そう聞いている

うんそれは夜の時間に行きますとしか言ってないから正確な到着時間が判ったら、連絡しないといけないんだよ池田先生も深夜までは、待っててくれないと思うからっ

不意にレイちゃんが、手を上げる

わたくし空いていますけれど

あなたは今、警護人としては注意力散漫になっているからわざと候補者から外しているのよ

あ申し訳ございません

レイちゃんは、頭を下げる

あなたの戦闘能力については、認めているけれど尾行に気付かないとか、ポカをやられると困るから

翔お姉さんは言う

確かに、今のレイちゃんは心が不安定になっている

これでは、プロの警護人として周囲の気を感じるのは難しいだろう

気か

オレはあっと、思い付く

いっそのことそれぞれの力を組み合わせて、合わせ技で対抗すればいいじゃないか

ヨッちゃん、どういうこと

オレはみんなの顔を見る

だからさ不審な車や人の接近は、気が読める美智が察知してもしもの戦闘になった時は、レイちゃんに前に出てもらうんだよ分担すればいいじゃないか

だったら、あたしも行くよっマルゴお姉ちゃんのサポートをずっとやっていたんだからヤバそうな空気は、あたしの方が判ると思うし

その方がいいかもな

もしもの場合は、美智よりも寧の方が機転が効く

美智は割りと正面突破だから

なら、マナも行くよマナが一緒の方がアニエスちゃん、寂しくないだろうし

アニエスちゃん、どこに行くの

真緒ちゃんがオレに尋ねる

ちょっと、これからお医者さんまで行くんだよ

もう、夜だよ

夜でもやっているお医者さんがあるんだよ

オレは、笑って答える

うー、真緒も行くぅ

真緒もアニエスちゃんと、一緒に行きたいっ

旦那様こうなったら、全員で出掛けた方が良いのではありませんか

ここまで、ジッと聞いていたみすずがそう言う

何台かに分乗して途中で、別れるんです尾行を撒くには、良い方法だと思います

できればあちらの方の車とも、組み合わせて

あちら

ああ白坂創介の処理のことか

恭子さんとマルゴさんもこの後、絶対にお屋敷を出る

白坂創介を捨てに

あちらの段取りを待っているとアニエスさんを、すぐにお連れできないかもしれませんが

恭子さんたちの方こそ、あたしたちが一斉に何台もの車で同時に出発した方が良いカモフラージュになると思いますわ

特にあたしと瑠璃子が移動すれば、外の監視の人たちの眼を集めることもできますし

判ったお風呂から上がったらあたしが、マルゴお姉ちゃんに話してくるよっ

マルゴさんは控え室に一人残って、復讐の進行を見届けている

控え室のモニターからなら、白坂創介の処理に後、どれくらいかかるかも推測できるだろう

それであんまりにも時間が掛かりそうなら、アニエスの搬送は先にしちゃえばいいし時間が合いそうならあっちと同時に、全員でお屋敷から出発夜のドライブを楽しむことにしようっ

寧がみんなに、そう言う

車は誰と誰が一緒一応、決めておこうよ

そうだね香月組は、取りあえず1台にまとめようよドライバーが翔お姉さんで、みすずと瑠璃子ねっ

そうでないと翔お姉さんの顔が立たない

みすずと瑠璃子が同乗している車に一番、監視者の眼が引きつけられるわけだし

わたくしもみすず様と

それはダメさっき言ったでしょ美智は、あたしと一緒にレイちゃんの車ここには、マナとアニエスも乗りますっ後、渚さんと真緒ちゃんもね

そんなに乗れる

それはほら、いつもの白いバンで行くよ渚さん居ないと池田先生との受け答えができないしあたしだと若すぎて、ちょっと失礼だから

確かに、幾ら顔を知っているとはいえ

高校生の寧が、黒い森の代表として池田先生に、アニエスの診察をお願いするのはマズイだろう

ここはやはり大人の渚に行ってもらわないと

え、ちょっと待ってお兄ちゃんは、どの車に乗るの

ヨッちゃんはみすずたちの車だよあたしたちの車、もう乗れないもん

いや、そんなことないよ詰めれば、お兄ちゃんも乗れるって

ううん、ヨッちゃんは、みすずたちの車ついでに、恵美も乗せてって

今、ここに居ないから言っちゃうけどさ恵美のみすずたちに対するコンプレックス、せっかくだから消してきてよっ

メグは確かに香月家の2人に、コンプレックスを持っている

せっかく、美智が居ないんだからチャンスでしょ、ヨッちゃん

美智が、反論しようとするが

あんたがいるとさみすずが、3倍偉そうに見えるんだよ美智がいなかった頃の方が、みすずは大人しくて可愛かったんだからっ

寧に、そう言われる

美智とヨッちゃんの時間はまた別の機会をちゃんと作ってあげるから今回はガマンしてっ

美智頼むよ

確かに、美智がみすずを奉ってしまうとメグは、辛い

何よりお前には、アニエスたちの護衛をやってもらわないといけないんだから

よしじゃあ、これで誰がどの車に乗るかは決定でいいな

オレが、そう言った瞬間

大浴場の奥のサウナルームの扉が、開く

ウー、アウウ

全身汗まみれのイーディが現れる

クゥゥゥゥゥっ

イーディは、冷水のシャワーを自分の褐色の裸身に浴びせるっ

イーディ、筋肉質だけど足が長くて良いプロポーションをしているな

ええっと、イーディちゃんはどうするの

寧が、オレたちの顔を見廻す

さてどうしようかっ

オレはアニエスの身体を洗って

12歳ハーフ美少女の裸身は美しい

肌の感触も他の子たちと違う

何か肌そのものが、薄いように感じる

それでいて、ぷにぷにと弾力があって温かい

手で、アニエスの柔らかさを感じる

ここには、真緒ちゃんがいる

絶対に、勃起してはいけない

真緒ちゃんにはまだ性教育は、早過ぎる

パパ、ありがとうですの

何とか、アニエスの身体を洗い終わった

後は誰を洗う

後は、みんな自分でやるからお兄ちゃんは休んでいて

お兄ちゃんが一番疲れていること、判っているから

正直すでに5回も射精している

雪乃との、ゴタゴタもあった

心も身体も疲れ切っている

旦那様、こちらにどうぞ

みすずが湯船から、オレを呼んだ

翔お姉さん、レイちゃん、美智も一緒に湯に浸かっている

うん、判ったアニエスもおいで

オレたちは、湯船へ向かう

真緒ちゃんはマナとイーディと瑠璃子が相手をしている

藤宮さん、美智、サウナに行きましょう付き合って下さい

みすずが湯船から立ち上がる

小振りで形の良い白い乳房から、水滴がぽたぽたと零れる

翔お姉様は、旦那様にお話があるみたいですからあたしたちは席を外しましょう

さ、藤宮さんも

レイちゃんも立ち上がる

サバァッと起き上がると本当に背が高い

だけど、肌は白いんだな

あ、あまり見ないで下さい

恥ずかしそうに、レイちゃんは言った

そそくさと、サウナ室の方へ向かう

あたしは真緒ちゃんの方へ行くね

マナも気を利かせてくれた

大浴場のこちら側にはオレとアニエスと翔お姉さんしかいない

翔お姉さんが溜息を吐く

麗華もなかなか、シャッキリしないわよねわたくしも人のことは言えないけれど

さっきもみすず様、瑠璃子様のことを呼び捨てにはできなかったわ気にはしていたんだけれど

その中でも、ジッちゃんに直接仕える専任警護人をやっていたんだ

翔お姉さんは、心の底まで香月家に対する忠義心を叩き込まれている

ジッちゃんの孫娘を呼び捨てにすることに抵抗があるんだろう

慌てなくて良いよそういうのは、ゆっくりでさ

翔お姉さんはうつむく

こんな風に男の子と裸でお風呂に入るなんて初めてなのちょっと、ドキドキしてるわ

ああこの人も

男性経験が、無いんだっけ

もっと恥ずかしくてたまらないかと思ったけれど家族なんだって思ったら、何か急にスッと受け入れられるようになったの

翔、お姉さん

これから、あなたとも他の子たちとも、一生、一緒にお風呂に入るんですものね

ニコツと、微笑むお姉さん

あんっ、でも、あんまりジロジロ見ないで

オレは翔お姉さんから、眼を外す

ううん本当は見て欲しいごめんね、今、身体をシェイプアップしている途中だからセックスは、もう少し待ってて

いや翔お姉さん、綺麗だよ身体だって

素晴らしい、ボディラインをしている

わたくしが嫌なのこれじゃあ引き締めたら、もっと良くなるって判っているんだものあなたには、最高の状態のわたくしをあげたいから

努力家なんだよなとっても

夏まで待ってお願い

うん、オレは全然待つよ幾らでも

というかオレなんかで、いいのか本当に

翔お姉さんは、恥ずかしそうに微笑む

麗華もあなたの前に、裸を晒すのは、ちょっと恥ずかしそうにしているけれどあの子は少しズレれているからなあ

そう言って笑う

あの子はヒーローだし、アイドルだから

サウナルームに消えて行く裸身を見て言う

あの子は、小さな頃から剣道の世界では、注目されていたし女子校の中では、王子様をさせられていた子だから人に観られることには、慣れているのよというか、慣れすぎて観衆の期待に応えないといけないって、それで変な事になっちゃっているのよね

ある意味サービス精神が旺盛というか

ファンにサービスしないといけないという、強迫観念があるというか

その結果が撲殺剣士だものな

あの子の上手な身の置き所を、何とか考えてあげないとね

姉の眼で翔お姉さんが、言った

昨日ねわたくし、谷沢チーフに面接をさせられたのよ

面接

わたくしが、面接を受けたんじゃないわよわたくしは面接官だったの売り込みの人の

ほら山岡さんがクビになっちゃったし代わりのお姉さんは、すぐに退職する予定の人でしょ

香月セキュリティ・サービスの表部門制服組の警備部のトップは

まだ、決まっていないんだっけ

山岡部長の後任の女性は経歴に箔を付けるためだけの昇格で、このまま部長の仕事を続けるわけでは無いんだった

まあ色んな人が、売り込みに来ているのよホテルの一件で、辞めちゃった人も多いしね

ええ山岡さんが抜擢した子たちは特にね山岡さんがクビになっちゃったんなら、会社に残っても閑職に廻されると思ったみたい

そんなことあるんですか

無いわよでも、ほら、うちの会社の場合閑職の方が、命の危険が大きいイメージがあるから

例えば工藤さんのところに出向して、アシスタントやっている子たちがいるでしょ

トニーさんと、ノーマさん

本当のことを言うと谷沢チーフとしては、将来のトップ・エリート候補としてあの子ら2人を出向させているわけ

そう言えば、ホテルでの谷沢チーフのサポートは、あの2人がやっていたっけ

でも制服組の人たちから見ると、あの2人は左遷されて、工藤さんの下に付けられて死にそうな目に毎回遭わされているっていう風に思ってるみたいなの

確かに変なことは、色々とさせられているもんな

まあ、わたくしたちも制服組の人たちには、香月セキュリティ・サービスの裏の活動については知らせられないしね

香月セキュリティ・サービスの制服組は実際は、お飾りでしかない

まあ、警護対象者の見ている範囲で、実際に警護するのは制服組だけれど

実際のトラブルの元凶は

裏の活動部隊である工藤父たちが雇い主に知られないうちに、先回りしてことごとく駆除してしまっている

そういう裏部隊の活躍を制服組の人たちは知らない

裏舞台の活動を知ってしまうと制服組の人たちが弛緩するから襲撃者は、すでに全て排除してあるなんて知ってたら気が抜けた警備態勢になってしまうわ

自分たちの警護は形だけと知ったら、やる気をなくすだろう

それで、まあ売り込みの人に会ったんだけど碌な人が来ないのよ

翔お姉さんは苦笑する

腕自慢、力自慢だけの人とかはね正直、在野の人材で、才能があることが判っている人は、とっくの昔にスカウトしているわ集団行動が苦手な人は、トップエリートの枠で採用しているし麗華みたいにねちょっとぐらい腕が立つぐらいの人には、用は無いのよ

さらに、トップエリートとして囲い込めないような変人は

工藤父たちみたいに、フリーの警護人として活躍している

バンバルビーのお姉さんたちとかダダドムゥおじ様とか

制服組のトップに必要なのは顧客と上手くコミュニケーションできる社会性とか、営業力なんだけれどねぇ

強さは裏部隊が存在する以上、必要無い

ぶっちゃけると見た目よ見た目この人なら、警護を任せても信用できそうだなっていうオーラが出せるか

だからわたくしは、山岡さんのことを谷沢チーフは、何でこんな頭の悪い人を雇っているんだろうって、低く見ていたんだけれどあの人は、あの人で制服組の長としては適役だったのねとにかく、見た目は良かったから

というか、工藤父の見た目がアレだから

でも、あの人もよりによって不倫して、命令違反で、職場放棄でクビだからこの業界には戻って来られないわねこの世界は、信用第一だから山岡さんの場合、今までが評判が良かったから今回のダメージが、致命的なのよ

で新部長の候補者の売り込みの連中には、ロクな人がいなかったのよかといって、内部から昇格させられる様な人材もいなくてやっぱり、多少のカリスマはいるのよそういうのって、勉強して身に付けられるものじゃないから

ハァと大きく溜息を吐く

どこかに良い候補者は、いないかしら

それってレイちゃんじゃ、ダメなの

それぞれのキャラの落としどころを考えています

父のリハビリの散歩に毎日付き合っているのですが

今日は、一緒に行かなかったので機嫌が悪い

口聞いてくれない

487.役割の分担

翔お姉さんは驚く

えだって、香月セキュリティ・サービスの警備部長よ

だから、レイちゃんが良いと思うよ

あれだけ、英国紳士の男装が似合うんだからさ香月セキュリティ・サービスの制服だって似合うと思うんだ何なら、レイちゃん用に、特別デザインの制服を作ったらどうだろう

翔お姉さんは、ぽかーんとしている

レイちゃんが、制服でビシッとキメたら、すっげぇ格好いいと思うんだ

あの長身で、鍛え上げられた身体なら

今のあの英国紳士姿は、確かにちょっと世間から浮き過ぎているけれど会社の制服なら、多少派手でも仕事で着ているんだからて、変じゃないだろ

それは確かに、制服姿なら浮いたイロモノな感じは消えるでしょうけれど

翔お姉さんは、眉を顰めてオレに言う

でもレイちゃんなのよ

確かに、見た目は良いし戦闘力はあるけれど管理職として、人の上に立つ能力があの子にあると思う

レイちゃんはマイペースだし、人と歩調を合わせるということができない

だから、ずっとトップエリートでも、誰とも組ませてもらえなかった

あの子は強すぎるのよ

入社した時点で、すでにトップエリートの実力があったのよ一応、研修の記録も見ているんだけど同期の人たちとチームを組ませたら、うまく機能しなかったらしいわ

何がよくなかったの

新人研修の初日に、警護側が5人チームで、10人の襲撃者を撃退するっていうシミュレーションを組んだんだけど麗華1人で全部倒しちゃったのよもう、チームワークとか以前の問題で1人で飛び出して、全員

それも、襲撃担当のベテラン社員たちをことごとく、バッタバタと打ち倒してそのうち5人ほど、打撲と骨折で病院に搬送したそうよ

それって、やっぱり撲殺ステッキで

いえ、その時は研修場所に、たまたま落ちていた鉄パイプを使ったらしいんだけど

ぶん殴れる鈍器があればレイちゃんは、無敵だ

まあ、新入社員向けのシミュレーションだからそんなに複雑じゃない襲撃パターンだったってのもあるんだけどまさか、1人で全員倒すとは誰も思ってないし同じチームの新人たちは、一歩も動けなかったらしいわ

レイちゃんの鬼気迫る闘いに

それならそれでチームワークを駆使しないと、切り抜けられないような複雑なシミュレーションをさせて、1人で突出することの怖さを教えるべきだったんでしょうけれど

翔お姉さんは、溜息を吐く

でも新人研修で、いきなりそんなハードなミッションをやらせたら、他の人が付いて来れなくなるでしょ麗華1人のために、そんなシミュレーションを組むこともできないし

そんなの準備するのも大変だろうしな

ていうか麗華の力を見たら、他の新人たちどころか、研修を担当しているベテラン社員まで自信を喪失しちゃったらしくて

ああ、天下の香月家が所有している政財界の名家の人たちをガードするのが専門の警護会社だ

みんな、それなりに腕に自信があり野心もある人たちが来ている

その人たちを入社早々、鉄パイプでノシちゃったんだもんな

そうよ撲殺剣士の仇名は、その時に付いたそうよ

結局、谷沢チーフは、麗華を新人研修先から、あわてて本社に戻して、そのままトップエリートに編入したのよまあ、最初からトップエリート候補者として採用しているんだけれどそれでも、普通は1年ぐらいは一般の制服組と一緒に現場に送り込むことになっているんだけれどね

レイちゃんは

あの子はだから、社内に全然、友人がいないのよ同期にも、制服組にもトップエリートは、変わり者の集団だしそこでも、チームを組めなかったから

レイちゃんは谷沢チーフの直轄の警護人ていうことになっているのよそれで、谷沢チーフのサポートみたいな仕事ばかりしていたから

他の社員とは交流が薄かったんだ

だから、麗華を部長にするなんて無理よ

翔お姉さんは、そう言う

あたしだってこうやって知り合うまでは、谷沢チーフの影に隠れて好き勝手なことをしている嫌な女だって思ってたもの

ああ、最初の頃はレイちゃんと翔お姉さんは、仲が悪かったっけ

それって香月セキュリティ・サービスの社員は、みんなそんな風に思っているのレイちゃんのこと

いえ、そんなことは無いと思うわわたくしはトップエリートで、閣下の専任警護人だったからあの子のことを上から目線で見ていたしそれは、反省しているのよ今ではね

じゃあ、他の特に、制服組の人たちはレイちゃんのことをどう思っているのかな

翔お姉さんは、ちょっと考えて

能力はみんな認めているわよ撲殺剣士の名はダテじゃないっていうか何だかんだ言って、谷沢チーフが直属の部下にしているんだからあの子の戦闘力が、スバ抜けているってことは、みんな理解しているわ

うーん、ほらみんな、麗華と全然、コミュニケーションを取ってないから真面目で、冗談とかも言わないクールビューティだと思っているんじゃない見たまんまで

普段の英国紳士の姿はそんな風に見える

頭の中が中学生で、場の雰囲気に流されやすいオチャメな女の子だということは

みんな知らない

とりあえず、嫌われてはいないんでしょ

まあねむしろ、女性社員の中にはファンクラブもあるらしいわ

どこへ行っても王子様役を求められる運命なんだな

それならさ全然、問題無いよレイちゃんが、警備部長いけると思うよ

いや、それは確かに、見た目はいいでしょうけれど

でも、警備部長なのよ頭を使わなきゃいけないこともいっぱいあるのよ

それはそうだろうけれど

山岡さんだって、見た目だけは良かったじゃないでも、あの人頭の方が、致命的に悪かったでしょ

シザーリオ・ヴァイオラとミス・コーデリアの侵攻に

ことごとく、後手に回った

いや、それはさ山岡部長に、全部仕事を委ねちゃったからだろ

翔お姉さんは、きょとんとした顔でオレに尋ねる

警備部長の仕事はさ分割して、何人かですればいいんだよ

分割

そうほら、これから後の車で出掛ける話を、さっきしたろ池田先生に、アニエスを診せに行くのに警護役が、レイちゃんだけじゃ任せられないという話しになって

レイちゃんは、戦闘力はスゴイんだけど

敵を感知する、観察力とかは不足している

怪しいやつらが付いて来ないかの監視は、寧と美智がしてくれることになってまあ、もしもの時は、レイちゃんは突進しちゃうタイプだから直接の護衛は、美智がしてくれれば安心だよねそれから、黒い森の代表として池田先生と話をするのにはやっぱり、大人の渚に行ってもらうしかないし

それが、どうしたの

だから分割だよ役割の分割

山岡部長が上手くいかなかったのは警備部を山岡さん1人で、何とか動かそうとしたからじゃないかな

あの人はかなり早い段階で、ミナホ姉さんにも接触してきた

しかし、それって警備部長が自分ですることか

多分さ山岡さんの上司だった谷沢チーフが、鬼のように凄いんだよ凄すぎるんだってば谷沢さんの場合は、本当に1人で何から何までやっちゃうだろ

現場にも、直接出向いてフットワークも軽い

山岡部長は、ああいう谷沢さんの姿を近くで見ているから自分も同じ様に、できなきゃいけないと思ってそれで、あんな風に1人で抱え込んで

自滅しちゃったってことよね

翔お姉さんは呟く

そうだよ上司が物凄く有能な人だからって、自分も同じ様にできなくちゃいけないって思い込むのは間違っているよ

オレたちは、オレたちでさ自分たちには、何ができるかをよーく考えて何人かで能力を足し合ってやるべき仕事をこなしていけばいいんじゃないかな

息を呑む、翔お姉さん

オレ、レイちゃんには人を惹き付ける魅力があると思うよレイちゃんが、警備部長になったら香月セキュリティ・サービスの制服組が、キュッと引き締まると思うんだだって、あんなに綺麗で凛としている人が、自分たちのトップだったら気分がいいだろ

だから、レイちゃんが自分でできそうにない事務的なこととか、どこの現場には誰を送って、どういうチームにして、誰を責任者にするか瑠璃子のお父さんのお葬式の時に、翔お姉さんがオレに話してくれたみたいなことはそういうのが得意な人に任せたらいいと思うんだよ

麗華を、お飾りとして使うわけね

違う、違うレイちゃんは、本当に魅力的だってばあの魅力はホンモノだよそれは、立派な能力だよ

能力

そうだよ香月セキュリティ・サービスの警備部長に、必要な力の1つだって

オレの言葉に翔お姉さんは、しばらく考え込む

あなたのアイデア、谷沢チーフに話してみるわ

低い声でそう言った

うん事務方の良い人材は、心当たりがあるわ人事的なことは、わたくしがサポートすることもできるし

翔お姉さんは、ふっと顔を上げる

そうね、確かに全部を、谷沢チーフみたいに1人でこなす必要は無いのね必要な仕事を分割してそれぞれ得意な人に委ねる麗華みたいな人が、警備部長に付くというのも、社内の空気を刷新するためには最良のアイデアよあの子には人の上に立つカリスマがあると思うわ

それにさレイちゃんと親しくなれば、みんな愛すべきお茶目な女の子だってことを判ってくれると思うし

ええ多分、みんな、進んで麗華の手助けをしてくれるようになると思うの麗華に、事務能力や人事能力が完全に欠如していることがむしろ、強みになる

うん、みんなうわ、こりゃ助けてあげないといけないって、サポートしてくれると思うよ

そうじゃないのよ麗華は純粋な戦闘バカだから社内政治の荒波と無縁でいられるのよあの子に、政治的なアプローチをしても無意味だし誰かが、あの子を利用しようとしても、あの子はあの子の道を突っ走っていくだけだから

翔お姉さんはニッと笑う

それでいてわたくしの眼から見ても美人だし、一生懸命だし部下から嫌われることや、嫉妬されることは無縁だと思うわむしろ、本人の能力以上の役職を、わたくしや谷沢チーフから押しつけられているように見えて同情してもらえるわよ

その同情が社内からの、レイちゃんへの励ましの声となる

レイちゃんをトップに制服組は、まとまっていくだろう

それに色んな名家と交流していかなきゃいけない、香月セキュリティ・サービスの警備部長はあのくらい、物事に動じないカタブツの方が面白いわ

本当に麗華ではどうすることもできないような案件が出て来たらわたくしや、谷沢チーフが前に出ればいいのだし

それもまた役割の分担だ

いや、別にオレは、ちょっとそう思っただけだから

そうじゃなくって

翔お姉さんの身体が湯船の中で、オレに近寄る

あたしも思い込んでいたのよ1人で谷沢チーフと同じだけの仕事をこなせるようにならないといけないって

役割の分担かありがとうとても良いヒントをもらったわ

そう言って、翔お姉さんは

オレの唇にキスをした

よっしそれじゃあ、麗華に話してくるわっ

ザッバァーっと、翔お姉さんが湯船から立ち上がる

その白い裸身

桜色の乳首

股間の陰り

あっ、いいわよじゃんじゃん見てもう、あなたに捧げるって覚悟がついちゃったからっ

翔お姉さんは、さっぱりとした顔でオレに微笑む

うんっあなたは、わたくしの人生に絶対に必要っわたくし、あなたなら全部あげれるわっ

そんな高らかに、宣言しなくても

翔お姉さんは、オレの眼の前で背筋をピンと伸ばして、裸身を晒す

あの翔お姉さん

オレ思うんだけど

いいわよ、どんな感想でも心して、受け付けるわっ

こうやって近くで見ていると翔お姉さん、すっごく綺麗だし身体も、とっても引き締まっていて肌も白いしあの

今から、シェイプアップするってどこを

翔お姉さんは顔を真っ赤にして

い、色々よ

色々

い、一生に一度のことなんだからっ後悔したくないのっ精一杯、努力してそれで、あなたに捧げたいのっ

もうエステにコースで申し込んじゃっているんだからっ今の3倍、綺麗でセクシーになって来るから夏まで待っててねっ

いや、待つのはいいけれど

き、期待していてねっわたくしのヴァージンなんだからっ

翔お姉さんは、そう言うとサウナルームの方へ向かう

麗華、いいかしら

ガチャッと、ドアを開けると

美智、いい加減になさいっ

みすずの叱責の声が部屋の中から、聞こえてきた

美智、麗華、みすずの3人が、サウナから出て来る

みんな肌を真っ赤に上気させ汗だくだ

待ちなさい話は終わっていませんよ

みすずの声に、美智は立ち止まる

みすずに謝罪する美智

何があったんだ

みすずも美智もこっちに来いよ

オレも、ずっと湯船に浸かっていてゆだってきた

風呂から出る

暑いだろ冷水は身体に悪いから、温めのシャワーを掛けてやるよ

オレはシャワーの方へ行く

あ、麗華はこっちに来てちょっと話があるの

レイちゃんは翔お姉さんが、回収する

お兄様、あたしたちはそろそろ上がります

瑠璃子が奥から、アニエス、真緒ちゃん、マナを連れてやって来る

えー、真緒 もっとパパと遊びたい

遊ぶのは、後でもできますわ真緒ちゃんも、アニエスちゃんも、このままだとノボセてしまいますよそうしたら、遊ぶこともできなくなります

それはこまるぅ

真緒ちゃんが、ぷにぷにと裸身をくねらせる

だから、先に上がってましょうね

真緒ちゃん台所へ行って、渚さんにアイスクリームもらおうよっ

うっうー、アイス

いいから、先に行って食べてていいよアニエスも一緒に

パパ、お先に失礼しますですの

アニエスが、オレに頭を下げる

その裸身

真緒ちゃんと違ってアニエスの裸身には、セックスアピールがある

処女を失って女の匂いを出し始めている

うん、みんなと仲良く真緒ちゃんは、アニエスの妹だからな

アニエスが、オレに抱きついて来る

小さなおっぱいをオレに押しつける

臥薪嘗胆っ

いや、意味不明だがとにかく、ここで勃起してはいけない

真緒ちゃんが、勃起ペニスを知るのは早過ぎる

では、お兄様のちほど失礼致します

パパ、またねっ

お先ですの

3人の裸の少女が、風呂場から出て来る

と、マナが

ルリお姉ちゃんはこの後があるから、余裕なんだよ

でも美智お姉ちゃんはねぇ

美智が、ムッとしてマナを見る

マナと一緒で1日に1度はしないと不満になっちゃうタイプなんだよねぇ

あ、マナはもう2回もしてもらって、お腹の中が温かくて、幸せな気分ですっあたしはもう、今日は大丈夫だからっ

あたしも、先に上がるねっお兄ちゃんそういうことなんだよっ

キャハハと笑って、裸身のマナが退室していく

オレは美智とみすずを見る

わたくしたちも外で話すわ大切な話だから

翔お姉さんが、レイちゃんを連れて来る

あのお兄ちゃま、わたくしを推薦して下さったというのは

うん、推薦したよ

オレはカラッと答える

わ、わたくしにはそんな大役

麗華は震えている

警備部長就任の話が衝撃的だったのか、ずっとみんな入浴していたせいか

オレに裸身を晒すことへの羞恥も消えている

できるよレイちゃんなら

で、できませんっできない自信がありますっ

レイちゃんは、即答した

いや、レイちゃんが1人でするんならそうだけろうけど1人じゃないから

みんなでサポートするよ翔お姉さんだって、レイちゃんのお姉さんなんだよ幾らでも頼っていいんだ家族なんだから

ええ、わたくし大事な妹のためなら、何でも手助けしちゃうわよっ

明るく翔お姉さんは、微笑む

心配することないってこれだけの家族がレイちゃんには付いているんだからさ

オレも微笑む

とにかく、詳しいことは、別室でしましょうわたくしも、色々とプランがあるから

は、はいお、お話だけはお聞き致します

レイちゃんはどうにか落ち着いてくれた

じゃあ、先に上がるわ

翔お姉さんが、レイちゃんを連れて風呂場から出て来る

うんとじゃ、あたしたちもだなっ

最後に寧が、イーディを連れてやって来る

いやいや、せっかくの機会だからイーディと英語でじっくり話してみたよっうん、なかなか有意義であったっ

寧の言葉にイーディも、サッパリした顔をしている

やっぱりさ、母国語で思いっきり喋れるのは、気分が良いみたい瑠璃子やマナも、一応は喋れるけどやっぱり、イーディの方が気を遣ってくれていたみたいよ判りやすい単語とか、表現で伝わりやすいようにって

ああ瑠璃子やマナの英語は、学校の英会話の授業の延長でしかないから

本当に、アメリカで何年も暮らしていた寧ほどは、流暢じゃないんだな

あたしやマルゴお姉ちゃんが、もっと母国語で相手してあげるべきだったんだな反省、反省っ

その上でイーディから、よーく聞いたけれど美智、あんたが悪いみすずに怒られて当然だよっ

美智がうな垂れる

何があったんだよ

ま、細かいことは本人に聞いてっあたしとイーディは、先に上がるから

あたしたちもここに居ない方がいいでしょ

だってほらヨッちゃん、美智とするんでしょ

な、なぬっ

お仕置きとして

寧は、ニタァと微笑む

ほらイーディが近くにいると、美智の気を受けて変になっちゃうからイーディも台所へ連れてって、真緒ちゃんたちとアイスを食べさせておくわ

寧のアイスという言葉にイーディは、反応する

寧はイーディの前でセックスという言葉を使わないんだ

さて、行くかっあたしもマルゴお姉ちゃんとの打ち合わせがあるし

この後の車での脱出計画か

あ、そうそうヨッちゃん

風呂場の出入り口の前で寧が、オレに振り向く

あたしはさ1日1回しなくても、平気なタイプだからっその代わり、あたしとする時は、深くて濃いのじゃないと嫌だよっ量もたっぷりがいい

美しいプロポーションの裸身を寧は、オレに見せつける

美智ついででするなんて、失礼な考えだってのっ

寧が、美智を睨む

ヨッちゃん、あたしの分も美智のお尻叩いておいてっ

美智は下を向いている

あ、そうそうそこのドアを開けると、露天風呂に繋がっているから

露天風呂

お湯は入れてないけれどねお仕置きするのには良い場所だと思うよっ

寧は、そう言うとイーディの背中を押し、外へ出て行った

さっきまでたくさんの女たちのいた浴室

今はオレと美智とみすずしか居ない

で、美智お前、何をやったんだ

美智の代わりに、みすずが答える

美智ったら今すぐ、旦那様とセックスすれば、アニエスと一緒に池田先生に診てもらえるってイーディに言ったんです

それで、イーディを怒らせてなのに、この子ったら反省しないから

美智は、下を向いたままだ

確かにお仕置きが必要だな

ということで、次話は美智のお仕置きです

カリスマが無いと、人を率いることは難しいです

しかし、世の中にはカリスマしか無いという人も居て

これが一番迷惑です

小劇団の座長とかに多いです

カリスマで、色んな人を集める力はあるんですが

それ以外の力が何も無いし人に甘えまくってひたすら、近付いて来る人からお金や労力を搾取し続けるという

カリスマだけの吸血鬼みたいな人はアートの世界に多いです

業界関係者の中では(実際に、その人と会って話をした人にとっては)カリスマを発揮してあの人はスゴイよと評判高いのですが

実際に作っているものを見ると何じゃこりゃっていう

実務能力がある人が、その人の身近に寄り添って献身的にサポートすることでどうにか良い仕事をして、大成することもありますが

カリスマだけの人は、そういうサポートしてくれる人を大切にしないので実務能力者に逃げられた途端に馬脚を現したりします

むしろ逆に座長にはカリスマは無いけれど、物凄い才能があって事務方の方にカリスマがあって、それでバランスの取れている劇団もあります

結局カリスマだけでもダメだし実務能力だけでもダメ

役割分担が、きちんとできているかどうかですね

もちろん、1人で両方持っている人もいます

488.美智の道

美智、あなた判ってるの

みすずが、美智を責める

美智は、謝っているがその表情は、微妙だ

というか、基本的に表情の変化に乏しい子だけど

ちょっと、こっちで話をしようこのままだと湯あたりしそうだ

立ち上がり外の露天風呂に通じるドアの方へ行く

外は、とっくの昔に真っ暗だ

ああ、これが明かりのスイッチだな

パチンと明かりを点けると

露天風呂の向こうには、少し小高くなっていた

その向こうは、竹の塀でぐるっと覆って、外から見えないようしてあった

ああ、ここだけ前に土を盛って、外からの目隠しにしてあるんだな

オレの言葉に、みすずが顔を出す

築山ですね日本庭園ぽく、風流な感じのお庭になっていますわ

そう言ってオレの横に、寄り添う

ああ夜風が気持ちいいです旦那様

うん、湯で火照った身体に乾いた風が気持ちいい

美智も、いらっしゃい

美智もやって来る

今夜は露天風呂には湯が張っていない

みすず、そこに座ろう

眼の前に竹製の小さなベンチがあった

露天風呂に入っていた人が、風に当たるためのものだろう

オレはそこにタオルを敷いて2人を招く

でも、旦那様そこは2人しか座れませんよ

いいんだよみすずは、オレの横で美智は、オレの膝の上だ

オレは、どっしりと座る

はい、旦那様美智もいらっしゃい

裸のみすず

ベンチは小さい

火照った肌が、オレの肌に接する

みすずのおっぱいがオレの腕に当たっている

美智もオレの膝に、注意深く座る

15歳の武闘美少女ももちろん全裸だ

いいんだよ、もっとドスンと座れ

オレは、後ろから美智をガバッと抱き締める

少女の肌はぷるんっとした弾力に溢れている

オレは、美智を抱き締めたまま耳に囁く

オレの腕の中で小柄な少女は、小さくなっている

ほら、見てみろ月が綺麗だ

空を見上げると銀色の月が出ていた

美智も、空を見上げる

みすずが、オレに話し掛けるが

みすずも、月を見てみろよしばらく、3人でくっ付いたまんま、お月様を見上げていよう

小さな竹のベンチ

本当は1人用なんだろうな

このお屋敷が娼館だった頃の客は恰幅の良いオッサンも多かったろうし

その小さなベンチに

オレとみすずが、身を寄せ合って座っている

オレは、美智を抱きかかえている

3人とも全裸で素肌をくっつけ合って

それぞれの体温を感じる

美智の方がみすずよりも、体温が高いんだな

肌の感触も違う

女の子は、みんな同じではない

はぁぅぅ

そうやって3分ぐらい、月を見上げていたら

不意に、美智が息を吐いた

美智の身体の緊張が抜けていく

身体が和らぐ

イーディのこと、苦手なのか

苦手ではございません

美智は月を見上げたまま、答える

ただずっと、自分の気を探られ続けるのは

イーディはわたくしの気をいつも感じようとしますからわたくしの気から、わたくしの心の状態を理解しようとするのです

ああ美智とイーディは、気を感じ合う能力がある

美智の工藤流古武術とイーディがお祖母さんから習ったという、暗殺教団の暗殺術に、繋がるところがあったから

わたくしが、一生懸命に英語で喋ってもイーディは、わたくしの心を覗き込もうとするから苦手です

そういうこともあるのか

でも、イーディは悪気があって、そうしているわけでは無いわあの子は異国の地に居て、言葉での意思疎通がそんなに上手くいっているでもないし美智や、マナさんや瑠璃子との英語での会話だって、完璧では無いでしょうし

それは判っておりますイーディに悪気が無いことはおそらくイーディは、普段からああなのだと思いますわたくしが、生まれながらにして古武術継承者であるようにイーディも暗殺者としての教育を受けて、成長したのですから

暗殺者として常に、周囲の人間の気を読んでいるんだ

イーディが、ご主人様のことを気に入ったと言っていたのもわたくしには、その意味がよく判りますご主人様はイーディに対して、全く負の感情をお持ちではありませんからわたくしたち家族と同様に常に、イーディにも心を配られていらっしゃいます

すでに、イーディを家族として愛していらっしゃることその温かいお心の気を、イーディは感じ取っているんです

そうですわね旦那様は、素晴らしいですわ

みすずまで、オレを褒める

いや、そんなこと言われたってオレは、普通にやっているだけだぞ

褒められても困る

オレは当たり前に、イーディを扱っているだけで

それが家族として受け入れているということですわ

みすずがそう言う

普通の男性ならそうはいきませんわあたしたちとイーディで、何かしら差を付けようとしますいえそれ以前に、イーディの能力だけに目を奪われて、彼女を利用することを考えます

そういう邪念が心に浮かぶとイーディは、すぐに察知しますイーディが、ミス・コーデリアを嫌っていたのもイーディを利用しようという邪念の黒い気が、ミス・コーデリアの中に強くあったからだと思います

美智が、オレの膝の上でそう言った

うんでも、いいじゃないかとりあえずイーディが、オレたちの所を気に入ってくれたんならあいつ行く場所が無かったんだから好きなだけ、居てもらおうよ

祖母の死でイーディは、暗殺教団を追われた

暗殺教団の新しい指導者がイーディをミス・コーデリアに売り払ったからだ

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