瑠璃子に、自分と比較させる

今までの瑠璃子の思考なら香月家の自分と、護衛役の美智は別の世界の人間だ

比較対象ではない

その思考を、何としてもここで破壊する

美智いいぞ、気持ちいい

ご主人様ここもお舐め致しますね

ぺちょ、ぺちょつと美智は、子猫がミルクを飲むように、オレの亀頭を刺激する

フェラオしながら自分の股間をまさぐっている

自分で触っているのか、美智

はい、ご主人様がお求めになられたらいつでも、受け入れられるようにしております

それくらい、オレがするよお尻にこっちに向けろ

オレは、畳の上に寝転がる

美智と69の体勢になる

美智もう、グッショリ濡れているな

愛液で、パンティの上から女性器の形が、はっきり判るほど透けている

わたくし通学用の純白の下着か、戦闘用の黒い下着しか持っておりません

うん、それで

ご主人様どんな下着をお好みですか

し、縞パンとかか

美智今度、旦那様と3人で買いに行きましょう実際に、履いて見ていただいた方がいいわ

みすずが、助け船を出してくれた

はいお願い致しますわたくし、もっとご主人様に悦んでいただける女になりたいんです

オレは、下着の上からクリトリスを刺激する

ああっそれ、いいですっ

美智の身体が、ビクッと跳ねる

瑠璃子あなたも一昨日の美智の初体験は、見ていたでしょほんの数日で、美智はこんなに献身的な女になったのよ

そうだ同い年の美智を、意識させるんだ

美智がセックスを楽しむ様子を見せてセックスに対する、恐怖感を和らげる

それが、第2ラウンドの目的だ

オレは、指を激しく動かす

あんっあああんっあんっ

ますます美智の下着が、湿り気を増す

ご主人様、ご主人様、お願いです

どうした、美智

もう欲しいです

熱い眼で、美智がオレを見る

ご主人様にお腹の中をいっぱいにしていただきたいんです

よし、やろう

オレは下半身だけ裸になる

美智も下だけ脱げ

美智は胸が無い

今は、瑠璃子に美智に対するコンプレックスを作るためにセックスしようとしている

これから、美智とのセックスの中で瑠璃子と比較するようなことを、たくさん言わないといけない

なのに逆に、美智がおっぱい量の不足のことで、瑠璃子に対してコンプレックスを抱いてしまったらマズい

だから胸は露出させない

オレ自身は美智のつるぺたの胸は、美智らしくて気に入っているんだけれど

はい脱ぎました

しかし、日本人形みたいに可愛らしい美智が

下半身だけ裸だというのも良いっ

小柄な身体の未成熟なお尻と太もも

股の内側は愛液が滴って濡れている

何か、すっげぇ興奮するぞ

あ、そうだみすず、ハンカチ持ってないか

はい、持ってますが

みすずが、白いハンカチを取り出す

それで、美智に猿轡を咬ましてくれ

ここ壁が薄いんだ美智の声だと、外に漏れるかもしれない

さっき関さんが盗聴器の探索をした時に見た

告別式の会場の控え室は、VIP用だからそれなりに壁が厚かったけれど

ここは普通の公共施設だ

オレは、お前たちに恥をかかせたくはないんだ

そのオレの発言に瑠璃子の表情が、変わる

はい、みすず様お願い致します

みすずが、美智の口にハンカチを咬ませる

美智、お前が上だ瑠璃子に、オレのモノがお前の中に入る様子を、しっかりと見せてやれ

美智は、コクッと頷く

瑠璃子の前で、座位で結合する

女性上位なら瑠璃子も、セックスに恐怖感を抱かないだろう

見て、瑠璃子美智は、あなたと同い年なのに旦那様のあんなに大きなモノを全部呑み込むのよ

オレは下から、美智の膣口に亀頭の先を当てる

美智そのままだ、腰を落とせ

ずりゅりゅりゅっ

狭い隘路に潜り込むッ

ほら、瑠璃子よりも小さな身体なのに

瑠璃子はジッと結合点を見下ろしている

美智、ゆっくりゆっくりだ

美智の中に奥に呑まれていく

んふぅっ

亀頭がぷにぷにしている子宮口にタッチする

どう旦那様の、気持ちいい

猿轡の美智がみすずに頷く

とっても、幸せな気分でしょ

んふっ

美智が、うんうん頷く

判るわあたしも、そうだから旦那様とセックスすると満たされた気持ちになるの

瑠璃子はオレたちを見下ろしている

くふっくふっ

美智が、腰を使い始める

美智とはもう何度かセックスしているけれど今日は、とっても積極的だ

ああ気持ちの良いところを探しているのね美智

美智は膣内の色んなポイントにオレの亀頭を擦り付ける

んんっんっ

美智が、切なそうな声を上げる

そうそこが良いのあたしも次に試してみるわ

んんっんんっんふっ

猿轡から漏れる声がまるでレイプしているみたいで、興奮する

実際は、上になっている美智が激しく腰を振っていてオレの方がレイプされているみたいなんだけれど

どう瑠璃子美智、気持ち良さそうでしょ本当に気持ちいいのよ、旦那様とのセックスは旦那様は、あたしたちをとっても優しく愛して下さるからあんっ

旦那様みすずも、濡れてきちゃいました

和服の裾から股に指を入れる、美智

んんっんんんっ

美智が何か言いたいらしい

座位で繋がったまま美智が、オレに振り向く

美智の顔を見ると

ああ顔を見合って、セックスしたいんだな

座位のままだと、互いの顔が見えないから

うんっうんっ

嬉しそうに、美智が頷いた

どうして、判るの

瑠璃子が、唖然として呟く

判るさ美智が何を思っているかぐらいは、眼を見れば判る

美智が、一旦、オレと離れる

じゃあ正常位でやろうオレが上になるよ

床に仰向けになに、大きく足を開く美智

その足の付け根に剛直を押し入れる

ぐふっ

15歳の肉体は、何度入れても狭い

狭くてキッチキチでオレを包み込む

ううっううっううっ

だがオレを歓迎している

求めている

美智気持ちいいぞお前、最高だずっとずっと、抱いていたい

ぬっぐっうっふっ

オレは、ピストンを加速させる

美智は旦那様をあんなにご奉仕しているわ旦那様も、美智のことを本当に大切に愛しく思って下さっている見ていれば判るわよね、瑠璃子

美智にできることがどうして、瑠璃子にはできないの

そろそろ、スパートだ

美智が、うんと頷く

オレと美智は、何も言わなくても、お互いの呼吸を合わせていく

2人で快楽の絶頂に飛ぶために

ああっ美智美智

ううっうっくぅ

オレたちは、リズミカルな一つの機械になっていく

呼吸と鼓動と快感が重なっていく

くぅぅんっ

あ美智の眼がオレに伝える

判ってるオレも、一緒に一緒にイクから

くぅぅんっ

美智が、ニコッと微笑む

伝わっている

いいえ、繋がっているのよ今、旦那様と美智は

判るぞ美智

美智が快感のカタパルトに乗った

くぅぅうううんっくぅぅくうううううんっっっ

美智が空中に飛ぶっ

全身を弓なりに、ギュッと振り絞って

膣の中が締まるぅぅ

イクぞ、イクぞオレもイクぞっ美智ぃぃぃっ

オレもまた熱い液体を、撃ち出すッッ

子宮の奥に熱を受けて美智の身体が、痙攣するッ

す、すごい

瑠璃子が呟く

ふふふ、気持ち良さそうね、美智

オレの精液を受けとめながら美智は、満足そうな眼でオレを見ていた

愛している可愛いぞ、美智

オレは美智の中に、吐き出し続ける

自分へのクリスマスプレゼントに枕を買いました

これで肩こりが改善されるといいんですけれど

子供の頃に、サンタさんに頼んだのと全然違う玩具が、2年連続で届いて

それでサンタさんのことは嫌いでした

田舎の叔母さんは、頼んだ通りのモノをくれるので、サンタさんより好きでした

最近、元サンタに、あれはどういうことだったのかを尋ねたら

そりゃ、お前会社の帰りに、アメ横の安売り店でテキトーに買って来たからだよ

と、白状しました

だったらサンタさんに手紙を書くから今年は、何が欲しいとか聞かないでくれ

そんな父の年賀状は、東京駅の写真となりました

394.ともだち

全てを美智の胎内に吐き出し切ってオレは脱力する

美智が、そんなオレの頭をギュッと抱き締める

足の付け根にも力を込めもう一度、オレのペニスを締め付ける

尿道の中に残っていた精液がとろりと美智の子宮に滴る

大丈夫、美智今、猿轡を解いてあげるわ

みすずが、美智の口を封じていたハンカチを外す

美智は、荒い息で肩を上下させる

顔も真っ赤に上気させおでこと鼻に玉の汗をかいていた

オレは、美智の鼻の汗玉をペロっと舐め取る

抜くぞ

あまだ

また、すればいい

美智の中から勃起を抜く

んんっあっ

亀頭が抜ける時、美智が残念そうに声を出した

少し遅れて割れ目から、とろーりと精液が滴り落ちる

畳の上に、白い水溜まりを作っていく

瑠璃子が、そんな光景を呆然として見下ろしている

大分、セックスに慣れてきたみたいね

まだ処女喪失から2日目だ

なのに、確実にセックスでイク身体になってきている

セックスに慣れてきたのでは、ございません

ご主人様に慣れて参りました美智の胎内は、もうご主人様の形になっておりますご主人様のものだけが、ぴったりと収まるようになっておりますご主人様しか、入りませんし入れさせません

オレにしがみつく美智

それなら、あたしもそうよあたしのここも、旦那様の形になっています

みすずが、自分の下腹部を触る

ご主人様ぁ

美智がオレに甘えてくる

キスキスして下さいませ

オレは、美智の柔らかい唇に接吻する

幸せです、わたくしこんなに、幸せでいいのでしょうか

まだ、仰向けの状態で床に寝ている美智がオレとみすずを見上げる

ご主人様とみすず様わたくしの一番大切な方々に見守られて、絶頂に達してしまいました

幸せでいいのよ

みすずが、笑顔で答える

これからも、ずっと一緒ですからね一緒に、旦那様を愛し愛され、赤ちゃんも産みましょう美智の赤ちゃんを、あたしも可愛がるわだから、美智はあたしの赤ちゃんも守ってね

もちろんでございますみすず様ご主人様のお子様は、全て、わたくしが命を賭けてお守り致します

そうね、みんな家族ですものねあなたの子供は、あたしの子供あたしの子供は、あなたの子供

2人のやり取りを聞いて瑠璃子が、驚く

みすず様何をおっしゃっているのです

あら、何がおかしいの

みすずが、瑠璃子に振り返る

みすず様は香月家の本家の血筋です例え、父親が同じ人物であっても、みすず様の子供と美智さんの子供は違います

おんなじよみんな、黒森の家の赤ちゃんですもの

平然と、みすずは答える

みすず様は、香月家をお捨てになられるおつもりですか

瑠璃子の言葉に、みすずは笑う

香月家の本家は黒森家に吸収されましたお祖父様が、あたしたちの家族へのご参加を表明なさった時に

そんなこと香月の分家たちが許しません

あの人たちには内緒にしておくわそれにもし知られたところで、あの人たちに何ができるの香月の資産は、全てお祖父様が抑えていらっしゃるのに

わ、わたくしが納得できません

ギッとみすずを見下ろす

みすず様が、黒森様と関係を持たれるのはご自由ですが香月家の娘としての義務と責任から逸脱しない範囲で、お願い致しますわたくしたちは、特別な血筋の家系なのですから

瑠璃子今のあなたには、それを言う資格はありません

ぴしゃりと、みすずは言い切る

今の瑠璃子はもう、香月家の娘ではないのですから家の問題を、売り払われたあなたが意見するなど、笑止千万です違いますか

口籠もる瑠璃子

あなたが売り払われる、その現場にあなた自身も居たでしょうあなたは、お祖父様に抗議しなかった納得して、香月の家を出たのでしょう

瑠璃子には、反論する資格は無い

あの時はわたくしは、それがどういうことなのかよく判っていなかったのですわ

そんな言い訳が通用するとでも

みすずが、軽蔑の視線で瑠璃子を見上げる

ずいぶん軽く見られたものですね

わたくしはみすず様を軽く見てなどおりません

あたしが言っているのは、お祖父様のことです瑠璃子あなたは、香月家当主、香月重孝の決定を何だと思っているのです

瑠璃子は、世間知らずだが愚かではない

自分がもう、取り返しの付かないところに来てしまったことを受け入れる

オレは現実を受け入れて、素直に謝ることのできる瑠璃子に感心する

これが雪乃なら

あいつは、絶対に現実を受け入れない

何もかも、誰かのせいにして徹底的に、現実を拒否する

そして、少しでも自分に都合の良い妄想に逃げ込む

決してくじけない雪乃の生命力は、正直、凄いと思う

オレは、これ以上あいつに関わりたくはない

あいつはいつも、自分だけしか見ていない

瑠璃子、頭が高いわよ

それが、場を弁えない奴隷が人に謝る態度

大変、申し訳ございませんでした

床に手を付く

瑠璃子の正座は、とても綺麗だ

そのまま額を畳に擦り付けて、土下座をする

あなた自分の何が悪かったか、判っているの

みすずは、さらに追い打ちを掛ける

わたくしは香月の家より売り払われた身でありながら本家のお嬢様である、みすず様にご意見をしてしまいました大変、申し訳ございません

みすずは、瑠璃子の論理的過ぎる思考を利用して、彼女の特権階級意識を破壊しようとしている

これは悪い手ではないけれど

でも、このままだと逆に、瑠璃子に奴隷根性が付いてしまう

頭を上げなさい、瑠璃子

あなたは旦那様の何ですか

瑠璃子は、オレを見て口籠もる

旦那様お祖父様からいただいた譲渡証はお持ちですか

大切なものだから、肌身離さず持って来た

香月重孝の自筆のサインが入っているのだ

こんなモノなくすわけにはいかない

ここにあるよ

オレは、みすずに手渡す

見なさいお祖父様のサインも入っていますここにこれがあるようにお祖父様も、旦那様のサインの入った受け取りをお持ちですここに何と書いてあるか読めますね

瑠璃子が指した箇所には奴隷譲渡証の文字が

もう一度、聞きますあなたは、旦那様の何です

瑠璃子は観念する

奴隷です奴隷として、譲渡されました

その答えに、みすずはニッコリと微笑み

そうよあなたは奴隷もう、奴隷なの

瑠璃子の眼にまた、涙が溜まる

そして、あたしは旦那様のペットです美智は、玩具知っているわよね

瑠璃子は、ホテルの地下の緊急避難室でみすずたちが、オレに全裸土下座した様子を見ている

それは、お遊びでのことでしょうわたくしの様に、香月様のご命令でそうなられたわけでは

瑠璃子は、香月家が第一だから

みすずのペット宣言もオレとのごっこ遊びだと思っていたらしい

香月家の姫君が本気で、下賤な男のペットになるはずが無いと

だから自分の奴隷譲渡も、ジッちゃんは本気で無いと信じていた

また、瑠璃子を譲渡されたオレが本当に、香月家の娘を奴隷として扱うはずがないと、高をくくっていた

あら、あたしは本気よあたしは、旦那様の愛玩動物です一生、可愛がっていただくつもりだしお仕えするつもりです

わたくしもご主人様の玩具でございますずっと、玩んでいただけるように、努力致しますご主人様の所有物として、この身と心をお捧げ致しております

美智も答えた

判る瑠璃子あなたは、奴隷あたしは、ペット美智は、玩具つまり、あたしたち、ほとんど似たような存在なの

今のあたしははっきり言うわ旦那様が全てですもし、あたしの存在が旦那様にとって不利益をもたらすのなら死んでもいいと思っています

冗談でもそんなことは言うな

はい申し訳ございません

もし、そんなことになったらオレが先に死ぬ美智も、聞いてくれ

お前たちオレより長生きしろよ一日でも長く

2人の眼が、大きく見開かれる

オレはお前たちを幸せにしたいんだオレのためなんかに、絶対死ぬないいな

その代わり一生、側において下さいませ

旦那様もあたしたちのためだと思われて、ご自分が犠牲になるようなことは、絶対になさらないで下さい

ご主人様よりも長く生きよという、ご命令確かに、承りました美智は、何があろうともご主人様より、1分だけ長生きすることをお誓い致します

1分だけ

ご主人様のいらっしゃらない世界に、未練はございません

あたしもです旦那様の後を追います

お前ら何を言っているんだよ

ですからお命を大事になさって下さい

あたしたち全員旦那様のことを、いつも心配しているんですからね

みすずが、オレの背中を抱く

美智が、下からオレを抱き締める

ご主人様がいらっしゃらなくなったらみんな、また迷子になります

2人とも

さて瑠璃子あなたは、いつまで迷子でいるつもり

わたくし迷子ですか

ええお祖父様に、香月の家から放り出されて行き先を見失った、あなたはまるで迷子の様です

瑠璃子は、自分自身を振り返る

でもそろそろ気が付きなさいあなたの首には、もう大きな首輪が付いていますしそこには頑丈なリードの鎖も付いています鎖の先を握っていらっしゃるのは旦那様あなたは、とっくに旦那様に捕らえられています旦那様の愛情に包まれていることに気が付きなさい

オレの愛情

みすず様どういうことでございますか

瑠璃子は尋ねる

あなたは、少し想像力が足らないわ考えてご覧なさいお祖父様が、あなたを売り渡したのが旦那様ではなくそうね、例えば、香月の分家それも、仁さんだったら、どうなっているかを

みすずの問い掛けに、瑠璃子はブルッと身震いする

恐ろしいことになると思いますあの様な、下品で分別の無い男性の奴隷となるなんて

香月仁まともな人間になれ

でもそんなことは起こりませんお祖父様いえ、香月様が、あんな下劣な方にわたくしを譲渡なさるはずがございませんもの

では、なぜお祖父様は、旦那様を瑠璃子の譲渡の相手にお選びになったのかしら

黒森様が信頼できるお方だと、ご判断なさったからだと思います

そうね瑠璃子にも旦那様が、あたしや美智たちを、とっても大切に愛して下さっていることは判るわね

はいそして、みすず様たちも、黒森様を愛していらっしゃることも判っております

そして旦那様は瑠璃子のことも愛して下さっているのよ

瑠璃子にとっては、納得しかねることもあるかと思いますが旦那様は、ずっと、どうしたらあなたを幸せにできるかそればかりを考えて下さっています

あなたのお尻を叩いたことだってあなたが、分からず屋だからお仕置きしなくてはならなかったからです

いやええっと

うんと瑠璃子は、きちんと誰かから叱って貰って来てないって思ったんだ

きちんと叱って貰う

ああ、瑠璃子は香月家のお姫様だから何か、悪いことをしても遠回しに言葉で非難されるだけでちゃんと、直接叱られてきていないんだなって、感じたいや、もちろん瑠璃子は、とっても頭が良くて、分別のある子だから普段は、そんな叱られるようなお行儀の悪いことはしないんだろうけれど

元々、おかしなことはしでかさないタイプなんだよな

だから、余計叱られた経験が無い

瑠璃子は、一昨日の劇場とホテルでの体験で、旦那様のことをすっかり信頼していたのよ香月家の敵では無いお祖父様にも認められているし、あたしの大切な相手だし信じられる人だと感じていたから甘えが出たのね

みすずが、そう分析する

今日のお祖父様との奴隷譲渡のやり取りの時のあなたは、とても態度が悪かったわ旦那様は香月家の家臣ではないわお祖父様は、ちゃんと身内として旦那様に対していらっしゃっていたなのに、瑠璃子は甘えから、旦那様を自分よりも目下の人間として扱っただからお仕置きされたのよ

瑠璃子がハァと溜息を吐く

今のお言葉で合点がいきましたみすず様のおっしゃる通りですわたくし、一昨日の様子で黒森様を心の許せる相手だと判断し気が緩んでいました甘えていましたお祖父様に奴隷として売り払われるということの意味すら理解せずに確かに、全てわたくしに責がございますわたくしが、黒森様のことを軽んじたから

お尻を叩かれる様な、悪い態度だったことは判るわね

瑠璃子は、頷く

大変申し訳ございませんでした

今まではとは違う心の籠もった謝罪の言葉だった

瑠璃子もう、はっきり言うけどさ

今の瑠璃子なら、判ってくれる

お前、もう香月家のことは、忘れろ

お前が、色々考え込んであたふたすればするほど、逆に香月家の未来は混乱するジッちゃんは、そう思って覚悟して、オレにお前を売っ払ったんだ

そうなのでしょうか

そうだよだから、絶対に元には戻れない奴隷としての譲渡なんだ少しでも、香月家に戻れる可能性があったらお前は、また政治的なことを色々と考え込むから

そうかも、しれません

素直になった瑠璃子はオレの言葉を受け入れる

でも、それで香月家の未来は、どうなるのでしょうか

そんなのは、美子さんに任せておけ

美子に

放逐した瑠璃子の代わりにジッちゃんは、美子さんを香月家に復帰させた香月家の跡取りは、美子さんだよさっきの告別式でジッちゃんが、みんなに示していたじゃないか

ジッちゃんは、自分の隣の席に美子さんを座らせていた

みすずと瑠璃子は、離れた席で

焼香の順も自分の次

つまり美子さんが、後継者だ

そ、そうですね確かにおっしゃる通りです

瑠璃子は、今まで自分こそが香月家の後継者だと思い込んでいた

美子さんは自分のお付きだと

美子さんが、自分の血の繋がった従姉だと知った後でも

だから、後はジッちゃんに任せろジッちゃんが、美子さんのことを悪く扱うはずがないだろ

そうよ、もう香月家のことは全て、お祖父様にお任せしなさい瑠璃子には、もう無関係なことなんですから

みすずも、瑠璃子に言う

そうですわねお二人の、お言葉に従います

瑠璃子の眼から、ぽろぽろと涙が零れる

でも、それならわたくしは、この先、何を考えて生きていけばいいのでしょうか

そんなこともお判りにならないのですか

美智が口を開く

瑠璃子は、もうご主人様の奴隷なのですからご主人様の幸せだけを考えれば良いのです

奴隷の指導者として美智は、答える

大丈夫ですわたくしたちの幸せはご主人様が、常に考えて下さっていますから

昔も今もオレは、自分のことなんてどうでもいいんだけれど

でもオレは、オレを愛してくれている人たちは、何が何でも幸せにしたいんだみんなが幸せでいてくれないと、困るんだ

はい、人間は愛している人のためなら、自分のための何倍も頑張れますからね

瑠璃子ももうオレの愛している人の中に入っている

お兄様よそう呼ぶ、約束だったでしょ

はいお兄様そしてみすずお姉様

美智様もこれから、よろしくお願い致します

美智で構いません

瑠璃子は、奴隷わたくしは、玩具立場は、一緒ですわたくしたちは、同い年のクラスメイトです敬称を付ける必要は無いと思います

ご主人様美智は、そう判断致しましたいかがでしょうか

美智お前は、いつもオレの望んでいることを先回りしてやってくれるな助かる

美智は、ご主人様の忠実な玩具でございますから

頬をポッと赤く染めて美智は答えた

これで瑠璃子に上下関係の無い、友達が初めてできた

これは、素晴らしいことだと思う

瑠璃子家族は、みんなで助け合うことお前のことを考えて、意見してくれる子との話は大切に聞くことお前も、他の家族のことで気になったことがあれば、声を掛けてやれ助けを求めていても、自分からは声が出せないこともあるそうだろ

はい判りました、お兄様

瑠璃子もう一度、聞くわよあなたは、旦那様の何

みすずの問いに、瑠璃子は

わたくしは、お兄様の奴隷です

オレの大切な奴隷だ

はいお兄様に、とても大切にしていただいている奴隷です

あたしも、あなたを大切にします約束するわ

わたくしもです仲良く、協力し合って、幸せにりましょう、瑠璃子

はい、みすずお姉様み、美智、よろしくお願い致します

瑠璃子は、二人に礼をする

さて、後はセックスだけね

みすずが、ニコッと笑う

旦那様の奴隷なんですものセックスのお相手は、しなくちゃいけないわよ

瑠璃子は、怯えた表情になる

わたくしにできるでしょうか

できますわたくしにも、できましたから

美智が、胸を張る

わたくしは瑠璃子と同い年ですが瑠璃子よりも、小柄ですでも、ご主人様を受け入れることができます毎回、とても気持ち良くしていただいております

ほ、本当に気持ち良いのですか

瑠璃子は、心配そうに尋ねる

あんなに大きなものを体内に押し込まれるなんて

ええ天国に昇るようです

みすずも、答える

わたくしは、毎日でもしていただきたいと思っております

あたしは、本当に毎日、していただいています

では、わたくしも

そうよ、瑠璃子もこれから、毎日するのよセックスは、愛の義務ですからね

オレ、毎日するのか

では、これからあたしが旦那様に抱いていただきますから瑠璃子は、自分もすることだという意識を持って見学なさい

はい判りました、お姉様

いや、まあみすずが、和服セックスをしたがっていたことは判っていたから

やるか

旦那様、帯を引っ張ってあーれーとか、やりたいですか

みすずが、立ち上がって帯を緩めながら、言う

ええっとそれは、今度にしよう

いや、ほらあんまりドタバタすると、外の警備の人が心配するし

ここは、壁が薄いから

そうですねでは、少し声を抑えて致しましょう

みすずが、納得してくれる

みすずも、猿轡をするか

あたし、それより

旦那様に、縛られたいです

み、す、ず

ここに着物用の腰紐がありますから

お前、和服セックスって

はい、旦那様に縛られたくて持ってきました

みすずは、最初から縛りプレイがしたかったのか

ということで、瑠璃子は素直になりました

瑠璃子の最初のコンセプトは、セックスについての知識が皆無な女の子に、信頼をたてに、平然とエッチなことを教え込むなので、そっちの路線に戻ります

というか、みすずや美智のセックスを見せて、セックスは気持ちがいいものだと思い込ませて初体験は、ハードに

上げて落としての今はまた上げの部分に入りました

まあ、当初の予定に沿った展開なので仕方ありません

陵辱展開が好評だったので申し訳ないのですが

これ以上、引っ張ると他に影響しますし

陵辱も本当は、ハードなのを書きたいんですけれど

これが終わったら

それとも、1話だけ書こうかな

クリスマス何も無かったので

何か、とても陵辱物が書きたい気分ではあります

395.陵辱ごっこ

ちょっと待って下さいね帯を緩めますから

しゅるしゅると、みすずは帯を緩める

これで胸元も裾も、旦那様の自由にしていただけます

うん和服の胸に、隙間ができている

足も足袋の上に、地肌がちょっぴり見えている

みすず様、こちらへ

美智が、座布団で褥を作ってくれた

そこへ、みすずはごろんと転がる

旦那様縛って

オレに赤い腰紐を手渡す、みすず

どんな風に、縛られたいんだ

両手を頭の上で縛って下さい

みすずは、頭の上に手を伸ばす

この腰紐は縛った相手の身体から、抵抗する力を失わせる魔法の腰紐なんです

恥ずかしそうに、縛りプレイの設定を話すみすず

オレは、みすずの細い手首を重ね赤い布の紐で、X字に縛っていく

あーん、みすず力が抜けていきますもう、旦那様に抵抗できないのぉ

興奮して潤んだ眼で、みすずはオレを見上げる

旦那様このままこのまま、あたしを犯して

旦那様にメチャクチャにされたいんですみすずのこと、ケダモノみたいに犯して

みすずの身体にのし掛かるッ

胸元をガッと開いた

黒い喪服と肌襦袢その下から、白い乳房が露出する

下着、付けて無いのか

はい早く、犯していただきたかったから

オレは、和服の間から零れる乳房に唇を這わす

みすずの乳首は、すでに鋭く尖ってオレの舌に転がされるのを待っている

桜色の乳首を吸われ、みすずが声を上げる

大きな声を出すな外に聞こえるぞ

では、あたしにも猿轡を猿轡をして下さい

みすずが、熱い息を吐く

その方が犯していただいている感じが出ますから

はい、こちらに

美智は清潔なハンカチを取り出す

さっきは、みすずのハンカチで美智に猿轡を咬ました

だから、今度は美智のハンカチで、みすずを

あ、ちょっと待って

両手を縛り上げられたみすずが言う

その前に、キスキスして下さい

オレは、みすずにキスする

みすずが、オレの舌を求める

オレたちは、舌を絡め合い

みすずが、オレを見つめる

お願い、本気で犯して

みすずが、オレに敬語で喋らないのは

心の底から、正直に求めている時だけだ

あなたに求められているって感じたいの犯してみすずを奪ってみすずの身体、全部あなたのものにして欲しいの

瑠璃子、見ている

みすずが、瑠璃子に声を掛ける

乾いた声で、瑠璃子が答える

あたしたちは、香月の家に生まれた娘だけれどあたしたち自身は、別に何の力も無い、普通の女です

あたしの旦那様はあたしに纏い付いている香月家の名誉も財産も、求めてはいらっしゃいませんただ、あたしただけを求めて下さっています

それはよく判っておりますお兄様は、そういう世俗的な要求を一切なさっていらっしゃりませんから香月様にも、みすずお姉様にも

瑠璃子の政治脳はなかなか、治らない

そういう旦那様に対してあたしが捧げることのできるのは、この身と心だけです

旦那様あのね

恥ずかしそうに、みすずは言う

あたし雪乃さんみたいに、犯されたいの

旦那様が雪乃さんとなさっている時みたいに旦那様の性欲を、みすずに全部、吐き出して欲しいの

もう雪乃さんは、いらないんでしょ

どうしてそれを

朝に恵美さんから、お電話をいただきました

いつの間に、そんなホットラインが

だったら、雪乃さんを犯す時みたいに荒々しく、力尽くで犯して痛くしてもいいですからみすずのこと蹂躙して欲しい

みすずの眼が、濡れている

オレ勃起が、どんどん硬度を増していく

オレ、我慢できなくなっちゃうかもしれないぞ

我慢なんかしないでみすずのこと、好きにして下さい

でも、みすずのことを傷付けるようなことは

雪乃なら、何でも平気でできるけれど

みすずはオレの大切な女なんだ痛めつけるようなことは

ご主人様これは、ごっこですから

どうぞ、みすず様のお望みを叶えて差し上げて下さいませ

本気のレイプでしたらいつでも、わたくしがお相手致しますわたくしの身体は、そう簡単には痛んだりは致しませんので

お前、何を言っているんだよ

ご主人様はわたくしたちに対し、寛容過ぎでございます

みすずも、そう思います

オレの下で、みすずが言った

あたしたちの我が儘に付き合って下さって、いっぱい我慢して下さっているのは有り難いですけれど今のままでは旦那様がのお心が、破裂してしまいます

いや、オレは

だから今までは、雪乃さんとのセックスが旦那様の良い気分転換になっておられたのですわ

雪乃とのセックスは、気を遣わずにお互いの性欲をぶつけ合うだけだった

それがあたしたちは、ずっとずっと口惜しかったんです

あたしたち

ええ、みすずも恵美さんもマナちゃんもそう感じておりましたわ

確かに、恵美とマナはオレと雪乃のセックスを監視カメラで観て嫉妬したことがある

ホテルでミス・コーデリアの前でご主人様が、雪乃様となさっているのを見た時、嫉妬でこの身が張り裂ける様な思いをしましたわたくしはご主人様の他の女性たちには嫉妬致しませんしかし、雪乃様は大嫌いです

ここまで女性陣に嫌われるってある意味、凄い才能だと思うぞ、雪乃

でも、やっと旦那様が、雪乃さんを捨てて下さいました

はい、ですから

これからは、旦那様の暗い欲求もあたしたちに吐き出して下さい

オレの暗い欲求

みすずも、告白します

あたしあなたにレイプされたいあたしの身体のことなんか、全然無視して欲望を思いっ切り吐き出されたい

わたくしもですそろそろ、本当にセックスの玩具にしていただきたいんです

二人の気持ちは、嬉しいけれど

何を恐れていらっしゃるのですかただのごっこでございます

あの2人とも、知らないと思うけれど

オレブレーキが利かなくなったら、本当に止まらなくなるから

オレは、自分が最初に雪乃をレイプした時のことを覚えている

本当に止まらなくなった

オレは、狂ったケダモノみたいだった

なるほどそれがご主人様のトラウマなのですね

一度、ブレーキが止まらなくなったことがおありだからわたくしたちとなさる時のご主人様は、いつも安全運転なのですね

多分そうなんだろう

ではわたくしが、そのトラウマを破壊致します

思わず、オレは美智の眼を見てしまう

美智が、自分とオレの心をリンクさせる

旦那様、あたしを見て

オレは、自動的にみすずを見下ろした

縛られて、胸を露出したままの美少女を

どうぞ欲望のままに

美智に心の掴まれたままで

自制心を働かすことが、できない

うわわぁっ

オレは、みすずのおっぱいにしゃぶりつく

お兄様おっぱい好きなのですね

瑠璃子が、荒々しくみすずのおっぱいを玩ぶオレを見下ろして呟く

美智、あたしに猿轡を

みすずが、指示する

あたし、犯されるのを嫌がりますから美智も、あたしの身体を押さえつけて

美智が、みすずの口にハンカチを押し込む

ご主人様解放です

耳元で美智に囁かれた瞬間オレは、全ての理性を失った

うううっううっうううっ

みすずが、わざと身体を揺すってオレを拒絶する演技をする

眼には涙を浮かべ手は縛られ、美智に肩を抑えられている

まるで、本当にレイプしているみたいだ

どうぞレイプなさって下さいお心のままに

美智の声が、オレに響く

オレは、みすずの和服の裾に手を伸ばす

みすずは、わざとじたばたする

オレの手を、股の間に入れられないように

オレは強引に無理矢理、みすずの足を開かせるッ

みすずの太ももは、つるんとしていて弾力がある

肌は、火照っていて熱い

み、みすずやらしてくれっ

みすずは、首を大きく振って拒絶のサインを示す

それがまた、オレの興奮に火を付ける

右足は、わたくしが押さえております

美智が、みすずの右足を押さえる

オレは、左足を

着物の裾が大きく開いて生足の肌の中心に濡れた秘部が現れる

腰には帯を巻いているがみすずは、おっぱいも割れ目も剥き出しだ

白くて長い足の先に、白い足袋はそのまま履いている

みすずい、入れるぞ

ううっうううっううーっ

みすずは、やめて、やめてと顔を振る

眼から涙が、ぽろぽろ零れる

オレは、腰を押しつける

うくくぐぅぅっ

挿入の瞬間、みすずは大きく呻いた

ずっちゅ

みすずの熱く湿った胎内を、激しくピストンする

みすずの肉奥を貫く

瑠璃子が、呟く

今、ご主人様にはオスになっていただいています

瑠璃子もいずれご主人様のメスになるのです

オレはみすずの背中に手を廻し、身体を密着させて犯す

みすずの和服は、大きくはだけて細い首筋から胸まで、全て露出している

オレは、みすずの首から耳にかけて、ペロペロと舐めた

みすずの身体が、ゾクッと震える

膣が、キキュッと締まった

みすずいいぞすっごく、いい

オレに揺さぶられて、みすずが前後に揺れている

みすずの可愛いおっぱいが、踊る

尖った乳首が、くるるんと廻る

片手で、おっぱいを揉むギュッと握りつぶす

乳首をコリコリと指で擦る

みすずは、悦びに泣いている

だが、その涙はレイプされた屈辱の涙にも見える

オレの中に射精の欲求が、湧いて来る

みすず出そうだ中で出すぞ

ううううっ、ううううっ、ううーっ

いつもなら、自ら膣内射精を望む、みすずが

今は、わざと拒絶する

全身で、オレを跳ね除けようと暴れる

オレは、そんなみすずの身体をギュッと抑え付けて

出、出るぅぅ

ううううっーっっ

射精の瞬間も、みすずは必死でオレから逃れようと身体を動かす

オレはそんなみすずを、思いっきり抱き締めながらみすずの子宮にねっとりとした液体で満たしていく

あああっああっうううっ

亀頭をゴツゴツと子宮口に押しつけながら射精を続ける

腰を振る度に、みすずの膣口が締まってオレの勃起の根元を締め上げる

また、びびゅっ、びびゅっと精液が胎内へ

うううーっうううっううーっ

脱力しながら、みすずは泣いている

可愛い可愛いぞ、みすず

みすずの涙をオレは、唇で吸い取る

それから、みすずの口のハンカチを外してやる

みすずは、大きく荒い息を続けている

これいいですっ

みすずが、潤んだ眼でオレに言った

レイプごっことっても、いいのっ

もっと、犯してメチャメチャにして赤ちゃん出来ちゃってもいいの旦那様に犯されたい

みすずは、身も心もとろとろに溶けている

残念ですが次は、わたくしです

振り向くと、美智が畳に四つん這いになってオレに尻を向けている

もちろん、さっきセックスしたままの裸のお尻だ

まだご満足にはなっていらっしゃらないと思います

美智が、尻を振る

小柄な身体の小さなお尻割れ目から、愛液と精液が垂れている

ご主人様、わたくしを犯して下さい

美智はそう言って、ハンカチを咥える

旦那様どうぞ、美智を食べて

もう、我慢しなくていいのあたしたち全員、好きに食べ散らかして

犯したいでしょう美智のことも

ずるりとみすずの胎内から、勃起を引き出す

激しく射精したというのに、オレのペニスは萎えていない

ああ、美智ももう一度犯してやるっ

美智っ

オレは、美智の腰を掴んでバックから、膣口にペニスをあてがうっ

ぬぐぅぅっ

狭い中に突き入れるっ

入れ比べて、判る

美智の方が、みすずよりも体温が高い熱い

みすずの中は、とろとろに溶けている感じだが美智の中は、きっちりと締まっていて、オレを締め上げる

ぐっ、ぐぅぅ、ぐぅぅ

美智は、わざとレイプされている様な声を出してくれた

両手両脚を踏ん張って、必死に耐えている

ずんっずんっずんっ

オレの剛直が、小さな女性器を容赦無く、突き上げる

繋がっている部分が、丸見えだ

その上の美智の可愛い、肛門も

瑠璃子見えるか

瑠璃子の声は、すっかり乾いている

自分と同い年の少女の割れ目が、男のペニスを根元まで咥え込んでいるのだ

しかも、ぐいぐいっ激しく抜き差しされている

こんな平気なのですか

大丈夫よ美智のそこは、旦那様を受け入れるためにあるのだから

縛られて、肌を露出して転がされたままみすずが答えた

そして瑠璃子のそこもね

瑠璃子は、自分の下腹を抑えている

わたくしもこんなことをしなくてはならないのですね

そうよあなたも旦那様に犯されるのよ

オレは、美智を後ろから激しく責めながら瑠璃子を見る

瑠璃子が、オレを見ている

美智を犯しているオレを

もう、すぐ美智の中に吐き出すお前、オレの顔を見ていろ

お前の顔を見ながら射精する

オレは、腰を加速させる

ぐっうううっうううっ

美智の唸りが、大きくなる

瑠璃子はいい女だな

オレは、美智を犯しながら瑠璃子を視姦する

お前、とっても抱き心地が良さそうだ

そ、そうでございましょうか

ああ早く、お前とセックスしたいよ

中学の制服姿の清楚な瑠璃子

発達途中の胸は美智よりもある

本当のことを言うとお前の日舞を見た時から、抱き締めたいって思っていた

和服は身体のラインが出るし瑠璃子は、スタイルがいいんだよなお前が踊っているところを見ていたら柔軟で、柔らかそうで

オレは、美智の膣奥をえぐる

ぐぅっ

美智が喘いだ

瑠璃子の身体、抱き締めたいと思った裸にして全身、舐め回したいと思ったああ瑠璃子の中に、射精したい

じゅっぷ、じゅつぷ、じゅっぷ

美智の割れ目から、さっき射精した精液が白く泡だって滴っていく

精液と愛液を潤滑油にして、オレはスパートを掛ける

オレ、瑠璃子をメチャクチャにする赤ちゃんができるようなことを毎日するいつでも、どこでもオレが求めたら、裸になれセックスさせろ

はい、瑠璃子はどんなことでもお兄様のお求め通りに致します

怯えた眼で、瑠璃子はオレを見ている

激しく、美智を犯すオレを

一生、オレだけだからなお前を抱いていいのは、オレだけだお前とセックスするのも、お前の中に射精して、孕ませるのもオレだけだからな

美智によって解放された心がオレに欲求を素直に語らせる

はい何でも従います

瑠璃子の処女はオレのものだからな

ショジョショジョって、何でございますか

ああ、瑠璃子は性的な知識が、全然無いんだっけ

一昨日まで、セックスの存在を知らなかったし

いきなり生本番を見学させられている

いいから瑠璃子の処女を差し上げますって言え

は、はいる、瑠璃子の処女をお兄様に差し上げます

ああ、また出そうだ

瑠璃子はオレの何なんだ

瑠璃子はお兄様の奴隷です

ただの奴隷じゃないセックス奴隷だセックス奴隷になりますって言え

はい、瑠璃子はお兄様のセックス奴隷ですセックス奴隷になりますセックス奴隷にして下さいませ

瑠璃子また、出そうだ見ていてくれ

オレが美智の中に射精するところを見ていてくれ

はい拝見させていただきますっ

くぅぅ

で、出るぞイクぅっっっ

瑠璃子が見ている

オレも、瑠璃子を見ている

瑠璃子の美しい瞳を見たままオレは、射精するぅぅ

どおっぷ

3度目とは思えない量を噴き出す

まるで美智の中に、小便する様に腰をぐいぐい押し込みながら

オレは、熱い欲望を吐き散らかす

ぐぬぬぬぅっ

美智が子宮で熱液を受けとめて身体を反らす

そんなオレたちの痴態を清純なままの15歳の美処女が、見つめている

瑠璃子いっぱい出ているぞ

男が自分の眼を見つめたまま別の女に射精している

そんな倒錯的な状況に瑠璃子は、震えている

うっ、うっううっ

最後の一滴まで、美智の中に注ぎ込むッ

ほら、よく見ろ、瑠璃子

オレは、瑠璃子によく見える様に美智からペニスをずぼっと引き抜く

愛液と精液に塗れたオレのペニス見て瑠璃子は小さく声を上げる

オレの亀頭の先から白い精液が糸を引いて美智の膣内に繋がっている

美智捻り出せっ

故知の小さなお尻に、キッと力が込められる

お尻の穴が、ピクッとすぼまる

濡れてテラテラに光っている割れ目から白い精液が、とろとろーりと垂れてくる

四つん這いで、腰を瑠璃子に向けた美智

美智の胎内から溢れた精液が、ぽたり、ぽたりと畳の上に垂れ落ちる

そんな様子を、瑠璃子は見つめている

瑠璃子も、こうなるんだからな

熱い

まるで全力ダッシュを何度も繰り返したみたいだ

オレは、そのままぱたりと畳に倒れる

あ、オレ

限界だ

ぷつんと、糸が切れるみたいな

旦那様美智早く

みすずの声に四つん這いになっていた美智が飛び起きる

咥えていたハンカチも、取り払ったらしい

倒れたオレの顔を覗き込む

ご主人様わたくしの眼を見て下さいっ

美智の大きくて綺麗な瞳

その瞳に吸い込まれる

ハァァッ

美智が気を発した

あれ

大丈夫ですか、ご主人様

美智が、オレの顔を覗き込んでいる

心月のリンクを切りましたご気分はどうです

ああ何か、今まで荒々しい海流の中に居たみたいでその流れに逆らえなくて、どんどん暗い海底に沈んでいく感じだったんだけど

今はどうです

海の上に顔を出した感じだちゃんと息ができる

オレは、大きく深呼吸する

美智、これを外して

みすずは手を縛られたままで和服は、着崩れているしそのままでは、自力で起き上がれない状態になっている

美智が、みすずの元に行く

旦那様は平気

もうしわけございませんわたくし、ご主人様の欲求に惹かれて

美智は言う

わたくしは、ご主人様のご様子を常に確認できるようお顔を見ていなければいけなかったのに、つい後ろから犯していただいてしまいましたので

美智は、オレが限界に近付いたことに気づかなかったのか

今度からは、もう1人監視役をして下さる方をお願いしましょう

あオレ

オレは、自分が行った痴態にハッとなる

み、みすず平気か傷はできていないか

オレ、かなり強引にみすずを犯した

大丈夫ですどこも跡は付いていません

手を自由にされたみすずは、ニッコリと微笑んで起き上がる

また、しましょうとっても、気持ち良かったです旦那様

美智もごめん

何のお話でございますか

きょとんとした顔で、美智が答える

オレ、美智とセックスしていたのに美智を無視して、瑠璃子の顔を見ながら射精したから

女の子に対して、とても失礼なことをしたと思う

美智が、きつい顔でオレを見る

ご主人様は、ようやく、わたくしをセックスの玩具として使って下さったのではございませんか

わたくしはとても、興奮致しましたはっきり、申し上げて、今までで一番、興奮致しましたわたくしは、ご主人様の玩具ですからこれからも、今の様に、ぞんざいにお使い下さいもっと、もっと玩んで下さいませ

さっきも申し上げましたけれど旦那様は、あたしたちに優しく接しすぎです大丈夫ですわ何があろうとあたしたちは、旦那様から離れませんからもっと、気楽にあたしたちを求めて下さい

心の中の暗い欲求はちゃんと、あたしたちで解消して下さいあたしたちも、旦那様に解消していただきますどんな恥ずかしいことでも、いやらしいことでも旦那様となら、したいです女の子だって、エッチなんですから

そう言って、みすずは笑った

わたくしは本当に、お望みのことは何でも致しますからあんまり、ご主人様がお心の中に暗い思いを溜め込んでいらっしゃるようならまた、引っ張り出します

美智との心月のリンクがある限り

オレの暗い欲求は、美智に自在に引き出される

とにかく旦那様の心の解放は、時々やるべきだわね

はいわたくしたちの心の解放も、させていただかないといけませんし週に一度くらいは

いいえ三日に一度よ旦那様、まだ溜まっていらっしゃるもの

そうですねわたくしたちだけでなく、寧様や克子様たちにも解放に参加していただかないといけませんし

克子姉の心の解放なんかしたら

陰獣が、目覚めてしまう

寧だって怖い

とにかく、我慢しちゃダメですからねあんまり、ご自分の心を抑え込まないようにして下さいませ

溜め込んだ感情はいずれ、問題を引き起こします

みすずと美智が、オレを見る

オレ自身オレの中に、こんな陵辱欲求が溜まっているとは、気付かなかった

今までは、たまに雪乃とセックスすることで解消していたんだ

その雪乃はもういない

これからは、みんなに頼むよ確かにオレ色んなことを溜め込みやすい性格みたいだから

はいいつでも、お相手致しますわ

みすずが、ニコッと笑った

あたしたちも暗い思いが溜まったら、メチャクチャにして下さい

そういう気持ちになることってよくあるのか

はいもちろん旦那様に、優しく抱いていただきたい時の方が多いんですけれど今日みたいな日は

今日

昨日今日は、つらいですあたしたち、ずっと嘘を吐いているのですから

気付かなかった

みすずも、美智も瑠璃子の父の、本当の死因を知っている

通夜と告別式で香月家の一族や、たくさんの会葬者の前に立ち続けることは、苦痛なんだ

激しく罪の意識がある

重秋叔父様のご遺体を見ていると心苦しくて

だからあたしも美智も、旦那様に激しく犯していただきたかったんです

陵辱風味を増量してみました

今度から、この言い訳で陵辱シチュエーションが使えます

瑠璃子とか、本人の意志に関係無く

学生時代に2年半付き合った彼女はなぜか

クリスマスに会うのは恥ずかしいから、26日か、27日に会おう

と、私に言い

それで2年連続で、クリスマスには彼女と会わなかったです

今、思うと

あの子は、クリスマスには誰と会っていたのでしょう

一つ判っていることは

2年半も付き合っていたのに

あの子は、私のことは本当は好きではなかったんだろうなあ

ただ、彼氏が欲しかっただけなんでしょうね

396.パンティ&

すっかり着崩れた着物姿のみすずが、オレに抱きついて来る

下半身だけ裸の美智が、背中から

大好きです

みすずが、オレの唇にキスする

続いて、美智も

廊下に通じるドアが、ノックされた

みすずは、おっぱいも股間も丸出しだし美智だって

2人とも割れ目から、じっとりと愛液と精液を滴らせている

みすずが、小声でオレに囁く

今、少し取り込んでます中へは入って来ないで

毅然とした声で、外に向かって叫ぶ

外の声は女性だったさっき会った、警備の小石川さんだろう

御用は何ですか

そろそろ、お時間だそうですお支度をお願い致します

判りました、5分ほど時間をちょうだい

お急ぎにならなくても結構ですごゆっくり、お支度下さい火葬場の方へ行かれましたら、こちらのお部屋には戻りませんのでお荷物は全て、持ってお出になって下さい

小石川さんは、立ち去ったようだ

関さんがお気遣いして下さったみたいですわ

こちらのお部屋に入る前に関さんにお会いしましたから

ああ、関さんはジッちゃんやみすずたちの車列を出迎えに行ったから

関さんの方で外の警備の方に、一言お話して下さったんだと思いますあたしたちが到着したら、中には入らないように

だって警備の方たちは、このお部屋に旦那様がいらっしゃることは、知っていらっしゃったのでしょう

そう言えば、そうだ

関さんとオレでこの部屋に入ってオレだけ出て来ないのを、小石川さんは知っているはずだ

中で、わたくしと旦那様が密会しているから、邪魔をしないようにと一言、おっしゃって下さったんだと思います

この建物に入る過程では関さんは、オレを自分のアシスタントに仕立てたけれど

直接、この控え室を警護する小石川さんの部隊にだけオレがみすずの恋人であると、連絡した

小石川さんの班のメンバーとしか交信できない通信機を借りたのも、そのためだ

しかも、あらかじめ小石川さんたちの関さんに対する信頼感を高めておいたからみんな、黙って関さんの指示を受け入れてくれた

だから小石川さんは、部屋の中の確認には来なかった

つまり、オレとみすずたちの密会は小石川さんたちのレベルまでしか知らない

上の人たち現場責任者の浅見新部長は、気付いていない

ですからあたしたちが火葬場に向かった後、ゆっくり旦那様は部屋の外に出て下さい警備の方たちは、皆さん、あたしたちと一緒に移動しますからここには、誰も残らなくなります

そのことを示唆するため小石川さんは、改めて部屋には戻らないので、荷物は全て持って出るように言ったんだ

だってそもそも

みすずも瑠璃子も、荷物なんて持ってきていない

美智が、小さな布袋を一つ持って来ているだけだ

みすず様お支度をお急ぎ下さい

美智は、その布袋から、手ぬぐいを取り出す

これで、お股をお拭い下さい

ありがとう美智は

わたくしの分もございます

別の手ぬぐいを取り出し美智は自分の股間を拭う

どうしましょう中から、旦那様のものが溢れてくるわ

わたくし、予備のパンティを用意してございます

美智が、純白のパンティを2枚取り出す

1枚は、自分用だろう

でも、パンティはお尻に、ラインが見えてしまうわ

今はそんなことを言っている場合ではございませんお早く、お穿き下さい

うんまだ、このあとも初七日法要とか、精進落としとかスケジュールが詰まっている

和服にノーパンで、垂れてくる精液を気にしながらでは、大変だろう

生理用のナプキンを貼り付けます垂れてくるものは、これに吸い取らせましょう

美智用意がいいな、お前

仕方無いわねあなたの言う通りにするわ

みすずが、オレの前に立つ

オレが穿かせるのかやっぱり

美智からナプキンを貼ったパンティを受け取り片足ずつ、みすずの細い足首に通してやる

そのままつるつるした足に、するっとパンティを持ち上げぷにっとしたお尻を越えて、穿かせる

みすずが、オレにキスする

いいから、ほら早く、着物を着直せみすずの身支度が最優先だろ

はい、かしこまりましたっ

みすずが、ササッと和服の乱れを直していく

振り向くと、下半身裸のままの美智がパンティを持って立っている

お前もか

いいよ、穿かせてやるから

お手数をお掛け致します

美智にも、パンティを穿かせてやる

高2のみすずは、それなりに成長した肉体だけれど美智は小柄だから

何か、子供の世話をしてやっているような錯覚を覚える

いや、さっきこの肉体で、あんなに甘美な快感を味わさせてもらったんだけれど

ほら、パンティは穿かせてやったから後は自分で着ろよ

美智が、満足げにオレを見下ろす

では、ご主人様失礼します

いや、オレは自分でパンツ穿けるから

いいえ、下着を履かれる前にお清め致します

美智は、そう言ってオレのペニスを舌で舐める

愛液と精液の残滓を丁寧に

あ、美智あたしもしますっ

いいえ、みすず様はご自分のお支度をお急ぎ下さい

うーん、もおっ瑠璃子、手伝って

オレたちの様子を眼を丸くして見ていた瑠璃子がみすずの着物の着付けを手伝う

本当に、仲がおよろしいのですね

瑠璃子が、呟いた

あたしたちの旦那様は、お優しい方なのよ世界でただ1人、甘えて良い殿方なのですから、思いっきり甘えさせていただきましょう

甘えて良い

例えば、あたしが突然病気になって寝たきりの生活になったとしてあたし、旦那様にでしたら、あたしの全てをお任せできますこんなこと、お祖父様にだってお願いできませんでも、旦那様なら

オレを見るみすず

旦那様、もし、そんなことになったらお願いできますよね

ああ、ご飯とか日常生活の世話だろうん、オレがするよ

あたし、毎日あーんて口を開いて、旦那様に食べさせていただきます

判ってるよ、みすずは甘えん坊だからな

お風呂も入れて下さいます

下のお世話も

オレがする全部やるから心配するな

どうしてですお兄様

みすずは、オレの家族なんだからこいつの面倒は、一生見るって約束したんだもちろん、美智だって、瑠璃子だって

わたくしも

当たり前だ、お前の下の世話を、赤の他人にやらせられるか

でも、なるべくいや、できる限りみんな元気で居てくれ本当に具合が悪くなったら、看病もするし、世話もするでも、健康なのが一番だから

はいおかしな例を持ち出して、申し訳ありませんでした

美智、もういいからお前もスカートを履けよ

もうちょっとです

ダメだ早くしろ

では瑠璃子にやらせますか

オレは、瑠璃子の唇を見る

今はダメだ今、瑠璃子にしゃぶらせたら、また大きくなってしまう

それでしたら、また飲精させれば

今は、そんな時間はないだろっ早く、服を着ろ

最後に、ちゅぱっと音を立てて美智は、オレのペニスから口を離す

オレは、急いでパンツを穿く

いいのよ、美智瑠璃子には、これからじっくり学ばせますから時間はたっぷりあるのよ

瑠璃子の誘拐が上手く行けば時間は、幾らでもある

オレは、そそくさとズボンを履く

男の支度は、早くていい

美智、このタオルを借りるぞ

オレは、美智が股間を拭っていたタオルを拾う

何をなさるのですか

掃除だ畳が汚れているだろここにセックスの痕跡を残していくわけにはいかないじゃないか

オレは、部屋の備え付けの洗面台でタオルを濡らす

ギュッと搾ってゴシゴシと畳を拭く

愛液と汗と精液を拭っていく

わたくしも、お手伝い致します

美智が、そう言うが

美智は、みすずと自分の支度が優先だほら、髪の毛が乱れてるぞ一分の隙も無い姿で、香月一族の前に戻れいいなっ

ほら、美智あたしの前に来て、髪の毛直してあげるわ

みすずが、美智を呼ぶ

お兄様、わたくしがお手伝い致します

瑠璃子が、みすずが使っていた方のタオルを拾って濡らして搾る

オレのやったのを真似しているんだろう

うまくタオルが絞れない

貸して見ろ

オレは、瑠璃子からタオルを受け取って、ギギュッと絞る

凄い

凄くないこんなの普通だよ瑠璃子学校で、掃除とかしないのか

香月家の屋敷なら判るけれど

旦那様、あたしたちの学校では、お掃除は全て業者の方がなさいますから

瑠璃子の代わりに、みすずが答えた

生徒にお掃除をさせたら学校が父兄に訴えられてしまいますわ

さすが、超お嬢様校オレの理解を超えている

ほら、瑠璃子

ありがとうございますお兄様

瑠璃子は、オレから濡れタオルを受け取り

畳の上に四つん這いになって床拭きする

やっぱり、上手くないな

瑠璃子、畳の目に合わせて、擦るんだ

だからさ

オレも、四つん這いになると

オレの眼に

瑠璃子の赤く腫れた生尻と無毛の割れ目と肛門が飛び込んで来る

美智パンティの予備は、まだあるか

オレは溜息を吐いて、美智に尋ねる

ございます

瑠璃子に渡してくれ瑠璃子も、大分素直になってくれたパンティぐらい、穿かせてやってもいいだろう

美智が、瑠璃子でなくオレにパンティを差し出す

瑠璃子も、家族でございます

美智が、オレをジッと見る

今はどんなことも仲間はずれにしてはいけない

瑠璃子、穿かせてやるオレの前に立て

畳の上に膝立ちになっているオレの前に、瑠璃子が立つ

スカート、捲ってろ

細くて白い指がスカートの裾を優雅に持ち上げる

瑠璃子の処女の女性器が、オレの眼の前に露出する

右足から行くぞ

オレは、瑠璃子にもパンティを穿かせてやる

瑠璃子の肌を滑らせるようにパンティを引き上げる

パンティのゴムが、腫れたお尻に触れた瞬間、瑠璃子は痛そうに眉を顰めた

膝立ちのまま瑠璃子の足を抱き締めた

瑠璃子の下腹に、頬ずりする

ごめんな大好きだからな、瑠璃子

お尻は痛いだろうから、太ももをギュッと抱き締めた

一生守るから

お兄様はとっても、不思議なお方です

オレは、瑠璃子を見上げる

わたくしにはお兄様という方が、よく判りません

瑠璃子は、明らかに困惑していた

そうね人の情の判らない瑠璃子には、旦那様のお心は、まだ理解できないかもしれないわね

すっかり身支度のできたみすずが、答えた

旦那様はとっても、シンプルなお方よね、美智

はい、こんなに判りやすいお方は、いらっしゃいません

2人は、笑う

そうでしょうかわたくしには判りません

損得だけじゃあないのよ人間は、動物だから情というものが、人間の行動の基盤になることもあるのよ

ごめんなさい判りませんわたくし

でも、瑠璃子にだって旦那様が、魅力的な男性だってことは判るわよね

オレが魅力的かぁ

みすずそれは、ちょっと

はいそれは、判ります

え瑠璃子

何故なんでしょう黒森様には、親しみを感じますわたくし

なぜなのでしょう判りませんわたくし

香月家の娘として生まれた瑠璃子は

右も左も、周囲にいるのは瑠璃子たちの後ろに、香月家の権力を感じて、擦り寄ってくる者ばかりだ

他家どころか、香月家の一族さえ、瑠璃子たちを政治的な道具としてしか見ていなかった

特に瑠璃子の実の父、香月重秋は、ジッちゃんにとって、気を許すことができない要注意人物だった

だから、孫娘たちを利用されないようにジッちゃんは、瑠璃子たちを世の中から隔離した

そうするしか、無かった

香月重秋の元に瑠璃子を置いていたら彼は、自分の地位を築くために、平気で瑠璃子を利用していただろう

今になってみれば、ジッちゃんの選択はどうしょもないものだったことがよく判る

自分が香月家の後継者になろうとして実の兄を家族ごと謀殺した男だ

娘にだって何をするか判らない

狭い世界に閉じ込められて暮らしてきた瑠璃子は

家臣である美子さんと、二人きりだけの生活を強いられてきた瑠璃子は

お前に色んなこと、教えてやるからないっぱい、楽しいことをしような

きょとんとしている瑠璃子

オレは、そんな彼女を見上げている

それは、セックスということですか

セックスも楽しいけれど、もっとたくさん楽しいことが、いっぱいあるのよ

みすずが、従妹に言う

そうだ、オレさ克子姉から、パン作りを習うんだ瑠璃子も一緒に習わないか

パンですか

パンだけじゃない、ケーキとか、お菓子とかそういうのも習うぞ

それは面白そうですねわたくしも、習ってみたいですでも

でも何だ

いいのでしょうかわたくしが、習っても

瑠璃子は、これまで日常生活の全てに、規制を受けていたから

日舞だけ許されていたのは紺碧流の家元の日舞教室が、完璧な警護体勢だからだろうあそこには、セレブの子女たちしかいないし各家の警護人が何重にもガードしている

学校も超セレブ校だから、同じだ

あたしは、瑠璃子に比べてずいぶん、楽をさせていただきました

みすずが、呟く

あたしの父は、国家官僚です大学を卒業した時から、香月グループとは一線を画していますから、重秋伯父様の標的にはなりませんでしたそもそも、父は野心家ではありませんし重秋伯父様は、このまま父に政府の役人を続けさせるか、いずれ政治家に転身させるつもりだったんだと思います

兄弟でもライバル視されなかったから

香月重秋の標的に、みすずの一家はならなかった

それでもあたしも、香月家本家の血筋ですから瑠璃子と同じですずっと世間知らずのまま、一部の人たちだけに囲まれて成長しましたでも、あたしの場合はあたしが、そんな閉ざされた世界で窒息しそうになっていることを、お祖父様がお気づきになって下さいましたから

それで、みすずは渚と引き合わされた

あたしも昔は、瑠璃子や美智の様に、自分のことをわたくしって呼んでいたんですよでも、渚様にそんな喋り方では、普通のお友達ができないって注意していただいて

ええ、実際わたくしをあたしに直しただけで、学校でも紺碧流のお稽古場でも、お友達が増えました渚様のお店のお手伝いの時でも、言葉使いを改めたら、先輩の皆様があたしに親しくして下さるようになりましたし

天下の香月家のお嬢様が、わたくしって言ってたらみんな、引くよな

自分から、近付いて来るのは香月家の権威を取り込みたい人ばかりになる

逆に、あたしって言ってたら親しみが湧く気がする

香月家のお嬢様だって、自分と同じ年頃の女の子だって

今でも、みすずの喋り方は、固苦しいって叱られることもありますがわたくしと言っていた頃には、そんな風に叱って下さるようなお友達はいませんでしたから

判る気がする

瑠璃子そういうのも、人の情の世界だ小さなことで、人との関係が変わるんだ

まあいいゆっくり、覚えていけばいいさ

オレは、もう一度瑠璃子の柔らかい足を抱き締める

みすず様、瑠璃子様よろしいでしょうか

外から、小石川さんの声がする

時間ですか

はい、お願い致します

今、参りますちょっと待って下さい

みすずも、美智も支度は、整っている

タオルは、オレが処分しておくからあ、お前ら全員、手を洗っていけ

みすず、美智、瑠璃子みんな手を洗う

では、行きます

うん、多分、どこかで瑠璃子を奪取することになると思う

マルゴさんと関さんで作戦を立てているはずだ

いいわね、瑠璃子あなたは、旦那様に誘拐されるのよ

はい判っております

瑠璃子も、覚悟はできているらしい

サポートは、わたくしが致します

頼む、美智

それでは、旦那様

オレの三人の美少女は優雅に、部屋から退出して行く

お待たせ致しました参りましょう

部屋の外から、みすずの声が聞こえてくる

さて、また部屋に一人きりだ

警備の人たちは、みすずたちと移動とは言うけれどすぐには、出ない方が良い

時間差を作るために、ここで静かに待つ

オレは、畳の上に大の字に寝そべる

やっぱり、ちょっとくたびれた

じゃじゃじゃーぁんっ

部屋のドアが、ガチャッと開いて

寧と、マルゴさんが入って来る

もう大丈夫香月セキュリティ・サービスの人たちは、このフロアには居ないから

あれれ、どうしたのっヨッちゃん、ちょっとお疲れ気味

靴を脱いで、寧が畳の上へ

そのまま、オレに抱きついて来る

うふふっ、ヨッちゃーん

ど、どうしたの姉さん

どうしたも、こうしたも無いよっヤキモキしてたんだからっ!あたしっ

寧は、自分の大きな胸をオレの顔に押しつける

どーせ、みすずと美智に絞り取られたんでしょっ

あ、やっぱし何回何回やったのっ

おっぱいがおっぱいが、弾力でオレを攻めてくる

さ、3回

美智が2回で、みすずが1回

むむむっ美智、やるわねっ

も、もしかして姉さんも、したいの

すると、寧はくくくーっと笑って

大丈夫っあたしは、あの子たちみたいに飢えてないからっ

ほら、あの子たちはお上品に育てられすぎて、今はヨッちゃんとのエッチでしか心の解放ができないから

今はしょうがないよねヨッちゃんも、愛してあげてね心に不安や寂しさが湧き上がったら、ヨッちゃんに抱かれないとダメな身体になっちゃっているのよ

さっき、みすず自分は瑠璃子よりマシみたいなことを言っていたけれど

みすずだって、常に強いセルフコントロールを強いられている

オレとのセックスで、硬直しきった心を解きほぐしているのは間違いない

美智も警護人としての美智は、セルフコントロールの塊だからなあ

だから、セックスにハマっているのか

ほらッ、姉さんがヨッちゃんの抱き枕になってあげるからあたしにいっぱい甘えなさーいっ

そう言って、オレをギュッと抱き締める寧

あたしは、あの子たちよりも、安定しているもんねぇヨッちゃんとの絆は、深いんだからーっ一々セックスしなくたって、こうやって抱き合っているだけで満足なんだからっ

寧はそう言うけれど

でも、今朝寝起きのオレを襲ってきたの、姉さんだよねぇ

ぐふふふふっ女はね、どうしても我慢できなくなる時があるんだよっヨッちゃんの寝顔、とっても可愛かったんだからっ

って結局、姉さんだってエッチしたくなったら、我慢できなくなるんじゃないかっ

そうだよーんっヨッちゃんも、我慢しなくていいからねっしたくなったら、いつでもどこでもあたしは、襲われまーすっ

どうして、オレの廻りはみんな同じ様なことを言うんだろう

実際はオレより先に、求めてくる

はいはい、そこまで寧この部屋には、長くはいられないんだから

マルゴさんが、寧を制する

もう、そろそろ施設の係の人が、掃除と確認に来るよあたしたちも、外に出よう

ああ、そうでしたっ

寧は、オレを抱き締めたまま笑う

やっぱり、みすずと美智とここでセックスしていたことに、嫉妬しているんだな

いつもよりも、ちょっとテンションが高い

それで、マルゴさん岩倉さんは

そうだ、岩倉さんの姿が見えないけれど

彼女はお仕事中

仕事中って

生徒会長、岩倉幸代の正体は黒い森の娼婦だ

うん、もうあの男の子たちに、引き渡してきたよ

作戦は、順調だよ

ブックオフで、プロのせどりの人を見ました

でっかいタイヤ付きのバッグを引っ張ってて

左手にiPhone

右手にスキャナーを持って

本棚の端から、順に本のバーコードをスキャンしてネット上の価格を確認

価値がありそうなら、次々とカゴに投げ込んでいく

まあ他の客の迷惑でした

何か眼が血走っていて、ちょっと怖かったです

50歳近そうな、迷彩服を着たオッサンでしたけれど

397.ミルク

とりあえず、部屋から出る

ヨッちゃん、これ着て

寧が、薄っぺらいビニールのジャンパーをオレに手渡す

ちょっと暑いけれどね

オレは、急いで香月セキュリティ・サービスの制服の上からジャンパーを羽織る

これで、取りあえずはオレは、香月セキュリティ・サービスとは無関係の人間になる

ズボンが、そのままだけれどまあ、誰かに突っ込まれたら、寧とマルゴさんが上手くフォローしてくれるだろう

喉渇いていないコーヒーでも、飲みにいこう

でも、そんなことしてて大丈夫なんですか

スケジュール通りの進行なら今は動きようがないんだよ

火葬場から、場所を変えて初七日と四十九日法要それから、ここの斎場の駐車場の向こうにある、レストランを借り切って精進落としの食事会だからさっ

寧は、この後のスケジュールを暗記していた

そのレストランへの移動が、チャンスだと思うんだていうか、そこまでは手を出すなって寧が言うから

うん瑠璃子が亡くなったお父さんのお骨を拾って、法要が済ませるまではあたしたちは動いちゃダメだよそれは、とてもいけないことだから

寧は、そう言う

そうですねオレも、そう思います

あたしは、日本の仏教形式のお葬式はよく判らないから精進落としっていうのは、別にいいんだね

うんそれは、単に家族で集まってお食事する会だからて、言っても、本当は香月のお祖父ちゃんと瑠璃子とみすずの家族だけでした方がいいんだと思うよ香月家の分家の人たちとか、会社の人たちが一緒だと気が休まらないだろうし

寧はお葬式の体験があるんだ

うん小5の時に、父方のお祖父ちゃんとお祖母ちゃんが交通事故で二人一緒に亡くなったからよく覚えている式の流れとか

そうなんだオレは去年、母親の方のジィさんが死んだから

それなりに覚えている

自分のバァちゃんの時は、まだ小さかったからうろ覚えだけれど

寧が、オレの腕に自分の腕を絡める

とにかく、行こうね、ヨッちゃん

オレたちは、施設のロビーに移動する

香月セキュリティ・サービスの黒服たちはすでに移動していた

気を付けて建物の外には、見張りが居るから

マルゴさんが、オレたちに囁く

一般のお客さんの迷惑にならないようにとりあえず、この建物からは撤収しただけだよ

火葬場と法要をする場所は隣の建物なんだねっ

寧が、視線で示す

ガラス張りのロビーから見える隣の建物

渡り廊下で、こちらの建物と繋がってはいるけれど

赤茶けた大理石で覆われた建物の内部に黒服たちが見える

つまりジッちゃんや、みすず、瑠璃子たちは、今はあそこにいる

利用者用の出口は、あそこだけ精進落としの会場のレストランは、あの出口から出てまっすぐ正面のあそこのお店だよ

マルゴさんの視線を追うとああ、確かに和食レストランがある

本来なら、香月家が使うようなお店じゃないんだろうけれど今日のお葬式は、大っ平にならないように、やっているからね火葬場の前で、サッと済まして解散したいんだろう

香月グループとしては瑠璃子の父、香月重秋の急死は、なるべく隠したい

マスコミの関心が、白坂家のスキャンダルで揺れている間に世間の注目を集めないように

だから、お葬式も慌てて急いで済ませた

移動は、最短の直線ルートを選択するはずだよ新しい警備部長の浅見さんならねだから、ここのロビーから監視していれば大丈夫さ

裏口とか、施設の従業員出口からってことは無いんですか何か、浅見さんて人は頭でっかちな人みたいだから裏の裏をかいて、そういうことをしそうに思うんですけれど

あたしも、そう思うよていうかあたしは、昨夜、関さんから浅見さんの立てた警備計画を見せて貰っているから

浅見さんの計画だと正面からは出ない裏の非常口の前に、リムジンを廻して香月さんと、みすずさん、美子さん、瑠璃子さんだけ、この短い距離を車で移動その他の人は、歩きってことになっているんだ

じゃあここで監視していたってダメじゃないですか

誘拐ターゲットの瑠璃子が、車でササッと移動じゃあ手が出せない

オレのスットンキョな声にマルゴさんは、クスっと笑う

慌てないでそれは、あくまで昨日の浅見さんの計画そんなの、絶対に谷沢さんに蹴られているはずだから

谷沢チーフに

今日はさ浅見新部長の初仕事なわけでしょだから、当然谷沢さんが、浅見さんのやることを詳細にチェックしているまあ、大したことじゃなけりゃあ現場では眼をつぶって、実際にやらせてみて、後であそこは良くなかったって指導するんだろうけれど香月さんやみすずさんたちの安全に直接影響のあることなら、口を挟まざるを得ないでしょ

確かに告別式会場を出発するのに、手間取ったり

遅れを取り戻そうと、車列を急がせたり

すでに浅見さんの失点は出ている

浅見さんの計画の問題点は3つ1つ目は、警備の人員を分割しなくちゃいけないってこと香月さんたちを乗せるリムジンの警備と歩いて、移動する香月家の人たちの警備とね全員一緒の移動なら、全ての警備員を集中させられるのに分けるのは、良くないよねしかも、リムジンと歩きではスピードが違うから浅見さんは、ここに居る黒服の警備員たちを香月さんたちをリムジンに乗せる班、リムジンを警護する班、向こうのレストランに先乗りして、リムジンを出迎える班さらに、一般の香月家の人たちを歩いて警護する班の4つに分ける必要が出て来るそんなことをしていたら、一番大切な香月さんの警備要員の人数が足りなくなるよね

2つ目がリムジンの香月さんと孫娘たちと歩きのその他の香月家に分けたら、さすがに香月家の分家の人たちは気分が悪いよね

あの人たち、結構、メンドくさいプライドの持ち主だから

しかも、浅見さんの計画ではどうしたもんだか、瑠璃子さんのお母さんとみすずさんのご両親も歩き組なんだよ

亡くなった人の奥さんは、歩きって何、それ訳判んないよねっ

寧が、ご立腹だ

理由は、想像できるよ移動が一台の車で済まなくなるからだよ、きっと

運転手はさすがに、香月セキュリティ・サービスの人でしょそれに、香月さん、みすずさん、美子さん、瑠璃子さんで5人警備の人が乗って、6人

でもリムジンなら、詰めればもっと乗れるでしょ

オレが尋ねるとマルゴさんは

あのさ香月家の当主の乗る車が、ギュウギュウ詰めってアリだと思う

そりゃあ、ナシだ

リムジンだから、6人乗っても余裕があるわけっていうか、運転席と助手席が警備員で香月さんたちの乗る席とは、透明な板で隔てられている感じかな

なら、移動車を2台にすればいいじゃないですかそれなら、瑠璃子やみすずの親も車で行けますよね

そしたら香月家の分家の人も、車で行かせろと言い出すよ

今度は空いている席に、誰が乗るかで分家の中で、揉めることになる単純な順列なら、香月操のお父さんなんだろうけれど今日は、お年寄りも来ているからね血縁の濃さとかだけでは決められないし乗せたら、乗せたであの人は、閣下に目を掛けられているとか、変な勘繰りをする人も出るだろうし

本当にどうしょもないなあ、名家の付録の人たちは

浅見さんて、そういう政治的なことにだけは頭が廻るから計画では、リムジン一台香月さんと孫娘たちだけっていうことにしたんだろうと思うよ

ところがここで、3つめの問題

そもそもさ香月さんが、そういうことを喜ぶと思う自分と孫たちだけ、あからさまな特別扱いなんて

いいえジッちゃんは、嫌がると思います

それに、この施設は公共の物だよね名だたる名家・香月家の当主だからって施設の人に、普段は閉鎖されている出入り口を開けさせるとか

マズイですよねそんなことで、反感を持たれたりネットに書き込まれたりしたら、ヤバイことになるかもしれないし

それがキッカケになって瑠璃子の父親の死が、大きく取り上げられて

変死したのではないかと、疑うような人が現れたりしたら

だから、香月さんは絶対に、浅見さんの計画を受け入れないそうなることが判っているのなら、谷沢さんは香月さんに警備計画を見せる前に浅見さんに変更を命じる

うんジッちゃんに見せてからじゃ、遅い怒らせるだけだし

そうなると、浅見さんも意固地な性格だから

計画を見れば、立てた人の性格が見えるよ谷沢さんに、事前にダメ出しされた浅見さんは、判りました、言う通りにすればいいんでしょっって、カチンとくるだから

あの正面出口から、向こうのレストランまで最短距離を一直線、全員警護で向かうってことになるわけさ

というのが、あたしの推理まあ、大丈夫だよもし、全然違う計画に変更になったら、関さんが教えてくれることになっているから

当ったり前でしょっいつでも、臨機応変に対処できないとねっ

寧は、マルゴさんといつも一緒に黒い森の実行部隊をやってきたからこういうことには慣れているらしい

あ、売店で何か買ってるよっ

パタパタとロビーの売店へ行く

オレは瑠璃子たちのいる、火葬場の方を見る

焼いて、骨にしてそれから、どうするの

お箸で二人一組になって一つずつお骨を、壷の中に納めていくんです

何か、結構ショックですよさっきまで、人の形をしていた肉体が焼けて、骨だけになっちゃってるのって

そうだねちょっと想像できないよ

マルゴさんは、考え込む

アメリカだと、多くの人は、遺体を焼いたりはしないからねせいぜい、2割ぐらいじゃないかな

ああ、そのまま棺に入れて土葬なのか

キリスト教の考え方だと全ての死者は、最後の審判の時にお墓から蘇って、復活することになっているから亡くなった時以上に、肉体を損傷するべきではないという考えがあるんだよ

まあイギリスみたいに、キリスト教徒でも火葬にする割合が多い国もあるけれどね

本当に、マルゴさんは色んなことを知っているなあ

君は神様を信じている

マルゴさんのブルーの眼が、オレを見る

ええっと居るような、居ないようなでも、もし居るとしたらオレには、神様は優しくないと思います

優しくない

ええ、神様ってオレに、試練ばっかりくれている気がします

面白いことを言うね君は

そして、また考え込む

ねえ民族や、住んでいる地域によって、その地で信仰されている神様の性格は変わるんだよ

うん例えばさユダヤ教などは、砂漠で生まれた宗教だからさ神様は、人間にとても厳しいんだよすぐに人に試練を与えるしもの凄く、理不尽だったりもするだから、人間にとって神様は、とても怖い存在なんだ

マルゴさんは、話し続ける

それは、やっぱり砂漠という環境が人間にとっては、とても苛酷でどんなに気を付けていても、すぐに死んでしまうような乾いた土地だったからだと思うそれに対して、キリスト教は元々は、ユダヤ教から分かれて発展していったけれどヨーロッパに入って、やっぱり変化したんだと思うよ中世までのヨーロッパは、気候が温暖でとても住みやすかったから神様は、とても人間を愛して下さっているという考えが強い

これがアジアの南の島の宗教とかになるとねそこは、とても生活しやすいんだ海に行けば、魚が豊富に居るし、山に行けば食べられる木の実がいっぱいある生きていくということに、不自由はないそういう環境だとね、神様は人間に対して甘々な性格だと信じられているだから、その南の島ではみんな神様に対するお祭りよりも、悪魔のためのお祭りばかりしているんだ

悪魔の

別に、悪魔信仰ってわけではないなんだよその島では神様は、特にお祭りなんかしなくても、人間に幸福を与えて下さるだけど、悪魔はいつ人間に不幸をもたらすか判らないだから、とにかく悪魔を一生懸命お祭りして、少しでも機嫌を損ねないようにしないといけないそんなことをしても、神様は怒らないだって、神様は底抜けに人間を愛しているのだからそういう信仰なんだよ

面白いですねそれ

日本人はどう思っているのかな神様について

うーん、人間には優しい存在なんだと思いますよでも、人間が自分で努力しないと、願い事は叶えてくれない神様は、そういうものだって、みんな感じていると思います

そうか確かに、そんな感じはするよね

マルゴさんは、ますます考え込む

ちょっと、これをテーマにレポートを書こうかな

そう言えば一応は、大学生なんだよな

ほーい、買って来たようっ

寧が、売店から戻って来る

ごめんねぇ牛乳なかったから、コーヒー牛乳で許してちょっ

寧は、オレとマルゴさんに四角い紙パックを手渡す

え何で、牛乳

オレがそう尋ね終わる前に

アーンド、あんパンこれは、置いてあったっ

あんパンと牛乳

張り込みだからっ

ニヒヒと、寧は笑う

どうして、張り込みだとあんパンとコーヒー牛乳なの

違うのっマルゴお姉ちゃん、本当は白い牛乳なのよっ

だからどうして

ああマルゴさんが、日本の文化についておかしなレポートを書きませんように

それから40分ぐらい、ロビーから監視を続けた

パブリック・スペースだし色んな家の人が、訪れている

それこそ、火葬が終わるのを待っている他の家族の人たちもいるし

だから、オレたちがロビーに居座っても気にする人はいなかった

動いた

確かに向こうの建物の中の黒服警備員たちが、動き出している

移動が近いね警備態勢を移行させているんだ

マルゴさんは、そう分析した

君と寧は、ここに居て

あたしは、岩倉さんの方へ行くから

そういえば岩倉会長は

一騒ぎ起こすからそれで、瑠璃子さんだけ警備の中から外れさせる

どうやって

マルゴさんは、オレに微笑む

もう瑠璃子さんは君の言うことは聞くようになった

はい、一応は

一応

あいつも、もの凄く頭がいいですけれど頭でっかちですから頭では、もうオレに付いてくるしかないことは判っていると思いますでも、心はまだ完全ではないと思います

さらに言うと身体も

セックスして、快感を感じられるようになるまでは

瑠璃子の肉体は、オレに受け入れてはくれないと思う

ま、青い果実だからねっ瑠璃子は

寧が、そういう感想を述べた

まあ、心配しなくても平気だよみすずさんや美智さんもいる上手く、フォローしてくれるよ

オレたちが、瑠璃子・誘拐の口火を切ったらみすずたちは、空気を読んで協力してくれるだろう

香月さんだって助けてくれるだろうし

いえ、ジッちゃんはオレたちの力だけで、がんばれって言ってました

でもわざわざ邪魔をしてはこないだろう

それはそうだ

元々、瑠璃子を香月家から切り離して、オレに売り払ったのはジッちゃんなんだから

このまま、瑠璃子が香月家の中に閉じ込められ続けることをジッちゃんは、望んでいない

瑠璃子は殻を破って、外界の空気に触れないといけない

となると問題は、あの子だけだねっ

うん美子さん

美子さんは、オレたちの誘拐を邪魔するかもしれない

まあ、それはあたしが何とかするよ

よしあたしは、岩倉さんの方へ行くから、君と寧はそうだな、あそこの入り口の辺りに居てお喋りをしているフリをしていればいいから大丈夫、公共施設の中なんだから、敵意を示さない限り香月セキュリティ・サービスは、君たちを排除したりはできないよ

携帯持ってて何かあったら、すぐ連絡するから

そして、マルゴさんが小走りで出て行く

あたしたちも、行こうっ

寧は、あんパンを囓りながら、立ち上がった

さて、あちら側の建物の方は、いよいよざわついている

まもなく、ジッちゃんたちが出て来るな

外警護の黒服警備員たちも出口から、レストランへ向かう道に集まって来る

ここに、みんな集まって来るそこが、ミソなんだよっ

ほらっ、ヨッちゃんもっと、あたしにくっついて恋人のフリをしよっ

フリなんかしないよ

な、何でよっ作戦中なんだからねっ

だって、恋人じゃんかオレと寧

二人だけだから、姉さんでなく寧と呼ぶ

怒ってるの寧

違うヨッ照れてるのっっ

寧が、オレの耳に小声で囁く

好き好き大好き

オレも

オレも囁く

キスしたいがこうも、ゾロゾロと黒服が集まって来ると

あ、さっき駐車場で関さんと一緒に会った人もやって来る

ごめん、今はオレ、関さんのアシスタントだと思わせておいた方がいいから

オレは駐車している車の影に隠れて、寧に言う

あの人さっき、関さんと会っているんだ

了解むしろ、その方が小回りが利くかもね

オレは、ささっと、ビニール・ジャンパーを脱いで寧に手渡す

寧は、その匂いを嗅いで

うーん、ヨッちゃんの匂いっ

そして、自分でジャンパーを着た

さっきの黒服警備員がオレに気付いて、こっちにやって来る

あのここから***駅の方に出るには、どこのバス停が一番良いんでしょうか

寧は、満面の笑みで黒服に尋ねる

ああ、それでしたら

黒服は、オレがたまたま寧に道を聞かれただけだと勘違いしてくれた

ピーッ

建物の入り口で、黒服の一人が笛を吹いた

閣下がいらっしゃるすみません、お嬢さん、もう少し、こちらに寄っていただけますか今、ここを団体が通りますから

自動ドアが開いてまず、関さんが現れた

すぐに、オレに気付いて

あ、オレ、呼ばれているんで行きます

黒服は、オレを関さんのアシスタントだと思っている

オレは堂々とした歩みで関さんの方へ

今年は本当に、運が良くないので

年が変わる前に、どっかの神社にお参りにでも行こうかと思いました

でも、明治神宮だと、明治天皇がいるし

乃木神社は、乃木大将だし

どこの神社がいいのだろうと思っていて

と、そこにちょうど母が着たので

どっかお参りでも行こうかと思うんだけれど

いいんじゃない

どこの神社へ行けばいいと思う

箱根神社がいいんじゃない

は、こ、ね

私は、都内というか近郊で済ませるつもりだったのですが

え、何で箱根

何か、ナガシマ監督がよく行ってるんだって

何で、ナガシマ監督終身名誉

いや、何かメチャメチャだなあと思ったのですが

これも何かの縁かなあと思い

行ってきました

朝9時に家を出て箱根神社に着いたのが、お昼

で、お参りして芦ノ湖を歩いて

帰宅したのは午後の5時過ぎ

判ったこと日帰りで行くところではない

温泉も入ってません

されど、引いたおみくじは末吉

書いてある内容は、暗いことばかりでした

一番、面白かったのは、

待ち人来ないが、連絡だけくる

なんだ、それ

そんな夢のような一日でしたまる

398.ガントレット

関さんの前に行くと

わたくしの横に居て状況に変化があり次第、対応して

小声で、オレに囁く

何が起こるんです

さあわたくしには、判らないわ

一応、ここの段階で、マルゴさんが何かをするということは事前に聞かされているらしい

しかし、どういうことが起きるかまでは伝えられていないのか

下がって、本隊が来るわ

建物の正面入り口の自動ドアが、開く

まずは、黒服の一団が出て来る

その後から香月家の分家の人たち

香月グループの瑠璃子の父親と関係の深かった重役たち

それから、また黒服部隊

一際、大きな身体が現れるジッちゃんの専任警護である、大徳さんだ

それからジッちゃんと美子さん

ジッちゃんは、自らお骨の入った桐箱を抱えていた

谷沢チーフも、ジッちゃんのすぐ脇に居る

その後ろから遺影を抱えているのは瑠璃子のお母さんだ

そして、みすずの両親

みすずと、瑠璃子、美智

その後ろに専任警護人の張本さんこれまた、でかい

そして、また黒服たち

全部で、50人以上はいる、大行列だ

その行列を囲むように数メートル感覚で、黒服たちが並ぶ

オレたちも含めて大人数が、ゆっくりと歩いて移動する

こちらの火葬場の建物から、向こうのレストランまでは

通りを挟んで、おおよそ100メートルというところか

やりすぎよこの場に来ている警備員の九割を終結させてるわ

歩きながら関さんが言った

警備の分割計画を、谷沢チーフに却下されたから浅見さんは、逆に全警備員をここに集めている

でも、みんな一応、礼服に黒ネクタイだから遠目には、大家族が、たまたま法要に集まっただけに見えるんじゃないですか

と、オレも歩きながら、一応言ってみる

関さんが、あんという眼でオレを見た

ハハそんなわけないですよね警備の人たち、みんな体格と髪型が一緒ですもんね

誰が見ても私服警備員にしか見えない連中ばかりだ

全員、周囲を警戒しながらのっしのっしと歩いている

もちろん、パッと見でガードだって、すぐに判別できる人も必要なんだけれど襲撃者対策にはねでも、誰が警護員で、誰が一般人か判らないように、混ぜておかないと効果無いわ

関さんは、呆れていた

警備の人たちの礼服もあれ、みんな同じメーカーの同じ物でしょ多分、前部長の山岡さんの指示なんでしょうけど

うん、衿の形も、布地のてかり具合も同じ

これではわざわざ私服で、警護している意味が無い

髪型の統一と一緒に、変更させないとね後で、谷沢チーフに提案するわまったくまさか、山岡さん、礼服の会社からリベート貰ったりはしていないでしょうね

ここまで全員同じだとそんな疑問さえ湧いてくる

そうですよね、体格はしょうがないけれど髪型と服は、替えられますよね

これではクローン人間部隊みたいだ

体格だって別に、香月セキュリティ・サービスの警備員が全員あんな柔道体型をしているわけがないんだから

そうなんですか警備の訓練をすると、みんな同じ様な体型になっちゃったりとかしないんですか

そんなことないわよ今日の人たちは、みんな柔道体型でしょ香月セキュリティ・サービスでも、空手メインの人は、細身の人だって居るわ似たような柔道系の人ばかり起用したのは、浅見新部長よあの人のイメージでは、警護要員はみんな柔道体型なんでしょやっぱり、現場を判っていない人はダメね

そう言えばその浅見さんは

行列の斜め後ろ、ちょっと小高くなったところから全体を見下ろしながら付いて来ている

一人きりで

何か目立ってますね、浅見さん

柔道体型の体格の良い警備員たちの上から見下ろして立っている、一人の女性警備員

耳にイヤホン、手に無線機を持っているし

颯爽と無線機や声や手振りで指示を出している

うん、目立つなあ

あの人、馬鹿なんじゃないのかしらそりゃあ、少し高い位置から全体を俯瞰して見下ろしたい気持ちは判るけれど一人で、あんなところに居てどうするつもりかしら

確かに、副官とか側近の人はいない

え部下の人たちとの連絡は、無線機でするつもりなんじゃないですか

よく判らないけれど命令の伝達には支障がないだろうと思う

上から大声で、何か指示しているし

そうじゃなくって警備担当責任者が、一人であんなところに立っていて、真っ先に襲撃されたらどうするつもりなのかってことよ

あの人閣下の方ばかり注目して、自分の周りを警戒していないでしょ襲撃者だって、一人きりとは限らないんだから先に、浅見さんを襲って、警備部隊の頭を潰すって手もあるでしょ命令系統に混乱が出たところで、敵の本隊が襲撃を掛けてくるとか

だから、谷沢チーフが閣下のすぐ後ろに入っていらっしゃるのよ本当だったら、今日の警備は浅見さんに任せているんだからチーフは直援警護じゃなくって、今、わたくしが立っている辺りから、全体を見ていて下さるべきなのよ

うん現場の最前線でなく、一歩退いて、状況を監視するのが谷沢チーフの本来の立ち位置だろう

そうですね、谷沢さんと浅見さんの居場所が逆なんですね

本当の現場責任者の浅見さんが、ジッちゃんたちの行列を見下ろす位置に居て

浅見さんの仕事を監視するだけのはずの谷沢さんが、ジッちゃんのすぐ脇を守っている

違うわ浅見さんみたいに閣下たちよりも高い場所に居るのは、大問題なの全体監視をするなら今、あたしが居る辺り警護対象者よりも低い場所からよ

それが要人警護の鉄則よ警備の人間が、守るべき人たちよりも目立ってしまってどうするのよ

関さんの言葉を聞いて、オレはもう一度それぞれの位置を確認する

確かに、浅見さんの位置だと、浅見さんばかりが、よく目立つ

無線機で話したり身振り手振りで、部下の黒服警備員たちに指示を出している浅見さんは誰がみても、この場のリーダーだ

一方関さんとオレの居る場所は

ジッちゃんたちの行列からは、離れているけれど行列を取り囲む、他の黒服警備員たちの配置の中に、自然に紛れていた

誰が警備のトップかなんて警備員だけが、判っていればいいのよなのに、あの人、わざと目立とうとしているから

あの人は閣下や香月グループの方たちに、自分の売り込みをしている最中だからよ

浅見さんの目的は有力者と知り合って、将来、自分が政治家として立候補する時の後援者になって貰うことだ

全然警護には向かない人なんですね

そうなのよどうして、あんな人を谷沢チーフが抜擢したのかまさか、ここまで向いていない人だとは思わなかったわ

谷沢チーフの眼が、曇っていたってことなんだろうか

そう言えば、関さん専任警護人なのに、ここに居ていいんですか

本来なら大徳さんや張本さんと一緒に、ジッちゃんの側に居なくてはいけないはずだ

さっき外されたのよ

外された

あたしがガードに入るとあなたたちに有利になるだろうからって

オレたち黒い森に

谷沢チーフもあなたたちが、何か仕掛けて来るとしたら、このポイントだって判ってらっしゃるのよあたしが、あなたたち側に付いていることもね

マルゴさんが何か仕掛けて来た時に瑠璃子のすぐ横に、関さんがいたら

誘拐はスムーズに行える

だからこの場は、見ているだけにしろって

その代わり浅見さんの手伝いもしないけどね

浅見さんの手伝いをしないということは

オレたちの瑠璃子の誘拐を黙って見過ごしてくれるということだ

オレは、みんなの位置を確認する

ジッちゃんの脇の美子さん

後ろの瑠璃子の様子を見ようと、時々振り返っている

しかし、瑠璃子と美子さんとの間には、何人もの人が居る

距離的にも離れているし何より、ジッちゃんが美子さんに瑠璃子とのコミュニケーションを禁じている

そんな瑠璃子を、みすずが抱えるように歩いている

廻りから見れば、父を失って傷心状態の従妹を、みすずが支えているようにしか見えないだろう

その後ろの美智

美智は、どんなに離れていてもオレの居場所は判るらしい

一度だけ、眼が合った

それで、あいつの心は判った

何が起きても、すぐに対応できるように準備している

それから寧は、どこだ

寧はさっきの警備員から離れて、まるで野次馬のように、オレたちの行列を眺めていた

自然な感じで

あ、オレを見てニコッと微笑む

それで、オレも覚悟を決める

ここが正念場であることは、間違いない

さてここが、ルビコン川よ

行列の先頭が通りを渡ろうとする

ここは火葬場の前閑散としいる

車の通りなんて、全然ない

信号も横断歩道も無いから香月セキュリティ・サービスの警備員が、ガードする形で行列が車道を横切る

あたしならこのタイミングを外さないわ

行列が車道に出る

ちょうどその時

来たみたいね

オレは、関さんが見ている方向に視線を向ける

バス

火葬場の駐車場から大型バスが出て来る

あれって

さっき、香月家の皆さんを乗せてきたバスよ

ああ、告別式の会場からここまでの移動に使った

精進落としのお食事会が終わった後また、皆さんを運ぶことになっているから、あっちの駐車場から、レストランの駐車場の方に移動するのは予定通りよただ

閣下の移動中に、行うべき作業ではないけれどね

全警備員がジッちゃんの移動に集中している時にわざわざ、バスを移動させたりするだろうか

でも、もう火葬場には戻らないわけだからこのタイミングで、バスがレストランの方に移動するのはおかしなことではないのよ

うん、荼毘も法要も終わっている

もう、火葬場の利用者ではないのだからいつまでも、火葬場の駐車場にバスを止めておくのは、施設側に対して迷惑だろう

次に利用する、レストランの方へ移動させるのは変ではない

ここで、どう判断するかそれが、浅見さんの適性検査になるわね

浅見新部長は

あ、気にしていない

自分たちと関係の無いバスなら警戒するんでしょうけれどあのバスも、香月セキュリティ・サービスが保有しているバスなの運転手も、当然、身内の警備員だから担当者が、自発的にやっているんだと判断したみたいね

それでも黒服の警備員の何人かが、バスを気にしている

様子を見てこようかと、警護の配置から離れようとする人もいたが

浅見さんが、無線に何か叫んでいる

すぐに、乱れた隊列は元通りになる

今は閣下の警護列が道を渡ることを最優先にするから、動くなって指令しているわ

関さんは無線機のイヤホンをしている

浅見さんの指示を、リアルタイムで聞いている

誰か、予備の人員をバスの方へ行かせましたか

それもしていないわ閣下が道を渡って、向こうのレストランの中に入ってから、確認すれば良いと思っているんでしょ

それでは遅い

なぜなら駐車場から車道へ出た観光バスは

大きくターンをして

オレたちの方へ向かって来るから

どうして、こっちに来る

警備員たちが、声を上げる

バスは、ブワッとスピードを上げる

急いで、全員、道を渡らせなさいっ

浅見さんが、絶叫する

無理ですっ

そんなこと言ったって50人を越える行列は、すでに車道を塞いでいる

ジッちゃん以外にも、高齢の人がいるし

全員が走って道を渡り切ることなんかできるはずがない

運転手は無線機を持っていないのっ

浅見さんが部下に怒鳴る

持っているはずですけれど返答がありません

誰だ、あれ誰が運転している

車両部の杉浦じゃないのか

違う杉浦じゃない

バスの運転席に居るのは

香月セキュリティ・サービスの制服を着ていて制帽で顔は見えないけれど

あれはマルゴ・スタークウェザー

オレの最も信頼する仲間の1人だ

おい、止まれぇぇぇっ止まれぇぇぇっ

黒服警備員が、そう言ってバスの方へ飛び出そうとした瞬間

大型バスは、ブオオオとエンジンを唸らせてさらに加速する

このままでは、バスごと行列に飛び込んで大惨事だ

うわわわぁぁっ

気でも狂ったのかっ

すでに若い人たちは、道を渡りきっている

老人たちには、警備員たちが付いて前に進ませる

失礼致します、閣下

大徳さんが、ジッちゃんを抱きかかえる

そのまま、後ろへ走る

ジッちゃんたちの位置なら、前に進むより後ろに戻った方が近い

みすずや瑠璃子たちも走って、元の歩道へ上がる

張本さんがガードに付いてくれていた

一つの塊だった、50人の行列が真っ二つに、分かれる

キキキキキーィッ

急ブレーキを掛けると同時にマルゴさんは、思いっきりハンドルを廻した

バスは車体のお尻を大きく振って、側面を向けて止まる

ボアアアアアッ

バスの前に、白煙が上がる

運転席から、発煙筒が投げられた

誰か、逃げたぞ

逃がすな

バスの窓から飛び降りた人影が白煙の中を駆けていく

今は良いそんなことより、今は皆さんの安全を確保しろ

谷沢チーフの怒号が響いた

何が最重要なのかを、考えろっ

慌てて黒服たちが、二つに分かれた警護対象のガードに付く

谷沢チーフ、オレを見てニヤリと笑った

今の混乱に乗じてあなたが、瑠璃子様たちを連れ出すと思ったのよ

警備員が前後に分断され、手薄になった上にバスの運転手の方に、注目が集まっているからこの隙を付いてね

なるほどそういう手か

だけど、オレはマルゴさんに、何の指示も受けていない

谷沢さんあなたたちのこと、舐めているわね判っていないわ

え関さん

本当に、現場を混乱させるのだけが目的なら発煙筒の量が少なすぎるわよ

発煙筒の白い煙は、もう消えかかっている

ギシッ

ギシギシッ

完全停止したはずのバスが揺れている

これ、サスペンションが上下している音か

あはぁーんっ

バスの中から女の喘ぐ、声がする

いいわぁっもっとよっもっと、もっと狂わせてぇぇぇぇっっ

ギシッギシッギシッ

眼をこらすとバスの最後尾の座席に全裸の女が乗っている

自分で自分のおっぱいを鷲掴みにしながら激しく、腰を上下させている

いいわぁぁ、いいわぁぁ中で出してぇぇ、また、中で出してぇぇぇぇっ

な、何をしているんです岩倉さん

な、何をしているんだっそこで

1人の黒服警備員がオレの心を代弁して岩倉さんに怒鳴った

何しているかってぇ見れば、判るでしょナニしているのよっっ

バスの窓をこじ開けて岩倉さんが、顔を出して言う

欲情しきった眼で

ダイナミックに腰をうねらせる岩倉会長

バスがまた、ギシギシと揺れていく

も、もうカンベンしてくれぇぇ

ダメよおっ満足させてくれる約束でしょもうすぐもうすぐだから

岩倉さんが、情欲に濡れた眼でバスの外の集団を見下ろしている

あたしイキそうまた、イッちゃうあなたのご親戚の皆さんの前で、またイッちゃうううっ

バスの外の人間は全員、ただ唖然としていた

あのお姉さん、どこへ行っちゃうの

香月家の分家の低学年ぐらいの男の子が、親に尋ねる

み、見ちゃいけませんっあんなものっ

眼の前に現れた痴情の女を見せないように、母親は子供の眼を手で覆う

いいからあんな汚いものは、見なくていいのよっ

汚い綺麗なお姉さんだよハダカンボだけれど

もういいからっ

あああっ、イク、イク、セレブの人たちと警備の皆様の前で、あたし、イッちゃう、イッちゃう爆発、ポンしちゃううううっっ

伸び上がり、身体を弓なりに反らす岩倉さん

ヤベェ、オレも出る、出る出ちゃうっ

出しちゃいなっあたしも、イッちゃうううっ

ああああああっ

出てるっ、出てるっ、子宮が熱いのっ熱いのまた、来てる、入ってるあああんっ、イク、イクあたしイっクぅぅッッッ

壮絶に岩倉幸代が、絶頂に飛ぶ

イクながら、グイグイと腰を振って男のペニスを締め上げる

最後の一滴まで、絞り取るように

ふうはぁうきゅーんお腹イッぱぁいっくふふふっ

岩倉さんは、満足そうに微笑んだ

ねえ、みんな見てくれたぁあ・た・しのエクスタシーっうっふん

痴女丸出しだなホント

な、何者なのあなた

浅見さんがバスの中の岩倉さんに言った

ええっとねねえ、あなた、皆さんに何て説明すればいい

岩倉さんは、自分が跨がっている男の身体を力尽くで、引っ張り起こす

男の顔がバスの窓に現れる

な、何やっているの、仁

姿が見えなくなったと思ったら仁

ちなみに、角田文和くんもその辺にいまーすっ仁ちゃんとは、6回目、角田くんとは5回エッチしちゃってまーす

痴女は、笑う

うちの息子から、離れなさい

離れるも何も仁ちゃんのオチンチン、まだあたしの中に入ってまーすっ

岩倉さんは、絶好調だった

これで赤ちゃんができた場合仁ちゃんと角田くん、どっちが責任取ってくれるのかなぁ楽しみだなあっ

岩倉さんの痴女劇場は続く

お祖父様瑠璃子が、気分が悪いそうです

困惑する、香月家一族と警備員たちの中で

みすずが祖父に声を掛ける

ガントレットは、イーストウッドの映画の方で

済みません、体調不良です

昨日、山は寒かったので

もの凄く、具合が悪い

そしたら、母が

お参りするとそういうことがあるのよ次は、宇都宮の神社に行きなさいそこもあらたかなんだって

あらたかは、霊験あらたかの略らしい

前も書きましたが私の母は、同年齢ぐらいの老女向けの洋服屋をやっています

お店に来るお客さんとは、病気と病院と旅行と御利益の話ばかりみたいです

**さんのお母さんが入院した時に、そこの神社へ行ったら病院のお母さんの枕元に、神社の宮司さんが来たんだって

それで治ったの

ううん、病気は治らずに亡くなったそうだけどとにかく、枕元までは来たのよ

老女たちの会話は、よく判らないです

399.出世しまーす

大丈夫、瑠璃子

大きな声で、みすずが言う

そうだぞ、こんなモノを見せられては瑠璃子様が、気分を害されるのは当然だ

真面目でお堅いことに定評のある、香月操が叫ぶ

オレは関さんの影に隠れる

香月セキュリティ・サービスの制服を着ているし関さんの貸してくれた、変装用の眼鏡も掛けているから、気付かれていないと思うけれど

私塾の連中は、オレの顔を知っている

お祖父様瑠璃子は、このまま帰宅させた方が良いと思いますわ

みすずが、瑠璃子を抱きかかえて祖父に言った

そうなのか瑠璃子

瑠璃子は少し間を置いてから

はい体調が芳しくございません誠に申し訳ございませんが、ここで失礼させていただきたいと思います

瑠璃子は、すでにオレに誘拐されることを納得している

ここに居てあたしに付いて来ないでね

関さんが、オレの耳に囁くとスッと、オレから距離を取る

そうか、それならば仕方無いな

ジッちゃんが、そう言った瞬間

わたくしがお連れ致します

関さんが、名乗りを上げる

人々の視線が、関さんに集中する

うむ関くん、頼むぞ

当然の様に、ジッちゃんは答えた

この場に居る誰もが知っている、ジッちゃんの専任警護人の1人だ

それが変だと思う人間はいない

では、瑠璃子様をお預かり致します

頼みます、関さん

みすずが、瑠璃子の身体を関さんに託す

心配そうに、美子さんが瑠璃子を見て

わ、わたくしも瑠璃子様と

瑠璃子がいなくなるのが、心配なんだろう

いつもの様に、瑠璃子に側に付いていたいと願っている

ダメだ関くんに任せなさい

冷たく、そう言い切る

この後の食事会は、お前のお披露目を兼ねているのだからな

そして、まだ何か言いたげな美子さんを無視して、谷沢チーフに振り向く

おい、私たちはこのまま、向こうの店に入っていいのかねそれとも、元の火葬場の建物に戻った方がいいのか

香月家と警備員たちの50人の行列は大型バスの乱入で、二分されたままだ

申し訳ございません、閣下浅見部長、早く指示をしないかっ

谷沢チーフは、浅見新部長を叱る

は、はいええっと

浅見さんは、すっかりパニックに陥っているらしい

頭が回転していない

もういい、オレが指示を出す

一瞬で、谷沢チーフは、浅見さんを切り捨てる

閣下と皆様をあちらのお店にお連れするのが最優先だ警備部員隊列を組み直せ各班、周辺監視異常を見落とすな湯河原

お前の班の予備の人員を連れて、駐車場に残した車を全てチェックし直せこのバス以外の車も、細工をされているかもしれん

黒服警備員が5人ほど、火葬場の駐車場へ走る

真田と高橋の班は、向こうの店の内部を再点検だ安全が確認されるまでは、閣下たちを中にはお通しできん急げ

さらに10人ほどの警備員が、ダッシュでレストランへ向かう

そもそも、この場に警備員を集中させすぎなんだよ浜北っ

お前の班で、このバスを移動させろこのまま、車道に残しておくべきではないだろ大型バスの運転が出来るやつはいるな

自分と柳田ができます

では、大至急レストラン側の駐車場へ移せ

浜北警備員は、他の警備員のような電光石火の動きはしない

バスの中のあの方々は、どうなさいますか

バスの中には、まだ全裸の岩倉会長が、ヘナヘナになった香月仁を襲っている

ニタニタと面白そうに、バスの外の様子を見下ろしている

女はどうせ、売春婦か何かだ騒ぎを起こした賊に雇われただけだろう大した情報は得られんだろうよ

不埒者、2人はわたくしに渡していただきたい徹底的に、こらしめてやるっ

一族の青年部を代表して、香月操が谷沢チーフに叫ぶ

操後にしなさいまずは食事だ

しかし、閣下

今はまだ、死んだ重秋のための時間だみんなで、重秋の思い出を語り合ってはくれないか

ジッちゃんは両手で抱えた、桐の箱を見て、そう言う

も申し訳ございません

香月操は、頭を下げる

仁と角田は谷沢の方で、面倒を見てくれしばらくは、顔も見たくない

了解です浜北、お二人はセキュリティ・サービスの車に移せその女も見張っていろ尋問はしなくていいオレの到着を待て

了解であります

浜北警備員が、自分の班員を連れてバスに取り憑く

うわっ、臭っな、何だ

バスに乗り込んだ黒服が、異臭に気付く

おしっこよーんっ仁ちゃんが、あたしのおしっこ飲みたいって言うんだもの

岩倉会長が、クククと笑う

そんなの言ってねぇ

香月仁は、すっかりくたくたでシオシオのパーだ

でも、飲んだでしょ仁ちゃん

飲んだ、飲まされたぁぁ

どういうプレイをやっていたんだ

その様子を見て、谷沢チーフは

おい、浅見くん

現場の指揮権を取り上げられて、気落ちしていた浅見さんが谷沢チーフに、急に声を掛けられて、ビクッとする

お食事会が終わるまでに、香月家の皆様のお帰りになるための車を確保しておけ

あのバスは、清掃しないと使えんそんなことも判らないのかね

あはいバスをバスをチャーターするんですね

馬鹿かね、君はタクシーで構わないそれぞれの御家庭で、どの様にお帰りなるのかをお尋ねして、必要な数のタクシーを呼びたまえそれくらいは、君にもできるだろうそれと、タクシーチケットを用意しておけ

谷沢チーフが香月家の人々を見る

皆様のお帰りのお車代は、当然、香月セキュリティ・サービスがお支払い致します

谷沢チーフの笑顔に、香月家の一族はホッとする

どうだ、周辺監視異常は無いか茂木

異常ありませんっ

斉藤

小林

異常無しですっ

樺島

前後左右の警備員たちが、大きな声で返答する

皆様、大変、お待たせ致しましたでは、参りましょう隊列、進めっ

先頭の警備員から歩き出す

ではわたくしたちも参りましょう

関さんが、瑠璃子に言う

それから、チラッとオレを見た

オレは、スッと関さんたちの方へ向かう

顔を私塾の連中に見られないように背中を向けて

さ行くわよ

当たり前のように、関さんがオレに声を掛ける

香月セキュリティ・サービスの一般警備員たちには、オレは関さんのアシスタントだと紹介している

実際、トップ・エリートのアシスタント用の黄色い衿の制服を着ているし

だから、警備員たちはオレが、関さんに合流することを変だとは思わない

瑠璃子、行くぞ

小声で囁くと、瑠璃子は

関さんを先頭に、瑠璃子、オレの3人で

ジッちゃんたちと警備員の集団から離脱する

うふふっ上手くいったねっ

ジッちゃんたちの行列が、完全に見えなくなったところで寧が、オレたちに合流する

いや、でもこれって、誘拐になるのか

みんなが見ている前で、堂々と瑠璃子を合法的に連れ出したんだから

いいんだよ、これでっあたしたち、別に香月のお祖父ちゃんと対立しているわけじゃないんだからっ

それは、そうだけれど

でも、関さんいいんですか

だって、このままオレたちが瑠璃子を連れて行ったら香月セキュリティ・サービスでの関さんの立場がなくなっちゃうんじゃ

誘拐に手を貸したことが、バレたら大変なことになると思う

いいのよ、わたくしもこのまま、君たちに誘拐されちゃうんだから

面倒見てね人質なんだから

関さんは、オレにウフッと微笑む

昨夜、関さんがマルゴさんと話し合った誘拐計画は

香月セキュリティ・サービスはともかく瑠璃子様がいなくなることに、香月家の皆様が不審に思わない様な方法を取るべきだと思ったのよそうじゃないと、またご一族の中で色々と揉められるでしょ

香月家の分家たちは、色々とメンドくさいからな

瑠璃子様が誘拐されたことにあの方々は気付かないできれば、永久にそういう方法を考えたら、こういう手になったのよ

関さんは、言う

もっとも移動に使ったバスを利用するというのは、わたくしの立てた作戦だけれどあのハレンチな女の子は何

ごめーんっあれは、あたしたちの秘密兵器ピンク色の核弾頭岩倉幸代ちゃんでーすっ

びっくりしたでもさ瑠璃子が、急に気分を悪くなさるという展開には、あれが最適かなって思って

いや、むしろよく、瑠璃子以外脱落しなかったというか

オレには、そっちの方がびっくりだ

香月操の家みたいに、モラルに厳しい人もいるだろうに

それはみんな、この後のお食事会には絶対に出ないといけないって思ってらっしゃるからよ万難を排してね

閣下がいらっしゃる席よしかも重秋様が亡くなって、美子様がお孫様として認知されて、閣下の引退についても発表された直後だもの香月家の皆様としては、何が何でも閣下とお話ししたいと思っているわ

香月家の分家たちは、今後の将来が不安なんだ

こんな状況でお食事会を欠席して早退できるのは、瑠璃子様とみすず様だけだと思うわ

何があろうと瑠璃子とみすずが、ジッちゃんの孫であることは変わらない

香月家内での地位は、不動だ

今後は、美子さんを含めて誰を自分たちの神輿として担ぐかで、分家の連中たちは争うだろうけれど

瑠璃子には、もう関係の無い話だ

関様わたくしのことは、瑠璃子と呼び捨てにして下さい

わたくし香月の家を出されてしまいました今のわたくしは、お兄様の所有物ですもはや、香月家とは関係の無い女ですから

うん、まぁ

でも、まあそれも、閣下と瑠璃子様との間でのお取り決めなのでしょうわたくしども、下々の者の関知することではございませんこれからも、瑠璃子様とお呼び致しますわ

関さんは、優しく微笑む

いえ今のわたくしは、卑しい身分に堕ちてしまいました恭しく扱っていただくのは、分不相応でございます

瑠璃子そろそろ判れ

お前香月家の人間だと、他の人よりも身分が高いとか、偉いとかそういうこと、思っているわけ

瑠璃子の中の身分幻想は、破壊しないといけない

香月家のお嬢さんであろうがオレの奴隷だろうが瑠璃子は、瑠璃子なんだよ何も変わらないんだよ

でも、今のわたくしは何の取り柄も無い、無力な小娘です

火葬場での控え室の会話から瑠璃子は、自分の現実を知った

香月家の後ろ盾がなければ、何の生活力も無い、世間知らずの女の子であることを

それ前もおんなじだったろ

今の瑠璃子だけでなく香月家のお嬢様だった瑠璃子だって、何の力も無い女の子だったってこと

はい、おっしゃる通りだと思います

ほら、変わらないじゃないか瑠璃子は、瑠璃子のまんまだ

そうでございますねわたくしが、勝手に香月家の力を、自分の力と思い込んでいただけなのですね

力だけじゃない家の伝統とか、名誉まで自分に重ね合わせていたろ

瑠璃子は、うつむく

判ったか

わたくし、ずっと卑しい女だったのでございますね

どうして、今度は思いっきり卑下する方へ行くんだよっジェットコースターか、お前っ

そりゃ、確かに生まれた家が高貴だから、瑠璃子も高貴だってのは間違っているんだよっでもさ、だからって高貴じゃなけりゃあ、卑しいのかよ瑠璃子の頭の中に、普通は無いのか

でもわたくし、本当に心の卑しい女ですし自分1人では何もできない、無価値な女でございます

瑠璃子に価値が無いわけないだろっ

お前がニコニコしていてきれたら、オレは嬉しい楽しい気分になれる瑠璃子はすげぇ美人なんだから、側に居てくれるだけでも幸せだよ

わ、わたくしが

うまく言葉で表現できないけれど、とにかく瑠璃子は無価値じゃない瑠璃子には、価値がある少なくても、オレは瑠璃子に価値を感じているだから、自分を卑下するな瑠璃子は、可愛いんだよ

わたくし今まで、ほとんどの方の前では存在していなかったように思います

一族の皆様も、学校のお友達も、日舞のお稽古場の皆様もわたくしを見ているようで、いつも見ていらっしゃいませんでした眼をわたくしに向けてはいても、心の眼は背けていらっしゃるみたいで

一昨日の日舞の発表会の時に、特にそれを感じましたわたくしは、皆様の前で踊りを披露しているのに皆様は、わたくしを見ては下さらない

数日前の劇場の瑠璃子の日舞を、オレは思い出す

見事な踊りだった

しかし、観客たちはこの香月家の娘に対して

拍手しなかった

瑠璃子には、褒めることすら香月家本家に対する冒涜に感じられたから

あの時、お兄様は瑠璃子にお花を下さいました

うん、オレは

オレ瑠璃子だけが、花束を貰えないのは可哀想だと思ったから

瑠璃子は、ハッとする

お兄様は最初から、わたくしを香月家の娘としては、見ていらっしゃらなかったのですね

だから言ってるじゃないか瑠璃子は、瑠璃子だオレにとっては、ずっと可愛い女の子だって

瑠璃子は、頬を赤く染める

寧が、オレたちを見て言う

ヨッちゃん、瑠璃子手を繋いで欲しいみたいだよ

瑠璃子の可愛い手がオレの方に伸びている

うん、手を繋ごう瑠璃子

オレは、瑠璃子と手を繋ぐ

そしてっこっちの手は、あたしが繋ぐぅぅっ

もう片方の手を、寧が握る

ホント、あなたたち仲が良いわね

うらやましい関さんも、繋ぐ

寧は、関さんに手を差し出す

そうね、そうしようかしら

関さんは、寧と手を繋ぐ

4人で手を繋ぎ合って並んで歩く

関さん、ホントはヨッちゃんと手を繋ぎたい

今はいいわあなたが居ない時を狙うことするから

何でヨッ

だってあなたが近くに居ると、手を繋ぐよりも先へは進めないでしょ

ぐぬぅそうかもあははは

笑う寧

とにかく、今は4人

4人で、前に進む

駐車場の関さんのダッジ・チャージャーの前に到着する

ここは、香月セキュリティ・サービスの他の車が置かれた駐車場とは離れている

浅見さんの計画書を見て関さんは、わざと、ここに駐車したんだな

周りに警備員たちの姿は、見えない

でこの後は、どうするんですか

オレは、関さんに尋ねた

このまま、わたくしの車に乗ってこの場を離れます外でマルゴさんと合流そういう計画よ

そのまま、瑠璃子を連れてお屋敷へ戻るのか

でもさ岩倉さんは、どうなる

このまま、置いていくわけにはいかないし

それは先生から、谷沢さんに交渉して貰って、後で回収ってことになるんじゃないかなっあたしたちが無事に脱出するまでは、どうすることもできないし

確かに今の段階だと、瑠璃子を取り戻すための交渉カードに使われるかもしれない

とにかく、瑠璃子を連れ去るのが先か

まあ、平気だよ、あの子は天下の香月家の皆様の前で、ヘンタイ露出プレイができただけで満足していると思うっていうか、あの子今の段階でも、真っ裸だと思う警備員さんたちに取り囲まれても、むしろ見て見てって自分から見せ付けてると思う

寧の想像は多分、正しい

どういう方なんですの

瑠璃子が、オレに尋ねる

ああ、淫乱星の淫乱王女なんだ

岩倉さんのことはあんまり知って欲しくない

もうすぐ淫乱の国へ帰るから瑠璃子は、気にしないでやってくれ

まあ、とにかく大丈夫だよあの子は楽しんでやっているから

寧が、そう言ってくれた

それより関さんも、あたしたちと一緒に来るんだよねっ関さんも、瑠璃子と一緒に誘拐されるんだからっ

寧が、うまく話を変える

そうね取り得合えずは、そうするわその後は、谷沢チーフの動き次第ね

谷沢チーフ

ジッちゃんは、いいのか

閣下は、瑠璃子様があなたたちに連れて行かれることに納得なさっているんでしょだから、問題無いわ谷沢さんの方だけよこれって、ある意味香月セキュリティ・サービスにケンカを売っている行為でしょ

うん香月セキュリティ・サービスの警備陣の中から、堂々と瑠璃子を誘拐したんだし

岩倉さんの淫乱特急バスは小馬鹿にしていると思われても、しょうがない

関さん、首になっちゃうかもしれないの

覚悟はしているわ谷沢さんの、裏をかいたんだしね

いいよ、首になっちゃいなよっそれで、うちにおいでよねっ、ヨッちゃん

寧は、そう言うけれど

さあ、どうしようかしら黒森家は、香月セキュリティ・サービスほどお給料が良くないと思うけれど

そんなことないってあたしから、先生に頼んであげようか

そいつは、こっちが困る今、関くんに辞められるのは痛い

車の影からぬっと、谷沢チーフが現れる

谷沢さんどうして

警備の指揮をオレが執っているから閣下の側から、動けないと思ったのか

谷沢チーフは、ニヤッと微笑んだ

閣下をレストランの中にお連れした段階で現場の指揮は、大徳に任せたここ数年は、閣下の身辺警護だけをやらせているが、あいつは指揮能力も高いんだ関くんは知らないだろうがねオレは、さっきの女を尋問してくると言って、抜けて来たんだよ

これってマズイかも

まんまとしてやられたよ香月家のご高齢者たちには気の毒だったが、死傷者ゼロ香月セキュリティ・サービス所有のあのバスも、ちょっとタイヤが摩耗しただけで済んだああ、あのお嬢さんの小便の清掃と消毒はしないといけないけどね

請求書送ってよっ

気にするなそれぐらい、こっちの経費で何とかする色々と、オレの方も助かることになったからな

とにかく香月セキュリティ・サービスのメンツを潰さない形にしてくれたことは感謝するこのまま、瑠璃子様が連れ去られても香月家の人間は、誰も気づかない本当に、よく考え抜かれた、良い手だ関くんのプランか

わたくしとマルゴさんの共同で考えました

谷沢チーフは、笑ったままだ

お陰で無理矢理押しつけられた、新部長も更迭できた香月家の面々の前で、ああも失態を見られたらあの娘も納得して、退職してくれるだろう

それって浅見さんのこと

山岡の代わりに、あの子を部長にしろって香月家のお偉いさんの1人から、ネジ込まれたんだよ政治家だったあの子の親父が、友人だったとかで

浅見さんの起用は谷沢チーフの選抜ではなかったんですか

関さんが、驚く

当たり前だろうオレが、あんな役立たずを選ぶわけがないだろう重秋様の死去と、司馬さんのトップ就任で香月家の中は、今、混乱しているんだようまくバランスを取って、色んな派閥の連中にポストをやらないと内部闘争が激化するからな閣下も悩んでおられる

いいんだよあの女は1日だけでも、香月セキュリティ・サービスの警備部長だったという経歴があればいいんだから後は、自分で何とかするだろう政治家になりたいんなら、とっとと出てって貰った方がいい

谷沢チーフは、吐き捨てるように言った

で関くん、君に話がある

君には閣下の専任警護人を離れて、別のポストに就いてもらいたい

緊張する関さん

もしかしてわたくしを

そんなわけが無いだろう次の警備部長には、袴田を選ぼうと思っているどう思う

チーフの言葉に、関さんはホッとする

良いご選択だと思いますわ袴田さんなら、立派に任務を果たされるでしょう

オレもそう思うところで、関くん君の次のポストだが

谷沢チーフは、フンと鼻を鳴らす

香月セキュリティ・サービスのトップをやってくれないか

浅見さんをお馬鹿に設定したのは、関さんを出世させるための伏線です

この作品で、人って、割りとこんなもんだよねという流れでやっています

天才同士の化かし合いとか、本当は中々ないですからね

何で、こんな馬鹿なことにというのに、巻き込まれ続けるのが、人生の様に思います

さてあかんです

今年最凶に、体調悪いです

箱根で何か拾ってきたみたい

体調が良かったら、岩倉さんのエロ描写とか増やしたんですけれど

今は、無理です

今日は雨でしたが、氷雨の中、みんなコミケに行ったのでしょうか

大昔に、雪の降った日のコミケで延々と並んでいたことを思い出しました

明日、少しは快癒していたら、行ってみようかな

400.現状確認

絶句する、関さん

もちろん、1人で全部やれとは言わんトップ・エリートのやつらは、関くんでは抑えられんだろうしなそっちの方は、オレが受け持つ関くんに、貫禄が付いてくるまではな

谷沢チーフは、笑顔で言った

そ、そんなな、なぜわたくしなのですか

関さんは、驚きの余り、ろれつが回っていない

わわわ、わたくしは若輩者の、一警護人ですよ

何言ってるんだ、君は最初っから幹部候補生として採用したんだぞ

か、幹部

ヨーロッパの専門機関で要人警護を学んで来た、スペシャリストだろう君は

いや、そのたた、確かに、そうでございますけれど

そもそも入社したばかりの君が、閣下の専任警護人に選抜された理由が判っているのかね

え、え、え

関くん君は、大徳と張本あの2人の化け物と、自分が並び立つ様な警護人だと思っているのかね

大徳さんも張本さんも恐ろしい戦闘力を秘めた、ボディ・ガードだ

ホモだけど

いえそれはでも、閣下はご高齢ですし内外の様々な重要人物とご歓談なさいますから、わたくしの様な女の警護人も必要なのではないかと

その通りだどこへ行くにも、あの筋肉の塊みたいな大男2人だけでは、見栄えが悪い君のような、知性的な美人が居てくれるお陰で大徳たちの男臭さが和らぐ

はい、わたくしの役割などそんなようなものだと思っておりましたわたくしは、あくまでも大徳さん、張本さんをフォローする存在だと

実際一昨日の劇場で、関さんはジッちゃんの警護を離れて、みすずと瑠璃子の警護をする様に命じられている

関さんも、それに従っていた

ジッちゃんの専任警護人なのに

つまり、あくまでもジッちゃんに常にびったり貼り付いているボディ・ガードは、大徳さん、張本さんの仕事で

関さんは、常に貼り付いている2人にはできない仕事をする係例えば、今日、火葬場に到着した時にやっていた先乗りなんかをする係なんだろう

あるいは、ジッちゃんの指示で、あちこち飛び回るとか

だから、何でそういう仕事を、君にさせてきたと思う

関さんは、口籠もる

この数年君は閣下のガードとして、様々な人たちとお会いして来たろう他家の警護人との打ち合わせも、大徳たちでなく、君が担当して来たはずだ君は、香月セキュリティ・サービスの中では、もちろん知らない者がいないほどのエリート社員だが今では、国内外の警護業界でも顔の知れた存在になっているはずだ

は、はい閣下が外遊なさる時の各国の警察機関との交渉も、わたくしがやっておりますから

ああつまり、君にはすでに香月セキュリティ・サービスのトップになる資質は充分に備わっているということだ

谷沢チーフは、ニッと微笑む

というよりもトップになる人材として、閣下とオレは君を鍛えてきたそう理解して、欲しい

関さんは開いた口がふさがらなくなっている

もちろん、オレも閣下もこれまで何度も、君を試してきた君がトップを担えるほどの胆力を見せなければ、いつでも普通の警護人に降格させるつもりだっただが、君は見事に閣下とオレの期待に応えてくれた

一昨日の劇場から、ホテル

関さんが、ずっとオレたちと一緒に行動していたのも

ジッちゃんたちのテストの一環だったのか

比較対象として、一緒に送り込んだ藤宮は場の流れに囚われて、自分の立場を見失ってしまったしかし、君は自分が、香月セキュリティ・サービスの警護人であるということを最後まで忘れなかった

麗華はオレたちの家族になるという提案に、あっさり乗ってしまった

しかし、関さんは最後まで返事を保留にしたまま、香月セキュリティ・サービスの警護人として闘った

だからホテルの事件の後も、ずっとオレたちと一緒に居る今の香月セキュリティ・サービスには、麗華の戻れる場所は無い

一方関さんは、ホテルの現場の後始末にも立ち会っていたし、昨日、今日のお葬式の警備にも参加している

香月セキュリティ・サービスの一員として

今日も見事だった浅見くんの行き届かないところを、関くんが的確にフォローしてくれた

谷沢チーフは、さっきの火葬場での黒服警備員たちとのやり取りを言っているのだと判った

浅見さんの警備計画のマズいところを現場レベルで修正する

技量のあるやつには、裁量権を増やしてやり警備計画の根幹を引っかき回すことなく、修正の必要があるものだけを最低限修正させる浅見くんは、君が閣下たちの控え室を入れ替えたことに気付いていなかったよ全て、自分の立てた計画通りに、下の人間が動いていると思っているようだ

必要最低限の変更だから浅見新部長は、気付かなかった

そもそも、あの人は自分の眼で、現場確認を細かくするような性格じゃないもんな

あれ、閣下の部屋、ここだったっけと、思っても改めて、計画書を見て確認したりしなかったんだろう

それも君が、担当警備員たちに責任は自分が取ると言ってやったからだ彼らは、堂々と胸を張って変更した部屋に閣下を迎え入れたから浅見くんも変だとは思わなかったんだろう

ところで関くんが今日した仕事は、オレがいつもやっている仕事だって気付いたかね

谷沢さん

現場責任者ってのは、どっしりしていないと、下のやつらが不安になるからな山岡が警備部長だった時はオレが今日の君みたいに、現場へ先乗りして、警備態勢に状況に合った修正を施してきたまあオレの場合は、やり過ぎたんだろうな結果として、山岡のやつの成長を阻害してしまったんだと思う

谷沢さんが、現場に出張り過ぎたから山岡さんは、頭でっかちな警備部長として、現場での臨機応変な対応ができない人になってしまった

うん何か問題が起きたら、山岡さんが気付く前に、谷沢チーフが配下のトップ・エリートや、工藤父たちを使って解決しちゃうんだもんな

山岡さんには、問題対処の経験値は溜まっていかない

いずれにせよ今日の関くんは、オレと同じ立場香月セキュリティ・サービスのトップとしての思考が働いていたことは間違いない個人の実績でなく香月セキュリティ・サービスの仕事として、何をすればいいかという判断だ

浅見さんは自分の栄達にしか興味が無かったから、要人警護の現場責任者としては失格なことばかりしていた

一方、関さんは自分個人のことは考えず、警護を最優先にして、現場の人たちに働きかけていた

はっきり言おう関くんは、今日の警備で浅見くんの新警備部長としての審査が行われていると思っていたのだろうが今日の審査対象は、関くん君だったんだよ閣下もオレも今日は、君を見ていた

下を向いてうつむく

マルゴさんと瑠璃子様の誘拐を画策致しました香月家の皆様に暴走バスを

何も、問題は無いさ

怪我人はいないし、物損も無いさっき言った通りバスの消毒とタイヤの摩耗ぐらいだ

しかし警護対象者の皆様を危険に晒したことに間違いはありません

ジッと関さんは、谷沢チーフを見る

わたくしは警護人を引退しようと思っております

そういう覚悟でわたくしは、黒森の皆様に協力致しました

そこがちょっと違うんだな

谷沢チーフが、ニヤッと微笑む

君がただの警備員ならその通りだと思うでも、お前は警護人だろ関

関さんが、ハッとする

警備員なら対象者の身だけ守ってればいいだが、警護人は警護対象者の心まで守らないといけないだから、オレたちのギャラは警備員たちよりも遥かに高いんだ

こころ

オレは詳しいことは知らん詮索するつもりもないだが閣下の警護人として、閣下が瑠璃子様を香月家から避難させその小僧にお預けになろうとなさっていることは判っている

谷沢さんは、オレと瑠璃子を見る

重秋様がこんなことになり司馬をトップに据えて、新体制を作るったってしばらくは、香月グループの中は大荒れになる特に、みすず様、瑠璃子様、美子様の3人のお孫様には今まで以上に、まとわりついて来ようとする輩が出るだろう

ジッちゃんが引退を表明した以上

香月家や重役会の面々は、次の世代に注目する

まずは、美子様だ今までは、注目されていなかったがもし、誰かが先に美子様が亡くなった重春様の忘れ形見であることに気付いて動き出したら危ないだから、閣下は先手を打って、美子様を今日、公の場で認知なさったしばらくは、このままずっとお側に置かれるだろう誰も、美子様に手出しできないようになるまで

今まで、香月家の娘だと認知されていなかった美子さんは香月家の分家も、重役会の連中も、舐めた態度で扱おうとするだろう

例えばジッちゃんが、美子さんのことを公表した直後に

香月仁が、平然と美子と結婚したら、香月家の後継者になれると放言したのが、その証拠だ

これがみすずや瑠璃子のことなら、あんな大人数の前で大声で話したりはしない

みすずや瑠璃子よりも、気楽に墜とせるターゲットとして美子さんは、狙われる

だから、ジッちゃんは真っ先に、保護をした

続いて瑠璃子様については、価値を下げるしかない重秋様の急死と、異常にあわだたしい葬儀の進行で皆様、重秋様の死が凶事であることには気付いていらっしゃるご葬儀での閣下のお言葉からも重秋様が、何かしら不祥事を起こされて、謀殺されたことは、広く伝わっている

全てに、ジッちゃんのメッセージが込められている

特にご葬儀の席で、閣下が瑠璃子様をぞんざいに扱われたことは瑠璃子様が香月家の後継者の資格を失ったことを強く印象づけることとなりました

はい谷沢さんのおっしゃる通りです

わたくしは香月の家から放逐されました

そういうことにしておいた方が今の瑠璃子様には、よろしいというご判断なのでしょう

瑠璃子様が、閣下のご不興を買ったということになれば誰も、瑠璃子様に接触しようとはしないでしょうから閣下がご健在の間は、瑠璃子様にアプローチしてくる輩はいないはずです

ジッちゃんに嫌われている瑠璃子に手を差し伸ばせば、ジッちゃんの怒りを買う ジッちゃんが、瑠璃子が香月家を継がせる可能性がゼロだとすれば悪い連中は、瑠璃子に近付かない

やっと、ジッちゃんの本心が判った

谷沢さん、そういうことではないのです

瑠璃子は、力なく言う

わたくしは本当にお祖父様に捨てられたのです

さっきまでの瑠璃子なら

谷沢さんの言葉を聞いて政治脳を働かせて

なるほどジッちゃんは、瑠璃子の今後を考えてわざわざ、こういう回りくどいことをしてくれたのだと理解するだろう

オレやみすずが、徹底的に脅しつけた後だ

発想が自分は捨てられたという方向に、大きく傾いている

お祖父様は美子をいいえ、美子様を選ばれたのだと思います

自分の跡を継ぐ後継者として

わたくしはお祖父様に不要な存在なのです

オレは、瑠璃子の手を握る

オレはお前が必要だだから、そういうことは言うな

はい申し訳ございませんお兄様

瑠璃子の手は血の気を失って、冷たかった

オレは正直黒森家が、瑠璃子様を預ける場所に相応しいとは思えないだがこれで、香月家内部や重役会、それに他の名家など香月家の跡継ぎを狙っている連中は、瑠璃子様から手を引くだろうがもっと下賤なやつら香月家と関係が持てれば何でもいいという様な人間が、瑠璃子様を襲う可能性は強いいや、閣下の庇護から外れたと知れば、無茶なことをやってくる馬鹿も出るだろう

何より、瑠璃子は美少女だ

これまで究極の箱入り娘だって女の子が一人で巷に放り出されたら

どんな酷いことになるか、想像がつく

本当ならオレが、誰か力のある警護人をお付けするべきなんだが香月セキュリティ・サービスのトップ・エリートが、瑠璃子様をお守りすれば閣下が瑠璃子様をお見限りになったという前提が崩れるかといって、工藤やフリーの連中を付けたんじゃ、瑠璃子様の評判が傷付くだけだ

そうか香月セキュリティ・サービスは、動けない

工藤父たちは、エキセントリック過ぎるし

だから、お前たちに瑠璃子様を託すというのは苦肉の策なんだ恭子の腕は信用できるし、マルゴ嬢ちゃんも良い警護人になる資質があるお前たちは、閣下と対立しているわけではないし瑠璃子様を大事に扱ってくれるだろう何より女だけというのが良い

いやオレがいますけど

お前は、みすず様のお相手じゃないか

みすず様がいらっしゃるのにみすず様のご親戚である、瑠璃子様に手を出そうとはしないだろう

何よりみすず様が、そんなことを許されるはずがないみすず様は、とてもご意志の強いお方だこういっちゃなんだが独占欲の強い方だだから、お前にべったりだろうもし、お前が瑠璃子様を口説こうとしてもみすず様が、阻止なさるよそれに、お前だって、みすず様のご不興を買ってまで危ない橋を渡るつもりは無いだろ

そう見えているのか

谷沢チーフ的には、オレがみすずの尻に敷かれている風に

え、違うのか

いくらお前でもみすず様に嫌われたら、香月家を敵に廻すってことは判っているよなとにかく、日本にはいられなくなるぞ

そ、そうですね

まあ、みすず様の方が、一つ年上でいらっしゃるし日本有数の名家のお嬢様だから、お前も大変だと思うがまあ、とにかく頑張ってくれ

は、はぁ頑張らせていただきます

ここが谷沢チーフの発想の限界か

この人もジッちゃんや名家の人たちの警護をしているというだけで

一般常識の中に生きているものなあ

ジッちゃんもみすずも瑠璃子にオレと性的な関係を結ぶように勧めているとは、思っていない

いや、想像できない

オレたちのモラルが、メチャクチャなんだけれど

あの、それで思い出したんですけれど美子さんと瑠璃子の今後の状況は、今の説明でよく判ったんですけれど

そうだ、ついでに聞いておかないと

みすずはどうなるんです

みすずも狙われるのか

谷沢チーフは、呆れている

まず、一昨日の劇場で日本中の名家に、みすず様とのご交際を披露したのは誰だ

オレだ

それを閣下が黙認する様子も見せたホテルでは、私塾の連中を通して、お前とみすず様の仲を閣下が認めていることを、はっきりと示された判るか

もはや、お前とみすず様の仲を裂こうとすれば、閣下のご不興を買うそういう認識になっている誰ももう、お前たちに手を出そうとはしないよ

そうか告別式の会場でも

オレたちに絡んできたのは、香月仁と角田の馬鹿二人組だけだったもんな

他の私塾の連中はわざと近付かないようにしていたのか

その代わり皆様、みすず様が後継者になることは無いと考えているみすず様は、後継者の資格よりもお前との恋を取られたのだとそれを閣下は、微笑ましく感じられて、受け入れられたという認識になっている

みんな、勝手に思い込んでいるのか

元々、みすず様はお父様が国家官僚でいらっしゃるから、香月グループ内には勢力を持っていないだからみすず様が、後継者になるためには、グループの人間の子供と結婚して勢力を固める必要があると思われていたんだ

そもそも、みすずにはジッちゃんの決めた婚約者が居た

司馬沖達氏の長男

みすずにとっては、司馬家との縁談は司馬氏のグループの勢力と結びつくことになるし

司馬家としては香月家と血縁になる

司馬さんに、グループを託そうとしていたジッちゃんとしては一番、都合の良い選択だったんだろう

しかし、みすず様はお前を選んだそれはつまり、香月家の後継者争いから降りられたということを意味するそして、そのことを閣下がお認めになったと

だから、今後のみすずは誰にも狙われずに、安泰なのか

閣下のお許しがある以上オレたち、香月セキュリティ・サービスは、これからもみすず様をお守りすることができるだから、心配はするな

いや、まあ

美智もいるし、みすずのことは大丈夫だと思っているけれど

ちょっと、待って下さい

オレは、頭を整理する

瑠璃子はジッちゃんに、見限られたということになっていて

みすずはオレと付き合っているんで、後継者候補から脱落となると

もしかして、美子さんすっげぇ、大変なことになるんじゃないですか

美子さんがたった一人で

香月家の後継者候補として狙われることになる

谷沢チーフは、肯定した

美子様

瑠璃子が、ギュッとオレの手を握る

瑠璃子様の安全を確保するためにも今は、そうするより他に手はございませんとにかく、閣下もわたくしも、美子様を全力でお守り致します

さて話が随分、脱線してしまいました元に戻しましょう

谷沢チーフは、関さんを見る

関お前は、閣下が何を望んでいらっしゃるかを、理解して今回の行動に出たそうだな

いや、細かいことはどうだっていいんだ瑠璃子様を、黒森家に預けるっていうのが閣下のご意志で、お前はそれを実現するために行動したんだ閣下の警護人としては、何の問題も無いオレは、そう思うぞ

関さんは、納得していないようだった

しかもお前とマルゴお嬢ちゃんが選んだ方法は、結果として香月セキュリティ・サービスに何の悪影響も及ぼしていない怪我人ゼロ、物損無し役立たずの、新警備部長は更迭できた現場の士気は、むしろ上がっている

それは結果論です

結果論、上等じゃねぇかだいだい、警護人の仕事ってのは、結果さえ良ければいいんだよっ

良い結果を生むために過程を大切にするのではないのですか

途中の過程がどれだけ良かったって結果がマズけりゃ、アウトだろう違うか

その辺のゴチャゴチャした気持ちを、引きずったまんまで構わないとにかく、お前っていう人材が、香月セキュリティ・サービスには必要なんだ

谷沢チーフは、きっぱりと言った

それともどうしても、香月セキュリティ・サービスを辞めて、黒森家に行きたいのか

関さんが、オレの顔を見る

わたくし自分で自分が、よく判りません

オッケーじゃあ、関さんの気持ちをまとめてみようっ

関さん今さ、何が何でも、香月セキュリティ・サービスを辞めたい

そんなことは、ありません

警護人の仕事好きなんでしょ

じゃあ、まだ辞めなくていいじゃん

でも、わたくしは

引っ掛かっている心をさちょっとナナメにしてみようよっそしたら、スルッと抜けるかもしれないよっ

関さんオレたちが瑠璃子を誘拐するために、香月家の行列にバスを突っ込ませたことそんなに後悔しているの

後悔というより覚悟していたわ警護人を辞める

本当に、真面目なんだこの人は

警護人なのにそういう選択をしてしまった、自分が許せないってこと

オレの問いに、関さんは答えた

許せないわ自分で自分が

じゃ、許さなくて良いから

オレの言葉に、ハッとする関さん

許さないまんま今後も、警護人を続ければいいじゃないか

オレも、今いっぱいあるんだ自分で自分が許せないことオレ、本当だったら、今すぐここで腹を切って死なないといけないぐらいろくでもないことをしでかしまくってる

ここ数日のこと雪乃のこと他の子たちのこと

でも、オレ死ぬわけにいかないし生きていかなきゃ

今のオレには家族がいる

だから、オレは自分を許せない自分を抱えたまま、生きていくよ

オレは、瑠璃子の手をしっかりと握る

この子の運命だってオレは、変えてしまった

関さんは自分を許せない自分を抱えたままじゃ、警護人は続けられない

ジッと関さんの眼を見る

ううん我慢すればできると思うわ

できることなら、警護人は続けたいんだよね

じゃあ、我慢しなくちゃ

オレは、関さんに微笑む

関さんは、答えた

あなたのために頑張ってみる

あたし、あなたの前では誰にも恥ずかしくない自分でいたいの

あけました

おめでとうございます

結局、寝込んだままでコミケも行けませんでした

お台場まで、乗り換え1回、30分の場所に住んでいるのですが

えー、今まで通り、お正月とか、400回突破とか、関係無くこれからも、淡々と進めて参ります

というか、丸一年365話で終わったらカツコ良かったのに

でも、確実にラストには向かっていますので

どうぞ、今年もお付き合い下さい

401.マイクロ

では、いいな関くんには、香月セキュリティ・サービスの役員現場部門のトップに就任して貰う立場的には、警備部とトップ・エリートたちを統括する役職だ

つまり現在の谷沢チーフの仕事を、関さんが引き継ぐ

閣下はオレに、社長をやれと言っているよそういう柄じゃあ、ねえんだが勇退するには、まだ若すぎるし変な形で身を引いたら、香月セキュリティ・サービスの内部で権力闘争があったと邪推されるだから、昇進するしかないらしい

でも、いいじゃんお給料も上がるんでしょっ

寧が、ククっと笑う

それが現場と接している今の方が、手当が付くからな社長に徹すると、給料は下がるんだうちの会社は、現場重視だからな

谷沢チーフは、苦笑した

だから谷沢さんは、ずっと現場に拘っていたわけっ

そういうことじゃないんだが結局、閣下が香月セキュリティ・サービスを設立したのは、重秋様の暴走を恐れたからだ身内が身内を虐げる香月家内での殺し合いを防ぐために、私的な警備組織を作ったあくまでも香月家内を見張ることが本来の任務で、他の名家の警護も引き受けたのはカムフラージュのはずだった

だった

ところが名家専門の警護会社っていうのは、思った以上に需要があったんだ

谷沢チーフは言う

まあ、昔から警察崩れの連中なんかで、そういうボディガードの会社を作るヤツは居たんだがなどこも、あんまり上手くはいかないんだ

名家ってのは色々と、知られたら困る裏があるそういう細かい事情は、普通の民間企業には中々判らないだろう名家には、名家のルールがあるそれを勘案せずに自分たちの指示に従って下さいと、警護役の方が突っ走るその結果、他の名家の機嫌を損ねるようなことになったりな

例えばそんなに力の強くない名家が、ボディ・ガードを雇って

そのガードが、自分の雇い主の安全だけを優先して香月家の様な、有力な名家の人たちをないがしろにしたら

雇い主の立場が無い

その上警護の過程で知った、名家の情報を基に、脅迫事件を起こした様なゲスなやつらも居たしな

うわ、最悪だ

いやボディ・ガードだ警護人だといっても、所詮は脚光を浴びる職業では無い人の影に徹する仕事だ裏の世界に限りなく近い実際犯罪組織に属しながらから、こっちの仕事もするキョーコみたいなやつもいるしこっち側から、犯罪者に堕ちていったやつらもいるこの仕事をしている人間に、聖人君子は望めないまともな人間がする仕事じゃないからな

自嘲気味に、谷沢さんは言う

香月セキュリティ・サービスはまず、何より、香月家の組織だ名家中の名家、香月家の運営ということなら、信頼も厚い当然、名家同士の細かいバランスには詳しい

家と家の力の差を知らないで粗相をすることはない

それどころか長い歴史のある名家だが、今は力の衰えている家と、今はいいが、成り上がったばかりの家が揉めた様な場合、香月家の名前で調停ができる香月家の判断なら、仕方が無いと、双方に矛を収めさせることができるこれは、香月家が後ろ盾であり、閣下のご意志の下に機能している警備会社だからこそ、できることだろうだから、現在では多くの名家が、オレたちの会社を利用している

これが、それぞれの家が別々のボディ・ガード会社と契約していたりしたら

雇い主の家同士の抗争がエスカレートして、警備会社同士のケンカに発展しかねない

むしろ、現在では各名家に対して、政治的な介入手段として、香月セキュリティ・サービスの力はしばしば利用されることも多いその辺の、ただの警備会社とは違うんだ

そういう組織の運営トップに関さんが加わる

香月セキュリティ・サービスは、表の警備部と裏のトップ・エリートに分けられる表の部門は普通の警備会社と変わらないこっちは、真面目で固いやつに任せておけばいい本当に、要人の身辺を守り綺麗事では済まない任務を果たすのは、トップ・エリートだあいつらこそが、香月セキュリティ・サービスの財産だまた、工藤たちの様に会社に所属する気が無いが、能力のあるやつらも、個別に抑えておかないといけないもし敵に廻られたとしても面識があると無いとでは、対応手段が変わる香月セキュリティ・サービスの名を使わずに、他家と交渉するのにも使えるからな社内のトップ・エリートと、社外の工藤たちあいつらには金を惜しまない実際、人数は警備部門の10分の1もいないが、支払額は100倍近い

あの谷沢さん

関さんが尋ねる

そういうことは全てわたくしは、知っておりますが

関さんは、香月セキュリティ・サービスのトップ・エリートで

3人しかいない、ジッちゃんの専任警護人の一人なんだから

香月セキュリティ・サービスの内部の事情なんて、全部判っている

当たり前だ君に話しているわけではない

瑠璃子にか

まさか寧

お前だよ、お前お前に話しているんだ

香月セキュリティ・サービスがどれだけ恐ろしい組織なのか何となく判ったな

いや、まあだいたいは

すでにお前たちの屋敷を、24時間監視させていることも知っているな

谷沢さんは、オレをギロっと見る

そういうことだから瑠璃子様のことは、お前に託すが監視は怠らんからな

ああそういうことですか

失礼の無いように、丁重にお守りするんだぞ

大丈夫だよっあたしたちは、この子を香月家のお嬢さんじゃなくって妹として受け入れるんだからさっ

寧が笑って答える

ヨッちゃんは、あたしの弟だと思っているしそのヨッちゃんの相手なんだから、みすずだってあたしの妹だよみすずも、あたしのことお姉さんて呼んでくれているし瑠璃子は、みすずの従妹でしょだったら、あたしの妹だよっていうか、うちの家族はみんなそう思っているよっ

寧の言葉に嘘は無い

そうかそれなら、いいんだが

いや、谷沢さん

寧の妹とか家族という言葉に、誤魔化されてはいけない

姉や妹とセックスするのがオレたちの家風なんだから

とにかく香月セキュリティ・サービスを侮るなよいいな

谷沢さんが強く言うからオレは、うんうんと頷く

谷沢チーフそろそろ

関さんが、谷沢チーフの話に区切りを付けてくれた

マルゴさんとの約束がありますこの子たちを連れて行かないと

大型バスで突入したマルゴさんは、香月セキュリティ・サービスに追われている

だからこの現場の近くからは、すでに移動しているんだ

判った瑠璃子様たちをお送りして、すぐに返って来い関くんの役員就任について他のやつらとも話さないといけないしな

あの大徳さんと張本さんは、もう知っているのですか

あいつらには事前に打診した二人とも、推薦書を書いてくれるようだ

関さんは、ホッとする

いや、もちろんあいつらは、関くんの能力を高く評価しているんだがぶっちゃけ、君の代わりの専任警護人に若い男を欲しがっているだけだ

はぁ強いんだけど、ホモなんだなぁ

だから、君の後任もまた、若い女の子をブチ込んでやる正直、若い男が近くにいない時の方が、あいつらは動きが良い気に入った男の前では、あいつらはお互いに格好良いところを見せようと気張るし、チームワークも悪くなる

まあ、あいつらのコントロールの仕方も、ゆっくり伝えていくよ全てのトップ・エリートにアメとムチのポイントがあるんだその点、関くん君は一番楽だった

谷沢チーフは、関さんの黒いダッジ・チャージャーを見る

君は、アメリカ車の趣味だけで済んだからなピンクのキャデラックは驚いたが、今日みたいな公式な場では、ちゃんと黒い車を選ぶ良識を持っているし

藤宮くんとか、本当に困るからなどれだけ能力があっても、あの英国趣味は警護対象者よりも、高級な仕立てのスーツを着てきたりするしな社会的地位のある男性の警護は任せられなかった逆に名家のお嬢様たちには人気があるんだが

お母様方にもなだが、藤宮くんの趣味を毛嫌いなさる、顧客は多い

藤宮君の逆のパターンもあるトップ・エリートの好野くんなんて、美人だが普段の格好がセクシー過ぎるからな男性には大人気だが、奥様方には不評だ

色々と大変なんだ

関くんは、トップ・エリートとしては常識人なんだだから、君が幹部候補に選ばれたということもある

いえ、あたしだって割りとエキセントリックですよ

恥ずかしそうに、関さんは答えた

いや、少し前まではそうだったしかし、今は安定している

谷沢さんは、しげしげと関さんを見る

だから、このタイミングで閣下が君の昇進を決めたんだ

それからオレを見て

閣下はお前と知り合ったことで、関くんは安定したと言っていたぞ

オレと

はい、わたくしもそう思います

関さんも、オレを見る

閣下は、お前には女の心を安定させる力があると、おっしゃっていただから、みすず様も瑠璃子様も、お前に預けるのだと

オレの力

そうだな実際、オレは黒森の連中とは、昔から面識があるがお前らのボスにしたって、他の女の子たちにしたって、前より落ち着いている気がするマルゴ嬢ちゃんやキョーコまでな

いや、キョーコさんは、まだ会ったばかりですし

オレが否定すると

ううん、ヨッちゃんキョーコさんにも、影響は出てるよやっぱり、先生や克子お姉さんやあたしが大きく変わったから、あたしたちを通じてキョーコさんにも伝わっていることってあると思う

ヨッちゃんは、あたしたち全体をほんわかさせてくれてるんだってば

お兄様には不思議なお力があるように感じられます

ええお兄様と一緒に居ると、ドキドキすることもありますが怖くはありません

いや、そんなことないだろう

さすがに谷沢チーフの前では

瑠璃子のパンツを脱がせて、腫れ上がるまで尻打ちしたことは言い出せない

あの色々とお叱りをいただくことがあっても、お兄様にはきちんとしたお考えがあることが判りますから

うん、ヨッちゃんは逸脱しないからねっ

逸脱

人間として大切な枠を守ってくれているから安心できるんだよっ

寧は微笑む

さあ、そろそろ行こうっあたし、お腹空いちゃった

そう言えばもう昼過ぎだ

ジッちゃんたちは、食事会で昼食を摂っている

瑠璃子にも、何か食べさせないと

では、参りましょう谷沢チーフ、後ほど連絡を入れます

うん、谷沢さん色々ありがとねっ

お気遣い、感謝しますあの

瑠璃子が、谷沢さんに深く頭を下げる

お祖父様と美子様のこと、よろしくお願い致します

この谷沢に、全てお任せ下さいそれより瑠璃子様は、ご自身のことを第一にお考え下さい

そして、オレをちらりと見て

もし、こやつが瑠璃子様に不埒なことを強要するようでしたらすぐに、谷沢にご連絡下さい

その時は、トップ・エリート部隊を引き連れて救出に向かいますこいつは、大徳と張本にくれてやりますから

オレ、ホモの餌食になっちゃうの

大丈夫だって心配しすぎだよ、谷沢さんっ

それよりさっ

関さんの黒いマッスルカーが5月の晴れた午後の道を疾走する

新緑の季節

ドライブには、絶好の天気だ

克子お姉ちゃんから聞いたことがあるんだけれど

寧が、オレに言う

谷沢さんて香月のお祖父ちゃんのお供で、お屋敷に来たことは何度もあるんだけれどお祖父ちゃんに誘われても、自分は警護の任務中ですからって、ずっとお祖父ちゃんの車の中に待機して、絶対にお屋敷の中には入って来なかったんだって

黒い森が娼館であることは知っているが

娼婦を買ったことはない

また、ジッちゃんたちが屋敷の中で、どんなインモラルな行為をしていたかも知らない

先生やマルゴお姉ちゃんとは、警護の打ち合わせで会っているしキョーコさんとは、昔から知り合いみたいだけれどお屋敷の内側は見たことがないんだよねあの人

だからオレに瑠璃子を預けられる

オレが瑠璃子に手を出すことは無いと思い込んでいる

でも、あたしたち常識外れなんだよね最初っからさ

寧が、オレに自分の胸を擦り付けながら言った

オレたちの話を聞いて、瑠璃子は心配そうにうつむく

あ、居たわあそこね

運転席の関さんの言葉に、オレたちは前方を見る

見慣れたマルゴさんの白いバンが停まっている

車体の側面に貼られた文字は丸子酒店

遅かったね、どうしたの

車を停めると、マルゴさんが下りて来て言った

谷沢さんに見つかっちゃったわお見通しだったみたい

ああ、まあ想定内だけどね香月さんが、見逃してくれることは判っていたんだし

ジッちゃんは、瑠璃子の誘拐を望んでいた

そのことを折り込んで、マルゴさんは計画を立てた

マルゴお姉ちゃん関さん、今度から香月セキュリティ・サービスの現場部門のトップになるんだってっ

寧が、窓を開けて言う

へえ、それは凄いね大出世じゃないおめでとうございます

そんな苦労が増えるだけよ

っていうことだから香月セキュリティ・サービスも、ヨッちゃんのものになるからねっ

え寧

ホント、谷沢さんて良い人なんだけれどそういうところ、ニブイよねっ

寧はニコッと微笑む

いや、あのそれって、香月セキュリティ・サービスが黒い森と連携するってこと

そうじゃないってば黒森は関係無いのヨッちゃんだけのものになるんだよっ

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