雪乃が挿入を求める
やめろぉぉそんなもん、オレに見せるんじゃねぇぇ
過去のオレと雪乃が重なり合う
雪乃は嬉しそうに笑っている
オレたちの結合しようとする局部はハッキリと見えている
遠藤の視界の中に
よせってめぇらオレの前でそんなことしたら絶対に許さなねぇからな
誰も遠藤のわめき声なんて聞いていない
過去の雪乃がうずく肉体を開いて、オレを待ち望む
過去のオレは
柔肉と愛液を押しのけるように張り詰めた亀頭を、雪乃の胎内に潜り込ませる
繋がっていくのがハッキリと見える
重なっていくのが
過去のオレと雪乃は完全に結合していた
ちくしょうちくしょうちくしょう
遠藤が絶望の声を上げる
過去の雪乃は男女の性交に悦んでいる
うっとりとした顔でオレだけを見ている
もう彼氏でない男とキスをすることにも抵抗が無いらしい
バカにしゃがってちくしょうバカにしやがって
過去の雪乃はオレしか見ていなかった
身体の相性がいいのかな、あたしたち
オレと雪乃の会話に、遠藤は怒りと憎しみの涙を流す
遠藤はずっと雪乃に裏切られていたことを知る
過去のオレはゆっくりと、腰を動かす
雪乃が、遠藤を見る
現実にはカメラを見たのだが
今の遠藤には、自分に振り向いたとしか感じられないだろう
雪乃ぉぉぉぉッッ雪乃ぉぉぉぉッちくしょうッッバカ野郎バカ野郎バカ野郎
だが過去の雪乃は、オレとのセックスにどんどん溺れていく
オレを求めて自分から腰を動かしている
何で、吉田なんだよくそぉぉふざけやがって
過去のオレが激しく雪乃の中に突き込むッ
過去の雪乃はどこまでも性の快感に貪欲だった
高校一年生の少女の肉体が男の激しい突き込みに合わせて、ゆさゆさと揺れている
雪乃が下からオレを見上げてそう言った
遠藤ではなくオレだけを見ている
雪乃の身体に熱い波が、押し寄せようとしている
過去のオレが、雪乃の耳に囁く
大きく眼を開いて歓喜の顔をオレだけに晒す
見られてるぅぅあたしの一番恥ずかしい顔見られてるよぉぉぉぅあっあああっ気持ちいいぃぃぃ
遠藤は唖然としていた
これは、アダルトビデオではない
自分の彼女が処女だと信じていた少女が
自分ではない男とセックスして絶頂に達している
オレと二人だけの世界で快感の波に身体を犯されている
ゆ、雪乃嘘だろ、こんなの
過去のオレも
限界を向かえる
その雪乃の声に、遠藤は
バカッ中になんか出されたら
自ら膣内射精を懇願する
おい、止めろ吉田ぁぁッ中で出したら、殺してやるッ絶対に殺してやるからなッ
雪乃の胎内で白い熱汁が、噴き上がるッ
雪乃の身体が、大きく反り上がるッッ
遠藤の完全なる絶望
だ、出した出されたのかよおい
雪乃はオレの顔を見て叫んでいる
二人だけの世界を作り上げている
雪乃が身体をビクビク痙攣させながら、そんなことを言う
遠藤が絶叫した
ああああああああああああああああッッ
金切り声を上げて、喚き散らす
ちきしょうバカ野郎ふざけやがってあああああっ
しかし過去のオレたちは
抱き合って、セックスの余韻を楽しんでいた
嬉しそうに雪乃がオレに尋ねた
ビデオ撮影の伏線は、こんな風に回収してみました
さて、遠藤の暴走が始まります
昔、新婚の奥さんに聞いた話
ある日帰宅したら、旦那さんが何か隠しているので
何をしているの
と、問い詰めたら旦那さんがエロいディスクを取り出して、
ドラえもんの喋り声で
オナニーの素ぉぉ
と答えたそうです
奥さんいわくあたし、どうしてこんな人と結婚したんだろ
203.ステップ3
はい、フラッシュ
画面の中の岩倉会長がそう呟いて、キーを叩く
瞬間遠藤の視界が、激しい光の点滅に包まれる
同時にブゥゥゥンッという音が次第に大きくなり、最後はキーンッ
と耳を切り裂く様な甲高い音に変わって
全身汗だくになった遠藤がピクピクと痙攣しながら、光と音の攻撃に堪えている
そしてガクッと、失神した
激しい光の明滅が、人間の脳に悪影響を及ぼすのは知っているでしょう
ミナホ姉さんが、オレに言う
そう言えばテレビのアニメでそんな演出をしたら、子供が大量に失神した事件があったっけ
ゴーグル型のヘッドマウント・ディスプレイだと、完全に視界を塞がれるから眼を瞑っても無駄よまぶた越しの光だって、あそこまで強烈だと脳への効果は変わらないからそれに音の効果も足してみたわ静かな低音から、一気に爆音の高い音を聞かせられたんですもの脳がパニックになるのは、当然よね
画面の中岩倉会長がニヤッと微笑んで、失神した遠藤の様子を観察している
それから二人の生徒会男子を見て
捨てて来てちょうだい予定通りに
予定
全ては、ミナホ姉さんの復讐計画のまま
あたしは、自分の教室へ戻るわこんな面白いもの、一般学生たちに混じって見物したいもの
まだ、これから何かが起こるのか
あたし、今、ちょっと具合が悪くなって医務室に居ることになっているから優等生の生徒会長を演じておいて良かったわこんなに楽しいことに参加できるんですもの
そう言って、画面の中の岩倉会長がこちらを見上げる
感謝していますわ先生っ
監視カメラに向かって岩倉会長は、ウインクする
岩倉会長は、本当に隠しカメラの位置をことごとく知っているんだ
後はお任せします幸代は、教室から拝見致しますわ
そして画面の中の映像は、消えた
今のがだいたい、十分前よ
オレとメグと三人きりの校長室でミナホ姉さんが、そう言った
今、遠藤は
そうねでは、リアルタイムの遠藤くんを見てみましょうか
ミナホ姉さんがパソコンを操作する
元の体育館の裏の光景が映る
監視カメラが人影を捉えた
岩倉会長の手下の二人の男子が遠藤を乗せたストレッチャーを押してくる
遠藤は、すでにゴーグルとヘッドフォンを外されていた
黒革の拘束ベルトも全て外されている
遠藤はぐったりとして倒れている
反対側から、別の二人組が現れる
それは野球部の不良部員、鯉住と杉山だった
二人とも、まだ野球部のユニフォームを着たままだ
授業には、出なかったらしい
おっつーそのバカは、その辺に捨ててってくれ後はテキトーにやっとくから
杉山が、生徒会男子に話し掛ける
じゃ、後はよろしく放課後に、生徒会室へ来てくれ幸代様が、ご褒美を下さるそうだから
うひひそうこないとな
生徒会男子の言葉に、鯉住がニヒッと下品な笑みを浮かべる
ご褒美は、金銭でも会長のご奉仕でも、どちらでもいいそうだ
両方ってのは
それでもいいけれど会長は、順番待ちだぜオレたちの後でいいんなら
生徒会男子だけでなく鯉住と杉山も、岩倉会長の手下だったんだ
会長とのお楽しみは、後日ってんじゃダメかお前らの後じゃ、気分がのらねえよ
杉山が、不満そうにそう答える
いいんじゃない後で、会長と相談してみなよ明日から、また連休なんだし
生徒会男子の一人が、気軽にそう言う
岩倉会長との乱交は、すつかり日常茶飯事になっているようだ
それもそうだな別に今日の放課後、ガッつくことぁねぇんだ会長さんとは、休みのどこかでガッツリ楽しませて貰おうぜ
それで、いいかどうせオレたち、連休中は、毎日練習で学校へ来るんだし
鯉住の言葉に、杉山は納得する
それよりお前らは、早く教室へ戻れよ生徒会所属の優等生が、二人揃って授業をサボッてんのが見つかると、ヤバイだろ
大丈夫だよ今日は、この後、こいつが大暴れしてくれるんだから何もかも、ウヤムヤにしてくれるさ
生徒会男子は、気絶している遠藤の頭をコツコツと小突いて、そう言った
なるほどね
鯉住と杉山は気味の悪い笑いを浮かべた
これ使ってくれ
生徒会男子が、杉山にペットボトルの瓶を手渡す
興奮剤にチンコが立ちっぱなしになる薬が混ぜてあるんだってさ
へえそいつは、面白いな
五回、六回、連続で射精したって、チンコのうずきが止まらなくなるらしいぜ
いいねえオレが飲みたいよ
バーカずっと勃ちっぱなしってのも、辛いんだぞ
ん鯉住、お前まさか
ああ前に、岩倉さんの相手をした時に、飲まされたんだけど三回目の射精の後からは苦行になったよ
うわそんなに効くのかよこれ
可哀想だねえ遠藤くん
何言ってるんだよ可哀想なのは、白坂雪乃ちゃんだろ
ハハッ、ちげえねえや
気絶した遠藤を囲む男子たちはゲラゲラと笑った
可哀想なのは、雪乃って
こいつらは、遠藤に何をさせるつもりなんだ
ミナホ姉さんは落ち着いた様子で、ニッと微笑んだ
これから起こることはあなた自身の試練でもあるのよ
オレ自身の試練
今は、落ち着いて事態の流れを見なさいそして、自分の心の中の動きをジッと観察するのよ
あなた自身は、本当は何を欲しているのかどうしたいのかギリギリの瀬戸際に立って、ようく考えなさい
ミナホ姉さんがジッとオレの眼を見ている
メグがスッとオレの手を握りしめる
あたしがここに居るから一緒に居るからね
泣きそうな顔でオレに寄り添ってくる
メグの手は冷たかった
メグは緊張している
ではステップ3よ
ミナホ姉さんがそう呟いた
せーのっ
鯉住と杉山がストレッチャーの上の遠藤を持ち上げて、草の上に放り投げる
グエッ
草の上でバウンドした遠藤が、叫び声を上げた
じゃあ、よろしく
任せた
生徒会男子は、そのままストレッチャーを押して退場していく
ほい、任されましたっと
さあてっと
鯉住がペットボトルの蓋を取る
杉山が倒れている遠藤を押さえつけて、やつの鼻を摘む
うげぇぇ
息苦しさに大きく口を開く、遠藤
ほれ、今だ
了解っス
鯉住が遠藤の口にペットボトルを突っ込む
うくくぐぐふっ
無理矢理ボトルの中の薬品が、遠藤の口の中へ注がれる
ぐ、ぐるじいゲホッ、ゲホゲホッッ
顔の周りをビショビショにしながらそれでも、遠藤はゴクゴクと薬を飲み込まされる
ぐぇぇぇっ助けてぇぇ溺れるぅぅゲホゲホッ
バーカ、こんなことぐらいで溺れるかよ
こいつ自分がどこに居るのかも判っていねえんじゃないの
鯉住と杉山はゲラゲラ笑いながら、ボトルの中の最後の一滴まで、遠藤の口の中に押し込む
うげぇぇゲホッ、ゲホッ
激しく咳き込む、遠藤
おい遠藤、眼が覚めたか
おいオレたちが判るか、遠藤
杉山と鯉住の言葉に遠藤は、眼を開ける
えここは
ハッとする、遠藤
しかし洗脳装置での脳へのショックや、今飲まされたクスリが効いているのだろう
起き上がろうとするが眼が廻っているらしく、上手く立ち上がれない
何やっているんだよバーカ
杉山が無理矢理、遠藤の胸ぐらを掴んで立ち上がらせる
えっオレどうしちまったんだゆ、雪乃は
遠藤は完全に混乱している
ほんの一時間ちょっと前この二人の不良先輩に、ボコボコにされて気絶した遠藤
その同じ場所で同じ二人によって、眼を覚まさせられた
今の遠藤には
岩倉会長に見せられた、オレと雪乃のセックスが夢か現実か判らなくなっている
何言ってるんだよその雪乃ちゃんを、お前はこれからレイプするんだよぉ
さっき、そうしろって言ったろ判ってんのか、こらぁ
フラフラの遠藤を不良先輩たちが、怒号で恫喝する
でもあれは本当なのか雪乃
そんな遠藤の耳元に、杉山は
本当もクソもねぇんだよっ雪乃ちゃんとヤらない限りお前には未来が無いんだよっ
ででも雪乃は、吉田と
興奮しきった遠藤の頭の中でさっきの映像が、フラッシュ・バックしているらしい
ごらぁっ、遠藤てめぇも、チンコ付いているんだろっカマしてこいやっ
そうだぞここで一発、男になってこいやッ
不良先輩たちが、遠藤を煽る
でも、でも、でも
パニックのままの遠藤
ヤリてぇんだろ雪乃ちゃんと
そんなにチンコ固くしてるくせによッ
クスリが効いている
遠藤の股間はズボン越しでも勃起していることがハッキリと判った
そのお前の熱い思いを雪乃ちゃんにぶつけて来いやっ
雪乃ちゃんは、お前のカノジョなんだろ
その言葉が遠藤の心に強く作用する
ゆ雪乃雪乃は、どこに
錯乱した眼で遠藤は、言った
そんなの教室に決まっているだろ今は、授業中なんだぜ
授業中オレのクラス雪乃雪乃ぉぉ
遠藤が吠える
ほら、これを持って早く行けよ
杉山が遠藤に、金属バットを手渡す
お前の邪魔するやつは、全部、こいつでブン殴るんだ
ほら急げよ雪乃ちゃんが待っているぜ
鯉住が笑いながら、遠藤の背中を押す
急がないと雪乃ちゃん誰かに獲られちゃうかもよ
遠藤の心に火が付く
ううう、雪乃雪乃雪乃ぉぉぉぉ
フラフラとした足取りながらも遠藤が、教室に向かって走り出す
ミナホ姉さんは、遠藤に雪乃をレイプさせるつもりなの
オレはミナホ姉さんに尋ねた
さあどうしましょうか
ミナホ姉さんはいつもの冷たい眼で、オレを見ている
それがあたしの復讐計画だって言ったらあなたは、どうする
おれは
黒い森の一員だ
それがミナホ姉さんの望みならば従うしかない
これでいいのよこれで
オレの手をギュッと握ったまま、メグがオレに言った
雪乃は、遠藤くんに返してあげましょうねっ
雪乃が居たってヨシくんの幸せにはならないわ雪乃は、全然、ヨシくんのこと愛していないんだもの
今日の早朝吉田くんは、雪乃さんと恵美とマナさんを順番に抱いたわね
ミナホ姉さんがオレに言う
三人抱いてみてどうだった
どうだったって
やっぱり違ったでしょ雪乃さんと恵美やマナさんとのセックスは
あたし判るわあたしとマナは、カメラの映像で観ていたからそれで、ガマンできなくなって、視聴覚室に乗り込んだんだから
雪乃は自分のことしか考えていないそういうセックスだった自分が気持ち良くなることしか考えていなくてヨシくんを気持ち良くしてあげようとか、楽しませようとか、そういう気持ちが微塵も無かったわ
そうだったかも、しれない
だからあたしとマナは
そうだメグとマナとのセックスは
二人とも自分の快感だけでなく、オレのことを気遣ってくれる
一緒に気持ち良くなるってことを大事にしてくれている
雪乃とのセックスは観ていて、ヨシくんが可哀想なんだもの一方的に、雪乃に奉仕させられているみたいで
メグやマナにはそう見えるんだ
だからあの時、オレと雪乃のセックスの最中に飛び込んで来たんだ
ヨシくんには、あたしたちが居るんだよ
雪乃なんて、もういらないじゃないっ
あら遠藤くんが、教室に到着したみたいよ
ミナホ姉さんが監視カメラを切り替える
雪乃ぉぉぉぉッッ
突然、ドアを開けて乱入して来た遠藤にクラスの連中は、驚いていた
遠藤は野球部の練習着を着たまま
しかし、その白いはずの練習着はあちこち泥だらけで
顔の下から胸に掛けては黄色い薬品の染みがついている
帽子はどっかで失くしてきたらしく髪はぐちゃぐちゃで
顔は青アザで腫れ上がり、鼻からは血が出ているし
まるでゾンビの様な姿だ
そして手には、金属バットを持っている
雪乃ッ雪乃がいねぇじゃないかっ
雪乃の席が空なのを見て遠藤は、絶叫する
どどうしたんだねっ、君ぃぃぃ
その時間を担当している化学の老教師が驚いて、遠藤に声を掛ける
うるせぇ、黙ってろ
遠藤は、金属バットを思い切り振り回したッ
ゴブッ
黒板に、ボコッと穴が開く
きゃああああっ
女子生徒が悲鳴を上げた
答えろッ雪乃は、どこへ行ったんだよっ
遠藤の雄叫びに女子生徒の一人が答えた
白坂さんなら、校長室へ行ったわ
錯乱した遠藤がギロッとその子を見る
校長室ぅ
そうよさっき、呼ばれて行ったわよ
それから、ハッとしてオレの席を見る
オレの席も空席だ
吉田のやつも居ねぇじゃないかっ
遠藤は、バットを教卓をガンッと叩き付けた
よ、吉田くんも校長室よ
遠藤の眼の色が変わる
ぬぁにぃぃぃぃぃ
完全に狂人の眼だ
二人ともぉぉ校長室に居るのかぁぁ
だから、そうだって言ってるじゃないっ
遠藤の迫力に女生徒は、思わずメグも一緒に行ったことを言い忘れる
あいつらぁぁふざけやがって、ふざけやがって、ふざけやがって
教室を飛び出す、遠藤
ちくしょうッッ
廊下の窓ガラスを、思い切りバットで砕く
許さねぇ許さねぇ許さねぇからなぁぁ
フラフラしながらも遠藤は、校長室に向かって駆け出す
手に金属バットを握りしめたまま
ミナホ姉さんがインターフォンのスイッチを入れた
克子、もうすぐよ
克子姉は雪乃と一緒に、校長室の隣の緊急放送室に居る
部屋の中で雪乃の背中に貼り付けた、スタンガンのユニットを剥がしているはずだ
了解です、お嬢様
スピーカーから、克子姉の声がする
遠藤はこの部屋に向かっているんですよね
ブン殴り棒の準備をする
あらどうする気まさか、遠藤くんと闘うつもりなの
だってあいつが、みんなに危害を加えるかもしれないじゃないですか
オレはみんなを守る義務がある
吉田くんこの校長室は、学校内でのあたしたちの防御の要よあのドアは、金属バットで殴ったくらいじゃ開かないから安心なさい
それに遠藤くんには、隣の部屋へ入って貰うから
隣の部屋って
だって仕方ないでしょ遠藤くんの目的は、雪乃さんなんだから
でもそれでは
雪乃が大変なことになってしまう
まさかと思うんだけど
ミナホ姉さんがオレの眼を見る
あなたが今言った、みんなって
冷たい眼がオレの心を刺す
雪乃さんは、入っていないわよね
ヨシくん違うのよ雪乃は、あたしたちの仲間じゃないんだからねっ
メグがオレの手を握っている
雪乃は違うんだよあの子は
白坂雪乃は
白坂創介の娘であり
黒い森の敵
ミナホ姉さんの復讐の対象だ
もう、捨ててお願いだから雪乃のことは見捨てて
メグが泣きながら、オレに縋り付く
雪乃ぉぉぉ
部屋の外から遠藤の野太い叫び声が聞こえた
遠藤は前にも校長室に来ている
まっすぐに、ここへ走って来たらしい
ここを開けろぉぉ雪乃出て来いっ
ダゴッ
ダカカガッ
校長室のドアを遠藤が、金属バットでブン叩いている
ミナホ姉さんが廊下の監視カメラの映像をモニターに映して、その光景をオレたちに見せてくれた
錯乱して怒りと憎しみの塊となった遠藤が恐ろしい形相で、校長室のドアを壊そうと暴れている
校長室の隣の緊急放送室のドアがガチャリと開いた
どうしたの、騒がしいわね
克子姉が部屋から出てくる
そして遠藤に言った
白坂雪乃さんなら、こっちの部屋に居るわよ
遠藤はへっという顔をして
それでも克子姉がスッと部屋の中が見えるように廊下に出ると
緊急放送室の中を覗き込んだ
ミナホ姉さんが何かのスイッチを入れる
部屋の中を見てハッとする、遠藤
雪乃ぉぉぉぉぉこんなところに居やがったのかぁっ
その遠藤の声が
スピーカーを通して、校舎全体に響き渡った
ここからは全校に中継よ
声も映像もね
ミナホ姉さんが、オレにモニターを見せる
次々に切り替わる、監視カメラ
校内の全ての教室に備え付けられているテレビに緊急放送室の映像が映っている
錯乱した生徒が、女子生徒を人質にして緊急放送室を占拠したんだもの間違って、全校放送のスイッチが入ってしまってもしょうがないでしょ
ミナホ姉さんは最初から、そのつもりで
遠藤の声が全校に轟く
ふざけやがって雪乃てめぇぇ
金属バットを持ったまま、部屋にのっそりと入って行く遠藤
室内に入った瞬間克子姉が、外からドアをバタンと閉める
その姿は中継画面には映っていない
まるで遠藤が自分でドアを閉めたように見えた
緊急放送室の中は遠藤と雪乃二人だけの密室になった
ケンジどうしたのよ、あんた
雪乃は遠藤の変貌に驚いている
その雪乃の姿は
背中の肌に張られていたユニットを外したために制服の上着を脱ぎ
白いブラウスを半脱ぎにしている状態だった
胸元のボタンを外したまま
ブラウスの裾も、外に出たまま
まるでセックスの事後のような姿だった
いやその白いブラウスが
遠藤の記憶をフラッシュバックさせる
さっき、岩倉会長に見せられたオレとセックスしていた時の、白シャツ一枚の姿を思い出させる
雪乃ぉぉお前ここでヤッてたのかよっあいつとヤッてたのかよっ
混乱した遠藤の頭の中で緊急放送室の現在が、視聴覚室の映像と合致してしまう
ふざけやがってぇぇぇぇぇッッ
遠藤が、思い切り金属バットを壁に叩き付けた
バキッッ
きゃあああああっ
雪乃の悲鳴が、スピーカーを通して校舎全体に響く
今まで張ってきた伏線がようやく回収に入りました
執拗に雪乃とメグマナの比較をやってきたのは、このためです
ここからが勝負ですが
土日は睡眠時間の確保だけで終わってしまいました
来週末こそは、どこかへ行こう
白坂創介のモデルになった学生時代の後輩の話
その後輩は、その時に学内の何かの役職を担当していて色々大変だったらしいです
そして、ある日その愚痴を、その時に付き合っていた年上のカノジョに電話で話していたそうです
二時間以上
ちっくしょう、こんなのやってられねぇよ
そんなこと言わないでいつか、この経験が役に立つこともあるわよ
そんなわけねえだろああ、ちきしょうああ、オレは今、本当に時間を無駄にしている
そんなことないわどんなことだって、時間の無駄だなんて思わないで
そういう意味じゃねぇ
お前と電話していた二時間が、本当に無駄だったぜこの時間を他のことに使えば良かったちくしょう
二時間、延々とそいつの愚痴を聞かされた上に、時間の無駄だったと言われたカノジョの立場は
もちろん、すぐに別れたそうですが
サイテーな野郎でしたね
その後は、下級生と付き合っていましたが
あいつらは昨夜、ホテルに行ったらしいしかも、カノジョは処女だったそうだ
そういう情報、私の耳にまで流れてくるというのは
絶対に、本人が言い広めているんですよね自慢話として
白坂・遠藤レベルのゲスなバカ男ってマジで実在します
204.ステップ4
絶対に許さねぇ犯してやるからなっ、雪乃ぉぉッ
遠藤の喚き声が全校中のスピーカーをビリビリと鳴らす
画面の中でバットを持った遠藤が、じりじりと雪乃に近付く
いやあっ、来ないでぇ
恐怖を感じ、叫ぶ雪乃
席を立とうとしたしかし
ダメよヨシくん
メグがオレに必死で縋り付く
行っちゃ嫌ここに居て、ヨシくん
メグがオレの腕を掴んで離さない
そんな間にも遠藤は、雪乃に近付く
興奮剤を飲まされた遠藤は血走った眼をギラギラさせながら、雪乃を見る
来ないで来ないでったらっ
雪乃は近くにあった、本を遠藤に投げ付けて牽制する
がその行為がさらに遠藤の心を高ぶらせる
ふざけんなぁ、こらぁぁ
遠藤は、金属バットで雪乃の前の机をブッ叩いた
バキッ
木片が四散するッ
オレはガマンできなかった
メグを振り切って立ち上がる
ミナホ姉さん、ここから隣の部屋に行けるんだよね
隣の緊急放送室には外の廊下だけでなく、この校長室からも行ける
さっき、雪乃と克子姉はこの小さなドアを潜って、隣の部屋に行ったのだから
どうしても、隣の部屋に行きたいの
ミナホ姉さんがジッとオレの顔を見た
それって雪乃さんを助けたいからそれとも、雪乃さんが遠藤くんに犯されるのはどうしても気に入らないから
その両方だよ
はっきりと、そう答えた
オレは雪乃が傷付けられるのを見たくはない
遠藤みたいな男に犯されるのを許したくはない
そういう身勝手な人間だ
今、あなたが雪乃さんを助けに行ったらどういうことになるか、判っているわよね
メグを見る
メグは真剣な顔でオレを見上げている
今の隣の部屋の様子は、全校に中継されている
ここで、オレが助けに入れば
その様子も学校中の人間に見られる
ブン殴り棒を振り回す黒い森の人間としての、オレの姿を
それでもいいの
ミナホ姉さんがオレに選択を迫る
ヨシくんあたしたちを選んでよ雪乃のことなんて、見捨てればいいのよ
メグが泣きながら、オレに言った
雪乃なんて助けてあげたって、ヨシくんのことを感謝したりはしないわよあの子は、そういう子じゃないの
メグの言うとおりだろう
我が儘で、身勝手でずっと、オレのことを見下している
オレのことなんか気持ちいいセックスの道具ぐらいにしか思っていない
助けてやろうが、どうしようが
あいつがオレを心から好きになってくれることはない
判っている
そんなこと判っている
どっちを選んで、どっちを捨てるとかそういう話じゃないんだよっ
メグに怒鳴っていた
オレがそうしたいから、そうするそれだけだっ
雪乃の心は絶対にオレに振り向かない
雪乃は渡さない
遠藤みたいな男には
やっと、自分の欲望に素直になったわね
ミナホ姉さんがニコッと微笑む
それでいいのよあなたは、自分の欲望とちゃんと向き合うべきなんだから御名穂さん
メグがギョッとした顔で、ミナホ姉さんを見る
恵美吉田くんの妻になるつもりなら何があっても、自分のところに吉田くんは戻って来ると信じなさい
そんなの信じられないですあたし自分に自信がないもの
メグは、そう答えた
それなら自信を持てるように、必死で努力なさい
ミナホ姉さんの言葉にメグは
口惜しかったらいい女になる様に、自分を磨きなさい吉田くんに甘える前に、愛されるのに相応しい女になりなさい
メグが、黙り込む
吉田くんは男なのよ
吉田くん黒い森の主として、あなたに命じます
雪乃さんを、遠藤くんから助けて遠藤くんの代わりに犯しなさい
ミナホ姉さんは、机の引き出しから棒型のタイプのスタンガン、スタン・ロッドを取り出し、オレの前に置いた
お屋敷でも使っていたタイプだから使い方は判るわね
オレはスタン・ロッドを取る
スイッチを入れるとビビビビビッと、電流の流れる音がした
タイミングは一瞬よ十五秒間だけ、映像をブラックアウトさせるわその間に、部屋の中の遠藤くんを倒してあなたが、代わりに雪乃さんをレイプなさい
オレが雪乃を
十五秒が過ぎたら全校生徒には、そのまま遠藤くんが雪乃さんをレイプしていると思い込ませるのできるわね
それがミナホ姉さんの計画
遠藤くんにはレイプ犯の汚名を着て貰うわ雪乃さんとは一度もセックスできないままでそして雪乃さんには、男にレイプされる姿を全校生徒に公開して貰うのよ
遠藤と雪乃への復讐
できるわね
泣きながらメグがオレを見ている
メグオレは、こういう男なんだそれを判ってオレに付いてきてくれ
メグが、ハッとする
いいの、あたしこのまま、ヨシくんに付いていっていいのね
オレはお前も大切なんだ居てくれないと困る
もという言葉を強調した
オレはすでに、たくさんの女を抱えている
メグ一人のためだけには生きられない
判ったあたしも、ヨシくんの女の一人だから
メグが、ギュッと唇を噛みしめる
いつまでも甘えているばかりじゃいけないんだよね
口惜しそうなメグ
オレにはメグに掛けてやるべき言葉が、見つからなかった
ミナホ姉さんが簡潔に、計画の流れを説明してくれた
後は実行するだけだ
止めて、来ないで来ないで
緊急放送室ではまだ、雪乃と遠藤の追いかけっこが続いていた
いや正確には、遠藤が雪乃の廻りの物をバットで叩き壊して怯える雪乃の姿を楽しんでいた
散々バカにしやがって雪乃ぉぉぉっ
ついに遠藤が、バットを投げ捨てる
白ブラウス姿の雪乃に、飛び掛かる
叫び暴れる雪乃
騒ぐんじゃねぇ
そんな雪乃を遠藤は平手打ちする
バシッ
鈍い音を立てて壁に吹っ飛ぶ、雪乃
渾身の声で、喚く
雪乃ぉぉ
のっそりと遠藤が雪乃に近付いていく
今、まさに少女がレイプされそうな映像が、全校に中継されている
この映像を撮しているのは緊急放送室の中の三脚に固定されているビデオ・カメラだ
ミナホ姉さんが別の監視カメラの映像で、そのカメラを位置を教えてくれた
このカメラは遠隔操作で、三脚ごと倒すことができるわ映像を観ている生徒たちは、何かの振動でカメラが倒れたとしか思わないでしょうね倒れた瞬間に、映像をブラックアウトさせるから
それで中継映像が見えなくなる時間を作る
音声はそのまま放送されているから気を付けてねあなたは、絶対に声を出さないで
十五秒で遠藤くんを倒してカメラを三脚から外しなさいあなたが手でカメラを持ったまま雪乃さんを犯すのよ
ハメ撮りするのか
それなら、オレの顔が撮られることは無い
生徒たちの集中が、途切れないのが十五秒以内よそれ以上時間が掛かったら不審に思う生徒が出るわ
遠藤が、引き続き雪乃をレイプしている様に見せ掛けるためには確実に十五秒で全てを終わらせないといけない
さあスタンバイして
オレはスタン・ロッドを持って、隣の部屋へ繋がるドアへと向かう
助けてぇぇ誰か、助けてぇぇ
緊急放送室では雪乃が、ちょうどそのドアへ向かって逃げてきた
ガチャガチャとドアのノブを回すが
開かない
ドアのロックは、ミナホ姉さんが遠隔操作で管理している
へへへ、雪乃ぉぉ雪乃ぉぉ
遠藤が上半身裸になって、雪乃に迫る
練習着のズボンは激しい勃起で隆起しているのが判る
止めて、こんなことしないでよケンジ
うるせぇぇッッ
また、遠藤が雪乃を平手打ちする
あんなやつにまでヤらせてたくせにこの、ドスケベ女ァッ
雪乃のブラウスを掴んで一気に引っ張る
バババババッっと、ブラウスのボタンが全て飛び散る
雪乃の水色のブラジャーが、ハッキリと見えた
いやぁぁッッ
騒ぐんじゃねぇって
もう一度、遠藤が平手打ちをカマす
雪乃の身体が、壁に叩き付けられる
眼を血走らせて襲いかかる、遠藤
いやいやいやぁぁ
雪乃は、必死で胸を隠そうとするが遠藤に髪の毛を思いっきり、引っ張られる
痛いッッ
痛みで緩んだガードに、遠藤の手が伸びる
ブラジャーを力任せに引っ張った
ブラが捲り上がり雪乃のおっぱいが、カメラの前に晒される
うぉぉぉぉぉっ
校舎全体から男子生徒たち全員の溜息が漏れた
観られている
学校の中の人間全てが実況レイプ中継に注目している
おいっここを開けろ
緊急放送室のドアをドンドン叩く音がする
中継を見た男の教師たちが、慌ててやって来たのだろう
バカなことをするな遠藤
遠藤のことを知っているとなると野球部の顧問かもしれない
遠藤は、野球部の練習着姿でカメラに映っているんだし
うるせぇぇッッどいつもこいつも、オレを小馬鹿にしやがって
教師たちの声は遠藤の怒りに火を注ぐだけだった
クッ、ドアがロックされている
ここの鍵はまだか
それが職員室には置いてありませんでした
何でだっ
男性教師たちが、廊下で叫んでいる
しかし、緊急放送室のドアは隣の校長室と一緒で、ミナホ姉さんが遠隔操作でロックしている
鍵は無い
雪乃、雪乃、雪乃ぉぉぉぉっ
遠藤は、力任せに雪乃の乳房を握りしめる
痛いぃぃ
雪乃が悲鳴を上げる
ちくしょうこのおっぱいだって、オレのだったんだあんなやつにあんなやつに揉ませやがって
握りつぶすように雪乃のおっぱいを掴む、遠藤
遠藤は、雪乃にキスしようとする
あんたなんて大嫌いよっ
近づく遠藤の顔目掛けて、雪乃は頭突きをカマしたッ
ゴヒッ
鈍い音がして遠藤が鼻を押さえる
遠藤の鼻から、ダラダラと鼻血が垂れた
てめぇぇぇ
頭に血が昇った遠藤が、また雪乃を殴りつける
いやぁぁっ助けてぇぇ誰かぁぁ
雪乃雪乃雪乃
雪乃は、ぐったりとしている
遠藤の手が雪乃のスカートを捲り上げる
ブラと同じ水色のパンティがカメラに映し出される
やってやるやってやるやってやるぜ
遠藤の手が雪乃のパンティに伸びた
犯してやる犯してやっからな雪乃ぉぉぉぉ
パンティが引き下ろそうとされる
吉田くんスタンバイ
ミナホ姉さんがオレに声を掛ける
ステップ4READY
遠藤の震える手がパンティをグイッと下ろした瞬間
GO
カメラの三脚がするっと倒れる
緊急放送室の中を撮していた画面がくるんと回転し、部屋の天井を撮した後ブラックアウトした
そこへ遠藤の声だけが聞こえる
な、何だこりゃあぁぁッッ
校長室と緊急放送室を繋ぐドアがカチッと解錠される
オレはドアを開けて、中へ飛び込む
遠藤は驚愕した顔で、雪乃の股間を見つめていた
そこには吉田と書かれた、緑色のタトゥが刻まれている
遠藤の眼がタトゥに釘付けになっている間に
オレは遠藤の首筋にスタン・ロッドを叩き込む
バリバレリバリッッ
火花と焦げ臭い匂い
遠藤は吉田の文字を見たまま、後ろにブッ倒れる
この間2秒も掛かっていない
雪乃は呆然として、オレを見ている
オレは、まず遠藤の様子を確認する
遠藤は、眼を開けたまま失神していた
完全にノックアウト状態だ
腹の辺りを思い切り蹴飛ばす反応は無い
遠藤の身体は、そのまま足で部屋の隅に転がした
それからカメラのところに行く
倒れている三脚からビデオカメラを外す
あれ、これどうやって三脚から外すんだ
おい、遠藤お前の条件を言えどうしたら、中に居る子を解放する
廊下から、そんな体育教師の怒声が聞こえた
刑事物のドラマの立て籠もり犯じゃないんだから
大人しく出て来い遠藤お前の両親は泣いているぞ
何か、他に言葉は思い付かないんだろうか
何とか、ガチャガチャやってカメラを三脚から外すと
十五秒が経った
カメラが再び、映像を中継する
オレは手持ちのカメラが、壁際に転がした遠藤を撮さないように注意して
オレが飛び込んだドアは、すでにミナホ姉さんが締めてくれている
カメラを雪乃に向けた
雪乃ははだけたブラウスを前を、手で隠してオレを見上げている
まだ襲われた恐怖が残っているんだろう
真っ青な顔でぶるぶると震えている
だけどオレを見る雪乃の眼には
別の輝きが見えた
雪乃は遠藤に襲われた恐怖を別の物に転換したいと望んでいる
暴力と恐怖の後にオレを見て
雪乃の淫乱に火が付く
この雪乃の眼の光は情欲の炎の輝きだ
セックスの快楽に逃げ込もうと心のスイッチが入る
ベルトを外してズボンごと脱いだ
パンツも脱ぐ
下半身丸裸になって雪乃の前に立つ
怯えている雪乃の前にオレの半勃起した、ペニスを突き出す
ぁぁ
オレを見上げる呆けた顔で
舐めろと、眼で雪乃に指示を出す
雪乃は黙って、オレのペニスに唇を寄せた
ちろ、ちろちゅぱっ
フェラチオする雪乃の顔が全校に流れる
全校生徒が雪乃の口淫する姿を見ているはずだ
巧みに舌を使って誰が見ても、フェラチオに慣れた様子の雪乃
ただの淫乱女にしか見えない
何の指示もしなくてもじゅぱっ、じゅぱつと深く咥える
オレのペニスの硬度が増し大きくなっていくと
嬉しそうに亀頭にしゃぶりつく
雪乃の唇から、ペニスを引き出す
残念そうな雪乃の顔
オレは、雪乃の肩をポンと押した
それだけで雪乃は理解した
床に仰向けになり大きく足を拡げる
オレの挿入を待っている
自分からブラウスの前を開き
白いおっぱいをオレに見せた
オレは雪乃のタトゥがカメラに映らないように
注意して、制服のスカートを捲っていく
オレにカミソリで剃毛された雪乃の秘部が露わになる
割れ目からトロッと愛液が滴る
その様子までオレの手持ちのカメラは、全校生徒に中継していく
お、犯して
くぐもった声で雪乃がオレに言った
メチャクチャにしてあたしもう、どうでもいい何もかもグチャグチャにして
半泣きの顔で、オレにそう言う雪乃
その顔もカメラは各クラスのテレビに配信していく
オレのペニスが雪乃の膣口に触れる
オレは、それをカメラに撮す
割れ目と裸のおっぱいと雪乃の顔
その全てが、はっきりと見える構図で
雪乃の中へ侵攻するッ
あううんっ
オレの亀頭が雪乃のヴァギナに潜り込んでいく
はぁああああああああっ
男に犯されて雪乃の身体が、ビクッと痙攣する
オレは一気に、ズンッと膣奥を突く
ああっハマってるあたし、犯されてるぅぅ
ペニスの根元まで受け入れた雪乃の女性器をオレは、アップで撮した
ゆっくりとピストンを開始する
いやぁぁあああんっああああたし犯されてる犯されてるよぉぉぉ
ゆさゆさと揺れる、雪乃の女体
可愛いおっぱいが、くるんくるんと踊るように揺れている
眼はとろんとし、顔からは力が抜けている
セックスに蕩けていく、雪乃
あああっ気持ちいい犯されるの、気持ちいいいよぉぉもっと突いてぇぇあたしの中、ぐちょぐちょに掻き回してぇぇ
犯されているのに悦んでいる雪乃
全校の生徒たちは、こんな彼女を見てどう思うだろうか
変態
少なくとも、雪乃に同情する生徒はいなくなるだろう
テレビで報道されている変態レイプ誘拐殺人容疑者、白坂創介の娘
やっぱり娘も、淫乱の変態女だったんだと
そう認識されるだけだろう
雪乃は今、完全に何もかも失おうとしている
おっぱいも触って乳首、クリクリしてぇぇ
オレは雪乃のリクエストに応えてやる
優しく雪乃のおっぱいを弄ぶ
ああんっこの手がいいのおっこの手が好き
雪乃はオレのセックスだけを気に入っている
セックスの最中も、オレのことは見ていない
ただ雪乃の内側に起こる快感だけに溺れていく
あああっもっと激しく激しくしてぇぇぇ
オレは腰の動きを早める
パンパンパンッと、オレの下腹が雪乃の股間に叩き付けられる
雪乃の膣奥を、オレの亀頭がコンコンとノックする
あうあっあはっああっああーっ
雪乃が悦んでいる
あああーっあたしクルよクルのおっ白いのクルぅぅ見ててぇぇ雪乃がイクところ見ててぇぇ
雪乃が、頭を左右に振りながら切なそうな眼でオレを見上げる
その淫蕩な表情もオレの手のカメラが撮している伝えている
ああんっもうすぐもうすぐなのぉぉ来たぁぁ波がクルのぉぉ
雪乃が絶頂への階段を駈け上っていく
ああんっイクよあたし、イクの見ててねぇぇ見てぇぇあああああっイ、イクぅぅ
雪乃の身体が、ギュッと締まるぅぅ
イッてるぅぅイッちゃってるよぉぉぉ見て見てぇぇぇ
女としての一番恥ずかしい顔を学校中に見せつけている、雪乃
もう、ガマンができないっ
どぴゅっどぴゅっ
ああああっ、熱い熱いの出てるぅぅあたし、射精されてるぅぅ
雪乃が膣内射精を受けとめる
あったかいのがお腹の中に拡がっているのぉぉぉ気持ちいい
雪乃はもう何も考えていない
家の事も親のことも自分のこれから先のことも
ほんの数分前まで、遠藤に暴力を振るわれて犯される寸前だったことも
何もかも現実を全て、投げ捨てて
セックスにだけ、没頭している
性欲に溺れきって
思考を停止している
本物の痴呆淫乱のセックス狂に、陥っている
オレには、そんな雪乃の悦楽の表情が
どうしてだか、無邪気な天使のように見えた
ああっあああっあはぁぁ
セックスの余韻を楽しむ雪乃
オレは雪乃の中に出し切って
ペニスをずるりと引き出す
開ききった雪乃の膣口から
オレの白い精液が、ドロロロロッと零れる
湯気が出そうな、熱い精液だった
その様子もカメラが撮している
舐めるわ舐めて、綺麗にしてあげる
雪乃が、身体を起こして
オレのペニスを舐めていく
美味しい精液って、とっても美味しいあたし、好きなの
思考停止した雪乃はオレが持っているカメラの意味を理解していない
この映像が、全校に配信されていることなど想像すらしていないだろう
そう考えるとオレのペニスが再び、固くなる
今度は直接飲ませてあたしの口の中に射精してぇぇ
十六歳の淫乱天使が、そう言った
雪乃の頭を掴んで、腰を突き動かした
射精する瞬間に
オレは、ペニスを雪乃の口から引き出した
え何
驚く雪乃の顔にオレは、思いっきり射精していく
白濁液が、ビュッビュッと
雪乃の綺麗な顔を汚していく
教室でこの映像を観ているやつらには、こっちの方が刺激的だろう
オレの精液は雪乃のおっぱいにまで垂れている
ああんっ酷い
雪乃は、そう言いながら
顔に付いた精液を指ですくって舐めた
うふ、美味しい
と、笑顔で笑った
本当に何も考えていない痴呆者の笑顔だった
また一週間が始まるぅぅいやだいやだ
次話は雪乃さんに現実の厳しさを理解しててただきます
205.恥ずかしいパレード
突然、校長室と繋がっている方のドアが開いた
ミナホ姉さんが、顔を出す
はい、そこまで放送終了よ
オレは手に持っていたカメラを、机の上に置いた
放送終了
半裸で上半身に精液を浴びたままの雪乃が、ミナホ姉さんに尋ねた
セックスの余韻で、顔はまだ呆けている
今のあなたのセックス学校中に実況中継していたのよ
雪乃はまだ、意味が判っていない
ここは校内で、災害とかが起きた時のための緊急放送室よつまりそのカメラで撮した映像は、この部屋から学校中に配信できるの
ようやく
おめでとう、雪乃さんあなたの裸も、セックスも、イッちゃた顔も、全部みんなに観て貰ったのよ学校中の生徒と教職員にね
う嘘よね
雪乃の身体が、ぶるぶる震え出す
嘘なわけないでしょあたしが今まで、あなたにしてきたことを思い出してみなさい
ミナホ姉さんは笑っている
雪乃は顔色が真っ青になる
しかも配信した映像では、あなたは遠藤くんにレイプされたことになっているからだからあなたは、レイプされているのに途中で気持ち良くなっちゃう情けなくて、みっともない、サイテイの淫乱女いことになっているからこれから先、学校中の人間は、もうあなたのことをそういう眼でしか見ないと思うわよ
外の廊下に人の集まってくる気配がする
おい、ここのはずだぞ
あっちの放送室じゃねぇのか
いや、放送室とは内装が違ってた
あ先生たちがいるじゃんかよ
やっぱり、ここかぁ
ちくしょう、この中でヤってんのかよっ
ざわざわという人の声が聞こえる
こら、お前たち授業中だろとっとと教室に帰れっ
男性教師の怒号が響く
何言ってるんスかあんなもん見せられて、大人しく勉強なんかできっこないでしょ
何人もの男子生徒たちの声が聞こえてくる
急に雪乃さんのセックス映像が途切れたからどんどん、男子生徒たちが集まって来ているわねそれからかなりの数の男子が、股間を押さえてトイレに走って行ったみたいよ
雪乃の喘ぎを見て自分でしないとガマンできなくなった生徒もいるのか
大変ね、雪乃さん今日からあなたは、この学校のセックス・クイーンよ
ミナホ姉さんは楽しそうに笑った
雪乃は絶望に震えている
恵美、こっちにいらっしゃい
ミナホ姉さんが、メグを呼ぶ
メグが戸口に現れた
メグ泣いているのか
御名穂さん、あたし
どうして、泣くんだ
どうして、こんなことに
オレと雪乃がセックスしたことが
そんなに辛いのか
悲しいのか
恵美、吉田くん話があります
オレも、ミナホ姉さんを見る
あたしは娼婦だったけれど、その後は運営の方へ廻ったでしょだから、色々な男の人たちを見てきたの
ミナホ姉さんが、静かに話し出す
黒い森のお客様は香月様の様に、適度に遊ばれる方ばかりでは無いわお屋敷の女にハマッて、破滅してしまったお客様も少なくはないのよ
娼婦にハマッて破滅する
二十も、三十も年下の女に夢中になってしまって全財産も社会的な地位も失った男の人たちがたくさんいたわ奥さんや子供たちにバレて絶縁されて、今は小さなアパートで一人暮らししている人もいるのよ地位とお金がなければ、お客様としてお屋敷に来ることもできない本当に、無一文の一人ぼっちになってしまった男性が何人もね
黒い森によってたくさんの男性が、不幸になっている
あたしは、その人たちに申し訳ないとは思わないわあたしは、娼館の経営者でお客様に娼婦を提供しているあたしたちとどんな風に付き合うかは、お客様たちが決めることであたしたちの口出しすることではないわ破滅することは判っていてもあたしたちが、お客様の心にブレーキを掛けて差し上げることは絶対にないわそんなの興醒めでしょあたしたちはお客様に、夢の時間を売っているんだからあたしたちの方から、お客様を現実に引き戻すことはできないのよ
ミナホ姉さんは、真剣な眼でオレとメグを見ている
娼婦にハマり込み過ぎて破滅してしまうお客様にはだいたい、パターンがあるわ男の人ってね、時々、絶対に理解し合えない愛し合うことはできないような女に執着してしまうことがあるのよ
絶体に理解し合えない愛し合えない女
オレにとっての雪乃のような
遥かに年下の生き方も考え方も、価値観も全然違う女の子にいい年をした男性がハマッてしまうんですもの酷い場合は、最初から会話が噛み合ってないこともあるわそもそも、心が通じていないお互いのことを全く理解し合ってない、判らないのに肌を合わせたということでだけ、いい年を大人の男が、若い娼婦の小娘にハマってしまう狂っていく仕事も家庭も放り出して娼館に入り浸りになるの
うんそういうことは、あるんだろう
何となく、理解できる
そういう男の人たちだって相手の女の子が自分のことを愛していない、絶対に振り向いてくれないってことは判っているのよ明るい未来が来ることは絶対に無いことは判っているのにそれでも、全てを投げ捨てて、女の子に夢中になって破滅に向かって突進し続けてしまうのよね
恵美男の人には、そういう場合もあるんだと理解しなさい
だけどね娼婦にハマッてしまった男性が、全員破滅するわけでは決してないのよ男性自身が自分の家族の大切さに気付いて、娼婦の誘惑から脱出することもあるわ逆に奥さんや子供たちが、決死の思いで娼婦から夫や父親を取り戻すということもあるのどちらも家族の絆があればこそ、現実の家に戻って来られるのよ
家族の絆
だから、恵美吉田くんが雪乃さんみたいな女にハマッてしまうのは仕方が無いと思いなさいそしてそれでも、どうしても、雪乃さんに吉田くんを奪われたくないのならしっかりと家族の絆を作る努力をなさいあなたが、一方的に吉田くんにしがみついている今の状況ではダメよあなたが彼の重荷でしかないのなら吉田くんはますます雪乃さんの方へ行ってしまうわ現実ではない、夢の女の方へね
メグが小さく頷く
そして吉田くん自分の欲望に身を任すことは、いいことよどんどん、欲望をさらけ出しなさいもっと、色んな女の子と遊びなさいでも家族を泣かせたくないのなら、瀬戸際は見極めてね
瀬戸際
どんなに遊んでもハマり込み過ぎて、抜け出せなくなるところまで行ってはダメよまた、恵美を泣かせたい
泣き腫らした眼
いいえメグは、泣かせたくないです
今回は泣いた恵美の方が悪いのよあなたの他の女たちは克子も渚もみすずさんも、あなたが雪乃さんとセックスしたぐらいでは泣かないわマナさんだって不機嫌にはなるでしょうけれど、泣いたりはしないみんな、判っているものあなたにとって、雪乃さんとのことは遊びでしかないってこと自分たちみたいな、本気の愛じゃないってこと雪乃さんとどれだけセックスしたって吉田くんが自分たち家族のところに、ちゃんと戻って来るって信じているし何かあったら、無理にでも吉田くんを連れ戻す自信もあるわだから、平気むしろ、もっともっと遊べって、みんなは思っているわよ
恵美強くなりなさいもっともっと、自分を磨きなさいあなたが吉田くんの女の中で一番弱いわ心がね
メグがオレの前に来て、ひざまづく
お疲れ様綺麗にしてあげるね
メグが白いハンカチを取り出して、オレのペニスを拭く
さあしまってあげる
そしてオレのパンツを上げ、ズボンを履かせてくれた
オレの足にギュッと抱きつき
ごめんなさいちょっとだけ、こうさせてあたし、きっと強くなるから強い子になるから
ごめんなオレ、大切にするからメグのこと、大切にするから
ううんヨシくんは、いつもあたしのこと大切にしてくれているよ御名穂さんの言う通り、あたしが弱いんだよあたし
メグが決意をする
もう雪乃なんかに嫉妬しない雪乃なんて怖がらないだって、あたしはヨシくんの女なんだもんっ
オレはメグの頭を撫でてやった
メグは、嬉しそうにオレに微笑む
そんな光景を雪乃が呆然とした顔で見ている
さて、後片付けをしましょうか
うんどうしたらいい
そこに台車があるでしょその上に、遠藤くんを仰向けで乗せてくれる
オレは気絶したままの遠藤を、引っ張り上げて乗せる
ミナホ姉さんは、トイレ掃除用の分厚いゴム手袋をして遠藤の元へ
レイプ犯人が、このままじゃおかしいでしょ
ミナホ姉さんが手袋をした手で、遠藤のズボンを脱がし、ペニスを露出させる
うふふ、興奮剤と催淫剤が効いているわね
遠藤のペニスは気絶していても勃起したままだった
さあて久しぶりだわ
ゴム手袋をした手で遠藤のペニスをしごく、ミナホ姉さん
あっという間にぴゅっと精液が飛び出す
これでレイプの証拠ができたわ
精液でテラテラになったまま薬の効いた遠藤のペニスは、まだ固く勃起している
はい遠藤くんの準備は、これでOKね
続いて近くの花瓶を持ち上げ
吉田くんと恵美は、校長室へ戻って
オレとメグは、校長室へ
戸口から眺めていると
ミナホ姉さんは、その花瓶を台車の上の遠藤の頭に叩き付けた
遠藤の頭に当たって、花瓶が割れる
おい何だ何の音だッ
破壊音は、廊下の外まで聞こえたらしい
それじゃあ雪乃さんは、そのまましばらく待っていてすぐに迎えに来るから
怯えおののく雪乃を残してミナホ姉さんも校長室へ
そして、ドアを閉める
あたしが、外の人たちと応対するから恵美は、そこのバスタオルを持って来て吉田くんは、あたしの側に居て指示に従って
それから今度は、校長室から廊下に出るドアに向かい
ちくしょう中で何が起こっているんだ
まだエッチしてるんじゃねぇの
おいこの部屋の鍵は、まだ見つからないのか
廊下の外では、男性教師と生徒たちがざわざわと騒いでいる
ミナホ姉さんが、校長室のドアを開けて登場する
鍵なら、ここにありますわ
突然現れた、ミナホ姉さんに集中する視線
ゆ、弓槻先生
校長室に、スペア・キーが置いてありましたから
なぜ、校長室に居たのかも
どうして、校長室にキーがあることを知っていたのかも、フッ飛ばして
ミナホ姉さんの平然した振る舞いに、一同は呑まれる
ドアを開けますから、どいて下さい
緊急放送室のドアの前に陣取っていた中年の男性教師が、ミナホ姉さんに場所を譲る
ミナホ姉さんは、鍵穴にキーを差し込み
カツンッとロックが外れる
背後からおーっという歓声が上がった
ミナホ姉さんは、そのままドアを開いた
部屋の中に頭に花瓶の破片を乗せて倒れている遠藤と
一番奥に半裸の雪乃が居る
雪乃は顔に精液を滴らせて
おっぱいが丸見えだった
いやぁぁ
開かれたドアの向こう廊下に集まった、男性教師と男子生徒たちの視線に気付いて、雪乃が悲鳴を上げる
男性は入らないで下さいっ山峰さんバスタオルを
ミナホ姉さんとメグだけが緊急放送室の中に入る
メグに渡されたバスタオルで雪乃は身体を隠そうとするがバスタオルが小さすぎる
胸からお尻までの幅しかない
彼女が身を守るために、花瓶を彼の頭に叩き付けたんでしょうそれで、彼は失神したのね
ミナホ姉さんが、名探偵のように状況をみんなに解説する
上手い具合に台車の上に倒れているわね吉田くん、このまま台車ごと遠藤くんを運んでちょうだい
遠藤は下半身剥き出しの仰向けの状態だ
そのペニスは、精液を纏わり付かせて勃起したままだし
ゆ、弓槻先生このままというのは
男性教師が、そう言うが
頭を強く打っていますこのまま静かに、この台車で運んだ方が良いと思いますけれど
ミナホ姉さんの強い眼に、男性教師はおののく
ま、まあ、弓槻先生がそうおっしゃるのなら
白坂さんも来なさい彼女は、あたしの車で病院に連れて行きます
ミナホ姉さんが、強くそう主張する
え警察とかは救急車を呼んだ方がいいのでは
そう言う、中年の教師にミナホ姉さんは
こんなことが世間に知れたら、この子の将来はどうなると思っているんですこの子は、白坂創介氏の娘ですよッ
その声に廻りの生徒たちが、反応する
やっぱり、そうだったんだ
レイプされてたの白坂創介の娘だってよ
あんあん、よがりまくってたじゃないか
変態の娘は、淫乱だってことだろ
親父にすっかり開発されてたんじゃねぇの
おい、みんなに知らせてやれよ
すっかり、祭りの状態だ
そ、そうですな弓槻先生こんな事件がマスコミに知れると、学校の名誉にも関わりますし
お判りでしたら、道を開けて下さい
オレは遠藤を乗せた台車を押して、廊下に出る
うわっ気絶してんのか
白坂の娘が、花瓶を頭に叩き付けたらしい
ああ、それでか
おいこいつチンコ丸出しだぜ
うわっ精子まみれじゃん、汚ねぇ
その間にミナホ姉さんは、部屋の奥の雪乃の元へ
さあ雪乃さん、行くわよ
雪乃はすっかり、怯えていた
じゃあ、この部屋に残るドアはあけたままにしておくから、男の先生や生徒たちがどんどん入ってくるけれど
わ判りました連れてって下さい
おお、出て来たぜ
うわっ、顔に付いてるの精液だろ
足の太ももを見ろよぐちょぐちょじゃないか
精液と愛液か
すっげぇ、よがりまくってたからなあ
男たちの好奇の視線に晒されて雪乃が廊下の外に
やっぱり、小さすぎるバスタオルは、雪乃の半裸の身体をギリギリにしか隠せていない
顔から胸元に飛び散っている精液も太ももに垂れている精液も
全て、丸見えだ
あの精液があそこに入っているわけだよな
男子生徒の視線が剥き出しの遠藤の勃起ペニスから、雪乃の股間に向かう
レイプ犯と、レイプされた少女が並んで陳列されている
実際は雪乃の肉体に付着している精液はオレの物だ
雪乃の胎内を汚しているのも
しかし野次馬たちは、そんな真実は知らない
さあ行きましょう遠藤くんの頭に衝撃を与えないように、ゆっくり進んでちょうだい
そして雪乃の恥ずかしいパレードが始まる
ゆっくりと遠藤の台を押して、廊下を進む
その横を背中をミナホ姉さんに抱かれた、雪乃が進む
メグも雪乃のすぐ脇にいる
野次馬たちの眼から見れば、ミナホ姉さんが雪乃を保護しているのだろうが
現実は雪乃は、ミナホ姉さんに脅されている
いやいやらしい眼でジロジロ眺める野次馬たちに取り囲まれている現状では、雪乃はミナホ姉さんやメグに頼らざるをえない
ミナホ姉さんは、わざと遠回りして校舎の中を抜けていく
教室に近付くとたくさんの生徒が、中から雪乃を見ていた
男子生徒たちは、下卑た興味本位の眼で
女子生徒たちは、侮蔑の視線で
雪乃と遠藤を見ていた
全校生徒がレイプされる雪乃を観ていた
犯されているのに、途中から悦びまくった淫乱な姿を観られてしまった
その本人が校舎の中をパレードしていく
どうしたの、雪乃さんもっと胸を張りなさいあなたは今や、学校一の有名人なんですからね
ミナホ姉さんが雪乃の耳に、そう囁く
怯えた顔で震えながら歩いて行く
しかしオレは気付いていた
雪乃の太ももに新しい滴りが垂れていく
雪乃は興奮している
恥ずかしいパレードの最中にも愛液が溢れ出している
荷物運び用のエレベーターで一階へ
オレと台車の遠藤雪乃とミナホ姉さんとメグだけが、エレベーターに乗る
おい、下へ急げ
1階だ1階
野次馬たちは、急いで階段を駆け下りていく
ドアが閉まった瞬間
ミナホ姉さんが、雪乃に言った
どう変態で淫乱の雪乃さんとしては、みんなに注目されてとっても気持ちがいいんじゃない
こんなの嘘よこんなこと
残念ねこれは現実なのあなたはもう、変態の淫乱娘として生きていくしかないのよ雪乃さん
雪乃が、ギョッとしてミナホ姉さんを見る
雪乃さんあたしが指示をしたら、みなさんの前でオシッコなさい
そんなできません
別にあたしはこのまま、あなたを見捨ててもいいのよ眼を血走らせた男生徒たちが、あなたのことを輪姦してくれるんじゃないかしら
あたしが、あなたの背中をトントンて2回叩いたらあなたは、その場で放尿するいいわね
雪乃が返答する前に
エレベーターが1階に着きドアが開く
ドアの外はまたしても、野次馬でいっぱいだった
ミナホ姉さんが、廊下の先に居る一人の女性教師に気付く
泉山先生こっちに来て下さい
確か今年、音大を出たばかりの新任の先生だ
ロングヘアに、白いワンピース姿の女教師がこっちに来る
はい、弓槻先生きゃっ
泉山先生は、遠藤の勃起ペニスを見て、驚きの声を上げる
泉山先生、申し訳ないんですがこの男子生徒を医務室まで運んで下さい
ミナホ姉さんが、そう告げた
で、でも、この子オチンチン丸出しじゃないですか
泉山先生は、顔を真っ赤にしてそう言った
音大へ行っているぐらいだからこの人も、相当なお嬢さんな筈だよな
頭を強く打っているみたいなんで、下手に動かせないんですこのまま、運んで下さいあたしは、こっちの女の子を病院に連れて行かないといけませんから
わざと、お嬢様の先生に遠藤を押しつけるミナホ姉さん
セクハラな上に、パワー・ハラスメントだ
廻りの野次馬たちは、ニヤニヤと笑って楽しんでいる
ででも
泉山先生は、躊躇している
それなら、これで彼の股間を隠せばいいじゃないですか
ミナホ姉さんは泉山先生に小さなハンド・タオルを手渡す
泉山先生は、タオルを拡げて遠藤の勃起を隠そうとするが
ハンド・タオルでは小さすぎて、ビンッと勃起したペニスを上手く隠せない
え、えっと
泉山先生が、何度もペニスの上にタオルの布地を滑らせているうちに
どぴゅっ
遠藤のペニスが、また射精した
精液が泉山先生のワンピースに掛かる
こんなのいやーぁん
泣き出す、泉山先生
その姿を見て野次馬たちがオーッと一斉に拍手する
じゃあ、泉山先生その子のことは、頼みましたよ
困惑する泉山先生に、2階から下りてきた男性教師が声を掛ける
泉山先生そいつは、私たちが運びますから
弓槻先生こいつは保健室へ入れとけばいいんですね
こういう事態に教職員の中での序列が判る
ミナホ姉さんがこの学校の支配者であることを、教職員たちは理解している
だから、みんなミナホ姉さんに指示を仰ぐ
保険医の斉藤先生に、診ていただいて下さいもし、問題があるようでしたら、救急車の手配を
警察は、呼ばなくてよろしいんですね
その教師の声に野次馬たちも鎮まる
その遠藤くんと、この白坂さんは交際していましたどこまでが、恋人同士のおふざけなのか判りませんしどちらの生徒も、父兄が社会的な事件を起こして世間の話題になっていることは、先生もご存じですわね
ミナホ姉さんが雪乃を見る
背中を一回、トンと叩いた
白坂さんあなた、遠藤くんにレイプされたの
いいえケンジには、レイプされていません
雪乃を犯したのはオレだ
どうやら、レイプごっこみたいですわねとても、手の込んだ酷いイタズラいやらしくて下品なその途中で、その子は何かの拍子に頭をぶつけたんでしょう
ミナホ姉さんはそう断言した
では
こんなバカげたことで、神聖な学園内に警察を呼ぶことはできませんそろそろ運動部の大会も近いですしこれが原因で出場辞退とかになるのは、他の生徒たちが可哀想じゃありませんか
オレたち、関係ねーもんな
ああ、こいつらのエッチ映像を無理矢理見せつけられたんだむしろ、オレたちは被害者だぜ
野次馬たちは、ヒートアップしていく
そういうことですからもし、遠藤くんに救急車を呼ぶ場合は、授業中に頭をぶつけたということにしておいて下さいくれぐれも放送室に閉じ籠もって、女子生徒と性交していたなどということが外部に漏れないように
判りました弓槻先生
ミナホ姉さんが泉山先生を見る
遠藤くんのオチンチンは、泉山先生が責任を持ってパンツの中に入れてあげて下さいいいですねっ
えっえっ、えーっ
おろおろしている泉山先生を無視してオレたちは、玄関口へ
遠藤の台車も放置だ
そして校舎の外へ出る
おいあれだあれだ
ホント、さっきのテレビの子ね
あれ、マジでレイプされてたの
どうみても、最後は感じてたよな
つーか、イキまくってたじゃんか
校舎の全ての窓から生徒たちが顔を出して、雪乃を見ていた
男子も女子も
窓という窓から雪乃に、侮蔑の視線が投げ掛けられる
雪乃は真っ青な顔のまま、うつむいて歩いている
ダメよ雪乃さん顔を上げて
ミナホ姉さんの命令に雪乃は、顔を上げる
雪乃は恐怖した
1階から3階まで信じられない数の顔が眼が雪乃を見下ろしている
変態よね
白坂創介の娘なんだろ
どうしょもないわね
中出しされてたよな
自分からフェラチオしてたぜ
ああ、いやらしい顔して飲んでた
あんなことして、恥ずかしくないのかしら
でも、あいつ、これからどーすんの
もう、死ぬしかないんじゃない
全校生徒に、恥ずかしいところを見られているんだし
よく生きてられるよな
侮蔑と悪意と嘲笑の視線
何百という冷たい眼が、雪乃の心を遅う
雪乃は校舎を見上げたまま、ぶるぶると震えだした
はい今よ、白坂さん
ミナホ姉さんが、トントンと雪乃の背中を2回叩く
校舎を見上げたままオシッコを漏らした
警備員のアルバイトをしていた頃演劇をやりながら、警備員をやっている人がいて芝居を観に来て欲しいというので行きました
もちろんチケットをちゃんと買いました
小さな劇場での、若い人たちのオリジナルな作品だったんですけれど
ちょっと古代文明がどーのこーのとストーリーに絡んできて、小道具の古文書というのが作品内で大きな役割を担っていました
ところがなぜか俳優さんたちが古文書(コモンジョ)をずっとコブンショと呼んでいる
最初から、最後まで
終演後にアルバイト仲間の俳優さんにあれって、コモンジョだよねと尋ねると
うん、そうなんだけれどコモンジョじゃ、観客が意味が判らないだろうからって、演出家が
いやコブンショの方が判らない
そんな日本語は無いんだから
次に観に行った時は、大きな会社を舞台にしたビジネス物でみんなして、会社の権利書を奪い合うというストーリーでした
権利書と書いた封筒を手に入れた人がわはははは、これでこの会社はオレの物だとか言ってて
また、終演後
あのさ株式会社って言葉知ってる
うん会社に権利書なんてものは無いしそんなものを手に入れたって名義はどうなってんだ
何で封筒だけ手に入れたら、会社が手に入るんだ
するとその俳優さんは
いや、みんな変だとは思っているんだけど演出家がこれでいいって言うから
演出家がいいって言ったら、OKなんだ
いや、そんな意味不明なことを人にやらせるっていうのは、相当のカリスマが無いと無理だと思うけれど
カリスマしか無い人って、大迷惑です
でもカリスマしか無い人って、意外と多いんですよね
206.じゃあ、白坂雪乃はアンタッチャブルってことで
うわっ、汚ねぇ
こいつ、漏らしやがった
野次馬たちが、慌てて雪乃から遠ざかる
オレは雪乃から離れない
オレが離れないからメグも離れない
あたし、これからどうなるんだろう
雪乃が空を見上げながら、ぽつりと言った
雪乃さん次第よどんな時だってね
ミナホ姉さんが、そう答えた
でも、あなたはこれまでずっと最悪な選択ばかりしてきた子だから
雪乃はぼんやりと空を見上げたままだった
本当に馬鹿な子ここまで堕ちる前に、幾らでも助かる道はあったのに
本当にそうなのかしら
そうよ雪乃
メグが冷たく言う
あなたと同じ様に処分されるはずだったマナは、吉田くんの女として幸せになったわあの子は、最後は自分で選んだのよあたしたちの味方になることを
雪乃が再び、ゆっくりと、校舎を見る
窓という窓から好奇と侮蔑の視線が、雪乃に降り注いでいる
あたし自分が愚かだということを否定しないわ
校舎を見上げてそう呟く
でもいいのこれであたしは、あたしだもの
あたしは何一つ間違っていないわよあたしは悪くないあたしは、ズル賢いあんたたちに騙されただけだもの
そして雪乃は、校舎に向かって大きく手を振る
胸を張って堂々と
という声が校舎中から轟いた
今の白坂雪乃は学校一のヒロインだ
全ての生徒が雪乃がレイプされる場面を
いや、淫蕩なセックスに耽る場面を見ている
ここには、雪乃を知らない人間は一人もいない
あたし、一生忘れないわこの光景をこの口惜しさを
口惜しいのか、雪乃
オレは思わず、そう尋ねた
当たり前じゃない騙されて、こんな酷い目に遭っているのよ口惜しいわよあんたたち、絶対に許さないからね
口惜しいだけなのかよ
どういう意味
雪乃が、チラッとオレを見る
いや
雪乃には言わない方がいいんだろうな
こんな状況に陥って口惜しいだけで恥ずかしいとは思わないんだ
人間として一番他人に見られたくない姿を全校生徒に見られたというのに
雪乃はそれを恥ずかしいとは、感じていない
お前本当に、自分中心にしてしか世界を見ていないんだな
正直ここまでくると凄いと思う
当たり前じゃないあたしの人生よあたしは、あたしのために生きているんだから
結局、この娘はこんな立場になってもなお、人々を見下している
自分は特別で高い場所に君臨していると信じている
だから、屈辱的な体験に口惜しさと憎しみは感じても
それを恥ずかしいことだとは、感じないらしい
肥大しすぎたプライドと、他者への無神経さが白坂家の特権階級意識の中で成長したことが雪乃を、こんな恥知らずな女に仕立て上げてしまった
あたし絶対に許さないからねあんたたちのこと
雪乃が校舎の窓に向かって手を振りながら、オレたちに言った
忘れない忘れるもんですかあんたたちのことは、死んでも許さないから
このメンタルの強さ傲慢さ
これこそが白坂雪乃
許さないのはいいけれどどうするつもり
ミナホ姉さんが、ニッと笑って雪乃に言った
別にどうもしないわよあたしの頭じゃ、あんたには勝てないことはよく判ったからだから、今はこの口惜しさを心に刻みつけておくわそれしか、今のあたしにはできないんだから
雪乃は潤んだ瞳でそう答えた
この学校へは、もう居られないわね別にいいわあたしは、どうせ転校するんだからどこでもいいわよいっそ、日本を離れてアメリカの学校にでも行こうかしらそうね市川のお祖父様に、そうお願いするわ
雪乃がそう言って、微笑む
あんたたちのいない場所なら、どこでもいいのよ
あんたたちのいない場所へ行って、あたしはあたしの人生をやり直すのよ恋だってもう一度、恋だってするあんたたちのいない場所で、あたしは幸せになるのよ絶対に幸せになってみせるわそれが、あたしのあんたたちに対する復讐よ
雪乃はまた、自分に都合の良い夢を語る
弓槻御名穂は、そんなことを許すほど甘い女では無い
あら、雪乃さん逃がさないわよ
雪乃が凍り付く
あなたはずっとこの学校に居るのよ卒業までね学校中の生徒に、淫乱な変態女と罵られて、これから悲惨な毎日を過ごすの妊娠して、お腹がどんどん大きくなる姿もみんなに見て貰いましょうねそれから、出産も公開しましょうかあなたは、全校生徒が見守る前で赤ちゃんを産むのよ
ミナホ姉さんはいつも通りの冷たい目をしていた
全て平常通り
つまりミナホ姉さんは、本気だ
あなたみたいに、メンタルの強い子は相手にしていて本当に楽しいわ大抵のことでは、心が壊れないから
雪乃の背筋が、ブルッと震える
もっともっと、あたしに反抗して徹底的に、ブッ潰してあげるから楽しみだわ
大丈夫よあなたが気が狂わないギリギリのところをちゃんと見極めるから壊してしまったら、面白くないもの三年間、思いっきり遊びましょうね
雪乃が絶望する
ほらお迎えが来たわよ
ミナホ姉さんが校舎裏から走って来る、一台の車を見る
それは黒いベンツだった
車内にいるのは
マルゴさんと寧さん
どうして、寧さんがここに
シザーリオ・ヴァイオラの偵察員に見つかったら、どうするつもりなんだ
ガラス窓越しに、寧さんがオレに手を振っている
ベンツは砂煙を上げながらグラウンドを突っ切り、オレたちの前で停まった
ガチャリとドアを開けて
マルゴさんと寧さんが出てくる
二人とも黒い森の黒い革ジャンを着ていた
夜の街で、ヤクザや不良をブチのめす時の格好だ
いや寧さんは、いつもスカートなのに
今は、ぴったりとした革のズボンを履いている
足はブーツ
髪は、後ろでまとめて帽子を被っている
まるで男の子のような格好をしていた
白坂雪乃ってのは、あんたかいっ
野次馬や校舎の生徒たちに聞こえるような大きな声でマルゴさんが叫んだ
マルゴさんは、サングラスをしている
長身で金髪体格の良いマルゴさんは、遠目にはヤクザにしか見えない
あたしたちは関西タテジマ連合のカネモト組長の依頼で、あんたを連れにやって来たんだあんたの親父が、カネモト会長に多額の借金をしているってことは知っているねっ
マルゴさんの言葉に、生徒たちが動揺する
そういえば、テレビでそんな話が出ていたよな
白坂創介が、ヤクザと繋がっているって話し、本当だったんだ
ヤクザに金を借りて、豪遊してたって話だよな
その金が返せなくて、オーストラリアに逃げたんだろ
いや、オレがネットで聞いた噂だと、ヤクザの金を持ち逃げしたんじゃなかったっけ
ともかく白坂創介とヤクザ組織の関係は、すっかり世間に知れ渡っているらしい
あんたには、これからその身体で、親父の作った借金を返済して貰う白坂雪乃は、高校生売春婦になるんだっ
マルゴさんの言葉に野次馬たちが湧く
高校生売春婦だってよ
マジかよ
オレとかでも金を出せばヤらしてくれるのかな
そんな野次馬たちにマルゴさんは
こいつは金持ちのヒヒ親父専門に稼いで貰うんだよっ高校生なんかには、安売りしないからねっ
マルゴさんは、ツカツカと雪乃の前に行き
雪乃の纏っていたバスタオルをいきなり、剥ぎ取る
遠藤にビリビリにされた白ブラウスの残骸も力任せに引き剥がした
雪乃の裸の上半身が、人々の前に晒される
マルゴさんは、雪乃の背中をグッと強く押さえ込んだ
そこへ寧さんが、ススッとやって来て
はい、ペッタン
雪乃の裸の背中に、大きな札を貼り付けた
札に書かれている文字は
差し押さえ品
いいかい、この娘は借金の形なんだお前ら、勝手に手出しすんじゃないよあたしたちに内緒で、この娘に手を出したやつは全員ブチのめすからねっそいつだけじゃないそいつの家族から、友人まで含めて、ことこどく追い込むからねっ
マルゴさんが生徒たちを恫喝する
体育教師の山口がやって来る
お前、今年卒業生した留学生だろそっちは、2年の奈島かお前、いったい、どういうつもりなんだあん
山口は学生時代に、柔道で全国大会のベスト4まで行ったという話で校内では不良たちも一目置いている
がっちりとした巨体で一応、校内一の猛者ということになっている
おっそう言えば、そうだ
あの不良の先輩たちだよな
馬鹿、あの二人は不良なんてレベルを超えてるよ
極悪だよな
街でチンピラ狩りやっているって噂だろ
オレ、見たことがあるよ本物のヤクザをボコッてた
さすがマルゴさんと寧さんのコンビの悪評は、知れ渡っている
相変わらずウザったい先生だね
マルゴさんが、拳を握って山口の前へ進む
おいお前
山口が反応した時にはすでに終わっていた
シャッ
山口の大きな身体が、くるんと宙を舞いドカッっと地面に落下した
ぐぇぇぇ
たった一撃で巨体の体育教師が、ブッ飛ばされ、失神したという現実に
辺りはシーンとなる
あたしはね裏の社会に就職したんだよ
マルゴさんが、フッと笑った
他にも裏の社会の人間とケンカしたいやつはいるかいっ
誰も返事はしない
それなら白坂雪乃は貰って行くよ文句は無いね
あるはずが無い
今日からこの娘はあたしたちの差し押さえ品だこいつに関わる人間に、命の保証はしなからね
ほら、車に乗りなっ
寧さんが半裸の雪乃をベンツの後部座席に押し込む
そのまま、自分も車の中に乗り込み
そういうことだから白坂雪乃は、アンタッチャブルってことで
そして、ベンツは再び走り出す
教職員用の駐車場から、雪乃さんは回収するから安心して
ミナホ姉さんが、オレにそう囁いた
いいの秘密ガレージを使って寧さんも表に出しちゃったし
オレがそう尋ねると、ミナホ姉さんは
そろそろ、また潮目が変わってきているのよ
潮目
閉じ籠もっているだけでは、後手後手になるだけよそろそろ、違う対応をしないとヴァイオラにつけ込まれるわ
ミナホ姉さんには、考えがあるらしい
それなら信じて任せるしかない
一度、恵美と教室に戻りなさいあたしは、職員会議を取り仕切るからこのまま午前中だけで授業は終わりにするから
ミナホ姉さんは、そう言うと一人で校舎に戻って行った
オレは、もう一度校舎を見上げる
まだ、窓にはたくさんの生徒たちが集っていた
みんな走り去るベンツの方を見ている
雪乃は今、あそこに居る
行こう、ヨシくん
メグがオレに手を差し出す
ふたりで校舎へ向かって、歩き出した
色々ごめん
何か言葉が思い付かない
あたしこそあたしって、ダメだよね
御名穂さんは本当にヨシくんのこと、よく判っているじゃないううん、ミナホさんだけでなくて克子姉さんも、マルゴさんも、ヨシくんのこと判っている判っているから、落ち着いて見守っていてくれるじゃない
余裕の無い自分に自信が無いらしい
そりゃそうさみんな、オレより頭が良いしオレは単純な男だもの
オレが、どんな風に行動するかなんてみんな、お見通しなんだよお姉さんたちにはさ
うん、そうだねヨシくんが、雪乃が遠藤くんに叩かれているのを見逃せないなんてこと、判っていなければいけないことだったよね
メグは悲しそうにそう言う
あたしヨシくんが、あたしの望むように行動して欲しいって思ってた甘えてた傲慢だったと思うヨシくんは、ヨシくんだものいつだって、ヨシくんらしい行動しかしないだから好きになったのに馬鹿みたいよね、あたし
でもメグは、メグなりにオレのことを考えてくれていたんだろだったら、しょうがないじゃないか
あたしはあたしの考えていたことなんて、結局、自分のことばっかりだったのよ
そうかなメグが悩んでいたことって、全部オレとメグのことだろメグはずっとオレと一緒にいたいって思ってくれているからだから、だろ
いいんだよ間違っていたと思ったら、直せばいいんだしずっと一緒に居るんだから時間を掛けて、少しずつ判り合っていけばいいんだよ
あたしヨシくんの隣に居て、いいんだよね
メグはそれでもなお、心配そうにそう言った
いいとか悪いとかじゃないんだよ居ろよ
オレはあえて命令形で答えた
メグは、ずっとオレと生きていくんだメグが居ないと、オレは困る寂しいメグが必要だだから、オレの側にずっといろ
オレはメグを抱き寄せた
メグもオレに寄り添う
メグは、嬉しそうに答えた
やっぱり、これが正しい答えか
人それぞれ付き合い方が違うんだな
メグはオレとの恋愛では、自分に自信が無い
だから、すぐに悩み出す
オレとの間に何の問題も無いのに一人で不安になって、落ち込んでいく
その結果が早朝のセックス中毒症状だったり
雪乃への過度の恐怖心になっている
だったらオレの方が少し強気で、メグを引っ張っていかないと
メグが迷ったり、落ち込みそうになったらオレが、力尽くで引っ張り上げるしかない
多少命令口調になってもいい
メグとはそういう付き合い方をしよう
ヨシくん、何を考えているの
メグがオレの顔を覗き込む
雪乃のこと
オレは靴箱の影に、メグを引っ張り込んで無理矢理キスする
メグと一緒にいるんだメグのことしか考えていないよ
嘘でも、嬉しい
オレは、メグのお尻をキュッと揉む
嘘じゃないキスしてくれ、メグ
メグの方からキスして欲しいんだ
もう一度、唇を交わすオレたち
すごく嬉しいよ、ヨシくん
ヨシくんがあたしを求めてくれたから
ギュッと抱き締め合うオレたち
馬鹿だないつもは、オレが欲しくなる前にメグの方から迫って来過ぎなんだよ
そうだねここのところ、あたしの方からヨシくんに寄って来過ぎだったよね
オレだってメグが欲しくなれば、いつだってどこだって求めるさ
うんいつでもいいわ欲しくなったら言ってね
しばらくオレたちは靴箱の影に隠れて
抱き合って、キスを重ねた
さて、教室に戻ると大騒ぎになっていた
授業は自習
先生たちは、緊急の職員会議になっていた
みんな、遠藤と雪乃の話で盛り上がっている
幸い雪乃の親戚であるメグと、その婚約者であるオレは放っておいて貰うことができた
メグと雪乃が関係無いと言うことは、朝で話がついている
だからオレたちに話をフッ掛けるやつは誰もいなかった
みんな仲間内だけで盛り上がっている
田中たちも、オレたちを放っておいてくれた
メグとオレは手を繋いで、教室の隅に居た
ずっと黙ったまま
たまに、メグがニコッと微笑む
手を繋いでいるだけで充分だった
オレたちには絆があった
それから全校生徒に、校長から説明の放送があった
ミナホ姉さんが指示をしたのだろう
遠藤と雪乃の一件は悪質な悪戯ということになった
つまりあれは、恋人同士がレイプごっこをして、それを全校に中継したのであって現実のレイプではなかったという論調だ
んな、わけないだろう白坂、マジで殴られていたもんな
クラスの男子の一人が、そう言った
うん昨日、野球部のグラウンドで白坂が遠藤のことをフッたのはみんな見ているしな
遠藤が逆恨みして、白坂を襲ったんだろ
とっころが雪乃ちゃんは、ヤられているうちにアンアン気持ち良くなってきちゃったわけで
ああいうの淫乱てんだろ
遠藤と前からヤッてたんじゃねぇの
いや、遠藤は童貞くんだ野球部の新入生歓迎会で申告させられていたから間違いない
っていうことは雪乃ちゃん、変態親父に調教されていたっていう仮説の方が信憑性があるよな
オレもそうだと思うよ白坂創介が
自分の娘に手を出さないはずがないじゃん
どう考えてもそうだよな
白坂フェラチオとか上手かったもんな
ああ、まるでAV女優みたいだったぜ
同級生であんなテクニック見せられるとたまんねぇよな
バーカ、雪乃ちゃんには手を出すなよもう、ヤクザの資金源なんだからな
高校生売春婦ですか
脂ぎったオッサン専門なんだろ高く売れるし
ヤクザの商品には手を出せないよな
そんな会話の最中も、校長の放送は続く
とりあえず遠藤と雪乃は、無期停学ということになったらしい
いずれにせよこの件に大きな犯罪性はありませんとても、下品でいやらしい悪戯ですが警察に報告するような事件ではないと、私たちは考えています
校長はそう言うが
まあ警察沙汰になるような事件にしたくないのは判るけれど
時期が時期だしな
こんなんで運動部の活動が自粛とかになったら、たまんないしな
警察を呼ばないという校長の判断はほぼ受け入れられた
事件を起こした遠藤くんも白坂さんもみなさん、ご存じの通り、今、お家の方に大きなトラブルが発生してマスコミに注目されていますそういう状況で不安定な精神状態から、あのような馬鹿げたイタズラを行ってしまったのだと思いますみなさんも、そのことを理解してあげて下さい
そうは言うけどさ
白坂のエッチ場面の写真をマスコミに売るって言ってたやつはどうした
いや写真たって、テレビ画面を撮したやつだろあんなんじゃ、画像が悪くて使えないんじゃねぇの
うんもう、ネットの掲示板に上げているやつもいるけれど
ネットの反応はどうよ
でっちあげだって言ってるやつの方が多いかな
そりゃそうだよな親父のニュースが報道されている時に、娘が全校生徒の前で生中継でレイプされてますなんて書いたって、誰も信じないよな
レイプされた後に、廊下で撮った写真は
あれの方がダメだわできすぎじゃん顔に精液まで飛び散っててさ
うんこれ、何てAV女優とか、普通に書かれてるもんな
どう見ても、高1の女子高生にゃ見えないからなあ
まあ、オレみたいに実況中継を見ていなければ普通は、ガセネタだって思うよな
とりあえず雪乃が校内でレイプされたという事件は、世間までは広まらないようだ
せいぜい噂話くらいか
つーかさ、あの映像って残ってないかな放送室とかに
さすがに無いだろあれで録画までしてたら、遠藤は本物の馬鹿だぜ
いや、遠藤は本物の馬鹿だろう
まあもし、録画しててももう学校側が回収しているだろ
緊急放送室って放送室と繋がっているんじゃないの
繋がっているけれどそういうのの録画システムとかは無いだろ緊急災害とかの時に、校長が避難指示とかするための放送室なんだからさ
ミナホ姉さんはおそらく、ビデオを撮っているはずだ
遠藤の家が、学校を訴えてきた時のために
遠藤が雪乃に暴力を振るう場面は、克明に記録しているに違いない
遠藤は、どうなったんだろう
昨夜の台風は大変でした
電車が止まって、まさか一駅分歩いて帰ることになろうとは
すんません、週の初めにしてすでにかなりヘバッています
207.余波
校長の放送が、だらだらと続く
とにかく今日の事件については、外部に漏らさないでくれというお願いの言葉を何度も繰り返した
みんな雪乃の父親が、今、世間で騒がれていることは判っているし
自分たちの学生生活に、悪影響が出るのは避けたいと思っている
特に運動部の連中は、そうだろう
不良のやつらだって自分の学校を出場辞退に追い込みたいとまでは思わないだろうし
校内に友人もいなければ、愛校心も無いという極端な生徒がマスコミに話を持ち込む可能性もあるけれど
生徒ができることは目撃談と不鮮明な写真の提供だけだろうから
食い付いてくるのは3流週刊誌がいいとこだろうと思う
とにかく雪乃のレイプ実況中継は、在校生の中だけの黒歴史になるのだろう
生徒の皆さん特に女生徒は、ショックも大きいと思います保健室にはスクールカウンセラーの近藤先生がいらっしゃいますので、強いショックを受けたと思う生徒は相談に行って下さい担任の先生や、クラブ活動の顧問の先生でも構いません皆さんか、話しやすいと思う先生に、相談してみて下さい
普段から、エロ動画なんかを見慣れている男子生徒たちは、さっきから活発に会話しているけれど
女生徒には、一言も喋らない子や泣いている子もいる
生まれて初めて見たセックスが同級生のもので
しかもレイプ映像だったらトラウマになる子もいるだろうし
ですので、今日の授業は午前中で打ち切ります本日は放課後のクラブ活動も全て中止にします大会の近いクラブの皆さんには、大変申し訳ありませんが今日は、皆さんの心を落ち着けるために、ゆっくりと休んで下さい我々教職員も、今後の対応についてこれからさらに協議を重ねます明日以降のクラブ活動は、予定通りと致しますが本日だけは、カウンセリングを希望する生徒以外は速やかに下校して下さい
午前中で、授業は打ち切り
放課後のクラブ活動も禁止で生徒たちは、強制的に下校させられる
うんミナホ姉さんの予定通りだ
きっちり午後の授業までやっていたら白坂家やヴァイオラに対する対応ができなくなる
今は少しでも時間が欲しい時だし
遠藤はとりあえず、家の人が迎えに来ることになったらしいぜ
職員室まで偵察に行っていた男子生徒が戻って来て、みんなにそう答えた
何だよやっぱり警察沙汰にはしないか
この上まだ、親の力か
一応、野球部員のまんまだからな部員たちから追放になったって、顧問が退部処理してなかったんだろ、まだ
じゃあ、しょうがないか
遠藤の親父がまた金をバラ巻いて、何とかするんじゃねぇの学校にも野球部にも、寄付してさ
叔父さんと親父さんが大変な時に、ホントに迷惑な野郎だな
で、遠藤は今どこに
まだ、保健室にいるらしいよ
親が回収に来てこっそり裏口から出て行くんじゃねえの
まあ堂々と正面からは、帰らないわな
全校生徒に見られた上での大暴挙だもんな
見られたっていうか自分から見せてたわけだし
でも遠藤って、この後どうなんの
とりあえずは、無期停学ってことにしてそのまま自主退学だろ
一応は、地元の有力者ってことになってるからなあ遠藤の親父
退学処分になる前に、自分から辞めるか
というより、遠藤の親が辞めさせるだろう
その方が、まだダメージが少ないか
親が贈賄事件でマスコミに狙われている時に、息子が公然立て籠もりレイプじゃな
でも、一応レイプじゃないって、校長は言っているけれど
それは学校側の見解ってやつだよ
現実はまあ、そういうのは、これからネチネチやるんじゃないの
ああ遠藤の家と白坂の家でお互いに弁護士付けて、みっちり話し合うことになるんだろうな
もっとも白坂の家の方も、娘のレイプ裁判とかやってられる場合じゃないしなあ
あっさり示談か
いやうちの娘を傷物にした以上、おたくの息子さんに責任を取って貰おうとかって話になったりして
まさかのケコーンですか
うんそういう展開も面白いんじゃないかと
そうだな白坂も、レイプの途中からノリノリだったしな
身体の相性がいいんだろもう、いいよ二人で結婚しちまえってんだ
もし、遠藤と白坂の結婚式に招待されたらお前、行く
行くわけないだろ
そうだよなもう、花嫁と花婿の新婚初夜を見せつけられちまったって感じだしな
ああちょっとお腹いっぱいだわ
ていうか祝福できねえカップルだし
いや、お前ら白坂は無理なんだよ
だってほら
雪乃ちゃん、ヤクザの事務所に連れてかれたんだっけ
これから強制売春させられるんだよな
そういや、そうだったな
て、ことは白坂とは、このままサヨウナラか
そういうことなんじゃね
いや昼間は高校に通って、夜働くんだよ
うんうん売春婦は夜の商売だからな
いやいや別に昼だって売春はできるだろ
デイタイムですと割引になりまーすっ
おいおいそこはやっぱり高校生売春婦が売りなんだから、学校には来るだろうよ
そうだな高校生じゃなかったら、値打ちが下がるもんな
じゃあ白坂はこれからも、うちのクラスの人間なんだ
バーカ、ヤクザに監視されている売春婦なんかと一緒に勉強できるかよ
そういや、そうだ
ていうかセックス見せつけられた女と、一緒に居られるか
オレたちはいいけれど女子は、嫌がるよな
うんちょっと生々し過ぎだったもんなあの映像は
じゃ、やっぱり二人ともアウトか
ていうかどっちも、もう二度と学校には来ないんじゃねえか
まあ、そうだなこのまま、静かに消えて行くんだろう
うん普通なら、恥ずかしくて戻って来られないよな
遠藤とも白坂とも、二度と会うことは無いかもね
つーか、一生会いたくないよあんな、ハレンチな連中
レイプじゃなかったとしても公然わいせつ罪だもんな
クラスのやつらは、そう言っているけれど
果たして、そうなんだろうか
雪乃は今後も登校させると、さっきミナホ姉さんに宣言された
あいつがそう簡単に引き下がるような人間なのか
雪乃のさっきの開き直りっぷりを見ているオレとしては
遠藤も雪乃と同じで恥ずかしいという感覚の欠如した人間だ
このままフェードアウトするようにはとても思えない
あ遠藤だ
噂をすれば何とやら
教室の窓の外を眺めていた生徒が校舎から連れ去られる遠藤の姿を発見する
男子生徒たちが、窓に群がる
オレもその中に紛れ込んで遠藤の姿を見下ろした
裏口からこっそりどころか
全校生徒の見える場所から、堂々とお帰りですか
まあ、遠藤らしいって言えばそうなんだけれど
馬鹿には勝てねぇよな
頭を、包帯でグルグル巻きにされて
両肩を作業服の男に支えられて、ライトバンに向かっていた
作業服の人たちは、遠藤の父親の会社の人だろう
車も多分そうだ
大変だな社長の息子の引き取りに来させられたんだ
まあ、親父さんも遠藤が自慢していた優秀な弁護士さんも
今は、市会議員の叔父さんの収賄事件の方で手一杯だろうし
あ遠藤が、こっちを見上げている
オレは、スッと窓から離れた
オレの姿を見せて、遠藤を変に興奮させるのはよくない
こんちくしょうごらぁぁてめらっ覚えていろよオレは、絶対に戻って来るからなっ
遠藤の怒鳴り声が、校舎の下から響いてくる
何も知らない人が見れば狂人にしか見えないだろう
ふざけんなっふざけんなちくしょうクソ馬鹿野郎バーカバーカバーカ
もうメチャメチャだ
などと、犯人は訳の判らないことを供述しております
すかさず、男子の一人がそんなナレーションを始めた
さあ、坊ちゃん参りましょう
病院は、個室を用意させていますからね
坊ちゃんの好きな、マロングラッセもありますから
作業服の社員さんたちが遠藤を車に押し込む
ちきしょうちきしょうてめぇら全員、覚えていろよっ絶対に許さないからなっ
許すも何も
本当に恥ずかしいが欠如している人間は強い
どんな時でも、自分は悪くないで通している
おっご出発ですな
そして遠藤を乗せた車が走り出す
あいつの場合はさ家の会社のライトバンじゃなくって、黄色い救急車を呼ぶべきだったんじゃねぇの
男子の一人が、そんなことを言った
とにかく二人とも居なくなったな
ああやっと静かになった
そしてミナホ姉さんが教室に入って来て、帰りのホームルームになる
さっき、校長先生も放送でおっしゃっていたけれど何か心にモヤモヤするものがある人は、カウンセラーの先生に相談しなさいね
先生ボク、ムラムラしているんですけれど
不良の一人が、ふざける
だったら早く自分の家に帰って、オナニーなさいあなたの右手は何のために付いているの
ミナホ姉さんの返しの言葉はキツイ
とにかく用の無い生徒は、速やかに下校することいいわね
ま、いいかどうせ、明日からまた連休だし
そういうことよではゴールデンウィーク開けに、また会いましょう
ミナホ姉さんは、教室の生徒たちを一人一人見ていく
みんな、元気な顔で戻ってくるのよ
ミナホ姉さんの言葉は逆さまだ
元気な顔で教室に戻って来られるかどうか判らないのはオレたちの方だ
オレたちはこれから、命を賭けた闘いをしなければならない
この教室で、他の生徒たちと一緒に居られるのもこれが最後になるのかもしれない
ではこれで、ホーム・ルームを終わりにします
ミナホ姉さんの言葉がオレの胸に突き刺さった
陸上部は部室でミーティングだけするんだって
メグがオレの机にやって来て、そう言った
十五分ぐらいで終わるらしいんだけれど竹柴キャプテンが、みんなの気持ちを引き締めるって
うん竹柴キャプテンは
雪乃のレイプ中継とか、一番嫌うタイプだもんな
判ったじゃあ、オレ、部室の前で待ってようか
十五分ぐらいなら
大丈夫よヨシくんは先に戻っていて
戻るというのは校長室の下の監視室に、ということだ
今朝のこととかがあるからオレは心配だ
もう平気よ雪乃があんなことになったんだから、もうみんな、あたしになんて構わないわよ
メグは、そういうけれど
あたしは一人で平気ミーティングが終わったら、すぐに戻るわヨシくんは、先に戻って休んでいて
いやメグに付いていくよ
こういう時に、手を抜いてはいけない
いつでもきっちりとオレがメグの側に居るってことを示さないといけない
めんどくさいとかまあ、大丈夫だろうと思った瞬間に信頼の絆は壊れてしまう
オレが、メグと歩きたいんださあ、行くぞ
少し強気に命令口調で、メグに告げる
メグは嬉しそうに、手を差し出した
うんありがとう、ヨシくん
メグとしっかり手を繋いで部室棟へ向かう
途中
廻りに誰もいなくなった時にメグが言った
あたし、幸せよ
メグが、オレに寄り添って来る
オレは、メグの耳の後ろにチュッとキスをした
もうそういうのは、後でね
うん後でしような
オレは、メグの髪の匂いを嗅いだ
何、くんくんしているのよ
メグの髪の毛、いい匂いがするんだよ
ヨシくんだって、いい匂いがするよ
うんヨシくんの汗の匂い、あたし好きなの
オレも好きだな、メグの汗の匂い
メグの匂いに包まれている時が、一番安らかな気持ちになるんだよオレ
セックスした後抱き合っている時のメグは、いい匂いかする
ミルクとハチミツを混ぜたみたいな優しい匂いがする
オレはあの事後の時間が、とても好きだ
ヨシくん、凄いね
メグが顔を赤らめて言った
何のことだよ
どんどん格好良くなるんだねさっきから、ヨシくんの言葉が、あたしの心をジンジン刺激してるの
それはメグも含めて、みんながオレに色々なことを教えてくれているから
早朝に覚えたのは思っていることは何でも言葉にした方がいい特に、相手が喜んでくれそうな言葉はということ
さっき覚えたのは自分の欲望は素直にさらけ出すことただし、最低限の分別を持って、信頼を失わないように気遣うこと
それとメグの場合は、少し強引でもオレの方からリードしてあげなくちゃいけないってこと
少しずつオレは学んでいる
人とのオレの女との関わり方を
メグだって、そうさどんどんよくなっている
そうだよメグはとっても素地がいいんだ磨けば磨くほど、輝くそういう女の子だよ
あ、ありがとうヨシくん
前までのメグだったら
雪乃の方が綺麗だとか雪乃と比べて、どうとか言い出していただろう
でも今は堪えた
雪乃と自分を比較し勝手に落ち込まないように
雪乃への嫉妬心を、心の中で必死で打ち消している
そういう努力をする姿が可愛いと思う
メグって、可愛いな
ああとっても可愛いよ
大好きよヨシくん
メグも、オレのキスを受け入れる
今日、見たことは全部忘れろあたしたちは、女で陸上部だけれど心はサムライだあんなものを見せられて、動揺したら負けだからねっ
部室の中から竹柴キャプテンの声が聞こえてくる
こんなことを言うぐらいだからキャプテンは動揺しているんだな
硬派だもんな竹柴先輩
セックスの映像とか、見たことないんだろうし
学校の命令だから今日の練習は無しにするけれど、各自、家で柔軟ぐらいはやっておくこと自宅の周りに走れる場所のあるやつは、ランニングもだよいいね
部員たちが返事をする
2年生、3年生で大会に出るメンバー無理強いはしないけれど、あたしはこれから市のスポーツセンターに筋トレしに行くから、付いてきたいやつは一緒に来なあくまでも自主練だからね
は-い、お供しまーす
よし、じゃあ解散だ明日は、いつも通りの時間に集合だよお疲れ様
お疲れ様でしたっ
そして部員たちが部室から出てくる
部室の掃除と片付けがあるからメグたち一年生は最後だ
よしっ自主練組は、スポーツセンターまで走っていくよっ
竹柴先輩が出て来たので、オレは頭を下げる
先輩はオレの顔を見て、にっこりと微笑んでくれた
うへっ、キャプテン10キロはあるじゃないですか
そうですよ、バスで行きましょうバスで
うっさいこういう時は、メチャクチャ汗かいて、頭の中を空っぽにした方がいいんだよっ
雪乃の映像は、竹柴さんには刺激的だったんだな
さあ、行くよっ
そして竹柴キャプテンと5人くらいの先輩部員たちが、走っていく
みんなでっかいスポーツバッグを抱えているから制服や教科書はあの中なんだな
あんな荷物を背負って、10キロのランニングは大変だろうな
さらに五分ほど待って
メグが部室から出てくる
オレたちは、再び手を繋ぐ
じゃあね
メグが、他の一年生部員にそう挨拶すると
あれ山峰さん、どこへ行くの
帰るのなら、こっちでしょ
あたしたち、ちょっと先生に用があるのよ
だからさよならまた明日ね
校門に向かう一年生部員たちと別れて
オレたちは校舎へと向かう
校長室から監視室へ下りる
お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃぁぁんっ
こいつも雪乃の映像を観ていたはずだ
マナも雪乃へのコンプレックスは強い
お兄ちゃん、寂しかったよ
ああ、マナ
オレは力強く、マナを抱き締めてやる
マナが驚いている
オレも寂しかったよお前がいなくて
マナの顔に、頬ずりする
マナは、嬉しそうに微笑んだ
あーんお兄ちゃんっ
ギュッと抱き締める
マナもどんな時も絶対に無視してはいけない
できるだけ、力をこめて強く抱き締めてやらないと
不安な気持ちにならないように
ヨッちゃん、お帰りっ
寧さんはまだ男の子っぽい格好のままだった
ただ今、寧さん
寧さんの身体も、抱き締める
どどど、どうしたのヨッちゃん
慌てる、寧さん
うん寧さんだ
寧さんも本当は、なるべく抱き締めてあげないといけない人だってことは
夜に寧さんの過去を聞いた時から判っていた
この人には抱き締めてあげる人間が必要だ
だからオレが抱き締める
なあにどうしてのあたしに甘えたくなっちゃったの
そうです寧さんに甘えたいんです甘えさせておいて下さい
オレは寧さんの豊満な身体を抱いたまま頭を優しく撫でる
しょうがないなあじゃあ、いいよしばらく甘えていても
寧さんは嬉しそうにそう言った
はい甘えます
オレは寧さんの背中を擦ってあげる
あ、それ気持ちいいよヨッちゃん
やっぱり心配事が多すぎて、身体が緊張している
抱き締めてみて、判ることがいっぱいある
どうして、外に出て来たんですか敵に見つかる可能性があるのに
監視装置に向かっていたマルゴさんが答えた
状況に少し変化があったんだ
変化
シザーリオ・ヴァイオラ本人では無いけれどヴァイオラが雇ったと思われる人間が、黒い森について調べているっていう情報が入ってね
マルゴさんの言葉に寧さんが続く
渚さんや他のお姉さんたちに迷惑を掛けるわけにはいかないでしょ
黒い森について調べられたら
渚や、元黒い森の娼婦だった人たちが狙われる危険性がある
あたしたちがこのまま隠れっぱなしだとヴァイオラは、搦め手に出るかもしれないよね渚さんを拉致して、人質にするとか
それはマズイ
渚は他の人たちも大丈夫なんですか
今のところはね
マルゴさんが、そう答えた
最低限の護衛者は付いているけれどあんまり、大っぴらに警護するわけにもいかないんだよそれじゃあ、あの人たちが黒い森と深い関係にあって、重要な人物たちだって宣伝しているようなものだからね
だから渚さんたちには、普段通りの生活を続けて貰っているんだよっできるだけ違和感ないようにっ
だから渚は、オレにもコンタクトして来ないんだ
今は可能な限り黒い森との接触を断っている
でもいつまでもそんな状態ではいられないだろそしてヴァイオラ側が、渚さんたちに近付きそうな情報が入っただから、こちらのワイルド・カードを使ったんだ
あたしが姿を現せばヴァイオラは、ここにだけ集中するでしょ
ああ、寧がここに居ることをはっきりと示せばヴァイオラは、ここにだけ戦力を傾けるアメリカから連れてきた手下は少人数だしね
だから寧さんをわざと外に出して姿を目撃させ
学校の生徒は、全て午前中に帰宅させる
ついでにちょっと挑発してみたの
ケイちゃんそっくりの格好をしてね
それで寧さんは、男装しているんだ
シザーリオ・ヴァイオラは挑発に乗るよそういうタイプの男だから
さあここからが勝負だね
前に、とある大学の先生に聞いた話
その先生の大学の付属の私立の小学校で、実際に行ったという特別授業
江戸時代の百姓一揆について考える
(百姓は別称でなく、この場合は歴史用語です)
授業の方法
4年生だか5年生だか(どっちの学年だったか忘れました)5クラスあるうち4組と5組だけ、給食を出さない
給食の時間4組と5組だけは、お腹を空かせたままガマンする
予定では、1週間そうするはずが
3日目にして4組と5組の学級委員が、クラスを代表して教員室へ
何で、僕たちだけ給食が食べられないのか納得できない
他の組は食べているのがおかしい
というか、意味が判らない
これに対する、学校側の回答
それが、一揆を起こした江戸時代の人たちの気持ちだよく、それに気付いたな
特別授業、終了
ええっとその先生は、大成功だったと言っていましたが
本気かよ
今は、私立の学校は個性がないと、少子化の中で生徒が集まらないから
いや、先生その個性は、どうかと思います
208.絆の数
うんミスター・ヴァイオラは今頃、相当、頭にきていると思うよっ
寧さんがヌフフと笑う
あたしが、ケイちゃんの姿をして現れたんだもんヴァイオラは、こういう冗談が大っ嫌いなのよっ
えでも、ヴァイオラ本人は、変装するのが趣味なんですよね
確かいつも映画のキャラクターに成りすまして、裏の仕事に行くって
ヴァイオラは自分がいつも主役じゃないと気が済まない人だから変装するのは、自分だけでいいと思っているのよっ
前にねヴァイオラに気に入られようとした、若い子がいてねその日、ヴァイオラがバック・トゥ・ザ・フューチャーのドクの変装をすることを知って、自分はマーティの格好をして集合場所に現れたのよ
マーティって何ですか
マイケル・J・フォックスの役よヨッちゃん、知らないの
そもそもバック・トゥというのが何なのか判らないのだが
ここで、そんな話をすると寧さんが話しづらくなるだろうから
ああ、フォックスフォックスですね判りました
フォックスってのは映画会社のことだよな
うん何となく、判るぞ
それで、どうなったんですか
ヘッドフォンで鼓膜が破れる様な大音量でヴァ・ヘレンの曲を聴かされる拷問に掛けられて最後は、時計台で感電死させられたらしいよ
まあ、しょうがないよねドクの格好をしているヴァイオラの前に、映画の主役のマーティの姿で現れたんだからそれがせめてビフだったら殺されるところまではいかなかったかもしれないけれど
さてビフって何だろう
いやあえて聞くまい
とっころでさヨッちゃん、あたしの男装姿どうケイちゃん、そっくりでしょう
寧さんは明るく笑っているけれど
本当は、そうじゃないってことオレには判る
これはシザーリオ・ヴァイオラを挑発して、やつの眼をここに釘付けにするための苦肉の手段で
寧さん自身は本当は、ケイさんの格好はしたくなかったろうと思う
そっくりかどうかは、オレには判りませんオレケイさんには会ったことがありませんから
オレは寧さんの眼を真っ直ぐに見て、答える
オレにとってはどんな格好をしていても、寧さんは寧さんです
オレは寧さんしか知りませんケイさんもケイさんの双子のお姉さんの寧子《ヤスコ》さんも、オレは知りませんオレが知っているのは、あなただけですいつも綺麗で明るくて優しい、寧さん
うううっヨッちゃぁぁんっ
寧さんがオレの胸に飛び込んで来る
オレは、がっしりと寧さんの身体を受けとめた
大丈夫ですから寧さんは、オレが守ります
うんっうんっありがとっありがと、ヨッちゃん
泣いている寧さんの背中をオレは、しばらく抱いていた
ごめんねこんな物しか作れなくて
テーブルの上に克子姉が、素麺を並べる
付け合わせは卵焼きとサラダだった
今日はもう時間も無いし、手間も掛けられないから
克子姉は昨夜から、交代でずっと校内外の監視を続けている
夜はミナホ姉さんとマルゴさんの三人で休憩と睡眠を取りながらだったけれど
朝からは、ミナホ姉さんが学校の仕事へ行かなくてはいけなかったから
監視カメラの映像チェックだけならいいんだけれど朝からのテレビの報道状況の確認と、ネットの中での世論誘導もしなくちゃいけなかったから
うわそりゃ、大変だ
寧様にも手伝っていただいたけれどさっき、雪乃さんの回収にマルゴさんと出られたでしょだから、この部屋はあたし一人で何とかしないといけなくなっちゃって
ミナホ姉さんは、ずっとオレたちと一緒に居たし
役立たずでごめんなさい
マナが、暗い顔で克子姉に頭を下げる
いいのよ裏工作の仕事なんて、マナちゃんは覚えなくていいんですからねっ
克子姉はマナに優しく微笑む
ミナホ姉さんは、まだ職員会議
オレが尋ねると克子姉は、監視カメラのパネルを操作する
モニターに、職員室の景色が映る
まだ、終わらないみたいね
うわみんな、苦虫を噛み潰したよう顔をして会議している
まあ遠藤も雪乃も、親が大変なことになっているし
簡単に処分することができないんだろうな
お嬢様楽しんでいらっしゃるわね
克子姉が先生たちの中のミナホ姉さんを見て、そう言った
ミナホ姉さんは、いつも通りの冷たい眼で無表情で会議に参加している
ミナホやっぱり、先生を辞める覚悟なんだろうね
監視用モニターに向かっていたマルゴさんが、そう呟いた
復讐も寧とヴァイオラの因縁も、この数日で完全にケリをつけるつもりなんだよゴールデンウィークの連休が終わるまでに
お戻りをお待ちしていると遅くなるわ申し訳無いけれど、先にいただきましょう恵美ちゃん、手伝って
克子姉とメグが、テーブルに素麺と小鉢を並べていく
監視はあたしと寧で続けるから克子さんは、吉田くんたちと先に食べて
あれミッチィは
そう言えば、姿が見えない
隠しガレージの中で、ムチの特訓を続けているよ努力家なんだね、あの子
そう言って、マルゴさんはガレージの映像を映し出す
ミッチィが、赤いムチを振っている
シュビュッっと、風を切ってムチの先端が、標的用の空き缶を真っ二つに切り裂いた
あれスチール缶ぐらいなら、平気で切り裂くんだ
マルゴさんが、マイクを持つ
工藤さん、こっちへ戻って来て
敵の襲来ですか
画面の中のミッチィが、すぐさま返事をする
違うよお昼ご飯の時間だ
わたくし今のうちに、もう少し鍛錬をしておきたいのですが
食べれる時に、食べておくのも戦士の大事な仕事だよ
すぐに戻ります
ミッチィは、すっかりマルゴさんを第2の師匠にしている
すぐに戻って来るだろうから待ってあげて
マルゴさんも本当にミッチィのことを気遣ってくれている
いやミッチィにも、もっと絆が必要だ
オレが声を掛けると、マナが子犬のように近寄って来る
なあに、お兄ちゃん
オレの胸に擦り寄って来るからオレも抱き締めて、撫でてやる
ミッチィが戻って来たらミッチィに、わたしのお姉さんになって下さいって言うんだ
マナはキョトンとした顔をする
マナは、ミッチィより一つ学年が下だろマナしかここには、ミッチィよりも年下の子がいないんだミッチィ年上ばかりで、息苦しいんじゃないかって思うんだよ
だから、マナが工藤さんの妹になればいいんだね
ああ今はみすずからの命令で、ミッチィはオレたちと一緒に居るけれどミッチィ自身が、積極的にオレたちと行動を共にする理由付けを強化した方がいいと思うんだ
そうだね年上の吉田くんや他の人たちよりも年下のマナちゃんを守ってあげたいって気持ちになった方が良いだろうね
マルゴさんも、賛成してくれた
でも工藤さんよりも、マナの方がおっぱいは大きいよ
マナはそう言って、胸の先をオレに擦り付ける
確かにミッチィよりも、マナの方が肉体的には成長しているけれど妹っぽさでは、断然マナの方が上だよ
うんとっても可愛いよ
オレは、そう言ってマナの身体を抱き締めてやる
判った工藤さんのことは、マナに任せておいてマナも、工藤さんならいいって思ってるし
何がいいんだ
工藤さんも、お兄ちゃんのセックス・パートナーにしちゃう予定なんでしょ工藤さん、見た目は本当にお人形さんみたいに可愛いし言葉遣いとか、とっても面白いからマナは好きだよ姉妹会に入れてあげてもいいって思ってるから
あたしも、賛成よ
工藤さんは、あなたのためにも良い相手だと思うの
マナちゃんの時とは違った形であなたが、積極的に面倒を見てあげようとしているでしょあたしや渚は、お姉さんだし恵美ちゃんは、同い年もちろん、あなたは年齢なんて気にしないで大切にしてくれているけれど年下の子とは、アプローチの仕方が違ってくるでしょ
マナちゃんに対してやっているお兄ちゃんではなくてお兄さんをやってごらんなさい
お兄さんか
あの克子さんヨシくんにとってみすずさんはどういう立場なんですか
メグの問いに克子姉は
みすず様はちょっと、ずるいのよあの方は、とっても賢い方だし表現力も豊富だから
メグに克子姉は、ニコッと微笑む
その時、その時の状況で彼に対するアプローチを変えているのよ彼を優しくリードする一つ年上のお姉さんの時もあるし、わざと彼と対等の同い年の女の子っぽく演じている時もあるし完全に彼の支配下のペットになりきっている時もあるわ完全に使い分けているのよ
そう言えばそうだ
みすずには様々な顔がある
そうだよねマナたちの前では、完全に年下組のリーダーになっているけれどお兄ちゃんとエッチする時は、ものすごく甘えるもんねみすずさん
マナが、そんな感想を述べる
魅力的ですものね、みすずさん
メグが、また落ち込もうとするから
メグすぐに自分と比較する癖はやめろメグはメグで、とっても魅力的なんだから
そう言う、メグの口をオレの唇で塞ぐ
オレは、メグが好きなんだそれでいいだろ
そんなメグに克子姉が
恵美ちゃんいいこと教えてあげるわ
今度、彼とみすずさんがセックスしている時にねセックスが終わった後に、みすずさんにはい、お疲れ様ってタオルを渡してあげなさいにっこりと、優しく微笑んでね
笑って、みすずさんにタオルを渡すんですか
そうよあたしは何も気にしていません彼のことを気持ち良くして下さって、ありがとうございますって、感謝の気持ちを伝えるのよ泰然としてね
彼の正妻になりたいのならそういう小技が使えないとダメよ何があっても、この人はあたしのところに帰って来ることは判っていますからって、態度でいなさい初めは、フリだけでいいから
うん、そうだねそういう態度の方が、みすずさんには効くかもね
マナが、克子姉に同調する
あたしたちは彼を愛する姉妹だけれどちゃんと、彼を奪い合うバトルをしましょうそういう闘いが、女を磨くことになるんだから
克子姉が、メグとマナにウインクする
それぞれ、自分の魅力でお兄ちゃんをノーサツしちゃえばいいんでしょ
マナが、克子姉の言葉に乗る
よーし、寧さんには負けないぞぉぉぉっ
マナが、パソコンに向かっている寧さんに声を掛ける
えっ、あたし
だって、お兄ちゃんの女の中では、寧さんが一番美人で可愛いじゃない寧さんは、マナの目標なんだから
寧さんが、まだ処女なこといよいよ、言い出せなくなってきたぞ
だからメグお姉ちゃんも、落ち込んでいる暇があったら、自分の魅力でお兄ちゃんにアタックするの
あたしの魅力
メグはそれが何だか、判っていない
あのねぇメグお姉ちゃんは、本当は尽くす女のタイプなんだよ克子さんと同じでさ
マナの解析が始まる
とっても日本的っていうか旦那様のお世話をかいがいしくするのが似合っている女なんだと思うそれなのにさ
ここのところメグお姉ちゃん、落ち込んでいたからずっと、お兄ちゃんの方が尽くす男になっちゃってるじゃないよくない傾向だと思うよ
こうやって、マナが自分の思っていることを相手にズバズバ言うのはやっぱり、雪乃の妹なんだなあと思う
ただ雪乃と違ってマナは、圧倒的に頭がいい
観察力と状況判断が優れている
もっとも観察力が優れすぎているから、マナは祖父と母親が自分を愛していないことに気付いてしまった
マナが家を捨てたのはこの観察力のせいだ
あれが雪乃だったら祖父たちに見捨てられたことも気付かないまま、いつまでも家族の助けを待っているんだろうな
そう言えば雪乃は、今、どこにいるんだろう
そうだねあたし、ヨシくんに迷惑掛けてばかりだよね
ほらっ、そこでまた落ち込まない自分の内側ばかり見ていると、落ち込んでいくばかりだよメグお姉ちゃんは、お兄ちゃんだけ見ていればいいのっ
ヨシくんだけ
たとえばお兄ちゃんは今、何を必要としていると思う
メグが考え込む
はい、タイムアウトメグお姉ちゃんお兄ちゃんにだけ、お箸が渡ってないよ
あ、ごめんなさいヨシくん
配膳の途中でこんな話になっちゃったんだよな
メグが慌てて、オレに箸をくれる
克子姉がメグに話し掛ける
あたしはね彼が三食ちゃんとご飯を食べているかが、一番心配なの栄養のバランスが良くて、美味しい物をね今は、こんな物しか用意してあげられなくて申し訳ないんだけれど
克子姉は、そう言ってテーブルの上の素麺と卵焼きとサラダを見る
いや、充分だよとっても美味しそうだし
オレは克子姉にそう告げた
そう言ってくれると、とても嬉しいわ
でも本当にあたし、今はご飯のことばっかり気にしているのあなたに次はどんな料理を作ってあげようかって
ははっ、克子さんはまるで吉田くんのお母さんだね
マルゴさんが、横から笑ってそう言った
いいえ、違いますマルゴさん
マナが強い言葉でそう言った
マナは舞夏さんのお母さんは、舞夏さんのご飯の心配なんて一度もしてくれませんでしたから料理評論家のくせに、家の食事はお手伝いさん任せで去年雪乃さんが中学生の修学旅行で家に居なかった時に、お手伝いさんがお休みの日があったんです前から、その日はお手伝いさんが休むことは判っていたのに舞夏さんのお母さんは、そのことをすっかり忘れていて舞夏さんは、晩ご飯が食べられない日があったんですけれどあの人はあら、ごめんなさいって笑っているだけでした
ごめん失言だったね
マルゴさんがマナに謝罪する
でも、あたしの静岡の叔母さんはそんなこと無いんですいつ電話をしてもちゃんとご飯食べているって聞いてくれます今日のご飯は何だったってだからご飯の心配をしてくれるのは、親だからじゃないんです愛してくれているかどうかなんです
克子姉はオレのことを愛してくれている
マナオレの家もそうだよオレの母親も、オレがちゃんと食事しているかどうかなんて気にしない女だった
オレは克子姉を見る
克子姉いつも、美味しいご飯をありがとうオレ、とっても感謝しているよ
何言ってるの家族じゃない
そうだ家族だ
克子姉さんいつも、美味しいご飯をありがとうございます
メグも克子姉に礼を言う
うんっ克っつん、ありがとう克っつんのご飯、大好きだよっ
克子さんいつも感謝しています
寧さんとマルゴさんも
克子さん、これからはマナもお手伝いするねマナにもお料理教えて
ええ、いいわよマナちゃん
あたしはヨシくんのために何ができるのかしら
ほらほら、また内側に向かってるメグお姉ちゃん、そういう時は、お兄ちゃんの方を見るのっ
マナが、メグに注意する
お兄ちゃん飲み物は何がいい
冷たいのなら、お台所の冷蔵庫に麦茶とウーロン茶が入ってたよ
じゃあ麦茶かな
素麺だし
ほらほら、メグお姉ちゃんお兄ちゃん、麦茶だって
判った、すぐに持って来るわ
お兄ちゃんて、とっても判りやすい人なんだからジッと見ていれば、何をしてあげればいいのかなんてすぐに判るよ
うんそうね、マナ
マナの言葉にニッコリ微笑んでメグは台所へ向かう
ただ今、戻りました
地下通路から、ミッチィが上がって来る
ちょうど良かった一緒に食べよう
オレは、ミッチィにそう話し掛けた
工藤さんマナを工藤さんの妹にして下さい
食事の合間を狙ってマナがミッチィにそう言った
それはわたくしに弟子入りしたいということですか
わたくしは、まだ武人としては未熟者です弟子を取るには、まだ早過ぎます
喋らなければ本当に、黒髪パッツンの美少女なんだけどなあ
この武人思考が本当に残念だ
工藤さんマナちゃんが言っているのは、そういう意味じゃ無いと思うよ
マルゴさんが、横から助け船を出す
では、どういうことでしょう
マナちゃんは、君に庇護を求めているんだよ
ミッチィが箸を置く
庇護
工藤さんは十五歳だよね
はい、中学3年生です
マナちゃんは
マナは十四歳です中2です
年下の女の子が、君に庇護して貰いたいと言っているんだ武人としては、どうするべきだと思う
マルゴさんの言葉にミッチィは、マナの顔を見る
実際年齢が一つ上だとしても
背丈は、ほとんど変わらない
いや、もしかしたらマナの方が高いかもしれない
胸の大きさは完全にマナが勝っている
マナだって、成長途中の小さなおっぱいだけどミッチィは完全に真っ平らだから
遠目で見たなら確実に、マナの方が年上っぽい
いや、ミッチィの落ち着きと風格は何か、大人っぽいというか、偉そうだけれど
とにかく見た目だけなら、そういう風にしか見えない
あたし色々あって、家や家族を捨てました本当の家族のところへは、もう帰れませんだから工藤さんに、あたしのお姉ちゃんになって欲しいんです
そういうマナにミッチィは
判りましたそういうことでしたら、わたくしがあなたの姉になりましょうわたくしのことは、お姉様と呼びなさいよろしいですね
はいっ美智お姉様
マナの返答にミッチィは、背筋をゾクッとさせる
もう一度、言ってみて下さい
美智お姉様っ
ミッチィは満足そうに微笑んだ
何かいい感じですそれ
ミッチィは基本がレズだった
わたくしは、三人兄妹の末っ子ですからお姉様と呼ばれるのはとても新鮮です
ミッチィには、お兄さんとお姉さんが居る
二人とも香月セキュリティ・サービスの総合警備部に所属している
もっとも、お姉さんの方はまだ高校生で空手日本一なんだっけ
美少女空手家として、有名なんだよな
じゃあ、これからよろしくお願いしますっ美智お姉様っ
いずれにせよミッチィが、オレたちとの間に絆を増やしていくことは大切だ
ミッチィとマナが姉妹になるのは、良いことだと思う
食事が終わったら工藤さんと吉田くんで、工藤さんのお父さんのところへ行って来てくれないかな
ここからの脱出の手はずについて、打ち合わせしたいんだ
脱出
寧の姿を見せるっていうカードを切ってしまったんだもう、この先は短期決戦を目指すしかないよ
マルゴさんはそう言う
それでもこっちは戦闘能力のある人間が少ないからねできれば、敵の戦力を少しずつ削いでいきたい
戦力を削ぐ
学校からは昼過ぎに脱出するみすずさんの発表会には、全員で向かうあそこは日本中の名家の護衛が集まっているからねあんなに安全な場所は無いよ
それにこちらも、分散して行動するだけの戦力は無いしね移動するなら、全員で一気に動くしかないんだその過程でちょっかいを出して来た敵を一つずつ殲滅する明日の朝までには、全ての決着を付けたい
ここを放棄して、移動するということは
今夜の香月閣下が仕掛けたホテルでの攻防戦でシザーリオ・ヴァイオラの首を獲るところまで行く気なのか
マルゴさんは
いやおそらく、ミナホ姉さんも
あの全員で移動するんですよね
マナがマルゴさんに尋ねる
そうだよみんなで行くそうじゃないと守りきれないし、攻めきれない
攻撃組と、ここに残った人間を守る組に分かれることはできない
オレたちの中で、実際に戦闘能力があるのは
マルゴさんとミッチィだけなんだから
ってことはあの人も連れて行くんですか
マナはあの人と言った
ああ雪乃さんも当然、連れて行く仕方ないだろ香月さんが仲介人になった白坂家との手打ち式が終わるまで雪乃さんは貴重な人質なんだし
マルゴさんは、当たり前のこととして答えた
雪乃も、オレたちと行動を共にする
今週は、台風の日の疲労と、蒸し暑さでじわじわとヤられいています
もう一日がんばろう
209.ジャンクなセックス
雪乃は、今どこに
また、監禁室だよ
あの狭い部屋か
あの子にも、お食事を届けないといけないわね
後で、オレが行くよ
克子姉やマルゴさんたちは、仕事が山積みだし
メグやマナだと、また揉める
メグとマナ雪乃の姉妹には、雪乃に対するコンプレックスが強く残っている
いや、食事が済んだら吉田くんは工藤さんと、工藤さんのお父さんに会いに行ってそっちの方が優先だよ
マルゴさんがそう言った
朝の時みたいに、ご飯を届けるだけなら工藤さんだけで行って貰ってもいいけれど今回は、黒い森の代表として吉田くんに行って貰いたいんだ
オレが代表ですか
事務的な打ち合わせなら、あたしが行った方がいいんだけどね
学校の敷地の特定の一カ所に、あたしと工藤さんと工藤さんのお父さんが集まるのは危険だよね
確かに戦闘能力のある人たちが、一カ所に集まっていたら
しかも、そのことを敵に気付かれたら
敵は、他の入り口から一気に潜入して来るだろう
わざわざ教職員用の駐車場の隠しゲートを敵に晒したんだ今は、あそこからの侵入を考えていると思うけどね校長室からのルートは、やつらには判らないだろうし
そうかわざわざ、情報を小出しにしているのは
敵の注意をそちらにだけ向けるためなんだ
校外から教職員用の駐車場へ行くためには、工藤さんのお父さんが陣取っている野球部のグラウンド裏の道を通るのが最短距離だていうかあっちは普段は人通りがほとんどないからね
でも運動部の子らが、よくランニングとかしているでしょだから、今日の部活は全部中止にさせたんだよっ
マルゴさんの説明に、寧さんが補足してくれた
なるほど万が一、生徒を戦闘に巻き込まないために
寧、生徒はみんなちゃんと帰ってる
マルゴさんの質問に、寧さんが校内のカメラを次々と切り替えていく
うーん、まだ残っている子たちがいるねぇ
職員会議が終わればミナホが、生活指導の先生たちに校内を巡回させるんだろうけれど
全員帰らせるのは、午後1時か1時半とかなんじゃないかなあ
教職員も全部帰るとなると2時過ぎるかもね
マルゴさんが、ススッと計算する
つまりあたしたちは、2時過ぎまでは学校から脱出できない校内に誰かしら残った状態でここを留守にすると侵入して来た敵に、間違って攻撃される可能性があるからね
生徒も先生たちも完全にいなくなった後で堂々と出発するなるべく派手にあたしたちを狙っているやつらを全員そのまま国立劇場へ引っ張っていくから
でもやつらが学校の関係者を生徒でも先生でも、無差別に誘拐して人質にするとかしたら
そういう可能性は無いだろうか
どうして、人質になるんだい
マルゴさんは、ククッと笑う
あたしたちは犯罪組織だよ敵もそのことは判っている無差別に誘拐したって、黒い森と無関係な人間は人質にならないよ
そうかオレたちは、正義の味方じゃない
無関係な生徒や教師が敵に捕まっても助けるギリは無い
敵はそう思っている
敵が判っていることはどういう裏があるのか判らないが、学校内にあたしたちが潜伏しているっていうことだけだよ黒い森と学校の関係だって、正確には判らないはずだよ敵が知っているのは岩倉さんが流してしまったファイルの内容だけつまり、寧と吉田くんがこの学校の在学生だってことでも寧も吉田くんも、校内に特別に親しい友人は居ないだろお互いの家を行き来するような
確かにオレがクラスメイトと親しくなったのは、ここ数日だし
寧さんは、校内の不可侵の存在だったから誰とも親しくないはずだ
そりゃ敵は、おそらく下校してきた寧や吉田くんのクラスメイトに声を掛けるくいのことはしていると思うよでもその子たちからは、ほとんど情報は得られないだろうし吉田くんと恵美ちゃんの関係くらいは、話題に上がるだろうけれど当の恵美ちゃんはここに居るからねそこからさらに、恵美ちゃんのお友達や山峰さんたちをターゲットにすることは無いと思うよあたしたちに効果があるとはとても思えないだろうから
山峰のお父さんとお母さんは、無事でしょうか
心配そうにメグが尋ねた
そっちには、白坂家の配下の人間が詰めているはずだからね白坂家には、恵美ちゃんは黒い森に誘拐されていることになっているんだから
だからあたしたちが山峰さんに接触するだろうと考えて、白坂家は山峰さんの周囲を厳重に監視しているはずだそこにのこのこと、ヴァイオラの手下が行ったら
どうなる
無意味な戦闘をする程どちらも馬鹿ではないよ現場の人間は、下らないことで人員を消耗させることを嫌うからねよっぽどのことがない限り山峰さんが戦闘に巻き込まれることはないよただの睨み合いで終わりだよ
恵美が、大きく息を吐いて安堵する
ということだから吉田くんは、工藤さんのお父さんにあたしたちは、午後2時15分に、隠しガレージから車3台で出発するということを伝えてきて目的地は国立劇場目的地までのルート選択は、工藤さんのお父さんにお任せするよ要人護衛に関しては、あの人たちの方が慣れているからね
マルゴさんがオレに言った
えっとオレたちは、午後2時15分に教職員用の駐車場の隠しガレージから、車3台で出発目的地は国立劇場ルートは工藤さんにお任せする
そういうこと頼んだよ
こういうことは、携帯電話で伝えると聞き間違いの可能性があるし、盗聴の危険もある電子メールだとなおさらだよ偽メールかもしれないしね何より、ちゃんと代表者が直接会いに行って話すってことが大切なんだ信頼関係を築いておかないと命取りになるからね
それならオレが行くべきだ
特に、今、工藤父の居る場所が敵の注目を浴びているのなら
他の人を危険な場所に行かせるべきではないだろうし
それと忘れないで欲しいんだけど工藤さんのお父さんは、あたしたちの味方ではないからね
判ってます工藤さんは、香月閣下の命令で、今はオレたちに協力してくれているだけでいつ敵になるか判らない人なんですよね
オレの答えに、マルゴさんは満足そうに微笑む
そういうことだからこちらの情報を何でも喋ってはダメだよ何を話して、何を話さないかの選択は、君に任せるそれから吉田くんのことだから大丈夫だと思うけれど、絶対に工藤さんのお父さんに嘘は言わないで混乱させるだけだし、信頼を失うだけだからね
オレが、マルゴさんにそう答えると
あのわたくしも、父と同じ立場ですが
ミッチィが、不思議そうな顔をしてオレたちを見る
わたくしもみすず様の命を受けて、ここに居るだけでいつ、皆様の敵に廻るか判らない人間です
そんなわたくしの前で今のようなお話をなさるのは、どういうことなのでしょうか
マルゴさんはフフッと微笑んだ
工藤さんは香月セキュリティ・サービスに籍があるんだっけ
はい一応、今回が初仕事ということになっています
仕事の内容は
みすず様の指示に従うように言われています
OKじゃあ、工藤さんは香月セキュリティ・サービスに忠誠を誓っているんだね
ミッチィは困り顔をする
そうじゃないよね工藤さんは、あくまでもみすずさんに忠誠を誓っているんだよね
そのみすずさんは吉田くんの女だよで、吉田くんは黒い森のメンバーだ
じゃあ、工藤さんは誰の味方になる香月セキュリティ・サービスや工藤さんのお父さんたちが黒い森と敵対したら
いやみすずさんが、お祖父さんである香月さんと敵対したらどうする
あたしはみすず様の味方です永遠の忠誠を誓っています
そうそれなら、黒い森と香月さんが対立したらみすずさんは、どっちに味方すると思う
ミッチィが、オレを見る
不本意なから、吉田の居る方だと思います
マルゴさんが、ミッチィに優しく微笑んだ
工藤さんも、そろそろ自分の立ち位置を明確にしないとねそうでないと、廻りの人たちに迷惑を掛けることになるから
ミッチィはウッと息を呑んだ
わたくしに黒い森のメンバーになれとおっしゃるのですか
そんなこと、誰も言っていないよ現に、みすずさんは黒い森のメンバーじゃない吉田くんの女でだから、あたしたちに味方をしてくれているだけだよあの子が恵美ちゃんやマナちゃんに優しくしてくれるのも、吉田くんの女の一人として年下の子の面倒を見てくれているだけだしミナホやあたしや克子さんや寧に、敬意を払ってくれているのも吉田くんが黒い森のメンバーだからだよね
当たり前ですみすず様が黒い森の様な犯罪組織のメンバーになるなんてあってはならないことです
ミッチィは強くそう言った
メンバーでは無いけれどみすずさんは、あたしたちの味方だよ身内って言うべきかもしれないあたしたちは、そういう関係だ
正確にはみすずの飼い主であった渚の存在もあるんだけれど
ミッチィは、みすずと渚のことはよく知らないようだ
マルゴさんは、あくまでもミッチィの見える範囲での情報からロジックを構成している
良い機会だから、お父さんに会いに行く間に、自分の立ち位置を決めてきてもし、香月セキュリティ・サービスの人間のままで居たいのなら、そのままお父さんの方に残ってくれて構わないからあたしたちも、これから先は身内で無い人と一緒に行動するわけにはいかないし
マルゴさんはそう言って、ミッチィを突き放した
喋ろうとするミッチィを、マルゴさんは制止する
今すぐに答えを出さないでゆっくり考えるんだよ大切なことを衝動的に決めると、あとで後悔するからねみすずさんの警護は別に、あたしたちと一緒じゃなくてもできるだろう香月セキュリティ・サービスの人間としてだって
ミッチィは、元気無くそう答えた
これでいいのだろうか
ミッチィの戦闘力は現在のオレたちには必要だ
人間的にも悪い子じゃない
できればこのまま、一緒に居て欲しいけれど
それはミッチィ本人が、決めることだ
オレが意見を言うことでは無い
さてと吉田くん
マルゴさんがオレを見た
いや恵美ちゃんやマナちゃんも、聞いていてここから先は、あたしたちは危険の中を突破していくしかないんだから
メグとマナも、真剣な顔でマルゴさんを見る
今からはほんの些細な見落としも、誰かの命に関わるようなことに発展するかもしれないそのことを肝に命じておいて
わずかな見落としが命取りになる
ロンドンの有名な舞台演出家にピーター・ブルックって言う人がいるんだけど当然、吉田くんは知らないよね
そのピーター・ブルックが、こう言っているんだ状況が進行していく時に、いいぞ上手く行っているという感覚は間違っていることが多いただの錯覚でしかないこともあるだけど瞬間的にあれ、これは変だおかしいぞと思ったことは、絶対に錯覚ではないいつでもそんな時は、本当に何かが狂いだしているんだ
瞬間的に変だと思ったことは錯覚では無い
あれ、おかしいと思っても周囲の人たちが平然としていたら、自分の錯覚だと思い直してしまうのが人間の性だよでも自分の感じた危機感よりも、廻りの空気を大事にしたことで、状況が最悪になるまで何の対処もできなかったっていうのはマズいよね
自分の感覚を信じておかしい、変だと思ったら、躊躇無く、即座に対応するんだよ廻りの人の様子なんか気にしないでいいからそれがみんな一緒に生き残るための秘訣だからね
オレは、心に刻みつける
恵美ちゃんとマナちゃんも判ったね
二人も大きく頷いている
じゃあご飯を食べ終わったら、頼むよ
オレとメグとマナとミッチィそれに克子姉で、食事を始める
もう、そんなに急がなくても平気よ
慌てて素麺を食べるオレに克子姉が言った
まだ12時半よ工藤さんにお話しするのは、2時以降のことなんだから
オレは、ゆっくり食べることにした
はい、お兄ちゃん麦茶
オレはマナの差し出した麦茶を飲む
うん美味い
ところで雪乃には、誰がご飯を持っていく
オレはそれが、ちょっと心配だった
あたしが持って行くわ
マナも行くよ
しかし正直、この二人だと心配だ
雪乃の存在はこの二人の心に大きくトラウマになっている
しかも朝の時のように
メグの不安定さがマナに伝染して
また二人揃って、セックス中毒症状を引き起こしたら
あたしも付いていこうか
パソコンに向かっていた寧さんが、オレに振り向く
あの子の相手は、あたしがするからさあの子、あたしのこと苦手でしょ
雪乃はメグ相手なら、毒舌を吐くだろうし
マナには上から目線で命令するだろう
雪乃はずっと白坂家のお姫様でメグをイジメ、妹を足蹴にしてきたんだから
しかし寧さんは
雪乃相手なら、雪乃よりも強い
毒舌には、もっと強い毒舌で返してくれるだろう
うん、寧さん、頼みます
寧さんは、ニッコリと笑って
了解メグちゃんとマナちゃんも来るんだよあの子の躾の仕方、教えてあげるから
寧さんが、二人に言う
メグちゃんはさ朝のあの子とヨッちゃんのエッチを見て、何でヒート・アップしちゃったの
寧さんは平然とメグにそう聞いた
寧さんだから許されるというかあんまりにも自然に尋ねたので
メグも普通に答える
それはヨシくんが、とっても気持ち良さそうだったから
そうだよね何か、雪乃さんとだと伸び伸びしててマナたちの時よりも、気持ち良さそうだったから
そうだマナも
オレと雪乃の視聴覚室でのセックスを監視カメラで観て
いたたまれなくなって、やって来たんだっけ
ふぅんそうなのかなあ
ヨッちゃんどうなの実際、あの子とする時の方が、他の子の時よりも気持ちいい
はっきりと答えた
そんなことないわよ
うんとっても気持ち良さそうだったもん
メグとマナは納得いかない様子だった
あたし思うんだけどさ
寧さんが話し出す
それってあの子がとっても気持ち良さそうで、ヨッちゃんの方は他の子の時と変わってないんじゃないのかな
メグとマナがハッとして、寧さんを見る
ほらあの子って、自分にしか興味が無いし快感に弱いでしょそれでヨッちゃんが、一生懸命に相手をしてあげるからあの子は、もう何も考えないでエッチに没頭していくじゃない自分だけの快感に溺れていくよね
寧さんの言葉を、二人はウンウンと聞いていく
だからさ見た目には、他の子よりも気持ち良さそうな派手なエッチに見えるんだろうけどヨッちゃんの方は、そうでも無いんじゃないかな
一気に視線がオレに集まる
そこんとこどうなのよ、ヨッちゃん
正直雪乃とのセックスは、雪乃の要求に応えるだけだからちょっと大変ですあいつ自分の欲求をぶつけてくるだけで、オレのことは気にしてませんから
まあその分、気楽ではあるんだけど
心がオレに向いていないことは、判っているから
そうよね彼は、どんな人とのセックスでもいつも一生懸命だから一生懸命、相手を気持ち良くしてあげようとってがんばるでしょ
克子姉の説明に、メグとマナが頷く
それはそうだと思います
うんお兄ちゃんて、そういう人だよね
だから雪乃さんみたいな身勝手な女の子からしたら、彼は理想のセックス相手なんだと思うわどんなことでも言うことを聞いて自分を気持ち良くしてくれるんだから
でもそれじゃあ、ヨシくんはどうなるの
お兄ちゃん雪乃さんとのセックスは、気持ち良くないの
メグとマナがオレを見る
うんとまあ、普通
我ながらなんつー答えだ
メグが、オレの眼を見る
何というか
雪乃とのセックスはオナニーみたいな感じがするんだよ
オナニー
いや何て言うか頭の中の妄想だけで、無責任に射精できる感じ
お兄ちゃんちょっと、それ判らない
女の子には、判らないかな
ゲームしているみたいな感じするんだ
ゲーム
うんちょっと、言い方が悪いけれど雪乃とのセックスはすっごく無責任にできるんだあいつの心が、オレに向いていないことは判っているしオレのことは、セックスの道具としてしか見ていないことも判っているからすっごく割り切って気楽にセックスしている
ヨシくんはあたしとは、気楽にエッチしていないの
メグやマナの場合はエッチしながら、色んなことを考えるよ
色んなことって
こんなエッチなことをしてもいいのかなとか
いいんだよっっていうか、もっとエッチなことをしてよお兄ちゃん
でもメグやマナやみすずや他の人もそうだけど、これから一生付き合っていくわけだろいつかは子供だって産まれるんだろうしゲームみたいなセックスはできないよ
そんなにあたしたちのこと、大切に思っていてくれたの
いやだって家族なんだから、当たり前じゃないか
雪乃とは今だけだしあいつは、ああいう女だから割り切ってセックスできるけれど
マナたちにはできないんだ
そりゃそうだよお前たちとのセックスは、遊びじゃないから
オレの言葉にマナが驚く
遊びのエッチもしてくれていいんだよっマナは、お兄ちゃんのセックス奴隷なんだからマナの身体で遊んでいいんだからね
そんなマナに克子姉が
あたしは彼のことお嬢様との最初の接触の時からずっと見てきているけれど彼、自分から女の子にセックスを求めたこと、一度も無いのよ
そう言えば、オレは
最初の雪乃さんへの陵辱だってあたしとお嬢様とで全てお膳立てして、お嬢様が彼にさあ、雪乃さんを犯しなさいって命令されてそれからだし
確かにそうよねヨシくんて、いつも女の子の方からお願いしないとエッチしてくれないよね
マナの時も最初は弓槻さんの命令だったんだよね
ええっとオレは
お兄ちゃんもしかして、本当は嫌嫌、あたしたちとエッチしているの
そんなことは無いよそんなことは
オレは即座に否定する
ただとにかく、物凄い勢いで次から次へとエッチしなくちゃいけないから、オレは必死で食らいついているだけででも、オレはエッチしたくない女の子とは、一人もエッチしていないぞみんな、魅力を感じている女の子だからオレは抱いているだけで
寧さんが、クククと笑う
結局さみんながヨッちゃんのことを求めすぎなんだよっ
求めすぎ
そうだよっそれで、ヨッちゃんが求められたら、絶対に答えないといけないって思っている人だから
そうねあたしたち、ちょっと彼に無理をさせているかもしれないわね
克子姉までが、考え込んでしまう
いやオレは別に無理なんかしていないよただ、次から次へとご馳走が出て来て必死でそれに食い付いているみたいなだけで
何言ってるんだオレ
この子ご飯を残すってことを知らないから
うんヨッちゃんは、全身で感謝を示す男の子だもんね
判ったあたしヨシくんは、雪乃のとは、お行儀悪く食い散らかすエッチなんだ
そうねたまに食べるジャンクフードだから、気楽なのかもしれないけれど
でも、ヨッちゃんとしては雪乃ちゃんがヨッちゃんに感じているほど、気持ち良いセックスでは無いんだよね
あのみんなして、何を言っているの
学生の頃その頃、付き合っていた彼女の友達(女の子)から突然電話が掛かって来て
何かその子は、人格セミナーみたいのに通っていて
そこのセミナーの上級レベルの合宿に行くのに、30万円くらい掛かるから私に1万円貸してくれと言いました
何で、1万円
いやあなただけでなくて、他の人からも1万円ずつ借りているの30人から借りたら、30万円でしょ
それってさ君の彼氏も知っているの
彼女には他の大学に彼氏が居ることを私は知っていました
あ、あいつとはもう別れたから
セミナーへ行って判ったのあいつとは、価値観が違うって
今は、セミナーで知り合った人と付き合っているのその人と、上級合宿に行きたくて
えっともちろん、お金を貸すのは断りました
卒業後は、その子とは会っていません
そんなセミナーマニュアルで人をハメているだけなんですけどね
昔、古本屋でそういう会社のマニュアルそのものが売っていて、吹いたことがあります
もし****と反論されたら → **ページへ
とか、セミナー受講者への対応が、詳細に書いてあるという
210.次のステージへ
とにかく恵美ちゃんもマナちゃんも、雪乃さんのことを気にしすぎだと思うわ
そうだよヨッちゃんは、メグちゃんとマナちゃんの方をよっぽど大切にしているし愛しているんだと思うよっ
寧さんも、二人にそう言ってくれる
でもあたし、ヨシくんと雪乃のセックスを見ているとどうしても、辛くて
そんなメグに、オレは
判ったそれなら、もう、雪乃とはセックスしないよ
えーっ、それでいいの、ヨッちゃん
どう思う、克っつーん
寧さんが、克子姉に振る
あたしはそんな風に割り切るべきでは無いと思うわ
うんあたしも、そう思うな
マルゴさんまで、会話に加わってくる
雪乃さんは、吉田くんにとっての安心毛布という仮説があったけれど実態は、少し違うのかもしれない
メグがマルゴさんを見る
マルゴさんはフッと笑って
吉田くんが、雪乃さんに対して抱いている感情はもっと複雑なものなんじゃないかって思うんだよこの段階になっても彼は雪乃さんを見捨てないだろ雪乃さんとのセックスだって、陵辱者として一方的に快感を得ようとはしないむしろ、一生懸命、雪乃さんに尽くしているよね自分の快感は二の次にして
まあだからといって、あたしは吉田くんに自分の欲求だけを満たすために、平然と女の子を犯すことができるような男性になって欲しくはないし
それはあたしも、そう思います
だったら、恵美ちゃん今すぐに、吉田くんと雪乃さんを引き離すのが良策でないことは判るよね
多分吉田くんには、セックスとか女の子に対して、何らかのトラウマというかコンプレックスがあるんだよ
コンプレックス
吉田くんは、自分から君たちにセックスを求めないだろというか求められないそれだって、一つのコンプレックスだよ
しかも吉田くんはセックス中には、いつも相手の女の子に全神経を集中するだろこれって凄いことだよいつだって、自分の快感より相手が気持ちよく感じてくれているかを優先にしているんだから
ええ彼は、そうね
克子姉が断言する
それが、今は吉田くんの女たちにとっては、良い結果になっているんだと思う君たち、吉田くんとセックスするともの凄く安心感を得られるだろ
マナもとっても、あったかい気持ちになります
メグとマナが、顔を赤らめて答えた
それはそうさ吉田くんは、いつも君たちの期待を裏切らないようって精一杯がんばっているし絶対に、断らないだろ
断らない
君たちが心に不安を感じて、吉田くんに抱いて欲しいとねだったら吉田くんは、どんなに疲れていても、君たちを必死に抱いてくれるよね
メグとマナが顔を見合わせる
うんお兄ちゃんは、いつも一生懸命だから
マルゴさんが二人に言う
でもそんなことを続けていたら、吉田くんの身体も心も参ってしまうんじゃないかな
さっきの、緊急放送室での雪乃さんの公開レイプだけどねミナホは、別に白坂家への復讐の一環としてあのイベントを組んだわけじゃないんだ
復讐じゃない
ミナホはあのイベントを通して、君に雪乃さんを見捨てる決心をしてくれるだろうと思っているんだよ
オレが雪乃を見捨てるために
そのためだけに、あんな大掛かりなイベントを組んだ
だから早朝の段階から、吉田くんが雪乃さんと恵美ちゃん・マナちゃんたちと比較するようなイベントを繰り返したんだ
視聴覚室での雪乃とのセックスとオレの教室でのメグ・マナとのセックス
今の吉田くんは、何もかも一人で背負い込んでしまおうとしているだろでもどんなものにも限界はあるそうだよね
吉田くんは、そろそろ自分の限界に気付くべきだよ君一人の力で、全員を救うことなんてできないんだから
まず誰を助けるか誰を守ることを優先するか
今までも何度も言われてきたこと
優先順位
状況に余裕があればもちろん、リストアップした全ての人を助けることができるしかし限界を超えてしまえば順位の下の方の人間は助けられないよね
全員は救えない
君がスーパーマンだとしても全ての人間は、助けられないそのことを理解してそれでも、より多くの人間を救うためには優先順位の下位の人間をあえて見捨てる覚悟は必要なんだよ
見捨てる覚悟
最初の計画ではミナホは、君に雪乃さんが遠藤くんレイプされるところを見せるはずだったんだだから、あの場には恵美ちゃんにも来て貰った
そしてオレに、メグを選ばせ雪乃を見捨てる
そういう決意をさせようとした
計画を変更したのは早朝の視聴覚室での君と雪乃さんのセックスを観察した後だよ
あの早朝のセックス
雪乃との罵り合いながらの
あのセックスは、とても不思議なものだった君たちは、陵辱者と被害者という関係からスタートしたはずなのにまるで、親しい友人の様なセックスをしていた恋人同士というのとは違う恋愛感情は無いのに、お互いの間に信頼関係が築かれている奇妙なセックスだった
確かにオレと雪乃の間には
おかしな信頼感がある
それで、ミナホは気が付いたんだ今すぐに雪乃さんを処分することは、吉田くんの精神によくないってね
雪乃は処分される寸前だったんだ
吉田くんにとって雪乃さんは、まだ何かしらの意味のある存在なんだよだからミナホは、このまま雪乃さんを連れて行くことにしたんだ君のためにね
だから、形式上は君に雪乃さんを助けに行くかどうか選択させたもちろん、君が雪乃さん救出を選ぶことは判っている恵美ちゃんの反対を押し切ってね
全部ミナホ姉さんには、お見通しか
それでも君に自分の意志で選択したことを心に刻み込ませたかったんだよ状況の流れとか、運命じゃない君が選んだことだよね
それならミナホもあたしも、雪乃さんまでは認めてあげるよ吉田くんが守ろうとしている女のリストに入れることをね
雪乃はオレの女ではない
しかしオレにとっては
いつも、オレの心の中の優先順位のリストの中に存在している女だ
常に一番、下だけど
いつも、雪乃のことも意識している
でもここから先は、ようく考えて行動してね君のリストは、もういっぱいだよ今だって、限界に来ている
君が限界を越えれば全員が死ぬことになるかもしれないいつでも、余裕を持って自分の両手を伸ばして手が届く範囲に、自分の女を集めておくんだよいいね
オレは頭が悪いし
特別な能力も無い
自分にできることの範囲をそろそろ見極めないと、みんなに迷惑が掛かる
恵美ちゃんとマナちゃんもそろそろ、吉田くんに求めるばかりじゃダメだよ吉田くんの心と身体の限界を考えて
二人が小さくなる
あたし自分の気持ちばかりを優先にして、ここのところヨシくんに求め過ぎだったって反省しています
マナもお兄ちゃんに、甘えすぎていました
いやもちろん、寂しくなったらいつでもオレに頼ってくれていいんだぞオレはそのために居るんだから
ありがとうお兄ちゃんでも
うんあたしたちも、ヨシくんに頼られる女の子になりたいから
メグマナ
少しはガマンすることも覚えて女を磨くよ
あたしも良い奥さんになれるように、頑張るから
メグもオレに誓ってくれた
ということだから吉田くん、君のリストはとりあえず
マルゴさんが言う
寧と、恵美ちゃんと、マナちゃん渚さんと、克子さんそれから、みすずさんと美智さん最後にオマケで、雪乃さんということでクローズしてくれるかな
ミッチィが驚く
わたくしもですか
マルゴさんが微笑む
これは吉田くんが誰を大切にするかの優先順位リストだから吉田くんは、とっくに工藤さんのことを身内だと思って、大切にしているよ
ミッチィが、口籠もる
マルゴさんそれだと、まだ足りません
ああ、そうかミナホのことを忘れていたよミナホは、吉田くんよりずっと年上だし、黒い森全体の保護者だけれど吉田くんのリストに入れておいてくれるんだねミナホ、きっと喜ぶと思うよ
いえミナホ姉さんだけでなくオレのリストには、マルゴさんも入っています
マルゴさんが、驚く
はいオレにとっては、マルゴさんも大切な家族です身内ですお姉さんだと思っています
ええっとあたしは
戸惑うマルゴさんに寧さんが
マルちゃんそういう時は、ありがとうって言っておけばいいのよっ
あ、ありがとう吉田くん
心の中の白い紙にリストを作る
ミナホ姉さん渚克子姉マルゴさん寧さんみすずメグマナミッチィそして、ちょっと離れて一番下に、雪乃
これがオレの今の家族だ
守らなければいけない人たちだ
今は、この人たちを守ることだけに集中して
それ意外の人間のことは割り切る
オレの力では誰も守れない
自分の今の限界を知るんだ
食事を終えたところでオレとミッチィは、外へ行く準備をする
克子姉と寧さんが交代して今度は、寧さんが食事タイムに入る
吉田くんこれを持って行って
マルゴさんが丸い碁石みたいなものを3つほどオレに手渡した
上にスイッチが付いている
子供用の警戒ブザーみたいなものだよスイッチを入れて、15秒後に物凄い大音量で警戒音が鳴る仕組みになっているから
時間差で、轟音が鳴るんだ
シザーリオ・ヴァイオラの連れてきた手下は、アメリカ式だからね
アメリカ式
何でも銃で解決するってことさ
敵が銃器で武装していることが前提なんだ
アメリカでも第一次大戦の頃はね、戦場に行っても一発も銃を撃たないまま帰国した人が多かったんだよ
マルゴさんが、そんなことを言う
やっぱり人を狙って引き金を引くっていうのは、なかなか覚悟の居ることだからね躊躇無く引き金を引ける人は、やっぱりそんなにはいなかったんだ
だから今のアメリカ軍では、動いているものを見たら反射的に銃を撃つ訓練をしている相手を人間と確認する前に、身体が勝手に引き金を引いてしまうようにトレーニングされているんだ
もちろんその結果の誤射は多いよ間違って、味方を撃ち殺してしまったなんていうケースが多々あるでも、それがアメリカ軍の方針だから
工藤さんも多分、お父さんに言われていると思うけれどシザーリオ・ヴァイオラの手下の前では、うかつに動かないでねあいつらは、反射的に銃を撃ってくるから真っ正面から、殺気を発するとそのまま撃たれかねないからね
ミッチィが答えた
吉田くんも絶対に、敵に向かって何かを投げ付けたりしてはダメだよその瞬間に撃たれるからね
隙を見せれば撃たれる
攻撃の意志を見せれば躊躇無く
このブザーは、敵の気を反らすために使うんだ自分から離れた場所に、敵に気付かれないように、こっそりと置くようにして
どんなに訓練された人間でも突発的な出来事に対しては、絶対に反応してしまうそれも、大きな音とか光にはねそこに隙ができるから
判りましたこれは、いただいていきます
オレは碁石風のブザーを、制服のポケットにしまった
じゃあ行って来ます
オレが、そう言うと素麺を食べながら、寧さんが
行ってらっしゃーいユキユキには、ちゃんと餌をあげておくから心配しないで
ユキユキ
もう、あの子はヨッちゃんのお気に入りのメス犬なんだって、思い込むことにしたからっ人間だって思わなければ、嫉妬とかもしなくて済むでしょっ
あっ、それいいですねっマナも、そう思うことにします
いやマナ
雪乃は、お前の実の姉だぞ
それでいいのか、お前
ユキユキのお世話は、マナも一緒にするから気を付けて行ってきてねっ
そうね人間じゃないって思ったら、別にいいかって思えるかもね
メグまでそんなことを言う
あっ、ちょっと待って
克子姉が、走って紙袋を持って来る
袋の中からは紺色の背広が入っていた
克子姉これ
あなたが今日、みすずさんの発表会に着ていく服よ
この忙しい中ずっとサイズ直しをしていてくれたんだ
ちょっと羽織ってみて
オレは背広の上着を羽織ってみる
うん丈は丁度良いわね袖だけ、少し詰めるわ
克子姉が、待ち針で印を付ける
続いてズボンもオレに当ててみて
裾は少し上げないとね後は問題ないみたいね
メグが克子姉に言った
ズボンの裾上げあたしにやらせてくれませんか
そううん、助かるわお願い
ニッコリと笑ってメグに背広のズボンを手渡す
あっ、マナもお手伝いしますっ
マナちゃん針仕事とかできるの
えっと家庭科で、雑巾を縫ったことはあります
克子姉の言葉に、マナは消沈する
マナ今回は、あたしがするのを見ていて今度の時は、マナにも手伝って貰うから
メグが優しく、マナに言う
うん、判ったメグお姉ちゃん
本当に、奇妙ですね
校舎の外へ出るとミッチィが、オレに言った
すでに、周囲には人気は無い
ほとんどの生徒たちは、すでに下校している
まあまだ何人かは残っているみたいだけれど、それもいずれ先生たちが巡回して追い出してくれるだろう
その先生も学校から帰って貰ってようやく、校内は無人になる
もうしばらくは時間が掛かる
奇妙って何が
オレはミッチィに尋ねた
黒い森という集団ですまったく血の繋がらない他人の集まりのはずなのに、どんどん家族の様に結束した集団になっていっています
うんオレたちは、基本的にみんな本当の家族を失った人間の集まりだからね自分の家族が欲しいって、ずっとみんな考えていたんだと思うよ
ミッチィは、オレをチラッと見て
吉田は何も判っていませんね
黒い森は吉田を中心にして、結集していますそれぞれの人間に家族に対する思いが元々あったのでしょうが吉田という存在がいなかったなら、こんなに短期間で集団がまとまることは無かったでしょう
そうかなオレが黒い森に入ったのは、最近だしマルゴさんや寧さんは、前から仲が良かったよ
しかし白坂家の娘であるマナさんまでが、あんなに自然に集団に溶け込んでいるというのは
マナさんでなく、マナだろマナは、ミッチィの妹になったんだから
ミッチィは頬を赤くする
いつの間にかわたくしも、家族化の波に捕らわれてしまっているようですね
オレたちは、無理強いはしないよミッチィには、オレたちと違って、お父さんもお母さんもちゃんと居るんだから
自分の家族が居る人は家族を一番にするべきだよ
ミッチィは、寂しそうに呟いた
ミッチィが、不意にオレに声を掛けた
吉田のことは、わたくしが絶対に守りますですから、吉田は何よりも無事に生き残ることだけを考えて下さい
吉田が居るからあの人たちは結束しています今の吉田は、簡単に死んではいけない人間になっています
オレは死んではいけない
今は死ねないな
みんなが幸せに暮らすことができるようになるまでは
死んでも、死にきれない
そうだねオレ、何がなんでも生きてないといけないんだね
校舎の裏庭を抜けて野球部のグラウンド裏に向かう
傾斜地の上の道に工藤探偵事務所のバンが停まっていた
そのバンの前で
工藤父は、一人でラジオ体操をしていた
おうどうした
オレとミッチィを見て工藤父が、ニヤッと微笑む
お父様お昼を持って参りました
ミッチィの言葉にオレは克子姉から預かってきた、紙袋を差し出す